以下,図面を用いながら,本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお,以下では,主に売上実績の分析を支援する装置の例について説明するが,本発明は売上実績の分析に限られるわけではなく,仕入実績データやその他の基幹系システムが保持するような実績データの分析に同様に適用することができる。
図1は,本発明の概要を説明するための装置構成例を示す。図1において,1はCPUおよびメモリ等から構成され,売上実績に関する分析を支援する処理を実行する分析支援処理装置,2はハードディスクやメモリ等の記憶装置,3は条件指定画面および実績表示画面等を表示する表示装置,4は利用者が入力操作を行うためのマウスやキーボード等の入力装置を表す。
分析支援処理装置1は,利用者の識別情報を入力し,入力した利用者の識別情報をもとに分析対象の売上実績に関するデータ(明細データ21)についてどのような分析を行うかの分析条件を指定条件画面で指定させ,指定された分析条件に従って売上実績に関するデータを加工した分析データを作成し,実績表示画面として表示装置3に表示する。
このために,分析支援処理装置1は,図1に示すように,制御手段11,担当業務特定手段12,明細データ集計手段13,影響度算出手段14,条件指定画面作成手段15,実績表示画面作成手段16,画面遷移制御手段17を備える。後に説明するこれらの各手段の機能は,CPUやメモリ等のハードウェアとソフトウェアプログラムとによって実現される。
記憶装置2には,本システムを利用する利用者の識別情報と利用者の担当業務との対応情報が記憶されたログインIDファイル20,商品・店舗などの分析対象の要素ごとの売上実績に関するデータである明細データ21,組織情報を記憶する組織階層マスタ51,商品情報を記憶する商品分類マスタ52が予め格納される。なお,明細データ21等は,随時更新される。
図2(A)に,ログインIDファイル20のデータ構成例を示す。ログインIDファイル20には,認証のために,利用者のログインID,パスワード,識別子,部署名,役職,担当業務等が格納されている。
図2(B)に,明細データ21のデータ構成例を示す。明細データ21には,図2(B)に示すように,売上記録ごとに一意に定められる通番のシーケンス番号SEQ,商品の売上があった日付,商品を一意に識別するための商品コード,商品の売上数量,商品の売上金額,当該商品の売上を計上する売上店舗(売上店舗コード)等が格納される。
次に,分析支援処理装置1が利用者の担当業務に応じて,分析対象となる要素(商品や店舗など)を含む明細データ21を特定(または集約)するために用いる,組織情報と商品情報とについて説明する。
組織情報は,組織階層マスタ51によって管理される。組織情報は,図3(A)に示すように,例えば組織の第一階層が事業部511,第二階層がエリア512,第三階層が店舗513というように,階層化されている。図3(A)に示すような組織の場合,組織階層マスタ51には,図3(B)に示すように,組織ごとに,各組織をシステム内で一意に識別するためのコードと,階層の番号(レベル)と,親となる組織を示すコード(親コードという)と,組織の名称とが格納される。
具体的には,図3(A)に示す組織は,例えば図3(B)に示すような組織階層マスタ51で管理される。組織階層マスタ51は,図3(B)に示すように,第一階層の事業部511にコード「A1」・名称「東日本販売本部」,コード「B1」・名称「西日本販売本部」,第二階層のエリア512にコード「aa1」・名称「東京エリア」・親コード「A1」,コード「aa2」・名称「北関東エリア」・親コード「A1」等,第三階層の店舗513にコード「A」・名称「飯田橋店」・親コード「aa1」,コード「B」・名称「後楽園店」・親コード「aa1」等の情報を含む。
商品情報は,商品分類マスタ52によって管理される。商品情報は,図4(A)に示すように,例えば商品情報の第一階層が大分類521,第二階層が中分類522,第三階層が個々の商品を示すアイテム523というように,階層化されている。図4(A)に示すような商品の場合,商品分類マスタ52には,図4(B)に示すように,商品ごとに,各商品をシステム内で一意に識別するためのコードと,階層の番号(レベル)と,親となる商品情報を示す親コードと,商品分類の名称とが格納される。
具体的には,図4(A)に示す商品情報は,例えば図4(B)に示すような商品分類マスタ52で管理される。商品分類マスタ52は,図4(B)に示すように,第一階層の大分類521にコード「10」・名称「スーツ」,コード「20」・名称「ジャケット」,第二階層の中分類522にコード「100」・名称「スーツ100」・親コード「10」,コード「200」・名称「スーツ200」・親コード「10」等,第三階層のアイテム523にコード「1001」・名称「スーツ小分1」・親コード「100」,コード「1002」・名称「スーツ小分2」・親コード「100」等の情報を含む。
以上のような組織情報,商品情報の紐付け関係を検索するなどにより,指定項目による条件と,集計データとから分析業務の対象となる分析データを特定(または集約)することができる。
以下,図1に示す分析支援処理装置1の各手段について詳しく説明する。
制御手段11は,分析支援処理装置1に接続される記憶装置2,表示装置3,入力装置4等とのデータのやり取りを制御し,また,分析支援処理装置1内の各手段の全体,メモリの割当て等を制御する。
担当業務特定手段12は,入力装置4から入力された利用者の識別情報と,ログインIDファイル20に格納された識別情報とを比較し,利用者の担当業務を特定する。
明細データ集計手段13は,条件指定画面作成手段15による条件指定画面の作成に先立って,記憶装置2に記憶された明細データ21を読込み,担当業務特定手段12によって特定した担当業務に関係する明細データ21の項目ごとに集計して,集計データを作成する。明細データ21の項目は,例えば商品コード(売上商品),売上店舗コード,売上日付,売上金額などである。なお,本実施形態では,担当業務特定手段12によって特定した担当業務に関係する明細データ21だけを集計する例を説明するが,担当業務に特定されない全明細データ21について集計してもよい。ただし,この場合には,後述する指定条件画面30の指定項目について強調表示するかしないかを決定する際に,利用者の担当業務に関係のない明細データ21の集計結果に対する影響度は無視される。
影響度算出手段14は,明細データ集計手段13で集計された結果(集計データ)について,予め設定された基準値と集計データの対応する項目の集計値とを比較し,当該比較した結果から影響度を求め,当該影響度を判定する。ここで,影響度は,例えば売上の指標となる項目ごとの基準値に対して,実績の売上との乖離度合いを数値化したものである。
条件指定画面作成手段15は,条件指定画面30(図5に示す)を作成し,表示装置3に表示する。ここで,条件指定画面30は,分析対象となる要素の明細データについてどのような分析を行うかを指定する条件の指定項目群からなる画面であり,条件指定画面30内の指定項目の一つが利用者によって指定されることにより,その指定項目の分析条件に対応する分析データを表示するための実績表示画面31(図6に示す)への画面遷移が行われる。
