JP4902434B2 - 光学観察装置及び撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、物体からの光により形成される物体像を接眼光学系を通して観察者に観察させる光学観察装置に関し、特に、ビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置に搭載される光学ファインダとして好適なものである。
一眼レフカメラの光学ファインダでは、撮像レンズを通った物体(被写体)からの光束を、可動ミラーを介してフォーカシングスクリーンのマット面上に結像させる。マット面上の物体像からの光束は、ペンタダハプリズム内で反射された後、接眼光学系に導かれる。これにより、撮影者(観察者)が接眼光学系を通じて、マット面上の物体像を観察することができる
また、光学ファインダの小型化と高性能化を図るために、ペンタダハプリズムに代えて2つのプリズムを微小な間隔(ギャップ)を介して配置した光学ファインダが特許文献1に開示されている。この光学ファインダでは、第1のプリズムに、入射面、反射透過面及び射出面を設け、入射面から入射した光を反射透過面で反射した後、反射面で反射して反射透過面から射出させる。そして、その射出光を第2のプリズムを透過させて接眼光学系に導く。
また、光学ファインダではなくプロジェクタの光学系であるが、2つのプリズムを熱膨張による相互の干渉を防止するために広めのギャップを介して配置した構成が特許文献2に開示されている。この光学系では、第1のプリズムに、入射面、反射透過面及び透過面を設け、入射面から入射した光源からの光を反射透過面で反射した後、透過面から射出して表示素子に入射させる。さらに、表示素子で反射された光を透過面から第1のプリズムに再入射させ、反射透過面を透過させて第2のプリズムに入射させる。第2のプリズムに入射した光はこれを透過して投射レンズに入射する。
第1及び第2のプリズム間のギャップは、第1のプリズムの入射面に近いほど狭くなるくさび形状となっている。このくさび形状のギャップにより、第1のプリズムの反射透過面のうち広いギャップ部分に面した位置から射出して第2のプリズムに入射する光の光路と狭いギャップ部分に面した位置から射出して第2のプリズムに入射する光の光路との差を小さくしている。
特開平10−206933号公報 特開2002−49094号公報
2つのプリズムをギャップを介して配置した場合、第1のプリズムの射出面から射出して第2のプリズムの入射面に到達した光の一部は、該入射面で表面反射するおそれがある。この反射光は、例えば、第1のプリズムの射出面に戻されてここで表面反射した後、第2のプリズムに入射面を透過して入射する。このとき、上記のような表面反射を経ずに第2のプリズムにそのまま入射した光と該表面反射を経た光とがずれる。
このずれが光学ファインダで発生すると、表面反射を経た光がゴーストとなり、良好なファインダ観察を行えない。
特許文献1,2の光学系のいずれも、上記のようなギャップを設けたことで発生する表面反射によるゴーストに関してその低減方法や目立たなくする方法を開示していない。
本発明は、ギャップを介して配置された2つの光学素子間での表面反射に起因したゴーストを目立たなくすることができるようにした光学観察装置及びこれを備えた撮像装置を提供する。
本発明の一側面としての光学観察装置は、第1の入射面、反射面及び反射透過面を有し、第1の入射面から入射した物体からの光を反射透過面で反射し、反射面で反射した後、反射透過面から射出する第1の光学素子と、第2の入射面及び射出面を有し、第1の光学素子の反射透過面から射出して第2の入射面から入射した光を射出面から射出する第2の光学素子と、第2の光学素子の射出面からの光が入射する接眼光学系とを有する。そして、反射透過面及び第2の入射面は、第1の入射面から遠い位置ほど接眼光学系から遠ざかるように形成されている。さらに、反射透過面と第2の入射面は、第1の入射面から遠い位置ほど狭くなるギャップを挟んで配置されている。また、反射透過面から射出して第2の入射面を透過し、射出面から接眼光学系に向かう光線と、反射透過面から射出して第2の入射面で反射し、反射透過面で反射して第2の入射面を透過し、射出面から接眼光学系に向かう光線との間のずれ量を光線ずれ量とするとき、ギャップは、観察視野全体での光線ずれ量が等しくなるように設定されていることを特徴とする。
