JP2011248237A - 赤外線撮像装置 - Google Patents

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【課題】量子型の赤外線検出器および反射型の光学系を備えた赤外線撮像装置であって、迷光の入射を抑制して、高画質な赤外線画像を撮像可能な赤外線撮像装置を得る。
【解決手段】開口絞り1は、被写体から入射する光線の径を決定し、光学系2は、共通な対称軸5に対して回転対称な形状の一部をそれぞれ切り出した形状を有する複数の反射鏡2a〜2cで構成され、内部に中間結像点6を有するとともに、開口絞り1を通過した光線を赤外線検出器4上に結像し、コールドシールド3は、光学系2からの光線を入射する開口部を有するとともに、壁面が冷却されて、内部に格納された赤外線検出器4を冷却し、赤外線検出器4は、光学系2によって結像された被写体の像を電気信号に変換して、被写体の赤外線画像を撮像し、コールドシールド3上に結像した開口絞り1の共役像の開口径と、開口部の開口径とを互いに一致させたものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、被写体で反射し、または被写体から放射された赤外線を検出して、被写体の赤外線画像を撮像する赤外線撮像装置に関する。
従来から、被写体で反射し、または被写体から放射されて入射した光線を、反射型の光学系を用いて量子型の赤外線検出器上に結像し、赤外線検出器で被写体からの赤外線を検出して、被写体の赤外線画像を撮像する赤外線撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の赤外線撮像装置において、量子型の赤外線検出器は、入射した光線のエネルギー量に比例して発生する光電子を用いて、被写体からの赤外線を電気信号に光電変換し、被写体の赤外線画像を撮像している。
米国特許第4598981号明細書
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
従来の赤外線撮像装置では、所望の光線以外の光線、いわゆる迷光が赤外線撮像装置に入射すると、赤外線検出器で撮像される被写体の赤外線画像上に迷光のパターンが現われるとともに、入射した光線のエネルギー量の増加により、画素値が飽和したり、ショット雑音が増加したりして、赤外線画像の画質が低下するという問題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、量子型の赤外線検出器および反射型の光学系を備えた赤外線撮像装置であって、迷光の入射を抑制して、高画質な赤外線画像を撮像することができる赤外線撮像装置を得ることを目的とする。
この発明に係る赤外線撮像装置は、被写体で反射し、または被写体から放射された赤外線を検出して、被写体の赤外線画像を撮像する赤外線撮像装置であって、被写体側から順に、開口絞りと、反射型の光学系と、コールドシールドと、量子型の赤外線検出器と、を備え、開口絞りは、被写体から入射する光線の径を決定し、光学系は、共通な対称軸に対して回転対称な形状の一部をそれぞれ切り出した形状を有する複数の反射鏡で構成され、内部に中間結像点を有するとともに、開口絞りを通過した光線を赤外線検出器上に結像し、コールドシールドは、光学系からの光線を入射する開口部を有するとともに、壁面が冷却されて、内部に格納された赤外線検出器を冷却し、赤外線検出器は、光学系によって結像された被写体の像を電気信号に変換して、被写体の赤外線画像を撮像し、コールドシールド上に結像した開口絞りの共役像の開口径と、開口部の開口径とを互いに一致させたものである。
この発明に係る赤外線撮像装置によれば、光学系は、内部に中間結像点を有するとともに、開口絞りを通過した光線を赤外線検出器上に結像し、コールドシールド上に結像した開口絞りの共役像の開口径と、コールドシールドの開口部の開口径とが互いに一致している。
そのため、量子型の赤外線検出器および反射型の光学系を備えた赤外線撮像装置において、迷光の入射を抑制して、高画質な赤外線画像を撮像することができる。
この発明の実施の形態1に係る赤外線撮像装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係る赤外線撮像装置における開口絞りの共役像とコールドシールド上の共役像との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る赤外線撮像装置において、光学系を様々な条件で設計した結果得られた光学系の結像性能を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る赤外線撮像装置において、光学系の1番目の反射鏡の形状をコーニック面とし、コーニック係数を変化させた結果得られた光学系の結像性能を示す説明図である。 この発明の実施の形態2に係る赤外線撮像装置を示す構成図である。
以下、この発明の赤外線撮像装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る赤外線撮像装置を示す構成図である。
図1において、この赤外線撮像装置は、外部の被写体(図示せず)で反射し、または被写体から放射された赤外線を検出して、被写体の赤外線画像を撮像する赤外線撮像装置であって、被写体側から順に、開口絞り1と、反射型の光学系2と、コールドシールド3と、量子型の赤外線検出器4と、を備えている。
