JP2011253656A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】組付時等において、電解質膜の損傷を抑え、反応流体がリークするおそれを低減させるのに有利な燃料電池を提供する。
【解決手段】膜電極接合体1の外縁部をシールする外縁シール部10が設けられている。断面において、外縁シール部10は、電解質膜4の外縁端面4pを外側から1周する内縁端面11iを有するセンターシールフレーム11と、アノード触媒層3の外縁端面3pを外側から1周する内縁端面11iと電解質膜4の表面の第1露出面41を被覆する内縁シール表面12wとを有するアノードシールフレーム12と、カソード触媒層5の外縁端面5pを外側から1周する内縁端面13iと電解質膜4の表面の第2露出面42を被覆する内縁シール表面13wとを有するカソードシールフレーム13とをもつ。
【選択図】図1

Description

本発明は電解質膜を有する燃料電池に関する。
燃料電池では、アノード拡散層、アノード触媒層、電解質膜、カソード触媒層、カソード拡散層を厚み方向にこの順に積層方向に積層させて形成された膜電極接合体が設けられている。電解質の材質が損傷しやすい場合に対処するシール構造をもつ燃料電池として、特許文献1に係る技術が開示されている。特許文献1では、図9に示すように、アノード拡散層500とアノード触媒層501との間にポリマーフレーム600の内縁部602をこれの面方向に沿って進入させると共に、カソード拡散層700とカソード触媒層701との間にポリマーフレーム610の内縁部604をこれの面方向に沿って進入させているガスシール構造が採用されている。
特開2008−507107号公報
しかしながら、燃料電池を組み付けるとき、ポリマーフレーム600,610の内縁部602,604の厚みにより、電解質膜800が局所的に損傷するおそれがある。殊に、ポリマーフレーム600,610の内縁部602,604付近に過度な荷重が作用し、電解質膜が局所的に損傷するおそれがある。この場合、アノードガスやカソードガスなどの反応流体がリークするおそれがある。殊に、近年、プロトン伝導基としてリン酸を浸透させた高分子材料で形成された電解質膜を組み付けた中温形の膜電極接合体や燃料電池が開発されている。このものによれば、作動温度を100℃以上にできる利点を有するものの、リン酸を浸透させた高分子材料で形成された電解質膜は、燃料電池の組み付け時に組付荷重の条件によっては、パーフルオロスルホン酸樹脂ポリマーに比較して、損傷に対する耐久性が要請されている。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、電解質膜の損傷が抑制され、アノード流体やカソード流体などの反応流体がリークするおそれを低減させるのに有利な燃料電池を提供することを課題とする。
本発明に係る燃料電池は、(i)アノード拡散層、アノード触媒層、イオン伝導性を有する電解質膜、カソード触媒層、カソード拡散層を厚み方向にこの順に積層方向に積層させて形成された膜電極接合体と、
(ii)アノード拡散層の厚み方向の外側に積層されアノード流体をアノード拡散層に供給する第1セパレータと、(iii)カソード拡散層の厚み方向の外側に積層されカソード流体をカソード拡散層に供給する第2セパレータと、(iv)膜電極接合体の外縁部を1周するように設けられ膜電極接合体の外縁部と第1セパレータと第2セパレータとの間をシールする外縁シール部とを具備しており、
(v)膜電極接合体の厚みに沿った切断した断面において、 アノード触媒層の外縁端面は、積層方向と直交する方向において電解質膜の外縁端面よりも内方に退避して電解質膜の一方の表面の外縁表面を露出させて第1露出面を形成しており、カソード触媒層の外縁端面は、積層方向と直交する方向において電解質膜の外縁端面よりも内方に退避して電解質膜の他方の表面の外縁表面を露出させて第2露出面を形成しており、
外縁シール部は、
積層方向において電解質膜の外縁端面に対面する位置に配置され、電解質膜の外縁端面に対面しつつ電解質膜の外縁端面を外側から1周する内縁端面を有する枠状をなすセンターシールフレームと、
積層方向においてアノード触媒層の外縁端面に対面する位置に配置され、アノード触媒層の外縁端面に対面しつつアノード触媒層の外縁端面を外側から1周する内縁端面と、電解質膜の一方の表面の第1露出面をシールしつつ被覆する内縁シール表面とを有する枠状をなすアノードシールフレームと、
積層方向においてカソード触媒層の外縁端面に対面する位置に配置され、カソード触媒層の外縁端面に対面しつつカソード触媒層の外縁端面を外側から1周する内縁端面と、電解質膜の他方の表面の第2露出面をシールしつつ被覆する内縁シール表面とを有する枠状をなすカソードシールフレームとを具備する。
