以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態の撮影機器の内部構成を示すブロック構成図である。図2,図3は、本実施形態の撮影機器の概略構成を示す外観図であって、主に背面表示装置の表示部を示している。このうち、図2は表示部にメニュー画面が表示されている状態を示している。図3は、表示部にフイルタ効果選択設定画面が表示されている状態を示している。なお、図3においては、本実施形態を撮影機器を使用してフイルタ効果処理を適用して撮影を行う際の様子を示しており、当該撮影機器が被写体としての人物に対峙している状態を例示している。
図4〜図6は、図1の撮影機器の背面表示装置の表示部におけるタッチパネルを操作する際の様子を示している。このうち、図4は、表示部にフイルタ効果レベル設定表示画面が表示されている状態を示している。図5は、図4の状態からタッチスライド操作を行って所望のフイルタ効果処理について所望の効果レベル設定に対する処理結果を確認している途中の状態を示している。図6は、図5の状態からフイルタ効果レベル設定を決定した状態を示している。
図7,図8は、本実施形態の撮影機器の作用を示すフローチャートである。このうち図7は、本撮影機器の機器制御処理のシーケンスの概略を示すフローチャートである。図8は、図7の「フイルタ効果レベル設定」処理(図7のステップS117の処理)の詳細を示すサブルーチンである。図9は、図8の「フイルタ効果レベル設定」処理を行う場合において参照される表示部(タッチパネル)上の座標を規定する概念図である。
本実施形態の撮影機器は、撮影光学系により結像された光学像を固体撮像素子等の光電変換素子等によって順次画像信号に変換し、これにより得られた画像信号を液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置を用いて順次再生表示すると共に、同画像信号を任意のタイミングで所定の形態の画像データ(静止画像データ若しくは動画像データ)に変換して記録媒体に記録し、また当該記録媒体に記録された画像データを画像として上記画像表示装置に再生表示し得るように構成されたデジタルカメラやビデオカメラ等の撮影機器である。
なお、本実施形態においては、撮影機器の使用時に被写体に対向する面を前面というものとする。撮影機器の使用時に使用者が対面する面を背面というものとする。また、操作部材のうちシャッターレリーズボタンが配設されている面を上面というものとする。そして、撮影機器の上面に対向して設けられる面を底面というものとする。
また、以下の説明に用いる各図面においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、これらの図面に記載された構成要素の数量,構成要素の形状,構成要素の大きさの比率及び各構成要素の相対的な位置関係は、図示の形態のみに限定されるものではない。
まず、本実施形態の撮影機器1の内部構成の概略を、図1を用いて以下に説明する。
本実施形態の撮影機器1は、信号処理・制御部11と、撮影ユニット12と、記録部14と、操作判定部16と、通信部17と、表示部18と、タッチパネル18bと、時計部19等を具備して構成されている。
信号処理・制御部11は、信号処理部と制御部とによって構成され、マイコン等からなる回路部である。このうち、制御部は、撮影機器1の各種構成ユニットから送られてくる各種制御信号を受けて、その制御信号に対応する各種の制御処理を実行すると共に、撮影機器1の全体を統括的に制御する制御回路である。信号処理部は、撮影ユニット12が取得した画像信号を受けて、所定の形態(例えば表示形態,記録形態等)の画像信号及び画像データを生成するための信号処理を行う信号処理回路である。
本実施形態の撮影機器1における信号処理・制御部11の制御部は、撮影機器1における通常の制御を行う制御回路のほかに、表示制御回路の一部としてアイコン表示制御部11cを具備している。このアイコン表示制御部11cは、画像加工処理(後述するフイルタ効果処理)を適用して撮影動作を行うのに先立って、適用を所望する画像加工処理の種類を選択設定する操作が行われる際、その選択設定操作の補助を担う目的で表示部18に表示する項目を表わすアイコン表示の表示制御等を行なう表示制御部である。
本実施形態の撮影機器1における信号処理・制御部11の信号処理部は、表示画像の加工処理を行う演算部11dを具備している。演算部11dは、撮像ユニット12から取り込まれた画像情報に対してユーザー操作部に相当するGUIによって表示画像加工を行う処理を司る回路部である。
そして、本実施形態の撮影機器1における信号処理・制御部11の信号処理部は、表示用画像信号や記録用画像データ等を生成するための各種の信号処理(例えば圧縮伸張処理等)を行う通常の処理機能を備えた画像処理部11eと、画像信号に対して画像を加工する画像加工処理であるフイルタ効果処理等の特殊な画像信号処理を施す画像処理部である特殊効果処理部11bを有して構成されている。
この特殊効果処理部11bは、例えば撮影レンズの前面に各種の光学フイルタ(例えば色変換フイルタ,コントラスト調整フイルタ等)を配置した場合に得られる画像効果や、特定用途の撮影レンズ(例えば魚眼レンズやアオリ機構付き撮影レンズ等)を用いた場合に得られる画像効果、若しくは露出調節やホワイトバランス調整,カラーバランス調整等の制御を行う際の各種設定値を変更することにより得られる画像効果等と、略同様の画像効果(以下、このような画像に反映される画像処理効果をフイルタ効果というものとする)を、撮影画像信号に付与し画像を加工する画像加工のための特殊な画像信号処理を実行する回路部である。
撮影ユニット12は、撮影レンズ12aと、撮像素子12bとによって主に構成される撮影部である。撮影レンズ12aは、被写体像を結像させる光学レンズと、この光学レンズを光軸に沿う方向に移動させて焦点調節及び変倍動作を実現するレンズ移動機構や絞り機構及びシャッター機構等の機構部材と、これらの機構部材を駆動制御する制御回路等を含んで構成される。撮像素子12bは、撮影レンズ12aの光学レンズによって結像される光学像を受けて、その光学像に対応する画像信号に変換する光電変換素子と、この光電変換素子を駆動制御する制御回路及び光電変換素子からの出力信号についての所定の信号処理等を行う信号処理回路等によって構成される。そして、撮像素子12bにより生成された画像信号は、信号処理・制御部11へと出力されるようになっている。なお、撮像素子12bに適用される光電変換素子としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子),CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補型金属酸化膜半導体)等の固体撮像素子等である。
記録部14は、各種データやプログラム等を格納する記録媒体と、この記録媒体に対する画像データやプログラム等の記録処理及び記録済み画像データやプログラム等の読み出し処理等を行う駆動回路部等により構成される。
記録部14の記録媒体には、撮影ユニット12によって取得され信号処理・制御部11において各種の信号処理が施されることにより生成された記録用画像データ等を記録する画像データ格納用の記録領域や表示部制御プログラム14aが記録される領域のほかに、特殊効果処理用プログラム格納部14b,一覧データ記録部14c等を有する。
