JP2011243028A - ターボ機械の翼形状設計方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ターボ機械の翼形状のうち,キャンバラインを従来と比較して少ない自由度で定義することができ,これにより,コンピュータによる最適化設計の計算時間を短縮化できるターボ機械の翼形状設計方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】キャンバライン作成手段により翼形状の所望の端部の羽根角と,設計変数設定手段によりキャンバライン1の両端を含む複数のアンカ点2と1以上のハンドル端3からなる2次以上のベジエ曲線によって前記キャンバラインを定義し,かつハンドル端2の少なくとも一つは,キャンバライン1の端部における接線のターボ機械の回転軸に対する角度を,前記端部の羽根角と一致するように設定し,アンカ点2とハンドル端3の位置を設計変数として,設計変数を変化させて,翼の性能を評価し,翼形状を最適化設計する。
【選択図】図4
【解決手段】キャンバライン作成手段により翼形状の所望の端部の羽根角と,設計変数設定手段によりキャンバライン1の両端を含む複数のアンカ点2と1以上のハンドル端3からなる2次以上のベジエ曲線によって前記キャンバラインを定義し,かつハンドル端2の少なくとも一つは,キャンバライン1の端部における接線のターボ機械の回転軸に対する角度を,前記端部の羽根角と一致するように設定し,アンカ点2とハンドル端3の位置を設計変数として,設計変数を変化させて,翼の性能を評価し,翼形状を最適化設計する。
【選択図】図4
Description
本発明は,少ない自由度で羽根角分布(キャンバライン)を定義するターボ機械の翼形状設計方法およびプログラムに関する。
従来のターボ機械の翼形状の設計方法は,例えば,特許文献1,非特許文献1に開示されている。
図1は,非特許文献1に開示された羽根車(インペラ)の設計手順であり,図2は,従来の羽根角分布図である。
図1に示すように,ターボ機械の翼形状は,例えば形状設定 (S1) の後,空力評価 (S2) と大規模流体計算 (S3) を経て,形状修正 (S4) し,さらに強度解析と振動解析 (S5) を経て,最終的な翼形状の設計が完了する。すなわち,最初の形状設定では,翼形状を複数のパラメータ(設計変数)で表現し,このパラメータを変化させることで,翼の最終形状を決定している。
図1に示すように,ターボ機械の翼形状は,例えば形状設定 (S1) の後,空力評価 (S2) と大規模流体計算 (S3) を経て,形状修正 (S4) し,さらに強度解析と振動解析 (S5) を経て,最終的な翼形状の設計が完了する。すなわち,最初の形状設定では,翼形状を複数のパラメータ(設計変数)で表現し,このパラメータを変化させることで,翼の最終形状を決定している。
ターボ機械の羽根車(インペラ)は,通常,子午面形状,羽根角分布(キャンバライン),翼厚分布の要素に分けて設計し,それらを組み合わせることによって翼形状が表現される。
また,翼形状のキャンバラインは,例えば図2のように,ハブおよびシュラウドに対し,羽根角分布を設計条件として設定し,これを多自由度の曲線(例えば20以上の自由度のベジエ曲線)を用いて定義することによって表現していた。
また,翼形状のキャンバラインは,例えば図2のように,ハブおよびシュラウドに対し,羽根角分布を設計条件として設定し,これを多自由度の曲線(例えば20以上の自由度のベジエ曲線)を用いて定義することによって表現していた。
羽根車の詳細設計でQ3Dを活用する(1/3),インターネット<URL:http://monoist.atmarkit.co.jp/fmecha/articles/turbo/02/turbo02a.html>
上述したように,従来は,ターボ機械の翼形状のうち,羽根角分布を設計条件として,なんらかの曲線(ベジエ曲線,スプライン曲線,円弧など)によって定義していた。なお,キャンバラインは,羽根角分布を積分することで得られる。
しかし,円弧による羽根角分布の定義では表現できる形状に制限があった。
また,スプラインもベジエも多くの制御点を使っていたため,翼の最終形状決定(最適形状の探索などの自動処理)に要する計算時間が長い問題点があった。
しかし,円弧による羽根角分布の定義では表現できる形状に制限があった。
また,スプラインもベジエも多くの制御点を使っていたため,翼の最終形状決定(最適形状の探索などの自動処理)に要する計算時間が長い問題点があった。
