JP2011243672A - 光ファイバ結合器、ファイバレーザ、および、光ファイバ結合器の製造方法 - Google Patents

光ファイバ結合器、ファイバレーザ、および、光ファイバ結合器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二重クラッドファイバのインナークラッドへ励起光を入射し、同時にクラッドポンプファイバのコアと信号光を入出力中継伝送させる光ファイバ結合器は、励起光と信号光を同時に高い伝送損失で中継伝達することが困難であった。また、レーザを高出力化すると、融着接続点で漏洩した信号光が励起光源を破壊する可能性があった。
【解決手段】ガラスパイプの一端をテーパ形状に先細りさせた励起光集光パイプの中心部分に信号光伝送用ファイバを配置させ、励起光集光パイプと信号光伝送用パイプの隙間に複数の励起光伝送用ファイバを介在させた後、前記記載部材を一体化させた構造にする。励起光はテーパ形状部分で集光し、一方、信号光はファイバ径の縮径を抑制でき、且つ、コアを断面中心に配置できるので、低損失の接続が可能となる。また、漏洩信号光の光強度を低下できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ファイバレーザの励起光、及び信号光を同時に高効率で結合させることができる光ファイバ結合器と、該光ファイバ結合器を具備したファイバレーザに関する。
二重クラッドファイバは、信号光を伝播させるコアと、そのコアの周囲にコアよりも屈折率の低い励起光を伝播させるインナークラッドと、そしてインナークラッドの周囲にインナークラッドよりも屈折率の低いアウタークラッドを有する二重クラッド構造の光ファイバである。インナークラッド内に励起光を入射すると、インナークラッドとアウタークラッドの界面で全反射を繰り返しながらインナークラッド内を伝播する。
コアにイッテルビウムのような希土類元素をドーピングした二重クラッドファイバは、クラッドポンプファイバと呼び、インナークラッド内を伝播する励起光がコアを通過する際、その光を吸収して信号光を誘導放出する。そして、信号光はコア内を伝播しながら増幅されていく。二重クラッドファイバは、大きな断面積をもつインナークラッドから励起光を入射できるので、レーザの高出力化を容易に行うことができる。
光ファイバ結合器は、励起光源から出射される励起光を二重クラッドファイバのインナークラッドへ入射し、かつ、誘導放出される信号光を二重クラッドファイバのコアと伝送用光ファイバとの間で中継伝送する役割を持つ装置である。光伝送路を融着接続で固定することができるので、レンズ等の空間結合系でしばしば必要となる光軸微調整が不要であり、信頼性が高い装置を実現できる。
一般には、励起光源は複数個あり、複数の光源から一つの二重クラッドファイバへ入射することになる。従って、光ファイバ結合器は、複数の励起光伝送用光ファイバと信号光伝送用光ファイバを束ね、二重クラッドファイバのインナークラッドの断面積まで縮径させる構造になる。また、断面積を縮径することにより、励起光の光密度が高くなるので、クラッドポンプファイバのコアに含有されている希土類元素内の電子を効率良く励起することができる。この構造は、例えば特許文献1から3に開示されている。
特許文献1では、図12に示されるように、1本の信号光伝送用シングルモードファイバ1を中心に配置し、その周囲に複数の励起光伝送用のマルチモードファイバ2を配置して束ね、励起光をクラッドポンプファイバ3のインナークラッド内に集光するためにファイバ束の一端を一括して縮径し、縮径部先端4とクラッドポンプファイバ3の端面とを、融着接続部5で結合した構造になっている。
特許文献2では、図13に示されるように、1本の信号光伝送用ファイバ6と複数の励起光伝送用ファイバ7を、一旦、整列用の多孔キャピラリ8に挿入して一体化させ、光ポンピング用の二重クラッドファイバ9と光伝送させるために、テーパ形状を有するブリッジファイバ10を介して接続した構造になっている。この構造では、励起光伝送用ファイバ7はテーパ形状に延伸しないので、円形断面の形状変形がなく、高効率で励起光を光ポンピング用の二重クラッドファイバ9に入射できると記載されている。
特許文献3では、図14に示されるように、信号光伝送機能と励起光伝送機能を共に有する二重コア光ファイバ11を使用して、キャピラリ12内に挿入後に一体化する構造である。中心に配置された二重コア光ファイバ11は、中心のコアが信号光コア13として信号光を伝送する役割を担い、その他の二重コア光ファイバ11は励起光を伝送する役割を担う。
米国特許第5864644号明細書 特開2008−226886号公報 特開2009−271108号公報
光ファイバ結合器は、励起光と信号光を同時に中継伝送する装置であるが、両者を同時に高効率伝送させる構造にするのは困難であった。伝送効率が低いということは、光ファイバ結合器が低損失のガラスを用いており、吸収媒質でないので、散乱光の発生によって光ファイバ結合器から光が漏洩していることを意味する。