本発明に係る燃料電池によれば、燃料電池の組付時において、アノードシールフレームの内縁シール表面は、電解質膜の一方の表面に形成されている第1露出面を被覆する。同様に、カソードシールフレームの内縁シール表面は、電解質膜の他方の表面に形成されている第2露出面を被覆する。このように燃料電池の組付時において、電解質膜の外縁の第1露出面および第2露出面は、アノードシールフレームの内縁シール表面およびカソードシールフレームの内縁シール表面で被覆される。このため、燃料電池の組付時において、第1セパレータおよび第2セパレータからの荷重が電解質膜の外縁の第1露出面および第2露出面に伝達されにくくなり、従って、電解質膜の損傷が抑制される。このように電解質膜の損傷が抑制されるため、アノード触媒層側に供給されたアノードガス等のアノード流体が、対極であるカソード触媒層側に漏れることが抑えられている。カソード触媒層側に供給されたカソードガス等のカソード流体が、対極であるアノード触媒層側に漏れることが抑えられている。
本発明に係る燃料電池によれば、組み付けの際に電解質膜の損傷が抑制されるため、アノード流体やカソード流体などの反応流体がリークするおそれを低減させるのに有利である。
実施形態1に係り、燃料電池を分解して示す断面図である。 実施形態1に係り、燃料電池を分解して示す要部の断面図である。 実施形態1に係り、燃料電池を組み付けた状態の要部の断面図である。 実施形態1に係り、アノード拡散層とアノード触媒層との位置関係を示す平面図である。 実施形態1に係り、カソード拡散層とカソード触媒層との位置関係を示す平面図である。 実施形態1に係り、セパレータを示す平面図である。 実施形態1に係り、燃料電池を組み付ける過程を示す側面図である。 他の実施形態に係り、燃料電池を分解して示す要部の断面図である。 従来技術に係り、燃料電池の要部を分解して示す断面図である。
第1セパレータとアノードシールフレームとの間に介在するアノードガスケットと、第2セパレータとカソードシールフレームとの間に介在するカソードガスケットとが設けられていることが好ましい。シール性を高めるのに有利となる。
好ましくは、アノードシールフレームの内縁シール表面は、センターフレームの内縁端面およびガスケットよりも面方向において内方に向けて進出している。同様に、カソードシールフレームの内縁シール表面は、センターフレームの内縁端面およびガスケットよりも面方向において内方に向けて進出している。
電解質膜は、リン酸を高分子材料に浸透させた膜で形成されていても良いし、パーフルオロスルホン酸樹脂ポリマー等の炭化フッ素系の高分子材料で形成されていても良いし、炭化水素系の高分子材料で形成されていても良い。例えば、電解質膜は、イミダゾール環を有する高分子化合物に、無機酸の水素原子をフェニル基を有する官能基で置換した酸をドープしてなる固体高分子電解質材料で形成されていても良い。この場合、イミダゾール環を有する高分子化合物が、ポリベンズイミダゾールであり、かつ無機酸が、リン酸とすることができる。
燃料電池の組付前において、アノード触媒層は拡散層に被覆されていても良いし、電解質膜に被覆されていても良い。カソード触媒層は拡散層に被覆されていても良いし、電解質膜に被覆されていても良い。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について図1〜図7を参照して説明する。図1および図2は燃料電池を分解して示す。図3は燃料電池として組付けた後の要部を拡大して示す。燃料電池は、図3に示すように、膜電極接合体1を有する。膜電極接合体1は、アノード拡散層2、アノード触媒層3、電解質膜4、カソード触媒層5、カソード拡散層6を、これらの厚み方向にこの順に積層させて形成されている。アノード拡散層2およびカソード拡散層6は、ガス等の反応流体を透過拡散できるように、導電性繊維の集合体で形成されており、多孔質性をもつ。アノード触媒層3およびカソード触媒層5は、カーボンブラック等の導電性微小体と、白金等の触媒と、イオン伝導性をもつ電解質成分とを有する。電解質膜4は、リン酸を高分子材料に浸透させた膜で形成されている。具体的には、イミダゾール環を有する高分子化合物に、無機酸の水素原子をフェニル基を有する官能基で置換した酸をドープしてなる固体高分子電解質材料で形成されている。更に具体的には、電解質膜4はポリベンズイミダゾールが好ましく、無機酸はリン酸であることが好ましい。このような電解質膜4を搭載する燃料電池は、パーフルオロスルホン酸樹脂ポリマー等の炭化フッ素系の高分子材料等の電解質膜を搭載する燃料電池に比較して、作動温度を100℃以上にできるため、液相状の水の排出を改善できる利点を有する。しかし、この電解質膜4は、パーフルオロスルホン酸樹脂ポリマー等の炭化フッ素系の高分子材料の電解質膜、または、炭化水素系の高分子材料で形成された膜に比較して、脆性が低いため、燃料電池の組付時において、電解質膜4を損傷させないような留意が必要である。なお、図1〜図3において矢印T方向は積層方向を示す。矢印D方向は積層方向と直交する方向(面方向)を示す。面方向はX方向とX方向に直交するY方向とで構成される(図4および図5参照)。
