JP6116545B2 - 焼却炉における燃焼運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ごみを焼却処理するために使用される焼却炉における燃焼運転方法に関する。
傾斜型または水平型に複数の火格子を炉底部に設け、火格子の下側から燃焼用の一次空気を送入し、ごみの燃焼によって生じたガスをさらにその上部に設けた二次燃焼室に送り、この二次燃焼室に二次空気を送入しここで二次燃焼を行う焼却炉が従来から知られている。
特許文献1には、このような焼却炉において、炉出口における排気ガス温度を所定の温度範囲内に調節することができ、しかも高い窒素酸化物抑制効果を有するものでありながら、火格子等を腐食させる恐れのない焼却炉の運転方法が記載されている。
この運転方法では、焼却炉から排出されかつ冷却された排気ガスを、焼却炉内部の火格子よりも上部に循環送入し、焼却炉に送入される排気ガスにより、燃焼火炎を直接冷却するものであった。すなわち、排気ガスは、燃焼火炎に直接当たるような方向に送入されていた。この運転方法によれば、焼却炉内に搬送入される排気ガスにより、焼却火炎を直接冷却でき、しかも燃焼ガスの混合・攪拌効果を含めて燃焼ガスをゆるやかに完全燃焼させることができるので、炉出口における排気ガス温度を所定の範囲内に調節し得ると共に、窒素酸化物の発生を良好に抑制し得る。
また、特許文献2には、燃焼炉の前部炉壁に配置されて乾燥ゾーン側から発炎燃焼ゾーン側に燃焼排ガスを送入する排ガスノズルを設け、燃焼炉の後部炉壁に配置されておき燃焼ゾーン側から発炎燃焼ゾーン側に燃焼排ガスを送入する排ガスノズルを設け、各ノズルから発炎燃焼ゾーン火炎の中心部をめがけて燃焼排ガスを送入する方法が記載されている。
この方法によると、火炎中の熱ガス温度、酸素濃度が低下するために、火炎温度が低下し、火炎部空間が広がる。この結果、高発熱量燃料焼却時の炉床、炉壁へのクリンカ附着および炉床炉壁の損傷が防止できるとともに、火炎温度の低下に伴い、NOxの発生が抑制可能となっている。
特開昭59−44513号公報 特公平5−31045号公報
本発明は、一次燃焼空気が供給されて燃焼が生じる炉内の一次燃焼室の全体が燃焼空間として有効に活用されるような焼却炉における燃焼運転方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、炉内の特定の位置から再循環排ガスを供給すれば、再循環排ガスの吹き出し部付近の圧力が周囲の圧力に比べて低くなるため、ごみ層からの燃焼排ガスが引き寄せられ、その結果、一次燃焼室全体を燃焼空間として有効に活用することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の焼却炉における燃焼運転方法は、焼却炉から排出された排気ガスを、焼却炉内の底部に複数備えた火格子の内、炉内のごみの進行方向に対して前流側の乾燥用火格子の上方に位置する炉の天井壁から、および、炉内のごみの進行方向に対して後流側の炉の後壁から、炉底の火格子に直接当たらないようにかつ燃焼によって生じたガスを引き寄せるように供給することを特徴とするものである。
乾燥用火格子の上方に位置する炉の天井壁からの再循環排ガスの供給方向は、炉底の火格子に直接当たらないようにかつ燃焼によって生じたガスを引き寄せるような方向であればよいが、例えば、水平方向に対して下向き15°〜上向き15°であり、好ましくは、水平方向である。また、供給口は複数箇所にあってよく、さらに単段または2段等の複数段から供給されてもよい。
後壁からの再循環排ガスの供給方向は、炉底の火格子に直接当たらないようにかつ燃焼によって生じたガスを引き寄せるような方向であればよいが、例えば、水平方向〜水平方向に対して上向き40°の方向であり、好ましくは、上向き5〜30°である。また、供給口は複数箇所にあってよく、さらに単段または2段等の複数段から供給されてもよい。
天井壁と後壁との再循環排ガスの流量配分比は、通常50:50であるが、火格子上のごみの燃焼位置(火炎位置)によって配分比を変える。
また、本発明は、上記焼却炉の燃焼運転方法において、乾燥段上部天井壁および後壁から供給される再循環排ガスの総量/炉出口の排ガス量×100で表される排ガス再循環比率を15.0%よりも高くする。これにより、炉出口のNO濃度をさらに低減させることができた。
