JP2011241929A - 電動切換弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動切換弁は、弁本体10の円周上に1個の入口ポート11と3個の出口ポート12を有し、各出口ポートに対向して3本の弁体120が配置される。キャン20内外には、それぞれ回転自在なロータ30とステータとして機能するコイルユニット40が取り付けられる。ロータ30の回転は不思議遊星歯車機構93を介して減速されて回転カム部材81に伝達される。回転カム部材81の下端部外側に付設されたカム部140の一部に凸部140aを有し、3本の弁体120を選択して押し上げて開弁するので、微小流量制御が可能である。カム部140を備えた回転カム部材81は、弁体120に囲まれて中心寄りに配置されているので、省スペースとなり小型化を図ることができる。
【選択図】図1
Description
また、弁体はロータの回転軸に平行な軸線方向に配設される2本以上の棒状の弁体であって、各弁体に対向して配設される出口ポートは、弁体の軸線と同一軸線を備える。弁体の本数は、好ましくは2本〜5本である。多数本の場合には、弁の径を大きくして、各弁に対して作用するカムの範囲を確保することが好ましい。
更に、弁体の頂部に配設されて弁体を出口ポートに向けて付勢する付勢手段を備えることができる。
更に、弁体を摺動自在に支持する弁ガイド孔は、弁本体に形成されることが望ましい。その場合、弁本体にキャン内に連通する空間を形成し、弁ガイド孔と出口ポートとをその空間内に開口するように形成することができる。
更に、入口ポートは、出口ポートと平行に弁本体に形成することができる。
更にまた、前記凸部は、弁体の押し上げ量を変更可能とすることもできる。
全体を符号1で示す電動切換弁は、複数の直径を有する段付きの柱状体である弁本体10を有し、弁本体10には後述する冷媒等の入口となる常時開放された入口側のポート11(図2)と複数の出口側のポート12がロータ30の回転軸に平行な軸線方向に設けられる。図1及び図2に示す実施例は四方弁であるので、一つの入口側のポート11と三つの出口側のポート12とが設けられている。なお、入口側ポート11は、ロータ30の回転軸に平行な軸線方向以外の方向に設けられても良い。
図に示す各ポートには配管14が接続される。弁本体10の上部には、入口ポート11と各出口ポート12とを連通する環状の連通空間(空隙部)200を介して弁支持部100が一体に形成され、出口側のポート12の上端に3個の弁シート110a,110b,110c(110で総称する)が形成される。この例においては、入口ポート11と3本の出口ポート12はほぼ90度間隔で配置されている。また、前記環状の連通空間200は、キャン20の内部に連通している。
弁支持部100は3本の出口ポート12のそれぞれと同軸(即ちロータ30の回転軸に平行)でかつ上下に貫通する3つの弁ガイド孔210を備え、各弁ガイド部210内において3本の棒状の弁体120a,120b,120c(120で総称する)がその軸方向に摺動自在に支持される。すなわち、3本の出口ポート12(すなわち各弁シート110a〜110c)は、3つの弁体120a〜120c(各弁体120a〜cが挿入された各弁ガイド孔210)の軸線と同一の軸線を備えている。
上述のように、弁本体10の外周面から内側に向かって環状の連通空間200が形成され、この連通空間200内の上下相対向する面に各弁シート110a〜cと各弁ガイド孔210が開口するように該弁本体10が形成されているため、弁シート110a〜cと弁ガイド孔210とをそれぞれ別部材に構成して配置する場合に比較して、各出口ポート12の中心軸と各弁ガイド孔210の中心軸がずれことがなく、それぞれの同軸度が確保され、各弁による流体の制御を極めて良好に行うことができる。また、弁シート110a〜cと弁ガイド孔210とをそれぞれ別部材に構成して配置する場合では、弁体120が複数であるときに同心度のずれが累積して生じるおそれがあるが、この実施例ではそのような懸念もない。
