JP5293252B2 - 光ファイバカプラおよびファイバレーザ - Google Patents

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Description

本発明はファイバ増幅器あるいはファイバレーザで用いられる光結合器に関して、特にダブルクラッド励起光ファイバへ励起光と信号光を光結合させる光ファイバカプラとこれを用いたファイバレーザに関するものである。
近年、材料加工に用いられるレーザの光源としてファイバレーザが注目されている。なかでもダブルクラッドファイバの採用は、より高出力かつ、より高品質なレーザ光を可能とし材料加工分野への積極的な普及が見られている。
ファイバレーザなどに用いられている典型的なダブルクラッドファイバの構造を図5に示す。ダブルクラッドファイバ1はコア2と、コア部の外周を取り囲むインナークラッド3と、インナークラッド3を取り囲むアウタークラッド4から構成されている。信号光はコア2をシングルモードで伝搬し、励起光はコア2を含み、インナークラッド3の領域を伝搬する。
インナークラッド3を伝搬する励起光のうち、コア2部分を通過する励起光はコア2に希土類元素が添加されていれば、これを励起し、光結合することによりコア2を伝搬する信号光を増幅する。インナークラッド3の領域を大きくすれば、それだけ大きな励起光を注入することが可能となり、結果、大きな増幅を行うことが可能となる。現在ではこのような構成を組み合わせたファイバレーザの登場により、数kWという非常に大きなレーザ出力が可能となっている。
ファイバ増幅器またはファイバレーザにおいて、前記ダブルクラッドファイバへ励起光および信号光を光結合させる光結合器として光ファイバカプラがある。通常、励起光源として複数のマルチモード半導体レーザが用いられ、そのレーザ出力が光ファイバカプラを介してダブルクラッドファイバへ光結合される。
光ファイバカプラの典型的な構成例を図6に示す。光ファイバカプラ5は、信号光が伝搬する信号光ファイバと励起光が伝搬するマルチモードファイバが密にバンドルされたファイババンドル部6と、ダブルクラッドファイバ1と、ダブルクラッドファイバ1のインナークラッドと同程度の直径まで前記ファイババンドル部6を溶融一体化するとともにテーパ状に加熱延伸し、ダブルクラッドファイバ1へ光結合された融着部7から構成される。
ファイババンドル部断面図8はファイババンドル部6における断面の構成を示している。ファイババンドル部6は信号光が伝搬するコアを有した信号光ファイバ10を中心として、その周囲に励起光が伝搬するマルチモードファイバ9が同心円状に配置され、互いに密着したファイババンドルを形成している。融着部断面11aおよび融着部断面11bは、融着部7の近傍においてテーパ化されたファイババンドル断面の構成を示している。
テーパ状に加熱延伸する際の、温度あるいは延伸の時間、速度など延伸条件によって融着部断面の形態は、融着部断面11aのようなファイババンドル部6とほぼ相似の形態から、融着部断面11bのような表面張力の作用により円状に一体化がすすんだ形態まで様々である。いずれにせよファイババンドル部6は、その外径がダブルクラッドファイバ1のインナークラッド3の直径とほぼ同じになるよう延伸され、複数のマルチモードファイバ9からダブルクラッドファイバ1のインナークラッド3へ励起光が正しく伝搬されるべく、さらに信号光ファイバ10のコアからダブルクラッドファイバ1のコア2へ(またはその逆へ)信号光が正しく伝搬されるべくダブルクラッドファイバ1と融着され、光結合されている。
上記の構成、動作を行う光ファイバカプラとして、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3などが提案されている。
このような光ファイバカプラを用いたファイバレーザの典型的な構成例を図7に示す。
ファイバレーザ12は、マルチモード半導体レーザ13、光ファイバカプラ5、ダブルクラッドファイバ1、FBG14、FBG15から構成され、それぞれ光ファイバを介して融着結合されている。励起光源である複数のマルチモード半導体レーザ13は光ファイバカプラ5の光ファイバ9へ融着接続され、接続された光源数分に加算された励起光は、ダブルクラッドファイバ1のインナークラッド3へ融着接続される。
FBG14およびFBG15はファイバー・ブラッグ・グレーティングと呼ばれるもので、光ファイバ中のコアの屈折率に周期的な強弱を形成し、ファイバ長手方向に周期的な屈折率変調をもたせ、周期に合致した波長の光信号のみが反射するものである。FBG14は信号光のほとんどを反射する光反射タイプFBG、FBG15は一部の信号光が通過する低反射タイプのFBGである。FBG14およびFBG15で挟まれたダブルクラッドファイバは共振器として動作する。