さらに、本発明は、上記の焼却炉の燃焼運転方法において、
(1)乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度が乾燥段上部天井壁の角度よりも小さいこと;
(2)乾燥段上部天井壁からの再循環排ガス供給位置(供給位置が複数段になっている場合には最下段の位置)と火格子との距離h(垂直方向)が3500mm以下であること;
(3)後壁から供給される再循環排ガスの供給角度が後燃焼段天井壁の角度よりも小さいこと;
(4)後壁からの再循環排ガス供給位置(供給位置が複数段になっている場合には最下段の位置)と火格子との距離h’(垂直方向)が700mm以上であること;
(5)後燃焼段天井壁と後壁からの再循環排ガスの供給位置(供給位置が複数段になっている場合には最上段の位置)との距離h”が150mm以上であること;
(6)乾燥段上部天井壁からの再循環排ガスの供給方向に沿った延長線と後壁からの再循環排ガスの供給方向に沿った延長線とが交差する交点xが二次燃焼室の仕切壁に沿って延長する垂直面を基準としてこれより前壁側に位置するように両壁から再循環排ガスの供給位置および供給角度を調整すること;
(7)乾燥段上段天井壁からの再循環排ガスのガス流速が70m/s以下であること;
(8)後壁からの再循環排ガスのガス流速について、後壁から供給される再循環排ガスのうち最も速いものの流速が40〜100m/sであること;および
(9)排ガス再循環比率が15.0%よりも高いこと
の全要件を満たすように乾燥段上部天井壁および後壁から再循環排ガスを供給し、これにより一次燃焼室内に循環流が形成される、方法である。
これによれば、一次燃焼室内に循環流を形成させることができ、より一層のNO低減効果を得ることができた。
本発明は、焼却炉から排出された排気ガスを、焼却炉内の底部に複数備えた火格子の内、炉内のごみの進行方向に対して前流側の乾燥用火格子の上方に位置する炉の天井壁から、および、炉内のごみの進行方向に対して後流側の炉の後壁から、炉底の火格子に直接当たらないようにかつ燃焼によって生じたガスを引き寄せるように供給するので、一次燃焼空気が供給されて燃焼が生じる炉内の一次燃焼室の全体が燃焼空間として有効に活用することができ、また、炉出口における窒素酸化物を低減させることができる。
都市ごみ等のごみを焼却するための焼却炉を示す概略構成図である。 比較例1における再循環排ガスおよび二次空気の供給位置を示す図である。 比較2−1および2−2における再循環排ガスおよび二次空気の供給位置を示す図である。 比較例3における再循環排ガスおよび二次空気の供給位置を示す図である。 実施例1−1および1−2における再循環排ガスおよび二次空気の供給位置を示す図である。 実施例2−1および2−2における再循環排ガスおよび二次空気の供給位置を示す図である。 実施例3−1および3−2における再循環排ガスおよび二次空気の供給位置を示す図である。 実施の形態2において、一次燃焼室内に循環流が形成される状態を説明する図である。 酸素濃度と燃焼が生じる限界の温度との関係を示すグラフである。 実施例2−1、2−2、3−1、3−2における焼却炉内のガス流通状況を示す図である。 比較例4−1〜4−3における焼却炉内のガス流通状況を示す図である。 実施の形態3において、循環流を形成するための要件を説明するための図である。
以下、本発明の焼却炉における燃焼運転方法について図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、都市ごみ等のごみを焼却するための焼却炉を示す概略構成図である。
焼却炉(1)は、一次空気が供給される下部の一次燃焼室(2)と、二次空気が供給される上部の二次燃焼室(3)とが連絡する様式になっている。
一次燃焼室(2)の底部には、複数の火格子(4)が設置されている。一次燃焼室(2)内には、投入ホッパ(5)を介して焼却処理すべきごみが炉内に搬入される。したがって、図に示す一次燃焼室(2)の左側は、焼却処理すべきごみが供給される側であり、図面中炉内左側の火格子(4)は乾燥用の火格子として使用される。
各火格子(4)には、送風機(6)を介してその下方から燃焼用一次空気が供給されるようになっている。
