JP2011247540A - 燃焼装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】未燃焼の燃料ガスが放出される状況に応じて、爆発着火することなく安全に点火できる状態であるかを判断して点火動作を許可する燃焼装置を提供する。
【解決手段】ガスを燃料とする種火バーナ16と、種火バーナ16の炎を検出するサーモカップル28と、種火バーナ16への点火確認と失火判定を行うコントローラ6とを備えた風呂釜装置1において、未燃焼の燃料ガスの放出時間を積算する生ガス積算タイマを備え、コントローラ6が点火操作を受け付けたときに、生ガス積算タイマの計時値が所定時間Ta以上である場合には所定の点火禁止時間Tbが経過するまで点火動作を行わせないように構成されるとともに、失火判定において失火と判定されたときには、生ガス積算タイマに所定時間Taに至らない計時値Tcを加算することにより、失火判定後の再点火操作を許容しつつ爆発着火の発生を防止する。
【選択図】図1

Description

この発明は燃焼装置に関し、より詳細には、ガスを燃料とするバーナを備えた燃焼装置における異常着火を防止する技術に関する。
ガスを燃料とするバーナを備えた燃焼装置においては、バーナへの点火失敗や点火後の途中失火などによってバーナから未燃焼の燃料ガス(未燃焼ガス)が放出される場合がある。このような未燃焼の燃料ガスがバーナの近傍に一定の濃度を超えて残留している状態でバーナへの点火動作が行われると爆発音を伴った異常燃焼(いわゆる、爆発着火)を引き起こすことから、この種の燃焼装置においては、爆発着火を防止する制御が採用されている。
たとえば、特許文献1に示す燃焼装置では、このような爆発着火を防止するための制御として、途中失火によって炎検知センサが炎を検出しなくなった場合や操作者によって消火操作が行われた場合には、バーナ内に残存する未燃焼ガスがバーナ外に放出されるまでの一定時間が経過するまでは、操作者により点火操作が行われても点火動作を行わないように構成している。
また、特許文献2に示す燃焼装置は、前回の点火動作時に点火が失敗している場合には、操作部による点火操作から通常時よりも遅延させて点火動作をさせるようにしている。
特開平2−101319号公報 特開2002−130662号公報
これら特許文献1および特許文献2に示す先行技術は、いずれも一定時間が経過するまで点火動作を禁止することで爆発着火の発生を防止するものであるが、爆発着火の原因となる未燃焼ガスが放出される状況は様々であり、状況によって放出される未燃焼ガスの放出量にも多寡がある。そのため、一律に一定時間が経過するまで点火を禁止したのでは、未燃焼ガスの放出が少なく爆発着火が起こる可能性が少ない場合であっても再点火が遅れ、使い勝手が悪くなるという問題がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、未燃焼の燃料ガスが放出される状況に応じて、爆発着火することなく安全に点火できる状態であるかを判断して点火動作を許可する燃焼装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る燃焼装置は、ガスを燃料とするバーナと、上記バーナの炎を検出する炎検出手段と、上記炎検出手段によって上記バーナへの点火確認と点火確認後の失火判定を行う制御手段と、未燃焼の燃料ガスの放出時間を積算する生ガス積算タイマとを備え、上記制御手段は、操作手段による点火操作を受け付けたときに、上記生ガス積算タイマの計時値が所定時間以上である場合には点火禁止時間が経過するまで点火動作を行わせない制御構成を有する燃焼装置であって、上記制御手段は、上記失火判定において失火と判定したときには、上記生ガス積算タイマに上記所定時間に至らない範囲で設定される所定の計時値を加算することを特徴とする。
すなわち、請求項1に係る燃焼装置は、爆発着火を引き起こす程の燃料ガスがバーナ周辺に残留しているか否かを未燃焼の燃料ガスの放出時間の積算値(生ガス積算タイマの計時値)に基づいて判断する。
そして、爆発着火を防止するための制御として、制御手段は、操作手段での点火操作を受け付けたときに、生ガス積算タイマの計時値が所定時間以上であるか否かを判断し、所定時間以上である場合には点火動作を点火禁止時間が経過するまで禁止し、この間に未燃焼ガスが拡散・自然排出されるようにしている。