インナークラッド3を伝搬する励起光のうち、コア2部分を通過する励起光は両FBG区間に添加された希土類元素を励起し、誘導放出の光が共振器内で増幅され、レーザ発振が起こりレーザ光はファイバ端16より照射される。
特開平11−072629号公報 特表2002−506225号公報 米国特許第7046875号明細書
前記の光ファイバカプラは、上で説明したようにダブルクラッドファイバのインナークラッドへ効率よく励起光を結合させるべく、テーパ形状となったファイババンドルとダブルクラッドファイバが融着されている。ファイババンドルは、信号光が伝搬する光ファイバを中心としてその周囲に励起光が伝搬する光ファイバが配置された構成で、溶融一体化されるとともに加熱延伸され、ファイババンドル先端部が所望の外径となるようテーパ化されている。このことは延伸したファイババンドルはその外径の減少ともに、同時に信号光ファイバ10のコア径も減少していることを示している。
信号光ファイバ10のコアを伝搬する信号光は通常、シングルモードもしくはシングルモードに近い低次モードである。ファイババンドルのテーパ化に伴う信号光ファイバ10のコア径の減少によって、伝搬する信号光のシングルモードまたは低次モードを保持できない可能性がある。すなわち、テーパ化に伴うコア径の減少を織り込んだ信号光ファイバ10の設計が不可欠となり、設計尤度が制限されるという課題が発生する。
特許文献3では上記課題に対し、TEC(Thermally−diffused Expanded Core Fiber)技術を用いて、局所的にコア径を拡大させ融着時のコアをマッチングさせる方法が提案されている。しかしながら、新たにTEC技術の開発、光ファイバカプラ製造時の工数、コスト増大など、課題解決の手段として容易ではない。
また、ファイババンドル先端部での信号光ファイバ10のコア径が制限されると、大きく延伸することができずにファイババンドル先端部の外径が大きくなってしまう可能性がある。当然の事ながら、ファイババンドル先端と融着をするダブルクラッドファイバ1のインナークラッド3の直径も、ファイババンドル先端の外径に合わせて大きくなってしまう。
このことはファイババンドル先端とダブルクラッドファイバの融着において、大口径用途の特別な融着装置が必要となる、あるいは融着自体が困難で融着結果の歩留まり低下をまねく、などの課題を生じることとなる。
さらには、この場合のインナークラッド3の拡大は励起光の密度が低下するため、ファイバレーザの高効率、高出力化にとって好ましくない。
以上のように、ダブルクラッドファイバへ励起光および信号光を光結合させる光ファイバカプラは、ダブルクラッドファイバのインナークラッドへ高効率、高密度で励起光を注入するという本来の特質はそのままに、信号光ファイバのコアと、ダブルクラッドファイバのコアが同一であることが望ましい。
本発明は、上記課題を解決するとともに、高品質かつ低コストの光ファイバカプラを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の光ファイバカプラは、信号光ファイバと、この信号光ファイバの周囲に少なくとも1本以上のマルチモードファイバを配した光ファイバカプラであって、前記マルチモードファイバは、光ファイバカプラの出力端までの途上において、光ファイバカプラの出力端に向かって次第にその断面積が減少するよう、かつ前記信号光ファイバの側面の外周方向へ、次第になめらかになじむように融着一体化される様な構成となっている。この構成により、光ファイバカプラの出力端と前記信号光ファイバを同一としている。
また、上記光ファイバカプラにおいて、前記マルチモードファイバが、例えばフッ素添加石英など、前記信号光ファイバよりも低融点、または低温度で軟化する材料で形成されている。
本発明の光ファイバカプラは、信号光ファイバ、および信号光ファイバの周囲に配したマルチモードファイバが一体化するように加熱するとともに、周囲のマルチモードファイバのみを延伸することにより製造され、これにより信号光ファイバの形状に影響を与えずマルチモードファイバを光結合している。
本発明の光ファイバカプラは、その出力端が信号光ファイバと同一である構成となっている。この構成により、信号光ファイバと同一でコアに希土類元素を添加したレーザファイバを用意し、融着すればファイバレーザが構築される。