励起光の伝送効率が低い場合は、クラッドポンプファイバへの励起光が低下するので、当然のことながらレーザ出力が低下してしまう。信号光の伝送効率が低い場合もレーザ出力が低下するが、それに加えて、信号光の場合、信号光は高出力であるが為に漏洩光も光強度が強く、励起光伝送用ファイバを逆流伝播して励起光源に入射して破壊してしまう可能性がある。また、いずれの場合も、漏洩光は、光ファイバを被覆している樹脂にも吸収され、樹脂が発熱し、光ファイバ伝送路自体にも負荷がかかっている状態にもなりうる。
例えば、特許文献1に開示された技術は、励起光伝送用のマルチモードファイバ2と信号光伝送用のシングルモードファイバ1を一括で束ねてテーパ状に延伸されるので、励起光はスムーズに伝送路を進行して低損失で縮径部先端4まで伝送される。一方、信号光は、中心に配列された信号光伝送用のシングルモードファイバ1のコア径が、一括延伸によって先端部がかなり小さくなっていて光閉じ込め効果が低下しており、漏洩しやすくなっている。且つ、クラッドポンプファイバ3のコア径と大きく異なっている。この為、コアの細径部分、及び融着接続部5で信号光が漏洩しやすくなっている為、伝送損失が高くなる。その結果、信号光の出力低下、及び励起光源に入射して破壊する可能性が出てくる。
特許文献2に開示された技術は、励起光伝送用ファイバ7を整列用の多孔キャピラリ8に挿入して一体化させているので、接続するブリッジファイバ10の入射端の断面積が光ファイバを束ねただけの通過断面積よりも大きくなってしまう。この状態では、励起光がテーパ形状部分を伝播していくと、伝播NAがより多く増大するので、縮径率を小さくできず、励起光の密度を大きく向上させることができない。縮径率を大きくした場合は、ブリッジファイバ10の許容NAを超える光が多く発生し、伝送効率の低下を招いてしまう。
一方、信号光に関しては、テーパ形状を有するブリッジファイバ10のクラッドだけをテーパ状に除去してコア径を変えない構造にすれば、光ポンピング用の二重クラッドファイバ9との融着接続部では低損失で信号光を伝送することが可能になるが、整列用多孔キャピラリ8に挿入して一体化させた端面と二重クラッドファイバ9との融着接続部14で、コア同士の軸ズレによる接続損失が大きくなると考えられる。
一般に、テーパ形状の縮径領域があるマルチモード光伝送路に関しては、伝送路の断面形状が円形の場合、伝送路に入射する光の伝播開口数をNAin、伝送路の入射側の径をDin、出射側の径をDout、出射する光の伝播開口数をNAoutとすると、おおよそ次の(1)式の関係が成り立つ。
NAout=Din/Dout×NAin (1)
一般的に二重クラッドファイバの最大開口数は、使用する光学被覆樹脂の屈折率によって定まり、現状は、最大でNAは0.46程度である。一方、励起に用いる高出力マルチモード半導体レーザの出射NAは一般的に0.15程度であり、理論的には入力側と出力側の径の比が3倍以下であれば、NAが0.46を超えず、NAの増加が原因となる損失は発生しないと考えられる。しかし、実際は、光伝送路表面の平滑性や、ファイバの曲がり等の形状不整合による光散乱等によって、NAが0.46を超える光が何%か発生して漏洩光となるので、伝送効率が低下する。
一方、信号光に関しては、一般に融着接続部位での構造不整合によって、伝送損失が低下する。具体的には、コア同士の軸ズレが発生している場合、また、コア径の大きさの違いによる場合がある。また、テーパ状に加工している場合は、融着接続部だけでなく、コア径が小さくなっている部分で光閉じ込め効果がなくなって、信号光が漏洩する場合がある。
特許文献3に開示された技術では、各々の二重コア光ファイバ11とキャピラリ12の間の隙間が大きく、また固定がなされていないので、溶融一体化時に中心に配置される二重コア光ファイバ11の信号コア13が、断面中心に配置される可能性が少なく、軸ズレによる接続損失が大きいと考えられる。
上記課題を解決するために、本発明は、一端の内径を信号光伝送用ファイバのクラッド径までテーパ状態に縮径した励起光集光パイプを用い、この励起光集光パイプ内全長に信号光伝送用ファイバを具備し、信号光ファイバが中心に配列されるように励起光集光パイプとの間に複数の励起光伝送用ファイバを配列し、一体化させた構造とする。
この構成によれば、複数の励起光源から出射された励起光は、励起光伝送用ファイバを伝播し、一体化している励起光集光パイプもしくは信号光伝送用ファイバに出射される。あらかじめテーパ形状にした先細り構造の励起光集光パイプによって、励起光は集光されながら伝播していき、光密度が増大される。また、具備されている励起光伝送用ファイバは、信号光伝送用ファイバに隣接して配列させているので、元々の励起光の伝播する部分の断面積が小さくなっており、テーパ部を伝播する際のNA増加も抑制することができ、高効率で二重クラッドファイバへと光を伝達することが可能である。