また、一次燃焼室(2)の上方において、乾燥用の左側の火格子(4)の上方に位置する天井壁(7)、および一次燃焼室(2)内のごみ供給方向に対して後流側の後壁(8)に、複数箇所にわたってノズル(図示せず)が設けられている。一次燃焼室(2)内には、このノズルを介して、二次燃焼室(3)から排出された排気ガスが再循環排ガスとして供給されるようになっている。このノズルは、一次燃焼室(2)内に向けて任意の角度で再循環排ガスを供給することができるようになっているが、本発明の方法では、下記に説明するように、炉底の火格子(4)に直接当たらないようにかつ燃焼によって生じたガスを引き寄せるように供給するようにされる。
以下、汎用ソフトFluent Ver.6.3を用いた熱流体解析により炉出口でのNO生成量を算出したので、実施例として詳細に説明する。
(実施例)
1.計算条件
1.1 計算対象炉
本実施例において、図1に概略を示す水平ストーカ炉(焼却規模:150t/d)を対象とし、再循環排ガスの供給位置を変更した条件について計算を行った。比較例1、2−1、2−2、3−1および3−2および実施例1−1、1−2、2−1および2−2における共通の計算条件を表1Aに示し、比較例4−1、4−2および4−3および実施例3−1および3−2における共通の計算条件を表1Bに示す。
(比較例1)
比較例1として従来の方式で再循環排ガスおよび二次空気を供給した。図2に、比較例1における再循環排ガスおよび二次空気の供給位置を示す。図中、下側が再循環排ガスの供給口、上側が二次空気の供給口である。
(比較例2)
比較例2は、比較例1の供給位置に加えて、一次燃焼室の後燃焼段上部天井壁からも再循環排ガスを供給した場合である。比較例2の計算条件を表2に示し、再循環排ガスの供給位置を比較例2−1および2−2について図3に示す。なお、二次空気に関する計算条件は比較例1と同じである。
(比較例3)
比較例3は、比較例1の供給位置に加えて、後壁からも再循環排ガスを供給した場合である。比較例3の計算条件を表3に示し、再循環排ガスの供給位置を図4に示す。
(実施例1)
実施例1は、一次燃焼室の乾燥段上部天井壁および後壁から再循環排ガスを供給した場合である。実施例1の再循環排ガスに関する計算条件を表4に示し、再循環排ガスの供給位置を図5に示す。
(実施例2)
実施例2は、一次燃焼室容積を増加させ、一次燃焼室の乾燥段上部天井壁および後壁から再循環排ガスを供給した場合である。実施例2の一次燃焼室形状に関する計算条件を表5に、再循環排ガスに関する計算条件を表6に示し、再循環排ガスの供給位置を図6に示す。
(比較例1および比較例2の比較)
比較例1〜2の計算結果を下記表7に示す。
<比較例1、比較例2−1および比較例2−2の比較>
再循環排ガスの流量分配比[後燃焼段上部天井壁/出口]を0/100(比較例1)から40/60(比較例2−2)、50/50(比較例2−1)に上げるにしたがって、炉出口NOは増加した。これは、後燃焼段上部天井壁から供給した再循環排ガスが一次燃焼室出口仕切壁側の二次空気と合流し、その部分で燃焼が急激に進行したためである。
<まとめ>
後燃焼段上部天井壁から再循環排ガスを供給すると、仕切壁側の二次空気と合わさって、この付近で局所燃焼が起こる。そのため、この方式では炉出口NOの低減は図れない。
(比較例1、比較例3および実施例1の比較)
比較例3、実施例1の計算結果を下記表8に示す。
<比較例1、比較例3−1、および比較例3−2の比較>
再循環排ガスの流量分配比[後壁/出口]を0/100(比較例1)から40/60(比較例3−2)、50/50(比較例3−1)に上げるにしたがって、炉出口NOは108ppmから63ppmまで減少した。これは、再循環排ガスを後壁から供給することで、ごみ層からの燃焼排ガスが後壁側に引き寄せられるようになり、その結果、後燃焼後段上部の空間も燃焼空間として有効に活用されたためである。
<比較例1と実施例1−1の比較>
再循環排ガスを乾燥段上部天井壁と後壁から供給することにより、炉出口NOは42ppmまで減少した。これは、ごみ層からの燃焼排ガスが乾燥後段と後壁側に引き寄せられ、一次燃焼室全体が燃焼空間として有効に活用されたためである。
<実施例1−1と実施例1−2の比較>
分配比[乾燥段上部天井壁/後壁]を50/50(実施例1−1)から40/60(実施例1−2)に下げることによって、ごみ層からの燃焼排ガスが後壁側に引き寄せられやすくなり、一次燃焼室内温度が上昇し、炉出口NOも増加した。
<まとめ>
