JP2011244379A - 圧電発音体 - Google Patents

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幸弘 松井
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Abstract

【課題】圧電素子の角型形状に起因する周波数−音圧特性におけるディップの発生を抑制することが可能な圧電発音体を提供する。
【解決手段】角型スピーカとして用いられる圧電発音体20であって、角型の複数の圧電体層と圧電体層のそれぞれを挟んで対向するように配設された角型の複数の電極とを有する圧電素子11と、圧電素子の一方の主面に貼着された振動板12と、振動板の縁部近傍を支持する環状の支持部14cを有する角型の支持体14と、を備え、圧電素子の4つの隅部それぞれの近傍において、厚さ方向で隣接する複数の電極のうちの一部の電極に切欠きが形成されている。このため、圧電素子の角型形状に起因する周波数−音圧特性におけるディップの発生を緩和することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、角形のスピーカとして用いられる圧電発音体に関する。
薄型の電子機器や携帯型の電子機器におけるレシーバやスピーカ等の用途として、圧電発音体が用いられている。前記圧電発音体は、例えば、円板状のセラミック圧電体の両主面に表面電極を形成した圧電素子をリン青銅等の金属からなる振動板の主面に貼着した圧電振動板をキャップ状の樹脂製ケース等の内部に収容したものである。近年、上記機器において、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の大画面化に合わせて、大きな音圧と、スペース効率の向上とが求められるようになっている。このため、角型のバイモルフ型の圧電素子を用いた圧電発音体が提案されている。
上記角型の圧電素子の一例として、特許文献1には、図6に示すように、角型のバイモルフ型圧電振動板111を有する圧電型電気音響変換器が提案されている。具体的には、2層または3層の圧電セラミックス層111d1,111d2を積層して積層体が形成されている。この積層体の一方の主面および他方の主面には表面電極111b1,111b2が形成され、各セラミックス層111d1,111d2の間には内部電極111a2が形成されている。そして、すべてのセラミックス層111d1,111d2は太線矢印に示すように厚み方向において同一方向に分極されている。表面電極111b1,111b2と内部電極111a2との間に例えば細線矢印方向およびこれと反対の方向に交番信号を印加することで、角型のバイモルフ型圧電振動板111が全体として屈曲振動を生じる。
特開2001−95094号公報
上記背景技術に記載の圧電型電気音響変換器においては、角型の圧電素子を用いているため、周波数−音圧(SPL)特性において、例えば図7に示すように、太線破線で囲まれるDの領域(4kHz)付近に、圧電スピーカとして望まれる目標音圧レベルから大きく低下するディップが生じ、音響特性のバランスを損なうという課題があった。本発明者等が鋭意検討した結果、上記周波数付近における振動モードでは、角型の圧電素子の4つの隅部の近傍にそれぞれピークを有するとともに圧電素子の中心部の変位方向に対して逆向きの変位が生じることを見出した。本発明者等は、これに基づきさらに検討をすすめ、本発明を創出するに至った。本発明は、上記周波数−音圧特性におけるディップの発生を緩和することが可能な圧電発音体を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、(1)角型スピーカとして用いられる圧電発音体であって、角型の複数の圧電体層と該圧電体層のそれぞれを挟んで対向するように配設された角型の複数の電極とを有する圧電素子と、該圧電素子の一方の主面に貼着された振動板と、該振動板の縁部近傍を支持する環状の支持部を有する角型の支持体と、を備え、前記圧電素子の4つの隅部それぞれの近傍において、厚さ方向に隣接する複数の電極のうちの一部の電極に切欠きが形成されていることを特徴とする(以下、本発明の第1の技術手段と称する)。
また、上記圧電発音体の主要な形態の一つは、上記第1の技術手段に加えてさらに、(2)前記厚さ方向に隣接する電極に形成された切欠きは、上面視において、位置および形状の少なくとも一方が互いに異なる(以下、本発明の第2の技術手段と称する)。