なお、上記光学観察装置を備えた撮像装置も本発明の他の側面を構成する。
本発明によれば、ゴーストの発生位置を観察視野全体でほぼ均一にすることができ、良好な物体観察が可能な光学観察装置を実現することができる。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である光学観察装置としての光学ファインダを搭載した一眼レフデジタルカメラ(撮像装置)の構成を示している。
図1において、13は一眼レフデジタルカメラ(以下、単にカメラという)であり、12は該カメラ13に対して着脱が可能な交換レンズである。交換レンズ12において、9〜11は撮像光学系を構成するレンズである。
また、カメラ13において、8はクイックリターンミラーであり、7はピント板である。第1のプリズム(第1の光学素子)であり、2は第2のプリズム(第2の光学素子)である。また、3〜5は接眼光学系を構成するレンズである。これら、ピント板7、第1のプリズム1、第2のプリズム2及び接眼光学系(3〜5)により、光学ファインダが構成される。
図示の状態において、物体(被写体)からの光は、交換レンズ12(撮像光学系)を通ってクイックリターンミラー8に入射し、ここで上方に反射されてピント板7上に結像する。ピント板7上の物体像(被写体像)からの光は、第1及び第2のプリズム1,2を介して接眼光学系に入射し、撮影者(観察者)の眼6に到達する。
第1のプリズム1は、ピント板7上に形成された物体像を上下左右に反転して正立正像に変換し、これを第2のプリズム2及び接眼光学系を介して撮影者に提示する。
15はCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子であり、撮像光学系により形成された物体像を光電変換する。画像処理回路(図示せず)は、撮像素子15の出力信号から画像を生成する。生成された画像は、カメラ13の背面に設けられた不図示のディスプレイに表示されたり、不図示の記録媒体(半導体メモリ等)に記録されたりする。
クイックリターンミラー8は、光学ファインダを通して物体像を観察させる状態(ファインダ観察状態)では、図示のように撮像光学系からの光路(撮像光路)内に斜めに配置されて、被写体からの光束の一部を光学ファインダ側に導く。また、撮像時には、撮像光路外(上方)に退避して、物体からの光束を固体撮像素子15の受光面に到達させる。
図2には、図1に示した光学ファインダの第1及び第2のプリズム1,2を拡大して示す。第1のプリズム1(以下、単にプリズム1という)は、ピント板7に対して一定距離を離れて配置されている。プリズム1は、入射面(第1の入射面)1Aと、反射透過面1Bと、反射面1Cとを有する。
第2のプリズム2(以下、単にプリズム2という)は、入射面(第2の入射面)2Aと、射出面2Bとを有する。プリズム2は、その入射面2Aがプリズム1の反射透過面1Bから離れるように、すなわち反射透過面1Bとの間にエアギャップGを挟んで配置されている。
ここで、反射透過面1Bと入射面2Aはともに、プリズム1の入射面1Aから遠い位置(図の上側)ほど接眼光学系から遠ざかるように(左側に傾くように)、接眼光学系の光軸に直交する面に対して傾斜した平面として形成されている。
さらに、反射透過面1Bと入射面2Aとは非平行に配置されている。具体的には、反射透過面1Bと入射面2A間のエアギャップGが、プリズム1の入射面1Aから遠い位置(図では上側の位置)ほど、言い換えれば接眼光学系から遠い位置ほど狭くなるように配置されている。つまり、図の上側でのエアギャップGの幅Y2は、下側(入射面1A側)での幅Y1より狭い。
プリズム1の入射面1Aは、図1に示す撮像光学系の光軸101上を進み、クイックリターンミラー8を介してプリズム1,2に入射する中心光線102の光路を光学ファインダの光軸とするとき、該光学ファインダの光軸に直交する平面として形成されている。したがって、入射面1Aは、ピント板7と平行に配置されている。なお、中心光線102は、プリズム2からの射出後、接眼光学系の光軸上を進む光線でもある。
