JP2010270993A - 燃料バーナ及び旋回燃焼ボイラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微粉炭を焚くボイラの火炉内へ微粉炭及び空気を投入して燃焼させるバーナ20の燃料バーナ21においては、微粉炭を1次空気で搬送して火炉内へ投入するコール1次ポート22の先端部に、流れ方向の角度αを流路断面中央部に向けて絞るガイド24が設けられている。
【選択図】図1
Description
このうち、微粉炭焚きの旋回燃焼ボイラにおいては、燃料の微粉炭とともに石炭バーナから投入される1次空気の上下に2次空気投入用の2次空気投入ポートを設置し、石炭バーナ周囲の2次空気について流量調整を行っている。(たとえば、特許文献1参照)
上述した2次空気は、旋回燃焼ボイラ内において火炎全体を形成するために必要となる空気量を吹き込むものである。従って、旋回燃焼ボイラの2次空気量は、概ね微粉炭の燃焼に必要な全空気量から1次空気量を差し引いたものとなる。
また、従来のバーナでは、微粉炭バーナの外周に保炎機構(先端角部の調整、旋回等)を設置し、さらに、微粉炭バーナのすぐ外周に近接して2次空気、あるいは3次空気を投入するための空気投入ポートを設置した構成が一般的である。このため、微粉炭バーナにおいては、投入された微粉炭への着火が火炎外周で起こり、火炎外周の着火領域では空気投入ポートからの空気が多量に混合されることとなる。
こうして、微粉炭バーナの火炎外周から発生したNOxは、そのまま火炎外周を通過することになるので、燃焼環境が異なる火炎内部と比較すれば、還元が遅れることとなる。この結果、火炎外部で発生したNOxは還元されずに残り、この残存したNOxが従来の微粉炭バーナ及び旋回燃焼ボイラにおけるNOx発生の原因となっている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域を抑制(弱く)することにより、NOx発生量の低減を可能にした燃料バーナ及びこれを備えた固体燃料焚きの旋回燃焼ボイラを提供することにある。
本発明に係る燃料バーナは、粉体燃料を焚くボイラの火炉内へ粉体燃料及び空気を投入して燃焼させるバーナの燃料バーナが、前記粉体燃料を1次空気で搬送して前記火炉内へ投入する燃料流路先端部に、流れ方向の角度を流路断面中央部に向けて絞るガイドを備えていることを特徴とするものである。
上記の燃料バーナにおいて、前記ガイドの位置は、バーナ先端位置からガイド先端までの軸方向距離Xをバーナ高さ寸法hの2倍以上(X≧2h)に設定することが好ましく、これにより、中央部の流速を低減することができる。
また、2次空気投入ポートが隣接する場合には、2次空気を火炎に対して斜めに投入することにより、2次空気と火炎との混合を遅延させることができる。
ここで、2次空気投入ポートの流路内部に、たとえば流路内側(燃料バーナ側)にリブを設けることにより、火炎に対する2次空気の混合を調整することができる。また、流路内部に旋回羽根車を設けることにより、バーナ高さを抑制して2次空気の流れが火炎と干渉しないように離すことも可能になる。
すなわち、本発明の燃料バーナは、粉体燃料を1次空気で搬送して火炉内へ投入する燃料流路先端部に流れ方向の角度を流路断面中央部に向けて絞るガイドを備えているので、バーナ先端から粉体燃料を火炎中央部に集中投入することで、火炎中央に濃炎を形成して保炎することができる。このため、火炎の広がりが抑制され、低酸素濃度の環境下においても粉体燃料を安定燃焼させることができるようになり、しかも、火炎内部で粉体燃料に着火するので、火炎内部で発生したNOxが迅速に還元されて排出量は低減される。
図3及び図4に示す旋回燃焼ボイラ10は、火炉11内へ空気を多段で投入することにより、バーナ部12から追加空気投入部(以下、「AA部」と呼ぶ)14までの領域を還元雰囲気にして燃焼排ガスの低NOx化を図っている。還元雰囲気となるバーナ部12からAA部14までの距離については、すなわち、還元燃焼ゾーンの距離(高さ)については、長くなるほど燃焼ガスの滞留時間が長くなってNOx発生量は小さくなる。なお、図中の符号20は微粉炭等の粉体燃料及び空気を投入するバーナ、15は追加空気を投入する追加空気投入ノズルである。
微粉炭バーナ21は、1次空気により搬送された微粉炭を投入する矩形状のコール1次ポート22と、コール1次ポート22の周囲を取り囲むように設けられて2次空気の一部を投入するコール2次ポート23とを備えている。微粉炭バーナ21から投入される微粉炭は、火炉11内へ向けて略真っ直ぐに流れる。
2次空気投入ポート30の各流路及びコール2次ポート23には、たとえば図2に示すように、送気ダクト17から各々分岐した流路を介して供給される2次空気の流量調整手段として、開度調整可能なダンパ40が設けられている。なお、2次空気投入ポート30の位置については、微粉炭バーナ21の上下に限定されることはなく、左右であってもよい。
このため、静圧が低下した流路断面中心側の領域に微粉炭を巻き込むことにより、コール1次ポート22の中央部に微粉炭を効率よく集めることができる。すなわち、上下一対のガイド24間に形成される流路断面積は、上流側から下流側へ角度αで傾斜するガイド24によって絞られているので、微粉炭をコール1次ポート22の中央部に集めて火炎中央へ集中投入することが可能になるが、翼断面のガイド24を採用することにより、微粉炭の集中度をより一層高めた集中投入が可能になる。