図5は,本発明の実施形態における条件指定画面30の説明図である。条件指定画面30は,どのような分析用表示画面32(図6)を表示させるかという分析条件を入力するための画面であり,この例では,図5(A)に示すように,条件指定1と条件指定2との2つの条件指定によって定まる指定項目a1〜xnのマトリクスから,1つの指定項目の分析条件が選択されるようになっている。ここで,指定項目とは,分析データを作成するための分析条件となる項目である。
具体的には,例えば売上日報のような条件指定画面30の場合,図5(B)に示すように,縦軸の区分にある事業部,エリア,店舗の条件指定1と,横軸の区分にある大分類,中分類,アイテムの条件指定2の組合せによって指定項目a1〜c3のいずれかが選択されるようになっている。ここで,事業部,エリア,店舗は,組織のどの部分のデータを分析するかを指定する項目であり,大分類,中分類,アイテムは,どの商品または商品群のデータを分析するかを指定する項目である。このうち,どの指定項目を指定できるかについては,担当業務によって自動的に決められる。
実績表示画面作成手段16は,実績表示画面に表示する分析データの作成にあって,特定された利用者の担当職務と,条件指定画面作成手段15から指定された条件と,組織階層マスタ51に記憶された組織情報および商品分類マスタ52に記憶された商品情報とを用いて,明細データ21にかかるどの分析データを表示するかを特定(または集約)し,当該特定した結果から明細データ21を加工して分析データを作成する。
すなわち,実績表示画面作成手段16は,条件指定画面30で指定項目が選択されると,その指定項目をもとに実績表示画面31を作成し,表示装置3に表示する。図6に,実績表示画面31の例を示す。
図6(A)の例では,条件指定画面30において,「事業部−大分類」の指定項目が選択されることによって,実績表示画面31に画面が遷移している。実績表示画面31は,図6(B)のような分析データが表示される分析用表示画面32と,次の分析条件を指定するための次の条件指定画面30′とを含む。次の条件指定画面30′と分析用表示画面32とは,同じウィンドウ内に表示されるようにしてもよいし,また,別のウィンドウに表示されるようにしてもよい。次の条件指定画面30′の構成は,基本的には,画面遷移前の条件指定画面30と同様であるが,さらに詳細な分析のための指定項目やその他の画面遷移のための情報が追加されることがあり,また,利用者の分析を誘導するための強調表示の仕方が異なることがある。
図6(A)の例では,条件指定画面30の条件指定は,「事業部(条件指定1)−大分類(条件指定2)」であり,このマトリクスのマス目部分が赤色で強調表示されている。これは,図6(B)に示すように,「A事業部−C分類」の分析データ中に,影響度の大きい異常値が含まれるデータが存在するからであり,このような分析データの存在を,条件指定画面30で利用者に知らせるためである。分析用表示画面32においても,異常値を含むデータ部分は,予め定められた色で強調表示されるようになっている。
すなわち,分析用表示画面32を表示する際に,売上実績の指標となる基準から外れている項目(影響度の判定により異常値が大きいとされた項目),表示文字等については色付きで強調表示され,また,基準から外れている値については,赤字などで強調表示される。図6(B)の例では,C分類の日計の粗利が基準値から外れており,この粗利の数値が赤字で強調表示されるとともに,C分類の「行」の全体が色付きで強調表示されている。
実績表示画面31中の次の条件指定画面30′において,指定項目の選択がなされると,同様にその指定項目で特定される分析データを表示するための,次の実績表示画面(図示省略)の作成および表示が行われる。
実績表示画面31は,通常の場合,条件指定画面30において選択された指定項目の選択によって表示されるが,影響度算出手段14によって算出された影響度が,特に大きい値であり,緊急度の高いデータである場合,条件指定画面30での指定項目の選択が行われなくても,自動的に表示されることもある。
画面遷移制御手段17は,このような緊急度の高いデータが存在する場合に,条件指定画面30からの指定項目を入力することなく,担当業務特定手段12によって特定された担当業務に予め関連づけられた表示位置に存在する指定項目に該当する実績表示画面31を自動で作成し,表示装置3に表示する。
以上のように,本実施の形態で最も特長的なことは,明細データ集計手段13によって,売上実績にかかる明細データを商品属性,店舗属性等の利用者の担当業務が必要とする分析対象の要素ごとに集計し,影響度算出手段14によって,集計結果と所定の基準値(もしくは範囲)とを照合し,基準値から集計結果が離れているほど担当業務に対する影響度が大きいとして,基準値との乖離度の程度から影響度を算出し,条件指定画面作成手段15が,影響度の大きさに応じて,条件指定画面30における指定項目の強調表示を決定することである。特に,この指定項目の強調表示では,利用者の担当業務(役職)によって,条件指定画面30におけるどの指定項目が表示されるかが決定される。
図7は,条件指定画面における指定項目の強調表示の例を示している。図35を用いて本発明の課題を説明したように,分析データ中に異常値があった場合に,その異常値に注意しなければならないかどうかは,各人の担当業務(役職)によって異なる。例えば,社長であれば全社的な内容を把握する必要があり,製品の開発担当役員であれば,自分が担当する製品群(中分類)の売上の内容を把握する必要があり,営業担当役員であれば,自分が担当するエリアでの売上の内容を把握する必要がある,というようにである。
そこで,本実施の形態では,条件指定画面30の作成前に,利用者の担当業務に関係する分析データ中に影響度の大きいデータが存在しないかを事前に調べ,もし影響度の大きい分析データが存在すれば,条件指定画面30中で,影響度の大きい分析データが存在する指定項目を強調表示する。
このとき,どの指定項目を表示するかについては,図7に示すように,役職毎の強調表示位置を示すテーブル241Aに従って決定する。図3の組織階層マスタ51および図4の商品分類マスタ52で説明したように,分析対象の要素は階層化されている。この階層化されているデータの中に,影響度の大きいデータが存在した場合に,図7の例では,役職毎の強調表示位置を示すテーブル241Aから,社長の場合,条件指定画面30Aのように「事業部−大分類」の指定項目が強調表示され,開発担当役員の場合,条件指定画面30Bのように「事業部−中分類」の指定項目が強調表示され,……,営業担当部長の場合,条件指定画面30Eのように「店舗−大分類」の指定項目が強調表示される。この強調表示では,影響度の大きさに応じて色を変化させるなど,多段階の表示色で表示するようにしてもよい。