そのため、たとえば、点火失敗によって未燃焼ガスが放出された場合であっても、未燃焼ガスの放出時間の積算値が上記所定時間に至らない少量の放出に過ぎない場合には、再度の点火操作による点火動作を許容して、速やかに燃焼運転に移行する。これに対し、点火失敗を繰り返すなどして未燃焼ガスの放出時間の積算値が上記所定時間に達した場合(未燃焼の燃料ガスの放出量が多くなった場合)には、爆発着火の防止を優先して、点火禁止時間が経過するまで点火動作を禁止する。
本発明の燃焼装置は、このような制御構成に加えて、点火確認がなされた後に失火(いわゆる、途中失火)が検出された場合には、上記生ガス積算タイマに上記所定時間に至らない範囲で設定される所定の計時値を加算するように構成される。
すなわち、この種の燃焼装置では、途中失火を検出するとバーナへの燃料ガスの供給が遮断されるように構成されているが、途中失火の発生から炎検出手段で当該失火が検出されるまでの間にも未燃焼ガスが放出されるので、この間の未燃焼ガスの放出に対して、上記生ガス積算タイマに所定の計時値を加算することによってタイマのカウントを進め、生ガス積算タイマを初期値(タイマクリア時)からカウントする場合よりも早期にカウントアップするようにしている。
ここで、生ガス積算タイマに加算する所定の計時値として、上記所定時間に至らない範囲の計時値を設定するのは、途中失火後に行われる再度の点火操作による点火動作を許容し、速やかに燃焼運転に復帰できるようにするためである。そのため、この所定の計時値は、上記所定時間から少なくとも1回の点火動作で未燃焼ガスが放出される時間を差し引いた時間よりも短く設定される。したがって、たとえば、上記所定時間から1回の点火動作を許容する時間を計時値として用いた場合、途中失火後の点火動作を一度失敗すると、これに続く2度目の点火操作では生ガス積算タイマの計時値が上記所定時間に達することになり、2度目の点火操作では点火動作が禁止されることとなる。
そして、本発明の請求項2に係る燃焼装置は、上記制御手段は、上記失火判定の判定処理中に上記操作手段の消火操作を受け付けた場合にも、上記生ガス積算タイマに上記所定の計時値を加算する制御構成を備えることを特徴とする。
この請求項2に係る燃焼装置では、失火判定処理中にユーザが途中失火に気付いて消火操作を行った場合であっても、生ガス積算タイマには所定の計時値が加算されるので、消火操作が行われるまでに放出された未燃焼ガスによる爆発着火を防止できる。
また、本発明の請求項3に係る燃焼装置は、上記バーナへの燃料ガスの供給遮断時間を積算するキャンセルタイマを備え、上記制御手段は、このキャンセルタイマの計時値が上記点火禁止時間以上である場合には、上記生ガス積算タイマの計時値を初期値に戻す制御構成を備えることを特徴とする。
この請求項3に係る燃焼装置では、燃料ガスの供給遮断時間を積算するキャンセルタイマの計時値が点火禁止時間に達することを条件に生ガス積算タイマの計時値を初期値に戻すので、このリセットによって点火動作の禁止が解除される。
また、本発明の請求項4に係る燃焼装置は、上記所定の計時値が、点火確認後の失火発生から失火判定により失火と判定されるまでに要する予測所要時間に基づいて設定されていることを特徴とする。
この請求項4に係る燃焼装置では、失火判定によって生ガス積算タイマに加算される所定の計時値が、途中失火発生から失火と判定されるまでの予測所要時間に基づいて設定されるので、失火判定処理中に放出される未燃焼ガスによって爆発着火が起こるのを防止することができる。
また、本発明の請求項5に係る燃焼装置は、上記バーナが、熱交換手段を加熱するための主バーナと、この主バーナに点火するための種火を保持する種火バーナとを有してなり、上記炎検出手段により上記種火バーナの炎を検出するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、制御手段が操作手段での点火操作を受け付けたときに、生ガス積算タイマの計時値が所定時間以上であるかを判断し、計時値が所定時間以上であれば点火禁止時間が経過するまで点火動作を禁止するので、たとえば、点火失敗によって少量の未燃焼ガスが放出された場合には再度の点火操作による点火動作が許容される一方、点火失敗を繰り返すなどして多くの未燃焼ガスが放出された場合には、点火禁止時間が経過するまで点火動作が禁止され爆発着火が起こるのが防止される。