また、プリズム1の反射面1Cは、プリズム1の入射面1Aから遠い位置(図では上側の位置)ほど接眼光学系に近づくように傾斜した平面として形成されている。なお、反射面1Cは実際にはダハ面として形成されており、ここでピント板7上の物体像を左右反転させる。
さらに、プリズム2の射出面2Bは、接眼光学系の光軸に対して直交する平面として形成されている。
以上のように構成された光学ファインダでの光の伝達について説明する。撮像光学系の光軸101上を進み、クイックリターンミラー8で反射されてピント板7におけるファインダ視野の中心に相当する位置を通過した中心光線102は、プリズム1の入射面1Aからプリズム1内に入射する(102a)。
そして、該中心光線102は、反射透過面1Bに対して臨界角以上の入射角で入射し、ここで全反射されて反射面1Cに向かう(102b)。
次に、中心光線102は、ダハ面としての反射面1Cで2回反射されて(図には1回のみ反射されているように示す)、プリズム2及び接眼光学系の方向に向かう(102c)。
その後、中心光線102は、反射透過面1Bに対して臨界角より小さな入射角で到達し、ここを透過してプリズム1から射出する。このとき、中心光線102は、反射透過面1Bでの屈折作用を受けて斜め下方に屈折する(102d)。
プリズム1(反射透過面1B)から射出した中心光線102は、次にプリズム2の入射面2Aからプリズム2内に入射する(102e)。そして、中心光線102は、プリズム2の射出面2Bから射出して(102f)、接眼光学系を通過して眼6に入射する。
103(103a〜103f)及び104(104a〜104f)はそれぞれ、ピント板7におけるファインダ視野の中心よりも下側及び上側の周辺部に相当する位置を通過する周辺光線である。これら周辺光線103,104の光学ファインダ内での伝達の仕方は、中心光線102と同じである。以下の説明において、周辺光線103を下側周辺光線といい、周辺光線104を上側周辺光線ともいう。
ただし、中心光線102は、光学ファインダの光軸に対して直交する面であるプリズム1の入射面1Aに対して垂直に入射するのでここでは屈折しないが、入射面1Aの法線に対して傾いて(収束して)入射する周辺光線103,104はここでわずかに屈折する。
ここで、図6を用いて、反射透過面1Bと入射面2Aとが平行に配置されている場合(エアギャップGの幅Y5が一定である場合)の問題点について説明する。
図6において、中心光線201(201a〜201f)及び周辺光線202(202a〜202f),203(203a〜203f)の伝達の仕方は、図2で説明したのと基本的には同じである。
ただし、プリズム1の反射透過面1Bとプリズム2の入射面2Aとの間にエアギャップGが設けられていることで、ここでの表面反射が問題となる。すなわち、屈折率の異なる境界面では、一般に透過率が96%程度であり、数%の表面反射が発生してしまう。たとえ境界面に反射防止コーティングを施したとしても1〜2%程度の反射が発生してしまう。
周辺光線202,203について見てみると、反射透過面1Bから屈折しながら射出して入射面2Aで表面反射した周辺光線202g,203gは、反射透過面1Bに向かい、該反射透過面1Bで表面反射して、再度入射面2Aに向かう(202h,203h)。そして、これら表面反射を経た周辺光線202h,203hは、プリズム2の入射面2Aを透過してプリズム2内に入射し(202i,203i)、さらに接眼光学系へと進む(202j,203j)。
これら表面反射を経て接眼光学系に入射した周辺光線202j,203jは、表面反射を経ずに接眼光学系に入射した周辺光線(以下、周辺正規光線という)202f,203fに対して下方にずれているので、ゴーストを発生させる。
しかも、周辺ゴースト光線202j,203jの周辺正規光線202f,203fに対するずれ量はそれぞれ、幅X5及び幅X6(<X5)であり、互いに大きく異なる。この結果、ファインダ視野内において、本来の物体像に対するずれ量が上側ほど大きくなるゴースト像(つまりは、ファインダ視野内の不均一なゴースト像)が観察されてしまい、良好な物体像観察が著しく妨げられてしまう。
このように周辺ゴースト光線の周辺正規光線に対するずれ量に上下で差が発生するのは、下側周辺光線202dと上側周辺光線203dとで反射透過面1Bからの射出角、つまりは入射面2Aに対する入射角に差があるためである。