特殊効果処理用プログラム格納部14bは、フイルタ効果処理を行うのに必要な特殊効果処理用プログラムが予め格納される記録領域である。本実施形態の撮影機器1において、特殊効果処理用プログラムは、個々のフイルタ効果処理に応じた適用レベルや各種パラメータ等を任意に設定変更して、効果処理の適用量を変更し得る処理を実現したものが採用されている。ただし、そのプログラム自体については、本発明に直接関連しない部分であるので、その詳細説明は省略する。また、一覧データ記録部14cには、フイルタ効果処理の種類を一覧形式で表示するためのデータが記録されている。
なお、記録部14の記録媒体は、撮影機器1の内部に固定配置される内蔵型の記録媒体としてもよいし、撮影機器1に対して着脱自在に構成される記録媒体(例えばカード型メモリカード等)の形態のものでもよい。
また、特殊効果処理用プログラム格納部14bに記録される特殊効果処理用プログラムや一覧データ記録部14cに記録される一覧データ等は、例えば記録部14の記録媒体が着脱自在のものであれば、記録媒体の交換によって、様々な種類のプログラムやデータの追加及び更新に容易に対応することができる。
さらに、本撮影機器1は、通信部17等を介して外部ネットワーク4上に存在する各種の外部サーバ2,3等との間でデータ通信を行うことができるようになっている。したがって、このようなデータ通信手段を利用することによって、特殊効果処理用プログラム等を、外部サーバ2,3等からダウンロードすることができるようにしてもよい。これにより、撮影機器1が本来有する特殊効果処理用プログラム等に加えて、さらにあとから開発される新たなプログラム,テーブルデータを追加若しくは更新することができる。このことは、フイルタ効果処理の種類を増加させることができ、さらなる表現のバリエーションの拡張を容易にすることができる。
操作判定部16は、撮影機器1に設けられる複数の操作部材(不図示)が使用者によって操作されることにより発生する指示信号を判定する回路部である。信号処理・制御部11は、操作判定部16による判定結果に基いて各構成ユニットの動作制御を実行する。ここで、撮影機器1の複数の操作部材としては、撮影動作に関与する操作部材,再生動作に関与する操作部材,データ通信に関与する操作部材,動作モードを切り替える操作部材,各種設定操作に関与する操作部材等がある。
具体的には、例えば撮影動作を実行するためのシャッターレリーズボタン16a(図2,図3参照)や、各種設定を行うための設定画面(メニュー画面)を呼び出すためのメニューボタン16b(図2,図3参照)等がある。
また、本実施形態の撮影機器1は、表示部18の表示に連繋するタッチパネル18bを有している。このタッチパネル18bは、表示部18の表示に対応する部位を使用者が直接タッチ操作する操作系を実現するものである。そのために、タッチパネル18bは、表示部18の表示画面の表面上に重ねて配置されている。そして、操作判定部16は、表示部18の表示及びタッチパネル18bからの信号を受けて操作判定を行うことができるようになっている。
表示部18は、信号処理・制御部11による信号処理の結果生成された表示用画像信号に基く画像表示,予め用意されているデータに基く設定メニュー表示や操作用表示(操作部材若しくはタッチパネル18bに対応する表示等)等を表示させる表示装置である。表示部18としては、例えば液晶表示装置(LCD)や有機ELディスプレイ等が適用される。
例えば、撮影機器1を撮影動作モードで使用する時、使用者は表示部18に表示されるライブビュー画像を見ながら構図やシャッターレリーズを行うタイミングを決定する。つまり、撮影動作時には、表示部18は主にファインダーとして機能する。また、表示部18に設定メニュー画面等を表示させた時には、使用者はタッチパネル18bを含む選択操作部として機能する操作部材を利用することにより、当該撮影機器1に対する各種設定操作や選択操作等を行うことができる。そして、撮影機器1を再生動作モードで使用する時には、表示部18には記録部14に記録済みの画像データを画像として表示させることができる。
さらに、本発明の撮影機器1においては、撮影動作モード時においてフイルタ効果処理を適用した撮影を行う場合(「アートフイルター」モード時)には、表示部18には適用し得るフイルタ効果処理の種類が一覧表示される。使用者は、この一覧表示から所望のフイルタ効果処理を選択する。これにより、表示部18には、選択したフイルタ効果処理の適用レベルを設定する選択設定画面がライブビュー画像に重畳表示される。使用者は、この選択設定画面で選択設定操作を行うと、表示部18には、その操作に応じた処理結果を反映したライブビュー画像が表示される。この場合において、タッチパネル18bは、選択操作部及び適用レベル設定操作部として機能する。
時計部19は、撮影機器1における内部電気回路の制御等において必要となる計時動作等に寄与する計時回路等からなる。例えば、動作処理の各処理ステップにおいて待機時間等を計測したり(タイマー機能)、撮影動作時の撮影日時情報を記録する際に参照されるものである。
なお、本実施形態の説明では、時計部19を単独の構成ブロックとして構成した例を示しているが(図1参照)、これに代えて、時計部19を信号処理・制御部11の内部に含めて構成するような形態としてもよい。
通信部17は、外部機器との間での通信を行って、各種データやプログラム等の送受信を行う回路部である。本実施形態の撮影機器1においては、例えば通信部17を介してインタネット等の外部ネットワーク4上に存在する各種の外部サーバ2,3等と接続することにより、画像効果処理用プログラム等をダウンロードすることができるようになっている。
本実施形態の撮影機器1は、上述した各構成部材以外にも、種々の構成部材を具備して構成されるものである。しかしながら、上述の構成部材以外の構成については、本発明に直接関連しない構成である。したがって、図1においては、図面の煩雑化を避けるために、それらの図示を省略する。これと共に、本実施形態においては、上述の説明以外の一般的な構成については、従来の撮影機器と同様の構成を有しているものとして、その詳細説明は省略する。
このように構成された本実施形態の撮影機器1を用いて撮影動作を行うのに際し、フイルタ効果処理を適用して撮影する場合の作用を、以下に説明する。
まず、本実施形態の撮影機器1を用いてフイルタ効果処理を適用した撮影(「アートフイルタ」モードでの撮影)を行う際のフイルタ効果処理の選択設定操作やフイルタ効果処理の適用レベル設定操作を含む作用の概略を、図2〜図6を用いて以下に説明する。
撮影機器1が起動している状態であって、撮影動作を実行し得る状態にある時、使用者がメニューボタン16bを操作すると、撮影機器1の表示部18には、図2に示すように、本撮影機器1の各種設定を行うための設定画面であるメニュー画面が表示される。このメニュー画面は、各種設定を行なうための複数の設定項目を一覧表示する表示画面である。
図2に示すメニュー画面の表示例では、選択し得るメニュー項目118aとして、ストロボ(発行装置)関連の設定項目「ストロボ」と、露出補正関連の設定項目「露出補正」と、セルフタイマー(遅延レリーズ)関連の設定項目「セルフ」と、フイルタ効果処理を適用する撮影時に関連する設定項目「アートフイルタ」とが表示されている。
上述したように、本実施形態の撮影機器1の表示部18には、タッチパネル18bが適用されている。したがって、表示部18に、図2に示すメニュー画面が表示されているときに、上記各設定項目の表示されている部位を使用者が手指等を用いてタッチ操作することによって、対応する設定項目が選択設定されることになる。
なお、中央に表示される設定項目「メニュー」は、直前の表示画面に戻るための設定項目である。具体的には、例えば、撮影機器1が撮影動作を実行し得る状態にある時にメニューボタン16bの操作を行なって、図2の状態にした場合には、図2のメニュー画面で「メニュー」をタッチ操作すると、メニュー画面は通常のライブビュー画像表示に切り替わり、撮影動作を実行し得る状態に戻る。