以上実施例1により得られた結果をまとめると、後壁から再循環排ガスを供給することにより、一次燃焼室内の燃焼が改善され、炉出口NOは減少する。併せて、乾燥段上部天井壁からも再循環排ガスを供給することにより、一次燃焼室の燃焼空間は有効に活用され、炉出口NOはさらに減少する。
(比較例1と実施例2の比較)
実施例2の計算結果を下記表9に示す。
<実施例2−1と実施例2−2の比較>
再循環排ガスの比率を15%(実施例2−1)から20%(実施例2−2)に上げることで、燃焼排ガスを乾燥段側と後壁側に引き寄せる力が強くなるため、一次燃焼室出口の燃焼効率は向上し、二次燃焼室出口NOは減少した。このような中、実施例2−1については、炉出口NOは45ppmまで減少した。また、実施例2−2については、NHが10ppm程度検出されたものの、炉出口NOは20ppm以下となった。
<まとめ>
一次燃焼室容積を増加させ、乾燥段上部天井壁と後壁から再循環排ガスを2段で供給すると、実施例1−1や1−2より炉出口NOは減少する。ただし、乾燥段上部壁から再循環排ガスを供給する際、前壁側からの噴流の影響が強くなると、排ガスは偏流しやすくなり、二次燃焼室出口NHが検出されるようになる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、図8に示すような一次燃焼室内に循環流を形成させるための条件を導き出し、このような循環流が形成された条件ではより良好なNO濃度低減効果を得ることができることを確認した。以下に詳細に説明する。
図8において、一次燃焼室後部からの燃焼ガスが後壁からの再循環排ガスに引き寄せられ、かつ他の所定の条件を満たせば、図中(A)で示すような循環流が形成される。一次燃焼室後部からの可燃ガスはNH含有量が低く、低NH下で燃焼が行われ、また、このような条件での燃焼によりCOの燃焼が促進される。このように形成された循環流は、発生したNOxを還元することができると共に、燃焼を安定化させる。一方で、乾燥段側において形成される可燃ガスは乾燥段上部天井壁からの再循環排ガスに引き寄せられて図中(B)のような可燃ガスの流れが形成される。この可燃ガス流は、NHを多く含み、ある程度のNH量が残ることとなるが、二次燃焼室に移行した時に、残存するNOxを還元するのに役立つ。
ここで、再循環排ガスにおける酸素濃度は低いものとなっているが、図9に示すように、酸素濃度が低い場合であっても1100K超の温度条件であれば可燃領域に入り、燃焼させることができ、循環流の形成により一次燃焼室内を全域にわたって温度分布を高いものにすることができるため再循環排ガスにおいて酸素濃度が低いことは問題とはならない。
一次燃焼室内に循環流を形成させ、なおかつ炉出口におけるNO濃度低減および二次燃焼室出口におけるCOおよびNH濃度低減に効果があるような条件を算出するための再循環ガスに関する計算条件を下記表10に示す。また、図7に実施例3−1および3−2における再循環排ガスおよび二次空気の供給位置を示す。
実施例2−1〜2−2、3−1は、ごみの主燃焼位置が火格子上で通常位置にある場合、実施例3−2および比較例4−1〜4−3は、ごみの主燃焼位置がやや前よりにある場合である。
実施例2−1は、排ガス再循環比率が15.0%であるのに対して、実施例2−2、3−1は、それより高い値となっている。
また、実施例2−2、3−1、3−2では、それぞれ、乾燥段上部天井壁からの再循環排ガス供給位置(供給位置が複数段になっている場合には最下段の位置)と火格子との距離h(垂直方向)が3500mm以下になっているのに対して、比較例4−1では、その距離を3669mmとした。
また、実施例2−2、3−1、3−2では、それぞれ、後壁からの再循環ガスの供給位置(供給位置が複数段になっている場合には最下段の位置)と火格子との距離h’(垂直方向)が700mm以上になっているのに対して、比較例4−2では、その距離を663mmとした。
さらに、実施例2−2、3−1、3−2では、それぞれ、乾燥段上部天井壁からの再循環排ガスの供給方向に沿った延長線と、後壁からの再循環排ガスの供給方向に沿った延長線とが交差する点が、二次燃焼室の仕切壁に沿って延長する垂直面を基準としてこれより前側、すなわち前壁寄りに位置するように各壁からの再循環排ガスの供給位置および角度が調整されている。これに対して、比較例4−3では、後壁からの再循環排ガス供給位置が実施例2−2、3−1、3−2よりも高い位置になることにより、この交差点が仕切壁に沿って延長する垂直面を基準にしてこれより後部側に位置するように各壁からの再循環排ガスの供給位置および角度を調整した。