図1および図2に示すように、燃料電池の組付前では、アノード触媒層3は、アノード拡散層2のうち電解質膜4に対向する表面2xに積層されている。アノード拡散層2の表面2xには、アノード触媒層3が被覆されていない領域2mが枠状に1周するように形成されている。領域2mにはアノードシールフレーム12が対面接触する。また、図1に示すように、カソード触媒層5はカソード拡散層6のうち電解質膜4に対向する表面6xに積層されている。カソード拡散層6の表面6xには、カソード触媒層5が被覆されていない領域6mが枠状に1周するように形成されている。領域6mにはカソードシールフレーム13が対面接触する。
更に、図1に示すように、アノード拡散層2の厚み方向の外側に積層される第1セパレータ7が設けられている。第1セパレータ7は、カーボン材料または耐食性が良い金属材料で形成されており、アノードガスをアノード拡散層2に供給する溝状の第1配流通路70と、第1配流通路70を形成する複数の配流突起72と、後述するアノードガスケット20を嵌合させるために第1セパレータ7の外縁部に沿って1周するように形成されたガスケット溝71と、ガスケット溝71の外周側に位置するように第1セパレータ7の外縁部を1周して第1配流通路70をシールするように突出するシール突起73と、ガスケット溝71の内周側を1周するシール突起75とをもつ。
カソード拡散層6の厚み方向の外側に積層される第2セパレータ8が設けられている。第2セパレータ8は、カーボン材料または耐食性が良い金属材料で形成されており、カソードガス等のカソード流体をカソード拡散層6に供給する第2配流通路80と、第2配流通路80を形成する複数の配流突起82と、後述するカソードガスケット30を嵌合させるガスケット溝81と、ガスケット溝81の外周側に位置するように第2セパレータ8の外縁部を1周して第2配流通路80をシールするように突出するシール突起83と、ガスケット溝81の内周側を1周するシール突起85とをもつ。シール突起73,83は互いに対向する。シール突起73,83はシール突起75,85よりもセパレータ7,8の厚み方向の突出量が大きくされている。なお、図6に示すように、第1セパレータ7および第2セパレータ8は平面視で四角形状をなす。但しこれに限定されるものではない。
図4は、アノード触媒層2と電解質膜4との関係を平面で透視した状態を模式的に示す。図5は、カソード触媒層5と電解質膜4との関係を平面で透視した状態を模式的に示す。図4に示すように、電解質膜4は、平面視における輪郭を形成する外縁端面4pをもち、平面視で四角形状をなす。アノード触媒層3は、平面視における輪郭を形成する外縁端面3pをもち、平面視で四角形状をなす。図5に示すように、カソード触媒層5は、平面視における輪郭を形成する外縁端面5pをもち、平面視で四角形状をなす。図4および図5に示すように、電解質膜4は、アノード触媒層3およびカソード触媒層5よりも面方向において、つまり、X方向およびY方向において外方にはみ出るように大きくされている。
図4に示すように、アノード触媒層3の外縁端面3pは、積層方向と直交する方向において、即ち、X方向およびY方向において、電解質膜4の外縁端面4pよりも寸法DAぶん内方に退避しており、電解質膜4の一方の表面4aにおいて外縁表面を露出させて四角枠形状の第1露出面41を形成している。第1露出面41は、電解質膜4の外縁端面4pに沿って四角枠状をなすように1周している。
図5に示すように、カソード触媒層5の外縁端面5pは、積層方向と直交する方向において、即ち、図5に示すX方向およびY方向において、電解質膜4の外縁端面4pよりも寸法DCぶん内方に退避しており、電解質膜4の他方の表面4cにおいて外縁表面を露出させて第2露出面42を形成している。第2露出面42は、電解質膜4の外縁端面4pに沿って四角枠状をなすように1周している。
図1および図2に示すように、膜電極接合体1の外縁部を1周するようにシールするための外縁シール部10が設けられている。外縁シール部10は本実施形態を特徴づけるものであり、センターシールフレーム11と、アノードシールフレーム12と、カソードシールフレーム13とに分割されて形成されている。ここで、センターシールフレーム11は樹脂やゴム等の高分子材料で形成されたシール材料で構成されており、内縁端面11i、外縁端面11p、一方の表面11s、他方の表面11fをもつ四角枠状をなしている。図3に示すように、燃料電池の組付時において、センターシールフレーム11の内縁端面11iは、積層方向(矢印T方向)において、電解質膜4に対面する位置に配置されている。即ち、図3に示すように、センターシールフレーム11の内縁端面11iは、電解質膜4の外縁端面4pに対面すると共に電解質膜4の外縁端面4pを1周する。
アノードシールフレーム12は、組付荷重により容易に弾性変形できるような樹脂やゴム等の高分子材料(例えばPTFE)で形成されたシール材料で構成されており、図3に示すように、内縁端面12i、外縁端面12p、一方の表面12s、他方の表面12fをもち、四角枠状をなしている。図3に示すように、アノードシールフレーム12の内縁端面12iは、積層方向(矢印T方向)において、アノード触媒層3の外縁端面3pに対面する位置に配置されている。従って、アノードシールフレーム12の内縁端面12iは、アノード触媒層3の外縁端面3pに対面すると共にアノード触媒層3の外縁端面3pを1周する。
