JP2011242281A - ガスセル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 円筒の中心軸が左右方向になるように配置された円筒状の器壁からなるボディ11と、鏡12aを一端面に有する第一フランジ12と、鏡13aを一端面に有する第二フランジ13とを備えるガスセル10であって、セルボディ11の左端側と第二フランジ13との間に配置される調整フランジ14を備え、調整フランジ14が、セルボディ11に対して相対位置を調整可能に取り付けられており、第二フランジ13が、調整フランジ14の定位置に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
また、温室効果ガスとしての二酸化炭素やメタン等の空気中における濃度の測定も益々広く行われている。
図3は、従来の多重反射セル式ガス分析システムの一例を示す図である。
多重反射セル式ガス分析システム101は、多重反射ガスセル110と、分析計20と、電源部(図示せず)と、パーソナルコンピュータ等により具現化される情報処理装置(図示せず)とを備える。
なお、光源室21の器壁には、パージガス(窒素ガス(N2)等)が所定の圧力に減圧されて光源室21の内部に供給されるパージガス導入口21aと、ガスパージされたパージガスを光源室21の内部から排出するパージガス排出口21bと、多重反射ガスセル110に光束を出射する窓21cと、多重反射ガスセル110からの光束を入射する窓21dとが形成されている。
セルボディ111は、円筒の中心軸が左右方向になるように配置されており、右端部となる円形状の開口部111aと、左端部となる円形状の開口部111bと、器壁を上下方向に貫通する円筒状のガス導入孔11cと、器壁を上下方向に貫通する円筒状のガス排出孔11dとを有する。なお、このようなセルボディ111は、溶接によって製造されている。
円形状の開口部111aの周縁部には、第一フランジ112と連結されるためにボルト15が挿入される複数個(例えば、6個)のボルト穴が形成されている。一方、円形状の開口部111bの周縁部には、第二フランジ113と連結されるためにボルト16が挿入される複数個(例えば、6個)のボルト穴が形成されている。
また、第一フランジ112および凹面鏡12aの周縁部の一部には、測定用の光束がセルボディ111の内部に入射するための例えば、直径0.6cmの入射穴12cが設けられるとともに、第一フランジ112および凹面鏡12aの周縁部の他の一部には、セルボディ111の内部から光束が出射するための例えば、直径0.6cmの出射穴12bが設けられている。なお、入射穴12cと出射穴12bとには、それぞれ光透過性の窓板が窓板押えおよびガスケットによって気密保持されている。
なお、セルボディ111の内部の気密性を確保するため、第一フランジ112とセルボディ111との接触部と、第二フランジ113とセルボディ111との接触部とには、円環形状の合成ゴム製のガスケットが挟持されている。なお、それぞれの凹面鏡とフランジ(12aと112、13aと113)は一体加工により一体製作してもよい。
上記ガスケットには、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、シリコーンゴム(VMQ)、フッ素ゴム(FKM)、天然ゴム等によって製造される合成ゴムが使用可能である。
この多重反射ガスセル110の光学系が成り立つには2枚の凹面鏡12a、13aとセルボディ111との間に高い相対位置関係精度が求められる。例えば3者の中心軸がずれたり曲がってはいけない。しかしながら、直管に枝管が取り付けられた複雑な形状のセルボディ111を作製するには、通常溶接により作製する(大型多軸機械加工機等を用いて大きな材料から全て切削加工により製作すれば高精度が得られるが実用的でない)(特にセルボディ111の左右方向の長さLが30cm程度になるとき)。そのため、多重反射ガスセル110の製造業者は、セルボディ111の加工精度が多少悪くても、光束を正確に出射穴12bから取り出すために、セルボディ111の左端側に第二フランジ113を取り付ける際に、セルボディ111に対する凹面鏡13aの取り付け位置を調整手段(例えば、安全な可視レーザ光を用いて光軸が見えるようにして凹面鏡フランジ(第二フランジ113)を動かして調整を行い適切な位置で固定する等)によって微調節して取り付けることにより、設計者の意図した通りに正確に動作するようにしている。
そして、多重反射ガスセル110の凹面鏡12a、13aを清掃した後に、セルボディ111の左端側に第二フランジ113を取り付ける際に、上述したように光束を正確に出射穴12bから取り出すために、セルボディ111に対する凹面鏡13aの取り付け位置を調整手段によって微調節しなければならない。
そこで、本発明は、製造業者に依頼せずに、鏡(凹面鏡)を清掃することができるガスセルを提供することを目的とするものである。
