JP2011249026A - 酸化物超電導線材用基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基体に含まれるニッケルの表面拡散および表面酸化が原因でおこる剥離を防止して良好な酸化物超電導線材用基板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくともニッケルを含有する基体表面に、クロムまたはクロムを主成分とした合金からなるメッキ層を形成する工程と、前記メッキ層が形成された基体に対して酸素を有する雰囲気中で熱処理を行う熱処理工程とを有する酸化物超電導線材用基板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、本発明は、金属基体上に超電導層を成膜して酸化物超電導線材を製造する際に用いる酸化物超電導線材用基板の製造方法に関する。
従来から、金属基体上に超電導層を成膜し、酸化物超電導線材を製造する試みが数多く提案されている。なかでも、REBaCu7−dの組成式で表される酸化物超電導体(RE=希土類元素、123系又はイットリウム系超電導体とも呼ばれる)を用い、テープ状の金属基体上に成膜して可撓性をもたせた酸化物超電導線材は、高い電流特性が得られることから、現在、盛んに研究開発が進められている超電導線材のひとつである。
このような酸化物超電導線材において、超電導特性はその超電導体の結晶方位、特に2軸配向性に大きく依存する。したがって、特許文献1に開示されているように、高い2軸配向性を有する超電導層を得るために、下地となる中間層の表面の結晶配向性を向上させる必要がある。
また酸化物超電導線材は、金属基体に含まれるニッケルなどの元素との超電導層への拡散によっても、その特性が悪化してしまうため、特許文献2に拡散を抑制する特性を付加した中間層を形成し、その上に超電導層を成膜し、超電導線材を形成する方法が開示されている。
特開2009−289666号公報 特開平11−86647号公報
しかしながら、酸化物超電導は酸素雰囲気下での加熱反応を行って超電導層を成膜するため、金属基体に含まれる元素の超電導層への拡散を防止しても、過熱の過程で基体の元素であるニッケルが基体中を拡散移動して基体表面に移動し、そこで酸素と反応して酸化されてしまう。ニッケルが酸化されて酸化ニッケルとなったことで基体表面に凹凸を生じ、そのために超電導層が一部分剥がれてしまうという剥離がおこり、超電導特性が悪化するという問題がある。
本発明は、以上のような以上のような事情に鑑みてなされ、基体に含まれるニッケルの表面拡散および表面酸化が原因でおこる剥離を防止して良好な酸化物超電導線材用基板の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、少なくともニッケルを含有する基体表面に、クロムまたはクロムを主成分とした合金からなるめっき層を形成する工程と、前記メッキ層が形成された基体に対して酸素を有する雰囲気中で熱処理を行う熱処理工程とを有する酸化物超電導線材用基板の製造方法である。
このとき、メッキ層の厚さは50nm以上200nm以下であることが好ましい。本発明において、メッキ層の厚さを50nm未満とした場合には、基体に含有されているニッケルの基体表面への拡散や、基体表面の酸化を防止することが出来ないという問題があり、200nmより厚くした場合には、基体を用いて形成された酸化物超電導線材の曲げ加工性が悪くなり、加工する際に剥離を生じてしまうという問題がある。
また、熱処理工程が、300℃以上550℃以下で行われることが好ましい。本発明において、熱処理を行う際、300℃未満では、クロムが充分に酸化されず酸化ニッケルが形成されにくいという問題があり、550℃を超えた場合には、クロムだけでなく基体中に含まれるニッケルに関しても酸化が進むため、表面荒れが起こり、酸化物超電導線材とするために、基板上に形成する中間層の層間や、基板と中間層間において、剥離の原因になる可能性がある。
更に、メッキ層を形成する工程の前に、基体に対して研磨を行う工程を有することが好ましい。研磨によって、基体表面の表面粗度Raを、例えば、10nm以下とすることにより、基板上に形成する中間層の平滑性を向上することができる。
本発明によれば、成膜過程又は成膜終了後の熱処理において、成膜した膜間に剥離が生じることのない酸化物超電導線材用基板の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る酸化物超電導線材用基板の製造方法により形成された基板上に中間層及び超電導薄膜を形成してなる超電導薄膜線材を示す断面図である。