さらに,ベジエ曲線で羽根角分布を定義する場合でも,従来は,例えば20以上の,自由度の多いベジエ曲線を用いていた。
そのため,コンピュータによる最適設計点の自動探索などの自動処理を行なう際に,設計変数(パラメータ)が多すぎ,計算時間が無駄に長くなってしまう問題点があった。
そこで,自動探索のためには,無駄な自由度を排除したモデルの使用が望まれていた。
そこで,自動探索のためには,無駄な自由度を排除したモデルの使用が望まれていた。
本発明は上述した要望に応えるために創案されたものである。すなわち,本発明の目的は,ターボ機械の翼形状のうち,キャンバラインを従来と比較して少ない自由度で定義することができ,これにより,コンピュータによる最適化設計の計算時間を短縮化できるターボ機械の翼形状設計方法およびプログラムを提供することにある。
本発明によれば,キャンバライン作成手段により翼形状の所望の端部の羽根角と,設計変数設定手段によりキャンバラインの両端を含む複数のアンカ点と1以上のハンドル端からなる2次以上のベジエ曲線によって前記キャンバラインを定義し,
かつ前記ハンドル端の少なくとも一つは,前記キャンバラインの端部における接線のターボ機械の回転軸に対する角度を,前記端部の羽根角と一致するように設定し,
前記アンカ点とハンドル端の位置を設計変数として,前記設計変数を変化させて,翼の性能を評価し,翼形状を最適化設計する,ことを特徴とするターボ機械の翼形状設計方法が提供される。
かつ前記ハンドル端の少なくとも一つは,前記キャンバラインの端部における接線のターボ機械の回転軸に対する角度を,前記端部の羽根角と一致するように設定し,
前記アンカ点とハンドル端の位置を設計変数として,前記設計変数を変化させて,翼の性能を評価し,翼形状を最適化設計する,ことを特徴とするターボ機械の翼形状設計方法が提供される。
本発明の実施形態によれば,前記キャンバライン上の前記アンカ点は,翼の前縁または後縁,あるいはその両方であり,
前記羽根角は,翼の前縁における入口羽根角または後縁における出口羽根角,あるいはその両方であり,
前記ハンドル端は,前縁または後縁における接線,あるいはその両方である。
前記羽根角は,翼の前縁における入口羽根角または後縁における出口羽根角,あるいはその両方であり,
前記ハンドル端は,前縁または後縁における接線,あるいはその両方である。
また,本発明によれば,キャンバラインの両端を含む複数のアンカ点と1点以上のハンドル端からなる2次以上のベジエ曲線によって前記キャンバラインを定義し,
かつ前記ハンドル端の少なくとも一つは,前記キャンバラインの端部における接線のターボ機械の回転軸に対する角度を,前記端部の羽根角と一致するように設定する設計変数設定手段として機能させ,
前記アンカ点とハンドル端の位置を設計変数として,前記設計変数を変化させて,翼の性能を評価し,翼形状を最適化設計することを特徴とするターボ機械の翼形状設計プログラムが提供される。
かつ前記ハンドル端の少なくとも一つは,前記キャンバラインの端部における接線のターボ機械の回転軸に対する角度を,前記端部の羽根角と一致するように設定する設計変数設定手段として機能させ,
前記アンカ点とハンドル端の位置を設計変数として,前記設計変数を変化させて,翼の性能を評価し,翼形状を最適化設計することを特徴とするターボ機械の翼形状設計プログラムが提供される。
上記本発明の方法およびプログラムによれば,翼形状の所望の羽根角分布からキャンバラインを作成し,設計変数設定手段によりキャンバラインを2次以上のベジエ曲線 (N − 1次元ベジエ曲線: Nは3以上の整数) で定義するので,
最適化設計する際のキャンバラインに関する設計変数(パラメータ)は,N − 1個のアンカ点とハンドル端の位置のみであり,少ない自由度で定義することができる。
最適化設計する際のキャンバラインに関する設計変数(パラメータ)は,N − 1個のアンカ点とハンドル端の位置のみであり,少ない自由度で定義することができる。
また,本発明によれば,ハンドル端の少なくとも一つは,前記キャンバラインの端部における接線のターボ機械の回転軸に対する角度を,前記端部の羽根角と一致するように設定するので,ハンドル端を一つの設計変数(無次元子午面距離)で定義でき,ハンドル端の設計変数をその分減らすことができる。
したがって,従来と比較して少ない自由度で定義することができ,これにより,コンピュータによる最適化設計の計算時間を短縮化できる。