また、点火確認後に失火した場合には、上記生ガス積算タイマに所定の計時値が加算され、生ガス積算タイマが早期にカウントアップするようにしているので、再点火操作による点火動作を可能にしつつ、失火判定処理中に放出された未燃焼ガスによる爆発着火の発生防止が図られる。
本発明に係る燃焼装置を風呂釜装置に適用した一例を示す概略構成図である。 同風呂釜装置の操作部の操作つまみの一例を示す外観構成図である。 同風呂釜装置におけるサーモカップル(炎検出手段)による失火判定の一例を示す説明図である。 同風呂釜装置における爆発着火防止処理手順の概要を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る燃焼装置の一例を示す概略構成図である。具体的には、この図1は、本発明に係る燃焼装置を風呂釜装置に適用した場合を示している。
この風呂釜装置1は、給気口と排気口とが同一雰囲気の室外に出ている構造を備えたバランス式の風呂釜装置であり、図1にはカランKやシャワーSなどの給湯栓に温水を供給する給湯機能を備えた風呂釜装置が示されている。
この風呂釜装置1は、熱交換器部2と、燃焼部3と、操作部(操作手段)4と、表示部5と、コントローラ(制御手段)6とを主要部として備えている。
熱交換器部2は、風呂追い焚き用の風呂熱交換器7と給湯用の給湯熱交換器8とを備えている。風呂熱交換器7は、その一端が浴槽Bの下層部に連通するとともに他端が浴槽Bの上層部に連通するように構成さており、風呂の追い焚き時には浴槽Bの下層部から取り込んだ湯水を加熱して浴槽Bの上層部に導入することにより、浴槽B内の湯水を循環加熱するように構成されている。一方、給湯熱交換器8は、一端が上水道などの給水源(図示せず)に接続されるとともに他端がカランKなどの給湯栓に接続されており、給水源から供給される水を加熱して給湯栓に供給できるようにされている。
上記給水源は、入水管9を介して給湯熱交換器8の一端に接続されており、この入水管9には給水源からの給水を遮断できる止水弁10が設けられるほか、図示はしないが入水流量を調節するための水ガバナや通水を検知するための水流スイッチなども備えられている。給湯熱交換器8の他端(出湯側)には、タンク11及び出湯切替部12を介してカランKやシャワーSなどの給湯栓が接続されている。出湯切替部12は、給湯熱交換器8から供給される温水を給湯栓KまたはシャワーSのいずれより出湯させるかを切り替える切替レバー(図示せず)を備えている。
13は空焚き安全装置(過熱防止装置)である。この空焚き安全装置13はバイメタルで構成されており、風呂熱交換器7が所定温度(バイメタルの作動温度)まで加熱されると作動して、コントローラ6による元ガス弁17の閉止などの安全動作が行われる。なお、この空焚き安全装置13としては、バイメタルに代えて、あるいは、バイメタルとともに温度ヒューズを用いてもよい。
燃焼部3は、ガスを燃料とするバーナを備えた燃焼装置であって、熱交換器部2を加熱するための主バーナ(メインバーナ)15と、この主バーナ15に点火するための種火を保持する種火バーナ(パイロットバーナ)16とを主要部として備えている。これら主バーナ15および種火バーナ16は、いずれも元ガス弁17を介してガス供給源(図示せず)から燃料ガスの供給を受けるように構成されている。
元ガス弁17は、後述する操作部4(具体的には、操作つまみ30)の操作に連動するカム機構32によって作動するように構成されているが、この元ガス弁17は後述する他のガス弁20,21などとは異なり、弁を開くときのみカム機構32を利用し、一旦弁が開いた後は保持電流によって開弁状態が維持されるように構成されている。つまり、この元ガス弁17は、保持電流が遮断されたときに弁が閉じる(閉弁する)ように構成されている。
そして、ガス供給源から供給される燃料ガスは、この元ガス弁17の下流側(バーナ側)で主バーナ15に連通する主ガス通路18と、種火バーナ16に連通する種火ガス通路19とに分岐されており、主ガス通路18には主バーナ15への燃料ガスの供給を遮断可能に構成されたメインガス弁20が設けられ、種火ガス通路19には種火バーナ16への燃料ガスの供給を遮断可能に構成されたパイロットガス弁21が設けられている。これらメインガス弁20およびパイロットガス弁21は、いずれも操作部4の操作に連動するカム機構32の作用によって弁の開閉ができるように構成されている。
