<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図9によって説明する。
1.発電プラントPの全体構成の説明
図1には、本発明を適用可能な火力発電プラントPの概略図を示した。この火力発電プラントPには、石炭を含む燃料を燃焼させるためのボイラ1が備えられている。
ボイラ1は、内部で微粉炭を燃焼させる火炉2と、火炉2の側方に配され、上部で火炉2と連結される排ガス流路3とを有している。火炉2には、石炭バンカ10と、この石炭バンカ10に貯蔵された石炭の供給量を調整しつつ供給する給炭機11と、微粉炭機12とが接続されている。微粉炭機12は、給炭機11から供給された石炭を微細な粒度に粉砕してボイラ1のバーナ5へ供給する機能を果たすものである。これにより、石炭の微粉がバーナ5にて燃焼され、火炉2にて高温の燃焼ガスが生成される。
尚、この実施形態では、火炉2にバーナ5が6台(図1中は4台のみを示す)設けられていることから、石炭バンカ10、給炭機11及び微粉炭機12についてもそれぞれ6台ずつ設けられている(図1中は1台のみ示す)。そして、本発電プラントPでは、全6台のバーナ5のうち5台のバーナ5を使用して運転するようにしており、残る1台のバーナ5は予備用となっている。
一方、火炉2の上部および排ガス流路3には、過熱器6の配管およびこの過熱器6に接続される節炭器7の配管が配置されている。そして、給水ポンプ8により圧送された水は、節炭器7および過熱器6の配管内部を順次通過する際に、燃焼ガスにより加熱され、最終的に高温・高圧の蒸気となってタービンTBに供給される構成となっている。そして、高温、高圧の蒸気の供給によりタービンTBが回転すると、タービンTBに直結された発電機Gにて発電される構成となっている。
また、排ガス流路3の出口は、煙道15と称される筒状の配管によって煙突17に接続されており、排ガスは煙道を通って煙突より廃棄される構成となっている。尚、この煙道15上には排ガスを処理するための処理設備19が配置されている。
2.供給装置30の説明
供給装置30は、石炭バンカ10に石炭を供給するものであり、コンベア31と、コンベア31上を送られる石炭を石炭バンカ10に振り分けるスクレーパ装置40で構成されている。石炭バンカ10(10A〜10Fの総称)は、図2に示すように10A〜10Fの6台が一列状に並んで配置されており、バンカ群BKを構成している。
コンベア31は無端状のコンベアベルト35と、コンベアベルト35の両端に設けられたローラ36とからなり、ローラ36を駆動させると、コンベアベルト35が、図中矢印の方向に循環駆動する構成となっている。コンベア31は複数台が直列的につながっており、貯炭場の端からバンカ群BKに向かって延びている。そして、最下流のコンベア31はバンカ群BKの上方をバンカ10の並びに沿って延びており、コンベア終端が最下流の石炭バンカ10Fの丁度、真上に臨む配置になっている。
スクレーパ装置40(40A〜40Eの総称)は、最下流のコンベア31上において、最下流を除く各石炭バンカ10A〜10Eに対応して設けられており、スクレーパ本体41とリフト装置45からなる。図2、図3にて示すように、リフト装置45は、コンベアベルト35を下から持ち上げるようになっており、コンベアベルト35を昇降操作できるようになっている。
スクレーパ本体41は、セラミック製であってV字型をなす。係るスクレーパ本体41はコンベアベルト35の上方において、V字の先端を上流側に向けた状態で固定されている。このスクレーパ本体41の横幅はコンベア幅よりやや長めに設定されている。
そのため、リフト装置45を作動させてコンベアベルト35を持ち上げると、図3にて示すように、ベルト上面(石炭の搬送面)がスクレーパ本体41に接近する(このとき、両間の隙間が数ミリ程度になる)。以上のことから、コンベア31上の石炭は、スクレーパ本体41を通過するときにV字の斜面によってコンベア脇に押し流される。これにて石炭を供給対象となる石炭バンカ10A〜10Eに振り分けることができる。尚、図4の例では、スクレーパ装置40Bを作動させて、石炭を先頭から2台目の石炭バンカ10Bに振り分けている。
3.各石炭バンカ10A〜10Fに対する石炭の供給方法
石炭は上記したコンベア31によって貯炭場から運ばれ、稼働用として割り当てられた5つの石炭バンカに対して供給される。ここでは、6つの石炭バンカ10A〜10Fのうち、10A〜10Eの5つの石炭バンカが稼働中であるとする(最下流に位置する10Fの石炭バンカは休止中)。この場合には、図5に示すように、稼働として割り当てられた5つの石炭バンカ10A〜10Eに対応する5つのスクレーパ装置40A〜40Eにより、石炭の振り分けが順に行われることとなる。
