JP2011251291A - 連続鋳造での2次冷却及び2次冷却設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】Siを含む鋼材の連続鋳造における表面割れをより確実に抑制可能な2次冷却の技術を提供する。
【解決手段】0.5質量%以上5.0質量%未満のSiを含む鋼材を鋳造する連続鋳造における2次冷却帯での鋳片の2次冷却の全部又は一部を、冷却ノズルからの水の噴射によって行う。上記冷却ノズルによる冷却を、膜沸騰から遷移沸騰に変わる温度点であるMHF点よりも鋳片表面温度が高い状態となる冷却条件とし、且つMHF点が700℃未満となるように上記噴射される水の平均液滴径及び平均水温の少なくとも一方を設定する。
【選択図】図4
【解決手段】0.5質量%以上5.0質量%未満のSiを含む鋼材を鋳造する連続鋳造における2次冷却帯での鋳片の2次冷却の全部又は一部を、冷却ノズルからの水の噴射によって行う。上記冷却ノズルによる冷却を、膜沸騰から遷移沸騰に変わる温度点であるMHF点よりも鋳片表面温度が高い状態となる冷却条件とし、且つMHF点が700℃未満となるように上記噴射される水の平均液滴径及び平均水温の少なくとも一方を設定する。
【選択図】図4
Description
本発明は、連続鋳造設備における2次冷却の技術に係り、特にSiを含む鋼材を鋳造する際における2次冷却の技術に関する。
鋼材の連続鋳造設備は、溶鋼を固めて鋼材(スラブ)を連続的に製造する設備である。すなわち、連続鋳造設備は、溶鋼をモールド(鋳型)に押し込むタンディッシュ、溶鋼を初期凝固させるモールド、その後、徐々に冷却しながら鋼材を中心まで固めていく2次冷却帯を備える。
ここで、近年自動車などの軽量化に伴い、Siを含む高張力材の需要が高まっている。また、ハイブリット自動車の需要増加にともなう珪素鋼の生産も拡大しつつある。しかしSiを含む鋼材の鋳造は、2次冷却によって温度ムラが発生しやすく、表面割れ等の欠陥を多発する原因となる。すなわち温度ムラが発生して過冷却が発生すると、図1に示すように、スラブ表面割れが発生する原因となる。このように、Siを含む鋼材の鋳造には、歩留まりが悪い、鋳造速度を増加できない等の問題がある。
ここで、近年自動車などの軽量化に伴い、Siを含む高張力材の需要が高まっている。また、ハイブリット自動車の需要増加にともなう珪素鋼の生産も拡大しつつある。しかしSiを含む鋼材の鋳造は、2次冷却によって温度ムラが発生しやすく、表面割れ等の欠陥を多発する原因となる。すなわち温度ムラが発生して過冷却が発生すると、図1に示すように、スラブ表面割れが発生する原因となる。このように、Siを含む鋼材の鋳造には、歩留まりが悪い、鋳造速度を増加できない等の問題がある。
これらSiを含む鋼材を鋳造し2次冷却する際の表面割れ防止方法としては、2次冷却帯を緩冷却化する方法(非特許技術1参照)や、鋳片の表面から10mm以内の鋳片表層部の凝固時の冷却速度を1℃/秒以上になるように冷却すると共に表面温度を600℃以上に保持する方法(特許文献1参照)等が提案されている。
鉄と鋼 66(1980)S743
本発明者らのこれまでの研究の結果によれば、Siを含む鋳片を2次冷却すると鋳片表面で温度ムラ(過冷却)が発生するのは、鋳片表面にSiO2等のSi酸化物が生成し、そのSi酸化物が水との濡れ性(親和性)が良いためであることを突き止めた。
通常、鉄や鋼の連続鋳造機の2次冷却は、冷却が安定している膜沸騰領域で冷却するようにしている。しかし、冷却後、蒸発しきれずに残っている2次冷却水の滞留水が図2に示すMHF(Minmum Heat Flux)点を下回り、膜沸騰領域から遷移沸騰領域に突入すると、遷移沸騰下にあっては表面温度が下がると冷却能力(熱流束)が上がることで過冷却が止められなくなる。これが上記温度ムラ発生の原理である。