したがって,従来と比較して少ない自由度で定義することができ,これにより,コンピュータによる最適化設計の計算時間を短縮化できる。
特に好ましくは,前記キャンバライン上の前記アンカ点は,翼の前縁または後縁,あるいはその両方であり,前記羽根角は,翼の前縁における入口羽根角または後縁における出口羽根角,あるいはその両方であり,前記ハンドル端は,前縁または後縁における接線上,あるいはその両方に位置するので,
ベジエ制御点と翼の端点(翼の前縁または後縁)を結ぶ線分が,端点におけるそのベジエ曲線の接線になっている,という性質を利用し,要求される入口羽根角または出口羽根角,あるいはその両方を用いるので,設計変数の数(自由度)を削減することができ,翼形状の最適化などの自動処理における計算負荷を低減できる。
ベジエ制御点と翼の端点(翼の前縁または後縁)を結ぶ線分が,端点におけるそのベジエ曲線の接線になっている,という性質を利用し,要求される入口羽根角または出口羽根角,あるいはその両方を用いるので,設計変数の数(自由度)を削減することができ,翼形状の最適化などの自動処理における計算負荷を低減できる。
すなわち,ベジエ曲線を用いてキャンバラインを定義するので,N個のベジエ制御点(アンカ点とハンドル端の位置)により,N − 1次の曲線を定義でき,かつ得られるキャンバラインは所望の入口羽根角と出口羽根角を有する滑らかな曲線となる。
したがって,低次のベジエ曲線(例えば3次ベジエ曲線)を用いてキャンバラインを定義すれば,従来20以上の自由度だったものを,本発明により,3自由度まで削減することができる。
したがって,低次のベジエ曲線(例えば3次ベジエ曲線)を用いてキャンバラインを定義すれば,従来20以上の自由度だったものを,本発明により,3自由度まで削減することができる。
以下,本発明の好ましい実施例を,図面を参照して説明する。なお,各図において共通する部分には同一の符号を付し,重複した説明を省略する。
ベジエ曲線(またはベジェ曲線)は,N個の制御点から得られるN − 1次曲線であり,コンピュータ上で滑らかな曲線を描くのに広く利用されている。
ベジエ曲線の定義は,以下の通りである。
制御点をB0,B1,…,BN−1とすると,ベジエ曲線は数1の式 (1) と表現される。ここで,Jni(t) は式 (2) で示すバーンスタインの基底関数のブレンディング関数である。
式 (1) と式 (2) において,tが0から1まで変化するとき,B0とBN−1を両端とするベジエ曲線が得られる。ベジエ曲線は,一般的には両端以外の制御点は通らない。
制御点をB0,B1,…,BN−1とすると,ベジエ曲線は数1の式 (1) と表現される。ここで,Jni(t) は式 (2) で示すバーンスタインの基底関数のブレンディング関数である。
式 (1) と式 (2) において,tが0から1まで変化するとき,B0とBN−1を両端とするベジエ曲線が得られる。ベジエ曲線は,一般的には両端以外の制御点は通らない。
図3は,ベジエ曲線を手作業で描画する手法の説明図である。以下,3次のベジエ曲線(4個の制御点で示される曲線)で説明する。
図3において,P0,P1,P2,P3が与えられた制御点である。今,ベジエ曲線のP0からt (0 < t < 1)の比率の位置の座標を求めるためには,以下のように計算する。
まず,制御点を順に結んで得られる三つの線分P0−P1,P1−P2,P2−P3をそれぞれt : 1 − tの比率で分割する点P4,P5,P6を求める。
次に,これらの点を順に結んで得られる二つの線分P4−P5,P5−P6を再びそれぞれt : 1 − tの比率で分割する点P7,P8を求める。
最後に,この2点を結ぶ線分P7−P8をさらにt : 1 − tの比率で分割する点P9を求めると,この点がベジエ曲線上の点となる。
この作業を0 < t < 1の範囲で繰り返し行うことにより,P0,P1,P2,P3を制御点とする3次ベジエ曲線が得られる。
図3において,P0,P1,P2,P3が与えられた制御点である。今,ベジエ曲線のP0からt (0 < t < 1)の比率の位置の座標を求めるためには,以下のように計算する。
まず,制御点を順に結んで得られる三つの線分P0−P1,P1−P2,P2−P3をそれぞれt : 1 − tの比率で分割する点P4,P5,P6を求める。
次に,これらの点を順に結んで得られる二つの線分P4−P5,P5−P6を再びそれぞれt : 1 − tの比率で分割する点P7,P8を求める。
最後に,この2点を結ぶ線分P7−P8をさらにt : 1 − tの比率で分割する点P9を求めると,この点がベジエ曲線上の点となる。