本発明の実施形態について,具体例に従ってさらに詳しく説明する。図8は,本発明の実施形態における装置構成例を示す図である。図8において,図1と同符号のものは図1に示すものに対応している。制御部101が,図1に示す制御手段11に相当し,ログインIDファイル読込み部102が,図1に示す担当業務特定手段12に相当する。また,明細データ読込み部103および明細データ集計部104が,図1に示す明細データ集計手段13に相当し,比率算出部105と差分算出部106と影響度算出部107と特別イベント算出部108と影響度補正部109が,図1に示す影響度算出手段14に相当する。強調表示設定部111と条件指定画面作成部112が,図1に示す条件指定画面作成手段15に相当し,分析データ作成部110および実績表示画面作成部113が,図1に示す実績表示画面作成手段16に相当し,画面遷移制御部114が,図1に示す画面遷移制御手段17に相当する。
分析支援処理装置1において,制御部101は装置全体を制御する。ログインIDファイル読込み部102は,ログインIDファイル20から利用者情報を読込む。明細データ読込み部103は,記憶装置2から明細データ21を読込む。明細データ集計部104は,読込んだ明細データ21を集計する,比率算出部105は,明細データ21を集計した結果から予め定めた項目の比率を算出する。差分算出部106は,明細データ21の予め定めた項目の算出された比率と予め設定された項目ごとの基準比率から差分を算出する。影響度算出部107は,算出された差分から影響度を求める。影響度補正部109は,要素の属性によって定められている重みから補正値を算出して影響度との合計値を算出する。特別イベント算出部108は,特別イベント期間による影響度の補正を行う。
分析データ作成部110は,明細データ21にかかるどの分析データを表示するかを特定して明細データ21を加工し分析データを作成する。強調表示設定部111は,条件指定画面30の指定項目および分析データについてプラス表示/マイナス表示などの強調表示を設定する。条件指定画面作成部112は,条件指定画面30を編集し表示装置3に表示する。実績表示画面作成部113は,分析用表示画面32を含む実績表示画面31の編集および表示装置3への表示を行う。画面遷移制御部114は,異常値の範囲に応じて実績表示画面31への画面遷移の制御を行う。これらの各部の機能は,CPUやメモリ等のハードウェアとソフトウェアプログラムとによって実現される。
記憶装置2には,ログインした利用者の識別情報が格納されたログインIDファイル20,実際の商品の売上に関する明細の売上実績数値を含むデータである明細データ21,要素ごとの関連づけ,商品の関連性の重み付け,店舗立地条件の重み付け等を記憶する属性テーブル23,要素ごとの売上実績の指標となる基準比率を記憶する基準比率テーブル221,要素ごとの売上実績と指標となる売上の基準比率との差分から乖離度合いを示す影響度を記憶する基準値差分テーブル222,売上実績の指定期間を記憶する期間指定テーブル223,売上実績における特別なイベントの指定期間を記憶する特別イベント期間テーブル224,担当業務(役職)ごとに条件指定画面30の強調表示すべき指定項目の位置が設定されている表示位置テーブル241,異常値に対してプラス−マイナスの最大値,合計値によりプラスの強調表示またはマイナスの強調表示のどちらを表示するかが設定されている表示基準テーブル242,異常値の範囲に応じて強調表示色を定める表示条件を記憶する強調表示色設定テーブル243,各要素の異常値の最大値によりどの分析データを直接表示するかを制御するための画面制御テーブル244が予め格納される。
これらのうち,属性テーブル23,基準比率テーブル221,基準値差分テーブル222,期間指定テーブル223は,分析対象の要素ごとに存在する。また,画面制御テーブル244も要素ごとに存在する。
図9および図10は,本発明の実施形態に係る分析支援処理装置の処理フローチャートである。
メニュー画面において,ログインIDとパスワードにより認証を行い,選択された業務へログインIDを引き渡す。メニュー画面から分析業務が選択されると,ログインIDファイル読込み部102は,メニュー画面から引き渡されたログインIDをキーにして,ログインIDファイル20を読込む(ステップS10)。
次に,読込んだログインIDファイル20のデータから利用者の担当業務を特定して記憶する(ステップS11)。ログインIDファイル20が,例えば図2(A)に示すデータであるとすると,ログインIDが「eeee」かつパスワードが「eeffgghh」である場合,利用者の役職は「東京エリア担当部長」であり,担当業務は「東京店舗管理」であること等が特定され,これらの特定された情報がメモリ上の作業領域(ワークエリア)に格納される。
次に,記憶された担当業務をキーにして,組織階層マスタ51,商品分類マスタ52を参照し,担当業務の分析対象となる要素(店舗,商品等)を選択する(ステップS12)。明細データ読込み部103は,選択した要素を含む明細データ21を記憶装置2から読込み(ステップS13),明細データ集計部104は,要素別に明細データ21を集計する(ステップS14)。
次に,比率算出部105と差分算出部106と影響度算出部107と特別イベント算出部108と影響度補正部109とが,要素別の集計データから影響度を算出する(ステップS15)。この影響度の具体的な算出方法については,図11および図12を用いて後述する。
影響度を算出した後,画面遷移制御部114は,画面制御テーブル244を参照することにより,画面を自動遷移させるかどうかを判定する(ステップS16)。この画面遷移は,影響度が極端に大きい異常値を示す場合に,条件指定画面30中の指定項目を強調表示するのではなく,その指定項目が示す実績表示画面31に直接,画面を遷移させる処理であり,具体例については後述する。画面を自動遷移させる場合,ステップS21へ進む。
画面を自動遷移させない場合,強調表示設定部111は,強調表示色設定テーブル243を参照し,ステップS15で算出した影響度の大きさに応じて,条件指定画面30における指定項目の強調表示を行うかどうか,強調表示を行う場合には,強調表示色としてどの色を用いるかを決定する(ステップS17)。
また,強調表示設定部111は,強調表示をする場合に,条件指定画面30におけるどの表示位置の指定項目を強調表示するかを,表示位置テーブル241を参照することにより担当業務に応じて決定する(ステップS18)。条件指定画面作成部112は,以上の結果から条件指定画面30を作成し,表示装置3に表示する(ステップS19)。
条件指定画面30を表示装置3に表示した後,条件指定画面30からの指定項目の入力を待つ(ステップS20)。指定項目が入力されるか,またはステップS16において画面の自動遷移が決定された場合,ステップS21へ進む。
ステップS21では,どのような分析データを表示するかの遷移画面を,条件指定画面30から入力された指定項目または画面遷移制御部114からの指定項目の通知によって決定する。分析データ作成部110は,指定項目の分析条件に該当する分析データを作成する(ステップS22)。