本発明の光ファイバカプラは、その出力端が信号光ファイバと同一である構成となっている。この構成により、信号光ファイバのコアに希土類元素を添加することで、ファイバレーザが構築される。
以上のように本発明は、マルチモードファイバが次第にその断面積が減少するよう、かつ信号光ファイバの側面の外周方向へ、次第になめらかになじむように融着一体化されており、光ファイバカプラの出力端が、前記信号光ファイバと同一であることから、コア径変化に伴う新たなファイバ設計、コア径修正のための工程追加は必要なく、安価で、かつ信頼性の高い、ダブルクラッドファイバへ励起光と信号光を光結合させる光ファイバカプラを提供できる。
さらに、ダブルクラッドファイバと信号光ファイバを同一構造で取り扱うことができるため、容易に、低コストでファイバレーザを構築できる。
(実施の形態1)
図1は本発明の光ファイバカプラの構造の一例を示すものである。本例では信号光ファイバ18の周囲に、マルチモードファイバ17を1本配置した光ファイバカプラ21を用いて説明する。図中、光ファイバカプラ21の長手方向、すなわち光の伝搬方向の断面図を上段に、またその特徴をわかりやすくするため、上段の任意位置での断面図を下段に示した。
マルチモードファイバ17はマルチモード光が伝搬するコアと、コアより低屈折率の樹脂からなるクラッドにより構成されており、図に示すようにマルチモードファイバ17のクラッドが剥離され、コアが露出している。本例では、樹脂によるクラッドの場合を示したが、ガラス材料のクラッドでももちろん適用可能である。その場合、剥離されるのはファイバ保護の被覆材であり、クラッドが露出することとなる。
信号光ファイバ18はダブルクラッドファイバであり、信号光が伝搬するコアとコア周囲のインナークラッド、インナークラッド周囲にさらに低屈折率の樹脂からなるアウタークラッドにより構成され、図に示すようにアウタークラッドが剥離され、インナークラッドが露出している。信号光ファイバ18はダブルクラッドファイバでなくても構わない。この場合、クラッド周囲の樹脂はファイバ保護の被覆材であり、これを剥離することでクラッドにマルチモード光の伝搬が可能となる。
断面A−Aでは信号光ファイバ18およびマルチモードファイバ17は並列され、それぞれ独立して使用可能である。
断面B−Bではアウタークラッドを剥離した信号光ファイバ20とクラッドを剥離したマルチモードファイバ19aが並列され、接触している状態を示している。
断面C−Cでは加熱され、信号光ファイバ20の側面へ融着一体化し、やや変形しているマルチモードファイバ19bを示している。このとき、マルチモードファイバ19b部の断面積は、マルチモードファイバ19a部の断面積(マルチモードファイバ17のコア面積に等しい)に等しいか、または小さい。
断面D−Dではさらに変形が進むとともに、信号光ファイバ20の側面へなじむように融着一体化しているマルチモードファイバ19cを示している。このとき、マルチモードファイバ19c部の断面積は、マルチモードファイバ19b部の断面積に等しいか、または小さい。
断面E−Eは信号光ファイバ20のみの単線部分、または信号光ファイバに対してマルチモードファイバの面積が非常に小さく、形状的にも光学的にも信号光ファイバの単線と同等と見なせる部分を示している。
断面F−Fはアウタークラッドで被覆されたダブルクラッドファイバである信号光ファイバ18aを示している。信号光ファイバ18はダブルクラッドファイバでなくとも構わないが、信号光ファイバ18aはダブルクラッドファイバであることが必須である。
以上のように構成された光ファイバカプラ21について、その動作を説明する。
マルチモードファイバ17はマルチモードファイバ19aから19cに至る過程の中で、信号光ファイバ20のクラッド側面へ接触、溶融一体化するため、マルチモードファイバ17を伝搬するマルチモード光は信号光ファイバのクラッド部を含めた部分(ダブルクラッドファイバにおけるインナークラッド部分)を伝搬するようになる。
上記のカップリングされた区間における任意位置での、信号光ファイバ20におけるマルチモードが伝搬可能な断面積をAs、マルチモードファイバ19の断面積をApとし、カップリング前の、マルチモードファイバ17を伝搬するマルチモード光の強度をPpとすると、信号光ファイバ20を伝搬するマルチモード光の強度Psは、
Figure 0005293252