カソードシールフレーム13は、組付荷重により容易に弾性変形できるような樹脂やゴム等の高分子材料(例えばPTFE)で形成されたシール材料で構成されており、図3に示すように、内縁端面13i、外縁端面13p、表面13s、表面13fをもち、四角枠状をなす。カソードシールフレーム13の内縁端面3iは、積層方向(矢印T方向)において、カソード触媒層5の外縁端面5pに対面する位置に配置されている。カソードシールフレーム13の内縁端面13iは、カソード触媒層5の外縁端面5pに対面すると共にカソード触媒層5の外縁端面5pを1周する。
前述したように、電解質膜4の表面4a,4cにおいて、アノード触媒層3およびカソード触媒層5から露出する第1露出面41および第2露出面42が厚み方向に互いに背向するように形成されている。アノードシールフレーム12は、樹脂やゴム等の高分子材料で形成されたシール材料で構成されており、図3に示すように、電解質膜4の一方の表面4aの第1露出面41をシールしつつ被覆する内縁シール表面12wを有する。カソードシールフレーム13は、樹脂やゴム等の高分子材料で形成されたシール材料で構成されており、図3に示すように、電解質膜4の他方の表面4cの第2露出面42をシールしつつ被覆する内縁シール表面13wを有する。このように電解質膜4の第1露出面41,第2露出面42は、アノードシールフレーム12の内縁シール表面12wおよびカソードシールフレーム13の内縁シール表面13wでシールしつつ被覆されて厚み方向に挟持されている(図3参照)。このためアノード拡散層2およびアノード触媒層3に供給されたアノード流体(例えば水素ガス等)がカソード触媒層5側に漏れることが抑制されている。且つ、カソード拡散層6およびカソード触媒層5に供給されたカソード流体(例えば空気)がアノード触媒層3側に漏れることが抑制されている。つまり、クロスリークが抑制されている。
更に本実施形態によれば、図3に示すように、第1セパレータ7とアノードシールフレーム12との間に介在する枠状のアノードガスケット20がガスケット溝71に嵌合して設けられている。更に、第2セパレータ8とカソードシールフレーム13との間に介在する枠状のカソードガスケット30がガスケット溝81に嵌合して設けられている。これによりシール性が確保され、反応流体がセパレータ7,8の外方に漏れることが抑制されている。アノードガスケット20およびカソードガスケット30は、荷重により容易に弾性変形できるゴムや樹脂等の高分子材料で形成されたシール材料(例えばPTFE等のフッ素樹脂)で形成されていることが好ましい。なお、ガスケット20,30は内縁端面20i,30iおよび外縁端面20p,30pをもつ。
本実施形態によれば、アノードガスケット20およびカソードガスケット30を構成するシール材料は、センターシールフレーム11、アノードシールフレーム12およびカソードシールフレーム13を構成するシール材料よりも柔らかくされていることが好ましい。その理由としては、積層方向(矢印T方向)において電解質膜4と同じ位置に配置されるセンターシールフレーム11付近におけるシール性、ひいては電解質膜4付近におけるシール性を高めるためである。更に、アノード触媒層3、カソード触媒層5付近におけるシール性を高めるためである。
なお、アノードガスケット20およびカソードガスケット30を構成するシール材料よりも、アノードシールフレーム12およびカソードシールフレーム13を構成するシール材料は、締結荷重の負担等ができるように、高い弾性率(硬い)をもつことが好ましい。
本実施形態によれば、同様に、アノードガスケット20およびカソードガスケット30を構成するシール材料よりも、センターシールフレーム11を構成するシール材料は、高い弾性率(硬い)をもつことが好ましい。その理由としては、主として、組付時において、積層方向(矢印T方向)においてセンターシールフレーム11は電解質膜4と同じ位置に配置されるため、電解質膜4の厚み方向の過剰圧縮を抑制し、電解質膜4を保護するためである。仮にセンターシールフレーム11が過剰に軟質であると、電解質膜1が過剰圧縮される。
但し、アノードシールフレーム12、カソードシールフレーム13を構成するシール材料よりも、センターシールフレーム11を構成するシール材料は、軟質とされている。その理由としては、センターシールフレーム11が硬過ぎると、センターシールフレーム11付近におけるシール能が低下するためである。換言すると、アノードシールフレーム12、カソードシールフレーム13を構成するシール材料は、センターシールフレーム11を構成するシール材料よりも硬質とされている。後述するように燃料電池の組付時において、シールを確保するためのシール締結荷重経路Fは、第1セパレータ7,アノードガスケット20、アノードシールフレーム12、センターシールフレーム11、カソードシールフレーム13、カソードガスケット30、第2セパレータ8を繋ぐ方向に沿って主に作用するためである。