また、上述した微粉炭バーナ21において、ガイド24を絞る角度αは20度以上に大きく設定することが望ましい。これは、ガイド24の外側が剥離領域となり、この剥離領域に渦が発生して流れを乱すため、着火性の向上に有効となるためである。このような渦の発生は、角度αが大きいほど顕著になる。
このような離間距離Lを設けることにより、火炎に混合される2次空気量が減少するので、火炎内の酸素濃度を減少させるとともに、火炎温度の低下を最小限に抑えて比較的高温の状態に維持することができる。
このとき、微粉炭バーナ21と2次空気投入ポート30との間に設けた離間距離Lが火炎と2次空気との干渉を抑制しているので、火炎の中心部で着火する微粉炭は、2次空気投入ポート30から火炎に対して2次空気が緩慢に供給されるため、火炎内部の酸素濃度が低い状態で燃焼する。
図示の構成例では、ガイド24が微粉炭バーナ21の先端から上流側に十分な距離を有する位置にある微粉炭管26内に設置されている。なお、図中の符号27はガイド24の先端からバーナ先端位置まで設けられた仕切板であり、この仕切板27の先端部にリブ25が設けられている。
この変形例では、バーナ20Aの2次空気投入ポート30Aが、微粉炭バーナ21の軸中心と平行なバーナ外壁21aから上下方向外向きに、角度θだけ傾斜して設置されている。なお、図6に示す構成例は、図5に示した第1変形例の微粉炭バーナ21を採用しているが、これに限定されることはなく、上述した実施形態及び第1変形例とのく見合わせでもよい。
この結果、微粉炭ノズル21の上下に2次空気投入ポート30Aが配設されたバーナ20は、離間距離L1が低減されたことにより、バーナ20の全高寸法を小さくすることができる。
このような構成を採用すれば、バーナ高さを最小限に抑えて2次空気の流れが火炎と干渉しないように離間させることも可能になる。
すなわち、図9(a)に示す第4変形例では、平面視がY字状に分岐して左吹出口30L,右吹出口30Rから火炉11内に2次空気を投入する2次空気投入ポート30Cとされ、微粉炭バーナ21の軸線から左右方向外向きに傾斜した左吹出口30L及び右吹出口30Rが隣接して配置されているので、2次空気は火炎から離間する方向に流出して混合が遅延する。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえば粉体燃料が微粉炭に限定されないなど、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
11 火炉
20,20A バーナ
21 微粉炭バーナ(燃料バーナ)
22 コール1次ポート(燃料流路)
23 コール2次ポート
24 ガイド
25,31 リブ
30,30A,30B,30C 2次空気投入ポート
32 旋回羽根
Claims (10)
- 粉体燃料を焚くボイラの火炉内へ粉体燃料及び空気を投入して燃焼させるバーナの燃料バーナが、前記粉体燃料を1次空気で搬送して前記火炉内へ投入する燃料流路先端部に、流れ方向の角度を流路断面中央部に向けて絞るガイドを備えていることを特徴とする燃料バーナ。
- 前記ガイドが内側に凸の翼断面形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の燃料バーナ。
- 前記ガイドを絞る角度αが20度以上に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料バーナ。
- 前記ガイドの先端部にリブを設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料バーナ。
- 前記ガイドの位置は、バーナ先端位置からガイド先端までの軸方向距離Xがバーナ高さ寸法hの2倍以上(X≧2h)に設定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の燃料バーナ。
- 粉体燃料及び空気を炉内へ投入するバーナが各段の各コーナ部あるいは壁面部に配置される旋回燃焼方式のバーナ部とされ、各段にそれぞれ1または複数の旋回火炎が形成される旋回燃焼ボイラにおいて、
前記バーナが、請求項1から5のいずれかに記載の燃料バーナと、該燃料バーナの上下または左右に各々配置されて流量調整手段を有する2次空気投入ポートとを備えていることを特徴とする旋回燃焼ボイラ。 - 前記燃料バーナと前記2次空気投入ポートとの間に、前記燃料バーナから炉内へ向けて形成される火炎に前記2次空気投入ポートから投入される2次空気が干渉しない程度の離間距離を設けたことを特徴とする請求項6に記載の旋回燃焼ボイラ。
- 前記2次空気投入ポートは、前記燃料バーナの軸中心から外向きの角度θとなるように設置されていることを特徴とする請求項7に記載の旋回燃焼ボイラ。
- 前記2次空気投入ポートの流路内部にリブを設けたことを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の旋回燃焼ボイラ。
- 前記2次空気投入ポートの流路内部に旋回羽根を設けたことを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の旋回燃焼ボイラ。
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