JP2011239793A - 酵素 - Google Patents

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Abstract

【課題】改良されたフィターゼを提供すること。
【解決手段】広範な局面において、本発明は、細菌由来のフィターゼおよびその改変型(修飾型)に関する。詳細には、本発明は、細菌であるButtiauxella sp.由来の野性型フィターゼに、そして野性型(親)酵素に比較して改善された特徴について選択されるか、および/または操作されたそれらの改変体型/修飾型に関する。本発明は、新規なフィターゼであって、飼料用酵素として特に有用にかつ効果的にする特性を有するフィターゼを提供するので有利である。詳細には、本発明は、本明細書に記載のような単離されるか、および/もしくは精製された新規なフィターゼポリペプチド、またはその機能的なフラグメントもしくは改変体型もしくは修飾型に関する。本発明はまた、このようなフィターゼをコードする核酸配列を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィターゼ、フィターゼのヌクレオチド配列、フィターゼの産生方法、およびそれらの使用に関する。
(発明の分野)
本発明は、飼料への添加のための酵素の分野に関する。さらに詳細には、本発明は、食物および動物の飼料におけるリン酸塩消化を増強するために用いられ得るフィターゼに関する。
(技術的な背景および先行技術)
フィチン酸は、穀類およびマメ類におけるリンの主要な貯蔵形態である。しかし、ブタ、家禽および魚類のような単胃動物は、フィチン酸(またはフィチン酸)を代謝も吸収もできず、従ってこれは排出されて、集中的な家畜生産の地方ではリン汚染がもたらされる。さらに、フィチン酸はまた、カルシウム、銅および亜鉛のような金属因子をキレートすることによって、単胃動物における抗栄養剤として機能する。
これらの動物の成長および健康のために十分なリン酸塩を提供するためには、無機リン酸塩がそれらの食餌に添加される。このような添加は、費用がかさみ、そして汚染の問題をさらに拡大し得る。
フィターゼの作用を通じて、フィチン酸塩は一般に加水分解されて、低級なイノシトール−リン酸塩および無機リン酸塩が得られる。フィターゼは動物の食餌への添加物として有用であり、ここでそれらはその動物に対する有機リンのアベイラビリティーを改善し、環境のリン酸塩汚染を低減する(非特許文献1)。
真菌起源の(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)および細菌起源の(非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10)多数のフィターゼが文献に記載されている。
しかし、現在までのところ、これらのフィターゼで、動物飼料の補充物としての有効な使用のために必要な特性を示すものはない。詳細には、真菌のフィターゼは、タンパク質分解性に不安定である傾向であり(Igbasan F.A.ら、Arch.Anim.Nutr.53,353〜373(2000))、従って、変性の影響を受け易いが、ほとんどの細菌のフィターゼは、フィチン酸塩のみに狭い基質特異性を有し、そして中間程度のリン酸化というように劣ったイノシトールリン酸塩の分解である(非特許文献5;非特許文献11)。
Wodzinski RJ,Ullah AH.Adv Appl Microbiol.,1996年,第42巻,p.263〜302 Wyss M.ら、Appl.Environ.Microbiol.,1999年,第65年,第2号,p.367〜373 Berka R.M.ら、Appl.Environ.Microbiol.,1998年,第64年,第11号,p.4423〜4427 Lassen S.ら、Appl.Environ.Microbiol.,2001年,第67年,第10号,p.4701〜4707 Greiner Rら、Arch.Biochem.Biophys.,1993年,第303年,第1号,p.107〜113 Kerovuoら、Appl.Environ.Microbiol.,1998年,第64年,第6号,p.2709〜2085 Kim H.W.らBiotechnol.Lett.,2003年,第25巻,p.1231〜1234 Greiner Rら、Arch.Biochem.Biophys.,1997年,第341年,第2号,p.201〜206 Yoon S.J.ら、Enzyme and Microbial technol.,1996年,第18巻,p.449〜454 Zinin N.V.ら、FEMS Microbiol.Lett.,2004年,第236巻,p.283〜290 Kerovuo Jら、Biochem.J.,2000年,第352巻,p.623〜628
