JP2009265257A - 撮像光学系 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1〜第3反射鏡が入射光線を遮蔽することなく配置される。第2反射鏡は入射光線の開口径を決める絞りを持つ。第1〜第3反射鏡の曲率半径と、反射鏡間の面間隔と撮像光学系の焦点距離とで定義されるパラメータεが、|ε|<0.0001を満足するよう各値を設定する。
【選択図】図1
Description
レンズに関しては、内部を光が透過するため、所望の波長帯に対して透過率の十分大きい材料を用いる必要がある。また、紫外線や赤外線など特殊な波長帯によっては材料が高価なものに限られ、コストの面で問題となる。さらに、レンズの材料の屈折率は一般に光の波長によって大きさが異なることに起因する色収差があるため、広い波長帯にわたって一定の結像性能を得るには波長に対する屈折率変化の違うレンズを2枚以上組み合わせるなどの複雑な補正、いわゆる色消しを行わなければならない。
第2反射鏡の遮蔽および第1反射鏡の中央の穴の拡大による撮像光学系への入射光線の減少により、例えば被写体のコントラスト低下や撮影可能な最低被写体照度の増大などの問題が発生する。また、中央付近の光線が遮蔽されることで回折広がりが発生するため、像のボケが大きくなると言う問題があった。
図1は、この発明の実施の形態1の撮像光学系を示す構成図である。
第1反射鏡1は、被写体より伝搬した光線が、光学系で最初に入射する反射鏡である。第2反射鏡2は、第1反射鏡1で反射された光線が次に入射する反射鏡であり、入射光線の開口径を決める絞りとなっている。第3反射鏡3は、第2反射鏡2で反射された光線が次に入射する反射鏡である。結像面4は、第3反射鏡3で反射した光線が被写体の像を形成する面である。
|ε|<0.0001
を満足する。
傾いた入射光線に対して発生する収差は主に球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲の4つに分けることができる。ただし、球面収差は対称軸平行な入射光線に対しても常に発生する。これらの収差のうち、歪曲は像をゆがめるだけで像ボケを発生しないため、必ずしも補正する必要はない。球面収差、コマ収差、非点収差は例えば各反射鏡を非球面(コーニック面)とすることで容易に低減することができる。しかし、像面湾曲は非球面形状で補正できない低次の結像条件であるため、反射鏡を非球面とすることでは発生を抑制することができない。
入射主光線の対称軸に対する傾きをθとすると結像面4における像点の対称軸からの高さはh=ftanθ≒fθである。一方、像面湾曲の曲率半径をRとすると高さhにおける湾曲像面と結像面4のずれδは
δ=R(1−cosφ)≒−Rφ2/2
φ≒fθ/R
となるので、結局
δ≒−(fθ)2/2R
となる。これより像面上における錯乱円の直径Dconfは、FナンバFより
Dconf=F|δ|≒F(fθ)2/2R
と近似できる。一方、光学系の結像性能の限界は回折限界によって決まる。回折限界における点像の大きさ、すなわちエアリーディスク直径Dairyは
Dairy=2.44Fλ
である。ここで、実際に光学系として使用されるときのパラメータの大きさ考える。光線波長λは数百nmなので、10-4mmのオーダの大きさである。焦点距離fは103mm程度、入射光線の傾き角θは10-1rad程度のオーダなので、像面湾曲および回折により撮像光学系には
Dconf≒101Ff/R[m]
Dairy≒10-4F[m]
程度の像ボケが発生することになる。ここで、前記の通り|ε|<0.0001とすることでf/R<0.000001を満足するので
Dconf/Dairy<0.1
となる。即ち、本実施の形態の構成により、像面湾曲による像ボケが理論限界である回折による像ボケより十分小さい撮像光学系を得ることができる。
図中、折り返し鏡5は、第3反射鏡3と結像面4の間に挿入された平面の鏡である。このように折り返し鏡5を挿入することで第3反射鏡3と結像面4の配置に必要な距離間隔を約半分に短縮することができ、撮像光学系の小型化に効果がある。折り返し鏡5は研磨加工で容易に作成できる平面形状で良いため製造が容易である。反射後の光線は伝搬方向が変わるだけで、新たな収差などは発生しない。
図のように、複数の折り返し鏡5を用いることで結像面4を分割し、任意の位置に結像面4を配置することができる。この構成とすることにより、複数の検出器を使用する撮像光学系において、任意の位置に検出器を配置することが可能になるという効果がある。例えば冷却を必要する検出器や真空パッケージ内で使用する必要のある検出器は、冷却器やパッケージのために近接して他の検出器を配置することができない。本実施の形態のように、複数の折り返し鏡5を用いて結像面4を分割することで、離れた位置に配置された検出器で近接配置したときと等価な視野が得られる撮像光学系を実現することができる。
第1反射鏡1と第3反射鏡3を一つの部品とすることにより部品点数が削減できるため、製造工程短縮やコスト低減の効果がある。また、二つの反射鏡間での組み立て調整が不要となり、配置精度向上が期待できる。
C1=2.4/F2+0.17
C2=0.3−9.3/F2+130/F4
C3=0.018F(4.5−FOV)−0.17
C4=C1・C3−C2
C5=0.55−4.3/F+(0.037−0.0089F)FOV
で定義されるパラメータC1、C2、C3、C4、C5が
d1+C4r1−C3r2>C5f (条件1)
を満足する構成としてもよい。