本発明の実施形態を説明する。本発明の酸化物超電導線材用基板の製造方法は、
(1)少なくともニッケルを含有する基体表面に、クロムまたはクロムを主成分とした合金からなるメッキ層を形成する工程(メッキ層形成工程)と、
(2)メッキ層が形成された基体に対して酸素雰囲気中で熱処理を行う熱処理工程(酸化処理工程)
を有する。
図1は、本発明の一実施形態に係る酸化物超電導線材用基板の製造方法により形成された酸化物超電導線材用基板(基体1上にメッキ層2が形成されている)上に、ベッド層3a、配向層3b、キャップ層3cからなる中間層3、及び超電導層4を形成してなる超電導薄膜線材を示す断面図である。
ここで、基体1として少なくともニッケルを含有する材料は、ハステロイ(商品名)、インコネル(商品名)、ヘインズアロイ(商品名)、MCアロイ(商品名)、モネル(商品名)、ユディメット(商品名)、ナイモニック(商品名)、ルネ(商品名)、ステンレス鋼、及びインコロイ(商品名)を用いることができる。
(1)メッキ層形成工程
本発明の実施形態によれば、少なくともニッケルを含有する基体1表面に、クロムまたはクロムを主成分とした合金からなるメッキ層2を形成する工程すればよい。
本発明の実施形態としてより好ましくは、次に記載するように、メッキ層2を形成する前の基体1表面を研磨する工程を有しているとよい。
(研磨工程)
少なくともニッケルを含有する基体1表面の少なくとも一方の面に対して、鏡面研磨を行う。研磨方法としては、機械研磨、電解研磨、化学研磨、それら組み合わせた研磨を採用すること出来る。
機械研磨では、研磨粒はダイアモンド粒や酸化物粒、特に酸化アルミニウム、酸化セリ
ウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化鉄などが望ましく、またその溶液(研磨液)
は水や界面活性剤や油類や有機溶剤やそれらの混合液、あるいは水に蟻酸や酢酸や硝酸な
どの酸、あるいは水に水酸化ナトリウムなどのアルカリを混合した溶液であればよいが、
特に石けん水が望ましい。
化学研磨では、研磨液は、基体表面と化学反応する化学溶液であって、例えば硝酸、硫
酸、蟻酸、酢酸、塩酸、フッ酸、クロム酸、過酸化水素、シュウ酸、テトラリン酸、氷酢
酸などの液体あるいはその混合溶液で、さらにその混合溶液に飽和アルコールやスルホン
酸類などの促進剤を混合した溶液が望ましい。
化学的機械研磨では、研磨粒は上記機械研磨の粒でよく、そこに化学研磨の溶液を含む
研磨溶液(スラリー)を用いる。
電解研磨では、基体1を電解液に浸して、基体を陽極として通電して電解反応で基体1表面を研磨する。この電解液は、酸やアルカリでよく、特に硝酸、リン酸、クロム酸、過酸化水素、水酸化カリウム、シアン化カリウムなどが望ましい。
研磨工程によって、基体1表面の表面粗度Raを10nm以下とする。基体1表面の表面粗度Raが10nmを超えると、中間層3の平滑性に影響を与えてしまうため、好ましくない。より好ましい基体1表面の表面粗度Raは5nm以下であり、更に好ましくは2nm以下である。なお、表面粗度Raとは、JIS B 0601-2001において規定する表面粗さパラメータの「高さ方向の振幅平均パラメータ」における算術平均粗さRaである。
(メッキ工程)
次いで、基体1表面(片面又は両面)に湿式メッキによるクロムまたはクロム合金からなるメッキ層2が施される。なお、メッキは無光沢メッキでも光沢メッキでもよく、必ずしも湿式メッキに限られず、乾式メッキ法も適用することが出来る。また、スパッタ法で、例えばクロムを数nmの厚みに成膜した後、湿式メッキ法で、例えばクロム合金を数μmの厚さに積層してもよい。或いは、乾式メッキ法、湿式メッキでそれぞれ複数層を構成することも可能である。
ここで、クロムを主成分とした合金としては、インコネル(商品名)などのNi−Cr合金、ステライト(商品名)(ステライト6,31,21等)のCo−Cr合金を用いることができる。
なお、メッキ層2の膜厚は、基体1に含まれるニッケルの表面拡散および表面酸化が生じないように、好ましくは50nm〜200nm、より好ましくは70nm〜100nmとする。50nm未満の場合には、この後に行う酸化処理工程によってメッキ層2に相当する部分に形成される酸化クロム層が十分に形成されない。また、200nmを超えると酸化物超電導線材となった場合に、曲げ加工性が悪くなる。
表面の平坦性を確保するためには、メッキ工程における基体1の搬送速度を5〜60m/hとすることが好ましい。この搬送速度で行うことで、メッキ層2の表面粗度Raを10nm以下とすることができる。
(2)酸化処理工程
基体1上に形成されたメッキ層2を、基体1に含まれるニッケルの表面拡散および表面酸化が原因でおこる剥離を防止するための酸化クロム層とするために、酸化処理を行う。