一方、信号光は、先端部分を縮径していなければ、信号用コアの径を同じに保ったままであるので低損失で伝達できる。たとえ、先端形状をテーパ形状にしても、先端部の外径が元々小さい状態であるので、従来技術の光ファイバ結合器よりもテーパ形状部分の縮径率を小さくすることができ、コア径の縮径率も小さく、低損失であり、ファイバ同士の接続が可能である。且つ、この構造を用いた場合、テーパ縮径先端部分のコアの配置をガラスの中心位置に容易に配列することが可能であるので、低損失接続に寄与する。
本発明の光ファイバ結合器、この光ファイバ結合器を具備したファイバレーザシステムは、高効率で励起光と信号光の中継伝達を行うことが可能であるので、装置の高出力化が期待できる。また、漏洩した信号光が励起光伝送用ファイバを伝播し励起光源に入射することを抑制するので、励起光源の破壊を抑制することが可能なことから、信頼性の向上に繋がる。
また、単純な形状の部材で構成できるので、光ファイバの製造装置がなくても、市販品の部材で製作することができる。
本発明の光ファイバ結合器の一例の側面図 (a)本発明の光ファイバ結合器における励起光集光パイプがテーパ形状になっていない領域の断面図(b)本発明の光ファイバ結合器における励起光集光パイプが縮径している領域の断面図(c)本発明の光ファイバ結合器における縮径先端部を示す図 ガラスパイプの延伸加工工程の一例を示す図 テーパ形状を有する環状配置の光ファイバ束の一例を示す図 (a)信号光伝送用ファイバの一例の断面図(b)励起光伝送用ファイバの一例の断面図 本発明の光ファイバ結合器の製作工程の一例を示す図 (a)励起光集光パイプ先端へ信号光伝送用ファイバを挿入する前の状態の一例を示す図(b)励起光集光パイプ先端へ信号光伝送用ファイバ挿入した後の状態の一例を示す図 本発明の光ファイバ結合器の配列構造の一例を示す断面図 本発明の光ファイバ結合器の製作工程の一例を示す図 溶融一体化工程前後の一例の図 本発明の光ファイバ結合器を用いたファイバレーザの一例を示す構成図 従来技術の光ファイバ結合器を示す図 従来技術の光ファイバ結合器を示す図 従来技術の光ファイバ結合器を示す図
本発明の光ファイバ結合器、ファイバレーザの実施形態について図面を参照して説明する。
図1と図2(a)から図2(c)に示されるように、光ファイバ結合器20は、一端をテーパ形状に引き伸ばした薄肉の縮径領域21を有する励起光集光パイプ22の内部に信号光伝送用ファイバ23の一端を配置し、複数の励起光伝送用ファイバ24の一端を信号光伝送用ファイバ23と励起光集光パイプ22の間にある隙間25の中で配列させた後、溶融一体化した構造である。そして、縮径部先端26は、融着接続部27を介して二重クラッドファイバ31と結合する。二重クラッドファイバはコア内に希土類元素を含んでいる二重クラッドファイバ(クラッドポンプファイバ32)でも、コア内に希土類元素を含まない二重クラッドファイバ33のどちらでも構わない。
励起光集光パイプ22は、励起光を集光させる目的と、信号光伝送用ファイバ23のコア位置をガラスでできた断面形状の中心に配置させる目的で使用している。また、後述するが、漏洩信号光を励起光源に逆流することを抑制する働きもある。励起光集光パイプ22は、一般に販売されている合成石英ガラスでできた円柱形状のガラスパイプ41を使用することができる。
ガラスパイプ41の内径は、図2(a)に示されるように、励起光伝送用ファイバ24が必要数挿入できる径が必要であるが、隙間25が最小になるような寸法精度の良いガラスパイプ41でなくても良く、若干大きい径で隙間に余裕があっても構わない。これは、ガラスパイプ41をテーパ形状にすることによって、図2(b)に示されるように、テーパ形状の途中で自然に励起光伝送用ファイバ24が整然配列になっていく利点があるためである。また、縮径先端部26では、図2(c)のように励起光集光パイプ22と信号光伝送用ファイバ23のみが一体化している。
励起光集光パイプ22の製作方法は、図3に示されるように、ガラスパイプ41の溶融設定部分を洗浄した後、両端を把持装置42で把持し、溶融設定部分を火炎、または電気ヒータ等の加熱源43で加熱溶融しながら、ガラスパイプ41の両端に張力44を付加して延伸加工する。延伸加工時の加熱源の温度は摂氏1400度〜1800度程度である。ガラスパイプ41は溶融延伸部の外径が縮小して、長手方向になだらかなくびれ形状45を有するガラスパイプ41となる。この延伸加工方法は通常の光ファイバ型WDMカプラなどを製作する方法と同様である。
くびれ形状45の内径、及び肉厚を制御したい場合は、ガラスパイプ41内の圧力を調整することによって容易に行うことができる。圧力の調整は、例えば、ガラスパイプの片端にエアーポンプ等の圧力装置を接続して、パイプ内にガスを送り込むことによって行われる。くびれ形状45の最小部分の肉厚は薄い方が好ましい。
この縮径領域22を有する励起光集光部材は、ガラスパイプ41でなくても良く、ガラスパイプ41の代わりに同径の励起光伝送用ファイバ24を複数本使用してテーパ形状を有する環状配列のファイバ束46を構成しても構わないが、この場合には以下の短所がある。ひとつは、信号光伝送用ファイバ23が貫通する環状部分の内径は、延伸加工後の縮径を考えて、一回り大きなファイバ径の励起光伝送用ファイバ24を使用するか、もしくは、図4に示されるように、励起光伝送用ファイバ24の本数を多くする必要があり、前述した(1)式のDinが大きくなることを意味するので、NAoutが増加することになる。もう一つの短所は、光ファイバ間に隙間があるので、ガラスパイプ41のように圧力による寸法調整ができないことである。