本実施形態によれば、燃料電池の組付前において、図2に示すように、電解質膜4の厚みをt1とし、センターシールフレーム11の厚みをt2とし、アノード触媒層3の厚みをt3とし、アノードシールフレーム12の厚みをt4とし、アノード拡散層2の厚みをt5とし、アノードガスケット20の厚みをt6とし、更に、カソード触媒層5の厚みをt7とし、カソードシールフレーム13の厚みをt8とし、カソード拡散層6の厚みをt9とし、カソードガスケット30の厚みをt10として示す。ここで、t1>t2が好ましい。t1/t2=1.02〜1.40の範囲内、1.05〜1.25の範囲内が好ましい。このようにすれば、燃料電池の組付時に電解質膜4が厚み方向に微小量弾性変形し、電解質膜4の一方の表面4aとアノード触媒層3との接触抵抗を低減させ、電解質膜4の他方の表面4cとカソード触媒層5との接触抵抗を低減させるのに有利であり、セル抵抗を低下させるのに有利となる。但し、場合によっては、t1=t2、t1≒t2とすることもできる。なお電解質膜4の厚みt1としては、10〜200マイクロメートル、20〜150マイクロメートルが例示されるが、これらに限定されるものではない。
組付前において、アノード触媒層3の厚みt3とアノードシールフレーム12の厚みt4との関係については、t3=t4またはt3≒t4(t3/t4=0.8〜1.2の範囲内、あるいは、0.9〜1.1の範囲内)が好ましい。燃料電池を組み付けたとき、積層方向(矢印T方向)においてアノード触媒層3およびアノードシールフレーム12はほぼ同位置に配置されるため、アノード触媒層3の外周側をアノードシールフレーム12が良好にシールするためである。なお厚みt3,t4としては、10〜200マイクロメートル、20〜150マイクロメートルが例示されるが、これらに限定されるものではない。
組付前において、カソード触媒層5の厚みt7とカソードシールフレーム13の厚みt8との関係については、t7=t8またはt7≒t8(t7/t8=0.8〜1.2の範囲内、あるいは、0.9〜1.1の範囲内)が好ましい。燃料電池を組み付けたとき、積層方向(矢印T方向)においてカソード触媒層5およびカソードシールフレーム13はほぼ同位置に配置されるため、カソード触媒層5の外周側をカソードシールフレーム13が良好にシールするためである。なお厚みt7,t8としては、10〜300マイクロメートル、20〜200マイクロメートルが例示されるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態によれば、アノードガスケット20の厚みt6については、アノードガスケット20による高シール性の確保を考慮すると、t6≧t1,t2,t3,t4,t5の関係にできる。カソードガスケット30の厚みt10については、アノードガスケット20による高シール性の確保を考慮すると、t10≧t1,t2,t3,t4,t7,t8,t9の関係にできる。なおt6=t10、t6≒t10(t6/t10=0.8〜1.2の範囲内、あるいは、0.9〜1.1の範囲内)が好ましい。
燃料電池が組み付けられたときには、図3に示すように、第1セパレータ7のシール突起73と第2セパレータ8のシール突起83とがセンターシールフレーム11をこれの厚み方向に挟持し、燃料電池の内部を外気に対してシールする。シール突起73,83は、シールフレーム11,12,13よりも硬質であり、センターシールフレーム11をこれの厚み方向に弾性変形させつつ挟持できる。
このとき、図3から理解できるように、第1セパレータ7および第2セパレータ8からのシール締結荷重経路Fは、基本的には、第1セパレータ7,アノードガスケット20,アノードシールフレーム12,センターシールフレーム11,カソードシールフレーム13,カソードガスケット30、第2セパレータ8に作用して負担される。この場合、高いシール性の確保のため、ガスケット20,30の厚み方向の弾性収縮が期待される。従って、第1セパレータ7および第2セパレータ8から伝達されるシール用のシール締結荷重経路Fは、基本的には、電解質膜4の外縁の第1露出面41および第2露出面42を直接的に通過することが抑えられている。図3から理解できるように、電解質膜4の第1露出面41および第2露出面42は、シール締結荷重経路Fよりも面方向Dにおいて内方に位置しているため、即ち、シール締結荷重経路Fを構成するセンターフレーム11の内縁端面11iよりも面方向Dにおいて内方に位置しているためである。
