JP6637048B2 - 広視野赤外線撮像システム - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は広視野撮像に関する。
より特定的には、本発明は、赤外線スペクトル域のための広視野撮像システムに関する。広視野撮像システムは、撮像されるべきシーンから生じる視野光線を通過させるために光学的に開口している真空室と、真空室の内部に配置され、低温絞りを備えた低温暗室と、低温暗室の内部に配置された赤外線検出器と、視野光線を検出器と光学的に共役させるためのデバイスとを備える。
最先端技術
このようなシステムは、特に、最も近似している先行技術であると見なされるUS4783593Aの下で公開された特許によって与えられる例により、当業者にとって公知である。
特に、この特許は、赤外線広視野撮像システムを開示している。赤外線広視野撮像システムは、撮像すべきシーンから生じる視野光線を真空室内へと通過させることを可能にする窓によって光学的に開口している真空室を備える。さらに、このシステムは、真空室の内部に配置され、低温絞りを備えた低温暗室と、低温暗室の内部に配置された赤外線検出器と、視野光線を検出器と光学的に共役させるための装置とを備える。
特許US4783593Aの図3に示されるように、上述の光学共役装置は(この装置のカメラレンズである)高温レンズ(hot lens)16を含む。高温レンズ16は、真空室の外部に配置され、撮像システムの光学パワーのほとんどを担っている。特に、高温レンズ16は、真空室の外部の面上において、撮像されるべきシーンから生じる視野光線の真の中間画像を形成する。光学共役装置はさらに、この中間画像を転送するためのテレセントリック系を備える。特に、このテレセントリック系は、中間画像の面から生じる光線を平行にする第1の高温レンズ17を真空室の外部に備え、さらに、低温暗室の内部に低温レンズ(cold lens)と称される第2のレンズ18を備える。第2のレンズ18は、第1の高温レンズ17によって平行にされた光線を検出器上に集中させる。低温レンズ18は、高温レンズ16から、高温レンズ16の焦点距離よりも長い距離を空けて配置される。さらに、低温暗室の低温絞りと赤外線検出器との間の距離は、低温レンズ18の焦点距離の2倍に実質的に等しい。
上述の光学共役装置の効果は、対物レンズ(高温レンズ16)を単に変更することによって、赤外線広視野撮像システムの画角を変更することができるように、テレセントリック系の第1の高温レンズ17と高温レンズ16との間に中間画像を形成することである。特に、焦点距離の短い対物レンズが広画角をもたらすことは公知である。他方で、焦点距離が長い対物レンズがもたらす画角は小さくなる。このため、焦点距離の短い対物レンズを焦点距離の長い対物レンズと置換えることにより、撮像システムの画角は広い画角から狭い画角へと変更される。
さらに、上述の特許の赤外線広視野撮像システムにおいては、低温暗室における低温レンズ18の位置決めの誤差と、これにより当該システムの焦点距離の誤差とが、高温レンズ16の位置を低温レンズ18に対して調整することによって補正されることに留意されたい。この場合、ほぼ密閉されている真空室の内部にある低温レンズ18に介入する必要はない。
しかしながら、この先行技術のシステムはいくつかの欠点を呈する。特に、レンズの数および低温暗室の長さに伴って長さが著しく増し、低温暗室が著しく長いせいで冷却時間が長くなり、さらに、高温レンズ16の温度変動に対する感度が著しく高くなる点である。
本発明が解決しようと企図する課題は、低温暗室における低温レンズの位置決め誤差を、低温レンズに介入することなく、有効に補正することを可能にし、かつ上述の先行技術の欠点を解決する、コンパクトな広視野赤外線撮像システムを設計するための方法である。
定義
以下において、「レンズ」は、光を集束させるかまたは発散させるように意図された透過的な光学部品であると理解されるべきである。したがって、レンズはゼロ(0)以外の光学パワーを有し、その光学屈折面のうち少なくとも1つはゼロ(0)以外の曲率半径を有する。
レンズの曲率半径は代数値を有する。以下においては、以下の符号規約が用いられることとする:屈折面の曲率中心が屈折面の頂点の右側に位置している場合、屈折面の曲率半径の値は正であり、屈折面の曲率中心が屈折面の頂点の左側に位置している場合、屈折面の曲率半径の値は負である。
平行平板は、光学パワーを持たず、2枚の平面を有しており、レンズではない。
窓は、光学開口および封止の機能を有する構成要素である。窓はレンズ、平行平板などであり得る。
発明の説明
上述の欠点のうち1つ以上を解決するために、本発明に従った広視野撮像システムは、撮像されるべきシーンから生じる視野光線を通過させるための窓によって光学的に開口している真空室と、真空室の内部に配置され、低温絞りを備える低温暗室と、低温暗室の内部に配置された赤外線検出器と、視野光線を検出器と光学的に共役させるための装置とを備える。光学共役装置は、視野光線を赤外線検出器上に集中させるために低温暗室の内部に配置された少なくとも1つの集束低温レンズと、低温暗室の外部に配置された少なくとも1つの集束高温レンズまたは発散高温レンズとを備える
