JP3151670U - ガスセル - Google Patents
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Abstract
【課題】組み立て精度によって光路の安定度が影響されない多重反射型ガスセルを提供する。【解決手段】内部に充填された気体に光を透過させて気体の定性・定量分析を行うガスセルにおいて、中心軸に垂直な両端面を有する円筒と、前記円筒端面の外周の径より大きな径を有する2個の凹面鏡と、前記2個の凹面鏡のそれぞれの反射面を、互いに対向させて前記円筒における両端面の外周に付勢する手段を備えている。凹面鏡の位置がわずかに移動しても、円筒外周全域が反射面に内接している限り、凹面鏡の光軸は変位しないため、凹面鏡の保持位置の精度を緩めることが可能である。【選択図】 図1
Description
本考案は種々の気体中の微量成分の分析を行うためのガスセルに関する。
環境汚染や大気汚染の原因となる排気ガス中にはH2SやSOxなどのイオウ化合物、NOxやNH3などの窒素化合物、種々の炭化水素等が含まれており、環境状態、特に住民の健康状態に対するこれらの物質の影響が指摘され、空気中におけるこれらの濃度の測定が重要視されている。一方、温室効果ガスとしての二酸化炭素やメタンなどの空気中における濃度の測定も益々広く行われている。
これらガス分析では一般に、ガスセルに試料を充填し、これに光を透過させ、目的成分による光吸収を測定し、これより目的成分の濃度を求めている。この際、比較的少量の容量の試料ガスを用いて、できる限り高感度で測定するために、ガスセル内での光路長を拡大する多重反射ガスセルが一般的に使用され、その測定精度を向上させるための工夫が種々提案されている(たとえば特許文献1参照)。
一般的に使用されている多重反射ガスセルの一例を図3に示す。図3におけるガスセルは、試料ガスを収容する円筒1と、その両端にボルト9で取り付けられた2個の凹面鏡ホルダー3、4と、凹面鏡ホルダー3、4の内面に接着などの方法で保持されて、互いに反射面を対向させている2枚の凹面鏡2を主要構成要素とする。円筒1には側面に試料ガスを導入するガス導入孔5と、測定後の試料ガスを排出するガス排出孔6が設けられている。また凹面鏡ホルダー4には測定用の光を入射するための入射窓11と、ガスセルから光が出射する出射窓12が設けられ、入射窓11と出射窓12の内部には、それぞれ光透過性の窓板7が窓板押え8によって保持されている。ガスセル内部の気密性を確保するため、凹面鏡ホルダー3、4と円筒1の接触部と、窓板7と凹面鏡ホルダー4の接触部にはガスケット10が挟持されている。
実際の測定には、試料ガスが図示されていないポンプやバルブなどの手段でガス導入孔5を通じて導入され、ガスセル内部を満たす。次に、図3には示されていない光源からの光が入射窓11から窓板7を通してガスセル内に入射する。この光は2枚の凹面鏡2の反射面間をある回数だけ反復反射したのち、窓板7を通して出射窓12から外部へ出射する。出射した光は、図3には示されていない検出器に送られて、測定が行われる。
多重反射ガスセルが設計の意図した通りに正確に動作するためには、2枚の凹面鏡2の焦点距離の精度(凹面鏡の表面形状精度)と両凹面鏡間の距離の正確度が設計通りに製作されており、さらに2枚の互いに対向する凹面鏡の光軸が正確に一致している場合にのみ、入射窓11から入射した光が、2枚の凹面鏡2の間で所定の回数多重反射されたのち、光が正確に出射窓12から取り出される。
しかしながら、図3に示す従来のガスセルにおいて、2枚の凹面鏡2に光軸を精度よく一致させるためには、それぞれの凹面鏡2のきわめて精度の良い位置決めが求められ、凹面鏡ホルダー3、4および円筒1の加工をきわめて高精度に行わなくてはならない。また、必要ならば、凹面鏡2の位置を微調節するための複雑な機構を設置する必要がある。このことにより、部品加工コストおよび調節コストが増加する問題点がある。
本考案にかかるガスセルは、中心軸に垂直な両端面を有する円筒と、前記円筒端面の外周の径より大きな径を有する2個の凹面鏡と、前記2個の凹面鏡のそれぞれの反射面を互いに対向させて前記円筒の両端面の外周にそれぞれ付勢する付勢手段を備えたものである。
したがって、本考案は、上記の問題点を解決するため、凹面鏡の設置位置の精度が性能に影響を及ぼさないガスセルを供給する。
したがって、本考案は、上記の問題点を解決するため、凹面鏡の設置位置の精度が性能に影響を及ぼさないガスセルを供給する。
2個の凹面鏡を用いるガスセルにおいて、凹面鏡の位置精度が光路の変動の原因にならないため、組み立て工程が短縮できると共に、部品加工コストも低減できる。
本考案にかかるガスセルは、「円筒をその軸と直交する面で切った端面(円)を、円筒の径より大きい径の球面に押し当てた時、円筒の端の円で囲まれる部分球面の中心軸は、常に円筒の軸と一致する」という幾何学的事実に依拠しており、軸に直角の両端面を持つ1個の円筒と、その両端に反射面を互いに対向させて配設された一対の凹面鏡とを主な構成要素とする。
本考案の一実施例を図1に示す。本図におけるガスセルは、円筒1と、これにボルト9によって配設された凹面鏡ホルダー3、4と、凹面鏡ホルダー3、4に包摂された一対の凹面鏡2を主要構成要素とする。
円筒1の両端には最外周の径より小さい外径を有する円筒形の突出部が設けられており、この突出部の終端面は円筒1の中心軸に対して直角をなす平面に加工されている。
2枚の凹面鏡2の外径は上記の円筒1の終端の突出部の外形より大きく、突出部外周が凹面鏡2の凹面に接触する状態で、凹面鏡ホルダー3、4の内部に配設されたバネ13によって円筒1に付勢されて圧接されている。