撮像光学系のFナンバは10.5、視野角は6°とした。図の横軸は光学系の大きさとして第1反射鏡1と第2反射鏡2の面間隔を光学系の焦点距離で規格化した値を示した。横軸は結像性能として光線追跡による点像のボケ直径の平均値を焦点距離で規格化した値を示した。従って、グラフの左下に位置する設計結果ほどコンパクトでかつ結像性能が高い撮像光学系である。
図6において、白丸の点は条件1を満足する設計結果、黒丸はそれ以外の設計結果である。図より、白丸の点は常に設計結果の分布の左下に位置することが分かる。従って、本実施例のように条件1を満足する構成とすることで、コンパクトでかつ結像性能が高い撮像光学系を実現する効果が得られる。
|ε|<0.0001
を満足するようにしたので、像面湾曲による像ボケが理論限界である回折による像ボケより十分小さい撮像光学系を得ることができ、従って、広視野角においても分解能の高い撮像光学系を得ることができる。
C1=2.4/F2+0.17
C2=0.3−9.3/F2+130/F4
C3=0.018F(4.5−FOV)−0.17
C4=C1・C3−C2
C5=0.55−4.3/F+(0.037−0.0089F)FOV
で定義されるパラメータC1、C2、C3、C4、C5が
d1+C4r1−C3r2>C5f
を満足するようにしたので、コンパクトでかつ結像性能が高い撮像光学系を実現することができる。
図11は、この発明の実施の形態2の撮像光学系を示す構成図である。
光学系の焦点距離は1000mm、F/10.5、視野角は6°である。入射光線の光学系の対称軸に対するオフセット角は4.4°である。
図11に示した光学系のパラメータを表1に示す。これより、本実施の形態はパラメータε=0.000045なので
|ε|<0.0001
を満足する。また、C1=0.198,C2=0.226,C3=1.804,C4=0.120,C5=0.479なので
d1+C4r1−C3r2>C5f
を満足する。
図12は、この発明の実施の形態3の撮像光学系を示す光線図である。
光学系の焦点距離は1000mm、F/6、視野角は4°である。入射光線の光学系の対称軸に対するオフセット角は5.5°である。
図12に示した光学系のパラメータを表2に示す。これより、本実施の形態はパラメータε=0.000004なので
|ε|<0.0001
を満足する。また、C1=0.320,C2=0.227,C3=0.438,C4=−0.086,C5=0.530なので
d1+C4r1−C3r2>C5f
を満足する。
図13は、この発明の実施の形態4の撮像光学系を示す光線図である。
光学系の焦点距離は1000mm、F/10.5、視野角は6°である。入射光線の光学系の対称軸に対するオフセット角は3.9°である。
図13に示した光学系のパラメータを表3に示す。これより、本実施の形態はパラメータε=0.000008なので
|ε|<0.0001
を満足する。また、C1=0.320,C2=0.227,C3=0.438,C4=−0.086,C5=0.530なので
d1+C4r1−C3r2>C5f
を満足する。
Claims (5)
- FナンバをF、視野角をFOVとするとき、
C1=2.4/F2+0.17
C2=0.3−9.3/F2+130/F4
C3=0.018F(4.5−FOV)−0.17
C4=C1・C3−C2
C5=0.55−4.3/F+(0.037−0.0089F)FOV
で定義されるパラメータC1、C2、C3、C4、C5が
d1+C4r1−C3r2>C5f
を満足することを特徴とする請求項1記載の撮像光学系。 - 第3反射鏡と結像面との間に平面ミラーを挿入したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の撮像光学系。
- 平面ミラーを複数挿入し、結像面を分割したことを特徴とする請求項3記載の撮像光学系。
- 第1反射鏡と第3反射鏡を一つの部品で形成したことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1記載の撮像光学系。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008112784A JP2009265257A (ja) | 2008-04-23 | 2008-04-23 | 撮像光学系 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008112784A JP2009265257A (ja) | 2008-04-23 | 2008-04-23 | 撮像光学系 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013122538A (ja) * | 2011-12-12 | 2013-06-20 | Samsung Techwin Co Ltd | 結像光学系及び撮像装置 |
KR102023875B1 (ko) * | 2018-10-16 | 2019-09-23 | 경희대학교 산학협력단 | 선형 비점수차가 제거된 비축 반사 광학계 장치 |
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-
2008
- 2008-04-23 JP JP2008112784A patent/JP2009265257A/ja active Pending
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