この目的を考慮すると、上述のプリアンブルにも適合する、本発明に従った広視野撮像システムは、本質的に、集束低温レンズが光学パワーのほとんどを担っており、低温絞りが光学共役装置の絞りであり、高温レンズが、高温レンズの上流または低温レンズの下流に位置する仮想中間画像を形成することを特徴とする。両方の構成においては、高温レンズは、高温レンズの2つの屈折面の曲率半径Rgと曲率半径Rdとの差の絶対値がe(1−1/n)以下となるような形状である。この場合、eおよびnは、それぞれ、高温レンズの厚さおよび光学指数である。
単独でまたは組合せて用いることができる特徴または特定の実施形態は以下を含む:
・ 高温レンズは集束型であり、低温レンズから、上記高温レンズの焦点距離よりも短い距離を空けて配置されており、これにより、仮想中間画像が低温レンズの下流に(すなわち、視野光線の伝搬方向において低温レンズの後方に)位置することとなる。高温レンズと低温レンズとを組合せると、ペッツヴァル(Petzval)型の光学構造が形成される;
・ 高温レンズは発散であり、仮想中間画像は高温レンズの上流に(すなわち、視野光線の伝搬方向において高温レンズの前方に)に位置している。高温レンズと低温レンズとを組合せると、レトロフォーカス型の光学構造が形成される;
・ 低温レンズは、検出器のサイズよりも小さい直径を有する;
・ 高温レンズはメニスカスである(メニスカスは、その2つの屈折面が球状のレンズであって、その球体の中心はレンズの面の同じ側に位置している);
・ 低温レンズはメニスカスである;
・ 低温レンズは平凸形状を有する;
・ 平凸状の低温レンズは、その直径の10分の1未満の厚さを有する;
・ 低温レンズはフレネルレンズである;
・ フレネルレンズは、5よりも大きい回折次数を有する;
・ スペクトルフィルタは真空室に配置される;
・ スペクトルフィルタは、低温暗室において低温レンズの上流または下流に配置される;
・ スペクトルフィルタは低温レンズ上に配置される;
・ プレートは低温絞りの高さに配置され、プレートの開口は広視野撮像システムにおいて用いられるスペクトルバンドに依存する;
・ 検出器は、2つの異なるスペクトルバンドに対して感度の高いバイスペクトル検出器である;
・ 窓は高温レンズ機能も有する。
要約すると、本発明の基本的な局面は、その光学構造が、(真空室に低温室が存在している)極低温環境と適合可能であることであって、光学系の光学パワーのほとんどを低温レンズが担っている先行技術の構造とは異なっている。
本発明により、冷却されるべき光学質量は、冷却時間を短くするために、極めて低減される。このような光学質量の低減は、以下の3つのアプローチのうち少なくとも1つによって得ることができる:
− 組込むべき低温レンズの数を最小限にする(添付の図の例においては、低温レンズが1つだけ用いられている)。
− 低温レンズの直径がその形状にかかわらず小さくされ(このため、これは、フレネルレンズである低温レンズの場合にも有効である)、これにより、冷却すべき質量が減り、これにより冷却時間が短くなる。
− 低温レンズは、特に平凸形状である場合、極めて薄くすることができ、特定の実施形態においては、スペクトルフィルタは、平凸レンズの平坦な屈折面上に置くことができ、これにより冷却すべき質量をさらに減らすことができる。
本発明の別の利点は、高温レンズの曲率半径を調整することにより、密閉された真空室に組込まれるとその後は移動させることができない低温レンズの位置決め誤差を補正することが可能となる点である。
さらに、光学パワーのほとんどを低温レンズが担っているため、撮像システムは断熱的である(すなわち、温度変化に対する感度が低い)。
図面の簡単な説明
本発明は、単に例として与えられている以下の説明を読み、添付の図面を参照することによって、より良く理解されるだろう。
本発明の第1の実施形態に従った赤外線広視野撮像システムを示す図である。 スペクトルフィルタが追加されている、本発明の第2の実施形態に従った赤外線広視野撮像システムを示す図である。 従来のZEMAXソフトウェアから派生した光学系であって、この光学系の集束低温レンズがメニスカスではなく平凸レンズである点を除いては図2の広視野撮像システムと同じ光学構造を有する光学系を示す図である。 図3aの光学系の光学性能レベルで、低温レンズの位置決め誤差があった場合の図である。 図3aの光学系の光学性能レベルで、検出器に対して+300マイクロメートルの低温レンズ位置決め誤差があった場合の図である。 高温レンズを、検出器に対して+300マイクロメートルの上記低温レンズ位置決め誤差を補正するのに適した厚さを有する別の高温レンズと置換えた後の、図3aの光学系の光学性能レベルが改善された状態を示す図である。 図3aの光学系の光学性能レベルで、検出器に対して−300マイクロメートルの低温レンズ位置決め誤差があった場合の図である。 高温レンズを、検出器に対して−300マイクロメートルの上記低温レンズ位置決め誤差を補正するのに適した厚さを有する別の高温レンズと置換えた後の、図3aの光学系の光学性能レベルが改善された状態を示す図である。