すなわち、1回目の振り分けでは、スクレーパ装置40Aが作動してコンベア31を通じて送られる石炭が石炭バンカ10Aに供給される。次に、2回目の振り分けでは、スクレーパ装置40Bが作動してコンベア31を通じて送られる石炭が石炭バンカ10Bに供給される。次に、3回目の振り分けでは、スクレーパ装置40Cが作動してコンベア31を通じて送られる石炭が石炭バンカ10Cに供給される。そして、4回目の振り分けでは、スクレーパ装置40Dが作動してコンベア31を通じて送られる石炭が石炭バンカ10Dに供給される。5回目の振り分けでは、スクレーパ装置40Eが作動してコンベア31を通じて送られる石炭が石炭バンカ10Eに供給される。
これら全5回の振り分け動作を1サイクルとして、これを繰り返し行うことで、発電に消費された石炭が、稼働として割り当てられた各石炭バンカ10A〜10Eに対して補充(供給)されることとなる。尚、図5では2段目として「40E」のスクレーパ装置を一段目と同時作動させた図としてある(詳しくは次に説明する)。
次に、繰越炭Uの処理方法について説明する。繰越炭Uとは、図4に示すようにスクレーパ装置40によって石炭を所定の石炭バンカ10に振り分けたときに、そのスクレーパ装置40を通過して下流側に繰り越される石炭を意味する。尚、繰越炭Uには、スクレーパ本体41の下を通り抜ける繰越炭Uと、スクレーパ本体41の上を通り越す繰越炭(石炭が雨で湿り石炭塊となるケース)とがある。
本処理方法では、上記繰越炭Uを、繰り越しを発生させた1段目のスクレーパ装置40から見て、それより下流に配置された他のスクレーパ装置40(稼働中の石炭バンカ10に対応するスクレーパ装置に限る)を、作動させることにより処理する。
具体的に説明すると、図5に示すように、1回目の振り分け動作では、供給対象である石炭バンカは「10A」であり、それに対応するスクレーパ装置は「40A」である。従って、繰り越しを発生させる1段目のスクレーパ装置は「40A」であり、「40A」から見て、それより下流側に配置された他のスクレーパ装置40が「40A」とともに同時作動される。図5、図6の例であれば、スクレーパ装置「40E」が「40A」と同時作動される。
これにより、図7に示すように、1段目のスクレーパ装置「40A」を繰り越した繰越炭Uは、2段目のスクレーパ装置「40E」によって石炭バンカ10Eに振り分けられる。
また、2回目の振り分け動作では、供給対象である石炭バンカは「10B」であり、それに対応するスクレーパ装置は「40B」である。従って、繰り越しを発生させる1段目のスクレーパ装置は「40B」であり、「40B」から見て、それより下流側に配置された他のスクレーパ装置40が「40B」とともに同時作動される。図5の例であれば、スクレーパ装置「40E」が「40B」と同時作動される。
これにより、図8に示すように、1段目のスクレーパ装置「40B」を繰り越した繰越炭Uは、2段目のスクレーパ装置「40E」によって石炭バンカ10Eに振り分けられる。
また、3回目の振り分け動作では、供給対象である石炭バンカは「10C」であり、それに対応するスクレーパ装置は「40C」である。従って、この場合には、「40C」から見てそれより下流側に配置された他のスクレーパ装置(図5の例では「40E」)が、「40C」とともに同時作動される。これにより、1段目のスクレーパ装置「40C」を繰り越した繰越炭Uは、2段目のスクレーパ装置40Eによって石炭バンカ10Eに振り分けられる。
また、4回目の振り分け動作では、供給対象である石炭バンカは「10D」であり、それに対応するスクレーパ装置は「40D」である。従って、この場合には、「40D」から見てそれより下流側に配置された他のスクレーパ装置(図5の例では「40E」)が、「40D」とともに同時作動される。これにより、1段目のスクレーパ装置「40D」を繰り越した繰越炭Uは、2段目のスクレーパ装置40Eによって石炭バンカ10Eに振り分けられる。
以上のことから、各スクレーパ装置「40A〜40D」を繰り越した繰越炭Uは、いずれも石炭バンカ10Eに振り分けられる。よって、繰越炭Uを軽減することが可能となる。
また、5回目の振り分け動作では、供給対象である石炭バンカは「10E」であり、それに対応する1段目のスクレーパ装置は「40E」である。この場合には、「40E」から見てそれより下流側に配置された他のスクレーパ装置は存在しないから、「40E」が単独で作動される。そのため、スクレーパ装置「40E」を繰り越した繰越炭Uだけは、最後尾に位置する石炭バンカ10Fに繰り越されることとなる。
尚、参考のため説明を付け加えておくと、本明細書において1段目、2段目など「段」の文言はスクレーパ装置の作動段数を表しており、1段目であれば、1番目に作動したことを意味し、2段目であれば、2番目に作動したことを意味する。
4.効果説明