撮像光学系を射出した光束は、収束しながらクイックリターンミラー8で反射されてピント板7上で結像し、さらに収束状態を維持しながらプリズム1,2を経て接眼光学系に向かう。さらに、プリズム1の反射透過面1Bで光束を全反射させるために、該反射透過面1Bは、上述したように上側ほど接眼光学系から遠ざかるように傾きを持っている。
これらの理由により、上側周辺光線203cの反射透過面1Bへの入射角は、下側周辺光線202cの入射角よりも大きくなり、この結果、反射透過面1Bから射出する上側周辺光線203dの方が下側周辺光線202dより大きく下方に屈折する。このため、上側周辺光線203dはプリズム2の入射面2A、さらには反射透過面1Bで、下側周辺光線202dよりも大きな角度で2回表面反射する(203g〜203h,202g〜202h)。したがって、上側周辺ゴースト光線203jの上側周辺正規光線203fに対するずれ量X5の方が、下側周辺ゴースト光線202jの下側周辺正規光線202fに対するずれ量X6よりも大きくなる。
なお、エアギャップ幅Y5を極限まで小さくすることで、このようなゴースト像のずれ量の不均一を軽減することも考えられる。しかし、エアギャップ幅Y5を小さくするにも限界があるため、難しい。
このため、本実施例では、プリズム1の反射透過面1Bとプリズム2入射面2Aとの間で上側の位置ほど接眼光学系から遠ざかるように傾いたエアギャップGを、上側の位置ほど(接眼光学系から遠い位置ほど)狭くなるように設定している。つまり、下側のエアギャップ幅Y1に比べて上側のエアギャップ幅Y2を狭くすることで、本来の物体像とゴースト像とのずれ量をファインダ視野全体でほぼ均一にし、図6の場合に比べて良好な物体像観察が行えるようにしている。
図2において、このことについて説明する。上側周辺光線104cの反射透過面1Bへの入射角が、下側周辺光線103cの入射角よりも大きくなり、反射透過面1Bから射出する上側周辺光線104dの方が下側周辺光線103dより大きく下方に屈折することは図5の場合と同じである。また、反射透過面1Bから射出した上側周辺光線104dが、プリズム2の入射面2A、さらには反射透過面1Bで、下側周辺光線103dよりも大きな角度で2回表面反射する(104g〜104h,103g〜103h)ことも図5の場合と同じである。
しかし、本実施例では、以下の効果が得られるように下側のエアギャップ幅Y1に比べて上側のエアギャップ幅Y2を狭くしている。すなわち、上側周辺光線104d〜104hが反射透過面1Bを射出してから2回の表面反射を経てプリズム2の入射面2Aに入射するまでに生じた周辺正規光線104e(104f)に対するずれ量(以下、光線ずれ量という)をX1とする。また、下側周辺光線103d〜103hが反射透過面1Bを射出してから2回の表面反射を経てプリズム2の入射面2Aに入射するまでに生じた周辺正規光線103e(103f)に対する光線ずれ量をX2とする。このとき、X1とX2とが等しくなるようにエアギャップ幅Y1,Y2を設定している。
これにより、ファインダ視野全体(観察視野全体)での光線ずれ量が等しくなるように、つまりはゴースト像の本来の物体像に対するずれ量(すなわち、物体像に対するゴースト像の発生位置)が均一になるようにすることができる。したがって、ゴースト像が目立たず、良好な物体像観察が可能な光学ファインダを実現することができる。
ここで、「X1とX2とが等しい」及び「光線ずれ量が等しい」とは、完全に一致する場合だけでなく、良好な物体像観察が行えるという観点で等しいとみなせる程度の差がある場合も含む。このことは、後述する説明において使用される「等しい」や「同じ」についても同様である。
図3には、本発明の実施例2である光学ファインダのうちプリズム1,2の構成を示す。本実施例のプリズム1,2は、プリズム1の入射面1A′を除き、実施例1のプリズム1,2と同じ構成を有する。エアギャップGの幅も実施例1と同じである。また、プリズム1に入射してプリズム2から射出する光線の伝達の仕方も、実施例1と同じである。このため、プリズム1,2の入射面1A′以外の各面と、プリズム1,2を通る中央光線、周辺光線及びエアギャップ幅には、実施例1と同符号を付してこれらの説明に代える。