通常、鉄や鋼の連続鋳造機の2次冷却は、冷却が安定している膜沸騰領域で冷却するようにしている。しかし、冷却後、蒸発しきれずに残っている2次冷却水の滞留水が図2に示すMHF(Minmum Heat Flux)点を下回り、膜沸騰領域から遷移沸騰領域に突入すると、遷移沸騰下にあっては表面温度が下がると冷却能力(熱流束)が上がることで過冷却が止められなくなる。これが上記温度ムラ発生の原理である。
このため、MHF点以上で冷却するのが良いのであるが、Siを含む鋳片を通常の方法で2次冷却を行うと、上述のように生成したSi酸化物の濡れ性が良いために、MHF点温度が上昇する。すなわち、通常500〜700℃ぐらいのMHF点が、Si酸化物が存在すると700〜1000℃程度までMHF点が上昇する。
上記非特許文献の技術は、Si−Mn系鋳片に対して緩冷却をして表面割れの発生を防ぐものであるが、Si酸化物が生成した鋳片表面には多少の緩冷却を行ってもMHF点はあまり下がらない。そのため、温度ムラの発生を防ぐことは困難である。
また、上記特許文献1の技術は、鋳片表面から10mm以内の鋳片表層部の凝固時の冷却速度を1℃/秒以上になるように冷却すると共に表面温度を600℃以上に保持する方法であるが、そもそもSi酸化物がある鋳片では通常の2次冷却ではMHF点が700℃以上になるので、遷移沸騰領域での冷却となって温度ムラの発生を防ぐことはできない。
ここで、冷却ノズルの液滴径に関して、例えば特許文献2及び3に開示がある。
ここで、冷却ノズルの液滴径に関して、例えば特許文献2及び3に開示がある。
特許文献2には、100μm以上の液滴径で2次冷却することが開示されている。しかし、特許文献2は、過冷却を防止するためにミスト冷却の液滴径を大きくし、冷却能力を上げるために液滴径が小さくする発想の技術である。すなわち、特許文献2では、冷却能力を上げるために液滴径を小さくする発想のものであり、本発明のようにMHF点を下げるために液滴径を小さくするといった発想は記載も示唆も無い。また、鋳片表面にSiO2等のSi酸化物を有する鋳片表面を2次冷却にする点についてなんら記載がない。
また特許文献3には、10μmの液滴径でトップ部(最終鋳込部)を冷却することが記載されている。このとき、トップ部で、冷却を一時的に強くするために気水比を100〜300の範囲に上げているが、液滴径は50μm以下になると空気抵抗によって浮遊(霧状態)となるため、実用的でない。また、特許文献5にあっても、過冷却がMHF点を下回ることで発生する点、及び鋳片表面にSiO2等のSi酸化物を有する鋳片表面を2次冷却にする点についてなんら記載も示唆も無い。
以上のように、引用文献2及び3には、過冷却を抑えるために、MHF点を越える表面温度となるように2次冷却を制御するといった発想が開示されていない。また、鋳片表面にSiO2等のSi酸化物を有するか否かについても考慮されていない。
本発明は、上記のような点に着目したもので、Siを含む鋼材の連続鋳造における表面割れをより確実に抑制可能な2次冷却の技術を提供することを目的としている。
本発明は、上記のような点に着目したもので、Siを含む鋼材の連続鋳造における表面割れをより確実に抑制可能な2次冷却の技術を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、0.5質量%以上5.0質量%未満のSiを含む鋼材を鋳造する連続鋳造における2次冷却帯での鋳片の2次冷却の全部又は一部を、冷却ノズルからの水の噴射によって行い、
上記冷却ノズルによる冷却を、膜沸騰から遷移沸騰に変わる温度点であるMHF(Minmum Heat Flux)点よりも鋳片表面温度が高い状態となる冷却条件とし、且つMHF点が700℃未満となるように上記噴射される水の平均液滴径及び平均水温の少なくとも一方を設定することを特徴とする連続鋳造での2次冷却方法を提供するものである。