ここで、図3から理解できるように、アノードシールフレーム12の内縁シール表面12wは、センターフレーム11の内縁端面11iおよびガスケット20,30よりも面方向Dにおいて内方(図3に示す矢印Di方向)に向けて進出している。従って、内縁シール表面12wは、電解質膜4の第1露出面41(電解質膜4のうちアノード触媒層3に非接触の膜部分)をこれに弾性的にシール接触しつつ被覆している。同様に、カソードシールフレーム13の内縁シール表面13wは、センターフレーム11の内縁端面11iおよびガスケット20,30よりも面方向Dにおいて内方(図3に示す矢印Di方向)に向けて進出している。従って、内縁シール表面13wは、電解質膜4の第2露出面42(電解質膜4のうちカソード触媒層5に非接触の膜部分)をこれに弾性的にシール接触しつつ被覆している。なお、図3から理解できるように、組付後では、電解質膜4の外縁端面4pは、ガスケット20,30の内縁端面20i,30i、センターシールフレーム10の内縁端面10iよりも、面方向Dにおいて内方(図3に示す矢印Di方向)に向けて退避している。
このように本実施形態によれば、電解質膜4のうち電解質材料が露出する第1露出面41および第2露出面42は、シール材料で形成されているアノードシールフレーム12の内縁シール表面12wと、カソードシールフレーム13の内縁シール表面13wとでシールされつつ被覆されている(図3参照)。このため、前述したように、第1セパレータ7および第2セパレータ8からのシール締結荷重経路Fは、電解質膜4の外縁の第1露出面41および第2露出面42で直接的に負荷されることが抑えられている。シール締結荷重経路Fは、シール材料で形成されているアノードシールフレーム12、センターシールフレーム11およびカソードシールフレーム13を介して負荷される。このため、燃料電池の組付時および組付後において、パーフルオロスルホン酸樹脂ポリマー等に比較して強度が必ずしも充分ではない電解質膜4に対する保護性を高めることができ、組付時および組付後における電解質膜4の損傷が抑制されている。従って燃料電池の耐久性の向上、長寿命化に貢献できる。
なお、図3に示すように、シール締結荷重経路Fよりも内側でかつアノードシールフレーム12の内縁端面12iおよびカソードシールフレーム13の内縁端面13iよりも外側の経路W1に沿って観察すると、第1セパレータ7,アノード拡散層2,アノードシールフレーム12,電解質膜4の第1露出面41および第2露出面42,カソードシールフレーム13,カソード拡散層6,第2セパレータ8がこの順に存在する。また図3に示すように、経路W1よりも内側でかつアノード触媒層3の外縁端面3pおよびカソード触媒層5の外縁端面5pよりも内側の経路W2に沿って観察すると、第1セパレータ7,アノード拡散層2,アノード触媒層3,電解質膜4のうち第1露出面41および第2露出面42ではない部分,カソード触媒層5,カソード拡散層6,第2セパレータ8がこの順に存在する。
図7は組付過程の一例を示す。図7に示すように、組付装置100は、互いに並設された第1支持体101および第2支持体102と、第1支持体101および第2支持体102を支持する支持軸103と、第2支持体102に装備された加圧要素105と、第1支持体101および第2支持体102間に配置された第1加圧盤111および第2加圧盤112と、第1加圧盤111および第2加圧盤112に架設された複数の螺子軸113とを有する。複数の螺子軸113で包囲された空間に、燃料電池設置スペース114が形成される。加圧検知要素105は、本体部106と、積層方向(矢印T方向)に延びる検知軸107と、検知軸107の先端部に設けられた検出子109をもつ検出部108とを有する。組付時において、燃料電池に対して積層方向に印加される荷重は、荷重表示器200で表示される。第1加圧盤111および第2加圧盤112間の電気抵抗(セル抵抗)は抵抗表示器220で表示される。
上記した第1セパレータ7、膜電極接合体1、アノードシールフレーム12、シールフレーム、カソードシールフレーム13、第2セパレータ8を、それぞれ、燃料電池設置スペース114に配置して積層体を形成する。この状態で、この積層体を第1加圧盤111と第2加圧盤112との間に配置する。複数の螺子軸113がこれの軸線周りで一方向に同期して回転すると、第1加圧盤111と第2加圧盤112とが互いに接近し、積層体が積層方向に加圧される。荷重表示器200で荷重を表示しつつ、且つ、抵抗表示器220でセル抵抗を表示しつつ、複数の螺子軸113を回転させることにより、積層体の積層方向に荷重を印加させる。セル抵抗が定常的な領域に到達したら、荷重の印加を停止し、燃料電池の組付を終える。その後、複数の螺子軸113をこれの軸線周りで他方向に同期して回転させ、燃料電池を取り出す。