実績表示画面作成部113は,作成された分析データをもとに実績表示画面を編集する(ステップS23)。このとき,例えば表示基準テーブル242に従って分析データを強調表示をするかしないかを決定し,強調表示が必要な場合には,異常値をもとに強調色設定テーブル243に従って,強調表示編集を行う(ステップS25)。編集した実績表示画面31を表示装置3に表示し,画面操作を待ち受ける(ステップS26)。
利用者から画面操作の入力があれば,その操作内容に応じた処理を行う(ステップS27)。終了操作であれば,分析業務の処理を終了し,初期のメニュー画面に戻る。また,一般の表示画面操作であれば,操作された条件で画面編集を行う(ステップS28)。例えば,分析用表示画面32におけるデータ項目のクリック操作であれば,そのデータ項目を昇順または降順にソーティングする編集を行う。次の指定条件画面30′における指定項目の入力であれば,ステップS20以降の処理を繰り返す。
ここで,ステップS22において,分析データを特定する一例について説明する。分析データ作成部110は,特定された利用者の役職(または/および担当業務)と,例えば組織マスタ51の紐付けとを用いて,前述の指定項目について表示する分析データを特定することができる。すなわち,分析データ作成部110は,集計データから表示すべき分析データを加工(作成)する。例えば,図3の例を用いて説明すると,利用者が役職「東京エリア担当部長」かつ担当業務「東京店舗管理」とする場合,第二階層:エリア「東京エリア(aa1)」,第三階層:店舗「飯田橋店(A)」,「後楽園店(B)」,「秋葉原店(C)」,「茅場町店(D)」であることが検索される。さらに,条件指定画面30の条件指定1「店舗」と指定されている場合,分析データ作成部110は,組織マスタ51を用いて,親コード「東京エリア(aa1)」に属する店舗「飯田橋店(A)」,「後楽園店(B)」,「秋葉原店(C)」,「茅場町店(D)」に関する分析データを特定する。
これにより,実績表示画面作成部113は,分析データ作成部110により作成された分析データを分析用表示画面32に表示する。なお,組織マスタ51の紐付けを用いて,条件指定1についてより下位の階層へ特定することを説明したが,商品分類マスタ52を用いて,同様に条件指定2について分析データを特定する。また,分析データの集約は,同様に,組織マスタ51などの紐付けを用いて,より上位の階層へ集約することができる。例えば,第三階層(513)の「飯田橋店(A)」,「後楽園店(B)」などの店舗売上は,第二階層(512)の親コード「東京エリア(aa1)」のエリア売上として集計できる。したがって,分析データ作成部110は,この集計した結果を加工して分析データを作成する。
上記ステップS13〜S15の要素ごとのさらに詳細なフローの一例として,図11に要素が商品属性である場合の明細データ21の集計および影響度算出の処理フローを示し,図12に要素が店舗属性である場合の明細データ21の集計および影響度算出処理フローを示す。
はじめに,図11に示す処理フローチャートについて説明する。明細データ読込み部103は,記憶装置2から明細データ21を読込み,メモリ(図示省略)上へ記憶する(ステップS31)。明細データ集計部104は,明細データ21を商品ごとに売上数量,売上金額などの項目について集計し,集計データとしてメモリ上の集計ワークエリア120Aへ記憶する(ステップS32)。
ここで読込まれたデータが,例えば図13に示す明細データ21であったとして説明する。図13に示すように,明細データ集計部104は,明細データ21の商品コード「A00001」等について,売上数量「50」,売上金額「5000」等と集計し,その集計データを集計ワークエリア120Aに格納する。
次に,比率算出部105は,集計ワークエリア120Aの集計データから商品ごとの売上比率を算出する(ステップS33)。例えば,図14(A)に示すように,比率算出部105は,集計ワークエリア120A内の集計データの全売上数量に対する商品コードごとの売上数量の売上比率を算出して,ワークエリア121Aに格納する。図14(A)に示すワークエリア121Aにおいて,例えば全売上数量が「320」であるとすると,商品コード「A00001」の売上数量「50」は売上比率「15.6%」と算出され,その他についても同様に算出される。
次に,差分算出部106は,ワークエリア121Aに格納された売上比率と基準比率テーブル221Aの基準比率とを比較して差分を求める(ステップS34)。
図15(A)に,商品についての基準比率テーブル221Aの構成例を示す。基準比率テーブル221Aには,図15(A)に示すように,商品コードごとに,例えば売上数量の売上比率における,上限もしくは下限またはその両方の基準比率が予め設定されて格納されている。
例えば,図14(B)に示すように,差分算出部106は,基準比率テーブル221Aから商品コード「A00001」における基準比率の上限「30.0%」および下限「20.0%」を取得する。ワークエリア121Aに格納された商品コード「A00001」の売上比率「15.6%」が取得した下限「20.0%」を下回っていることから,差分算出部106は,この売上比率「15.6%」から下限「20.0%」を引いて差分「−4.4」(%)を算出する。また,差分算出部106は,商品コード「A00002」における基準比率の上限「30.0%」および下限「20.0%」であり,ワークエリア121Aに格納された売上比率「25.0%」がその上限〜下限の範囲内であることから差分「0.0」(%)を算出する。その他についても同様に算出され,算出された差分値がワークエリア121Aに格納される。
次に,影響度算出部107は,ワークエリア121Aに格納された差分と基準値差分テーブル222とから影響度を求める(ステップS35)。図15(C)に,基準値差分テーブル222の構成例を示す。基準値差分テーブル222には,図15(C)に示すように,基準値(例えば基準比率とする)との差分の範囲に応じて,例えば「上限〜下限の範囲内」である場合に影響度「1」とされ,「上限〜+50」(上限〜上限+50)である場合に影響度「10」等とされた値が予め設定され,格納されている。
例えば,図16に示すように,商品コード「A00001」の基準比率との差分が「−4.4」である場合,基準値差分テーブル222から下限「20.0%」〜−10(=10%〜20%)の間の差分であることから,影響度算出部107は影響度「−30」とする。その他についても,同様に求められ,求められた影響度がワークエリア121Aに格納される。
次に,影響度補正部109は,商品属性にかかる商品属性テーブル23Aから該当する重みを取得する(ステップS36)。影響度補正部109は,取得した属性重みを用いて,属性補正を行う(ステップS37)。