実施形態
以下の例示的な実施形態は、赤外線スペクトルバンド、特にスペクトルバンドII(3〜5マイクロメートル間の波長)およびスペクトルバンドIII(8〜12マイクロメートル間の波長)で任意の広視野撮像システムを適用する。
図1は、赤外線スペクトル域のための広視野撮像システム1を表わす。広視野撮像システム1は、無限遠に位置する(すなわち、焦点距離の10倍を超える距離を空けて位置しているか、または、視野光線の波面が実質的に平坦になるような距離を空けて位置している)撮像されるべきシーンから生じる視野光線を通過させるために光学的に開口している真空室13を含む。視野光線は、定義によれば、無限遠に位置しているシーンから生じる光線である。
図1の実施形態においては、真空室13は窓14を含む。窓14は、真空室13を確実に密閉しながらも、真空室13を光学的に開口させることを可能にする。この場合、視野光線は窓14を通過して真空室13に達する。
さらに、広視野撮像システム1は、真空室13の内部に配置されて低温絞り5を備える低温暗室3を含む。なお、低温暗室3が先行技術において「コールドシールド」としても公知であることに留意されたい。
広視野撮像システム1はさらに、真空室13の内部に配置された赤外線検出器2を含む。
一例においては、赤外線検出器2は、2つの異なるスペクトルバンドに対して感度の高いバイスペクトル検出器である。別の例においては、バイスペクトル検出器は、スペクトルバンドIIおよびスペクトルバンドIIIに対して感度が高い。
さらに、広視野撮像システム1は、視野光線を赤外線検出器2と光学的に共役させるための装置を含む。この光学共役装置は、赤外線検出器2に視野光線を集中させるために上記低温暗室3の内部に配置された少なくとも1つの集束低温レンズ4と、低温暗室3の外部、より特定的には真空室13の外部、に配置された少なくとも1つの集束高温レンズ8とを備える。別の例においては、高温レンズ8は発散型である。
有利には、図1の実施形態においては、真空室13の外部には集束高温レンズ8が1つだけ配置されており、低温暗室3に集束低温レンズ4が1つだけ配置されている。このため、一方では、広視野撮像システム1の長さを短くすることが可能となり、他方では、冷却すべき光学質量を減らすことが可能となる。
さらに、(図示されない)別の実施形態においては、窓14は高温レンズ8としても機能する。この場合、窓14の上流に(すなわち、視野光線の伝搬方向において窓14の前方に)高温レンズ8を配置する必要はなく、このため、広視野撮像システムの長さを短くすることが可能となる。
図1の実施形態においては、集束高温レンズ8および集束低温レンズ4は、メニスカスである。図示されない別の例においては、集束低温レンズ4は平凸形状を有する。なお、各々のレンズ(高温または低温)の形状が光学収差を減じるように概ね最適化されていることに留意されたい。赤外線スペクトル域においては、指数が高いので、最適化された形状のレンズはメニスカスとなる傾向がある。平凸形状の集束低温レンズ4という特別な場合においては、このような形状により、厚さの薄いレンズの製造を簡略化することが可能となり、さらに、この厚さは、エンジニアの規準によって与えられる、その直径の10分の1未満の値とすることができる。このように厚さを薄くすることにより、冷却すべき低温光学部品の質量を最小限にすることが可能となる。
さらに、図1の広視野撮像システム1は、ペッツヴァル型の光学構造を備えたシステムであって、第1の集束レンズおよび第2の集束レンズが、光学群を構成するものと見なされないように互いから十分に間隔を空けて連続して配置されていることを特徴とすることに留意されたい。特に、この広視野撮像システム1においては、集束高温レンズ8は、集束低温レンズ4から、集束高温レンズ8の焦点距離よりも短い距離を空けて配置されており、低温絞り5と赤外線検出器2との間の距離は、集束低温レンズ4の焦点距離に実質的に等しい。このため、集束高温レンズ8は、集束低温レンズ4の下流に位置する仮想中間画像を形成する。さらに、この広視野撮像システム1においては、低温絞り5は光学共役装置の絞りである。
なお、図1の広視野撮像システム1の長さが特許US4783593Aの長さと比べて短いことに留意されたい。この特許US4783593Aにおいては、集束高温レンズが、低温レンズから、高温レンズの焦点距離よりも長い距離を空けて配置されており、低温絞りと赤外線検出器との間の距離が低温レンズの焦点距離の2倍となっている。さらに、図1のペッツヴァル型の構成の場合、広視野撮像システム1の低温絞り5と赤外線検出器2との間の距離が集束低温レンズ4の焦点距離と実質的に等しいので、US4783593Aの長さよりも短い低温暗室3を備えることが可能となり、このため、冷却時間をより短くすることが可能となる。