この作業を0 < t < 1の範囲で繰り返し行うことにより,P0,P1,P2,P3を制御点とする3次ベジエ曲線が得られる。
なお上述したベジエ曲線は,3次ベジエ曲線に限定されず,N個 (Nは3以上の整数) の制御点によりN − 1次のベジエ曲線を得ることができる。
上述のベジエ曲線上の制御点を「アンカ点」,ベジエ曲線上以外の制御点を「ハンドル端」とよぶ。すなわち,本発明における制御点とは,アンカ点とハンドル端の両方を意味する。
このベジエ曲線において,「ハンドル端は必ずアンカ点の位置での接線上にある。」という性質があることが知られている。
このベジエ曲線において,「ハンドル端は必ずアンカ点の位置での接線上にある。」という性質があることが知られている。
図4は,本発明による翼形状設計方法の説明図である。図4 (A),(B),(C) において,横軸は無次元子午面距離cであり,縦軸は所望の羽根角分布を積分した値である。
本発明の翼形状設計方法は,ターボ機械の翼形状を複数の設計変数で定義し,前記設計変数を変化させて,翼の性能を評価し,翼形状を最適化設計する方法である。この方法の実施には、コンピュータを用いることが好ましい。
本発明の翼形状設計方法は,ターボ機械の翼形状を複数の設計変数で定義し,前記設計変数を変化させて,翼の性能を評価し,翼形状を最適化設計する方法である。この方法の実施には、コンピュータを用いることが好ましい。
本発明の方法では,初めに,設計変数設定手段により,キャンバライン1の両端 (この例でA,D) を含む複数のアンカ点2 (この例でA,D) と1点以上のハンドル端3 (この例でB,C) からなる2次以上のベジエ曲線によってキャンバライン1を定義する。この方法の実施には、コンピュータを用いることが好ましい。
この例で,キャンバライン1上のアンカ点A,Dは,翼の前縁または後縁,あるいはその両方である。
この例で,キャンバライン1上のアンカ点A,Dは,翼の前縁または後縁,あるいはその両方である。
また,同時に設計変数設定手段により,ハンドル端3の少なくとも一つ (この例でB,C) は,キャンバライン1の端部 (この例でA,D) における接線のターボ機械の回転軸に対する角度を,端部 (この例でA,D) の羽根角と一致するように設定する。
この例で,羽根角度は,翼の前縁における入口羽根角または後縁における出口羽根角,あるいはその両方である。また,ハンドル端3は,前縁または後縁における接線,あるいはその両方である。
この例で,羽根角度は,翼の前縁における入口羽根角または後縁における出口羽根角,あるいはその両方である。また,ハンドル端3は,前縁または後縁における接線,あるいはその両方である。
すなわち,本発明の方法では,初めにベジエ曲線の制御点 (この例でA,B,C,D) を適切に配置し,キャンバライン1を定義する (図4 (A))。
これらの制御点(A,B,C,D)のうち前縁側第1点Aと第2点Bを結ぶ線分ABはこのベジエ曲線(キャンバライン1)の前縁Aにおける接線となっている。したがって,入口羽根角β1があらかじめ与えられていれば,第2点Bの位置を決定する変数は1個 (C1) のみとなる (図4 (B))。
同様に,インペラ出口羽根角β2から,後縁側第2点Cを決定する変数も削減することができる (図4 (C))。
これらの制御点(A,B,C,D)のうち前縁側第1点Aと第2点Bを結ぶ線分ABはこのベジエ曲線(キャンバライン1)の前縁Aにおける接線となっている。したがって,入口羽根角β1があらかじめ与えられていれば,第2点Bの位置を決定する変数は1個 (C1) のみとなる (図4 (B))。
同様に,インペラ出口羽根角β2から,後縁側第2点Cを決定する変数も削減することができる (図4 (C))。
なお,図4(A),(B),(C)では,無次元子午面距離cに対して,羽根角βの正接をこのcで積分した ∫tanβdcによってキャンバライン1を定義しているが,有次元長さを用いた手段や,羽根角の定義手段を変えた場合など,様々な定義手段にも応用できる。
また,図4(A),(B),(C)では,制御点を4個使用する場合を示したが,実際には3個以上であれば任意の個数の制御点を使用できる。
さらに,制御点を4個使用する場合では,第1点を基準として他3点を定義するには通常6個の変数が必要となるが,上記の方法で変数を削減すれば,図4 (C) に示した3変数c1,c2,aだけで定義できる。
また,図4(A),(B),(C)では,制御点を4個使用する場合を示したが,実際には3個以上であれば任意の個数の制御点を使用できる。
