JP2011242328A - 気泡検知用用具、気泡検知装置、気泡検知方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塗布液を薄膜化させて流通させる気泡検知流路1を形成可能に所要の間隔をおいて対向配置され、少なくとも一方を透明板とさせた一対の平板2、3を備えた平板部と、平板部を挟み込んで平板部を保持させる共に、塗布液の供給配管経路の途中に接続されるプレート部とを備える。そして、プレート部は、供給配管経路と連通され、気泡検知流路1へ塗布液を流入させる入口側マニホールド6及び気泡検知流路1から塗布液を流出させる出口側マニホールド7と、気泡検知流路1を流通する塗布液中の気泡の有無を透過光又は反射光を用いて検知可能または目視可能に気泡検知流路1と対応する部位を開口させた検知スロット19とを設ける。
【選択図】図1
Description
気泡を含有した塗布液をそのまま塗布すると、気泡によって泡はじき、ピンホール等の塗布欠陥が塗布面に生じ、ウエブに均一な感熱記録層を形成することができないといった塗布トラブル、塗布欠陥が発生し、歩留まりの低下などを引き起こしている。
実塗布液の送液を開始したら、先ず、ウエブに塗布される塗布液中に含有する気泡を検知し、次にこれを除去し、塗布液中に気泡のないことを確認し、塗布ヘッドに塗布液を送液し、塗布している。
請求項1にかかる発明は、塗布液を薄膜化させて流通させる気泡検知流路を形成可能に所要の間隔をおいて対向配置され、少なくとも一方を透明板とさせた一対の平板を備えた平板部と、前記平板部を挟み込んで該平板部を保持させる共に、前記塗布液の供給配管経路の途中に接続されるプレート部とを備えてなり、前記プレート部は、前記供給配管経路と連通され、前記気泡検知流路へ前記塗布液を流入させる入口側マニホールドと、前記供給配管経路と連通され、前記気泡検知流路から前記塗布液を流出させる出口側マニホールドと、 前記気泡検知流路を流通する塗布液中の気泡の有無を透過光又は反射光を用いて検知可能または目視可能に、前記気泡検知流路と対応する部位を開口させた検知スロットとを設けてなる気泡検知用用具を特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1において、前記一対の平板の配置間隔は、検知すべき上限の気泡外径以上の間隔であることを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1または2において、前記入口側マニホールドと前記出口側マニホールドは、前記気泡検知流路に対し鉛直方向に設けられていると共に、傾斜状若しくは垂直状に形成されていることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3の何れか1項において、前記プレート部は、前記平板部を挟んで上下一対からなると共に、上下夫々、複数のプレートで構成され、
前記入口側マニホールドと前記出口側マニホールドは、複数の前記プレートに跨るように形成されていることを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至5の何れか1項において、前記一対の平板の間、前記平板部と前記入口側マニホールドとの連通部の周辺、前記平板部と前記出口側マニホールドとの連通部の周辺、夫々にシール材を介在させたことを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の気泡検知用用具と、
前記検知スロットを介して設けられ、前記気泡検知流路を流通する塗布液中の気泡の有無を検知させる検知手段とを備えた気泡検知装置を特徴とする。
請求項7にかかる発明は、請求項6において、前記検知手段は、前記気泡検知流路を流通する塗布液を撮像する撮像カメラを備えてなることを特徴とする。
請求項8にかかる発明は、少なくとも一方を透明板とさせた一対の平板を用いて、塗布液を薄膜化して流通する気泡検知流路を形成し、この気泡検知流路に塗布液を流すことで塗布液を薄膜状に形成し、反射光、若しくは、透過光で薄膜液中の気泡有無を検知または目視する気泡検知方法を特徴とする。
請求項9にかかる発明は、請求項8において、前記一対の平板の配置間隔は、検知すべき上限の気泡外径以上の間隔としたことを特徴とする。