と表すことができる。すなわち、信号光ファイバを伝搬するマルチモード光の強度は、マルチモード光が伝搬している全ての領域に占める、信号光ファイバ20におけるマルチモード光の伝搬領域の割合によって表される。信号光ファイバ20に融着一体化したマルチモードファイバの断面積が、マルチモード光の伝搬方向にしたがって次第に小さくなると、信号光ファイバを伝搬するマルチモード光の強度が次第に大きくなることとなる。
一方、マルチモード光の拡がり角(NA)は、マルチモードファイバ19aの断面積をAp(19a)、マルチモードファイバ19aから19cに至る任意位置の断面積をAp(19x)、マルチモードファイバ17を伝搬するマルチモード光の拡がり角をNAin、上記断面積Ap(19x)である位置のマルチモード光の拡がり角をNAoutとすると、NAoutは、
Figure 0005293252
で表される。すなわち、カップリングされた区間において、マルチモード光が伝搬している領域が次第に小さくなると、伝搬しているマルチモード光の拡がり角が次第に大きくなることを示している。
信号光ファイバ18aはダブルクラッドファイバであるので、インナークラッドの受光角をNAsとすると、
Figure 0005293252
であれば、信号光ファイバ20へカップリングされたマルチモード光は、信号光ファイバ18aのインナークラッドへ閉じこめられる。
図から明らかなように、信号光ファイバ18(および20)のコアはマルチモードファイバ17とのカップリング前後で、何も変化しない。すなわち、コアを伝わる信号光も変化しない。断面E−E付近で信号光ファイバをクリーブすれば、これがすなわち光ファイバカプラの出力端となり、当然のことながら信号光ファイバと同じ構造である。従来のような信号光フィアバのコアと、光ファイバカプラ出力端のコアの整合をとるための特別な工夫は必要無く、コア/クラッド構造が同じダブルクラッドファイバ18aへ融着すれば、容易にダブルクラッドファイバへの信号光伝搬とマルチモード光の注入が可能となる。
また、信号光ファイバ18、信号光ファイバ18aが同じダブルクラッドファイバである場合には、ファイバの中間部の被覆材を剥離し、露出したインナークラッドへマルチモードファイバ17を融着一体化すれば、上記のようなダブルクラッドファイバへの融着なしにマルチモード光のカップリングが可能となる。
以上のように本発明の光ファイバカプラによれば、マルチモードファイバをダブルクラッドファイバ側面へなだらかに融着一体化させることで、信号光ファイバのコアに構造的な変化を与えずにマルチモード光のカップリングが可能となる。
なお、本実施例ではマルチモードファイバが1本である場合を説明したが、もちろん複数本でも可能である。図2に示す光ファイバカプラ22は信号光ファイバ18を取り囲んで、マルチモードファイバ17が6本接続されるもので、その動作、作用は上記に示す通りである。
(実施の形態2)
本実施の形態において、光ファイバカプラの基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と同じく図1を用いて説明し、光ファイバカプラの動作などの詳細説明を省略する。実施の形態1と異なるのは、マルチモードファイバ17の導光部に例えばフッ素、あるいはリンなどを添加している点である。フッ素、あるいはリンなどは、主に石英クラッドの屈折率を調整するために添加されており、純粋な石英に比して低い温度で軟化する。
実施の形態1で示したように、マルチモードファイバ17が信号光ファイバ20のクラッド側面へなめらかに接触、融着一体化するためには、マルチモードファイバ17が十分軟化するよう加熱されていることが望ましい。一方、信号光ファイバ20のコア部分は、マルチモードファイバ17の融着一体化による熱影響で変形、延伸など生じないことが望ましい。すなわち、マルチモードファイバ17の導光部にフッ素、あるいはリンなどを添加することで、マルチモードファイバ17を信号光ファイバ20へ融着一体化させる温度において、両ファイバの軟化の程度に差をもたせることができ、マルチモードファイバの融着一体化と、信号光ファイバコア部への熱影響の回避を両立することができる。
また、製造条件の観点からも、比較的容易に、余裕のある温度条件設定が可能となる。
以上のように本発明の光ファイバカプラによれば、フッ素、あるいはリンなどがマルチモードファイバの導光部へ添加されているため、マルチモードファイバの融着一体化とともに、信号光ファイバコア部への熱影響を避けることができる。また、これにより本発明の光ファイバカプラを比較的容易に製造することができ、ひいては安定した品質の光ファイバカプラの提供が可能となる。
(実施の形態3)