さらに,制御点を4個使用する場合では,第1点を基準として他3点を定義するには通常6個の変数が必要となるが,上記の方法で変数を削減すれば,図4 (C) に示した3変数c1,c2,aだけで定義できる。
本発明のターボ機械の翼形状設計プログラムは,コンピュータを用いて,ターボ機械の翼形状を複数の設計変数で定義し,前記設計変数を変化させて,コンピュータにより翼の性能を評価し,翼形状を最適化設計するコンピュータプログラムである。
このプログラムは,コンピュータを用いて,下記のステップを実施する。
(1) 翼形状の所望の端部の羽根角,およびキャンバライン1を定義する自由度を設定する問題設定ステップ。
(2) キャンバライン1の両端を含む複数のアンカ点2と1点以上のハンドル端3からなる2次以上のベジエ曲線によってキャンバライン1を定義する設計変数設定ステップ。
(3) 同時に,設計変数設定ステップで,前記ハンドル端3の少なくとも一つは,キャンバライン1の端部における接線のターボ機械の回転軸に対する角度を,前記端部の羽根角と一致するように設定する。
(4) 設定された設計変数からベジエ曲線を構成し,キャンバライン1を作成するキャンバライン作成ステップ。
すなわち,コンピュータは上述したキャンバライン作成手段および設計変数設定手段として機能する。
なお,以上のステップは通常,コンピュータによってすべて自動処理されるが,必要に応じて作業者が介入するステップを追加する,あるいはCADシステムを用いたGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)上で操作することもできる。
また,このプログラムは,コンピュータをキャンバライン作成手段と設計変数設定手段として機能させ,ついでコンピュータを用いて,前記アンカ点とハンドル端の位置を設計変数として,前記設計変数を変化させて,翼の性能を評価し,翼形状を最適化設計する。
このプログラムは,コンピュータを用いて,下記のステップを実施する。
(1) 翼形状の所望の端部の羽根角,およびキャンバライン1を定義する自由度を設定する問題設定ステップ。
(2) キャンバライン1の両端を含む複数のアンカ点2と1点以上のハンドル端3からなる2次以上のベジエ曲線によってキャンバライン1を定義する設計変数設定ステップ。
(3) 同時に,設計変数設定ステップで,前記ハンドル端3の少なくとも一つは,キャンバライン1の端部における接線のターボ機械の回転軸に対する角度を,前記端部の羽根角と一致するように設定する。
(4) 設定された設計変数からベジエ曲線を構成し,キャンバライン1を作成するキャンバライン作成ステップ。
すなわち,コンピュータは上述したキャンバライン作成手段および設計変数設定手段として機能する。
なお,以上のステップは通常,コンピュータによってすべて自動処理されるが,必要に応じて作業者が介入するステップを追加する,あるいはCADシステムを用いたGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)上で操作することもできる。
また,このプログラムは,コンピュータをキャンバライン作成手段と設計変数設定手段として機能させ,ついでコンピュータを用いて,前記アンカ点とハンドル端の位置を設計変数として,前記設計変数を変化させて,翼の性能を評価し,翼形状を最適化設計する。
前記方法およびプログラムで設定したキャンバライン1は,図1に示したように,例えば形状設定(S1)の後,空力評価 (S2) と大規模流体計算 (S3) を経て,形状修正 (S4) し,さらに強度解析と振動解析 (S5) を経て,最終的な翼形状の設計が完了する。なお,本発明はこの設計手順に限定されず,その他の設計手順であってもよい。
またこの場合,最初の形状設定 (S1) では,翼形状のキャンバライン1を上述した複数のパラメータ(設計変数)で表現し,このパラメータを変化させることで,翼の最終形状を決定する。
またこの場合,最初の形状設定 (S1) では,翼形状のキャンバライン1を上述した複数のパラメータ(設計変数)で表現し,このパラメータを変化させることで,翼の最終形状を決定する。
上述した本発明の方法およびプログラムによれば,翼形状の所望の端部の羽根角と,設計変数設定手段によりキャンバライン1を2次以上のベジエ曲線 (N − 1次元ベジエ曲線: Nは3以上の整数) で定義するので,