従って、改良されたフィターゼが必要である。
(発明の要旨)
広範な局面において、本発明は、細菌由来のフィターゼおよびその改変型(修飾型)に関する。詳細には、本発明は、細菌であるButtiauxella sp.由来の野性型フィターゼに、そして野性型(親)酵素に比較して改善された特徴について選択されるか、および/または操作されたそれらの改変体型/修飾型に関する。
本発明は、新規なフィターゼであって、飼料用酵素として特に有用にかつ効果的にする特性を有するフィターゼを提供するので有利である。詳細には、本発明は、本明細書に記載のような単離されるか、および/もしくは精製された新規なフィターゼポリペプチド、またはその機能的なフラグメントもしくは改変体型もしくは修飾型に関する。本発明はまた、このようなフィターゼをコードする核酸配列を提供する。
食物および動物の飼料に対する酵素添加物として有効であるためには、フィターゼは多数の異なる特性を組み合わせなければならない。動物の胃の酸性環境においてフィチン酸を分解できるためには、これは低いpHにおいて、好ましくは広範なpHの値にまたがって活性でなければらない。さらに、好ましくは飼料ペレットのような飼料の調製に通常使用される高温に対してタンパク質が耐え得るように高い比活性および高い熱安定性を有さなければならない。
酵素が広範な基質特異性を有しており、フィチン酸を加水分解するだけでなく、イノシトール五リン酸、四リン酸および三リン酸のようなフィチン酸分解の中間産物も分解することを可能にすることがまた重要である。ブタでのフィチン酸分解の研究によって、これらのイノシトール五リン酸は、そうでなければ小腸および大腸においてかなり不溶性のままであり、従って、動物および腸のミクロフローラによって生成されるアルカリホスファターゼに対して近づきがたいことが示される(Schlemmer Uら、Arch.Anim.Nutr.55,255〜280(2001))。異なる酵素の基質特異性プロフィールにおける変動は同定されている。例えば、B.subtilis由来のフィターゼによって生成されたイノシトール−三リン酸は、この酵素によるさらなる加水分解に対して本質的に耐性である(Kerovuo Jら、Biochem.J.352,623〜628(2000))。
本発明の別の局面では、本明細書に記載される新規なフィターゼまたはその改変型を含むプラスミド、またはベクター系、または形質転換された生物体もしくはトランスジェニック生物体が提供される。
別の局面では、本発明は、本明細書に記載されるような新規なフィターゼまたはその改変型を発現するように改変され、従って、フィターゼを産生し得るトランスジェニック生物体に関する。本発明はさらに、フィターゼの生物技術学的な産生および食餌補充物としてのそれらの使用のための手段および方法を提供する。
本発明の局面は、特許請求の範囲に、そして以下の注釈に提示されている。
参照を容易にするために、本発明のこれらおよびさらなる局面をここで、適切な見出しのもとで考察する。しかし、各々のセクションにおける教示は必ずしも、各々の特定のセクションには限定されない。
本発明に対する言及として用いる場合、「生成する、産生する(produce)」、「生成すること、産生すること(producing)」、「生成された、産生された(produced)」、「生成可能な、産生可能な(produceable)」、「生成、産生(production)」という用語は、それぞれの用語「調製する(prepare)」、「調製すること、調製する工程(preparing)」、「調製された(prepared)」、「調製(preparation)」、「生成された(generated)」、「生成(generation)」および「調製可能な(preparable)」と同義である。
本発明の言及で用いる場合、「発現(expression)」、「発現する(expresses)」、「expressed(発現された)」、および「発現可能な(expressable)」という用語は、それぞれ「転写(transcription)」、「転写する(transcribes)」、「転写された(transcribed)」および「転写可能な(transcribable)」という用語と同義である。