本実施形態では、スクレーパ装置40を2段作動させている。そのため、1段目のスクレーパ装置40を繰越した繰越炭を2段目のスクレーパ装置40Eのスクレーパ本体41にて石炭バンカ10Eに振り分けることができる。また、2段目は1段目と同様に壁の高いスクレーパ本体41であるから、1段目のスクレーパ本体41の上を通過するような石炭塊の多くを、2段目のスクレーパ本体41で石炭バンカ10に振り分けることが可能であり、繰越炭Uの低減効果が高い。しかも、振り分け先の石炭バンカ10は、稼働中の石炭バンカ10Eであるから、振り分けられた繰越炭Uは発電に回されて消費されることとなり、バンカ内にて溜まることがない。
仮に、繰越炭Uに対する処理を何も行わないとすると、図4に示すように、繰越炭Uは、最下流の石炭バンカ10Fに対して全て送られ、そこで、溜まってしまう。最下流の石炭バンカ10Fが稼働中であれば、それら繰越炭Uは消費されるものの、最下流の石炭バンカ10Fが休止中である場合には、それら繰越炭Uは消費されないままどんどん溜まってしまう。
このような、繰越炭Uを放置しておくと、そのうち、繰越炭Uが石炭バンカ10から溢れてコンベアに干渉する恐れがあるから、溜まらないように、繰越炭Uを定期的に除去する作業を行う必要があり、手間と労力がかかる。しかし本実施形態では、このような繰越炭Uを大幅に低減させることが可能となるので、これらの作業をほとんど行う必要がなくなる。
また、この処理方法は、スクレーパ装置40の作動パターンを「2段作動のパターン」にするものであり、スクレーパ装置40は既存のものをそのまま使うことができる。そのため、発電プラントPを稼働させたままでも適用可能であり、また、改造費など余分なコストもかからない。
また、この実施形態では、繰越炭Uを、スクレーパ装置40Eによって石炭バンカ10Eに対して振り分けるようにした。繰越炭Uの振り分け用として使用するスクレーパ装置40は、必ずしも1つのスクレーパ装置40に固定する必要はなく、一定の条件(下記(a)、(b)の条件)さえ満たせば、各回ごとに切り替えることも無論可能である(図9参照)。
ただ、本実施形態のように、繰越炭Uを振り分けるスクレーパ装置40を固定しておけば、スクレーパ装置40を上げ下げする回数が減るというメリットがある。
・条件(a)繰り越しを発生させた1段目のスクレーパ装置から見て、それより下流に配置された他のスクレーパ装置であること。
・条件(b)稼働中の石炭バンカに対応したスクレーパ装置であること。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図10によって説明する。実施形態2は、第一発電プラント用のバンカ群BK1と第二発電プラント用のバンカ群BK2に対して共通のコンベア31によって石炭を供給する場合における繰越炭Uの処理方法を説明する。
尚、図10に示すように、バンカ群BK1は、10A〜10Fの合計6台の石炭バンカから構成されており、各石炭バンカ10A〜10Fには、それに対応してそれぞれ、スクレーパ装置40A〜40Fが設置されている。また、バンカ群BK2は、10G〜10Lの合計6台の石炭バンカから構成されており、最下流の石炭バンカ10Lを除く各石炭バンカ10G〜10Kには、それに対応してそれぞれ、スクレーパ装置40G〜40Kが設置されている。
さて、この実施形態2では、上流側のバンカ群BK1にて発生した繰越炭Uを振り分けるにあたり、下記条件(a)〜(c)を適用して振り分け用のスクレーパ装置(2段目のスクレーパ装置)40を選択することとしている。
・条件(a)繰り越しを発生させた1段目のスクレーパ装置から見て、それより下流に配置された他のスクレーパ装置であること。
・条件(b)稼働中の石炭バンカに対応したスクレーパ装置であること。
・条件(c)同じバンカ群(同一発電プラント)から選択すること。
このようにすることで、上流側のバンカ群BK1にて発生した繰越炭Uは、バンカ群BK1を構成する10B〜10Fのいずれかの石炭バンカに振り分けられる。従って、上流側の発電プラント用の石炭(繰越炭U)が持ち越されて、下流側に位置する発電プラントの石炭バンカ10に混ざることを防止できる。尚、石炭の混合を回避するのは、各発電プラントPは使用する石炭の種類が異なる場合があるからである。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図11〜図20によって説明する。実施形態3は、実施形態1にて説明した繰越炭Uの処理方法を発展させたものであり、その特徴を大まかに言えば、次の2点を挙げることができる。
・1点目としては、繰越炭Uを貯炭レベルの低い石炭バンカ10に振り分ける制御を実行している点である。
・2点目としては、繰越炭Uの振り分け先である2段目のスクレーパ装置40に位置する石炭バンカ10の貯炭レベルが規定値1になることを条件に、3段目のスクレーパ装置40を作動させて繰越炭Uを複数の石炭バンカ10に振り分けるようにした点である。
以下、石炭を供給する石炭供給システムSのシステム構成を図11を参照して説明し、その後、コントローラ100の下、実行される石炭の振り分けシーケンスを図14ないし図20を参照して説明する。