図2のメニュー画面において、使用者が設定項目「アートフイルタ」をタッチ操作すると、表示部18の表示は、図3に示すようなフイルタ効果選択設定画面に切り替わる。
なお、図3に示す状態は、撮影機器1の撮影レンズ12aが被写体100に向いている状況を示している。そして、この状態において、撮影機器1は、撮影動作を実行し得る状態(即ち撮影動作モード)に設定されており、さらに、上述の操作によってフイルタ効果処理を適用する撮影モード(以下、「アートフイルタ」モードという)に設定された状態で、かつ、表示部18には、フイルタ効果選択設定画面が表示されている状態を示している。
このフイルタ効果選択設定画面は、本撮影機器1により実行し得るフイルタ効果処理の一覧を所定の形態で表示する画面である。
図3に示すフイルタ効果選択設定画面の表示例では、表示部18の全表示領域を用いてライブビュー画像を表示させると共に、このライブビュー画像の一部に重畳させて、適用可能な複数の画像画像加工処理(フイルタ効果処理)の種類名称一覧を複数のアイコン118bを並べることで表示させている。
ここで、図2のメニュー画面の設定項目「アートフイルタ」を選択したとき、即ちフイルタ効果処理を適用して撮影を行なう場合において、適用可能なフイルタ効果処理の種類名称と、その効果処理の概略を、以下に例示する。
「ソフト」…ソフトフォーカスレンズを用いて撮影したように画面全体を柔らかいトーンに仕上げる効果
「白黒」…グレートーンで表現される白黒写真風に仕上げる効果
「セピア」…セピア調のモノクローム写真仕上げる効果
「ポップ」…色をカラフルで印象的に強調して、楽しく明るいポップな雰囲気の写真に仕上げる効果
「魚眼(フィッシュアイ)」…魚眼レンズを用いて撮影したように直線を円弧状に歪ませた構図に仕上げる効果
「ミニチュア」…周辺のピントをぼかして目の前の実風景をまるで玩具(ミニチュア)の世界のように仕上げる効果
「スケッチ」…輪郭を線画で描画するスケッチ風に仕上げる効果。
なお、図3の表示例では、「ソフト」,「白黒」,「セピア」,「ポップ」,「魚眼」の処理種類名称を並べて表示されている様子を示している。これらの種類以外にも、選択し得るフイルタ効果処理の種類が存在する場合には、例えばタッチパネル18b上で所定の方向へのタッチスライド操作(タッチ操作をしながら画面上を撫でるようにスライド操作する一連の操作。図3の例では画面上を上下方向にスライド操作する)を行なうと、本のページを繰るように、現在表示されていない他の種類のフイルタ効果処理の項目が表れるようになっている。
なお、表示部18に表示中の適用可能処理アイコン118b以外にも選択し得る適用可能処理アイコン118bが存在することを示すためには、例えば図3に示すページ指示アイコン118f等を表示するようにすればよい。使用者は、これを見て表示中の適用可能処理アイコン118b以外にも適用可能処理アイコン118bの存在を知ることができる。
このような形態で表示されるフイルタ効果選択設定画面において、使用者は所望のフイルタ効果処理項目を選択操作する。この場合の選択操作は、複数の適用可能処理アイコン118bのうちから所望のアイコンを、例えばタッチ操作する等により行なう。
図3のフイルタ効果選択設定画面において、使用者が所望の適用可能処理アイコン118bを選択操作(タッチ操作)すると、表示部18は、図4に示すフイルタ効果レベル設定表示画面に切り替わる。
フイルタ効果レベル設定表示画面は、図4に示すように、図3において適用可能処理アイコン118bが複数並べて表示されていた同じ表示領域に、選択されたフイルタ効果処理を表わすアイコン118cと、フイルタ効果レベルを設定するための効果レベル設定操作用表示119とが、ライブビュー画像に重畳した形態で表示される。
図4に示す例では、選択されたフイルタ効果処理として、「セピア」処理が選択されたものとする。したがって、図4においてアイコン118cは、「セピア」と表示されている。
効果レベル設定操作用表示119は、図4に示す例では、画面縦方向に渡って表示される直線を並べて表示した形態で表される。そして、この複数の直線の本数が、適用されるフイルタ効果のレベルを表わすようになっている。図4に示す例では、直線を6本表示させるようにすることで、フイルタ効果を6段階でレベル調整することができるようにしている。
使用者は、この効果レベル設定操作用表示119の複数の直線のうちの任意の位置をタッチ操作し、そのタッチ操作を維持しながら図4に示す表示部18の画面上を所定の方向へ向けて、図4に示す例では表示部18の長辺に沿う方向(横方向)であって画面に向かって左から右へ向けて、画面を撫でるようにスライド操作する。
図4に示す例では、効果レベル設定操作用表示119の複数の直線のうち図4において画面に向かって左から2本目の直線119aをタッチ操作している。この状態で、画面右方向に向けてスライド操作すると、図5に示すような状態となる。
図5に示す例は、図4の状態からタッチスライド操作を行なうことによって、表示部18の画面上の略中央部近傍まで、選択したレベルの直線119aのスライド操作を行なっている状態を示している。
このとき、直線119aは、図4に示す初期位置から画面左方向に移動することになる。このとき、直線119aが移動した領域(図5の斜点線がかかっている領域)のライブビュー画像に対してフイルタ効果処理が適用されるようになっている。つまり、直線119aをタッチスライド操作して画面左方向へと移動させると、その移動に伴ってフイルタ効果処理適用領域(斜点線領域)が増加していくようになっている。
そして、最終的に図6に示すように、タッチスライド操作による直線119aが表示部18の画面左端に到達したとき、ライブビュー画面全体に渡って、即ち画像全体に対してフイルタ効果処理が適用された状態になる。この状態となったとき、選択したレベル設定が決定されることになる。なお、図6に示す状態では、上述したように画面全体に表示されるライブビュー画像に、フイルタ効果処理(本例では「セピア」処理)が適用済みとなっているものとする。この場合、図6においては、図面の煩雑化を避けるために、上述の図5の例で示した斜点線での表示は省略している。
なお、図4の状態からタッチスライド操作を開始して、図5の状態を経て、図6の状態に達してレベル設定が決定されるまでの間において、例えば図5に示す状態にあるときに、タッチスライド操作が解除されたとすると、表示部18の効果レベル設定操作用表示119は、図4に示す状態に復帰する。
即ち、図6の状態に達する以前の状態では、選択したレベル設定に対応する直線119aが移動した領域に対して即座にフイルタ効果処理が適用されるようになっているので、画面全体に渡っての信号処理を行なうことなく、適用効果をすぐに確認することができる。
さらに、図6の状態に達する以前においては、レベル設定操作をいつでもキャンセルすることができる。そのためには、上述したようにタッチスライド操作を途中で解除するのみの操作でよい。そして、異なる設定の効果レベルを確認したい場合には、改めて効果レベル設定操作用表示119の複数の直線を任意に選択し、同様のタッチスライド操作を行なえばよく、異なる適用レベルによる表示結果を即座に確認することができることになる。したがって、無駄な処理時間を費やすこともなく、効果処理のレベルをその都度、即座に確認しながら、所望の効果処理レベルを設定することができるようになっている。
また、図6の状態にまでタッチスライド操作することによって決定されたレベル設定は、例えば図6の状態において、画面左端まで移動させた効果レベル設定操作用表示119にタッチして、逆方向、即ち画面左から右に向けてスライド操作することにより、キャンセルすることができる。