また、「前記調整フランジが、前記セルボディに対して相対位置を調整可能に取り付けられている」とは、調整手段(例えば、安全な可視レーザ光を用いて光軸が見えるようにして調整フランジやセルボディを動かして調整を行い適切な位置で固定する等)等のように他の装置や道具を用いて取り付けることをいう。
また、「円筒状の器壁からなるセルボディ」は、左右方向の中央辺りで分割されたような2分割された構造であってもよく、全く分割されていない構造であってもよい。
なお、調整フランジは、セルボディの左端側と第二フランジとの間に配置されているが、左右をひっくり返すと、セルボディの右端側と第二フランジとの間に配置されることになる。つまり、調整フランジの位置はセルボディの左端側に限らないことになる。
そして、使用者が鏡を清掃した後には、調整フランジと第二フランジとを位置合わせして、調整フランジの定位置に第二フランジを取り付ける。これにより、セルボディに対する鏡の取り付け位置を正確に元の取り付け位置に戻すことができる。つまり、セルボディに対する鏡の取り付け位置を調整手段によって微調節せずに、光束を正確に出射穴から取り出すことができる取り付け位置に戻す。
また、本発明のガスセルは、前記調整フランジには第二雄部が形成されるとともに、前記第二フランジには第二雌部が形成されており、前記第二雄部と第二雌部とによって位置合わせされて、前記調整フランジに第二フランジが取り付けられているようにしてもよい。
また、本発明のガスセルは、前記調整フランジに形成された第二雄部は、凸部又は凹部であるとともに、前記第二フランジに形成された第二雌部は、前記第二雄部に対応する凹部又は凸部であるようにしてもよい。
本発明のガスセルによれば、ガスセルの製造業者は、まず、セルボディの右端側に形成された第一雄部と、第一フランジに形成された第一雌部とによって位置合わせして、セルボディの右端側に第一フランジを取り付ける。次に、調整フランジに形成された第二雄部と、第二フランジに形成された第二雌部とによって位置合わせして、調整フランジに第二フランジを取り付ける。次に、セルボディの左端側と調整フランジとは、調整手段によって位置合わせして、セルボディの左端側に調整フランジを取り付ける。つまり、光束を正確に出射穴から取り出すために、調整フランジの取り付け位置が調整手段によって微調節されて取り付けられている。
そして、使用者が鏡を清掃した後には、セルボディの右端側に形成された第一雄部と、第一フランジに形成された第一雌部とによって位置合わせして、セルボディの右端側に第一フランジを取り付ける。次に、調整フランジに形成された第二雄部と、第二フランジに形成された第二雌部とによって位置合わせして、調整フランジに第二フランジを取り付ける。これにより、セルボディに対する鏡の取り付け位置を正確に元の取り付け位置に戻すことができる。つまり、セルボディに対する鏡の取り付け位置を調整手段によって微調節せずに、光束を正確に出射穴から取り出すことができる取り付け位置に戻す。
以上のように、本発明のガスセルによれば、製造業者に依頼せずに、鏡を清掃することができる。
さらに、本発明のガスセルは、前記セルボディの左端側と調整フランジとは、調整手段によって位置合わせされて、前記セルボディの左端側に調整フランジが取り付けられているようにしてもよい。
多重反射セル式ガス分析システム1は、多重反射ガスセル10と、分析計20と、電源部(図示せず)と、パーソナルコンピュータにより具現化される情報処理装置(図示せず)とを備える。
セルボディ11は、円筒の中心軸が左右方向になるように配置されており、右端部となる円形状の開口部11aと、左端部となる円形状の開口部11bと、器壁を上下方向に貫通する円筒状のガス導入孔11cと、器壁を上下方向に貫通する円筒状のガス排出孔11dとを有する。なお、このようなセルボディ11は、溶接によって製造されている。
さらに、開口部11aの周縁部の左側面には、第一フランジ12に形成された円環形状の凹部(第一雌部)12dによって位置合わせされて第一フランジ12が取り付けられるための円環形状の凸部(第二雄部)11eが形成されている。凸部(雄部)11eは、例えば、高さ0.3cm、外径7.6cmとなり、一方、凹部(雌部)12dは、凸部(雄部)11eに対応するように、例えば、深さ0.4cm、内径7.6cmとなっている。
一方、円形状の開口部11bの周縁部には、調整フランジ14と連結されるためにボルト17が挿入される複数個(例えば、6個)のボルト穴が形成されている。
また、第一フランジ12および凹面鏡12aの周縁部の一部には、測定用の光束がセルボディ11の内部に入射するための例えば、直径0.6cmの入射穴12cが設けられるとともに、第一フランジ12および凹面鏡12aの周縁部の他の一部には、セルボディ11の内部から光束が出射するための例えば、直径0.6cmの出射穴12bが設けられている。なお、入射穴12cと出射穴12bとには、それぞれ光透過性の窓板が窓板押えおよびガスケットによって気密保持されている。