以上説明したように本実施形態によれば、電解質膜4の表面4a,4cにおいて、アノード触媒層3およびカソード触媒層5から露出する第1露出面41および第2露出面42が形成されている。アノードシールフレーム12の内縁シール表面12wは、電解質膜4の一方の表面4aの第1露出面41を弾性的にシール接触しつつ被覆する。カソードシールフレーム13の内縁シール表面13wは、電解質膜4の他方の表面4cの第2露出面42を弾性的にシール接触しつつ被覆する。このように電解質膜4の外縁の第1露出面41および第2露出面42は、アノードシールフレーム12の内縁シール表面12wおよびカソードシールフレーム13の内縁シール表面13wでシール接触されつつ被覆され、厚み方向に挟持されている(図3参照)。このため、燃料電池の組付時において、第1セパレータ7および第2セパレータ8からの荷重が電解質膜4の外縁の第1露出面41および第2露出面42に伝達されにくくなり、従って、電解質膜4の第1露出面41および第2露出面42の損傷が抑制される。このように電解質膜4の損傷が抑制されるため、このためアノード触媒層3側に供給されたアノードガス等のアノード流体が、対極であるカソード触媒層5側に漏れることが抑えられている。カソード触媒層5側に供給されたカソードガス等のカソード流体が、対極であるアノード触媒層3側に漏れることが抑えられている。
更に、電解質膜4をハンドリングするときには、電解質膜4は、センターシールフレーム11に嵌合されつつ、アノードシールフレーム12、カソードシールフレーム13で厚み方向に挟持され、ユニット化される。従って、強度が必ずしも充分ではない電解質膜4は、センターシールフレーム11に嵌合されつつ、アノードシールフレーム12、カソードシールフレーム13で厚み方向に挟持され、ユニット化される。この状態では、電解質膜4の外縁の第1露出面41および第2露出面42は、アノードシールフレーム12およびカソードシールフレーム13で厚み方向に被覆されて挟持されている。このため損傷しやすい電解質膜4に対するハンドリング操作性および保護性を高めることができる。
なお、実施形態1の場合において、各端面の積層方向(矢印T方向)に直交する方向(矢印D方向,面方向)の位置関係について説明を加える。部位の端面の全周において、表1に示す大小関係とされている。表1に示す*は、サイズの好ましい大小関係を示す。
Figure 2011253656
即ち、次のようになる。
・センターシールフレーム11の内縁端面11iは、積層方向に直交する方向(面方向)において1周にわたって、電解質膜4の外縁端面4pに当接しているか、電解質膜4の外縁端面4pよりも外方に位置している。
・センターシールフレーム11の外縁端面11pは、積層方向に直交する方向(面方向)において1周にわたって、アノードシールフレーム12の外縁端面12pおよびカソードシールフレーム13の外縁端面13pよりも外方に位置していることが望ましい。またセンターシールフレーム11の外縁端面11pは、積層方向に直交する方向(面方向)において1周にわたって、第1セパレータ7のシール突起73の内縁端面および第2セパレータ8のシール突起83の内縁端面よりも外方に位置していることが望ましい。
さらに望ましくは、センターシールフレーム11の外縁端面11pは、積層方向に直交する方向(面方向)において1周にわたって、第1セパレータ7のシール突起73の外縁端面(第1セパレータ7の外縁端面)および第2セパレータ8のシール突起83の外縁端面(第2セパレータ8の外縁端面)とほぼ同じところに位置していることである。
・アノードシールフレーム12の内縁端面12iは、積層方向に直交する方向(面方向)において1周にわたって、アノード触媒層3の外縁端面3pに当接しているか、アノード触媒層3の外縁端面3pよりも外方に位置している。
・カソードシールフレーム13の内縁端面3iは、積層方向に直交する方向(面方向)において1周にわたって、カソード触媒層5の外縁端面5pに当接しているか、カソード触媒層5の外縁端面5pよりも外方に位置している。
シール突起75,85,73,83について、次の必要な条件を満足することが好ましい。
(シール突起83の高さ)−(シ−ル突起85の高さ)=
(シール突起83,85の高さの差)<t7+t9
(シール突起73の高さ)−(シ−ル突起75の高さ)=
(シール突起73,75の高さの差)<t3+t5
ただし、拡散層や触媒層の破損に至るような変形が起こらない範囲内が好ましい。
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1〜図7を準用する。電解質膜4は、パーフルオロスルホン酸樹脂ポリマー等の炭化フッ素系の高分子材料の電解質膜、または、炭化水素系の高分子材料で形成された膜で形成されている。本実施形態においても、電解質膜4の表面4a,4cにおいて、アノード触媒層3およびカソード触媒層5から露出する第1露出面41および第2露出面42が形成されている。アノードシールフレーム12の内縁シール表面12wは、電解質膜4の一方の表面4aに形成されている第1露出面41を被覆する。カソードシールフレーム13の内縁シール表面13wは、電解質膜4の他方の表面4cに形成されている第2露出面42を被覆する。このように電解質膜4の外縁の第1露出面41および第2露出面42は、アノードシールフレーム12およびカソードシールフレーム13で被覆されて厚み方向に挟持されている。このためアノード触媒層3側に供給されたアノードガス等のアノード流体が、対極であるカソード触媒層5側に漏れることが抑えられている。カソード触媒層5側に供給されたカソードガス等のカソード流体が、対極であるアノード触媒層3側に漏れることが抑えられている。