このように、本実施形態の撮影機器1においては、選択したフイルタ効果処理について、複数段階でのレベル設定を行ないことができるようにし、そのレベル設定操作を表示部18のタッチスライド操作によって実現するようにしている。そして、レベル設定操作を行なった際には、その処理効果が即座に表示部18のライブビュー画像に反映されるようにしているので、使用者は、フイルタ処理効果のレベル設定を容易に行なうことができるようになっている。
次に、本実施形態の撮影機器1の作用を、図7,図8のフローチャートを用いて以下に説明する。
まず、使用者は、電源オフ状態にある撮影機器1の操作部材のうち電源オンオフ部材(不図示)をオン操作する。これにより、撮影機器1は起動して、図7の機器制御の処理シーケンスが開始される(スタート)。
図7における各処理ステップのうち、
(1)ステップS101〜S108の処理ステップは、主に撮影動作モード時の処理ステップ、
(2)ステップS121〜S125の処理ステップは、主に再生動作モード時の処理ステップ、
(3)ステップS111〜S119の処理ステップは、主に設定操作処理の一部と「アートフイルタ」モード時の処理ステップ、
をそれぞれ示している。
まず、本実施形態の撮影機器1における撮影動作モード時の処理シーケンスの概要を以下に説明する。
図7のステップS101において、撮影機器1の信号処理・制御部11は、現在設定されている動作モードが撮影動作を実行し得る動作モード、即ち撮影動作モードに設定されているか否かの確認を行う。
なお、通常の場合、一般的なデジタルカメラ等の撮影機器においては、電源オン動作によって起動された直後の初期動作モードとしては、撮影動作モードに設定されているのが普通である。
また、一般的なデジタルカメラ等の撮影機器の撮影動作モードとしては、静止画像データを取得する静止画撮影モードと、動画像データを取得する動画像撮影モードとがある。本実施形態の撮影機器1においても、静止画像撮影モードと動画像撮影モードとを有するものとする。そして、本実施形態における撮影機器1が有するフイルタ効果処理の機能は、静止画像に対しても、動画像に対しても、いずれにも適用することができるのもである。
上述のステップS101の処理において、静止画像撮影モードと動画像撮影モードとのいずれかの撮影動作モードに設定されていることが確認された場合には、次のステップS102の処理に進む。一方、撮影動作モードが設定されていないことが確認された場合、例えば動作モード切替え操作部材が操作される等によって、他の動作モードが設定されている場合には、ステップS121の処理に進む。
ステップS102において、信号処理・制御部11は、撮影ユニット12,表示部18等を制御して、撮影動作を開始する。即ち、信号処理・制御部11は、撮像素子12bからの出力信号に基く所定の信号処理を行なうと共に、これにより生成された画像信号に基いて表示部18の表示画面上にライブビュー画像を表示させる処理を実行する。その後、ステップS103の処理に進む。
ステップS103において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して撮影動作を開始するための撮影操作の指示信号、例えば使用者がシャッターレリーズボタン16aを操作することにより生じるレリーズ信号が生じたか否かの確認を行う。ここで、撮影操作の指示信号が確認された場合には、次のステップS104の処理に進む。一方、撮影操作の指示信号が確認されない場合には、ステップS111の処理に進む。
ステップS104において、信号処理・制御部11は、上述のレリーズ信号を受けて、撮影ユニット12,表示部18等を制御して、実際の撮影動作、例えばAF動作,AE動作,AWB動作及びレリーズ動作等を実行する。その後、ステップS105の処理に進む。
ステップS105において、信号処理・制御部11は、取得した画像信号に対して所定の信号処理を行なって、当該画像信号の画像ファイル化、即ち記録用画像データファイルを生成する。そして、信号処理・制御部11は、記録部14を制御して、生成した記録用画像データファイルを記録媒体に記録する処理を実行する。その後、ステップS106の処理に進む。
ステップS106において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して電源オフ操作が行なわれたか否かの確認を行う。ここで、電源オフ操作が確認された場合には、次のステップS108の処理に進む。また、電源オフ操作が確認されない場合には、ステップS107の処理に進む。
ステップS108において、信号処理・制御部11は、上述の電源オフ指示信号を受けて、撮影機器1の主電源をオフ状態とする電源オフ処理を実行する。これにより、撮影機器1の制御シーケンスは終了する。
一方、上述のステップS106の処理において、電源オフ操作が確認されずにステップS107の処理に進むと、このステップS107において、信号処理・制御部11は、撮影機器1の動作モードの状態を変更する操作を受け付け得る動作モード変更操作受付状態とする処理を行なう。その後、ステップS101の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
次に、本実施形態の撮影機器1が再生動作モードで動作する場合の処理シーケンスの概要を以下に説明する。
上述のステップS101の処理において、撮影動作モードに設定されていないことが確認されてステップS121の処理に分岐すると、このステップS121の処理以降において、再生動作モードの処理シーケンスが実行される。
図7のステップS121において、信号処理・制御部11は、現在設定されている動作モードの確認を再度行なって、再生動作を実行し得る再生動作モードに設定されているか否かの確認を行う。ここで、再生動作モードに設定されていることが確認された場合には、次のステップS122の処理に進む。一方、再生動作モードに設定されていないことが確認された場合には、上述のステップS101の処理に進み、以降の処理を繰り返す。
なお、本実施形態の説明においては、撮影機器1の動作モードとして大きく分けて「撮影動作モード」と「再生動作モード」との二つの動作モードがあるものとして説明している。
しかしながら、撮影機器1の動作モードには、これら2つの動作モード以外の他の動作モードを有して構成される場合も当然考えられる。その場合には、上述のステップS121の処理の分岐において、さらに別の動作モードを確認するための処理シーケンスを同様に設けるようにすればよい。ただし、これによりさらに分岐した場合の別の動作モードの処理シーケンスについては、本発明に直接関係しない部分であるので、その詳細説明は省略する。
ステップS122において、信号処理・制御部11は、記録部14,表示部18等を制御して、記録媒体に記録済みの画像データについてのファイル一覧表示処理を実行する。その後、ステップS123の処理に進む。
ステップS123において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して再生表示すべき画像に関するデータファイル選択操作が行われたか否かの確認を行う。ここで、ファイル選択操作が行われたことが確認された場合には、次のステップS124の処理に進む。また、ファイル選択操作が所定の時間以上の間、行われなかった場合には、ステップS125の処理に進む。なお、この場合における所定の時間の経過確認は、時計部19による計時による。
ステップS124において、信号処理・制御部11は、表示部18等を制御して、上述のステップS123の処理にて選択されたデータファイルに基く画像の再生表示を行う選択ファイル再生表示処理を実行する。その後、ステップS125の処理に進む。