また、入口ポート11も、出口ポート12と同様に(出口ポート12と平行に)弁本体10に形成されているので、その加工や成形も出口ポート12の場合と同様に行うことができ、弁本体10の製作が複雑化することがない。
なお、図1の例においては、弁本体10にはさらに配管14が挿入される孔が形成されているが、該孔は弁本体とは別の部品に形成し、該部品に弁本体10を固定する構成をとっても良い。
キャン20内には磁性材料で製作されるロータ30が回転自在に配設される。ロータ30は連結部材32と一体に形成されるサンギア94に連結されている。サンギア94は後述する遊星歯車機構の要素の一つであり、その中心にはシャフト60が貫通され、シャフト60の下端部は弁本体10に設けた穴に差し込まれている。シャフト60の上部は、キャン20の頂部近傍に設けた受け部材62により支持されている。遊星歯車機構の固定のリングギア96を支持する筒体96aが弁支持部100に固定されており、筒体96aの内周部にはキャップ状のばね受け99が固定され、ばね受け99と3本の弁体120との間にそれぞれスプリング92が圧縮状態に配置されている。各スプリング92は、弁体120を弁シート110に向けて付勢している。
巻線42は電線50を介してターミナル54に接続され、リード線52を介して外部の給電装置に接続される。ステータとして機能するコイルユニット40とキャン20の内部のロータ30は、ステッピングモータを構成する。このステッピングモータはコイルユニット40に入力される制御用パルスとして、例えば96パルスでロータが360度回転する仕様を備える。
出力リングギア97にはその中心側に円柱状の回転カム部材81が固定されており、出力リングギア97は回転カム部材81を介してシャフト60の回りに回転可能と支持されている。また回転カム部材81の下端部の外周には、弁体リフト用のカム部140が取り付けられている。このように、出力リングギア97、回転カム部材81及びカム部140は、一体的に構成されている。
遊星ギア95の回転を支持しながら自らも回転するキャリア98が出力リングギア97に相対回転可能に支持されている。
カム部140は弁本体10の上面に回転可能に載置されており、また、出力リングギア97と、スプリング92の上端を受けるばね受け99との間に微小な隙間が形成されるように、該ばね受け99が筒体96aの内部に固定されている。
図2の(a)は、カム部140の凸部140aが第1の弁体120aのフランジ部122aの下側に当接して、第1の弁体120aを第1の弁シート110aから押し上げ、第1の弁を開いた状態を示す。入口側のポート11から流入した冷媒は、連通空間200(及びキャン内部20a)を経由して第1の弁シート110aに連通する出口側のポート12を通り、電動切換弁1の外部に流出する。この間に第2の弁体120bは第2の弁シート110bに当接し、第2の弁は閉じた状態となっている。同様に第3の弁体120cも第3の弁シート110cに当接し、第3の弁は閉じた状態となっている。
なお、図1より明らかなように、凸部140aにより押し上げられていない弁体(図2(a)の例においては、弁体120b、120c)は、弁シート110への当接時にはカム部140には当接しないようにされており、この結果、押し上げられていない弁体を弁シートに良好に密着させて弁が閉じるように十分にスプリング92の弾発力を働かせるようにされている。
なお、上述した実施例にあっては3個の弁を90度の間隔で配置した例を示したが、弁の個数及び間隔や出口ポートの口径等は自由に設定可能であることは当然である。
また、前述の説明においては、入口側のポート11から流入した冷媒は、弁本体10の外周方向に環状に形成された連通空間200(及びキャン内部20a)を経由して、開放した出口側のポート12を通り、電動切換弁1の外部に流出するものとした。しかし、図1に示すように、連通空間200はキャン20の内部空間に開放しているので、該連通空間200は必ずしも環状である必要はなく、少なくとも各弁ガイド孔の開口部とそれに対向する出口ポートの開口部(弁シート)とが連通するだけの幅(弁本体10の外周方向の幅)を持ったものであれば良い。