光学構造が備えるさまざまな要素間の距離は光学設計ソフトウェアを用いて、最適化工程中に規定されるものであって、これらのさまざまな要素の正確な位置を提示し得る一次方程式は存在しない。当業者であれば、特にペッツヴァル型の光学構造に関するものが指定されている場合には、これらの距離を決定する方法に精通している。
図示されない別の例においては、広視野撮像システムはレトロフォーカス型の光学構造を備えたシステムであって、発散第1レンズの後に集束第2レンズが続くという順序で配置されており、集束第2レンズが冷却され、発散第1レンズが高温となり、この発散第1レンズの上流に位置する中間画像を形成する。
真空室を開いたり閉じたりするための制約があると想定して、絞りを第1のレンズから分離して、当該絞りを、勘案中の光学構造の第1のレンズと第2のレンズとの間に配置するであろうことに留意されたい。これにより、真空室を密閉することとなる窓を挿入するために、第1のレンズと絞りとの間に十分な空間を設けつつ、真空室の外部に第1のレンズを配置することが可能となる。
広視野撮像システムがペッツヴァル型(図1のシステムを参照)であるという特別な場合においては、これが実際に当てはまるのは、第2のレンズ(低温レンズ)が第1のレンズ(高温レンズ)よりも大きな光学パワーを有している特別な場合の構造である。低温レンズ上に光学パワーを集中させることにより、真空室の外部に高温レンズが存在しているにもかかわらず、光学系の断熱化特性を備えることが可能となる。
図1の広視野撮像システム1において、集束低温レンズ4が撮像システムの光学パワーのほとんどを担っており、すなわち、集束低温レンズ4の焦点距離が集束高温レンズ8の焦点距離よりもはるかに短くなっていることに留意されたい。このため、広視野撮像システム1は温度変動に対する感度を示さない。実際には、システムの焦点距離fは、厚さeを有する第1のレンズの焦点距離f1および第2のレンズの焦点距離f2から、関係式1/f=1/f1+1/f2−e/f1f2により、第1次数に限定される。f2>>f1であるので、f=f1となる。さらに、f1が断熱的であるので、fは温度変動によっては変化しない。逆に、US4783593Aの撮像システムにおいては、光学パワーのほとんどは高温レンズが担っており、このため、このシステムは温度変動に対する感度を示す。
広視野撮像システム1の集束高温レンズ8は、集束高温レンズ8の2つの屈折面の曲率半径Rgと曲率半径Rdとの差の絶対値がe(1−1/n)以下となるような形状であることに留意されたい。この場合、eおよびnは、それぞれ、集束高温レンズ8の厚さおよび光学指数である。なお、高温レンズ8が発散型である例においては、発散高温レンズ8の形状も、集束高温レンズ8の形状についての上述の条件を順守していることに留意されたい。
さらに、図1に示されるように、Rgは、集束高温レンズ8の左側の屈折面の曲率半径に対応している。なぜなら、Rdが集束高温レンズ8の右側の屈折面の曲率半径に対応しているからである。集束高温レンズ8の左側の屈折面は、集束高温レンズ8の右側の屈折面の上流にあり、すなわち、視野光線の伝搬方向において、集束高温レンズ8の右側の屈折面の前方にある。なお、屈折面が、異なる光学指数を有する2つの媒体(典型的には、当該レンズの材料から成る第1の媒体、および空気から成る第2の媒体)を分離する表面であることに留意されたい。
集束高温レンズ8が、集束高温レンズ8の2つの屈折面の曲率半径間の差の絶対値がe(1−1/n)以下となるような形状である場合、集束高温レンズ8の焦点距離はこのレンズの厚さの変化に対して非常に高感度になることが判明した。このような特別な場合においては、集束高温レンズ8の焦点距離は、このレンズの厚さを調整することによって調整することができる。
低温暗室における低温レンズの位置決めの誤差と、これにより焦点誤差とは、US4783593Aにおいてなされているように集束高温レンズ8の位置決めを調整することによって、または、集束高温レンズ8の焦点距離を調整することによって、補正することができる。
広視野撮像システム1においては、US4783593Aにおけるように、集束高温レンズ8の位置決めを調整することによって、集束低温レンズ4の位置決めの誤差を完全に補正することができないことに留意されたい。なぜなら、広視野撮像システム1においては、このシステムの光学パワーのほとんどは、US4783593Aにおけるように高温レンズ8ではなく、集束低温レンズ4が担っているからである。このため、集束高温レンズ8の位置決めの調整は、US4783593Aの場合と同様に、集束低温レンズ4の位置決めの誤差を完全に補正するには不十分となるだろう。
しかしながら、広視野撮像システム1においては、集束高温レンズ8の2つの屈折面の曲率半径間の差がe(1−1/n)以下となるべきであるという条件付きで、低温暗室3における集束低温レンズ4の位置決めの誤差の補正は、集束高温レンズ8の厚さを調整することによって実行される。
有利には、高温レンズの2つの屈折面の曲率半径間のこの差はゼロではない。実質的には、この差がゼロに近づけば近づくほど、レンズの厚さの変化に対するレンズの焦点距離の感度が、レンズの製造が困難になるほどにまで、より高くなる。したがって、厚さの関数としての焦点距離の感度とレンズの実現可能性との妥協点を発見することが必要となる。