石炭供給システムSは、大まかには、コンベア31と、コンベア31上に設けられたスクレーパ装置40A〜40Fと、スクレーパ装置40A〜40Fを制御するコントローラ100とを主体に構成されている。
コントローラ100は、制御部110と、到達時間演算部120と、2つの記憶部141、142と、増加率演算部130と、を備えている。記憶部141は隣接する2つのスクレーパ装置(具体的には、スクレーパ本体)の距離Lpを記憶しておくものである。また、記憶部142は、規定値1のデータと規定値2のデータとを記憶しておくものである。
図12を参照して規定値1と規定値2について説明する。規定値1、規定値2は、いずれも石炭バンカ10の貯炭レベルを指すものであり、規定値1は、バンカ内が石炭で満杯となる満杯レベルに対して、ユーザが任意に定めた余裕分Δ1だけ低いレベルとなっている。また、規定値2は、満杯レベルと規定値1の間のレベルであって、満杯レベルに対して、ユーザが任意に定めたΔ2だけ低いレベルとなっている。
また、図12に示す符号150はレベル検出センサである。レベル検出センサ150は石炭バンカ10の貯炭レベルを検出するものであり、各石炭バンカ10の上方部にそれぞれ設けられている。各石炭バンカ10A〜10Fに設けられたレベル検出センサ150A〜150Fの出力ラインは、図11にて示すように、コントローラ100に連なっており、レベル検出センサ150A〜150Fの出力信号(すなわち、各石炭バンカ10A〜10Fの貯炭レベルのデータ)が、コントローラ100に対して取り込まれる構成となっている。
また、図11に示す符号160は速度検出センサである。速度検出センサ160はコンベア31の搬送速度Vを検出する機能を果たすものである。速度検出センサ160の出力ラインは、レベル検出センサ150と同じくコントローラ100に連なっており、出力信号(すなわち、コンベア31の搬送速度Vのデータ)が、コントローラ100に対して取り込まれる構成となっている。
増加率演算部130は、各レベル検出センサ150(150A〜150Fの総称)から出力される出力信号(すなわち、各石炭バンカ10の貯炭レベルのデータ)に基づいて、各石炭バンカ10の貯炭レベルの増加率(単位時間当たりの貯炭レベルの上昇量)を演算する機能を担うものである。
到達時間演算部120は、各石炭バンカ10について、貯炭レベルが規定値2のレベルに達するまでの到達時間Taを算出する機能を果たすものである。尚、到達時間Taは、記憶部142に記憶された規定値2のデータと、レベル検出センサ150から取り込まれる石炭バンカ10の貯炭レベルのデータと、増加率演算部130にて算出された貯炭レベルの増加率から算出することができる。
制御部110は、各記憶部141、142に記憶されたデータ、各検出センサ150、160から取り込まれる出力信号、各演算部120、130にて行われる演算結果のデータに基づいて各スクレーパ装置40を作動させるか否かを判定する機能、及びその結果(判定結果)に従って、各スクレーパ装置40A〜40Fを制御する機能を果たすものである。
続いて、コントローラ100の下に実行される石炭振り分けシーケンスを説明する。尚、この例では、図13に示すようにバンカ群BKは実施形態1の場合と同様に10A〜10Fの6台の石炭バンカから構成されているものとし、6台すべての石炭バンカ10A〜10Fに対してスクレーパ装置40A〜40Fがそれぞれ設置してあるものとする。
さて、図14にて示すように、石炭の搬送が開始されると、まず、S10にて、石炭供給対象の石炭バンカ10に設けられたスクレーパ装置40を作動させる処理がコントローラ100にて実行される。例えば、石炭供給対象の石炭バンカ10が1台目の石炭バンカ10Aであれば、コントローラ100から1台目のスクレーパ装置40Aに対して作動指令が与えられる。
すると、1台目のスクレーパ装置40Aのリフト装置45が駆動してコンベアベルト35を持ち上げてゆく。これにより、コンベアベルト35はスクレーパ本体41に接近した状態となることから、コンベア31上を送られる石炭は、スクレーパ装置40Aを通過するときに、1台目の石炭バンカ10Aに振り分けられることとなる(1段目のスクレーパ装置40Aを作動)。尚、コントローラ100が実行するS10の処理により、本発明の「第一処理」が実現されている。
次に、S20では、作動させた1段目のスクレーパ装置40の位置を判定する処理がコントローラ100にて行われる。具体的には、作動させたスクレーパ装置40が、最下流の石炭バンカ10Fに対応するスクレーパ装置40Fであるか否かが判定される。この例では、1段目のスクレーパ装置40Aは最下流でないから、NO判定され、次にS30の処理が行われることとなる。
尚、S20の判定処理でYESの判定がされる場合(すなわち、1段目のスクレーパ装置が最下流に位置する40Fである場合)は、その後、S25の処理に移る。S25に移行した場合、1段目のスクレーパ装置40のみ使用して石炭の振り分けが行われる。