なお、本実施形態に示す風呂釜装置1には、これらメインガス弁20、パイロットガス弁21のほかに、給湯時の燃焼能力を大きくするための補助ガス弁22と、能力切替ガス弁23とが備えられている。これら補助ガス弁22および能力切替ガス弁23は、いずれも主バーナ16に供給する燃料ガスの供給量を高めるために設けられたガス弁であるが、補助ガス弁22は、後述する操作部4の操作つまみ30において給湯能力大(「給湯2」)が選択されたときに開弁する(具体的には、メインガス弁20やパイロットガス弁21と同様に、操作部4の操作に連動するカム機構32によって開閉する)ように構成されているのに対し、能力切替ガス弁23は操作部4の操作とは関係なく、能力切替レバー24の操作によって開閉できるように構成されている。
25は種火バーナ16に点火するための点火プラグであり、この点火プラグ25はイグナイタ26に接続されている。また、27は主バーナ15の炎検出手段であるフレームロッド、28は種火バーナ16の炎検出手段であるサーモカップル(熱電対)であり、いずれもコントローラ6に接続され、コントローラ6によって主バーナ15および種火バーナ16における炎の有無(燃焼の有無)を確認できるように構成されている。
操作部4は、風呂釜装置1の操作手段であって、図2に示すようなダイヤル式の操作つまみ30を備えている。この操作つまみ30は、風呂釜装置1の本体ケース(図示せず)に外装されており、ユーザはこの操作つまみ30を操作することによって風呂釜装置1の運転設定に関する操作が行えるように構成されている。
具体的には、この操作つまみ30には、その操作位置として、燃焼運転を停止させる「消火位置」(図2のポジションP0参照)と、種火バーナ16に点火させる「点火位置」(図2のポジションP1参照)と、種火バーナ16に種火を灯した状態を維持する「口火位置」(図2のポジションP2参照)と、通常の給湯(給湯能力小)のときに使用する「給湯1」(図2のポジションP3参照)と、大きな給湯能力(給湯能力大)のときに使用する「給湯2」(図2のポジションP4参照)とが設けられており、操作つまみ30を押しながら上記ポジションP2からポジションP3に移行させたときには、このポジションP3が風呂追い焚き用の位置として機能するものとされている。
より詳細には、この操作つまみ30は、本体ケース内に内蔵されたシャフト31と連結されており、操作つまみ30を上記各操作位置(図2のポジションP0〜P4の位置)に設定操作することに伴ってシャフト31が回転するように構成されている。このシャフト31には、図1に示すようにカム機構32が設けられており、操作つまみ30の操作に応じてカム機構32が上記元ガス弁17やメインガス弁20などのガス弁や後述するカムスイッチ41,42などのスイッチに作用するように構成されている。
ここで、カム機構32について説明する。カム機構32を構成するカム33は、元ガス弁17の開動作およびメインガス弁20とパイロットガス弁21の開閉動作を行うように構成されており、カム34は補助ガス弁22の開閉動作を行うように構成されている。また、カム35,36は、操作つまみ30の操作位置に関する情報を上記コントローラ6に入力するためのカムスイッチ41,42をオン・オフさせるように構成されている。つまり、コントローラ6はこれら2個のカムスイッチ41,42のオン・オフ状態によって操作つまみ30の操作位置を検出するものとされている。さらに、カム37は風呂スイッチ43をオン・オフさせるためのカム機構であり、この風呂スイッチ43がオフの状態にあるときには上記止水弁10が開かれ、給水源から供給される水が上記給湯熱交換器8に供給される。
表示部5は、風呂釜装置1の状態を表示するための表示手段であり、本実施形態ではこの表示部5として発光ダイオードなどの表示灯(図示せず)が用いられている。この表示灯は外部から視認できるように風呂釜装置1の本体ケースに外装されており、その点灯/消灯はコントローラ6によって制御されている。