先ず、本実施の形態にかかる気泡検知装置の実施の形態を図1及び図2を参照しながら説明する。
なお、上述した上下一対の開口部のうち、透明板2の開口部を検知スロット19とし、検知スロット19から覗く透明板2の部位を検知部20とする。なお、透明板2と平板3とスペーサ10とを備えて平板部が構成される。スペーサ10によって形成される透明板2と平板3の配置間隔(気泡検知流路1の流路高さ、つまり液膜厚さ)は、検知すべき上限の気泡外径以上としている(検知すべき上限の気泡が気泡検知流路1を少なくとも移動可能程度の間隔)。
そして、気泡有無を検知すべき塗布液は、液入口8より液供給路11を通り、入口側マニホールド6に入る。ここで、幅方向に流路は拡幅し、上方に向かって流れ、入口側液整流路13を通り、検知すべき上限の気泡外径以上の液膜厚さに設定された気泡検知流路1に入る。
反射方式の場合、総じて検知能力が低いが、塗布液が透明又は白色に近い色、更には検知気泡径が大きい場合には問題なく検知可能である。
ただし、液粘度及び液流量若しくは流速によっては、平板部での圧力損失が大きくなることがある。この場合には、透過光方式又は反射方式のいずれかの適切な選定、更には、平板の間隔と光源の照度を適切に設定する必要がある。
この為に、気泡検知流路1の前に入口側マニホールド6を設け、ここで通常円形断面である塗布液入口8及び液供給路11を通った塗布液を入口側マニホールド6の幅方向に均一に拡散し、入口側液整流路13に向けて幅方向に均一流速で流す。この結果、塗布液の滞留部の形成を抑制することが可能となる。
更に、マニホールド部では、全ての塗布液が概ね同程度の時間で通過することが望ましい。
同程度のマニホールド通過時間であることで、液滞留による分散安定性の小さい分散液の分散物の沈降が抑制でき、流路の詰りが抑制可能となる。
検知部20を通過した塗布液は、出口側液整流路14を通り、出口側マニホールド7に入る。ここでも入口側マニホールド6と同様に液滞抑制と同程度のマニホールド通過時間である必要がある。この結果、気泡の滞留抑制及び分散安定性の小さい塗布液の分散物の沈降による流路の詰りの抑制が可能となる。
図1に示すように、マニホールドを縦断面視で点対象の位置に配置してあるため、気泡検知流路1を水平、垂直のいずれに設置しても問題ない。図1において出口側マニホールド7を気泡検知流路1の下方に配置した場合には、気泡検知流路1を垂直に配置することで気泡の滞留を防止できる。
また、図1に示す実施の形態では、液入口8及び液出口9のポートとしてねじ込み方式を例示しているが、フランジ方式でも良い。
透明の塗布液の場合には、気泡が検知しやすいため、上述した間隙を大きくとることが可能であるが、この場合にはレイノルズ数を考慮して、層流となるよう設計する。
ガラスは下記理由により強化ガラスが適している。
すなわち、日本の板ガラス協会の耐風圧強度計算式によれば、強化ガラスは普通板ガラスのおよそ3.5倍の耐圧強度をもつため、設計条件によっても異なるが、気泡検知流路1及び気泡検知用用具の液通過圧力損失及び下流の液供給配管及びダイ等の塗布部の圧力損失は、少なくとも0.1MPa程度の圧力となるため、この圧力に対する強度が必要となり、塗布作業者への安全性、設備の破損防止などの観点から強化ガラスが適している。圧損による設備の破損防止若しくはポンプの負担を考慮すると気泡検知流路1の入り口から出口までの距離を小さくすることで圧損を小さくできる。
<基本条件>
・透明板及び平板:共に強化ガラス、厚さ5mm、2枚
・平板同士の距離(間隙):1mm
・流路幅:100mm
・検知部長さ:20mm
・入口側及び出口側液整流路幅:(1)入口側3mm(2)出口側80mm
・マニホールド断面積:(1)入口側493mm^2(2)2200mm^2
・照明:透過光方式(ストロボを入り口側開口部に設置)、蛍光灯40w
・検知(観察):目視
・塗布液:アクリルエマルジョン糊、密度1040kg/m^3
・液流量:1.25kg/min、2.50kg/min
・気泡検知流路の流速:20.0cm/sec、40.0cm/sec
・気泡の発生方法