ガラスパイプ41は延伸加工後冷却し、ガラスパイプ41のくびれ形状45の最小外径位置にカッターで傷をつけ、両端から張力44を付加して劈開する。劈開することで1個のガラスパイプ41からテーパ形状の縮径領域21を有する2個の励起光集光パイプ22ができる。先端部分の寸法は、内径が信号光伝送用ファイバ23のクラッド径と同等が望ましく、且つ、断面積は、信号光伝送用ファイバ23と比較して小さければ小さい程良い。
次に、励起光集光パイプ22内に具備する光ファイバについて述べる。図5(a)は、信号光伝送用ファイバ23の一例の断面図を示している。円形断面のクラッド51の中心部に信号光を伝送させる為のコア52が配置されている。コア52の材質は、石英ガラスに、例えば、ゲルマニウムなどの屈折率を上昇させる材料をドーピングして、純粋石英ガラスから構成されるクラッド51よりも屈折率を高くする。通常、被覆樹脂53はクラッド51よりも屈折率の高い樹脂で構成される。二重クラッドファイバ31の場合はこの逆で、被覆樹脂53がクラッド51よりも屈折率が低い樹脂で構成される。通常市販されている信号光伝送用ファイバ23のクラッド径は、一般に、直径125μmφである。
図5(b)は、励起光伝送用ファイバ24の一例の断面図を示している。励起光源は高出力な半導体レーザで、この出力光は一般にマルチモードであるので、励起光伝送用ファイバ24は励起光源に合わせてマルチモードファイバを使用するのが一般的である。信号光伝送用ファイバ23と同じく円形断面のクラッド51の中心部分にコア52があり、コア52の材質が純粋石英ガラスでクラッド51の材質が石英ガラスにフッ素をドープしたものと、コアの材質が純粋石英でクラッド51を低屈折率の樹脂で被覆したものがある。耐熱性を考えて、前者のガラス材質のクラッド51を有する光ファイバを使用するのが好ましい。市販されているマルチモードファイバのクラッド径は、一般に、直径125μmである。
励起光集光パイプ22を製作後、その内部に具備する信号光伝送用ファイバ23と励起光伝送用ファイバ24を準備する。信号光伝送用ファイバ23は、被覆樹脂53を励起光集光パイプ22の長さよりも長く除去する。除去した先端部を励起光集光パイプ22の延伸していない側から挿入し、縮径部先端26から貫通させて外側に出す。
そして、図6に示されるように、突き出した信号光伝送用ファイバ23に同じクラッド径かそれ以上のクラッド径を有する把持用光ファイバ61を準備して、先端同士を融着接続する。この把持用光ファイバ61は、製作する上で必要なもので、光ファイバ結合器20の構造には含まれない。
励起光集光パイプ22の縮径部先端26の内径が、信号光伝送用ファイバ23のクラッド径よりも大きい場合、縮径部先端26から信号光伝送用ファイバ23を貫通させることができる。そして、両者の間の隙間が小さい場合、断面積の大きい側の信号光伝送用ファイバ23の方が剛性は高く、励起光集光パイプ22がそれに倣うようにして一体化するので、円形ガラス断面の中央部にコア52を配置することが可能である。
しかしながら、両者の隙間が大きい場合、励起光集光パイプが倣うように一体化したとしても、両者を溶融一体化した後にコア52の位置が円形断面の中心からずれる可能性が高い。両者の間の隙間が全くない状態に延伸できれば良いが、励起光集光パイプ22や信号光伝送用光ファイバ23の製作公差などの影響があるので、毎回両者の隙間の全くない状態に延伸加工することは極めて難しい。
薄肉のテーパ形状の縮径領域21を有する構造に加工したガラスパイプ41を使用する場合、通常とは異なる延伸方法を用いて信号光伝送用ファイバ23を組み込むことができる。通常の延伸加工は部材両端を把持しておき、中央部を加熱溶融して、部材両端に張力を付加してくびれ形状45に加工する。しかし、図7(a)、(b)に示される方法は、把持装置42は加熱源43の片側だけのみに設置する。
すなわち、まず、信号光伝送用ファイバ23のクラッド径よりも小さい内径を有する励起光集光パイプ22を作製しておく。その後、信号光伝送用ファイバ24の被覆樹脂53を除去し、ファイバクリーバで端面を直角端面に加工して励起光集光パイプ22に挿入する。当然のことながら縮径部の途中で引っかかって貫通できなくなる。次に、この部分を加熱源43で加熱溶融しながら、信号光伝送用ファイバ23を先細り方向に押し込んでいくと、信号光伝送用ファイバ23には圧縮応力が加わるが、励起光集光パイプ22には引張応力が加わるので、励起光集光パイプ22は延伸されると共に、信号光伝送用ファイバ23を励起光集光パイプ22に組み込むことができる。