なお、当業者が補正することを所望している集束低温レンズ4の特別な場合の位置決め誤差に応じて集束高温レンズ8の厚さを調整することは、集束高温レンズ8を、この誤差を補正するように調整された厚さを有するとともに上述の条件を順守する形状を有する別の集束高温レンズと置換えることによって、当業者により実行可能であることに留意されたい。高温レンズ8が発散型である例においては、当業者が補正することを所望している集束低温レンズ4の特別な場合の位置決め誤差に応じて発散高温レンズ8の厚さを調整することは、発散高温レンズ8を、この誤差を補正するように調整された厚さを有するとともに上述の条件を順守する形状を有する別の発散高温レンズと置換えることによって、当業者により実行可能である。
さらに、特許US4783593Aにおいては、システムが高温光学部品と低温光学部品との間に中間画像面を有することに留意されたい。この特許の構成において高温光学部品により規定されている視界であれば、視界を変更するように高温光学部品の焦点距離を変更することで十分である。本発明においては、高温光学部品および低温光学部品が全体、すなわちペッツヴァル対物レンズ、またはレトロフォーカス型の対物レンズを形成しており、かつ、その構造の光学部品のうち一方または他方を取外すとシステムの画質に影響を及ぼす可能性がある。
広視野撮像システム1の画角は、ペッツヴァル型の構造の場合には10°から90°の範囲内で設定することができる。所望の画角がペッツヴァルシステムの画角よりも高い(典型的には、90°〜180°の間である)場合、高温レンズは発散型であり、低温レンズは集束型であり、高温レンズと低温レンズとを組合せることにより、レトロフォーカスファミリの光学構造が形成される。
典型的には、10°〜90°の画角の場合、システムは逆にペッツヴァル型となり、このタイプの光学構造に関連付けられるすべての周知の効果が得られる。このような構造は、システムの焦点距離の半分に実質的に等しい背面焦点距離(最後の低温レンズと検出器との間の距離)を設けることを可能にする。
典型的には、90°〜180°の画角の場合、システムは逆にレトロフォーカス型であり、このタイプの光学構造に関連付けられるすべての周知の効果が得られる。このような構造は、システムの焦点距離よりも長く拡張させることが可能となる。
しかしながら、光学構造のファミリが視野画角に対して部分的に重複し得ることに留意されたい。
上述のことから、広視野撮像システム1が、修正不可能な画角の補償として、低温暗室において低温レンズの位置決めの誤差を有効に補正することを可能にし、さらに、撮像光学系の長さと冷却時間と温度変動に対する感度とを先行技術に比べて低減させることを可能にすることが明らかである。
図2は、スペクトルフィルタ7を含む点を除いては、図1の実施形態と同一の広視野撮像システム1の別の実施形態を示す。スペクトルフィルタ7を用いることにより、光学系の赤外線検出器2によって検出されるべき赤外線スペクトルバンドを制限することができる。一例においては、スペクトルフィルタ7は、スペクトルバンドIIおよびスペクトルバンドIIIに対応する波長の視野光線が通過することを可能にするように適合される。
図2に示されるように、スペクトルフィルタ7は低温絞り5の高さに配置される。しかしながら、図示されない別の例においては、スペクトルフィルタ7は、低温暗室3において集束低温レンズ4の下流に配置されており、すなわち、視野光線の伝搬方向において集束低温レンズ4の後方に配置されている。図示されない別の例においては、スペクトルフィルタ7は、低温暗室3において集束低温レンズ4の上流に配置することができ、すなわち、視野光線の伝搬方向において集束低温レンズ4の前方に配置することができる。
上述の場合、スペクトルフィルタ7は、低温暗室3の内部において集束低温レンズ4の光学軸に沿って配置されている。
しかしながら、図示されない別の例においては、スペクトルフィルタ7は、低温暗室3の外部ではあるが真空室13の内部において、集束低温レンズ4の光学軸に沿って配置されている。しかしながら、この動作モードは低品質の動作モードである。
さらに、別の例においては、スペクトルフィルタ7は、メニスカスである図2の集束低温レンズ4の屈折面の一方面または両方の面上に配置することができる(メニスカスとは、その2つの屈折面が球状のレンズであって、屈折面の一方が凹状であり他方が凸状であり、球体の中心部はレンズの面の同じ側に位置している)。
別の例においては、広視野撮像システム1は、集束低温レンズ4が平凸形状を有している点を除いては、図2の実施形態と同一である。
集束低温レンズが平凸形状であることで、このレンズの厚さを極めて薄くすることを検討することが可能となり、これにより、冷却されるべき光学部品の質量を大幅に減じることが可能となる。
この形状により、概して多層構造であるスペクトルフィルタ7を配置することも容易になる。スペクトルフィルタ7が集束低温レンズ4の平坦な屈折面上に配置されることにより、スペクトルフィルタリング専用のプレートに頼ることなく、冷却されるべき光学質量を最小限にすることが可能となる。