また、上記圧電発音体の主要な形態の一つは、上記第1の技術手段に加えてさらに、(3)前記圧電素子は、前記電極の切欠き内にスルーホール接続部が配設されている(以下、本発明の第3の技術手段と称する)。
上記第1の技術手段による作用は次の通りである。すなわち、角型スピーカとして用いられる圧電発音体であって、角型の複数の圧電体層と該圧電体層のそれぞれを挟んで対向するように配設された角型の複数の電極とを有する圧電素子と、該圧電素子の一方の主面に貼着された振動板と、該振動板の縁部近傍を支持する環状の支持部を有する角型の支持体と、を備え、前記圧電素子の4つの隅部それぞれの近傍において、厚さ方向に隣接する複数の電極のうちの一部の電極に切欠きが形成されている。1c、48b:第2のこれにより、角型の圧電素子の4つの隅部それぞれの近傍において、圧電素子の中心部の変位方向に対して逆向きの変位におけるそれぞれのピークの変位量を抑制することができる。
上記第2の技術手段による作用は次の通りである。すなわち、厚さ方向に隣接する電極に形成された切欠きは、上面視において、位置および形状の少なくとも一方が互いに異なるので、圧電発音体の一次振動モードにおける音圧の低下を抑制しつつ、圧電素子の角型形状に起因する周波数−音圧特性におけるディップの発生を緩和することが可能な圧電発音体を提供することができる。
上記第3の技術手段による作用は次の通りである。すなわち、前記圧電素子は、前記電極の切欠き内にスルーホール接続部が配設されているので、スルーホール接続部を形成するための電極の有効面積のさらなる減少を抑制することができ、圧電発音体の音圧の低下を抑制することができる。
本発明の圧電発音体によれば、角型の圧電素子の4つの隅部それぞれの近傍において、圧電素子の中心部の変位方向に対して逆向きの変位におけるそれぞれのピークの変位量を抑制することができる。このため、圧電素子の角型形状に起因する周波数−音圧特性におけるディップの発生を緩和することが可能な圧電発音体を提供することができる。本発明の前記目的とそれ以外の目的、構成特徴、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかにする。
本発明の圧電発音体の第1の実施形態の概要を示す外観斜視図である。 上記実施形態の圧電発音体の内部構造の概要を示す分解斜視図である。 上記実施形態の圧電発音体に用いられる圧電素子の内部構造を示す分解斜視図である。 上記実施形態の圧電発音体に用いられる圧電素子の概要を示す斜視図である。 本発明の実施例および比較例の圧電発音体の音響特性を示す図である。 従来例の圧電発音体に用いられる圧電素子の内部構造の概要を示す拡大断面図である。 従来例の圧電発音体の音響特性を示す図である。 従来例の圧電発音体に用いられる圧電素子の変位量の分布を示す図である。
以下、本発明の圧電発音体の第1の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。本実施形態の圧電発音体20は、図1に示すように、その外観は角型である。そして、図2に示すように、圧電発音体20の構成の概要は、振動板12と、振動板12の一方の主面12F側に貼着された角型の支持体14と、振動板12の他方の主面12B側に貼着された圧電素子11と、振動板12の他方の主面12B側に貼着された一対の端子部15,15と、振動板12の一方の主面12F側に形成された複数の引出導体18a,18bとを有する。
振動板12は、図3に示すように、複数の第1の開口13a1,13b1が形成された四角形状の主領域12Sと、主領域12Sの互いに対向する辺からそれぞれ外周に突設された複数の延出部12a,12bを備える。そして、延出部12a,12bには、第2の開口13a2,13b2がそれぞれ形成されている。
支持体14は、外形は角型であり、振動板12の主領域12Sおよび延出部12a,12bの連続する外周縁の近傍を環状に支持する支持部14cを有し、振動板12の一方の主面12F側に貼着されている。支持体14には、振動板12の延出部12a,12bのそれぞれ第2の開口13a2,13b2に対応する位置に切欠き14a,14bが形成されている。