ここで重要なことは、元々の励起光集光パイプ22の先端部分26断面積が、信号光伝送用ファイバ23よりも小さくしていることである。断面積が大きい材料の方が剛性は高いので、同じ粘性状態でも材料の変形が少ない。もし、励起光集光パイプ22の先端部分の断面積の方が大きいと、先に信号光伝送用ファイバ23が圧縮応力で変形してしまい、縮径先端部26に挿入できず、挿入できたとしても縮径先端部26が大きく変形することが予想される。延伸加工後、縮径先端部26は前述したのと同様に、把持用光ファイバ61を融着接続する。
背景技術で示した特許文献2の方法では、例えば、クラッド径が直径125μm、コア径が直径約5.5μmでシングルモードの信号光伝送用ファイバ6を使用しているが、この光ファイバを挿入する多孔キャピラリ8は、その穴径の直径が135μmであり、外径が直径440μmである。信号光伝送用ファイバ6を挿入後、この部分を加熱溶融すると、多孔キャピラリ13の方が剛性ははるかに高いので、信号光伝送用ファイバ6は多孔キャピラリ8の穴の内壁に接してから一体化される。上記サイズの場合、理想の中心位置から最大(135μm−125μm)/2=5μmずれることになる。この値はコア径とほぼ同等であり、融着接続するコア同士の軸ズレによる接続損失が大きいと考えられる。
また、背景技術で示した特許文献3の構造は、キャピラリ12の断面積が大きく、また、中心に配置される二重コア光ファイバ11が固定されていないので、溶融一体化工程で隙間が埋まる際、信号コア13の位置がガラス断面中心からずれる可能性が高い。
本発明で用いている励起光集光パイプ22は、縮径先端部26の寸法を薄肉に加工でき、信号光伝送用ファイバの方が断面積を大きくできるので、コア52をガラス断面中心に容易に配置できる。
次に、励起光伝送用ファイバ24を加工する。励起光伝送用ファイバ24は、被覆樹脂53を除去し、ファイバクリーバで不純物の付着していない端面を出して、おおむね信号光伝送用ファイバ23が配列中心になるように挿入していく。
多少配列がずれて挿入されても、縮径部先端26で信号光伝送用ファイバ23が中心に配置され、また、励起光集光パイプ22の縮径領域21で励起光伝送用ファイバ24が断面の中心方向に向かって力が加わるので、信号光伝送用ファイバ23の周囲に励起光伝送用ファイバ24が自然と配列されるようになる。
テーパ形状のガラスパイプ41を用いていることで整然と配列できる利点がある。適切な内径のガラスパイプ41を入手できず、ガラスパイプ41内の隙間25が大きい場合は、図8のように、細径の石英ガラス棒62をスペーサとして挿入しても良い。
また、励起光伝送用ファイバ24の先端形状は、ファイバクリーバで直角に端面カットするだけでなく、励起光集光パイプ22の製作と同じ延伸加工方法を用いてテーパ形状になるように延伸し、先端部を先細り構造にしたものを使用しても良い。この先細り構造の励起光伝送用ファイバ24を挿入すると、励起光集光パイプ22の縮径領域で、先端部が信号光伝送用ファイバ23の方向に向くので、励起光が中心方向に向かって励起光伝送用ファイバ24から出射されることになり、伝送効率が向上する。しかしながら、テーパ先端部まで全ての励起光が導波する訳ではなく、前述の(1)式の関係から、励起光伝送用ファイバ24のコアNAを超える光は漏洩して励起光集光パイプ22、もしくは、信号光伝送用ファイバ23に入射する。
次に、励起光集光パイプ22に信号光伝送用ファイバ23と励起光伝送用ファイバ24を挿入した後、加熱溶融で一体化させる工程を行う。先程、信号光伝送用ファイバ23の先端部分に把持用光ファイバ61を融着接続したので、図9のように、信号光伝送用ファイバ23と把持用光ファイバ61を把持装置42で引っ張りながら把持して直線状になるように固定する。
把持後、励起光集光パイプ22の縮径先端部26から、励起光伝送用ファイバ24の出射部分までを加熱源43で加熱溶融し、ガラス部材同士を溶融一体化させる。溶融したガラスは、図10に示されるように表面張力63によって、中心軸の方向に向かっていき、隙間が閉じていくことになる。励起光集光パイプ22の延伸していない側の隙間25からエアーポンプなどの吸気装置を用いて吸気して、励起光集光パイプ22内を負圧にしておけば、表面張力だけでなく気圧も加わるので短時間で一体化することができる。
また、励起光伝送用ファイバ24と励起光集光パイプ22の間の隙間に余裕がある場合、図8に示したような石英ガラス棒62のスペーサの代わりに吸気用ガラスパイプ64を挿入して固定し、他端を吸気装置に接続する構成にして、励起光集光パイプ22を負圧にして一体化しても良い。なお、吸気用ガラスパイプ64はスペーサとしての役割も果たす。吸気用ガラスパイプ64ともに一体化しても構わないが、励起光集光パイプ22よりもはみ出た部分は不要なので切除する。
システムの設計によっては、クラッドポンプファイバ32のインナークラッド径の方が一体化した縮径先端部26の外径よりも小さい場合があるが、前述の一体化する工程で、把持装置42で張力を付加しながら励起光集光パイプ22の先端領域(励起光集光パイプ22と信号光伝送用ファイバ23のみが存在する部分)を溶融延伸加工して、縮径先端部26の外径をインナークラッド径まで縮径している構成でも良い。この場合、信号光伝送用ファイバ23のコア52も縮径されるが、あらかじめ励起光導光部はテーパ形状にして縮径しているので、背景技術で説明した特許文献1と比較して、縮径先端部26を同じ外径まで延伸したとしても、コア52の縮径率が少ない。
