JP2011254802A - 製菓用発芽米ミックス粉 - Google Patents

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Abstract

【課題】発芽玄米粉を配合したアレルゲンフリーの製菓用ミックスを提供する。
【解決手段】発芽玄米粉、タピオカでんぷん、大豆粉、植物油脂を含む発芽玄米ミックス粉。
【選択図】なし

Description

本発明は、製菓用発芽米ミックス粉に関する。
製菓用材料として米を原料とした粉の開発が行われている。
例えば、特許文献1(特開2006−136257号公報)には、焙焼された玄米粉100重量部、タピオカ澱粉又は葛澱粉などの澱粉1〜20重量部を水と混合して加熱した糊状体、酵母及び水を混合し、発酵させた後に焼成する米粉パンの製造方法が開示されている。
例えば、特許文献2(特開2004−267144号公報)には、(1)うるち米から得られた米粉の全量を100質量部とした場合、そのうちの4〜8質量部をその10〜15倍量の水と混合し、加熱して、米粉中のデンプンをα化して、粘稠なスラリー状物を得て、(2)該スラリー状物を、残りの米粉、残りの米粉の0.1〜0.2倍量の水及び酵母と混合して、流動性を有するパン生地を調製し、(3)該パン生地を成形容器に流し込み、(4)該成形容器を加熱して、パン生地を発酵させ、(5)該発酵物をオーブンで焼成することを含み、得られるパンが、実質的にグルテンを含まないうるち米を主原料とするパンの製造方法が開示されている。
例えば、特許文献3(特許第3611802号公報)には、粘性と粘弾性の両者とも優れている団子や餅菓子等のみならず、パン類や洋菓子、麺類のような非常に弾力のある加工食品も製造に適した、発芽後の発芽玄米を湿熱加熱し発芽玄米中の澱粉を部分的にα化させた後、乾燥を行い、ついで粉砕して得られる発芽玄米粉であって、水分量が5〜10%、α化度が10〜60%、一般生菌数が1,000CFU/g以下である発芽玄米粉が開示されている。
本出願人は、通常の玄米に比して消化吸収性が良く、γ−アミノ酪酸、フェルラ酸等の栄養成分を高含有していることから、機能性食品として評価されている発芽玄米に関する研究開発を続けている。製菓用にも、特許文献3(特許第3611802号公報)には、粘性と粘弾性の両者とも優れている団子や餅菓子等のみならず、パン類や洋菓子、麺類のような非常に弾力のある加工食品も製造に適した、発芽後の発芽玄米を湿熱加熱し発芽玄米中の澱粉を部分的にα化させた後、乾燥を行い、ついで粉砕して得られる発芽玄米粉であって、水分量が5〜10%、α化度が10〜60%、一般生菌数が1,000CFU/g以下である発芽玄米粉などを提案している。
特開2006−136257号公報 特開2004−267144号公報 特許第3611802号公報
本発明者は、栄養成分に優れた発芽玄米の活用を検討しており、本発明では、発芽玄米粉を配合したアレルゲンフリーの製菓用ミックスを提供することを目的とする。
本発明の主な構成は次のとおりである。
1.発芽玄米粉、タピオカでんぷん、大豆粉、植物油脂を含む発芽玄米ミックス粉。
2.小麦粉、卵、乳を含まないことを特徴とする1.記載の発芽玄米ミックス粉。
3.アレルゲンフリーである製菓用であることを特徴とする1.又は2.記載の発芽玄米ミックス粉。
4.発芽玄米粉100重量部に対し、タピオカでんぷん38重量部、大豆粉15重量部、植物油脂38重量部であることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の発芽玄米ミックス粉。
発芽玄米を配合した小麦粉、卵、乳などのアレルゲンを含まない製菓用発芽玄米ミックス粉を提供することができる。従来の卵の気泡性を使用せずに、タピオカでんぷん、大豆粉、植物油脂と発芽玄米粉を配合することにより、十分生地を膨らませることが可能となった。
本実施例の状態を示す図。(a)外観図、(b)断面図 比較例1の状態を示す図。(a)外観図、(b)断面図 比較例2の状態を示す図。(a)外観図、(b)断面図
本発明は、発芽玄米粉を主体とした製菓用発芽玄米ミックス粉である。発芽玄米とタピオカでんぷん、大豆粉、植物油脂を配合する。小麦粉、卵、乳などのアレルゲンを含まないアレルゲンフリーであるケーキやパンとして良好な発泡性を実現した。
配合は、発芽玄米粉100重量部に対し、タピオカでんぷん38重量部、大豆粉15重量部、植物油脂38重量部が適当である。
本発明に用いる発芽玄米粉は、本出願人が開示した発芽玄米を原料として用いることができる。例えば、特許第3738025号公報に開示した直接還元糖が発芽玄米乾燥重量100グラム中0.15g以上であり、α化澱粉が総澱粉含量の9〜40%、蔗糖が0.5g以上である発芽玄米を使用することができる。この先行発明で提案した発芽玄米は、水分が10〜20%である乾燥発芽玄米である。この乾燥発芽玄米を製粉機にて製粉した発芽玄米粉を用いることができる。