本発明の電動切換弁は、各種の流体流路の切り換えに利用することができ、また例えば複数の熱交換器(例えば蒸発器)を有する冷凍サイクルにおいて、入口ポートに凝縮器の冷媒吐出口を接続すると共に、出口ポートに膨張手段を介して複数の蒸発器の冷媒流入口を接続し、各蒸発器に対する冷媒の供給を選択的に行うことができる。
さらに本発明の電動切換弁では、弁体の押し上げ量を制御することにより出口ポートより吐出される流体の流量制御が行えるので、上記したような冷凍サイクルに本発明を適用した場合に、各出口ポートからの冷媒吐出量を制御すれば、当該切換弁を冷媒の切り換えのみでなく、上記膨張手段の機能として利用することもできる。
11 入口側のポート 12 出口側のポート
14 配管
20 キャン 20a キャン内部
30 ロータ
32 連結部材
40 コイルユニット 42 巻線
44 ボビン 46 樹脂
50 電線
52 リード線 54 ターミナル
60 シャフト 62 受け部材
80,81 回転カム部材 82 カム部
82a 凸部 82d カム面
90 キャップ 92 スプリング
93 不思議遊星歯車機構 94 サンギア
95 遊星ギア 96 固定のリングギア
96a 筒体 97 出力ギア
98 キャリア 99 ばね受け
100 弁支持部
110,110a,110b,110c 弁シート
120,120a,120b,120c 弁体
122,122a,122b,122c フランジ部
131 カム部 131a 凸部
132 多段カム面 132a,132b,132c,132d カム面
133 カム部 133a 凸部
134 傾斜カム面 134a,134d カム面
135 カム部 135a 凸部
136 斜面 136a カム面
137 カム部 137a,137b 凸部
138,139 傾斜面 138a及び139a 最も高い面
140 カム部 140a 凸部
200 連通空間
Claims (18)
- 流体が流入する入口ポート及び流体が流出する複数の出口ポートを有する弁本体と、
前記弁本体に取り付けられる非磁性金属材料製の円筒形状のキャンと、
前記キャンの内側に配置され、前記複数の出口ポートをそれぞれ開閉するように進退動可能な複数の棒状の弁体と、
前記キャンの内側に回転自在に支持されるロータと、
前記ロータの回転力が伝達されて回転し、前記複数の弁体を駆動するカム部材と、
ステータとして機能するコイルユニットとを備えて、
前記入口ポートを複数の前記出口ポートに選択的に連通するように流路を切換える電動切換弁であって、
前記ロータの回転を減速して伝達する遊星歯車機構を備え、
前記カム部材には、前記遊星歯車機構の出力軸の回転により前記弁体を選択的に押し上げる凸部が前記遊星歯車機構の側へ突出するように形成されている電動切換弁。 - 前記遊星歯車機構は、サンギアと、当該サンギアと噛み合う遊星ギアと、当該遊星ギアに噛み合う固定リングギアと、前記遊星ギアに噛み合うとともに前記固定リングギアの歯数と僅かに相違する歯数を有する出力リングギアとを備えた不思議遊星歯車機構であり、前記サンギアが前記ロータに連結されており、前記出力リングギアが前記カム部材に連結されている請求項1記載の電動切換弁。
- 流体が流入する入口ポート及び流体が流出する複数の出口ポートを有する弁本体と、
前記弁本体に取り付けられる非磁性金属材料製の円筒形状のキャンと、
前記キャンの内側に配置され、前記複数の出口ポートをそれぞれ開閉するように進退動可能な複数の棒状の弁体と、
当該キャンの内側に回転自在に支持されるロータと、
前記ロータの回転力が伝達されて回転し、前記複数の弁体を駆動するカム部材と、
ステータとして機能するコイルユニットとを備えて、
前記入口ポートを複数の前記出口ポートに選択的に連通するように流路を切換える電動切換弁であって、
前記複数の弁体は前記カム部材の外側に配置され、