下記表11に実施例2−1、2−2、3−1、3−2および比較例4−1〜4−3についての数値解析結果を示し、図10に実施例2−1、2−2、3−1、3−2における焼却炉内のガス流通状況を示し、図11に比較例4−1〜4−3における焼却炉内のガス流通状況を示す。
実施例2−1では、循環流が形成されておらず、NO濃度も高かった。これは、排ガス再循環比率が低いことによるものであると考えられる。
実施例2−2では、実施例2−1より排ガス再循環比率が高く、循環流が形成された。NHは10ppmと高めであるが、CO濃度、NO濃度ともに低くなった。
なお、上記実施例2−1および2−2は、実施の形態1において記載された実施例2−1および2−2と同様に循環排ガスを供給したので、実施例2−1および2−2として示しているが、循環流が形成されなかった点を考慮すると、本実施の形態2においては、実施例2−1は比較例であり、実施例2−2は実施例としての意義を有する。
実施例3−1では、実施例2−2よりさらに排ガス再循環比率が高く、循環流が形成された。CO濃度、NH濃度、およびNO濃度はともに低くなった。
実施例3−2では、実施例3−1よりもごみの主燃焼位置が前よりに移動しているが、この場合にも、循環流が形成されていることにより、CO、NHおよびNOの濃度は、ともに低く抑えられた。
比較例4−1では、循環流は形成されているが、乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスに引き寄せられる燃焼排ガスはほとんどなく、NO濃度は高くなった。
比較例4−2では、循環流は形成されず、COおよびNH濃度は高かった。
比較例4−3では、後壁からの再循環排ガス供給位置が実施例2−2、3−1、3−2よりも高い位置になることにより、乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給方向に沿った延長線と後壁から供給される再循環排ガスの供給方向に沿った延長線とが交差する点が仕切壁に沿って延長する垂直面よりも後ろ側になっている。この場合、循環流は形成されているものの、火格子から後壁からの供給位置が離れることで燃焼排ガスが乾燥段上部天井壁の供給位置の方に引き寄せられやすくなり、前側からのすり抜け量が増えるため、CO、NH濃度は高くなった。
以上に示した実施例2−1、2−2、3−1、3−2および比較例4−1〜4−3から得られた結果に基づいて、一次燃焼室内に循環流を生じさせるために必要な条件についてそれぞれの要素毎に求めた。以下にその詳細を説明する。図12には、下記説明中の要素に付された記号(a、b等)の位置が示されている。
(1)乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの角度
乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度aが乾燥段上部天井壁の角度bよりも小さいこと(a<b)。ここで、乾燥段上部天井壁の角度が水平である場合は、角度aは、水平より下向きになる。
その理由は、乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスのガス流れが天井の影響を受けて減衰するのを回避するためである。
(2)乾燥段上部天井壁からの再循環排ガスの供給位置
乾燥段上部天井壁からの再循環排ガス供給位置(供給位置が複数段になっている場合には最下段の位置)と火格子との距離h(垂直方向)が3500mm以下であること。これは、実施例2−2、3−1、3−2と比較例4−1との数値解析結果に基づいている。
(3)後壁から供給される再循環排ガスの角度
後壁から供給される再循環排ガスの供給角度cが後燃焼段天井壁の角度dよりも小さいこと(c<d)。
その理由は、後壁から供給される再循環排ガスのガス流れが天井の影響を受けて減衰するのを回避するためである。
(4)後壁からの再循環排ガスの供給位置
後壁からの再循環排ガス供給位置(供給位置が複数段になっている場合には最下段の位置)と火格子との距離h’(垂直方向)が700mm以上であること。これは、実施例2−2、3−1、3−2と比較例4−2との数値解析結果に基づいている。