上記冷却ノズルによる冷却を、膜沸騰から遷移沸騰に変わる温度点であるMHF(Minmum Heat Flux)点よりも鋳片表面温度が高い状態となる冷却条件とし、且つMHF点が700℃未満となるように上記噴射される水の平均液滴径及び平均水温の少なくとも一方を設定することを特徴とする連続鋳造での2次冷却方法を提供するものである。
次に、請求項2に記載の発明は、上記冷却ノズルから噴射される水の平均液滴径を150μm以下に設定することで、上記MHF点を700℃未満に制御することを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載の発明は、上記冷却ノズルから噴射される水の平均温度を60℃以上に設定することで、上記MHF点を700℃未満に制御することを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載の発明は、上記冷却ノズルから噴射される水の平均温度を60℃以上に設定することで、上記MHF点を700℃未満に制御することを特徴とするものである。
次に、請求項4に記載の発明は、0.5質量%以上5.0質量%未満のSiを含む鋼材を鋳造する連続鋳造における2次冷却帯の全部又は一部に、冷却ノズルを配置し、
上記冷却ノズルからの水の噴射による鋳片の冷却を、膜沸騰から遷移沸騰に変わる温度点であるMHF(Minmum Heat Flux)点よりも鋳片表面温度が高い状態となる冷却条件とし、且つMHF点が700℃未満となるように上記噴射される水の平均液滴径を150μm以下に設定、及び平均水温を60℃以上に設定の少なくとも一方の設定で行うことを特徴とする連続鋳造での2次冷却設備を提供するものである。
上記冷却ノズルからの水の噴射による鋳片の冷却を、膜沸騰から遷移沸騰に変わる温度点であるMHF(Minmum Heat Flux)点よりも鋳片表面温度が高い状態となる冷却条件とし、且つMHF点が700℃未満となるように上記噴射される水の平均液滴径を150μm以下に設定、及び平均水温を60℃以上に設定の少なくとも一方の設定で行うことを特徴とする連続鋳造での2次冷却設備を提供するものである。
発明者らは、種々の実験その他によって、Siを含む鋳片を2次冷却する際に、噴射される水の平均液滴径及び平均水温の少なくとも一方を制御することで、MHF点の上昇を700℃未満に抑えることが可能であることを突き止めた。
そして、本発明によれば、MHF点を700℃未満に抑え、鋳片表面温度を700℃以上に維持するように調整することで、確実に膜沸点領域での冷却が可能となる。
そして、本発明によれば、MHF点を700℃未満に抑え、鋳片表面温度を700℃以上に維持するように調整することで、確実に膜沸点領域での冷却が可能となる。
次に、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図4に、鋼材の連続鋳造設備の構成図を示す。
連続鋳造設備は、図4に示すように、溶鋼をモールド6に押し込むタンディッシュ1、溶鋼を初期凝固させるモールド6、徐々に冷却しながら鋳片2を案内する複数のサポートロール3、及び移動トーチカッター5を備える。また。隣り合うサポートロール3の間には2次冷却用の冷却ノズル4が挿入されている。図4では、2次冷却帯を第1〜第4ゾーンに区画する場合を例示している。
図4に、鋼材の連続鋳造設備の構成図を示す。
連続鋳造設備は、図4に示すように、溶鋼をモールド6に押し込むタンディッシュ1、溶鋼を初期凝固させるモールド6、徐々に冷却しながら鋳片2を案内する複数のサポートロール3、及び移動トーチカッター5を備える。また。隣り合うサポートロール3の間には2次冷却用の冷却ノズル4が挿入されている。図4では、2次冷却帯を第1〜第4ゾーンに区画する場合を例示している。
本実施形態では、溶鋼中に0.5質量%以上5.0質量%未満のSiを含む鋼材を連続鋳造する場合の例である。