開口絞り1は、被写体から入射する光線の径を決定するとともに、赤外線撮像装置への被写体以外からくる不要光である迷光の入射を制限する。
光学系2は、共通な対称軸5に対して回転対称な形状の一部をそれぞれ切り出した形状を有する3枚の反射鏡(第1反射鏡2a〜第3反射鏡2c)で構成され、内部に中間結像点6を有し、開口絞り1を通過した光線を赤外線検出器4上に結像する。なお、光学系は、内部に中間結像点を有するものであれば、2枚、または4枚以上の反射鏡で構成されてもよい。
コールドシールド3は、光学系2からの光線を入射する開口部を有し、壁面が低温に冷却されており、赤外線をほとんど放射しない。
赤外線検出器4は、光学系2によって結像された被写体の像を電気信号に変換して、被写体の赤外線画像を撮像する。
この発明の実施の形態1に係る赤外線撮像装置では、光学系2の前段に開口絞り1が配置され、光学系2の内部および赤外線検出器4上にそれぞれ中間結像点および結像点が存在する。中間結像点および結像点に結像される像は、光学系2が形成した物点(被写体)の共役像になっているが、このとき、同様に開口絞り1にも共役像が存在し、物点の共役像と開口絞り1の共役像とは、常に交互に現れる。
すなわち、開口絞り1の共役像は、中間結像点と赤外線検出器4上の結像点との間に現れる。したがって、開口絞り1の共役像を、コールドシールド3近傍に配置することができる。
ここで、図2に示されるように、開口絞り1の共役像がコールドシールド3上にある場合、コールドシールド3の開口部の開口径を開口絞り1の共役像の開口径と一致させることにより、迷光の赤外線検出器4への入射を抑制することができる。
具体的には、コールドシールド3の開口部の内側を通過する光線は、開口絞り1を通過した光線であり、所望の赤外線(被写体からの赤外線)である。一方、コールドシールド3の開口部の外側から来る光線は、迷光であるが、コールドシールド3の壁面で遮断される。また、コールドシールド3の壁面は冷却されているので、赤外線の放射はほぼ皆無であり、迷光の赤外線検出器4への入射を除去することができる。
以上のように、実施の形態1によれば、光学系は、内部に中間結像点を有するとともに、開口絞りを通過した光線を赤外線検出器上に結像し、コールドシールド上に結像した開口絞りの共役像の開口径と、コールドシールドの開口部の開口径とが互いに一致している。
そのため、量子型の赤外線検出器および反射型の光学系を備えた赤外線撮像装置において、迷光の入射を抑制して、高画質な赤外線画像を撮像することができる。
また、この発明の実施の形態1に係る赤外線撮像装置では、上述したように、光学系2を構成する第1反射鏡2a〜第3反射鏡2cは、共通な対称軸5に対して回転対称な形状の一部をそれぞれ切り出した形状を有している。
このように、光学系2を完全に回転対称な構造とすることにより、対称性から外れることによって発生する光学系の収差、いわゆる偏心収差がなく、結像性能の高い光学系2を得ることができる。
また、反射鏡により構成された光学系2は、対称軸5上の光線を結像に用いることができないので、対称軸5に対して傾いて入射した光線(入射光線)を用いる必要がある。なお、光学系の収差は、対称軸5に対して入射光線がなす角(傾き角)に依存する。図3に、光学系2を様々な条件で設計した結果得られた光学系2の結像性能を示す。
図3において、横軸は入射光線の傾き角αと光学系2のFナンバFとから得られるパラメータ2αFを示し、縦軸は光学系2の性能指標を示しており、縦軸の値が小さいほど収差が小さく、高画質な赤外線画像を得ることができる。なお、光学系2のFナンバFは、焦点距離を開口径で割った値であり、図1中のFで表される。図3より、0.5≦2αF≦2.5の範囲において、縦軸の値が小さくなり、収差が小さくなることが分かる。
すなわち、実施の形態1によれば、光学系は、対称軸に対して、赤外線撮像装置に入射する光線がなす角をαとし、光学系のFナンバをFとしたときに、0.5≦2αF≦2.5を満たすように構成されている。
そのため、結像性能の高い赤外線撮像装置を得ることができる。
なお、上記実施の形態1において、光学系2を構成する反射鏡の形状として、コーニック面等の非球面を用いることにより、球面収差等の収差の発生を抑制し、結像性能の高い光学系2を得ることができる。図4に、光学系2の1番目の反射鏡(第1反射鏡2a)の形状をコーニック面とし、コーニック係数Kを変化させた結果得られた光学系2の結像性能を示す。
図4において、横軸は第1反射鏡2aのコーニック係数Kを示し、縦軸は光学系2の性能指標を示しており、図3と同様に、縦軸の値が小さいほど収差が小さく、高画質な赤外線画像を得ることができる。図4より、−1≦K≦0の範囲において、結像性能の高い赤外線撮像装置を得られることが分かる。なお、コーニック係数Kが−1≦K≦0となるコーニック面は、一般に楕円面(K=−1は放物面)と呼ばれる。
また、上記実施の形態1において、光学系2を構成する反射鏡として、3枚以上の反射鏡を用いることにより、結像性能の高い光学系2を得ることができる。対称構造を有する光学系に現れる低次の収差は、ザイデル収差と呼ばれ、5つの収差からなる。ここで、例えばコーニック面を反射鏡の形状とする3枚以上の反射鏡を光学系2として用いることにより、5つの収差、すなわちザイデル収差を除去した光学系を設計することができる。