さて、S30では、コントローラ100により、作動させる2段目候補のスクレーパ装置40を選択する処理が行われる。これにより、1段目のスクレーパ装置40を除く、残りのスクレーパ装置40の中から1つのスクレーパ装置40が選択されることとなる。今、1段目のスクレーパ装置は「40A」であり、それを除くスクレーパ装置は「40B」〜「40F」の5台であるから、この内から1台のスクレーパ装置40が選択されることとなる。
S30にて、2段目候補のスクレーパ装置40が選択されると、次にS40に移行する。そして、S40では選択した2段目候補のスクレーパ装置40が1段目のスクレーパ装置に比べて下流に位置するかどうかがコントローラ100の制御部110にて判定される。下流側にあれば、YES判定され、処理はS50に移る。
尚、S40の判定処理でNOの判定がされる場合は、その後、S45の処理に移る。S45に移行した場合、2段目候補のスクレーパ装置40を再選択する処理が行われ、その後、再選択されたスクレーパ装置40についてS40の判定処理が行われることとなる。
次に、S50では、レベル検出センサ150の出力信号に基づいて、選択した2段目候補のスクレーパ装置40の石炭バンカ10について、貯炭レベルを判定する処理がコントローラ100の制御部110にて行われる。具体的には、その石炭バンカ10の貯炭レベルが、1段目のスクレーパ装置40に対応する石炭バンカ10Aから見てそれより下流側に位置する石炭バンカ10の中で最低レベルにあるか、どうかが判定される。
尚、S50の判定処理でNO判定される場合は、その後、S55の処理に移る。S55に移行した場合、2段目候補のスクレーパ装置40を再選択する処理が行われ、その後、再選択された2段目候補のスクレーパ装置40についてS40の判定処理が行われることとなる。
これらS40とS50の判定処理を行うことで、1段目の石炭バンカ(ここでは、10A)より下流側にあって、かつ貯炭レベルが最も低いレベルの石炭バンカ10に対応するスクレーパ装置40が、2段目候補のスクレーパ装置40として選択されることとなる。ここでは、先頭から数えて4台目の石炭バンカ10Dに対応するスクレーパ装置「40D」が、2段目候補に選択されたものとして説明を続ける。
さて、S50でYES判定されると、次に、S60の処理が行われる。このS60では、選択された2段目候補のスクレーパ装置40を、2段目のスクレーパ装置として作動させる処理がコントローラ100の制御部110にて実行される。ここでは、2段目候補として先頭から4台目のスクレーパ装置「40D」が選択されているから、コントローラ100の制御部110から4台目のスクレーパ装置「40D」に対して作動指令が与えられる。すると、4台目のスクレーパ装置「40D」のリフト装置45が作動開始して、コンベアベルト35を持ち上げてゆく。これにて、コンベアベルト35がスクレーパ本体41に接近した状態となる(2段目のスクレーパ装置40Dを作動)。
この段階では、図13に示すように、スクレーパ装置40は、2つのスクレーパ装置「40A」、「40D」による2段の作動状態となる。その結果、コンベア31上を送られる石炭は、まず1段目のスクレーパ装置「40A」にて石炭バンカ10Aへと振り分けられ、1段目のスクレーパ装置「40A」を繰り越した繰越炭Uは、2段目のスクレーパ装置「40D」により石炭バンカ10Dへ振り分けられることとなる。尚、コントローラ100が実行するS20〜S60の処理により本発明の「第二処理」が実現されている。
さて、S60にて2段目のスクレーパ装置40Dが作動を開始すると、処理はS70に移行される。そしてS70では、レベル検出センサ150Dの出力信号(貯炭レベルのデータ)に基づいて、2段目のスクレーパ装置「40D」の石炭バンカ10Dの貯炭レベルが「規定値1」以上か、判定する処理がコントローラ100の制御部110により実行される。
2段目のスクレーパ装置40Dは、既に説明したように、貯炭レベルの低い石炭バンカ10のものを選択してあるから、作動直後は、規定値1を下回る状態にあり、通常、S70ではNO判定される。しかし、石炭バンカ10Dの貯炭レベルは、繰越炭Uにより次第に上昇してゆく。この間、石炭の振り分けシーケンスは図14に示すS70の処理を繰り返す状態になる。
そして、石炭バンカ10Dの貯炭レベルが、満杯レベルに近づいて規定値1に達すると、S70にて判定処理を行ったときにYES判定される。これにて、S70の処理を抜けて、次のS80の処理に移行する。
S80では、1段目のスクレーパ装置40Aが最下流から2台目かどうかが、コントローラ100の制御部110により判定される。最下流から2台目のスクレーパ装置は「40E」であり、1段目のスクレーパ装置「40A」は、最下流から2台目ではないので、ここでは、NO判定される。NO判定された場合、次にS90の処理が実行される。