本発明に対する言及で用いる場合、「形質転換(transformation)」および「トランスフェクション(transfection)」という用語は、宿主、宿主細胞、組織または器官への核酸配列の導入の方法をいう。
本発明において用いられ得るヌクレオチド配列に関与する他の局面は以下を含む:本発明の配列を含む構築物;本発明における使用のための配列を含むベクター;本発明における使用のための配列を含むプラスミド;本発明における使用のための配列を含む形質転換された細胞;本発明における使用のための配列を含む形質転換された組織;本発明における使用のための配列を含む形質転換された器官;本発明における使用のための配列を含む形質転換された宿主;本発明における使用のための配列を含む形質転換された生物体。本発明はまた、宿主細胞における発現のような、本発明における使用のためのヌクレオチド配列を発現する方法であって、これらを用いる方法を包含する;これには、これらを移入するための方法を包含する。本発明は、宿主細胞からの単離のような、ヌクレオチド配列を単離する方法をさらに包含する。
本発明における使用のためのアミノ酸配列に関する他の局面は以下を包含する:本発明における使用のためのアミノ酸配列をコードする構築物;本発明における使用のためのアミノ酸配列をコードするベクター;本発明における使用のためのアミノ酸配列をコードするプラスミド;本発明における使用のためのアミノ酸配列を発現する形質転換された細胞;本発明における使用のためのアミノ酸配列を発現する形質転換された組織;本発明における使用のためのアミノ酸配列を発現する形質転換された器官;本発明における使用のためのアミノ酸配列を発現する形質転換された宿主;本発明における使用のためのアミノ酸配列を発現する形質転換された生物体。本発明はまた、宿主細胞における発現のように、本発明における使用のためのアミノ酸配列を、これらを用いて精製する方法を包含し、この方法は、これらを移入し、次いでこの配列を精製する方法を包含する。
配列番号1は、細菌株の同定のために得た配列を列挙する。
配列番号2は、ButtiauxellaのP1−29由来のフィターゼ遺伝子を含むポリヌクレオチド配列を列挙する。
配列番号3は、ButtiauxellaのP1−29由来のフィターゼ遺伝子のアミノ酸配列を列挙する。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
Buttiauxella sp.のフィターゼ、またはその改変型、相同なポリペプチド、改変体、機能的な等価物もしくは有効なフラグメントに相当するアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(項目2)
配列番号3に示されるアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも75%の同一性(相同性)を有する、好ましくは少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性(相同性)を有する配列、もしくはその機能的なフラグメントを含む、項目1に記載のポリペプチド。
(項目3)
単離および/または精製されている、項目1または2に記載のポリペプチド。
(項目4)
フィターゼ活性を示す、項目1〜3に記載のポリペプチド。
(項目5)
受託番号NCIMB41248として寄託されたButtiauxella sp.のP1−29株から得ることが可能であり、好ましくはその株由来であるという点で特徴付けられる、項目1〜4に記載のポリペプチド。
(項目6)
前記フィターゼが少なくとも100、より好ましくは少なくとも200、最も好ましくは少なくとも300U/mgという比活性を有するという点で特徴付けられ、該比活性が、200mMの酢酸ナトリウム緩衝液pH4.5に含有される、2mMのフィターゼ、0.8mMのCaCl を含有する溶液中で37℃の温度で該フィターゼをインキュベートすることによって決定される、項目4または5に記載のポリペプチド、またはその機能的な等価物。
(項目7)