すべての部材を溶融一体化後、縮径領域21の所望の断面積の部分にカッターで傷をつけ、張力を付加すると、傷をつけた部分で劈開することができる。この劈開した部分が光ファイバ結合器20の縮径先端部26となり、光伝送路の製作が完了する。
ここで、励起光を効率的に伝送する為に必要な縮径先端部26の外径を見積もる。例えば、クラッド径が直径125μmの信号光伝送用ファイバ23(1本)と、クラッド径が直径125μmでコア径が直径110μmの励起光伝送用ファイバ24(6本)で光ファイバ結合器20を構成する場合、励起光の入射NAinを0.15、光伝送路の最大伝播NAを0.45、テーパ形状の縮径先端部26での径をDoutとして前述の(1)式からDoutを算出する。
実際の装置は、Dout未満の径で製作しても良く、この時、NAが0.45よりも大きくなった伝播光は漏洩するが、光密度は逆に増加するので、伝送効率と光密度のバランスを考えてレーザシステムの発振効率が増加するようなDoutを選定する。
背景技術で示した特許文献1の場合は、幾何学的にDinを算出すると直径370μmとなり、NA増加による損失を出さない為にはDoutが直径約123μmまで縮径できると見積もられる。
背景技術で示した特許文献2の場合は、多孔キャピラリの孔径を直径125μm、孔と孔との間はある程度肉厚がないと石英ガラスに円形孔の加工ができないので、この肉厚を例えば直径125μmとすると、肉厚分を含めなければならず、ブリッジファイバ10の入射側の径がDin=125×3+125×4=約875μmとみなせるので、NAoutを0.45以下にするにはDoutが直径290μmと見積もられる。
本発明の場合は、中心にある信号光伝送用ファイバ23に接して励起光伝送用ファイバ24が配置されているが、その周囲にさらに励起光集光パイプ22がある為、励起光集光パイプ22の外径分だけ特許文献1よりもDinは大きくなる。励起光集光パイプ22の形状を考慮して幾何学的にDinを算出すると直径約440μmとなる。NAを0.45以下にするには、Doutが直径146μmと見積もられる。
本発明の場合は、励起光伝送用ファイバ24のクラッド径が初めから小さいものを使用できるので、テーパ形状入射部の径をDinより小さくすることが可能である。例えば、前記の励起光伝送用ファイバ24を直径125μmでなく、半導体レーザのコア径と同等のコア径の直径100μmのもので、クラッド径が直径110μmの励起光伝送用ファイバ24を使用したとすると、Dinは約390μmになり、Doutが130μmと見積もられる。
特許文献1の場合は、信号光伝送用ファイバ23と励起光伝送用ファイバ24のクラッド径が異なると均等配列ができず、信号光コアを断面中心に配置することが難しいので、異径の光ファイバで構成するのが困難である。
できあがった光ファイバ結合器20は、縮径先端部26に二重クラッドファイバ31を融着接続する。ガラス部の中心位置にコア52が存在し、また、コア52の縮径率が小さいので、二重クラッドファイバ31と低損失な融着接続が可能である。
二重クラッドファイバ31と融着接続後は機械的強度を保持する目的で、強固な台に固定する必要がある。例えば溝付のガラス棒を準備し、その溝内に光ファイバ結合器20、及び融着接続した二重クラッドファイバ31の被覆除去部分を配置して、その後、この溝に石英ガラスの屈折率よりも低い屈折率の光学樹脂を流し込み、光学樹脂を硬化させると、光ファイバ結合器20を補強でき、機械的信頼性の懸念がなくなる。この低屈折率樹脂は石英ガラスの最大伝播NAが0.46程度になるものが市販されている。
また、全長を光学樹脂で被覆する必要はなく、例えば、前記の溝付ガラス棒の溝内に光ファイバ結合器20、及び融着接続した二重クラッドファイバ31を配置して、その両端部の被覆樹脂のある部分のみを光学樹脂を塗布して固定しても良い。信号光伝送用ファイバ23と励起光伝送用ファイバ24を束ねて一点を樹脂で固定し、もう片側は、二重クラッドファイバ31の一点で固定する。そしてこの後さらに、固定台全長を金属管の中に挿入した後、金属管の両端を樹脂で固定して密封する方法もある。こちらの場合、樹脂で覆っていない部分は、空気との屈折率差によって最大伝播NAは0.6程度となり、縮径領域21での励起光閉じ込め効果は非常に強くなるが、二重クラッドファイバ31の被覆樹脂のある部分まで励起光が到達すると、光学樹脂部の伝播NAが最大でも0.46であるので、伝播NAが増大している励起光はこの領域から漏洩してしまう。
ファイバレーザ70を構成する場合、図11のように、励起光伝送用ファイバ24の入力端に励起光源71を接続する。励起光源はファイバピグテイル付の高出力半導体レーザを使用するのが一般的で、このファイバピグテイルの先端と励起光伝送用ファイバ24を融着接続する。励起光源71の発振波長はクラッドポンプファイバ32のコアにドーピングされている希土類元素の種類によって選定する。