右側の凹面鏡ホルダー4には、ガスセル内に測定用の光束を導入するための入射窓11と、ガスセル内で多重反射した後の光束を外部に取り出すための出射窓12が設けられている。入射窓11および出射窓12の内部には、それぞれ窓板7が窓板押え8によって保持されている。
円筒1にはその壁を貫通してガス導入孔5およびガス排出孔6が設けられており、これらを通じて試料ガスの導入・排出が行われる。ガスセル内の必要個所にはゴム製Oリング等のガスケット10が配設され、ガスセルの気密性が保持される。
実際の測定には、試料ガスが図示されていないポンプやバルブなどの手段でガス導入孔5を通じて導入され、ガスセル内部を満たす。次に、図示しない光源からの光が入射窓11から窓板7を通してガスセル内に入射する。この光は2枚の凹面鏡2の反射面間をある回数だけ反復反射したのち、窓板7を通して出射窓12から外部へ出射する。出射した光は、図1には示されていない検出器に送られ、測定される。
図2に、本考案の一変形実施例を示す。この例において、測定用光束は、凹面鏡ホルダー4に設けられた入射窓11よりガスセル内に導入されるが、凹面鏡2によって多重反射されたのちの光束は、対向するもう一方の凹面鏡ホルダー3に穿設された出射窓12より取り出される。この形のガスセルは、光源と検出器がガスセルを挟んで互いに反対方向にある測定系に応用できる。
図1および図2のガスセルの特徴は、凹面鏡2の反射面に円筒1の端部外周円が内接している点にある。図4に模式的に示すように、円筒1の端部外周が凹面鏡2の球面に内接していれば、円筒の外周円で切り取られる部分球面の中心は必ず円筒の軸上にある。言い換えれば、図4に示す通り、凹面鏡2の位置が矢印のように大きく変位しても、有効な球面の光軸は円筒1の軸に一致して、変化しない。したがって、図1のガスセルにおいても、凹面鏡2の反射面に円筒1の端部の外周が内接していれば、凹面鏡の光軸は変化しない。このことによって、凹面鏡2の微細な位置調節は不要となり、凹面鏡ホルダーの加工精度の要求も軽減される。なお、上記においては、凹面鏡2を円筒1に付勢する手段としてバネ13の弾力を利用する実施例を示したが、バネではなくゴム材を介在させる方式も実施可能であり、図示例には限定されない。
本考案は、本考案は種々の気体中の微量成分の分析、特にガスセルを使用する吸光分析に利用可能である。
1 円筒
2 凹面鏡
3、4 凹面鏡ホルダー
5 ガス導入孔
6 ガス排出孔
7 窓板
8 窓板押え
9 ボルト
10 ガスケット
11 入射窓
12 出射窓
13 バネ
2 凹面鏡
3、4 凹面鏡ホルダー
5 ガス導入孔
6 ガス排出孔
7 窓板
8 窓板押え
9 ボルト
10 ガスケット
11 入射窓
12 出射窓
13 バネ
Claims (1)
- 内部に充填された気体に光を透過させて気体の定性・定量分析を行うガスセルであって、中心軸に垂直な両端面を有する円筒と、前記円筒端面の外周の径より大きな径を有する2個の凹面鏡と、前記2個の凹面鏡のそれぞれの反射面を互いに対向させて前記円筒の両端面の外周にそれぞれ付勢する付勢手段を備えたことを特徴とするガスセル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009002487U JP3151670U (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | ガスセル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009002487U JP3151670U (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | ガスセル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3151670U true JP3151670U (ja) | 2009-07-02 |
Family
ID=54856050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009002487U Expired - Lifetime JP3151670U (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | ガスセル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3151670U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011220689A (ja) * | 2010-04-02 | 2011-11-04 | Shimadzu Corp | ガス分析装置 |
JP2011242281A (ja) * | 2010-05-19 | 2011-12-01 | Shimadzu Corp | ガスセル |
-
2009
- 2009-04-17 JP JP2009002487U patent/JP3151670U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011220689A (ja) * | 2010-04-02 | 2011-11-04 | Shimadzu Corp | ガス分析装置 |
JP2011242281A (ja) * | 2010-05-19 | 2011-12-01 | Shimadzu Corp | ガスセル |
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