本発明に用いるタピオカでんぷん、大豆粉、植物油脂は、市販の材料を使用することができる。
大豆粉は、乾燥した大豆を処理温度が高温にならないように調整しながら製粉したものである。なお、きな粉は大豆を焙煎した後に製粉するので加熱によって乾燥大豆に含まれるタンパクや脂質が変性している。特に、脂肪分は高温に曝されると酸化して変性する。
植物油脂は、なたね油、パーム油、大豆油のほか、マーガリン、ショートニングなどが使用できる。これらは、粉末化したもの、固形状のものとして用いることが出来る。
その他の材料として、砂糖、ベーキングパウダー、あるいは製菓用に用いられる添加剤を添加することができる。しかし、本発明は、卵、小麦粉、乳を使用せずとも良好に発泡して膨らますことができる。
使用可能な製菓対象は、パンケーキ、ロールケーキ、スポンジケーキ、シュークリーム、クッキーなどの原料として用いることができる。
本発明のミックス粉は、通常と同様に使用することができる。例えば、各粉体原料を量り合わせてミックスする。これに水を加えて良く混ぜ合わせ、30gを直径120mmのパンにとり、オーブンで180℃、15分間焼いて、カップケーキを作る。
焼き上げたカップケーキは、従来の卵を使用した発芽玄米粉ミックス粉と同程度の膨らみと、食味を実現した。
一方、従来の発芽玄米粉ミックスから卵を除いた場合は、膨らみは不十分であり、カップケーキとしては不満足である。これは、卵の気泡性に起因している。
表1に記載された実施例及び比較例の組成のミックス粉をもちいて、パンケーキを試作した。
パンケーキは次のようにして製造した。
1.水以外の成分を混ぜ合わせる。
2.水を加えて、良く混ぜ合わせる。
3.2.を30gを直径120mmのパン皿に流し込む。
4.オーブンにパン皿を挿入し、180℃で15分間焼く。
焼き上がりの状態と、直後の食味と3日後の食味評価を表2に示す。
なお、従来例1は、卵を用いた従来の玄米ミックス粉であり、良好な状態として、標準である。従来例2は、従来例1に示す組成からアレルゲンの原因となる卵を除いた例である。従来例2では、膨らみが不十分であり、パンケーキの生地としては使用できないものであった。本発明は、この従来例からアレルゲンとなる卵を除いても十分な、膨らみが得られ、食味も良好な発芽玄米ミックス粉を追求するために、各種の組成を検討したものである。
各ミックス粉の原料配合で焼き上がり結果から、発芽玄米粉にタピオカでんぷんと大豆粉と植物油脂を加えることにより膨らみ、内部がもち状になりにくいことが分かった。
老化に関しては、食味試験結果よりタピオカでんぷんや大豆粉、植物油脂を使用すると進みにくいことが確認できた。
実施例1の組成に対して、大豆粉に代えてきな粉を用いた比較例1、タピオカでんぷんに代えてもち粉を用いた比較例2、タピオカでんぷんを使用しなかった比較例A、大豆粉を使用しなかった比較例B、植物油脂を使用しなかった比較例C、及び大豆粉と植物油脂を使用しなかった比較例Dの評価では、比較例1以外は膨らみが不十分である。比較例A〜Dでは、三日後の食味の劣化することが明らかである。比較例1は、三日後の食味が劣化する。
比較例3〜7では白米粉を使用して、多成分との組み合わせを検討した。比較例8、9では、発芽玄米粉を使用した場合に、でんぷんの種類を代えて試験をした例である。
これらの結果、膨らみが不十分であったり、三日後の食味が著しく低下することが明となった。
実施例1及び比較例1、比較例2の外観の状態あるいは内部状況について、図1、2、3に示した。本実施例は十分に膨らみ、きめ細かな内部の状況を看取できる。これに対して、比較例1は、膨らみがあるが気泡が大きめであって、生地の部分が密になっていることが、時間が経つにつれて触感の低下につながる。比較例2は、膨らみが不十分で、内部が高密度になっており、もち状を呈している。

Claims (4)

  1. 発芽玄米粉、タピオカでんぷん、大豆粉、植物油脂を含む発芽玄米ミックス粉。
  2. 小麦粉、卵、乳を含まないことを特徴とする請求項1記載の発芽玄米ミックス粉。
  3. アレルゲンフリーである製菓用であることを特徴とする請求項1又は2記載の発芽玄米ミックス粉。
  4. 発芽玄米粉100重量部に対し、タピオカでんぷん38重量部、大豆粉15重量部、植物油脂38重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発芽玄米ミックス粉。
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