圧電素子11は、一方の主面上の振動板12の第1の開口13a1,13b1に対応した位置に形成された電極11c1および複数の電極片11f11,11f12,11f13,11f14を有し、振動板12の他方の主面12B側の圧電素子に重なる領域12c内に貼着されており、バイモルフ型で、外形は角型である。圧電素子11は、その内部構造を図3に示すように、圧電性セラミックからなる複数の圧電体層11d,11d,11d,11d,11d,11dを備える。また、圧電体層11d〜11dのそれぞれを挟んで対向するように角型の複数の電極11c1、11a2,11c3,11a4,11b5,11a6,11b7を有する。第1の圧電体層11d1の一方の主面上の電極11c1には、4つの隅部それぞれの近傍に、切欠き11e11,11e12,11e13,11e14が形成されている。また、各切欠き内には、それぞれ電極11c1と独立して電極片11f11,11f12,11f13,11f14が配設されている。第1の圧電体層11dを挟んで電極11c1と対向する第2の圧電体層11dの一方の主面上の電極11a2には、4つの隅部それぞれの近傍に、切欠き11e21,11e22,11e23,11e24が形成されている。上面視において、第1の圧電体層11dを挟んで対向する電極11c1の切欠き11e11,11e12と電極11a2の切欠き11e21,11e22とは、互いに位置が異なる。また、切欠き11e13,11e14と切欠き11e23,11e24とは、互いに形状が異なる。また、各切欠き内には、それぞれ電極11a2と独立して電極片11f21,11f22,11f23,11f24が配設されている。電極片11f11と電極11a2とは圧電体層11dを厚さ方向に貫通するスルーホール導体11g11により導電接続されている。同様に、電極片11f13と電極片11f23とはスルーホール導体11g12により導電接続されている。同様に、電極11c1と電極片11f21とはスルーホール導体11g13により導電接続されている。 第2の圧電体層11dを挟んで電極11a2と対向する第3の圧電体層11
の一方の主面上の電極11c3には、4つの隅部それぞれの近傍に、切欠き11e31,11e32,11e33,11e34が形成されている。上面視において、第2の圧電体層11dを挟んで対向する電極11a2の切欠き11e21,11e22と電極11c3の切欠き11e31,11e32とは、互いに位置が異なる。また、切欠き11e23,11e24と切欠き11e33,11e34とは、互いに位置及び形状が異なる。また、各切欠き内には、それぞれ電極11c3と独立して電極片11f31,11f32,11f33,11f34が配設されている。 電極11a2と電極片11f31とは圧電体層11dを厚さ方向に貫通するスルーホール導体11g21により導電接続されている。同様に、電極片11f23と電極片11f33とはスルーホール導体11g22により導電接続されている。同様に、電極片11f21と電極11c3とはスルーホール導体11g23により導電接続されている。 第3の圧電体層11dを挟んで電極11c3と対向する第4の圧電体層11dの一方の主面上の電極11a4には、4つの隅部のうちの互いに隣接する2つの隅部それぞれの近傍に、切欠き11e43,11e44が形成されている。上面視において、第3の圧電体層11dを挟んで対向する電極11c3の切欠き11e33,11e34と電極11a4の切欠き11e43,11e44とは、互いに位置および形状が異なり、電極11a4には、電極11c3の切欠き11e31,11e32と対向する切欠きは形成されていない。また、各切欠き内には、それぞれ電極11a4と独立して電極片11f43、11f44が配設されている。 電極片11f31と電極11a4とは圧電体層11dを厚さ方向に貫通するスルーホール導体11g31により導電接続されている。同様に、電極片11f33と電極片11f43とはスルーホール導体11g32により導電接続されている。 第4の圧電体層11dを挟んで電極11a4と対向する第5の圧電体層11dの一方の主面上の電極11b5には、4つの隅部のうちの互いに隣接する2つの隅部それぞれの近傍に、切欠き11e51,11e52が形成されている。上面視において、第4の圧電体層11dを挟む電極11a4の切欠き11e43,11e44と電極11b5の切欠き11e51,11e52とは、対向していない。また、各切欠き内には、それぞれ電極11b5と独立して電極片11f51,11f52が配設されている。 電極11a4と電極片11f51とは圧電体層11dを厚さ方向に貫通するスルーホール導体11g41により導電接続されている。同様に、電極片11f43と電極11b5とはスルーホール導体11g42により導電接続されている。 第5の圧電体層11dを挟んで電極11b5と対向する第6の圧電体層11dの一方の主面上の電極11a6には、4つの隅部のうちの互いに隣接する2つの隅部それぞれの近傍に、切欠き11e63,11e64が形成されている。