本実施の形態において、光ファイバカプラの基本的な構成は実施の形態1または実施の形態2と同様であるため、光ファイバカプラの動作などの詳細説明を省略する。本実施の形態においては、実施の形態1または2で説明した光ファイバカプラの製造方法について詳細に説明する。図3は本発明の光ファイバカプラの製造方法を説明する概略図である。
図3の状態Aは、マルチモードファイバ23および信号光ファイバ24がバンドル化され、点線の枠内で示した加熱範囲25にこいて加熱されている状態を表している。この加熱範囲25の中で、特にマルチモードファイバ23は十分軟化した状態にあり、両ファイバは融着接続される。状態Bは、両ファイバの内、マルチモードファイバ23のみを少し両側へ延伸した状態を示している。加熱範囲25の中にあるマルチモードファイバ23は、十分軟化しているため、表面張力により信号光ファイバ24の側面へ馴染むとともに、延伸によりテーパ状に変形を始め、ファイバ断面積が少し小さくなる。状態Cはさらにマルチモードファイバ23を延伸した状態を示している。
加熱範囲25にあるマルチモードファイバ23は、さらに信号光ファイバ24の側面へ融着一体化され、大きくテーパ状に変形する。状態Dは、加熱範囲25の中央部においてほぼ信号光ファイバ24の単線と見なせる程度にまでマルチモードファイバ23が延伸された状態を示している。これをクリーブすれば、本発明の光ファイバカプラの完成である。本実施の形態では、2個の光ファイバカプラが製造できることになる。
なお、マルチモードファイバ23と信号光ファイバ24をファイバ長手方向に一体化を促進させ、高剛性化と光のカップリング効率を高める目的において、加熱範囲25または両ファイバをファイバ長手方向(図の左右方向)へずらす、または加熱範囲を拡大させることは特に有効である。
また、実施の形態1で述べた、信号光ファイバがダブルクラッドファイバで、ファイバの中間部の被覆材を剥離し、露出したインナークラッドへマルチモードファイバを融着一体化する場合には図3の状態Dからさらに片側だけのマルチモードファイバ23を延伸し、最終的に片側のマルチモードファイバを取り去ってしまえばよい。
以上のように本発明の方法により製造された光ファイバカプラは、信号光ファイバのコアに熱影響による形状変化を与えることなく、マルチモードファイバがなめらかに信号光ファイバ側面へ融着一体化されているため、コア径調整のための新たな工程の必要もなく効率よく信号光ファイバへマルチモード光のカップリングが可能となる。
(実施の形態4)
本実施の形態において、光ファイバカプラの基本的な構成は実施の形態1または実施の形態2と同様であるため、光ファイバカプラの動作などの詳細説明を省略する。本実施の形態においては、実施の形態1から3で説明した光ファイバカプラを構成要素としたファイバレーザについて詳細に説明する。図4は本発明の光ファイバカプラを構成要素として、コアに希土類元素を添加したレーザファイバへ本発明の光ファイバカプラが融着されているファイバレーザの概略図である。
励起光源であるマルチモード半導体レーザ30から出力されるマルチモード光は、マルチモードファイバ31を介して、本発明の光ファイバカプラ33へ伝搬される。既に実施の形態1で説明したように、光ファイバカプラ33においてマルチモード光は、マルチモードファイバ31からダブルクラッドファイバ32のインナークラッドへカップリングされる。ダブルクラッドファイバ32は、コア部分に希土類元素が添加されたダブルクラッドファイバであるレーザファイバ27へ融着接続されており、コアを伝搬する信号光とインナークラッド内部を伝搬するマルチモード光がそれぞれ光結合されている。光ファイバカプラ33によってダブルクラッドファイバ32へカップリングされたマルチモード光は、レーザファイバ27を伝搬するとともに、レーザファイバ27のコア部分を通過する際に添加された希土類元素を励起する。
FBG28およびFBG29はファイバー・ブラッグ・グレーティングと呼ばれるもので、光ファイバ中のコアの屈折率に周期的な強弱を形成し、ファイバ長手方向に周期的な屈折率変調をもたせ、周期に合致した波長の光信号のみが反射するものである。FBG28は信号光のほとんどを反射する高反射タイプFBG、FBG29は一部の信号光が通過する低反射タイプのFBGである。
FBG28およびFBG29で挟まれたダブルクラッドファイバは共振器として動作する。ダブルクラッドファイバのインナークラッドを伝搬するマルチモード光のうち、コア部分を通過する励起光は両FBG区間に添加された希土類元素を励起し、誘導放出の光が共振器内で増幅され、レーザ発振が起こる。上記信号光とはこのレーザ発振により得られたレーザ光であり、ファイバ端より照射される。