コントローラ6は、風呂釜装置1の各部を制御するマイコン(図示せず)を備えた制御基板で構成されており、このコントローラ6は、上述したカムスイッチ41,42のオン・オフ状態に基づいて操作つまみ30の操作位置を検出するように構成されるとともに、検出された操作位置に応じて風呂釜装置各部の動作を制御するように構成されている。
ここで、操作つまみ30の操作位置と風呂釜装置1の動作の概要について説明する。
本実施形態の風呂釜装置1においては、操作つまみ30が消火位置(ポジションP0)にある場合、元ガス弁17、メインガス弁20、パイロットガス弁21の各弁はいずれも閉じられており、カムスイッチ41,42は双方ともオフとされる。
そして、風呂釜装置1の点火操作にあたっては、まず、操作つまみ30を消火位置(ポジションP0)から点火位置(ポジションP1)に移行させる。これにより、この操作に連動するカム33の作用によって、元ガス弁17およびパイロットガス弁21が開かれる(このときメインガス弁20はカム33によって閉じられている)。また、これに伴ってカムスイッチ41がオン、カムスイッチ42がオフされ、コントローラ6は、これらカムスイッチ41,42の状態から操作つまみ30が点火位置に移行したことを検知し、種火バーナ16への点火動作が行われる。つまり、イグナイタ26がオンされて点火プラグ25が点火状態とされる。これにより、点火に失敗しなければ、種火バーナ16に種火が灯される。
種火バーナ16への点火動作を行うと、次にコントローラ6は種火バーナ16に種火が点火されているかを確認する。この確認はサーモカップル28における熱起電力が炎の存在を示す所定値を超えているか否かで判断され、種火バーナ16への点火が確認されると、コントローラ6は元ガス弁17に保持電流を供給して元ガス弁17を開状態に維持する。このときメインガス弁20は閉じられたままであり、点火確認により操作つまみ30は口火位置(ポジションP2)に自動的に移行する。
なお、上述した点火確認を行ったコントローラ6は、操作つまみ30が消火位置に戻されるまでの間、サーモカップル28の熱起電力を監視し、種火バーナ16が途中失火を起こしていないかの失火判定を行う。図3は、この失火判定の一例を示している。図3に示すように、種火バーナ16に点火されるとサーモカップル28の熱起電力は上昇し、点火状態が維持されている間はほぼ一定の状態を維持するが、途中失火が発生するとサーモカップル28の熱起電力は時間の経過とともに低下する。コントローラ6は、点火確認後にサーモカップル28の熱起電力が低下することによって失火判定を開始するしきい値Xを下回ると失火判定を開始する。この失火判定は、上記しきい値Xを下回った状態が一定時間t2以上継続されるか否かにより行われ、一定時間t2を超えて熱起電力がしきい値Xを下回った状態が継続されると失火(途中失火)と判定する。そして、このような途中失火が検出された場合には、コントローラ6は、元ガス弁17に供給している保持電流を遮断し、元ガス弁17を閉じて未燃焼の燃料ガスが放出されるのを防止する。
そして、給湯を行う場合には、この状態(口火位置の状態)から操作つまみ30を給湯位置(たとえば、「給湯1」のポジションP3)に移行させる。これにより、操作つまみ30の操作に連動するカム33の作用によってメインガス弁20が開かれ、主バーナ15に燃料ガスが供給され、種火バーナ16に灯されている種火が主バーナ15に火移りすることによって主バーナ15が燃焼し、給湯運転が開始される。なお、主バーナ15の燃焼確認および失火判定はフレームロッド27により行われる。
このように、操作つまみ30が給湯位置にあるときは、上記風呂スイッチ43はオフとされ、上記止水弁10が開かれる。つまり、給水源から供給される水が給湯熱交換器8の入水側に供給される。また、操作つまみ30が「給湯1」(ポジションP3)に設定されている状態ではカムスイッチ41,42は双方ともにオンとされ、コントローラ6はこれらカムスイッチ41,42の状態から操作つまみが「給湯1」に移行したことを検知し、フレームロッド27で主バーナ15の炎が検出されるかを判定する。
そして、操作つまみ30が口火位置から「給湯2」の給湯位置(ポジションP4)まで操作された場合には、この操作に連動するカム33およびカム34の作用によってメインガス弁20とともに補助ガス弁22が開かれ、主バーナ15には上記「給湯1」のときよりも多量の燃料ガスが供給され、給湯能力大の給湯運転が行われる。このときカムスイッチ41はオフ、カムスイッチ42はオンとされ、また、風呂スイッチ43はオフとされる。