1)液タンクより塗布液を脈動の小さいモーノを用い、所定の流量を外形φ10mm内径φ8mmのナイロンチューブで受けタンクに送る。このナイロンチューブに注射針(テルモ27G、3/4“:針外径0.4mm)を刺し、圧空を精密レギュレータにより減圧、圧力調整して針に送る。受けタンクで気泡の入った塗布液をサンプリングし、100mm角のかつ、中央に60mm角の切り抜きをした厚さ1.5mm及び2.0mmのゴムを100mm角の厚さ10mmのガラス板で挟み、ゴム中央の60mm角切り抜き部にサンプリングした気泡入りの塗布液を封入した気泡径測定治具をライトボックッス(シャーカステン)の上に乗せ、目盛付き10倍ルーペで気泡径を測定する。
2)設定液流量に対する狙いの気泡径に対する圧空圧力を設定後、気泡検知装置の液入り口に前記ナイロンチューブを接続し、検知部より気泡を目視検知する。この条件を元に実験した結果を表1及び表2に示す。
検知手段は、検知スロット19を介して設置された撮像カメラ21と、その撮像カメラ21の画像データを画像処理して気泡の有無や気泡径を検知する制御部22と、画像データと制御部22の検知結果を記録する記憶装置23と、制御部22の検知結果を画像表示させる表示装置24とを備えて構成される。
撮像カメラの方式は、リニアイメージセンサ(一次元イメージセンサ)又はエリアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)のいずれでも、また、CCDイメージセンサ若しくはCMOSイメージセンサのいずれでもよい。
Claims (9)
- 塗布液を薄膜化させて流通させる気泡検知流路を形成可能に所要の間隔をおいて対向配置され、少なくとも一方を透明板とさせた一対の平板を備えた平板部と、
前記平板部を挟み込んで該平板部を保持させる共に、前記塗布液の供給配管経路の途中に接続されるプレート部と
を備えてなり、
前記プレート部は、
前記供給配管経路と連通され、前記気泡検知流路へ前記塗布液を流入させる入口側マニホールドと、
前記供給配管経路と連通され、前記気泡検知流路から前記塗布液を流出させる出口側マニホールドと、
前記気泡検知流路を流通する塗布液中の気泡の有無を透過光又は反射光を用いて検知可能または目視可能に、前記気泡検知流路と対応する部位を開口させた検知スロットと
を設けてなることを特徴とする気泡検知用用具。 - 前記一対の平板の配置間隔は、検知すべき上限の気泡外径以上の間隔であることを特徴とする請求項1に記載の気泡検知用用具。
- 前記入口側マニホールドと前記出口側マニホールドは、前記気泡検知流路に対し鉛直方向に設けられていると共に、傾斜状若しくは垂直状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の気泡検知用用具。
- 前記プレート部は、前記平板部を挟んで上下一対からなると共に、上下夫々、複数のプレートで構成され、
前記入口側マニホールドと前記出口側マニホールドは、複数の前記プレートに跨るように形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の気泡検知用用具。 - 前記一対の平板の間、前記平板部と前記入口側マニホールドとの連通部の周辺、前記平板部と前記出口側マニホールドとの連通部の周辺、夫々にシール材を介在させたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の気泡検知用用具。
- 請求項1乃至5の何れか1項に記載の気泡検知用用具と、
前記検知スロットを介して設けられ、前記気泡検知流路を流通する塗布液中の気泡の有無を検知させる検知手段と
を備えたことを特徴とする気泡検知装置。 - 前記検知手段は、前記気泡検知流路を流通する塗布液を撮像する撮像カメラを備えてなることを特徴とする請求項6に記載の気泡検知装置。
- 少なくとも一方を透明板とさせた一対の平板を用いて、塗布液を薄膜化して流通する気泡検知流路を形成し、この気泡検知流路に塗布液を流すことで塗布液を薄膜状に形成し、反射光、若しくは、透過光で薄膜液中の気泡有無を検知または目視することを特徴とする気泡検知方法。
- 前記一対の平板の配置間隔は、検知すべき上限の気泡外径以上の間隔としたことを特徴とする請求項8に記載の気泡検知方法。
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