ステップS125において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して再生動作の終了操作が行われたか否かの確認を行う。ここで、再生終了操作が確認された場合には、上述のステップS106の処理に進む。また、再生終了操作が確認されず、他の操作(例えば一覧表示指示操作等)が行なわれた場合には、上述のステップS122の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
なお、上述のファイル一覧表示処理(ステップS122),ファイル選択操作処理(ステップS123),選択ファイル再生処理(ステップS124)等の各処理シーケンスの詳細については、本発明に直接関連しない部分であり、従来の撮影機器にて通常行われる処理と同様の処理がなされるものとして、それらの説明は省略する。
次に、本実施形態の撮影機器1における設定操作処理と「アートフイルタ」モード時の処理シーケンスを以下に説明する。
上述のステップS103の処理において、撮影操作の指示信号が確認されずにステップS111の処理に分岐すると、このステップS111の処理以降において、設定操作の処理シーケンスが実行される。
ステップS111において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視してメニューボタン16bが操作されることにより生じるメニュー表示指示信号が発生したか否かの確認を行う。ここで、メニュー表示指示信号が確認された場合には、ステップS112の処理に進む。また、メニュー表示指示信号が確認されなかった場合には、ステップS106の処理に進む。
ステップS112において、信号処理・制御部11は、表示部18等を制御して上記メニュー画面(図2参照)の表示処理を実行する。その後ステップS113の処理に進む。
ステップS113において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、図2のメニュー画面の複数の設定項目のうちから「アートフイルタ」が選択操作されたか否か、即ち使用者が表示部18の項目「アートフイルタ」に対応するタッチパネル18b上の部位をタッチ操作したか否かを確認する。ここで、その旨の指示信号が確認された場合には、フイルタ効果処理を適用する撮影モード、即ち「アートフイルタ」モードが選択されたものとして、次のステップS114の処理に進む。
一方、上述のステップS113の処理において、当該指示信号が確認されなかった場合には、メニュー項目のうち項目「アートフイルタ」以外の他の項目が選択操作されたものとして、各該当するメニュー項目に対応する処理シーケンスへと移行する。これらの他の項目の処理シーケンスは、本発明とは直接関連しないので、その詳細説明は省略する。
一方、上述のステップS113の処理にて、「アートフイルタ」モードが選択されてステップS114の処理に進むと、このステップS114において、信号処理・制御部11は、表示部18等を制御してフイルタ効果選択設定画面(図3参照)の表示処理を実行する。その後ステップS115の処理に進む。
ステップS115において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、いずれかのフイルタ効果処理の項目が選択されたか否かの確認を行なう。ここで、いずれかのフイルタ効果処理項目が選択されたことが確認されると、信号処理・制御部11は、記録部14を制御して特殊効果処理用プログラム格納部14bから選択されたフイルタ効果処理項目に応じた特殊効果処理用プログラムを読み出した後、次のステップS116の処理に進む。このステップS115の処理においては、いずれかのフイルタ効果処理項目が選択されるまで、当該選択設定画面を表示し、選択設定指示を待機する。
なお、これとは別に、ステップS115の処理において、信号処理・制御部11は、時計部19による所定時間の計時を行なって、フイルタ効果処理の選択設定指示のないまま設定された所定の時間が経過した場合には、キャンセル指示信号を発生させて、上述のステップS106の処理に戻るようにしてもよい。
上述のステップS115の処理にて、いずれかのフイルタ効果処理が選択されてステップS116の処理に進むと、このステップS116において、信号処理・制御部11は、表示部18,アイコン表示制御部11c等を制御してフイルタ効果レベル設定表示画面(図4参照)の表示処理を実行する。その後ステップS117の処理に進む。
ステップS117において、信号処理・制御部11は、表示部18,タッチパネル18b,特殊効果処理部11b等を制御して、フイルタ効果レベル設定の処理シーケンスを実行する。このフイルタ効果レベル設定の処理シーケンスの詳細を、図8を用いて以下に説明する。
上述したように図7のステップS117の処理にて、フイルタ効果レベル設定の処理シーケンスに入ると、まず、図8のステップS201において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、タッチ操作が行われたか否かの確認を行なう。ここで、タッチ操作が確認されるまで待機状態となる。そして、タッチ操作が確認された場合には、次のステップS202の処理に進む。
続いて、ステップS202において、信号処理・制御部11は、表示部18,タッチパネル18bの出力等に基いて、上述のステップS201の処理にて行われたタッチ操作によるタッチ位置の判定、即ちタッチ座標Xの獲得処理を行う。
ここで、表示部18,タッチパネル18b上でタッチ操作が行われた際のタッチ位置を判定するための概念を以下に説明する。
表示部18の表示画面の二次元平面について、図9に示すような座標系として考える。この場合において、図9に示す画面左下隅を基準点0(ゼロ)と規定すると共に、画面の横軸(長辺方向)をX軸とする。そして、X軸上における各点を次のように規定する。
画面右端点をXrm、
画面中央点を1/2Xm、
点1/2Xm〜点Xrmの間の領域における中央点をXr0、
点Xr0〜点Xrmの間の領域を三分割した場合の各点をXr1,Xr2、
と規定する。ここで、点Xr0〜点Xrmの間の領域を、図4に示す効果レベル設定操作用表示119に対応する領域とする。
したがって、図9に示す例では、設定し得る効果レベル=0〜3の4段階として、点Xr0〜Xr1の間の領域F1がタッチ操作されたときには、効果レベル1の処理が適用されるものとする。同様に、点Xr1〜Xr2の間の領域F2がタッチ操作されたときには、効果レベル2の処理が適用されるものとする。さらに、点Xr2〜Xrmの間の領域F3がタッチ操作されたときには、効果レベル3の処理が適用されるものとする。
本実施形態の撮影機器1においては、上述したようにフイルタ効果を6段階でレベル設定することができるようにしている(図4等参照)。これに対応させるためには、図9に示す表示部18の効果レベル設定操作用表示119に相当する領域、即ち点Xr0を通る画面縦方向の直線と、点Xmを通る画面縦方向の直線との間の領域について、X軸に沿う方向で5分割して、対応する点Xr1,Xr2,Xr3,Xr4,Xr5を規定する。そして、これら5つの点Xr1〜Xr5のそれぞれを通り、X軸に直交する画面縦方向の直線5本を規定する。これによって形成される各領域をF1〜F6とすれば、6段階のレベル設定に対応することができる。
なお、図8のサブルーチンにおいては、説明を簡略化するために、図9に示す場合の例、即ち効果レベルを4段階とした場合の処理シーケンスを示している。本実施形態の撮影機器1における6段階のレベル設定に対応させるためには、タッチ座標の位置確認処理の繰り返し回数(図8のステップS203〜S208の処理)を増やすのみでよい。