S90では、コントローラ100の制御部110により、3段目候補のスクレーパ装置40を選択する処理が行われる。これにより、1段目のスクレーパ装置40を除く、残りのスクレーパ装置40の中から1つのスクレーパ装置40が選択されることとなる。今、1段目のスクレーパ装置は「40A」であり、それを除くスクレーパ装置は「40B」〜「40F」の5台であるから、この内から1台のスクレーパ装置40が選択されることとなる。
S90にて3段目候補のスクレーパ装置40が選択されると、次に、S100に移行して、選択した3段目候補のスクレーパ装置40の石炭バンカ10について、貯炭レベルを判定する処理がコントローラ100の制御部110にて行われる。具体的には、その石炭バンカ10の貯炭レベルが、1段目のスクレーパ装置40に対応する石炭バンカ10から見てそれより下流側に位置する石炭バンカの中で最低レベルであり、かつ規定値1以下か判定される。これは、その時点におけるレベル検出センサ150の出力信号のデータに基づいて判定される。
S100の判定処理でNO判定される場合(すなわち、3段目候補のスクレーパ装置40が最低レベルでない場合など)は、その後、S105の処理に移る。S105に移行した場合、コントローラ100の制御部110にて3段目候補のスクレーパ装置40を再選択する処理が行われ、その後、再選択された3段目候補のスクレーパ装置40についてS100の判定処理が行われることとなる。
このような処理を繰り返すことで、判定条件(貯炭レベルが最低レベルであり、かつ規定値1以下)を満たす石炭バンカ10のスクレーパ装置40B〜40Fが選択されたときに、S100にてYES判定され、S100の処理を抜ける。
S100の処理を抜けると、次にS110の処理が行われることとなる。S110では、コントローラ100の制御部110により、選択された3段目候補のスクレーパ装置40が2段目のスクレーパ装置40と同じかどうか判定される。今、2段目のスクレーパ装置は「40D」であるから、S100にて選択された3段目候補のスクレーパ装置が「40D」以外であれば、NO判定され、次のS120の処理に移る。
続く、S120では、S100にて選択された3段目候補のスクレーパ装置40が、2段目のスクレーパ装置40から見て上流側にあるかが、コントローラ100の制御部110にて判定される。今、2段目のスクレーパ装置40は、先頭から数えて4台目の「40D」である。そのため、3段目候補として、「40D」から見て下流側にあたる「40E」、「40F」のいずれかのスクレーパ装置40が選択された場合には、NO判定され、次のS130の処理に移る。
以下、図15にて示すように、3段目のスクレーパ装置40に、先頭から数えて5台目にあたるスクレーパ装置「40E」が選択された場合を例にとって、S130以降の処理内容を説明する。
S130では、図16に示すように、2段目のスクレーパ装置「40D」の石炭バンカ10Dについて、貯炭レベルの増加率(単位時間当たりの貯炭レベルの上昇量)を計算する処理が、コントローラ100の増加率演算部130にて実行される。
続く、S140では、S130にて算出した貯炭レベルの増加率と、レベル検出センサ150Dから出力される出力信号のデータに基づいて、2段目のスクレーパ装置40Dの石炭バンカ10Dの貯炭レベルが、規定値2に達するまでの到達時間Taがまず算出される。そして、到達時間Taが算出されると、今度は、到達時間Taを規定時間Tと比較する処理が行われる。
ここで、規定時間Tとは、1段目のスクレーパ装置から2段目のスクレーパ装置までの距離Lを、コンベア31の搬送速度Vにて除算した時間である(図17参照)。
T=Lp/V
Lp・・1段目のスクレーパ装置から2段目のスクレーパ装置までの距離
V・・・コンベアの搬送速度
尚、規定時間Tには、ユーザが任意に設定した余裕時間αを加える設定にしてもよい。
今、算出した到達時間Taが規定時間Tより長かったとすると、その場合、貯炭レベルは規定時間T内に規定値2にならないから、S140ではNO判定される。この場合、石炭の振り分けシーケンスは、図16に示すように、S140の処理を繰り返す状態となる。そして、S140の処理が繰り返される間、石炭バンカ10Dの貯炭レベルは繰越炭の投炭により上昇するため、到達時間Taは次第に短くなってゆく。
そして、到達時間Taが規定時間Tより短くなる(言い換えれば、石炭バンカ10Aの貯炭レベルが満杯により近づいてくる)と、S140でYES判定される。これにより、S140の処理を繰り返す状態から抜けて、S150の処理に移る。
S150では、選択された3段目候補のスクレーパ装置40を作動させる処理がコントローラ100の制御部110にて実行される。ここでは、3段目候補として先頭から5台目のスクレーパ装置「40E」が選択されているから、コントローラ100から5台目のスクレーパ装置40Eに対して作動指令が与えられる。すると、5台目のスクレーパ装置「40E」のリフト装置45が作動開始してコンベアベルト35を持ち上げてゆく。これにて、コンベアベルト35がスクレーパ本体41に接近した状態となる(3段目のスクレーパ装置40Eを作動)。