前記カム部材の外側には該カム部材の回転に応じて前記弁体を選択的に押し上げ可能とする凸部が形成されている電動切換弁。 - 前記カム部材は筒状の回転カム部材であり、前記凸部は前記回転カム部材の外面に設けられており、前記弁体と前記出口ポートとは前記弁本体において前記カム部材の前記凸部の円弧状軌跡に沿って並んで配置されている請求項3記載の電動切換弁。
- 流体が流入する入口ポート及び流体が流出する複数の出口ポートを有する弁本体と、
前記弁本体に取り付けられる非磁性金属材料製の円筒形状のキャンと、
前記キャンの内側に配置され、前記複数の出口ポートをそれぞれ開閉するように進退動可能な複数の棒状の弁体と、
前記キャンの内側に回転自在に支持されるロータと、
前記ロータの回転力が伝達されて回転し、前記複数の弁体を駆動するカム部材と、
ステータとして機能するコイルユニットとを備えて、
前記入口ポートを複数の前記出口ポートに選択的に連通するように流路を切換える電動切換弁であって、
前記ロータの回転を減速して伝達する遊星歯車機構を備え、
前記複数の弁体は前記カム部材の周囲に配置され、
前記カム部材の外側には、前記遊星歯車機構の出力軸の回動により前記弁体を選択的に押し上げ可能とする凸部が形成されている電動切換弁。 - 前記遊星歯車機構は、サンギアと、当該サンギアと噛み合う遊星ギアと、当該遊星ギアに噛み合う固定リングギアと、前記遊星ギアに噛み合うとともに前記固定リングギアの歯数と僅かに相違する歯数を有する出力リングギアとを備えた不思議遊星歯車機構であり、前記サンギアが前記ロータに連結されており、前記出力リングギアが前記カム部材に連結されている請求項5記載の電動切換弁。
- 前記カム部材は筒状の回転カム部材であり、前記凸部は前記回転カム部材の外面に設けられており、前記弁体と前記出口ポートとは前記弁本体において前記カム部材の前記凸部の円弧状軌跡に沿って並んで配置されている請求項5又は6記載の電動切換弁。
- 前記弁体及び前記出口ポートは、前記ロータの回転軸の回りにほぼ等間隔の角度で配設されている請求項4又は7記載の電動切換弁。
- 前記カム部材には、周方向に隔置した複数個の前記凸部が形成されている請求項1〜8のいずれか一項記載の電動切換弁。
- 前記カム部材の前記凸部は、前記カム部材の回転方向に複数の段面を有する多段カム面に形成されている請求項1〜9のいずれか一項記載の電動切換弁。
- 前記カム部材の前記凸部は、前記カム部材の回転方向に傾斜した傾斜カム面に形成されている請求項1〜9のいずれか一項記載の電動切換弁。
- 前記多段カム面の最大段高さ又は前記傾斜カム面の最大高さは、前記弁体の押し上げによって前記出口ポートを通じる流れに求められる最大流量に応じて、前記弁体が押し上げ可能な最大高さ又はそれ以下の高さに設定されている請求項10又は11記載の電動切換弁。
- 前記弁体は前記ロータの回転軸に平行な軸線方向に配設される2本以上の棒状の弁体であって、各弁体に対向して配設される前記出口ポートは、前記弁体の軸線と同一軸線を備える請求項1〜12のいずれか一項記載の電動切換弁。
- 前記弁体の頂部に配設されて前記弁体を前記出口ポートに向けて付勢する付勢手段を備える請求項1〜13のいずれか一項記載の電動切換弁。
- 前記弁体を摺動自在に支持する弁ガイド孔は、前記弁本体に形成されたことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項記載の電動切換弁。
- 前記弁本体は、前記キャン内に連通する空間を備え、
前記弁ガイド孔と前記出口ポートとは、前記空間内に開口するように形成されたことを特徴とする請求項15記載の電動切換弁。 - 前記入口ポートは、前記出口ポートと平行に前記弁本体に形成されたことを特徴とする請求項16記載の電動切換弁。
- 前記凸部は、前記弁体の押し上げ量を変更可能とすることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項記載の電動切換弁。
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