本実施形態では、上記各冷却ノズル4として、通常の冷却ノズルよりも液滴径が微小なミストスプレーノズルなどの冷却ノズルを採用し、その冷却ノズルから噴射する水の平均液滴径が150μm以下となるように設定する。
本実施形態では、上記各冷却ノズル4として、通常の冷却ノズルよりも液滴径が微小なミストスプレーノズルなどの冷却ノズルを採用し、その冷却ノズルから噴射する水の平均液滴径が150μm以下となるように設定する。
若しくは、各冷却ノズルから噴射する水の平均温度を60℃以上に設定する。この場合には、必ずしも噴射する水の平均液滴径が150μm以下に設定する必要はない。
このようにすることで、膜沸騰から遷移沸騰に変わる温度点であるMHF点を700℃未満となるに設定することが出来る。
さらに、そのMHF点よりも鋳片表面温度が高い状態、例えば鋳片表面温度が700℃以上の冷却条件となるように、鋳込み速度や溶鋼の温度等に基づき、鋳片表面に噴射する水量を調整する。
このようにすることで、膜沸騰から遷移沸騰に変わる温度点であるMHF点を700℃未満となるに設定することが出来る。
さらに、そのMHF点よりも鋳片表面温度が高い状態、例えば鋳片表面温度が700℃以上の冷却条件となるように、鋳込み速度や溶鋼の温度等に基づき、鋳片表面に噴射する水量を調整する。
上述したようにSi酸化物が生成するとMHF点が上昇するため、通常の冷却を行うと、冷却中にMHF点を下回り、温度ムラ(過冷却)が発生しやすくなる。その温度ムラと表面ひび割れに密接な関係があることから、常に2次冷却においてはMHF点以上で冷却することが望ましい。
そこで本発明者らはミストスプレーノズルや通常の冷却ノズルから噴射される液滴径に注目した。検討の結果、通常のスプレーノズルよりも液滴径が微小な冷却ノズルで冷却すると、Si酸化物スケールが存在しても、通常の液滴径の冷却ノズルよりもMHF点を低くできることがわかった(図3参照)。一般的な冷却用スプレーノズルは平均液滴径が300μm以上であり、図3に示すように鉄酸化物系の表面では水温27℃でMHF点は約550℃付近にあるのに対し、Si酸化物上では720℃以上となる。
これに対して、平均液滴径が150μmの冷却ノズルを用いるとMHF点を約650℃まで下げることができる。MHF点を700℃未満にすれば、鋳造速度が遅くても製造は可能なので、上述のように2次冷却を行うことで、Siを含む鋳片を2次冷却する際にMHF点の上昇を700℃未満に抑えることが可能となる。
また、図3から分かるように、通常の冷却ノズルであってもSi酸化物上で水温が60℃であれば、MHF点を700℃以下とすることができるので、上述のように2次冷却を行うことで、Siを含む鋳片を2次冷却する際にMHF点の上昇を700℃未満に抑えることが可能となる。
そして、MHF点を700℃未満に抑えることで、鋳片表面温度を700℃以上に維持するように冷却条件を調整することで、確実に膜沸点領域での冷却が可能となる。
この結果、Siを含む鋼材の連続鋳造における表面割れをより確実に抑制可能な2次冷却の技術を提供することが可能となる。
この結果、Siを含む鋼材の連続鋳造における表面割れをより確実に抑制可能な2次冷却の技術を提供することが可能となる。
「実施例1」
上記実施形態で説明した連続鋳造設備を使用した本発明の実施例1を説明する。
上記連続鋳造設備として、長さ45m、幅2mの鋳片を鋳造できる連続鋳造設備を使用した。そして、モールド6より下流の2次冷却帯に、平均液滴径が330μmの通常冷却ノズルと本発明の平均滴滴径が150μmの微小液滴冷却ノズルとを切り替えて使用できるように配置した。
上記実施形態で説明した連続鋳造設備を使用した本発明の実施例1を説明する。
上記連続鋳造設備として、長さ45m、幅2mの鋳片を鋳造できる連続鋳造設備を使用した。そして、モールド6より下流の2次冷却帯に、平均液滴径が330μmの通常冷却ノズルと本発明の平均滴滴径が150μmの微小液滴冷却ノズルとを切り替えて使用できるように配置した。