(5)後燃焼段天井壁と後壁からの再循環排ガスの供給位置との距離
図12bに示すような、後燃焼段天井壁と後壁からの再循環排ガスの供給位置(供給位置が複数段になっている場合には最上段の位置)との距離h”が、150mm以上であること。
その理由は、後壁から供給された再循環排ガスのガス流れが、天井壁の影響を受けて減衰するのを回避するためである。
(6)乾燥段上部天井壁からの再循環排ガスの供給方向に沿った延長線と後壁からの再循環排ガスの供給方向に沿った延長線とが交差する点の位置
両延長線が交差する交点xが二次燃焼室の仕切壁に沿って延長する垂直面を基準としてこれより前壁側に位置するように両壁から再循環排ガスの供給位置および供給角度を調整する。これは、実施例2−2、3−1、3−2と比較例4−3との数値解析結果に基づいている。
(7)乾燥段上段天井壁からの再循環排ガスのガス流速
70m/s以下であること。70m/s超である場合、熱分解ガスが多量に乾燥段上部天井壁からの再循環排ガスに引き寄せられ、前側からの未燃ガスすり抜け量が増加するためである。
(8)後壁からの再循環排ガスのガス流速
後壁から供給される再循環排ガスのうち最も速いものの流速が40〜100m/sであること。循環流を形成するためには、40m/s以上であることが必要である。上限の100m/sは機器の制約上の観点からのものである。
(9)排ガス再循環比率
15.0%より高いことが必要である。これは、実施例2−2、3−1、3−2と比較例2−1との数値解析結果に基づいている。
以上の(1)〜(9)の全要件を満たすことにより一次燃焼室に循環流を形成させることが可能である。

Claims (2)

  1. 焼却炉から排出された排気ガス(以降において再循環排ガスという)を、焼却炉内の底部に複数備えた火格子の内、乾燥用火格子の上方に位置する炉の天井壁(以降において乾燥段上部天井壁という)から、および、炉内のごみ供給方向に対して後流側の炉の後壁から、炉底の火格子に直接当たらないようにかつ燃焼によって生じたガスを引き寄せるように供給し、
    (1)乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度が乾燥段上部天井壁の角度よりも小さいこと;
    (2)乾燥段上部天井壁からの再循環排ガス供給位置(供給位置が複数段になっている場合には最下段の位置)と火格子との距離h(垂直方向)が3500mm以下であること;
    (3)後壁から供給される再循環排ガスの供給角度が後燃焼段天井壁の角度よりも小さいこと;
    (4)後壁からの再循環排ガス供給位置(供給位置が複数段になっている場合には最下段の位置)と火格子との距離h’(垂直方向)が700mm以上であること;
    (5)後燃焼段天井壁と後壁からの再循環排ガスの供給位置(供給位置が複数段になっている場合には最上段の位置)との距離h”が、150mm以上であること;
    (6)乾燥段上部天井壁からの再循環排ガスの供給方向に沿った延長線と後壁からの再循環排ガスの供給方向に沿った延長線とが交差する交点xが二次燃焼室の仕切壁に沿って延長する垂直面を基準としてこれよりも前壁側に位置するように両壁から再循環排ガスの供給位置および供給角度を調整すること;
    (7)乾燥段上部天井壁からの再循環排ガスのガス流速が70m/s以下であること;
    (8)後壁からの再循環排ガスのガス流速について、後壁から供給される再循環排ガス(供給位置が複数段になっておりかつ格段で再循環排ガスの流速が異なっている場合には、最も速い再循環排ガス)の流速が40〜100m/sであること;および
    (9)排ガス再循環比率が15.0%より高いこと
    の全要件を満たすように乾燥段上部天井壁および後壁から再循環排ガスを供給し、これにより一次燃焼室内に循環流が形成されることを特徴とする、焼却炉における燃焼運転方法。
  2. 乾燥用火格子の上方に位置する炉の天井壁からの再循環排ガスの供給方向は、水平方向に対して下向き15°〜上向き15°であり、後壁からの再循環排ガスの供給方向は、水平方向〜水平方向に対して上向き40°の方向である、請求項1に記載の焼却炉の燃焼運転方法。
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