この酸化クロム層は、酸化クロム(Cr)のみからなる層であることが考えられる。或いはスピネル型のNiCr、FeCrの形で存在することも考えられる。この式は理想的な平衡状態としての組成であり、実際には原子比は整数比とならず、NiCrの場合、組成は、例えば、Ni1.2Cr1.83.9又は(NiO)1.2(CrO1.51.8となる。
なお、NiCr及びFeCrにおける理想的な元素の存在比は、NiCrの場合、Ni(25.9wt%、14.3at%)、Cr(45.9wt%、28.6at%)、O(28.2wt%、57.1at%)、FeCrの場合、Fe(24.9wt%、14.3at%)、Cr(46.5wt%、28.6at%)、O(28.6wt%、57.1at%)となる。
更に、これらの物質に、CrやCrよりも少量の、例えば30質量%未満の他の金属が固溶している場合も考えられる。以上の場合、酸化クロム層は、式CrM‘M“・・・O(w、x、y、zは、いずれも正の数)により表され、これらの複数の金属元素のうち
でCrの量w(原子%)は最大である。
酸化クロム層は、10〜300nmが好ましい。層厚が10nm未満であると、薄すぎて、層間剥離を抑制する機能を充分に発揮し難くなり、一方、300nmを超えると、酸化クロム層そのものに亀裂や剥離が生じる恐れがある。
以上のような、酸化クロム層を形成するためには、次のような酸化処理条件を用いることが好ましい。
熱処理温度は、300℃以上550℃未満であることが望ましい。300℃未満の場合には、メッキ層2が十分に酸化されず、酸化クロム層が層間剥離を抑制する機能を充分に発揮し難くなるという問題があり、550℃以上の場合には、酸化クロム層の表面が荒れてしまい、酸化物超電導線材となった場合の超電導特性の劣化の原因となり得る。また、熱処理時間は、10分〜60分間であることが望ましい。10分未満の場合には、酸化クロム層の充分な膜厚を確保できないという問題があり、60分を超えると基体に含まれるニッケルについても酸化されてしまい、剥離を生じさせる可能性がある。
また、熱処理雰囲気は、酸素雰囲気又は酸素と不活性気体からなる雰囲気を用いればよく、このときの酸素分圧は、0.2気圧以上1気圧以下であることが望ましい。酸素分圧が0.2気圧未満の場合には、メッキ層に含有されるクロムを酸化するための酸素量が足りず、酸化クロム層が形成されにくいという問題があり、1気圧を超えると基体1に含有されているニッケルも酸化されてしまい、剥離を生じさせる可能性がある。
以上の工程により、本発明の酸化物超電導線材用基板を得ることができる。また、得られた酸化物超電導線材用基板を用いて、以下の工程を行うことで酸化物超電導線材を得ることができる。
(中間層の形成)
酸化クロム層の上に、超電導層4を成膜するための中間層3を形成することが出来る。この場合、中間層3を、Y又はGdZrを含むものとすることが出来る。
例えば、Y又はGdZrからなるベッド層3aを、スパッタ法により成膜し、このベッド層3aの上に、MgOからなる配向層3bを、IBAD法により成膜し、更に、配向層3bの上には、CeOからなるキャップ層3cを、スパッタ法により成膜すればよい。
(超電導層の形成)
中間層3の上に、超電導層4を形成する。このとき、超電導層4は、RE系超電導材料であればよい。ここで、REは希土類元素であり、Y、Nd、S m 、E u 、G d 、D y 、H o 、E r 、T m 、Y b 、L u から選ばれる1種類または2種類以上の元素からなる超電導材料である。例えば、YBCOからなる超電導材料をMOCVD法によって、成膜すればよい。
以下、本発明を、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
テープ状のハステロイC−276からなる基体の一方の面に対して、砥粒研磨により、表面研磨を施した。このときの基体の表面粗度Raは2nm以下であった。
次に、メッキ法を用いて、厚さ10nm〜250nmのCr膜を成膜し、メッキ層を形成した。このとき用いたメッキ法は、電解メッキであり、無水クロム酸250g/l、硫酸2.5g/l、浴温50〜55℃、電流密度15〜60A/dmのサージェント浴を用いた。なお、メッキ層の表面平坦性をあげるために線材の搬送速度を60m/hとした。
その後、500℃、1気圧の酸素雰囲気下で20分〜60分間の熱処理を施して厚さ30nm〜200nmのCr3からなる酸化クロム層を成膜し、酸化物超電導線材用基板を得た。このときの、酸化クロム層の表面粗度Raは10nm以下であった。