図8に戻って、上述のステップS202の処理にて、タッチ操作によるタッチ座標Xが獲得されると、その後、ステップS203の処理に進む。
ステップS203において、信号処理・制御部11は、上述のステップS202の処理にて獲得したタッチ座標Xについて、座標Xr0よりも大であるか否か(X>Xr0)を確認する。つまり、タッチ操作されたタッチ位置が、効果レベル設定操作用表示119に相当する領域内であるか否かの確認を行う。ここで、「X>Xr0」であることが確認された場合には、効果レベル設定操作用表示119に相当する領域内がタッチ操作されたものとして、次のステップS204の処理に進む。また、「X>Xr0」ではない場合には、上述のステップS201の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS204において、信号処理・制御部11は、同様にタッチ座標Xについて、座標Xr1よりも小であるか否か(X<Xr1)を確認する。ここで、「X<Xr1」であることが確認された場合には、ステップS207の処理に進み、このステップS207において、タッチ位置は領域F1で示す領域であると判定される。その後、ステップS210の処理に進む。一方、「X<Xr1」ではない場合は、次のステップS205の処理に進む。
ステップS205において、信号処理・制御部11は、同様にタッチ座標Xについて、座標Xr2よりも小であるか否か(X<Xr2)を確認する。ここで、「X<Xr2」であることが確認された場合には、ステップS208の処理に進み、このステップS208において、タッチ位置は領域F2で示す領域であると判定される。その後、ステップS210の処理に進む。一方、「X<Xr2」ではない場合は、次のステップS206の処理に進み、このステップS206において、タッチ位置は領域F3で示す領域であると判定される。その後、ステップS210の処理に進む。なお、設定し得るレベル段階がさらに多い場合は、同様の処理ステップを追加すればよい。
ステップS210において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、タッチ操作が維持された状態においてスライド操作が行われたか否かの確認を行なう。ここで、タッチスライド操作が確認された場合には、ステップS211の処理に進む。
ステップS211において、信号処理・制御部11は、上述のステップS210の処理にて確認されたタッチスライド操作によるスライド量に応じた表示部18上の画面領域に対して、上述のステップS206,S207,S208のいずれかの処理にて判定された領域Fに対応する効果レベルによるフイルタ効果処理を実行する。この処理は、図5を用いて上述した作用に相当する。その後、ステップS210の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
一方、上述のステップS210の処理にて、タッチスライド操作が確認されない場合には、ステップS212の処理に進む。
ステップS212において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、タッチ操作が解除されたか否かの確認を行なう。ここで、タッチ操作の解除が確認された場合には、ステップS213の処理に進む。また、タッチ操作が維持されている場合には、ステップS210の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS213において、信号処理・制御部11は、表示部18,タッチパネル18bの出力等に基いて、上述のステップS212の処理にてタッチ操作が解除された時点における最終的なタッチ位置の判定、即ち最終タッチ座標X2の獲得処理を行う。その後、ステップS214の処理に進む。
ステップS214において、信号処理・制御部11は、最終タッチ座標X2について、点1/2Xmより小であるか否か(X2<1/2Xm)を確認する。ここで、「X2<1/2Xm」であることが確認された場合には、ステップS215の処理に進む。
ステップS215において、信号処理・制御部11は、最終タッチ座標X2までの領域に対してフイルタ効果処理を実行する。その後、一連の処理を終了し、図7の処理シーケンスに復帰して、同図7のステップS118の処理に進む。この場合には、フィルタ効果レベル設定は確定している状態である。
一方、上述のステップS214の処理にて、「X2<1/2Xm」ではないことが確認された場合には、表示部18の表示を図5に示すような状態(途中までフイルタ効果処理を施した状態)から図4に示す初期状態に復帰させた後、一連の処理を終了する。この場合には、フィルタ効果レベル設定は確定していない状態である。
つまり、上記ステップS214の処理にて、上記ステップS212の処理にて判定された最終タッチ位置が、表示部18の画面上において、画面左半部の領域にまで達している場合には、最終タッチ座標X2までの領域に対してフイルタ効果処理を実行し、その状態を維持したまま一連の処理を終了する。
一方、画面右半部の領域内である場合は、それ以上のフイルタ効果処理を行うことなく、さらに、既に処理済みの効果処理をキャンセルした上で、一連の処理を終了する。そして、後述する図7のステップS118の処理を経て、再度フイルタ効果レベル設定の処理を繰り返すことができるようにしている。
なお、上記ステップS214の処理については、最終タッチ座標X2が画面左半部領域に達している場合には、最終タッチ座標X2までの領域のみではなく、画面全体の領域に対して自動的にフイルタ効果処理を実行するようにしてもよい。
図7に戻って、ステップS118において、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、フイルタ効果確定操作がなされているか否かの確認を行う。ここで、フイルタ効果確定操作は、例えば、上述の図8のフイルタ効果レベル設定処理における最終タッチ位置が画面左端、即ちX2=0である場合等とする。
ステップS118の処理にて、フイルタ効果確定操作が確認されている場合には、ステップS119の処理に進み、このステップS119において、フイルタ効果レベルを決定する処理を行う。その後、ステップS106の処理に進む。また、フイルタ効果確定操作が確認されていない場合には、上述のステップS117の処理に進み、以降の処理を繰り返す。
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、フイルタ効果処理を適用する撮影モード(「アートフイルタ」モード)での使用時に、設定した所望のフイルタ効果処理についての適用レベル設定の操作を、簡単かつ直感的な操作で行なうことができる。
また、レベル設定操作に応じてライブビュー画像に対するアートフィルタ効果処理をリアルタイムで実行しているので、使用者は、表示画面を確認しながら、所望のフイルタ効果処理の適用レベルの設定を確実に行なうことができる。したがって、複雑な操作を行うことなく所望の設定操作を簡単に行なうことができ、撮影機器1自体の使用感の向上に寄与することができる。
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態では、選択したフイルタ効果処理についての適用レベル設定の操作において、設定しようとする適用レベル毎に操作を繰り返すようにしている。
次に説明する第2の実施形態の撮影機器は、上述の第1の実施形態におけるような操作体系とは異なるレベル設定操作を実現したものである。