上面視において、第5の圧電体層11dを挟む電極11b5の切欠き11e51,11e52と電極11a6の切欠き11e63,11e64とは、対向していない。また、各切欠き内には、それぞれ電極11a6と独立して電極片11f63,11f64が配設されている。 電極片11f51と電極11a6とは圧電体層11dを厚さ方向に貫通するスルーホール導体11g51により導電接続されている。同様に、電極11b5と電極片11f63とはスルーホール導体11g52により導電接続されている。 第6の圧電体層11dを挟んで電極11a6と対向する電極11b7には、切欠きは形成されていない。 電極片11f63と電極11b7とは圧電体層11dを厚さ方向に貫通するスルーホール導体11g62により導電接続されている。 以上から明らかなように、圧電素子11の4つの隅部それぞれの近傍11E,11E,11E,11Eにおいて、厚さ方向に隣接する複数の電極のうちの一部の電極に切欠きが形成されている。また、厚さ方向に隣接する電極に形成された切欠きは、上面視において、位置および形状の少なくとも一方が互いに異なる。 また、以上から明らかなように、圧電素子11の一方の主面上の電極11c1はスルーホール導体及び電極片を介して電極11c3と導電接続されている。また、圧電素子11の一方の主面上の電極片11f11は、スルーホール導体および電極片を介して電極11a2,11a4,11a6と導電接続されている。また、圧電素子11の一方の主面上の電極片11f13は、スルーホール導体および電極片を介して電極11b5,11b7に導電接続されている。尚、図示省略するが、上記すべての圧電体層11d,11d、11d,11d,11d5,11dは、厚み方向において同一方向に分極されている。
端子部15は、一対の絶縁性の基板15c、15cと、基板15cの一方の主面上に形成された端子電極15a,15bとを備え、振動板12の延出部12a,12bの他方の主面側に貼着されている。本実施形態において、端子部15は、振動板12の一方の延出部12a、12aの間、および他方の延出部12b、12bの間にそれぞれ架け渡され、両端部がそれぞれ振動板12の他方の主面12B側に貼着されている。
引出導体18aは、振動板12の四角形状の主領域12Sに形成された第1の開口13a1に露出した圧電素子11の電極片11f11上から、振動板12の延出部12aに形成された第2の開口13a2に露出した端子部15の端子電極15a上に亘って、振動板12の一方の主面12F側に形成されている。引出導体18bは、振動板12の四角形状の主領域12Sに形成された第1の開口13b1に露出した圧電素子11の電極11c1,電極片11f13上から、振動板12の延出部12bに形成された第2の開口13b2に露出した端子部15の端子電極15b上に亘って、振動板12の一方の主面12F側に形成されている。本実施形態において、引出導体18aと引出導体18bとは、互いに並行に配設されている。一方の引出導体18aの他端18a2側は支持体14に形成された切欠き14a内に収容されており、支持体14により周囲をガイドされている。同様に、他方の引出導体18bの他端18b2側は支持体14に形成された切欠き14b内に収容されており、支持体14により周囲をガイドされている。
このため、本実施形態の圧電発音体10は、バイモルフ型の圧電素子11の厚み寸法に関わらず、振動板12の一方の主面12Fに沿う平坦な引出導体18a,18bが得られるので、安定した接続状態を得ることができる。
次に、本発明の圧電発音体の各部の好ましい実施形態について説明する。まず、圧電素子としては、圧電体層と電極とが交互に積層され焼成により一体化されたものであることが好ましい。また、圧電素子の主面上の電極も内部の電極と同時に形成されたものであることが好ましい。尚、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、圧電体層と内部の電極とが交互に積層され焼成により一体化されたのちに、その表面に電極ペーストの塗布焼付け等により表面の電極を形成したものであってもよい。また、上記実施形態においては、圧電素子として、圧電体層を片側3層ずつの全6層で構成したバイモルフ型の圧電素子を例示したが、本発明はこれに限定するものではなく、表面に複数の電極もしくは電極片を有するバイモルフ型の圧電素子であれば種々の変更が可能である。例えば、片側奇数層(例えば1層、5層)ずつの圧電体層を有するバイモルフ型の圧電素子としてもよい。