イッテルビウムをドープしたクラッドポンプファイバ32を用いる場合、波長が0.98μm、または0.92μmの半導体レーザを用いるのが望ましい。光ファイバ結合器20の縮径先端部26には、二重クラッドファイバ31を融着接続する。融着接続する二重クラッドファイバ31は、コアに希土類元素が含まれているクラッドポンプファイバ32を融着接続してもよいし、コアに希土類元素が含まれていない二重クラッドファイバ33を融着接続し、その二重クラッドファイバ33のもう一方の端にクラッドポンプファイバ32を融着接続するようにして、間接的にクラッドポンプファイバ32に結合している構成にしても良い。また、クラッドポンプファイバ32の両端に信号光を反射する部品であるFBG(ファイバブラッググレーティング)を接続して、共振器構造にしても良いし、FBGを用いず、光増幅構造にしても良い。
光の伝播状態は、まず、励起光源71より出射された励起光72は光ファイバ結合器20の励起光伝送用ファイバ24を介して、励起光集光パイプ22で集光された後、接続しているクラッドポンプファイバ32のインナークラッドまで伝送される。その後、励起光72はクラッドポンプファイバ32のコアに入射し誘導放出で信号光73に変換され、信号光73を増幅しながらコア内を伝播する。
そして、接続されている光ファイバ結合器20の信号光伝送用ファイバ23を介して外部に取り出される。信号光伝送用ファイバ23をシングルモードファイバとした場合は、非常にビーム品質の良いファイバレーザ装置が実現できる。
信号光73がクラッドポンプファイバ32から光ファイバ結合器20に進行する場合、融着接続部27などで発生する漏洩光74が励起光伝送用ファイバ24を逆流して励起光源71に入射し、励起光源71を破壊する可能性がある。本発明の場合、励起光集光パイプ22が存在することによって、特許文献1と比較すると、漏洩光が励起光集光パイプ22にも分散されるので、励起光源71に入射する光強度を少なくすることができる。
本発明の光ファイバ結合器20は、例えば、以下のような構造のものができる。
クラッドポンプファイバ32として、コアにイッテルビウムをドープしたコア径が直径5.6μm、インナークラッド径が直径125μmのものを使用し、励起光源71は6個使用するとする。励起光源71は、ピグテイルファイバ付高出力半導体レーザを使用する。この半導体レーザの波長は、クラッドポンプファイバ32のコアにイッテルビウムが含有されていることから、吸収効率高い波長、例えば0.98μmを選定することができる。通常、市販されている半導体レーザは、例えば、ピグテイルファイバのコア径が直径100μmで、コアNAが約0.15、クラッド径が直径125μm、出力が5W以上である。
信号光伝送用ファイバ23は、クラッドポンプファイバ32のコア径、コアNAと同等のものを使用するのが望ましい。クラッド径は通常の直径125μmである。励起光伝送用ファイバ24は、ピグテイルファイバのコア径、コアNAと同等のもの使用することが望ましい。コア径、コアNAは、信号光の場合と違い、一方向にしか伝送させないので、ピグテイルファイバよりも大きくても特に問題にはならない。
クラッド径に関しては、クラッド径を拡大してしまうと一体化部分での径Dinが大きくなり、縮径領域21で損失が大きくなってしまうので、同等もしくはそれ以下のサイズが望ましい。例えば、コア径が直径100μm、クラッド径が直径110μm程度のものが市販されている。
励起光集光パイプ22となるガラスパイプ41の初期内径は、この場合、信号光伝送用ファイバ23と励起光伝送用ファイバ24の配列状態から110×2+125=325μmが必要な最小寸法となる。部材の寸法公差、及び挿入しやすさを考えて最小寸法よりも余裕のある寸法のものを用い、例えば、内径が直径500μmのものを使用する。このガラスパイプ41を100mm程度の長さに切断し、両端を把持して中央部を加熱溶融しながら両端を引っ張って縮径領域をもった構造に延伸加工する。縮径領域の寸法はガラスパイプ41に圧力をかけることで調整でき、最小部分での寸法が、内径128μm、外径145μm程度のものが作製できる。延伸後、最小寸法位置にカッターで傷をつけ、両端を引っ張って劈開することで、2つの励起光集光パイプ22ができる。この時の信号光伝送用ファイバ23と励起光集光パイプ22の先端部の断面積比は3.3:1である。
次に、信号光伝送用ファイバ23を励起光集光パイプ22に挿入して先端部から突き出した後、直径150μmのクラッド径の把持用光ファイバ61を融着接続する。励起光伝送用ファイバ24は、励起光集光パイプ22と同様に延伸加工し、テーパ形状の先端部分を製作する。3本の光ファイバから、6本のテーパ形状の先端部を持つ励起光伝送用ファイバ24ができることになる。そして、励起光伝送用ファイバ24を励起光集光パイプ22に信号光伝送用ファイバ23が中心になるように配列させながら6本挿入して、加熱溶融して一体化する。