図10〜図13は、本発明の第2の実施形態の撮影機器における作用を示す図である。このうち、図10〜図12は、撮影機器の背面表示装置の表示部におけるタッチパネルを操作する際の様子を示し、図10は、表示部にフイルタ効果レベル設定表示画面が表示され、かつ「はじくスライド操作」を行なった際の状態を示している。図11は、図10の「はじくスライド操作」によってフイルタ効果処理が段階的に自動変化する表示状態を示している。図12は、図11の表示状態の途中においてフイルタ効果レベル設定の決定操作を行なった際の様子を示している。
図13は、本実施形態の撮影機器の機器制御処理のシーケンスのうち「フイルタ効果レベル設定」処理の詳細を示すサブルーチンである。
なお、本実施形態の撮影機器の構成自体は、上述の第1の実施形態の撮影機器と全く同様のものであり、その作用が異なるのみである。したがって、構成についての説明は、上述の第1の実施形態を参照するものとする。
本実施形態の撮影機器1を用いて撮影動作を行うのに際し、フイルタ効果処理を適用して撮影する場合(「アートフイルタ」モードで)の作用を、以下に説明する。
まず、本実施形態の撮影機器1を用いてフイルタ効果処理を適用した撮影(「アートフイルタ」モードでの撮影)を行なう際のフイルタ効果処理の選択設定操作やフイルタ効果処理の適用レベル設定操作を含む作用の概略を、図10〜図12を用いて以下に説明する。
まず、撮影機器が撮影モードで起動している時に、メニューボタン16b等を用いて表示部18にメニュー画面(図2参照)を表示させる。
次に、メニュー画面(図2)において、設定項目「アートフイルタ」をタッチ操作等により選択して、表示部18にフイルタ効果選択設定画面(図3参照)を表示させる。
続いて、フイルタ効果選択設定画面(図3)において、所望の適用可能処理アイコン118bを選択操作(タッチ操作)して、表示部18にフイルタ効果レベル設定表示画面(図10参照;図4と同様)を表示させる。なお、図10に示す例は、「セピア」処理が選択されたものとし、これを示すアイコン118cが表示されている。
図10に示すフイルタ効果レベル設定表示画面において、使用者は、まず指先等によって表示部18の表示画面上の効果レベル設定操作用表示119に相当する領域をタッチ操作する。これにより、最初の表示させるフイルタ効果処理のレベル設定を行う。
次いで、使用者は、表示部18の表示画面上を弾くような動作を伴ったタッチスライド操作を行う(図10の矢印X1参照)。この弾くタッチスライド操作を行うことにより、表示部18のライブビュー画像に対して選択されたフイルタ効果処理(本例では「セピア」処理)が設定レベルの順に自動的に施され、その結果が次々と表示画面に反映されるようになっている。図11は、そのときの表示変化の様子を概念的に示すものである。
図11において、符号F1〜F6は、フイルタ効果処理の設定レベルを示している。上述のように、図10の状態において表示画面を弾くタッチスライド操作を行うと、まず、フイルタ効果処理の設定レベルF1による画像加工処理(フイルター効果処理)が施された所定範囲の画像が画面右端から左端へ向けてスクロールする。図11に示す例では、レベルF1による処理済み領域を左斜点線ハッチングで示している。
上記領域F1に続いて、設定レベルF2によるフイルター効果処理が施された所定範囲の画像が、同様に画面右端から左端へ向けてスクロールする。図11に示す例では、レベルF2による処理済み領域を右斜点線ハッチングで示している。
上記領域F2に続いて、設定レベルF3によるフイルター効果処理が施された所定範囲の画像が、同様に画面右端から左端へ向けてスクロールする。図11に示す例では、レベルF3による処理済み領域を左斜点線と右斜点線とのクロスハッチングで示している。
以下、同様に、設定レベルF3〜F6までのフイルター効果処理が施された画像がスクロール表示されるようになっている。
なお、上述した説明では、各設定レベルによるフイルター効果処理が施される画像を所定範囲としているが、これとは異なる形態としてもよい。例えば、最初の設定レベルによるフイルター効果処理を全画面に対して施した後に、次の設定レベルによるフイルター効果処理を施すようにしてもよい。
また、図11に示す例では、アイコン118cも移動するようにしている。このように、アイコン118cを移動させることにより、使用者は、現在設定されているフイルター効果処理の種類を常に認識できるようになる。
このような自動表示が行われているときに、使用者は、任意のタイミングで表示部18の表示画面をタッチ操作する。例えば、所望の効果の画像が表示されているタイミングで、表示画面を図12に示す如くに、通常のタッチ操作よりもタッチ時間を短時間とするタッチ操作を行うと、上記自動スクロール表示が停止して、現在表示中のフイルター効果処理の設定レベルによる画像が表示画面全体に表示される。そして、そのときの設定レベルは、効果レベル設定操作用表示119の直線の本数により確認することができるようになっている。この状態となったとき、フイルタ効果処理の種類とその設定レベルが決定される。こうしてフイルタ効果処理の種類とその設定レベルが決定されると、それ以降、表示部18の表示画面に表示されるライブビュー画像は、決定済みのフイルター効果処理が、決定された設定レベルによって施され続ける。
次に、本実施形態の撮影機器の機器制御処理シーケンスを説明する。本実施形態の機器制御処理シーケンスは、基本的には上述の第1の実施形態と同様である。本実施形態においては、機器制御処理のシーケンスのうち「フイルタ効果レベル設定」処理の一部の処理ステップが異なるのみである。したがって、本実施形態の機器制御処理のメインフローは、図7を参照するものとし、「フイルタ効果レベル設定」処理の異なる処理ステップについて、図13を用いて以下に説明する。
図13のステップS201において、信号処理・制御部11は、タッチ操作が行われたか否かの確認を行なう。ここではタッチ操作が確認されるまで待機状態となる。そして、タッチ操作が確認された場合には、次のステップS202の処理に進む。
ステップS202において、信号処理・制御部11は、上述のタッチ操作によるタッチ位置の判定を行って、タッチ座標Xの獲得処理を行う。ここで、表示部18,タッチパネル18b上のタッチ位置を判定するための座標系は、上述の第1の実施形態と同様に、図9を参照する。
なお、本実施形態の撮影機器においても、フイルタ効果を6段階でレベル設定することができるようにしている。これに対応させるための手段は、上述の第1の実施形態で説明したのと全く同様の手段による。
また、図13のサブルーチンにおいても説明の簡略化のために、効果レベルを4段階とした場合の処理シーケンス(図9の例参照)としている。したがって、本実施形態の撮影機器において6段階のレベル設定に対応させるためには、タッチ座標の位置確認処理の繰り返し回数(図13のステップS203A〜S208の処理)を増やせばよい。
図13のステップS202の処理にて、タッチ操作によるタッチ座標Xが獲得されると、その後、ステップS203Aの処理に進む。
ステップS203Aにおいて、信号処理・制御部11は、上述のステップS202の処理にて獲得したタッチ座標Xについて、座標1/2Xmよりも小であるか否か(1/2Xm<X)を確認する。このことは、タッチ操作されたタッチ位置が、表示部18の表示画面上において右半部の領域か否かをしている。そして、本実施形態では、画面右半部である場合にのみレベル設定の操作を有効なものと判定するようにしている。なお、画面左半部に対するレベル設定操作を有効なものとするようにしてもよい。