一方、風呂の追い焚きを行う場合には、操作つまみ30を押し込みながらポジションP3に移行させる。これにより、上記カム33によってメインガス弁20が開かれる(主バーナ15への火移りが開始される)とともに、風呂スイッチ43がカム37によってオンにされ、止水弁10が閉じられて風呂追い焚き運転が開始される。
これに対して、給湯運転または風呂追い焚き運転を停止させる場合には、操作つまみ30を消火位置に移行させる。これにより、カム33の作用によってメインガス弁20およびパイロットガス弁21が閉じられるとともに、制御部6が元ガス弁17に供給していた保持電流が遮断され元ガス弁17が閉じられる。そのため、操作つまみ30がこの消火位置に設定されると、種火バーナ16および主バーナ15は消火される。なお、操作つまみ30が消火位置にあるときには、上記カムスイッチ41,42はともにオフとされ、風呂スイッチ43はオンとされる。
次に、このように構成された風呂釜装置1における爆発着火を防止するための制御について図4に基づいて説明する。図4は、かかる爆発着火防止処理の手順の概要を示す説明図である。
本実施形態に示す風呂釜装置1は、燃焼部3に未燃焼の燃料ガスを外部に強制排気する掃気手段(換気用のファン)を備えていないことから、コントローラ6には、未燃焼ガスの残留による爆発着火を防止する制御が備えられており、この制御を行うにあたり、コントローラ6のマイコンには、未燃焼の燃料ガスの放出時間を積算する生ガス積算タイマと、燃焼部3への燃料ガスの供給遮断時間を積算し、生ガス積算タイマのカウント値(計時値)を初期値に戻すタイミングを設定するキャンセルタイマがプログラム上で設定されている。
そして、コントローラ6は、操作つまみ30による点火操作(具体的には、操作つまみ30を点火位置とする操作)を受け付けると(図4(a)ステップS1参照)、生ガス積算タイマのカウントを開始するとともに(図4(a)ステップS2参照)、生ガス積算タイマのカウント値が所定時間Ta(図示例では50秒)以上であるか否かを判断する(図4(a)ステップS3a,S3b参照)。
上記生ガス積算タイマは、未燃焼の燃料ガスの放出時間を積算するタイマであることから、このタイマのカウント値は未燃焼の燃料ガスの放出量にほぼ比例する。つまり、このカウント値で示される積算時間が長い場合には燃焼部3の近傍に残留する未燃焼の燃料ガスが多いことを意味する。そのため、点火操作を受け付けたコントローラ6は、この生ガス積算タイマのカウント値に基づいて、当該カウント値が所定時間Ta以上であれば爆発着火防止処理を実行し、所定の点火禁止時間Tbが経過するまでイグナイタ26をオンさせないで点火動作を行わせないようにされている(図4(a)ステップS4参照)。そして、この処理が行われる場合、イグナイタ26をオンしないことと併せて元ガス弁17も閉じられるので、コントローラ6は、キャンセルタイマをクリアし、そのカウント値を初期値に戻すように構成される(図4(a)ステップS5参照)。
ここで、上記所定時間Taは、点火動作時に爆発着火を起こすと予想される量の燃料ガスを放出するのに要する時間に基づいて設定される。つまり、点火動作時には元ガス弁17およびパイロットガス弁21が開かれるので、これらの弁を開いた状態で種火バーナ16が爆発着火を起こすと予想される量の燃料ガスの放出に要する時間に至らない範囲で設定される。ただし、種火バーナ16が爆発着火を起こす燃料ガスの放出量は、燃焼部3の構造や燃料ガスのガス種などによって変動するので、この所定時間Taは風呂釜装置1の機種や使用する燃料ガスに応じて設定される。
これに対して、点火操作を受け付けたときの生ガス積算タイマのカウント値が所定時間Ta未満である場合には、爆発着火のおそれはないので、爆発着火防止処理は行わず、コントローラ6は、点火操作に応じてイグナイタ26をオンさせて点火動作を行う(図4(a)ステップS6参照)。そして、この場合には、コントローラ6は、種火バーナ16に点火されているかどうかをサーモカップル28の熱起電力に基づいて確認し(図4(a)ステップS7参照)、正常に点火されていれば生ガス積算タイマをクリアしてそのカウント値を初期値に戻す(図4(a)ステップS8参照)。つまり、正常に点火されている場合には、種火バーナ16の周囲の未燃焼の燃料ガスはバーナの燃焼によって消費されるので、生ガス積算タイマのカウント値をカウント前の初期値に戻す。