前記フィターゼが約pH3〜6、好ましくは約pH4〜5、最も好ましくは約pH4.5において最大活性を有するという点で特徴付けられ、該活性が、200mMの酢酸ナトリウム緩衝液に含有される、2mMのフィターゼ、0.8mMのCaCl を含有する溶液中で該フィターゼを37℃の温度でインキュベートすることによって決定される、項目4〜6に記載のポリペプチド、またはその機能的な等価物。
(項目8)
以下:59、70、122、125、167、193、197、204、209、211、221、223、225、240、242、244、268、281、289、294、303、336または351の位置(配列番号3におけるナンバリングに従って番号付けしている)の少なくとも1つにおいて変異を含む、項目1〜7のいずれかに記載のポリペプチド。
(項目9)
前記フィターゼが、以下:
Figure 2011239793
Figure 2011239793

の変異のうちの1つ以上を含む、項目8に記載のポリペプチド。
(項目10)
以下:K59E;T167V;K240T;T167I;K240E;D244C;Q289Y;T209KまたはF197Sからなる群より選択される少なくとも1つの変異を含む、項目8または項目9に記載のポリペプチド/フィターゼ酵素。
(項目11)
以下:
Figure 2011239793

からなる群より選択される変異の組み合わせを含む、項目8〜10に記載のポリペプチド/フィターゼ酵素。
(項目12)
前記単離されたポリペプチドまたはフィターゼ酵素が、親のフィターゼ酵素に比較して:
i.より高い熱安定性および/または
ii.比活性および/または
iii.タンパク質分解安定性
から選択される改良された特性(単数または複数)を有する改良されたフィターゼ酵素改変体である、項目8〜11のいずれかに記載のポリペプチド/フィターゼ酵素。
(項目13)
単離された核酸分子であって、
i)項目1〜12のいずれかに記載のフィターゼをコードする単離された核酸分子、
ii)配列番号3に記載のポリペプチド、またはそのホモログをコードする核酸に対して、中度にストリンジェンシーな条件、好ましくは高度または極めて高度のストリンジェンシーな条件下でハイブリダイズする、核酸、
iii)配列番号2に示される配列またはそのホモログを含む単離された核酸分子、
iv)配列番号2またはその相補体に対して、中度にストリンジェンシーな条件、好ましくは高度または極めて高度のストリンジェンシーな条件下でハイブリダイズする、核酸、から選択される単離された核酸分子。
(項目14)
配列番号3に示されるアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性(相同性)を有する配列、またはその有効なフラグメントを含む、ポリペプチドをコードする、項目13に記載の単離された核酸分子。
(項目15)
ヌクレオチド配列を含む項目13または14に記載の単離された核酸分子であって、該ヌクレオチド配列が、配列番号2の任意の配列と同じであるか、もしくはそれに相補的であるか、もしくは配列番号2の任意の配列の任意の適切なコドン置換を含むか、または配列番号2と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列相同性を有する配列を含む、単離された核酸分子。
(項目16)
項目8〜12に記載のポリペプチドをコードする、項目13〜15に記載の単離された核酸分子。
(項目17)
項目13〜16に記載のヌクレオチドを含むプラスミドまたはベクター系。
(項目18)
前記プラスミドもしくはベクター系が、項目1〜12に記載の任意の酵素を発現するための発現ベクターであるか、および/または、微生物中において、項目13〜16に記載のポリヌクレオチドを含む、項目17に記載のプラスミドまたはベクター系。
(項目19)
項目17または18のいずれかに記載のプラスミドまたはベクター系を用いて形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。
(項目20)
フィターゼを含む項目19に記載の宿主細胞であって、該フィターゼが、配列番号3に示されるアミノ酸配列もしくはその機能的なフラグメント、またはそれに対して少なくとも75%相同である相同なポリペプチド配列を含む、宿主細胞。
(項目21)
前記宿主細胞が、B.subtilis、E.coliのような細菌を含む微生物、および、H.polymprpha、S.pombe、S.cerevisiaeのような酵母を含む真菌、ならびにTrichoderma spp.およびAspergillus spp.、例えば、A.oryzaeのような糸状菌由来である、項目19または20に記載の宿主細胞。