また、上記実施の形態1において、光学系2の最後の2枚の反射鏡(第2反射鏡2b、第3反射鏡2c)を凸面、凹面の順で配置することにより、Fナンバの小さな光学系を、コンパクトに設計することができる。すなわち、赤外線検出器4に入射する光線の広がり角は、光学系2のFナンバで決定され、Fナンバの小さな光学系ほど光線の広がり角が大きくなる。
しかしながら、広がり角の大きな光線を伝搬させるためには広い空間が必要となり、光学系が大型化するという問題がある。そこで、光学系の最後の2枚の反射鏡を凸面、凹面の順で配置し、赤外線検出器4に光線が入射する直前で、光線の広がり角を大きくする構成とすることにより、光学系を小型化することができる。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に係る赤外線撮像装置を示す構成図である。
図5において、この赤外線撮像装置は、図1に示した赤外線撮像装置に加えて、光軸が光学系2への入射光線と平行になるように配置されたアフォーカル光学系7を備えている。なお、その他の構成は、上述した実施の形態1と同様なので、説明を省略する。
この発明の実施の形態2に係る赤外線撮像装置では、開口絞り1の前段にアフォーカル光学系7を配置することにより、光学系2に入射する光線の量を、アフォーカル光学系7の有するアフォーカル倍率(アフォーカル光学系7の入射開口と射出開口との比)の二乗倍に増加させることができる。すなわち、例えばアフォーカル倍率が3倍のアフォーカル光学系7を開口絞り1の前段に配置すれば、光学系2の大きさを変えずに9倍の光線を入射させることができる。
また、この発明の実施の形態2に係る赤外線撮像装置では、上述したように、アフォーカル光学系7の光軸を、光学系2への入射光線と平行になるように配置している。一般に、アフォーカル光学系7の構造は、光軸に対して回転対称になっているので、光軸と平行な光線について、収差が最小となる。したがって、アフォーカル光学系7の光軸を光学系2の対称軸5と一致させて全体を回転対称な構造とするよりも、入射光線に合わせてアフォーカル光学系7を偏心(例えば、図5中のα)させた方が低収差となり、結像性能の高い赤外線撮像装置を得ることができる。
なお、アフォーカル光学系7において、収差が最小となる方向が光軸と異なる場合には、その方向を光学系2の入射光線に合わせて、アフォーカル光学系7を配置すればよい。
また、上記実施の形態2では、光学系2に入射する光線の量を増加させるためにアフォーカル光学系7を用いたが、これに限定されず、撮像領域を拡大または望遠化するために、アフォーカル光学系7を用いてもよい。
1 開口絞り、2 光学系、2a〜2c 反射鏡、3 コールドシールド、4 赤外線検出器、5 対称軸、6 中間結像点、7 アフォーカル光学系。

Claims (6)

  1. 被写体で反射し、または前記被写体から放射された赤外線を検出して、前記被写体の赤外線画像を撮像する赤外線撮像装置であって、
    前記被写体側から順に、開口絞りと、反射型の光学系と、コールドシールドと、量子型の赤外線検出器と、を備え、
    前記開口絞りは、前記被写体から入射する光線の径を決定し、
    前記光学系は、共通な対称軸に対して回転対称な形状の一部をそれぞれ切り出した形状を有する複数の反射鏡で構成され、内部に中間結像点を有するとともに、前記開口絞りを通過した前記光線を前記赤外線検出器上に結像し、
    前記コールドシールドは、前記光学系からの前記光線を入射する開口部を有するとともに、壁面が冷却され、
    前記赤外線検出器は、前記光学系によって結像された前記被写体の像を電気信号に変換して、前記被写体の赤外線画像を撮像し、
    前記コールドシールド上に結像した前記開口絞りの共役像の開口径と、前記開口部の開口径とを互いに一致させた
    ことを特徴とする赤外線撮像装置。
  2. 前記光学系は、前記対称軸に対して、前記赤外線撮像装置に入射する光線がなす角をαとし、前記光学系のFナンバをFとすると、
    0.5≦2αF≦2.5
    を満たすように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の赤外線撮像装置。
  3. 前記光学系の最も前記被写体側の反射鏡の形状を、コーニック係数が−1から0までの範囲にある楕円面もしくは放物面としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の赤外線撮像装置。
  4. 前記光学系は、少なくとも3枚の反射鏡で構成されることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の赤外線撮像装置。
  5. 前記光学系の前記赤外線検出器側の最後の2枚の反射鏡を、凸面、凹面の順で配置したことを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の赤外線撮像装置。
  6. 前記開口絞りの前段に配置されたアフォーカル光学系をさらに備え、
    前記アフォーカル光学系の光軸と前記対称軸とのなす角が、上記角αである
    ことを特徴とする請求項1から請求項5までの何れか1項に記載の赤外線撮像装置。
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