(実施形態3)
図8は実施形態3を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図3を準用する。図8に示すように、電解質膜4の一方の表面4aにはアノード触媒層3が被覆されているが、表面4aの外縁においてはアノード触媒層3が被覆されておらず、電解質材料を露出させている第1露出面41が形成されている。図8に示すように、電解質膜4の他方の表面4cにはカソード触媒層5が被覆されているが、表面4cの外縁においてはカソード触媒層5が被覆されておらず、電解質材料を露出させている第2露出面42が形成されている。燃料電池の組付時には、アノードシールフレーム12の内縁側の内縁シール表面12wは、電解質膜4の一方の表面4aに形成されている第1露出面41をシールしつつ被覆する。カソードシールフレーム13の内縁シール表面13wは、電解質膜4の他方の表面4cに形成されている第2露出面42をシールしつつ被覆する。
(実施形態4)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。但し本実施形態では、ガスケット20,30が省略されている。この場合、アノードシールフレーム12、カソードシールフレーム13を柔らかい材料にすることが好ましい。但し、触媒層3,4の破損に至る変形は避けることが好ましい。セパレータ7,8の構造を変えることが好ましい。アノードシールフレーム12、カソードシールフレーム13はセパレータ7,8の端面まで延びている方が好ましい。
(その他)本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
1は膜電極接合体、2はアノード拡散層、3はアノード触媒層、3pは外端端面、4は電解質膜、4pは外縁端面4p、41は第1露出面、42は第2露出面、5はカソード触媒層、5pは外端端面、6はカソード拡散層、7は第1セパレータ、8は第2セパレータ、10は外縁シール部、11はセンターシールフレーム、11iは内縁端面、11pは外縁端面、12はアノードシールフレーム、12iは内縁端面、12pは外縁端面、12wは内縁シール表面、13はカソードシールフレーム、13iは内縁端面、13pは外縁端面、13wは内縁シール表面、20はアノードガスケット、30はカソードガスケットを示す。

Claims (3)

  1. アノード拡散層、アノード触媒層、イオン伝導性を有する電解質膜、カソード触媒層、カソード拡散層を厚み方向にこの順に積層方向に積層させて形成された膜電極接合体と、
    前記アノード拡散層の厚み方向の外側に積層されアノード流体をアノード拡散層に供給する第1セパレータと、
    前記カソード拡散層の厚み方向の外側に積層されカソード流体をカソード拡散層に供給する第2セパレータと、
    前記膜電極接合体の外縁部を1周するように設けられ前記膜電極接合体の外縁部と前記第1セパレータと前記第2セパレータとの間で前記アノード流体および前記カソード流体をシールする外縁シール部とを具備しており、
    前記膜電極接合体の厚みに沿った切断した断面において、
    前記アノード触媒層の外縁端面は、前記積層方向と直交する方向において前記電解質膜の外縁端面よりも内方に退避して前記電解質膜の一方の表面の外縁表面を露出させて第1露出面を形成しており、前記カソード触媒層の外縁端面は、前記積層方向と直交する方向において前記電解質膜の外縁端面よりも内方に退避して前記電解質膜の他方の表面の外縁表面を露出させて第2露出面を形成しており、
    前記外縁シール部は、
    前記積層方向において前記電解質膜の外縁端面に対面する位置に配置され、前記電解質膜の外縁端面に対面しつつ前記電解質膜の外縁端面を外側から1周する内縁端面を有する枠状をなすセンターシールフレームと、
    前記積層方向において前記アノード触媒層の外縁端面に対面する位置に配置され、前記アノード触媒層の外縁端面に対面しつつ前記アノード触媒層の外縁端面を外側から1周する内縁端面と、前記電解質膜の一方の表面の前記第1露出面を被覆する内縁シール表面とを有する枠状をなすアノードシールフレームと、
    前記積層方向において前記カソード触媒層の外縁端面に対面する位置に配置され、前記カソード触媒層の外縁端面に対面しつつ前記カソード触媒層の外縁端面を外側から1周する内縁端面と、前記電解質膜の他方の表面の前記第2露出面を被覆する内縁シール表面とを有する枠状をなすカソードシールフレームとを具備する燃料電池。
  2. 請求項1において、前記第1セパレータと前記アノードシールフレームとの間に介在するアノードガスケットと、前記第2セパレータと前記カソードシールフレームとの間に介在するカソードガスケットとが設けられている燃料電池。
  3. 請求項1または2において、前記電解質膜は、リン酸を浸透させた高分子材料で形成された膜で形成されている燃料電池。
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