(項目22)
前記微生物が原核生物細菌細胞、好ましくはE.coliである項目21に記載の宿主細胞。
(項目23)
受託番号NCIMB41248として寄託された、細菌細胞Buttiauxella sp.のP1−29株。
(項目24)
ポリペプチドを産生する方法であって、宿主細胞中において、項目1〜12に記載のアミノ酸配列を発現する工程と、および/または項目13〜16に記載のポリヌクレオチドを発現する工程と、該宿主細胞培養培地から該フィターゼを分離する工程とを包含する、方法。
(項目25)
項目1〜12のいずれかに記載されるポリペプチドを、食物または動物飼料に対して液体形態で噴霧する工程を包含する、食物または動物飼料の生成のための方法。
(項目26)
項目1〜12のいずれかに記載のポリペプチドを乾燥生成物として、食物または動物飼料と混合する工程を包含する、食物または動物飼料の生成のための方法。
(項目27)
食物または動物飼料における項目1〜12のいずれかに記載のフィターゼの使用。
(項目28)
i)項目1〜12のいずれかに記載のフィターゼ、および/または項目25もしくは26に記載の方法によって生成された動物飼料、のいずれかを含む、食物または動物飼料組成物。
(項目29)
フィターゼ酵素改変体を調製するための方法であって以下の連続的工程:
a)少なくとも1つの親のフィターゼ酵素を選択する工程であって、該少なくとも1つの親のフィターゼ酵素が、i)項目1〜12に記載のポリペプチド、および/またはii)少なくとも1つのフィターゼ酵素改変体、から選択される工程と、
b)該親のフィターゼ酵素におけるアミノ酸残基の挿入、欠失もしくは置換またはその組み合わせである、該親のフィターゼ酵素の少なくとも1つの変更を導入することによって、少なくとも1つのフィターゼ改変体を作製して、少なくとも1つのフィターゼ酵素改変体を得る工程と、
c)該少なくとも1つのフィターゼ酵素改変体をスクリーニングして、該親のフィターゼ酵素に比較して:
i.より高い熱安定性および/または
ii.比活性および/または
iii.タンパク質分解安定性
から選択される改良された特性(単数または複数)を有する改良されたフィターゼ酵素改変体を同定する工程と、
d)該改良されたフィターゼ酵素改変体を調製して、好ましくは、単離されたおよび/または精製されたフィターゼ酵素改変体を生成する工程と、
を包含する、方法。
(項目30)
工程b)の間にフィターゼ酵素改変体の集団が生成され、かつ工程c)において、フィターゼ酵素改変体の該集団の少なくとも一部がスクリーニングされる、項目29に記載の方法。
(項目31)
工程a)が、親のフィターゼ酵素をコードする項目11〜13に記載のヌクレオチド配列を突然変異誘発に供する工程を包含し、かつ工程b)が、宿主細胞において工程(a)で得られた該変異されたヌクレオチド配列を発現する工程を包含し、かつ工程c)が、宿主細胞またはその抽出物を、前記改良された特性(単数または複数)を有する改良されたフィターゼ酵素改変体についてスクリーニングする工程を包含する、項目29または30に記載の方法。
(項目32)
工程c)および必要に応じてd)の後に、反復工程a)〜c)および必要に応じてd)の少なくとも1回の引き続くラウンドをさらに含み、好ましくは該引き続くラウンド(単数または複数)において、工程a)の少なくとも1つの親のフィターゼ酵素が、項目29〜31に記載の方法に従って調製された、前記少なくとも1つのフィターゼ酵素改変体および/または改良されたフィターゼ改変体から選択される、項目29〜31に記載の方法。
(項目33)
工程c)が、i)前記親のフィターゼ酵素、および/またはii)配列番号3を含むポリペプチドのいずれかに比較して、少なくとも2.5という熱安定性の相違を有する、改良されたフィターゼ酵素改変体を発現する宿主細胞についてスクリーニングする工程を包含する、項目29〜32に記載の方法。
(項目34)
工程c)が、i)前記親のフィターゼ酵素、および/またはii)配列番号3を含むポリペプチドのいずれかに比較して、少なくとも30というペプシン安定性を有する、改良されたフィターゼ酵素改変体を発現する宿主細胞についてスクリーニングする工程を包含する、項目29〜33に記載の方法。
(項目35)