この状態では、縮径先端部26の径が直径約145μmであるので、クラッドポンプファイバ32のインナークラッド径が直径125μmになるまでの延伸加工工程も付加する。あらかじめ励起光伝播部分はテーパ形状に縮径されているので、コア径の縮径率は86%で、特許文献1の技術で製作するよりも減少率が0.86/(125/375)=約2.5倍小さくなる。
この後、所望の位置でカットすることで、クラッド径が直径125μmの信号光伝送用ファイバ23を中心に配列し、クラッド径が直径110μmの6本の励起光伝送用ファイバ24を周囲に配列した、直径125μmの縮径先端部26を有する光ファイバ結合器20が製作される。
本発明にかかる光ファイバ結合器およびファイバレーザおよび光ファイバ結合器の製造方法は、高効率で励起光と信号光の中継伝達を行うことが可能であるので、装置の高出力化が期待でき、また、漏洩した信号光が励起光伝送用ファイバを伝播し励起光源に入射することを抑制するので、励起光源の破壊を抑制することが可能なことから、信頼性の向上に繋がるものであり、ファイバレーザの励起光、及び信号光を同時に高効率で結合させることができる光ファイバ結合器と、該光ファイバ結合器を具備したファイバレーザ等において有用である。
1 シングルモードファイバ
2 マルチモードファイバ
3 クラッドポンプファイバ
4 縮径部先端
5 融着接続部
6 信号伝送用ファイバ
7 励起光伝送用ファイバ
8 多孔キャピラリ
9 光ポンピング用の二重クラッドファイバ
10 ブリッジファイバ
11 二重コア光ファイバ
12 キャピラリ
13 信号コア
14 融着接続部
20 光ファイバ結合器
21 縮径領域
22 励起光集光パイプ
23 信号光伝送用ファイバ
24 励起光伝送用ファイバ
25 隙間
26 縮径部先端
27 融着接続部
31 二重クラッドファイバ
32 クラッドポンプファイバ
33 コア内に希土類元素を含まない二重クラッドファイバ
41 ガラスパイプ
42 把持装置
43 加熱源
44 張力
45 くびれ形状
46 環状配列のファイバ束
51 クラッド
52 コア
53 被覆樹脂
61 把持用光ファイバ
62 石英ガラス棒
63 表面張力
64 吸気用ガラスパイプ
70 ファイバレーザ
71 励起光源
72 励起光
73 信号光
74 漏洩光

Claims (9)

  1. 一端側の内径が他端側の内径よりも小さくなるようにテーパ状に縮径した励起光集光パイプと、
    前記励起光集光パイプ内に配置された信号光伝送用ファイバと、
    前記励起光集光パイプと前記信号光伝送用ファイバと間に設けられた複数の励起光伝送用ファイバとを備え、
    前記励起光集光パイプの内径が小さい側で、前記励起光集光パイプと、前記信号光伝送用ファイバと、励起光伝送用ファイバとを一体化した光ファイバ結合器。
  2. 信号光伝送用ファイバと励起光集光パイプを一体化した先端部を、この先端部に接続するファイバの径まで縮径した請求項1記載の光ファイバ結合器。
  3. 励起光集光パイプと信号光伝送用ファイバと間に設けられた複数の励起光伝送用ファイバの、前記励起光集光パイプの内径が小さい側に位置する先端部の形状を、テーパ状の先細り形状とした請求項1または2に記載の光ファイバ結合器。
  4. ガラスパイプを励起光集光パイプと励起光伝送用ファイバとの間に配置して一体化した請求項1から3のいずれかに記載の光ファイバ結合器。
  5. 信号光伝送用ファイバがシングルモードファイバである請求項1から4のいずれかに記載の光ファイバ結合器。
  6. 励起光集光パイプの内径が小さい側の端部に二重クラッドファイバを接続した請求項1から5のいずれかに記載の光ファイバ結合器を備えたファイバレーザ。
  7. 一端側の内径である第1の内径が他端側の内径である第2の内径よりも小さくなるようにテーパ状に縮径した励起光集光パイプの内部に、一端が前記励起光集光パイプのテーパ部に当接するように外径が前記励起光集光パイプの第1の内径よりも大きい信号伝送用ファイバを配置するステップと、
    前記励起光集光パイプの内部に、一端が前記励起光集光パイプのテーパ部に当接するように前記信号光伝送用ファイバを配置するステップと、
    前記励起光集光パイプの第1の内径の側を加熱しながら前記信号光伝送用ファイバを励起光集光パイプの縮径側に押し込むことで励起光集光パイプを延伸して前記信号光伝送用ファイバと一体化するステップを備えた光ファイバ結合器の製造方法。
  8. 励起光集光パイプと励起光伝送用ファイバとの間にガラスパイプを配置し、励起光集光パイプの第1の内径の側を加熱しながら延伸する際に、前記ガラスパイプにより前記励起光集光パイプ内部から空気を排出して減圧した状態としながら延伸を行う請求項7に記載の光ファイバ結合器の製造方法。
  9. 励起光集光パイプと信号光伝送用ファイバと間に配置する励起光伝送用ファイバの、前記励起光集光パイプの第1の内径側に位置する先端部の形状を、テーパ状の先細り形状とした請求項7または8に記載の光ファイバ結合器の製造方法。
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