実施例1のように、エアギャップGの下側の幅Y1に比べて上側の幅Y2を狭く設定することによって、下側周辺光線103の光路長よりも上側周辺光線104の光路長が短くなる。そして、この光路長差に起因して、物体像に収差が生じるおそれがある。
このため、本実施例では、プリズム1の入射面1A′を、物体からの光束が入射してくる方向(上下方向)において、反射透過面1Bから遠い位置ほど物体側に近づくように(下がるように)形成している。言い換えれば、光学ファインダの光軸に直交する平面に対して上記のように傾けている。図3中の点線1Aは、実施例1での入射面1Aの位置を示す。なお、プリズム2の射出面2Bは、実施例1と同様に、接眼光学系の光軸に対して直交する平面として形成されている。
このように、プリズム1の入射面1A′のうち上側周辺光線104が入射する部分を下側周辺光線103が入射する部分よりもピント板7に近づけることで、両周辺光線103,104の光路長差を補正し、それらの光路長を等しくすることができる。さらに言えば、ファインダ視野全体での周辺光線の光路長を等しくすることができる。したがって、光路長差に起因した収差の発生を抑えることができる。
図4には、本発明の実施例3である光学ファインダのうちプリズム1,2の構成を示す。本実施例のプリズム1,2は、実施例1のプリズム1,2と同じ構成を有する。ただし、エアギャップGの幅は実施例1と異なる。また、プリズム1に入射してプリズム2から射出する光線の伝達の仕方も、実施例1と同じである。このため、プリズム1,2の各面と、プリズム1,2を通る中央光線、周辺光線には、実施例1と同符号を付してこれらの説明に代える。
本実施例では、エアギャップGのうち上側の幅Y4を零に設定している。つまり、プリズム1の反射透過面1Bのエッジ部1Dとプリズム2の入射面2Aとを接触させている。エアギャップGのうち下側の幅Y3は零よりも大きく、反射透過面1Bと入射面2Aとの間にはスペーサ14を挿入して、幅Y3の変動を防止している。もちろん、幅Y3は、実施例1と同様に、ファインダ視野全体での光線ずれ量(例えば、上側の光線ずれ量X3と下側の光線ずれ量X4)が等しくなるように設定されている。
このように、反射透過面1Bのエッジ部1Dと入射面2Aとを接触させることにより、プリズム1,2の組立てを容易に行うことができ、かつゴースト像の発生をより抑えることができる。
また、本実施例では、プリズム1の入射面1Aを実施例1と同様に光学ファインダの光軸に直交する平面として形成する一方、プリズム2の射出面2B′を、接眼光学系の光軸に直交する面(図1の射出面)2Bに対して傾いた平面として形成している。射出面2B′の傾き方向は、エアギャップGの狭い側(上側)ほど接眼光学系に近づく方向である。言い換えれば、プリズム2の入射面2Aから遠い位置ほど接眼光学系に近づく方向である。
これにより、実施例2と同様に、エアギャップGの幅が上下で異なることに起因する光学ファインダでの下側及び上側周辺光線103,104の光路長差を補正し、両周辺光線103,104の光路長を等しくすることができる。つまり、ファインダ視野全体での周辺光線の光路長を等しくすることができる。したがって、光路長差に起因した収差の発生を抑えることができる。
なお、本実施例のようにプリズム2の射出面2B′を傾ける構成と実施例2のようにプリズム1の入射面1A′を傾ける構成とを組み合わせてもよい。
図5には、本発明の実施例4である光学ファインダの構成を示す。本実施例のプリズム1,2は、実施例1のプリズム1,2と同じ構成を有する。ただし、エアギャップGについては、実施例3と同様に、上側の幅Y4を零とし、下側の幅をスペーサ14を用いてY3としている。また、プリズム1に入射してプリズム2から射出する光線の伝達の仕方は、実施例1と同じである。このため、プリズム1,2の各面と、プリズム1,2を通る中央光線、周辺光線には、実施例1と同符号を付してこれらの説明に代える。
本実施例では、実施例2,3のようにプリズムの光学面を光軸に直交する面に対して傾けることで上下の光路長差を補正するのではなく、接眼光学系のうちの一部であるレンズ4を他の部分であるレンズ3,5に対して偏心させることで、光路長差を補正する。