図17(A)に,影響度の補正に用いる商品属性テーブル23Aの構成例を示す。商品属性とは,主要商品,新商品などの企業活動に影響を及ぼす商品の分類などを示す要素である。商品属性テーブル23Aには,例えば商品コードごとに,属性,属性重み,関連商品#1,関連重み#1,関連商品#2,関連重み#2,期間重みなどが予め格納される。属性には,通常商品,主要商品,新商品などの商品の重要度が設定され,関連商品#1等にはシリーズ商品,代替商品,後継商品などの当該商品にとって関連性のある商品が設定される。
ここで,商品属性テーブル23Aにおける,属性重み,関連重み,期間重み等は,集計データから商品ごとに重要度,関連性などを影響度に反映させるための補正係数である。特に,属性重みは通常商品,主要商品,新商品などの商品の重要度を重み付けする補正係数であり,関連重み(#1,#2等)は商品の関連性を重み付けする補正係数であり,期間重みは商品属性期間指定により定められる期間についての売上等に重み付けする補正係数である。
影響度補正部109は,ワークエリア121Aに格納された影響度と商品属性テーブル23Aとを用いて,属性補正の値(=影響度×属性重み)の算出を行う。
図17(B)に示すように,例えば商品コード「A00001」について影響度「−30」,属性重み「1.5」であることから,当該属性補正「−45」と算出される。その他についても属性補正が行われ,これらの結果がワークエリア121Aに格納される。なお,属性重み「1」かつ影響度「1」である場合には,影響度の属性補正は行われない。
次に,影響度補正部109は,商品属性テーブル23Aから取得した関連重みを用いて,関連補正を行う(ステップS38)。具体的には,影響度補正部109は,ワークエリア121Aに格納された影響度と商品属性テーブル23Aとを用いて,関連補正の値(=影響度×関連重み)の算出を行う。例えば,図17(A)に示す商品属性テーブル23Aの商品コード「A00001」の関連商品には,関連商品#1として「A00002」,関連商品#2として「A00003」が記憶されているとする。図17(C)に示すように,例えば商品コード「A00001」の関連商品#1「A00002」の影響度「1」,関連重み「1.2」であることから,当該関連補正「1.2」と算出される。同様に,商品コード「A00001」の関連商品#2「A00003」についても,関連補正「1.1」と算出され,これらの結果がワークエリア121Aに格納される。
以上のように,商品属性テーブル23Aでは,ある商品にとって,関連が深い商品を紐付けされて設定される。これにより,本発明の実施例では,ある商品の売上に変動があった場合,その関連性のある商品等を含めて影響度を判定することができる。
次に,影響度補正部109は,期間指定テーブル223Aから取得した商品属性期間指定による期間と,商品属性テーブル23Aから取得した期間重みとを用いて,期間補正を行う(ステップS39)。
図18(A)に,商品の売上に関する期間指定テーブル223Aの構成例を示す。期間指定テーブル223Aには,図18(A)に示すように,例えば売上における特定のイベントにおける,開始の日または終了の日もしくはその両方の日が必要に応じて予め設定されて格納されている。
具体的には,期間補正を行うために,影響度補正部109は,期間指定テーブル223Aにかかる商品属性期間指定の期間内にある明細データ21の日付の商品について,影響度を求める。さらに,影響度補正部109は,この影響度と,商品属性テーブル23Aから取得した期間重みとを用いて,期間補正の値(=影響度×期間重み)を算出する。
例えば,図13に示す明細データ21の商品コード「A00001」の売上日付「2010/3/1」であるとした場合,図19(A)に示すように,期間指定テーブル223Aの商品属性期間指定(2010/3/1〜3/31)内であることから,影響度補正部109は,ワークエリア121Aの影響度「−30」がそのまま用いられ,その影響度「−30」と期間重み「3.0」との積により期間補正「−90」とする。なお,当該期間内にない売上日付の商品については,影響度の期間補正は行われない。
次に,特別イベント算出部108は,特別イベント期間テーブル224を用いて,明細データ21の日付(売上日付)について特別イベント期間内にあるか否か判定する(ステップS40)。特別イベント期間内にある場合,特別イベント算出部108は,特別イベント期間テーブル224に格納された特別イベント期間重みを用いて,さらに,該当する期間について特別イベント補正を行う(ステップS41)。一方,特別イベント期間内にない場合には,処理をステップS42に進める。
図18(C)に,特別イベント期間テーブル224の構成例を示す。特別イベント期間テーブル224には,図18(C)に示すように,新製品発売,新店舗開店等の特別なイベントごとに,そのイベント開始の日から始めの注目期間#1とその注目期間における重み#1,次の注目期間#2とその注目期間における重み#2等の値が必要に応じて予め設定されて格納されている。
例えば,「イベント1」の内容は「新製品発売」であり,その新製品発売の日〜1ヶ月における重み#1が「1.5」,新製品発売の1 ヶ月〜2ヶ月における重み#2が「1.3」とされている。その他のイベント2〜4の「新店舗開店」,「仕入増加」,「生産量増加」についても,同様に,注目期間の属性重みが予め格納される。なお,注目期間の区分数は限定されるものでなく,その期間も1ヶ月単位に限定されるものではない。また,明細データ21,特別イベント期間テーブル224等の日付は,日単位だけでなく,時間単位等であっても良い。また,特別イベント期間テーブル224などは空であっても良く,必要に応じて適宜更新される。
図20に,特別イベント補正を説明する図を示す。特別イベント補正は,図20に示すように,イベントの注目期間(横軸)と重み(縦軸)とを,例えば期間の経過と共に重みを減少させて補正を行う場合などに適用される。図20では,重みを曲線的にグラフ化したが,実際に設定する場合には,例えば開始〜1ヶ月目の重み#1を,通常期(イベント期間以外)の重み付けより大きな値に設定する。また,次の1ヶ月目〜2ヶ月目の重み#2は,通常期よりも重み付けをやや大きくし,かつ,重み#1よりも小さい値となるように段階的な値とする設定などである。これにより,特別なイベント期間に応じて,段階的に重み付けを行うことができる。
これらの重み#1等による特別イベント補正は,前に説明した期間補正と同様に算出される。なお,本実施例のフローにおいて,特別イベント補正をステップS40およびS41で処理されるものとして説明したが,ステップS37における属性補正の処理に含まれる処理であっても良い。
次に,影響度算出部107は,これらの補正の合計値(異常値)を算出する(ステップS42)。ここで,本実施例における「異常値」は,本来の影響度に,さらに属性補正,関連補正,期間補正などの補正値が加えられ,合計されたもの(すなわち,補正された影響度)とする。例えば,図19(B)に示すように,商品コード「A00001」について,影響度「−30」,属性補正「−45」,期間補正「−90」とが合計され,合計「−165.0」と算出される。同様に,商品コード「A00002」等についても,影響度「1」,関連補正「1.2」とが合計され,合計「2.2」と算出される。その他についても同様に算出されて,図19(B)に示すように,その結果がワークエリア121Aに格納される。