工程c)が、i)前記親のフィターゼ酵素、および/またはii)配列番号3を含むポリペプチドのいずれかに比較して、配列番号3によってコードされるフィターゼに比較した場合少なくとも110という比活性を有する、改良されたフィターゼ酵素改変体を発現する宿主細胞についてスクリーニングする工程を包含する、項目29〜34に記載の方法。
(項目36)
項目29〜35に記載の方法に従って調製された、改良されたフィターゼ改変体。
(項目37)
ポリ核酸構築物であって、好ましくは項目16または項目36のいずれかに記載の改良されたフィターゼ酵素改変体をコードするポリ核酸配列を含むDNA構築物。
(項目38)
項目37に記載のポリ核酸構築物を含む、組換え発現ベクター。
(項目39)
項目37に記載のDNAポリ核酸および/または項目38に記載のベクターを用いて形質転換される宿主細胞。
(項目40)
項目39に記載の宿主細胞を、前記改良されたフィターゼ酵素改変体の発現を可能にする条件下で培養する工程を包含する、改良されたフィターゼ酵素改変体の生成のための方法。
(項目41)
項目25または項目26に記載の方法に従って調製される食物または飼料組成物であって、項目8〜12もしくは36のいずれかに記載の少なくとも1つの改良されたフィターゼ酵素改変体、または項目38に記載の宿主細胞を含む、飼料または食物組成物。
図1は、DEAE−Sepharoseクロマトグラフィーによって精製したButtiauxellaのP1−29由来の組換えフィターゼのSDS PAGE分析を示す。この図は、Buttiauxellaフィターゼのサンプルを含むレーンのデジタル写真画像の走査トレースを示す 図2は、ButtiauxellaのP1−29由来のフィターゼのpHプロフィールを示す。 図3は、ButtiauxellaのP1−29由来の精製された組換えフィターゼと、種々の程度のリン酸化およびモデル基質のイノシトールリン酸塩画分との基質特異性を示す。略号:IP6−フィチン酸、IP5、IP4およびIP3−それぞれ、異性体のイノシトール5−、4−および3−リン酸塩の混合物。Fru P2−フルクトース1,6−二リン酸塩、Fru P1−フルクトース6−リン酸塩。
(発明の詳細な開示)
本発明は、Buttiauxella sp.のフィターゼまたはその改変型(修飾型)、ホモログ、改変体、機能的な等価物もしくは有効なフラグメントに相当するアミノ酸配列を含む酵素を特徴とする。
「フィターゼ(phytase)」という用語は、フィチン酸塩を含むリン酸のエステルの加水分解を触媒し得、かつ無機のリン酸塩を遊離し得るタンパク質またはポリペプチドを意味する。いくつかのフィターゼは、フィチン酸塩に加えて、中程度のリン酸化の少なくともいくつかのイノシトールリン酸塩を加水分解し得る。
「Buttiauxella sp.のフィターゼに相当する(corresponding to Buttiauxella sp. phytase)」という用語は、この酵素がButtiauxella sp.の供給源から得られている必要はないことを意味する。そうではなく、この酵素は好ましくは、Buttiauxella sp.のフィターゼのものと同じ機能的な特徴または配列を有さなければならない。例えば、Buttiauxella sp.のフィターゼは、Buttiauxella sp.由来であって、ただしButtiauxalla種に天然には存在しない改変体であってもよい。
Buttiauxella spp.としては、Buttiauxella agrestis、Buttiauxella brennerae、Buttiauxella
ferragutiae、Buttiauxella gaviniae、Buttiauxella izardii、Buttiauxella noackiae、Buttiauxella warmboldiaeが挙げられる。Buttiauxella種の染色液は、DSMZ、the German National Resource Centre for Biological Materialから入手可能である。フィターゼは好ましくは、本明細書に記載の方法、例えば、配列番号2に対するハイブリダイゼーションによって、Buttiauxella sppから同定される。本発明のポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを単離するために好ましいButtiauxella spp.株は、実施例に挙げる。