この段階では、図15に示すように、スクレーパ装置「40A」、スクレーパ装置「40D」、スクレーパ装置「40E」の3段が同時作動する状態となる。このとき、コンベア31を送られる石炭は、1段目のスクレーパ装置40Aにより、先頭の石炭バンカ「10A」に振り分けられ、1段目のスクレーパ装置「40A」を繰り越した繰越炭Uが2段目のスクレーパ装置「40D」により、石炭バンカ「10D」に振り分けられる状態となる。
それ以降は、S160にて、2段目のスクレーパ装置40Dの石炭バンカ10Dの貯炭レベルが規定値2以上か判定する処理が、レベル検出センサ150の出力信号に基づいてコントローラ100の制御部110にて行われる。
このS160の処理は、石炭バンカ10Dの貯炭レベルが規定値2以上になるまで繰り返される。そして、石炭バンカ10Dの貯炭レベルが規定値2以上になると、S160の判定処理がYES判定され、処理はS165に移る。
S165では、2段目のスクレーパ装置「40D」を停止させる処理がコントローラ100にて実行される。具体的には、コントローラ100の制御部110から2台目のスクレーパ装置40Dに対して停止指令が与えられる。すると、2段目のスクレーパ装置40Dのリフト装置45が駆動してコンベアベルト35を下降させる。これにより、コンベアベルト35がスクレーパ本体41から離間する結果、スクレーパ装置「40D」は停止する。そのため、それ以降は、図18に示すように、スクレーパ装置は、「40A」と「40E」の作動状態となり、1段目のスクレーパ装置「40A」の繰越炭Uは、3段目のスクレーパ装置「40E」によって石炭バンカ「10E」に振り分けられる。
尚、S165の処理が完了すると、処理はS167に移って、3段目のスクレーパ装置を2段目のスクレーパ装置として取り扱うように設定が変更されるので、以降は、3段目のスクレーパ装置「40E」が2段目として取り扱われることとなる。
続く、S170では、1段目より下流の石炭バンカ10の貯炭レベルが、全て規定値1以上であるかどうかを判定する処理が、レベル検出センサ150の出力信号に基づいてコントローラ100の制御部110にて行われる。ここでは、「10A」が1段目の石炭バンカだから、「10B」〜「10F」の石炭バンカのうち貯炭レベルが規定値1を下回るものが1つでもあれば、NO判定されることとなる。
S170でNO判定される場合は、図14に示すS70に戻り、2段目のスクレーパ装置「40E」の石炭バンカ10Eの貯炭レベルを判定する処理が行われる。そして、2段目となったスクレーパ装置「40E」の石炭バンカ10Eの貯炭レベルが規定値1に達すると、S70の処理を抜けて、S80以降のステップに処理が移る。そして、S90、S105で、新たに3段目候補のスクレーパ装置40が選定され、S120で、選択した3段目候補のスクレーパ装置が2段目より上流かどうかが判定されるここととなる。
以下、図19に示すように、先頭から数えて3台目のスクレーパ装置「40C」が3段目候補に選択された場合を説明する。
この場合、3段目候補のスクレー装置「40C」は、2段目のスクレーパ装置「40E」より上流にあるから、S120ではYES判定される。その後、図20に示すように、処理はS150に移行する。S150では、選択された3段目候補を3段目としてスクレーパ装置40を作動させる処理がコントローラ100の制御部110にて実行される。
従って、ここでは、3段目候補として先頭から3台目のスクレーパ装置「40C」が選択されているから、コントローラ100の制御部110から3台目のスクレーパ装置「40C」に対して作動指令が与えられる。すると、3台目のスクレーパ装置「40C」のリフト装置45が作動開始してコンベアベルト35を持ち上げてゆく。これにて、コンベアベルト35がスクレーパ本体41に接近した状態となる(3段目のスクレーパ装置40Cを作動)。
この段階では、図19に示すように、スクレーパ装置「40A」、スクレーパ装置「40C」、スクレーパ装置「40E」の3段が同時作動する状態となる。このとき、コンベア31を送られる石炭は、1段目のスクレーパ装置40Aにより、先頭の石炭バンカ10Aに振り分けられ、1段目のスクレーパ装置「40A」を繰り越した繰越炭Uが3段目のスクレーパ装置「40C」により、石炭バンカ「10C」に振り分けられる。そして、スクレーパ装置「40C」を繰り越した繰越炭Uが2段目のスクレーパ装置「40E」によって、石炭バンカ「10E」に振り分けられる。
その後、コントローラ100ではS160の処理が行われる。これらS160の処理は、既に説明した通りであり、2段目のスクレーパ装置の石炭バンカ(ここでは、「10E」の石炭バンカ)の貯炭レベルが規定値2以上であるかが、コントローラ100の制御部110にて判定される。