次に,図12に示すフローチャートに従って,要素が店舗属性である場合の明細データ21の集計および影響度算出の例を説明する。
明細データ読込み部103は,メモリ上から明細データ21を取得する(ステップS51)。明細データ集計部104は,明細データ21を店舗ごとに売上数量,売上金額などの項目について集計し,集計データとしてメモリ上の(集計)ワークエリア120Bに記憶する(ステップS52)。ここで読込まれたデータが,例えば図21に示す明細データ21であったとして説明する。図21に示すように,明細データ集計部104は,明細データ21における売上店舗「001A」等について,売上数量「20」,売上金額「2000」等と集計し,その集計データをワークエリア120Bに格納する。
次に,比率算出部105は,ワークエリア120Bの集計データから店舗ごとの売上比率を算出する(ステップS53)。例えば,図22(A)に示すように,比率算出部105は,ワークエリア120Bの集計データの全売上数量「320」と算出し,これを用いて売上店舗ごとの売上数量の売上比率について,例えば売上店舗「001A」の売上数量「20」を売上比率「6.3%」と算出し,その他についても同様に算出する。
次に,差分算出部106は,ワークエリア121Bに格納された売上比率と基準比率テーブル221Bの基準比率とを比較して差分を求める(ステップS54)。図15(B)に,売上店舗についての基準比率テーブル221Bの構成例を示す。なお,図15(B)については,前述した図15(A)の商品コードを売上店舗に置き換えて考えればよいため,ここでは説明を省く。
例えば,図22(B)に示すように,差分算出部106は,基準比率テーブル221Bから売上店舗「001A」における基準比率の上限「10.0%」および下限「5.0%」を取得する。ワークエリア121Bに格納された売上比率「6.3%」がその上限〜下限の範囲内にあることから,差分算出部106は差分「0.0」(%)とする。また,差分算出部106は,売上店舗「002A」における基準比率の上限「50.0%」および下限「30.0%」であり,ワークエリア121Bに格納された売上比率「53.1%」がその上限「50.0%」を超えていることから,差分算出部106はそれとの差分「3.1」(%)を算出する。その他についても,同様に算出され,算出された差分値がワークエリア121Bに格納される。
次に,影響度算出部107は,ワークエリア121Bに格納された差分と基準値差分テーブル222とから影響度を求める(ステップS55)。例えば,図23に示すように,売上店舗「001A」の売上比率「6.3%」が基準値差分テーブル222に従って上限「10.0%」〜下限「5.0%」の範囲内であることから,影響度算出部107は影響度「1.0」とする。その他についても同様に求められ,求められた影響度がワークエリア121Bに格納される。
次に,影響度補正部109は,店舗属性テーブル23Bから該当する重みを取得する(ステップS56)。影響度補正部109は,取得した立地重みを用いて,立地補正を行う(ステップS57)。
図24(A)に,影響度の補正に用いる店舗属性テーブル23Bの構成例を示す。店舗属性とは,企業活動に影響を及ぼす店舗の立地条件などを示す要素である。店舗属性テーブル23Bには,例えば売上店舗コードごとに,立地条件,立地重み,店舗規模,規模重み,関連店舗,関連重み,期間重みなどが予め格納される。立地条件には小都市,中都市,大都市のどの規模の都市に店舗が立地するかが設定され,店舗規模には小規模,中規模,大規模などの店舗の規模かが設定され,関連店舗にはある店舗について,親店舗,子店舗などの店舗間の関連が設定される。この関連店舗を設定することにより,ある店舗の売上が及ぼす他店舗への影響を把握することができる。
ここで,店舗属性テーブル23Bにおける,立地重み,規模重み,関連重み等は,集計データから店舗ごとに立地条件,店舗規模などを影響度に反映させるための補正係数である。特に,立地重みは立地条件による重み付けする補正係数であり,規模重みは店舗の規模を重み付けする補正係数であり,関連重みは店舗の関連性を重み付けする補正係数である。期間重みとは,店舗属性期間指定により定められる期間についての売上等に重み付けする補正係数である。
影響度補正部109は,ワークエリア121Bに格納された影響度と店舗属性テーブル23Bとを用いて,立地補正の値(=影響度×立地重み)を算出する。例えば,図24(B)に示すように,売上店舗「001A」の影響度「1.0」,立地重み「1.2」であることから,当該立地補正の値が「1.2」と算出される。その他についても立地補正の値が算出され,これらの結果がワークエリア121Bに格納される。なお,立地重み「1」かつ影響度「1」である場合には立地補正の値は算出されないものとする。
次に,影響度補正部109は,店舗属性テーブル23Bから取得した関連重みを用いて,関連補正を行う(ステップS58)。具体的には,影響度補正部109は,ワークエリア121Bに格納された影響度と店舗属性テーブル23Bとを用いて,関連補正の値(=影響度×関連重み)を算出する。例えば,図24(A)に示す店舗属性テーブル23Bの売上店舗「001A」の関連店舗には,売上店舗「002A」が記憶されているとする。図24(C)に示すように,例えばこの売上店舗「002A」の影響度「10.0」と,店舗属性テーブル23Bに格納されている関連重み「1.5」とが用いられ,関連補正の値は「15.0」と算出される。これらの結果が,ワークエリア121Bに格納される。
このように,店舗属性テーブル23Bでは,ある店舗にとって,関連が深い関連店舗を紐付けして設定される。これにより,本発明の実施例では,ある売上店舗の売上に変動があった場合,その関連性のある売上店舗等を含めて影響度を判定(異常値を判定)することができる。
次に,影響度補正部109は,期間指定テーブル223Bから取得した店舗属性期間指定と,店舗属性テーブル23Bから取得した期間重みとを用いて,期間補正を行う(ステップS59)。図18(B)に,店舗の売上に関する期間指定テーブル223Bの構成例を示す。具体的には,期間補正を行うために,影響度補正部109は,期間指定テーブル223Bを用いて,店舗属性期間指定の期間内にある明細データ21の売上日付にかかる店舗について,影響度を求める。この影響度と,店舗属性テーブル23Bから取得した期間重みとを用いて,期間補正の値(=影響度×期間重み)を算出する。
例えば,図21に示す明細データ21の売上店舗「001A」の売上日付「2010/3/1」であるとした場合,期間指定テーブル223Bにおける店舗属性期間指定2010/2/10〜3/10の期間内であることから,図25(A)に示す例のワークエリア121Bの影響度「1.0」がそのまま用いられ,影響度「1.0」と期間重み「2.0」との積により期間補正「2.0」とされる。なお,図24(A)に示すように,例えば期間重みの設定されていない売上店舗「002A」および「001B」については期間補正が行われない。