別の例においては、スペクトルフィルタ7が、平凸形状を有する集束低温レンズ4の凸状屈折面上に配置される。
別の例においては、スペクトルフィルタ7は、集束低温レンズ4の2つの屈折面の各々の上に配置することができる。有利になり得る場合の例として、集束低温レンズ4のどちらかの側にさまざまな多層を適用することが必要になる可能性があるためにフィルタ機能が複雑になる場合もあり得る。したがって、この場合、平凸形状のレンズである集束低温レンズ4の凸状の屈折面と平坦な屈折面とに多層を配置することが必要になるかもしれない。
図示されない別の例においては、広視野撮像システムは、平凸形状を有する集束低温レンズ4がフレネルレンズである点を除いては、図2の広視野撮像システム1と同一である。
従来の平凸レンズと比べると、フレネルレンズは、フレネルゾーンと称される公知のプリズム区域における1組の同心円状のリングへとレンズを細分化することによって当該レンズの光偏向を低減させることが周知である。これらのゾーンごとに厚さが減じられる。これは、レンズの表面全体がもはや均一ではなく、(たとえば厚さ、または指針が)不連続であるせいで分割された、同じ曲率を有するいくつかの表面から構成されていることを意味する。
このため、従来の平凸形状の集束低温レンズ4を備えるのではなく、フレネルレンズである平凸形状の集束低温レンズ4を備えることで、レンズをより薄くすることができるという利点が得られる。これにより、集束低温レンズ4の質量が低減される。
一例においては、フレネルレンズは、5よりも大きい高回折次数を有する。この高回折次数により、1に等しい回折次数を持つ従来のフレネルレンズによって生じ得るものと比べて、軸上色収差を減らすことが可能となる。
真空室の外部において高温レンズを用いた場合、検出器の垂直線に相対的に傾斜する平均入射角にしたがって視野エッジにおける光線を到達させることによって、低温フレネルレンズの直径を小さくすることが、有利に可能となる。フレネルレンズ直径を小さくすることにより、視野エッジにおける光線が照光する不連続性がより少なくなり、これにより、画質が改善される。なお、不連続性によってもたらされる陰影効果を制限するために、低温レンズのフレネル側が好ましくは検出器に面して配向されていることに留意されたい。
図示されない別の実施形態においては、プレートが低温絞り5の高さに配置され、その開口は、広視野撮像システム1において用いられるスペクトルバンドに依存している。プレートが、本質的に、平行面を備えたレンズであることは公知である。低温絞り5の高さにプレートを備えることにより、バンドIIIのために大きな開口を有する必要性と、バンドIIのためにより小さい開口で機能させる可能性との妥協点を見出すことが可能となり、これにより、補正されるべき収差の振幅を制限し、スペクトルバンドIIにおける光学素子の製造誤差および位置決め誤差に対するシステムの感度を低下させることができる。上述の必要性が、画像パターンが波長および開口に依存しているせいで発生するものであることと、このため、好適な画像パターンを得るために、両方のバンドIIおよびバンドIIIにおける画素上の中心にある同じ基本的表面区域において、バンドIIIにおけるシステムがバンドIIにおけるシステムよりも広く開口している必要があることと、が規定されている。それにもかかわらず、バンドIIIの開口がバンドIIのために用いられる場合には、システムは、バンドIIにおいてあまりにも多くの光学収差を生成することとなり、バンドIIにおいて画質が低下することとなり、このため、スペクトルバンドに従って開口を変更するプレートを備えることが利点となる。
なお、集束低温レンズ4の屈折率が優先的に3よりも大きくなることに留意されたい。このようなレンズを製造するために用いられる材料は、たとえば、指数が4に等しいゲルマニウムであってもよく、または、指数が3.5に等しいシリコンであってもよい。より一般的には、レンズは、指数が高いものであれば如何なる種類の材料でも優先的に製造される。このことは、実際に、システムの性能レベルを向上させるのに貢献する。なぜなら、これらシステムの性能レベルが、色分散が低いことによる色度収差および高指数による幾何学的な収差を制限するからである。高屈折率であっても、集束低温レンズ4の曲率半径を小さくすることができ、このため、より薄いレンズを製造することができる。
さらに、優先的に、集束高温レンズ8がカルコゲナイドガラス(たとえば、GASIR(商標)ガラス)で構成されることに留意されたい。Gasirのレンズの屈折率は、ゲルマニウムのレンズの屈折率よりも温度変動に対する感度が低い。このため、Gasirの集束高温レンズは、ゲルマニウムの集束高温レンズよりも温度変動に対する感度が低くなる。したがって、温度変動による指数の変化が小さくかつ温度変動による収縮が小さい材料が優先的に選択されることとなる。