図5に示す接眼光学系は、物体(プリズム)側から順に、凹凸凹のレンズを組み合わせた構成であるため、凸レンズ4を偏心させているが、他のレンズを偏心させてもよい。
また、レンズを偏心させるのではなく、他のレンズの光軸に対して倒すことでも光路長を補正することができる。
すなわち、本実施例では、プリズム1,2の間に設けた幅が変化するエアギャップで生じる光路長差を、接眼光学系内でのレンズの偏心又は倒れによって生じる収差を利用して補正している。これにより、ファインダ視野全体での周辺光線の光路長を等しくすることができ、光路長差に起因した収差の発生を抑えることができる。
なお、本実施例のような接眼光学系内でのレンズの偏心又は倒れと、実施例2,3のようにプリズムの光学面を傾ける構成とを組み合わせてもよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記各実施例では、プリズム1とプリズム2間のエアギャップGを、ファインダ視野の上下方向にて幅が変化するように設定した場合について説明したが、ファインダ視野の左右方向にて幅が変化するように設定してもよい。この場合でも、上記各実施例と同様の効果が得られる。
また、上記各実施例では、一眼レフカメラに搭載される光学ファインダについて説明したが、本発明の他の実施例としては、レンズ一体型のカメラ(撮像装置)や、双眼鏡及び望遠鏡等の光学観察装置も含まれる。
本発明の実施例1である光学ファインダを搭載したカメラの構成を示す断面図。 実施例1の光学ファインダの拡大断面図。 本発明の実施例2である光学ファインダの拡大断面図。 本発明の実施例3である光学ファインダの拡大断面図。 本発明の実施例4である光学ファインダの拡大断面図。 比較例としての光学ファインダの拡大断面図。
符号の説明
1 第1のプリズム
2 第2のプリズム
3,4,5 接眼光学系(レンズ)
6 眼
7 ピント板
8 クイックリターンミラー
9,10,11 撮像光学系(レンズ)
12 交換レンズ
13 カメラ
14 スペーサ

Claims (5)

  1. 第1の入射面、反射面及び反射透過面を有し、前記第1の入射面から入射した物体からの光を前記反射透過面で反射し、前記反射面で反射した後、前記反射透過面から射出する第1の光学素子と、
    第2の入射面及び射出面を有し、前記反射透過面から射出して前記第2の入射面から入射した光を前記射出面から射出する第2の光学素子と、
    前記射出面からの光が入射する接眼光学系とを有し、
    前記反射透過面及び前記第2の入射面は、前記第1の入射面から遠い位置ほど前記接眼光学系から遠ざかるように形成されており、
    前記反射透過面と前記第2の入射面は、前記第1の入射面から遠い位置ほど狭くなるギャップを挟んで配置されており、
    前記反射透過面から射出して前記第2の入射面を透過し、前記射出面から前記接眼光学系に向かう光線と、前記反射透過面から射出して前記第2の入射面で反射し、前記反射透過面で反射して前記第2の入射面を透過し、前記射出面から前記接眼光学系に向かう光線との間のずれ量を光線ずれ量とするとき、
    前記ギャップは、観察視野全体での光線ずれ量が等しくなるように設定されていることを特徴とする光学観察装置。
  2. 前記第1の入射面は、前記物体からの光束が入射してくる方向において、前記反射透過面から遠い位置ほど物体側に近づくように形成されていることを特徴とする請求項に記載の光学観察装置。
  3. 前記射出面は、前記第2の入射面から遠い位置ほど前記接眼光学系に近づくように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学観察装置。
  4. 前記接眼光学系の一部が他の部分に対して偏心するように又は倒れるように配置されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の光学観察装置。
  5. 請求項1からのいずれか1つに記載の光学観察装置と、
    前記物体からの光により形成された物体像を光電変換する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
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