次に,特別イベント算出部108は,特別イベント期間テーブル224を用いて,明細データ21の日付(売上日付)について特別イベント期間内にあるか否か判定する(ステップS60)。特別イベント期間内にある場合,特別イベント算出部108は,特別イベント期間テーブル224に格納された特別イベント期間重みを用いて,さらに,該当する期間について特別イベント補正を行い(ステップS61),特別イベント期間内にない場合には処理をステップS62に進める。
次に,影響度算出部107は,これらの補正の合計値(異常値)を算出する(ステップS62)。例えば,図25(B)に示すように,売上店舗「001A」について,影響度「1.0」,立地補正「1.2」,期間補正「2.0」とが合計されて,合計(異常値)「4.2」と算出される。同様に,売上店舗「002A」について,影響度「10.0」,立地補正「15.0」,関連補正「15.0」とが合計されて,合計(異常値)「40.0」と算出される。その他についても同様に算出されて,図25(B)に示すように,その結果がワークエリア121Bに格納される。
なお,以上説明したテーブル等は,例えば組織内の計数管理部門等により設定値が予め定められ,適宜更新等が可能である。
次に,図11または図12で説明した処理によって算出した補正後の影響度(異常値)を,本実施の形態でどのように用いるかについての具体例を説明する。
図26に商品ごとの売上(商品明細)における異常値の判定を説明する図を示し,図27に店舗ごとの売上(店舗明細)における異常値の判定を説明する図を示す。なお,図26と図27とにおいては,各々,異常値を比較して説明するため,商品コードと売上店舗とを複数例記載している。
影響度算出部107は,図19(B)に示すワークエリア121Aの商品コードごとにプラス(+)の異常値と,マイナス(−)の異常値とを分離し,各々で,異常値の合計を算出する。影響度算出部107は,図26に示すように,その結果をワークエリア122Aに格納する。例えば,商品ごとの異常値の合計の場合,図26に示すように,プラスの異常値の合計は「390.3」と算出され,マイナスの異常値の合計は「−318.0」と算出される。また,これらの算出とともに,影響度算出部107は,商品コードの中でのプラスの異常値の最大値(例えば「130.0」)と,マイナスの異常値の最大値(例えば「−165.0」)とを検索する。
同様に,影響度算出部107は,図25(B)に示すワークエリア121Bの売上店舗ごとにプラス(+)の異常値と,マイナス(−)の異常値とを分離し,各々で,異常値の合計を算出する。影響度算出部107は,図27に示すように,その結果をワークエリア122Bに格納する。例えば,売上店舗ごとの異常値の合計の場合,図27に示すように,プラスの異常値の合計は「443.2」と算出され,マイナスの異常値の合計は「−228.0」と算出される。また,これらの算出とともに,影響度算出部107は,売上店舗の中でのプラスの異常値の最大値(例えば「130.0」)と,マイナスの異常値の最大値(例えば「−153.0」)とを検索する。
画面遷移制御部114は,これらの判定された異常値などをもとに,画面制御テーブル244に基づいて,画面遷移を決定する(図9のS16)。
図28に,画面制御テーブル244の構成例を示す。特に図28(A)は,分析対象の要素が商品である場合の画面制御テーブル244Aの例であり,図28(B)は店舗である場合の画面制御テーブル244Bの例である。また,これらのテーブルを用いて具体的な例を説明するために,図29に商品明細における異常値の判定による画面遷移を説明する図を示し,図30に店舗明細における異常値の判定による画面遷移を説明する図を示す。
分析対象が商品の場合,画面制御テーブル244Aには,例えば図28(A)に示すように,異常値の範囲が「−150以下」または「200以上」である場合に,「アイテム」の表示画面に自動で遷移すること,また,異常値の範囲が「−50〜−150」または「100〜200」である場合に,「中分類」の表示画面に自動で遷移することが設定されている。ここで,「自動で遷移」という意味は,条件指定画面30からの指定項目の選択入力がなくても遷移するという意味である。
同様に,分析対象が店舗の場合,画面制御テーブル244Bには,例えば図28(B)に示すように,異常値の範囲として「−100以下」または「150以上」である場合に,「店舗」の表示画面に自動で遷移すること,また,異常値の範囲が「−50〜−150」または「100〜200」である場合に,「エリア」の表示画面に自動で遷移することが設定されている。
図29に示すように,例えばマイナスの異常値の最大値(=最小値)がワークエリア122Aにおける商品コード「A00001」の異常値「−165.0」であることから,画面遷移制御部114はこの結果と画面制御テーブル244Aとを用いて,異常値の範囲を「−150以下」であると判定する。これにより,画面遷移制御部114は,条件指定画面30を表示することなく,商品コード「A00001」に関する分析データを表示する指示を,実績表示画面作成部113へ送り,商品コード「A00001」に関する分析データを表示する分析用表示画面32を含む実績表示画面31を表示させる。
また,異常値が店舗の場合も同様に,図30に示すように,例えばマイナスの異常値の最大値がワークエリア122Bにおける店舗コード「003A」の異常値「−153.0」であることから,画面遷移制御部114はこの結果と画面制御テーブル244Bとを用いて,異常値の範囲を「−100以下」であると判定する。これにより,画面遷移制御部114は,条件指定画面30を表示することなく,売上店舗「003A」に関する分析データを表示する指示を,実績表示画面作成部113へ送り,売上店舗「003A」に関する分析データを表示する分析用表示画面32を含む実績表示画面31を表示させる。
一方,異常値の範囲が画面制御テーブル244に登録されている範囲に入っていない場合,条件指定画面30の作成のため,強調表示設定部111が条件指定画面30において指定項目の強調表示が必要かどうかを,表示基準テーブル242の設定情報に基づいて判定する。
図31(A)に表示基準テーブル242の構成例を示し,図31(B)に強調表示色設定テーブル243の構成例を示す。これらのテーブルには,条件指定画面30における指定項目の強調表示のための表示条件が設定されている。また,これらのテーブル,またはこれらの同様の構成を持つテーブルを,分析用表示画面32における分析データの項目に関する強調表示のための表示条件として利用することもできる。
表示基準テーブル242には,異常値の範囲に応じて条件指定画面30における指定項目項目の表示に対する,強調表示する優先度とそれに対応する強調表示内容とを含む表示条件が設定される。例えば,図31(A)に示すように,表示基準テーブル242には,「優先順位」ごとに「異常値の最大値,合計値の数値」(異常値の範囲)が定められ,その異常値の範囲に応じて「表示判定」としてマイナス表示またはプラス表示の強調表示をする条件と,強調表示する「色表示」の対象が明細の数値(商品に関する項目)か店舗の数値(店舗に関する項目)かが設定される。例えば,図31(A)において,優先度が最も高い優先順位1は,異常値の最大値または合計値に「−100以下の明細(商品に関する)がある」場合であり,マイナス表示による強調表示色により当該明細の数値が強調表示される表示条件であることを示す。