図3aは、当業者に周知のZEMAXソフトウェアから派生した光学系の図を示す。この光学系は、当該光学系の集束低温レンズ4がメニスカスではなく平凸レンズである点を除いては、図2の広視野撮像システムと同じ光学構造を有する。特に、図3aに示されるように、光学系は集束高温レンズ8、窓14、スペクトルフィルタ7、平凸レンズである集束低温レンズ4、を含む。スペクトルフィルタ7は、図2のスペクトルフィルタ7の場合と同様に、低温絞りの高さに配置される。なお、図2の低温暗室および真空室が図3aには表わされていないことに留意されたい。
さらに、図3aの絞りは、撮像されるべきシーンから生じてさまざまな画角a1、画角a2および画角a3を形成する視野光線を示す。
図3aの光学系の主な構造上の数量を以下に列挙する。
視界:57.4°
フットプリント:31.4mm
システムの焦点距離:31.4mm
高温レンズの焦点距離:60.5mm
最初の高温レンズのシーン側における屈折面の曲率半径Rg:19.251mm
高温レンズの検出器側における屈折面の曲率半径Rd:21.251mm
高温レンズの厚さe:4.17mm
高温レンズに関して:以下の条件が厳密に順守される:(Rg−Rd(=2mm)<(1−1/n)e≒2.5mm(n=2.5とする)
低温レンズの焦点距離:20.1mm(これが光学系の焦点距離に近いことが確認される)
平凸低温レンズのシーン側における屈折面の曲率半径Rg:58.87mm
低温レンズの直径:16mm
低温レンズの厚さ:0.7mm(1.6mmである、その直径/10未満)
低温レンズは厚さに関する誤差に対してロバストである。
高温レンズ/低温レンズの距離:14mm
低温絞り/検出器の距離:18.6mm
図3bは、図3aの光学系の光学性能レベルで、集束低温レンズ4の位置決めの誤差がない場合の図を表わす。
特に、図3bの図表は、ZEMAXソフトウェアから派生した多色性の変調伝達関数(modulation transfer function:MTF)を示す。図表の水平軸は、mm当たりサイクルでの空間周波数に対応し、図表の垂直軸は光学伝達関数の係数に対応する。図表に示されるさまざまな曲線は、図3aの光線のさまざまな画角に対応し、図表に示される直線は、回折限界(図3bにおける「回折限界(Diff. Limit)」を参照)に対応する。曲線が直線(回折限界)に近ければ近いほど、撮像システムの画質(空間分解能)がより良好になる。さらに、図3bの図表の縦線により、各々の曲線を画角に関連付けることが可能となる(たとえば、図3bに示される0度、15度および28.70度の角度にそれぞれ対応する図3aの画角a1、画角a2および画角a3を参照)。特に、図3bに示されるように、縦線は矢状方向のMTF(S)または接線方向のMTF(T)に対応する。
図4aは、図3aの光学系の光学性能レベルで、検出器に対して+300マイクロメートルの集束低温レンズの位置決め誤差があった場合の図を表わす。特に、図4aの図表は、検出器に対して+300マイクロメートルの低温レンズの位置決めの誤差があった場合における、従来のZEMAXソフトウェアから派生した多色性の変調伝達関数(MTF)を示す。
図4aに示されるように、さまざまな曲線は、回折限界(図4aにおける「回折限界」を参照)に対応する直線からはるか遠くに離れており、このため、撮像システムの画質(空間分解能)が低下する。
図4bは、4.17mmの厚さを有する高温レンズを、検出器に対して+300マイクロメートルの低温レンズ位置決め誤差を補正するのに適した4mmの厚さを有する別の高温レンズと置換えた後の、図3aの光学系の光学性能レベルが改善された状態を示す。なお、4.17mmの厚さeを有する高温レンズと置換えられた高温レンズの4mmの厚さeが、条件Rg−Rd(=2mm)<(1−1/n)e=2.4mm(n=2.5とする)を明確に順守していることに留意されたい。
図4bにおいては、さまざまな曲線が、直線からはるか遠くに離れている図4aのさまざまな曲線と比べて、回折限界(図4bにおける「回折限界」を参照)に対応する直線からさほど離れていない。このため、上述の高温レンズの置換え後における画質(空間分解能)が改善される。
図5aは、図3aの光学系の光学性能レベルで、検出器に対して−300マイクロメートルの低温レンズ位置決め誤差があった場合の図を表わす。特に、図5aの図表は、検出器に対して−300マイクロメートルの低温レンズの位置決めの誤差があった場合における、従来のZEMAXソフトウェアから派生した多色性の変調伝達関数(MTF)を示す。
図5aに示されるように、さまざまな曲線は、回折限界(図5aにおける「回折限界」を参照)に対応する直線からはるか遠くに離れており、このため、撮像システムの画質(空間分解能)が低下する。
図5bは、4.17mmの厚さを有する高温レンズを、検出器に対して−300マイクロメートルの低温レンズ位置決め誤差を補正するのに適した4.48mmの厚さを有する別の高温レンズと置換えた後の、図3aの光学系の光学性能レベルが改善された状態を示す。なお、4.17mmの厚さeを有する高温レンズと置換えられた高温レンズの4.48mmの厚さeが条件Rg−Rd(=2mm)<(1−1/n)e≒2.6mm(n=2.5とする)を厳密に順守していることに留意されたい。