そして、種火バーナ16の燃焼開始後は、上述したサーモカップル28による失火判定を行い、途中失火を検出した場合(失火判定において失火と判定した場合(図4(a)ステップS9参照))には、生ガス積算タイマに予め設定される所定のカウント値Tc(図示例では45秒分のカウント値)を加算する(図4(a)ステップS10参照)。
ここで、途中失火を検出した場合に生ガス積算タイマにカウント値Tcを加算するのは、途中失火の検出によって元ガス弁17が閉じられるまでに放出された未燃焼ガスの放出時間(またはそれに近い時間)を生ガス積算タイマに加算するためである。すなわち、途中失火が発生してからコントローラ6が失火と判定するまでには、図3に示すように、失火発生からサーモカップル28の熱起電力が失火判定開始のしきい値Xまで低下するのに要する時間t1と、失火判定に要する時間t2とが経過するので、この間に放出される未燃焼ガスを生ガス積算タイマにカウントさせるようにしている。換言すれば、このカウント値Tcは、点火確認後の失火発生から失火判定により失火と判定されるまでに要すると予測される所要時間に基づいて設定される。なお、この予測される所要時間は、サーモカップル28の種類などによって変動するので、このカウント値Tcも風呂釜装置1の機種に応じて設定される。
そして、本実施形態では、特にこのカウント値(生ガス積算タイマに加算する時間)Tcは、上述した所定時間Taに至らない範囲で(つまり、Ta>Tcとなるように)設定される。これは、途中失火によってカウント値Tcを生ガス積算タイマに加算することにより、途中失火後に行われる再点火操作時に、生ガス積算タイマのカウント値が上記所定時間Taに達して点火動作が禁止されないようにするためである。つまり、少なくとも1回の再点火操作はコントローラ6で受け付けられるようにするためである。そのため、このカウント値Tcは、上記所定時間Taから少なくとも1回の点火動作で未燃焼ガスが放出される時間を差し引いた時間よりも短く設定される。
これにより、本実施形態の風呂釜装置1では、途中失火により種火バーナ16の炎が消失してもその後に行われる点火操作によって種火バーナ16への点火動作が行われ、途中失火から速やかに復帰することができる。
図4(b)は、キャンセルタイマの動作を示している。キャンセルタイマは、上述したようにバーナへの燃料ガスの供給遮断時間を積算するタイマであることから、元ガス弁17が閉じられたとき、つまり、操作つまみ30が消火位置に設定された場合と元ガス弁17への保持電流が遮断された場合にカウントを開始する(図4(b)ステップS1、S2参照)。
そして、このキャンセルタイマは、生ガス積算タイマのカウント値を初期値に戻すタイミングを設定するタイマとして機能するので、このキャンセルタイマはカウント開始から点火禁止時間Tb(図示例では300秒)が経過することによって生ガス積算タイマのカウント値をクリアするように構成される(図4(b)ステップS3、S4参照)。
ここで点火禁止時間Tbは、燃焼部3に残留する未燃焼の燃料ガスが掃気手段を用いることなく自然に拡散・排出され、爆発着火が発生しない濃度にまで薄められるのに要する時間であり、本実施形態ではこの点火禁止時間Tbとして300秒が設定されている。そのため、本実施形態に示す風呂釜装置1では、元ガス弁17が閉じられてから300秒間その状態が継続すると生ガス積算タイマのカウント値がクリアされ、点火操作による点火動作が行えるようになる。
このように、本実施形態に示す風呂釜装置1では、コントローラ6が点火操作を受け付けたときに、生ガス積算タイマのカウント値が所定時間Ta以上であるかを判断して、所定時間Ta以上であれば点火禁止時間Tbが経過するまで点火動作を禁止するので、たとえば、点火失敗によって少量の未燃焼ガスが放出されたに過ぎない場合には、再度の点火操作による点火が許容される一方、点火失敗を繰り返すなどして多くの未燃焼ガスが放出された場合には、点火禁止時間Tbが経過するまで点火動作が禁止され、爆発着火が起こるのが防止される。