比較例として、テープ状のハステロイC−276からなる基体の一方の面に対して、砥粒研磨により、表面研磨を施し、酸化物超電導線材用基板を得た。このときの基体の表面粗度Raは5nmであった。
実施例及び比較例の製造方法によって得られた酸化物超電導線材用基板上に、スパッタリング装置を用いてGdZrからなる厚さ100nmのベッド層を成膜した。そして、このベッド層の上に、MgOからなる配向層(IBAD−MgO層)を、IBAD法により常温で10〜200Å成膜した。配向層の上には、CeO2からなるキャップ層を、スパッタ法により650℃で200nm成膜した。キャップ層の上には、YBCOからなる超電導層を、MOCVD法により845℃で厚さ1μm成膜して酸化物超電導線材とした。さらに、図1には図示していないが、超電導層上に、Ag保護層を形成し、酸素流気中、550℃で酸素アニールを行った。
(特性評価試験)
層間剥離の確認は、オージェ電子分光分析によって、得られた酸化物超電導線材の表面を観察することによって行った。なお、得られた酸化物超電導線材の表面の観察は、得られた酸化物超電導線材に曲げひずみを加えない状態と、酸化物超電導線材をコイルに巻きつけた状態で曲げひずみを加えた状態とで行った。
オージェ電子分光分析は、PHISICAL ELECTRONICS社製のPHI−660型走査型オージェ電子分光装置を用いて行った。電子銃の加速電圧は10kVとし、資料電流が500nAの条件で測定した。
このとき、剥離およびフクレが全く無いという状態を○、剥離は無いがフクレがあるという状態を△、剥離を生じているという状態を×とした。
なお、コイルに巻きつける条件は、長手方向の曲げひずみを、下記式(1)で示した曲げひずみに関する式において1%とした。
ε=(t/D)×100・・・・・・(1)
ここで各記号は以下を示す。
ε(%) :曲げひずみ
t(mm):酸化物超電導線材厚み
D(mm):コイルの巻内径
また、得られた酸化物超電導線材の臨界電流Icの測定を行った。酸化物超電導線材の200m分を液体窒素に浸漬した状態で四端子法を用いて臨界電流を測定した。測定は1mピッチとし、電圧端子は1.2m、電界基準は1μV/cmとした。
得られた実施例及び比較例の諸元と特性評価結果を表1に示す。
Figure 2011249026
比較例1では、通常の線材状態であっても、層間剥離が生じており、Icが低いことが判る。一方、実施例1〜13については、層間剥離が生じておらず、Icについても100A以上であり、好適な条件である実施例3〜8、10〜12では、200A以上の酸化物超電導線材の電流特性を得ることができた。
実施例1〜8において、メッキ層の厚さを10〜250nmに変化させたところ、50nm未満の場合には、層間剥離はないものの、フクレがわずかに生じていることが判った。また、200nmよりも厚いメッキ層とした場合には、曲げひずみを加えた際に、フクレがわずかにが生じてしまった。このことより、メッキ層の厚さは50nm以上200nm以下が好ましい。
また、実施例9〜13において、酸化処理を行うための熱処理温度を250℃〜600℃としたところ、300℃未満の場合には、メッキ層のクロムの酸化が不十分となり酸化クロム層の膜厚が薄くなったために、層間剥離はないものの、フクレが形成されてしまった。また、550℃を超えた場合には、基体表面が荒れてしまったため、フクレが生じてしまう結果となった。これは、基体に含まれるニッケルが基体表面に拡散し、酸化クロム層と基体の間では酸化ニッケルが形成されたためと考えられる。従って、酸化処理を行うための熱処理温度は300℃以上550℃以下であることが好ましい。
1 基体
2 メッキ層
3 中間層
4 超電導層

Claims (4)

  1. 少なくともニッケルを含有する基体表面に、クロムまたはクロムを主成分とした合金からなるメッキ層を形成する工程と、
    前記メッキ層が形成された基体に対して酸素を有する雰囲気中で熱処理を行う熱処理工程と
    を有する酸化物超電導線材用基板の製造方法。
  2. 前記メッキ層の厚さが50nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導線材用基板の製造方法。
  3. 前記熱処理工程が、300℃以上550℃以下で行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化物超電導線材用基板の製造方法。
  4. 前記メッキ層を形成する工程の前に、前記基体に対して研磨を行う工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材用基板の製造方法。
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