そして、石炭バンカ「10E」の貯炭レベルが規定値2以上になると、S160でYES判定され、S165に処理は移る。このS165では、2段目のスクレーパ装置40Dを停止させる処理がコントローラ100にて実行される。これにより、スクレーパ装置40Eは停止する。そのため、それ以降は、スクレーパ装置は、「40A」と「40C」の作動状態となる。尚、S165の処理が完了すると、処理はS167に移って、3段目のスクレーパ装置を2段目のスクレーパ装置として取り扱うように設定が変更されるので、以降は、3段目のスクレーパ装置「40C」が2段目として取り扱われることとなる。
続く、S170では、1段目より下流の石炭バンカ10の貯炭レベルが、全て規定値1以上であるかどうかを判定する処理がコントローラ100の制御部110にて行われる。ここでは、「10A」が1段目の石炭バンカだから、「10B」〜「10F」の石炭バンカのうち貯炭レベルが規定値1を下回るものが1つでもあれば、NO判定されることとなる。
S170でNO判定される場合は、図14に示すS70に戻り、2段目のスクレーパ装置「40C」の石炭バンカ10Cの貯炭レベルを判定する処理が行われる。そして、2段目となったスクレーパ装置「40C」の石炭バンカ10Cの貯炭レベルが規定値1に達すると、S70の処理を抜けて、S80以降のステップに処理が移る。そして、S90、S105で、新たに3段目候補のスクレーパ装置40が選定され、S120で、選択した3段目候補のスクレーパ装置が2段目より上流かどうかが判定されるここととなる。
これらS70〜S167の処理は、1段目より下流の石炭バンカ10のうち貯炭レベルが規定値1を下回っているものが1つでもあれば、その間は繰り返される。以上のことから、1段目の石炭バンカ「40A」より下流の石炭バンカ「40B」〜「40F」で、貯炭レベルが規定値1を下回っているものが1つでもある間は、貯炭レベルの低い石炭バンカ10のスクレーパ装置40が、新たな3段目候補として順々に選択され、それを使用して1段目のスクレーパ装置40Aを繰り越した繰越炭が、下流の石炭バンカ10に振り分けられる。
そして、1段目の石炭バンカ「10A」より下流に位置する各石炭バンカ「10B〜10F」の貯炭レベルが、全て規定値1を上回る状態になると、S170にてYES判定され、処理はS180に移る。
S180では、コンベア31を停止させて石炭の送炭を停止させる処理がコントローラ100の制御部110により行われる。以上をもって、一連の石炭振り分けシーケンスは終了する。尚、コンベア31を停止させる代わりに警報発信して繰越炭Uを投入する石炭バンカが満杯になったことを知らせるようにしても良い。
また、S80、S110でYES判定される場合(いずれも3段目候補を選択できないケース)では、その時点でコンベア31による送炭は停止され、一連の石炭振り分けシーケンスは終了する。
本例の石炭振り分けシーケンスによれば、1段目を除いて貯炭レベルが最も低い石炭バンカ10を、繰越炭Uの振り分け先(2段目)に指定している。貯炭レベルの低い石炭バンカ10は、貯炭レベルが高いものに比べて満杯に至るまでに投炭できる投炭量が多いから、多量の繰越炭Uを処理することが可能となる。
また、2段目のスクレーパ装置40Dの石炭バンカ10Dが満杯レベルに近くなる(貯炭レベルが規定値1以上であって、尚かつ規定時間T内に規定値2に達する見込みになる)と、一時的に、スクレーパ装置40を3段の作動状態としている。そして、2段目のスクレーパ装置40Dの石炭バンカ10Dの貯炭レベルが、満杯レベルに近い規定値2になると、2段目のスクレーパ装置40Dについては、これ停止させて、1段目のスクレーパ装置40Aの繰越炭Uの振り分け先を、3段目のスクレーパ装置40Eの石炭バンカ10Aに切り替えるようにしている。
このようにすることで、繰越炭Uの振り分け先となる2段目の石炭バンカ10Dに対して繰越炭Uが過剰に振り分けられることを防止することが可能となり、2段目の石炭バンカ10Dの貯炭レベルが満杯レベルを超えるがない。仮に、貯炭レベルが満杯レベルを超えると、バンカ上に盛られた繰越炭Uがコンベアベルト35に干渉、接触してコンベア31の駆動に支障を与えることが懸念されるが、本例であれば、そのような心配がない。しかも、2段目のスクレーパ装置40Dを停止させたときに、タイムラグが出来ず、1段目の繰越炭Uを、3段目の石炭バンカ「10E」に即座に振り分けることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的
範囲に含まれる。
(1)スクレーパ装置40として、スクレーパ本体41を固定構造としてコンベアベルト35側を昇降させるものを例示したが、構成を反転させて、コンベアベルト35を固定構造としてスクレーパ本体41側を昇降させるようにすることも可能である。
(2)実施形態1〜3では、各石炭バンカ10に対して一のコンベア31によって石炭を搬送する例を挙げたが、複数のコンベア31を並列的に並べて複数のコンベア31によって石炭を送るようにしてもよい。