しかも、点火確認後に途中失火が発生した場合には、生ガス積算タイマに所定のカウント値Tcを加算し、生ガス積算タイマが早期にカウントアップするようにしているので、途中失火後の再点火操作による点火動作を可能にしつつ、失火判定処理中に放出された未燃焼ガスによる爆発着火の発生を防止することができる。
なお、上述した実施形態は本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなく発明の範囲内で種々の設計変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態では、本発明をバランス式の風呂釜装置に適用した場合を示したが、本発明はこのような風呂釜装置に限らず、燃焼装置であれば、たとえば、瞬間式の湯沸かし器やガスコンロなどにも適用可能である。
また、上述した実施形態では、失火判定による失火検出時に生ガス積算タイマに所定のカウント値Tcを加算する場合を示したが、たとえば、失火判定中に操作つまみ30が消火位置に戻された場合にも失火検出時と同じように生ガス積算タイマに所定のカウント値Tcを加算するように構成することもできる。これにより、失火判定が終了する前にユーザが操作つまみ30を消火位置に戻した場合にも生ガス積算タイマには未燃焼の燃料ガスの放出分が加味され、その後の再点火操作による爆発着火の発生を防止することができる。
また、上述した実施形態では、種火バーナ16の炎検出手段としてサーモカップル28を用いた場合を示したが、炎の有無の検出ができるセンサであれば他のセンサ、たとえばフレームロッドを用いることも可能である。
1 風呂釜装置(燃焼装置)
2 熱交換器部
3 燃焼部
4 操作部(操作手段)
5 表示部
6 コントローラ(制御手段)
7 風呂熱交換器
8 給湯熱交換器
9 入水管
10 止水弁
12 出湯切替部
15 主バーナ
16 種火バーナ
17 元ガス弁
20 メインガス弁
21 パイロットガス弁
22 補助ガス弁
23 能力切替ガス弁
30 操作つまみ
32 カム機構
41,42 カムスイッチ
43 風呂スイッチ

Claims (5)

  1. ガスを燃料とするバーナと、前記バーナの炎を検出する炎検出手段と、前記炎検出手段によって前記バーナへの点火確認と点火確認後の失火判定を行う制御手段と、未燃焼の燃料ガスの放出時間を積算する生ガス積算タイマとを備え、
    前記制御手段は、操作手段による点火操作を受け付けたときに、前記生ガス積算タイマの計時値が所定時間以上である場合には点火禁止時間が経過するまで点火動作を行わせない制御構成を有する燃焼装置であって、
    前記制御手段は、前記失火判定において失火と判定したときには、前記生ガス積算タイマに前記所定時間に至らない範囲で設定される所定の計時値を加算することを特徴とする燃焼装置。
  2. 前記制御手段は、前記失火判定の判定処理中に前記操作手段の消火操作を受け付けた場合にも、前記生ガス積算タイマに前記所定の計時値を加算する制御構成を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
  3. 前記バーナへの燃料ガスの供給遮断時間を積算するキャンセルタイマを備え、
    前記制御手段は、このキャンセルタイマの計時値が上記点火禁止時間以上である場合には、前記生ガス積算タイマの計時値を初期値に戻す制御構成を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の燃焼装置。
  4. 前記所定の計時値は、点火確認後の失火発生から失火判定により失火と判定されるまでに要する予測所要時間に基づいて設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃焼装置。
  5. 前記バーナは、熱交換手段を加熱するための主バーナと、この主バーナに点火するための種火を保持する種火バーナとを有してなり、
    前記炎検出手段により前記種火バーナの炎を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の燃焼装置。
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