次に、上記圧電体層の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記圧電体層としては、例えばPbZrTi1−x(PZT)などの圧電性セラミックからなることが好ましい。また、鉛を含まない所謂非鉛系の圧電性セラミックであってもよい。上記圧電体層の形成は、例えば前記圧電性セラミックの材料粉末と有機溶剤、バインダ、可塑剤、分散剤等を所定の比率で混合してスラリーを準備し、例えば公知のドクターブレード法等によりセラミックグリーンシートを作成し、後述する電極や電極片と交互に積層した後、例えば大気中500℃で脱バインダ処理し、例えば大気中1000℃で一体焼成することにより得られる。また、上記ドクターブレード法に限定するものではなく、例えば、上記と同様の圧電性セラミックの材料粉末を含むスラリーと電極材料を含む導電ペーストとを交互に印刷・積層する所謂スラリービルド法等を用いて積層した後、前記と同様に一体焼成することにより得ることができる。
次に、上記電極および内部電極の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記電極および電極片としては、例えばAgまたはAg−Pd合金のいずれかであることが好ましい。また、これに限定するものではなく、例えば、Au,Pt,PdおよびAu−Pd合金のうちのいずれかであってもよい。上記電極および電極片の厚さは例えば2μmである。
次に、層間の接続導体の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、層間の接続導体としては、圧電体層を厚さ方向に貫通するように形成されたスルーホール導体や、圧電体層の側面に印刷形成された側面電極であることが好ましい。
次に、上記振動板の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記振動板の材質としては、ゴム系の絶縁性のシートであることが好ましく、例えばポリウレタンゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、その他の合成ゴム等からなるゴム系シートを用いることができる。上記振動板の厚さは、例えば50〜150μmである。また、上記振動板は、少なくとも上記圧電素子を貼着する側の面に接着剤層が塗布形成されていることが好ましい。
次に、上記支持体の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記支持体としては、例えばポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、液晶ポリマー等からなる絶縁フィルムであることが好ましい。上記支持体の厚さは、例えば150〜250μmである。
次に、上記端子部の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記端子部としては、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)や液晶ポリマー等からなる絶縁性の基板の表面にCu箔のエッチング等により端子電極を形成したものであることが好ましい。また、これに限定するものではなく、例えば導電性樹脂のペーストをスクリーン印刷等で塗布し、硬化させて端子電極を形成したものであってもよい。上記端子電極の厚さは例えば7〜10μmである。
次に、上記引出導体の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記引出導体としては、金属やカーボン等の粉末と例えばポリエステル系の樹脂とを混合してなる導電
性樹脂層からなることが好ましく、導電性樹脂ペーストの塗布・硬化により形成することが好ましい。上記引出導体の厚さは例えば100〜150μmである。
尚、上記実施形態の圧電発音体においては、圧電素子の4つの隅部からそれぞれ圧電素子の中心に寄った近傍11E1,11E2,11E3,11E4において、電極に長方形の切欠きを形成したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、円形、楕円形、多角形、角部に丸みを持たせた角丸四角形等であってもよい。また、上記実施形態の圧電発音体においては、電極の切欠き内に電極と独立した長方形の電極片を配設したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、円形、楕円形、多角形、角部に丸みを持たせた角丸四角形等の電極片を配設してもよく、また、切欠き内に電極片を配設しなくてもよい。また、上記実施形態の圧電発音体においては、振動板12の一方の主面12F側および、圧電素子11の他方の主面側が露出した状態であるが、本発明はこれに限定するものではなく、圧電発音体の一方の主面側、他方の主面側に、平板もしくは絞り加工を施した金属板等によるカバーを設けても良い。