最適化設計する際のキャンバラインに関する設計変数(パラメータ)は,N − 1個のアンカ点2とハンドル端3の位置のみであり,少ない自由度で定義することができる。
最適化設計する際のキャンバラインに関する設計変数(パラメータ)は,N − 1個のアンカ点2とハンドル端3の位置のみであり,少ない自由度で定義することができる。
また,本発明によれば,ハンドル端3の少なくとも一つは,キャンバラインの端部における接線のターボ機械の回転軸に対する角度を,前記端部の羽根角と一致するように設定するので,ハンドル端3を一つの設計変数(無次元子午面距離)で定義でき,ハンドル端3の設計変数をその分減らすことができる。
したがって,従来と比較して少ない自由度で定義することができ,これにより,コンピュータによる最適化設計の計算時間を短縮化できる。
したがって,従来と比較して少ない自由度で定義することができ,これにより,コンピュータによる最適化設計の計算時間を短縮化できる。
特に好ましくは,キャンバライン1上のアンカ点2は,翼の前縁または後縁,あるいはその両方であり,羽根角は,翼の前縁における入口羽根角または後縁における出口羽根角,あるいはその両方であり,ハンドル端3は,前縁または後縁における接線上,あるいはその両方に位置するので,
「ベジエ制御点と翼の端点(翼の前縁または後縁)を結ぶ線分が,端点におけるそのベジエ曲線の接線になっている」,という性質を利用し,要求される入口羽根角または出口羽根角,あるいはその両方を用いるので,設計変数の数(自由度)を削減することができ,翼形状の最適化などの自動処理における計算負荷を低減できる。
「ベジエ制御点と翼の端点(翼の前縁または後縁)を結ぶ線分が,端点におけるそのベジエ曲線の接線になっている」,という性質を利用し,要求される入口羽根角または出口羽根角,あるいはその両方を用いるので,設計変数の数(自由度)を削減することができ,翼形状の最適化などの自動処理における計算負荷を低減できる。
すなわち,ベジエ曲線を用いてキャンバライン1を定義するので,N個のベジエ制御点(アンカ点2とハンドル端3の位置)により,N − 1次の曲線を定義でき,かつ得られるキャンバライン1は所望の入口羽根角と出口羽根角を有する滑らかな曲線となる。
したがって,低次のベジエ曲線(例えば3次ベジエ曲線)を用いてキャンバライン1を定義すれば,従来20以上の自由度だったものを,本発明により,3自由度まで削減することができる。
したがって,低次のベジエ曲線(例えば3次ベジエ曲線)を用いてキャンバライン1を定義すれば,従来20以上の自由度だったものを,本発明により,3自由度まで削減することができる。
なお,本発明は上述した実施の形態に限定されず,本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることはもちろんである。
1 キャンバライン,
2 アンカ点,
3 ハンドル端
2 アンカ点,
3 ハンドル端
Claims (3)
- キャンバライン作成手段により翼形状の所望の端部の羽根角と,設計変数設定手段によりキャンバラインの両端を含む複数のアンカ点と1以上のハンドル端からなる2次以上のベジエ曲線によって前記キャンバラインを定義し,
かつ前記ハンドル端の少なくとも一つは,前記キャンバラインの端部における接線のターボ機械の回転軸に対する角度を,前記端部の羽根角と一致するように設定し,
前記アンカ点とハンドル端の位置を設計変数として,前記設計変数を変化させて,翼の性能を評価し,翼形状を最適化設計する,ことを特徴とするターボ機械の翼形状設計方法。 - 前記キャンバライン上の前記アンカ点は,翼の前縁または後縁,あるいはその両方であり,
前記羽根角は,翼の前縁における入口羽根角または後縁における出口羽根角,あるいはその両方であり,
前記ハンドル端は,前縁または後縁における接線,あるいはその両方である,ことを特徴とする請求項1に記載のターボ機械の翼形状設計方法。 - キャンバラインの両端を含む複数のアンカ点と1以上のハンドル端からなる2次以上のベジエ曲線によって前記キャンバラインを定義し,
かつ前記ハンドル端の少なくとも一つは,前記キャンバラインの端部における接線のターボ機械の回転軸に対する角度を,前記端部の羽根角と一致するように設定する設計変数設定手段として機能させ,
前記アンカ点とハンドル端の位置を設計変数として,前記設計変数を変化させて,翼の性能を評価し,翼形状を最適化設計することを特徴とするターボ機械の翼形状設計プログラム。
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