また,強調表示色設定テーブル243には,異常値の範囲に応じて強調表示するための色表示が設定される。例えば,図31(B)に示すように,「異常値の数値」(異常値の範囲)に応じて「色表示」における表示色を含む表示条件が格納される。例えば,図31(B)において,異常値の数値が「250以上」である場合,色表示は「青色」とされる。これにより,条件指定画面30の分析データに異常値が含まれる指定項目の色表示は,その異常値の範囲に応じて,強調表示色設定テーブル243で設定される表示色(例えば「青色」)とされる。
具体的に説明するため,強調表示設定部111が,図26に示すワークエリア122Aを用いて,強調表示の設定をしたとする。図26に示す例では,商品コード「A00001」の異常値「−165.0」である(優先順位1)。条件指定画面30の指定項目によって定まる分析条件で表示される分析データ中に,商品コード「A00001」の明細データが含まれる場合,その指定項目は,強調表示色設定テーブル243から「桃色」で強調表示(商品コード「A00001」の売上に関する数値がマイナス表示)することが決定される。
また,強調表示設定部111が,図27に示す店舗明細データ122Bを用いて,強調表示の設定をしたとする。例えば店舗「B店舗」(売上店舗003Aとする)の異常値「−153.0」である(優先順位2)。条件指定画面30の指定項目によって定まる分析条件で表示される分析データ中に,「B店舗」の売上に関する明細データが含まれる場合,その指定項目は,強調表示色設定テーブル243から「桃色」で強調表示(「B店舗」の売上に関する数値がマイナス表示)することが決定される。店舗「C店舗」(売上店舗020Bとする)の異常値「130.0」であり,これに関する指定項目は,「C店舗」の売上に関する数値がプラス表示にかかる水色に該当することになるが,指定項目が重なる場合,表示基準テーブル242に従って優先度の高い順に適用されるので,「B店舗」の桃色の強調表示が優先される。
次に,強調表示設定部111は,強調表示をする場合に,条件指定画面30におけるどの表示位置の指定項目を強調表示するかを,表示位置テーブル241を参照することにより担当業務に応じて決定する(図9のS18)。
図32に,表示位置テーブル241の構成例を示す。表示位置テーブル241には,役職(または担当業務)ごとに,予め定められた条件指定画面30において強調表示する指定項目の位置が設定されている。
例えば,特定された利用者の役職が「社長」である場合,表示位置テーブル241から,図7の条件指定画面30Aのように,縦軸が「事業部」,横軸が「大分類」の指定項目を,強調表示色設定テーブル243を用いて決定された強調表示色で表示することになる。
また,利用者の役職が「商品開発担当役員」である場合,表示位置テーブル241から,図7の条件指定画面30Bのように,縦軸が「事業部」,横軸が「中分類」の指定項目を,強調表示色設定テーブル243を用いて決定された強調表示色で表示することになる。他の役職についても,同様に表示位置テーブル241を用いて,強調表示する指定項目の位置が決定される。
以上のように,分析データ中に影響度の大きい異常値があれば,その分析データを表示させるための条件指定画面30の指定項目が強調表示されるが,分析用表示画面32においても同様に該当データの強調表示が行われる。
図33に,通常の画面遷移の場合の例を示し,図34に,画面遷移が自動で行われた場合の例を示す。
算出した影響度による異常値が,図28で説明した画面制御テーブル244の範囲内でない場合には,図33に示すように,条件指定画面作成部112により条件指定画面30を作成し,例えば「A事業部」の「C分類」のデータに異常値があれば,その異常値に応じた強調表示色で,条件指定画面30の該当項目を指定項目を強調表示する。この例では役職が「社長」であり,「事業部−大分類」の指定項目が強調表示されている。
この条件指定画面30で,「事業部−大分類」の指定項目がポインティングデバイスによりクリックされると,実績表示画面31の表示が行われ,分析用表示画面32内に該当する分析データが表示される。分析データ中に異常値があれば,関連データが強調表示される。
一方,算出した影響度による異常値が,図28で説明した画面制御テーブル244の範囲内に入っている場合には,図33に示すような条件指定画面30を表示しないで,図34に示すように,直接,影響度の大きい異常値を含む分析データを表示するための実績表示画面31の表示が行われる。したがって,利用者は,直ちにどの分析データが影響度の大きい異常値を含むかを,条件指定画面30による指定項目の選択をしないで,確認することができる。
例えば,図34において,分析用表示画面32においても,強調表示設定部111により強調表示の設定が行われる。例えば前述の例の「B店舗」では,マイナスの異常値にかかわる分析データの項目が桃色表示で強調表示され,前述の例の「C店舗」では,プラスの異常値にかかわる分析データの項目が水色表示で強調表示される。このように,影響度の判定により,利用者に着目すべき分析データを人目で把握しやすくするように強調表示することができる。
これにより,共通的な実績表示画面31において,売上データ等の実績数値の変化,任意の時期に応じた,利用者の特性(担当業務など)に応じた強調表示をした分析用表示画面32を提供することができる。
以上のように,本実施形態では,集計データなどの集計された結果と売上の指標となる基準値とを比較し,影響度を求める。さらに,その影響度について,主要商品,新製品,通常商品などの商品の特質を考慮する商品属性,または立地条件,店舗規模などの店舗の特質を考慮する店舗属性等を要素として関連性のある明細を含めて補正を行い,その結果を合計して異常値を算出する。これらの異常値を用いて,強調表示の判定を行う。強調表示色および強調表示位置の判定により,必要であれば,条件指定画面30における指定項目を強調表示し,利用者の担当業務(役職)に応じて,必要な表示画面への誘導を行うことができる。
以上では,主に売上実績データの分析を支援するシステムについて説明したが,仕入実績データ等,その他の実績データの分析を支援するシステムに対しても,同様に本発明を適用できることは明らかである。
以上の分析支援の処理は,コンピュータとソフトウェアプログラムとによって実現することができ,そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも,ネットワークを通して提供することも可能である。
コンピュータ応用技術として,コンピュータにより販売管理を行い,実績資料を作成し,表示する必要のある全ての業種・業務に利用可能である。