(実施例)次に本発明の圧電発音体の実施例について、図1〜図5を参照しつつ、第1の実施形態に沿って説明する。まず、PZTからなる圧電性セラミック材料粉末とバインダーとを混合し、支持フィルム上にシート状に成形してセラミックグリーンシートを得た。次ぎに、得られた複数のセラミックグリーンシートのそれぞれ所定の位置にスルーホールを穿孔した。次に、得られたセラミックグリーンシートにAg電極材料ペーストをスクリーン印刷法により塗布して、切欠きを有する電極パターンおよび電極片パターンを形成すると同時にスルーホール内に電極材料を充填した。次に、得られた複数のグリーンシートを積層・圧着し、1000℃で2時間焼成して圧電素子11を得た。得られた圧電素子11は、外形がおよそ長辺18mm、短辺14mmの角型であり、圧電体層の厚さがおよそ20μm、圧電体層の層数が6層、電極の厚さがそれぞれおよそ1.5μmであった。角型の圧電素子11の各電極における切欠きは、4つの隅部それぞれの近傍であって、短辺側の端から圧電素子の長辺長さのおよそ5〜25%、長辺側の端から圧電素子の短辺長さのおよそ10〜30%の範囲に形成されている。次に、振動板12を準備した。振動板12は、厚さ100μmのウレタンゴム製で、支持体14の環状の支持部14cで囲まれる主要部の大きさが18mm×14mmである。次に、支持体14を準備した。支持体14は、ポリエチレンテレフタラート(PET)製で、外形寸法は22mm×16mmである。得られた圧電素子11の各圧電体層を厚さ方向に同一の向きに分極した後、圧電素子の一方の主面側と振動板12の他方の主面側とを粘着材を用いて貼り合わせた。得られた振動板12の縁部近傍を支持体14の環状の支持部14cに粘着材を介して固定したのち、引出導体18a,18bを印刷して、実施例の圧電発音体20を得た。得られた圧電発音体20について、ブリュエル&ケアー社製のPULSEを用いて周波数−音圧(SPL)特性を測定し、得られた結果を図5に実線で示した。尚、図5中の一点鎖線は、圧電スピーカとして求められる周波数−音圧特性の目標レベルを示したものである。(比較例)圧電素子内の電極の接続を圧電素子の側面に印刷形成した側面電極で行うとともに、各電極に切欠きを形成しなかったこと以外は同様にして比較例の圧電発音体を作成し、上記と同様にして周波数−音圧特性を測定し、得られた結果を図5に破線で示した。
図5に示されるように、本発明の実施例の圧電発音体20においては、比較例で見られる4Khz付近のディップが抑制され、圧電スピーカとして求められる周波数−音圧特性の目標レベルをほぼ満足していることがわかる。
本発明によれば、薄型の電子機器や携帯型の電子機器等に搭載される角型スピーカとして用いられる圧電発音体に好適である。
11:圧電素子11c1,11a2,11c3,11a4,11b5,11a6,11b7:圧電素子の電極11d:圧電体層11e:電極の切欠き11E:隅部の近傍11f:電極片11g:スルーホール導体12:振動板12a,12b:延出部12c:圧電素子に重なる領域12S:主領域12F:一方の主面12B:他方の主面13a1,13b1:第1の開口13a2,13b2:第2の開口14:支持手段14a,14b:支持手段の切欠き14c:環状の支持部15:端子部15a,15b:端子電極18a、18b:引出導体20:圧電発音体

Claims (3)

  1. 角型スピーカとして用いられる圧電素子発音体であって、角型の複数の圧電体層と該圧電体層のそれぞれを挟んで対向するように配設された角型の複数の電極とを有する圧電素子と、該圧電素子の一方の主面に貼着された振動板と、該振動板の縁部近傍を支持する環状の支持部を有する角型の支持体と、を備え、前記圧電素子の4つの隅部それぞれの近傍において、厚さ方向に隣接する複数の電極のうちの一部の電極に切欠きが形成されていることを特徴とする圧電発音体。
  2. 前記厚さ方向に隣接する電極に形成された切欠きは、上面視において、位置および形状の少なくとも一方が互いに異なる ことを特徴とする請求項1記載の圧電発音体。
  3. 前記圧電素子は、前記電極の切欠き内にスルーホール接続部が配設されている ことを特徴とする請求項1記載の圧電発音体。
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