ここで、冷却ノズルから噴射される噴射中の液体の液滴径は、移動ドップラ法(PDA:Phase Doppler Anemometer)により調査した。平均液滴径は、ザウダー平均径(D32)で、測定は各条件で5回行い、その平均値を用いた。なお、厳密には、計測した液滴の体積の総和と表面積の総和の比(D32=Σ(ni・di 3)/Σ(ni・di 2)、niは粒子数、diは直径)をザウダー平均径と呼ぶ。他の実施例でも同様である。
そして、まず、Siが0.1質量%未満で幅2000mm、板厚250mmの一般鋼を鋳造速度1.5mpmにおいて、平均液滴径が330μmの通常の冷却ノズルによる冷却で冷却水温度は27℃で鋳造を行った。図5に示す温度分布のように、温度偏差約40℃以内で均一な2次冷却を実施できた。
次にSiが3.0質量%以上含む珪素鋼を幅2000mm、板厚250mmの一般鋼を鋳造速度1.2mpmにおいて、平均液滴径が330μmの通常の冷却ノズルによる冷却で冷却水温度は27℃で鋳造を行った。この場合には、図5に示すように、温度偏差200℃以上の温度ムラが発生した。この鋳片は鋳造後、温度が低い部分に表面割れが生じ、次工程で使用することができなかった。
次に、本発明に基づき、Siが3.0質量%以上含む珪素鋼を幅2000mm、板厚250mmの一般鋼を鋳造速度1.2mpm、平均液滴径が150μmの微小液滴の冷却ノズルによる冷却で冷却水温度は27℃で鋳造を行ったところ、図5に示すように、温度偏差は約50℃以内で鋳造を行うことができた。鋳造後も表面割れ等の欠陥は生じなかった。
以上のように、鋳造速度を1.2mpmと高くしても、本発明に基づく場合には、温度偏差を小さく抑えることが出来て、鋳造後も表面割れ等の欠陥は生じなかった。
以上のように、鋳造速度を1.2mpmと高くしても、本発明に基づく場合には、温度偏差を小さく抑えることが出来て、鋳造後も表面割れ等の欠陥は生じなかった。
「実施例2」
実施例1と同じ連続鋳造設備を使用した、そして、モールド6より下流の2次冷却帯に、平均液滴径が330μmの通常の冷却ノズルによる冷却で通常水温27℃なのに対し、途中から温水管を配置して、水温60℃で切り替えて噴射できるようにした。すなわち、噴射する水の温度を変えて連続鋳造を実施してみた。
実施例1と同じ連続鋳造設備を使用した、そして、モールド6より下流の2次冷却帯に、平均液滴径が330μmの通常の冷却ノズルによる冷却で通常水温27℃なのに対し、途中から温水管を配置して、水温60℃で切り替えて噴射できるようにした。すなわち、噴射する水の温度を変えて連続鋳造を実施してみた。
まず、Siが0.1質量%未満で幅2000mm、板厚250mmの一般鋼を鋳造速度1.5mpmにおいて、平均液滴径が330μmの通常の冷却ノズルによる冷却で冷却水温度は27℃で鋳造を行った。この場合、図6に示す温度分布のように、温度偏差約40℃以内で均一な2次冷却を実施できた。
次にSiが3.0%以上含む珪素鋼を幅2000mm、板厚250mmの一般鋼を鋳造速度1.2mpmにおいて、平均液滴径が330μmの通常の冷却ノズルによる冷却で冷却水温度は27℃で鋳造を行ったところ、図6に示すように、温度偏差200℃以上の温度ムラが発生した。この鋳片は鋳造後、温度が低い部分に表面割れが生じ、次工程で使用することができなかった。
次に、本発明に基づき、Siが3.0質量%以上含む珪素鋼を幅2000mm、板厚250mmの一般鋼を鋳造速度1.2mpm、平均液滴径が330μmの冷却ノズルによる冷却で冷却水温度は60℃以上で鋳造を行ったところ、図6に示すように、温度偏差は約50℃以内で鋳造を行うことができた。鋳造後も表面割れ等の欠陥は生じなかった。
以上のように、鋳造速度を1.2mpmと高くしても、本発明に基づく場合には、温度偏差を小さく抑えることが出来て、鋳造後も表面割れ等の欠陥は生じなかった。