以上のように、本発明の光ファイバカプラにより構成されるファイバレーザ26は、光ファイバカプラと同一のファイバ構造で、そのコア部分に希土類元素が添加されたレーザファイバを用意すれば良く、比較的容易にファイバレーザの構築が可能となる。
(実施の形態5)
本実施の形態において、光ファイバカプラの基本的な構成は実施の形態1または実施の形態2と同様であるため、光ファイバカプラの動作などの詳細説明を省略する。さらに本実施の形態において、ファイバレーザの基本的な構成は実施の形態4と同様であるため、ファイバレーザの動作などの詳細説明を省略する。本実施の形態において実施の形態4と異なる部分は、光ファイバカプラの信号光ファイバはダブルクラッドファイバであり、かつそのコア部分に希土類元素が添加されている点にある。実施の形態1にも既に記載したとおり、レーザファイバ27の中間部の被覆材を剥離し、露出したインナークラッドへマルチモードファイバを融着一体化すれば、レーザファイバ27へ直接、マルチモード光をカップリングさせることができる。
以上のように本発明の光ファイバカプラにより構成されるファイバレーザによれば、レーザファイバへ励起光、信号光を光結合させるためのダブルクラッドファイバとの融着が不要で、比較的容易にファイバレーザの構築が可能となる。さらに融着部分で発生する信号光(レーザ発振光)のロスを無くすことができ、特に高出力のファイバレーザにおいて、融着部損失に起因した信頼性低下、発振効率低下などの課題を解消することができる。
本発明の光ファイバカプラは、マルチモードファイバが信号光ファイバクラッド側面へなだらかに融着一体化されており、信号光ファイバのコアに構造的な変化を与えずにマルチモード光のカップリングが可能である。すなわち、光ファイバカプラの出力端が、前信号光ファイバと同一であることから、コア径変化に伴う新たなファイバ設計、コア径修正のための工程追加は必要なく、安価で、かつ信頼性の高い、ダブルクラッドファイバへ励起光と信号光を光結合させる光ファイバカプラを提供でき、特に加工用ファイバレーザなどに有用である。
本発明の光ファイバカプラの実施の形態1または実施の形態2における全体構成を示す図 本発明の光ファイバカプラの実施の形態1における他の全体構成を示す図 本発明の光ファイバカプラの実施の形態3における製造方法を示す概略図 実施の形態4または実施の形態5において、本発明の光ファイバカプラを構成要素としたファイバレーザの全体構成を示す図 ダブルクラッドファイバの構成を示す図 従来の光ファイバカプラを示す図 フィアバレーザの典型的な構成例を示す図
17 マルチモードファイバ
18 信号光ファイバ
19 マルチモードファイバ
20 信号光ファイバ
21 光ファイバカプラ
22 光ファイバカプラ
23 マルチモードファイバ
24 信号光ファイバ
25 加熱部
26 ファイバレーザ
27 レーザファイバ
28 高反射FBG
29 低反射FBG
30 マルチモード半導体レーザ
31 マルチモードファイバ
32 ダブルクラッドファイバ
33 光ファイバカプラ

Claims (4)

  1. 信号光ファイバと、この信号光ファイバの周囲に少なくとも1本以上のマルチモードファイバを配して
    前記マルチモードファイバは、光ファイバカプラの出力端までの途上において、光ファイバカプラの出力端に向かって次第にその断面積が減少するよう、かつ前記信号光ファイバの側面の外周方向へ、次第になめらかになじむように融着一体化されており、
    光ファイバカプラの出力端は、前記信号光ファイバと同一である光ファイバカプラであって、
    前記信号光ファイバ、および前記信号光ファイバの周囲に配した前記マルチモードファイバが一体化するように加熱するとともに、前記信号光ファイバの形状に影響を与えないように、周囲の前記マルチモードファイバのみを延伸することにより製造された光ファイバカプラ。
  2. 前記マルチモードファイバは、例えばフッ素添加、あるいはリン添加の石英など、前記信号光ファイバよりも低温度で軟化する材料で形成されている請求項1記載の光ファイバカプラ。
  3. コアに希土類元素を添加したレーザファイバへ、請求項1または請求項2に記載の光ファイバカプラを融着したことを特徴としたファイバレーザ。
  4. 請求項1または請求項2に記載の光ファイバカプラにおいて、信号光ファイバのコアに直接に希土類元素を添加したことを特徴としたファイバレーザ。
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