さらに、調整フランジ14の左端面には、第二フランジ13に形成された円環形状の凹部(第二雌部)13bによって位置合わせされて第二フランジ13が取り付けられるための円環形状の凸部(第二雄部)14aが形成されている。凸部(第二雄部)14aは、例えば、高さ0.3cm、外径7.6cmとなり、一方、凹部(第二雌部)13bは、凸部(第二雄部)14aに対応するように、例えば、深さ0.4cm、内径7.6cmとなっている。
また、第二フランジ13の凹面鏡13aが調整フランジ14の左端側の開口部を塞ぎ、かつ、凹部13bと凸部14aとによって位置合わせされて、調整フランジ14の左端側に第二フランジ13がボルト16を用いて取り付けられている。このとき、調整フランジ14の左端側の決まった位置に第二フランジ13が取り付けられることになる。
なお、セルボディ11の内部の気密性を確保するため、第一フランジ12とセルボディ11との接触部と、第二フランジ13と調整フランジ14との接触部と、調整フランジ14とセルボディ11との接触部とには、円環形状の合成ゴム製のガスケットが挟持されている。
そして、使用者が凹面鏡12a、13aを清掃した後には、凹部12dと凸部11eとによって位置合わせして、セルボディ11の右端側に第一フランジ12を取り付ける。次に、凹部13bと凸部14aとによって位置合わせして、調整フランジ14に第二フランジ13を取り付ける。このとき、セルボディ11に対する凹面鏡12a、13aの取り付け位置を正確に元の取り付け位置に戻すことができる。つまり、セルボディ11に対する凹面鏡12a、13aの取り付け位置を、調整手段によって微調節せずに、光束を正確に出射窓12bから取り出すことができる取り付け位置に戻す。
上述した多重反射セル式ガス分析システム1において、セルボディ11の左端側と第二フランジ13との間に配置される調整フランジ14を備えるような構成を示したが、セルボディの右端側と第一フランジとの間に配置される調整フランジを備えるような構成としてもよい。
11 セルボディ
11c ガス導入孔
11d ガス排出孔
11e、14a 凸部(雄部)
12 第一フランジ
12a、13a 凹面鏡
12b 出射穴
12c 入射穴
12d、13b 凹部(雌部)
13 第二フランジ
14 調整フランジ
Claims (6)
- 円筒の中心軸が左右方向になるように配置された円筒状の器壁からなり、内部に試料ガスが導入されるセルボディと、
鏡を一端面に有する第一フランジと、
鏡を一端面に有する第二フランジとを備え、
試料ガスが導入されるガス導入孔と、試料ガスが排出されるガス排出孔と、光束が入射する入射穴と、光束が出射する出射穴とが形成されており、
前記第一フランジの鏡がセルボディの右端側の開口を塞ぐように、前記セルボディの右端側に第一フランジが配置されるとともに、
前記第二フランジの鏡がセルボディの左端側の開口を塞ぐように、前記セルボディの左端側に第二フランジが配置され、
前記入射穴外部から入射した光束が、上記2個の鏡で交互に反射しながら、前記セルボディと2個の鏡との間に形成された内部空間に充填された試料ガス中を透過した後、前記出射穴から出射するように構成されたガスセルであって、
前記セルボディの左端側と第二フランジとの間に配置される調整フランジを備え、
前記調整フランジが、前記セルボディに対して相対位置を調整可能に取り付けられており、
前記第二フランジが、前記調整フランジの定位置に着脱可能に取り付けられていることを特徴とするガスセル。 - 前記調整フランジには第二雄部が形成されるとともに、前記第二フランジには第二雌部が形成されており、
前記第二雄部と第二雌部とによって位置合わせされて、前記調整フランジに第二フランジが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のガスセル。 - 前記調整フランジに形成された第二雄部は、凸部又は凹部であるとともに、前記第二フランジに形成された第二雌部は、前記第二雄部に対応する凹部又は凸部であることを特徴とする請求項2に記載のガスセル。
- 前記セルボディの右端側には第一雄部が形成されるとともに、前記第一フランジには第一雌部が形成されており、
前記第一雄部と第一雌部とによって位置合わせされて、前記セルボディの右端側に第一フランジが取り付けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載のガスセル。 - 前記調整フランジに形成された第二雄部は、凸部又は凹部であるとともに、前記第二フランジに形成された第二雌部は、前記第二雄部に対応する凹部又は凸部であることを特徴とする請求項4に記載のガスセル。
- 前記セルボディの左端側と調整フランジとは、調整手段によって位置合わせされて、前記セルボディの左端側に調整フランジが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のガスセル。
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