図5bにおいては、さまざまな曲線は、直線からはるか遠くに離れている図5aのさまざまな曲線と比べて、回折限界(図5bにおける「回折限界」を参照)に対応する直線からさほど離れていない。このため、上述の高温レンズの置換え後における撮像システムの画質(空間分解能)が改善される。

Claims (17)

  1. 赤外線スペクトル域のための広視野撮像システム(1)であって、撮像されるべきシーンから生じる視野光線を通過させるための窓(14)によって光学的に開口している真空室(13)と、低温絞り(5)を備えた低温暗室(3)と、前記低温暗室(3)の内部に配置された赤外線検出器(2)と、前記視野光線を前記赤外線検出器(2)と光学的に共役させるための装置とを備え、前記光学共役装置は、前記赤外線検出器(2)上に前記視野光線を集中させるために前記低温暗室(3)の内部に配置された少なくとも1つの集束低温レンズ(4)と、前記低温暗室(3)の外部に配置された少なくとも1つの集束高温レンズ(8)または発散高温レンズ(8)とを含み、前記集束低温レンズ(4)は光学パワーのほとんどを担い、前記低温絞り(5)は前記光学共役装置の絞りであり、前記高温レンズ(8)は、前記高温レンズ(8)の上流または前記低温レンズ(4)の下流に位置する仮想中間画像を形成し、前記高温レンズ(8)は、前記高温レンズ(8)の2つの屈折面の曲率半径(Rg)と曲率半径(Rd)との差の絶対値がe(1−1/n)以下となるような形状であり、eおよびnは、それぞれ、前記高温レンズ(8)の厚さおよび光学指数である、システム。
  2. 前記高温レンズ(8)は集束型であり、前記高温レンズ(8)は、前記仮想中間画像が前記低温レンズの下流に位置するように、前記低温レンズ(4)から、前記高温レンズ(8)の焦点距離よりも短い距離を空けて配置されており、前記高温レンズ(8)と前記低温レンズ(4)とを組合せると、ペッツヴァル型の光学構造が形成される、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記高温レンズ(8)は発散型であり、前記仮想中間画像は前記高温レンズ(8)の上流に位置し、前記高温レンズ(8)と前記低温レンズ(4)とを組合せると、レトロフォーカス型の光学構造が形成される、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記低温レンズ(4)は前記検出器のサイズよりも小さい直径を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
  5. 前記高温レンズ(8)がメニスカスである、請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム。
  6. 前記低温レンズ(4)がメニスカスである、請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
  7. 前記低温レンズ(4)が平凸形状を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
  8. 平凸形状の前記低温レンズ(4)は、その直径の10分の1未満の厚さを有する、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記低温レンズ(4)がフレネルレンズである、請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
  10. 前記フレネルレンズは、5よりも大きい回折次数を有する、請求項9に記載のシステム。
  11. スペクトルフィルタ(7)が前記真空室(13)に配置される、請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。
  12. 前記スペクトルフィルタ(7)は前記低温暗室(3)に配置される、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記スペクトルフィルタ(7)が前記低温レンズ(4)上に配置される、請求項12に記載のシステム。
  14. プレート(9)が前記低温絞り(5)の高さに配置され、前記プレート(9)の開口が、前記広視野撮像システム(1)において用いられるスペクトルバンドに依存している、請求項1から13のいずれか1項に記載のシステム。
  15. 前記検出器(2)が、2つの異なるスペクトルバンドに対する感度が高いバイスペクトル検出器である、請求項1から14のいずれか1項に記載のシステム。
  16. 前記窓(14)が前記高温レンズ(8)としても機能する、請求項1に記載のシステム。
  17. 前記高温レンズ(8)は、前記高温レンズ(8)の前記2つの屈折面の前記曲率半径(Rg)と前記曲率半径(Rd)との前記差の前記絶対値がゼロにならないような形状である、請求項1から16のいずれか1項に記載のシステム。
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