ここで、「1/2Xm<X」であることが確認された場合には、レベル設定操作が有効であるものとして、次のステップS204の処理に進む。また、「1/2Xm<X」ではない場合には、上述のステップS201の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS204において、信号処理・制御部11は、タッチ座標Xについて、座標Xr1よりも小であるか否か(X<Xr1)を確認する。ここで、「X<Xr1」である場合には、ステップS207の処理に進み、このステップS207において、タッチ位置は領域F1で示す領域であると判定される。その後、ステップS210Aの処理に進む。一方、「X<Xr1」ではない場合は、次のステップS205の処理に進む。
ステップS205において、信号処理・制御部11は、タッチ座標Xについて、座標Xr2よりも小であるか否か(X<Xr2)を確認する。ここで、「X<Xr2」であることが確認された場合には、ステップS208の処理に進み、このステップS208において、タッチ位置は領域F2で示す領域であると判定される。その後、ステップS210Aの処理に進む。一方、「X<Xr2」ではない場合は、次のステップS206の処理に進み、このステップS206において、タッチ位置は領域F3で示す領域であると判定される。その後、ステップS210Aの処理に進む。なお、設定し得るレベル段階がさらに多い場合は、同様の処理ステップを追加すればよい。
つまり、本実施形態においては、上述のステップS206,S207,S208等の処理にて、最初に適用するべき効果レベルの初期値を確認している。
ステップS210Aにおいて、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、弾くタッチスライド操作が行われたか否かの確認を行なう。ここで、弾くタッチスライド操作が確認された場合には、ステップS211Aの処理に進む。
ステップS211Aにおいて、信号処理・制御部11は、上述のステップS206,S207,S208等のいずれかの処理にて判定された領域Fに対応する効果レベルによるフイルタ効果処理を、一定時間だけ行う。その結果、表示画面上のライブビュー画像は、所定の範囲(例えば図11の領域F1で示す範囲)に処理結果が反映されたものとなる。その後、ステップS212Aの処理に進む。
ステップS212Aにおいて、信号処理・制御部11は、操作判定部16からの指示信号を監視して、タッチ操作が行われたか否かの確認を行なう。ここで、タッチ操作が確認されると、次のステップS215Aの処理に進む。また、タッチ操作が確認されない場合には、上述のステップS211Aの処理に戻り、以降の処理を繰り返す。即ち、タッチ操作が確認されない場合には、次の設定レベルによるフイルタ効果処理を、一定時間だけ実行し、所定の範囲(例えば二回目の処理であれば図11の領域F2で示す範囲)に処理結果を反映させて、表示画像を変化させる一連の処理が続けて実行される。
上述のステップS212Aの処理にてタッチ操作が確認されると、次のステップS215Aにおいて、フイルタ効果処理の種類とその設定レベルを決定(確定)する。これにより、表示部18の表示画面に表示されるライブビュー画像は、決定済みのフイルター効果処理が、決定された設定レベルによって施され続ける。その後、メインフローに復帰する(リターン)。
なお、上述のフローチャートには図示していないが、上記ステップS215Aの処理にてフイルタ効果処理の種類とその設定レベルが確定した後、画定した設定レベルの加減設定を行うことができるようにしてもよい。その場合の処理シーケンスは、次のようになる。
即ち、上記ステップS215Aの処理にてフイルタ効果処理の種類とその設定レベルが確定した後、上述のステップS210Aと同様の弾くタッチスライド操作の確認(若しくは通常のタッチスライド操作の確認でもよい)を再度実行する処理ステップを設ける。ここで、タッチスライド操作が確認されない場合は一連の処理シーケンスを終了する。
上記タッチスライド操作が確認されたら、そのタッチスライド操作のスライド方向、例えば表示画面上のX軸上におけるプラス方向(右方向)か、マイナス方向(左方向)かの判定を行う。このタッチスライド操作の方向により、現在設定されている設定レベルについての加減処理を自動的に行って、その処理結果を表示部18のライブビュー画像に反映させた表示を行う。
以上説明したように上記第2の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて、本実施形態においては、使用者が設定した効果レベルを初期値として、効果レベルを順に変化させてフイルタ効果処理を施した画像を、順番に連続表示させるようにしたので、使用者は所望の画像が表示されたタイミングで、タッチ操作をするのみで所望の設定レベルを確定することができる。
[第3の実施形態]
上述の各実施形態の撮影機器においては、例えば第1の実施形態における図1に示すように、通信部17を具備しており、この通信部17を介して外部ネットワーク4上に存在する各種の外部サーバ2,3等との間でデータ通信を行うことができるように構成している。そして、このデータ通信手段を利用することによって、特殊効果処理用プログラム等を、外部サーバ2,3等からダウンロードすることができるように構成していた。このような構成により、上述の各実施形態の撮影機器においては、最新の特殊効果処理用プログラム等を、簡単に追加し若しくは更新することができ、よって、実行可能なフイルター効果処理の多様化に容易に対応できるようにしている。
特殊効果処理用プログラム等の追加,更新をするための手段としては、上記データ通信手段に限られることはない。例えば、記録部14の記録媒体が撮影機器に対して着脱自在の形態のもの(例えばカード型メモリカード等)であれば、その記録媒体を介して他の外部機器(不図示)から特殊効果処理用プログラム等をコピーし、当該撮影機器で利用することができる。また、記録部14の記録媒体が機器内部に固定の内蔵型のものであっても、特殊効果処理用プログラム等を有する外部機器(不図示)と当該撮影機器とをケーブル接続することによって、外部機器の持つ特殊効果処理用プログラム等を、当該撮影機器の内蔵記録媒体にコピーすることが可能である。これらの手段は、上述の各実施形態の撮影機器においても実現可能である。なお、着脱自在に構成される記録媒体を実現する構成(例えば記録媒体着脱機構や、装着した記録媒体との間のデータ信号伝送回路等の構成等)や、外部機器とのケーブル接続のための構成(例えば機器接続用コネクタ等や、該コネクタに接続される接続ケーブルを介して外部機器との間のデータ信号伝送回路等の構成等)は、従来の撮影機器において一般に普及している技術を利用すればよい(図示は省略)。
本発明の第3の実施形態の撮影機器の構成を、以下に説明する。図14は、本実施形態の撮影機器の内部構成を示すブロック構成図である。本実施形態の撮影機器1Aにおいては、上述の第1の実施形態の撮影機器1(図1参照)からデータ通信手段、即ち通信部17を省略した形態としている点が異なるのみである。それに伴い、図14においては、外部ネットワーク4,外部サーバ2,3等が不要となる。そして、特殊効果処理用プログラム等の追加,更新をするための手段としては、上述したように、データ通信手段以外の手段、即ち記録媒体を介在させる手段、若しくは外部機器とのケーブル接続による手段等を利用する。その他の構成は、上記第1の実施形態の撮影機器1と全く同様である。
このような構成からなる上記第3の実施形態の撮影機器1Aにおいては、通信部17を省略しながら、上述の第1の実施形態の撮影機器1と全く同様に、特殊効果処理用プログラム等の追加,更新等を行うことができる。したがって、本実施形態の撮影機器1Aにおいては、上述の第1の実施形態の機能と同等の機能を保持しながら、内部構成の簡略化を実現することができると共に、製造コストの低減化に寄与することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。