以上のことから明らかなように、150μm以下の微小液滴冷却ノズルで2次冷却行うことにより、また、150μmを超える通常の冷却ノズルによる冷却の場合は2次冷却水に60℃以上の冷却水を給水することにより、過冷却の発生を抑制することができ、過冷却が原因となる鋳片の表面割れの発生を防ぐことができる。
また、高速鋳造が可能となるので、鋳片の増産が可能となり、また低コスト化にも寄与する。
以上のことから明らかなように、150μm以下の微小液滴冷却ノズルで2次冷却行うことにより、また、150μmを超える通常の冷却ノズルによる冷却の場合は2次冷却水に60℃以上の冷却水を給水することにより、過冷却の発生を抑制することができ、過冷却が原因となる鋳片の表面割れの発生を防ぐことができる。
また、高速鋳造が可能となるので、鋳片の増産が可能となり、また低コスト化にも寄与する。
ここで、上述の本発明に基づく連続鋳造において、鋳造速度1.2mpmよりも高くしても過冷却の発生を抑制することができ、過冷却が原因となる鋳片の表面割れの発生を防ぐことができることを確認している。
1 タンディッシュ
2 鋳片
3 サポートロール
4 冷却ノズル
5 移動トーチカッター
6 モールド
2 鋳片
3 サポートロール
4 冷却ノズル
5 移動トーチカッター
6 モールド
Claims (4)
- 0.5質量%以上5.0質量%未満のSiを含む鋼材を鋳造する連続鋳造における2次冷却帯での鋳片の2次冷却の全部又は一部を、冷却ノズルからの水の噴射によって行い、
上記冷却ノズルによる冷却を、膜沸騰から遷移沸騰に変わる温度点であるMHF(Minmum Heat Flux)点よりも鋳片表面温度が高い状態となる冷却条件とし、且つMHF点が700℃未満となるように上記噴射される水の平均液滴径及び平均水温の少なくとも一方を設定することを特徴とする連続鋳造での2次冷却方法。 - 上記冷却ノズルから噴射される水の平均液滴径を150μm以下に設定することで、上記MHF点を700℃未満に制御することを特徴とする請求項1に記載した連続鋳造での2次冷却方法。
- 上記冷却ノズルから噴射される水の平均温度を60℃以上に設定することで、上記MHF点を700℃未満に制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した連続鋳造での2次冷却方法。
- 0.5質量%以上5.0質量%未満のSiを含む鋼材を鋳造する連続鋳造における2次冷却帯の全部又は一部に、冷却ノズルを配置し、
上記冷却ノズルからの水の噴射による鋳片の冷却を、膜沸騰から遷移沸騰に変わる温度点であるMHF(Minmum Heat Flux)点よりも鋳片表面温度が高い状態となる冷却条件とし、且つMHF点が700℃未満となるように上記噴射される水の平均液滴径を150μm以下に設定、及び平均水温を60℃以上に設定の少なくとも一方の設定で行うことを特徴とする連続鋳造での2次冷却設備。
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
CN106694834A (zh) * | 2016-11-16 | 2017-05-24 | 北京科技大学 | 一种基于钢种凝固特性与组织演变规律的微合金钢连铸冷却控制方法 |
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- 2010-05-31 JP JP2010124703A patent/JP2011251291A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106694834A (zh) * | 2016-11-16 | 2017-05-24 | 北京科技大学 | 一种基于钢种凝固特性与组织演变规律的微合金钢连铸冷却控制方法 |
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