本発明に従う、「野性型フィターゼ(wild type phytase)」または「野性型(wild type)」という用語は、天然に見出されるアミノ酸配列を有するフィターゼ酵素を表す。
本発明に従う「フィターゼ酵素改変体(phytase enzyme variant)」または「フィターゼ改変体(phytase variant)」または「改変体(variant)」という用語は、親のフィターゼのアミノ酸配列由来のアミノ酸配列を有するが、まとめて「変異(mutations)」と呼ばれる、1つ以上のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失によって異なっているフィターゼ酵素を表す。フィターゼ酵素改変体はまた、分子進化のようなフィターゼ改変体を調製する方法のさらなるラウンドのための親のフィターゼ酵素であってもよいことが想定される。
本発明による「相同なポリペプチド(homologous polypeptide(s))という用語はまた、本明細書において「ホモログ、相同体(homologous)」として記載され、第一のポリペプチド/フィターゼ/酵素のアミノ酸配列に比較して75%より大きい配列同一性を有する、好ましくは、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列相同性を有するポリペプチド、好ましくはフィターゼ酵素(すなわち、「相同なフィターゼ(homologous phytase)」または「相同な酵素(homologous enzymes)」)を表す。
「その機能的な等価物(functional equivalent threof)」という用語は、この酵素がButtiauxella sp.のフィターゼのものと同じ機能的な特徴を有さなければならないことを意味する。「改変型、修飾型(modified form)」または「改変体(variant)」という用語は、この酵素が、そのもとの形態から改変されているが、Buttiauxella sp.のフィターゼのものと同じ酵素的な機能の特徴を保持していることを意味する。詳細には、「改変体」または「修飾型、改変型」という用語は、親/野性型のフィターゼのアミノ酸配列由来のアミノ酸配列を有し、かつ、まとめて変異と呼ばれる、1つ以上のアミノ酸の置換、挿入および/または欠失を有するフィターゼ酵素を包含する。改変型または改変体は、親の酵素と比較して変更された酵素特徴を示し得る。好ましくは、改変型または改変体は、以下の向上した表現型のうちの1つ以上を有する:向上した熱安定性、および/または;タンパク質分解性(例えば、ペプシン)安定性の増大および/または;非活性の増大、および/または;より広範な基質特異性、および/または;より広いpH範囲にまたがる活性。「機能的な(functional)」または「有効な(effective)」フラグメントという用語は、同じ酵素の機能または効果を保持するButtiauxella
sp.フィターゼのフラグメントまたは部分を意味する。
好ましくは本発明のこの局面のフィターゼ酵素は、Buttiauxella sp.のフィターゼのものと同じ配列または少なくとも75%同一(相同)である配列を有する。
適切には、この酵素は、配列番号3に示されるアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも75%同一性(相同性)を有する配列、またはその機能的なフラグメントを含む、好ましい実施形態では、本発明は、配列番号3に示されるアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも75%同一性(相同性)を有する配列、またはその有効なフラグメントを有する、単離および/または精製されたポリペプチドを提供する。配列番号3、および配列番号3を含むポリペプチドについて言及する場合、これはまた、発現の間に同時にまたは翻訳後に、例えば、シグナルペプチドの切断によって、プロセシングされるポリペプチドをいうことが想定される。翻訳後の切断はC末端でも生じ得る。従って好ましい実施形態では、その有効なフラグメント(またはその機能的なフラグメントとも呼ばれる)は、天然の宿主または適切な適当な発現宿主によって生成される成熟ポリペプチドである。
別の実施形態では、このフィターゼは、受託番号NCIMB41248として寄託されたButtiauxella sp.のP1−29株由来であるという点で特徴付けられる。
好ましい実施形態では、本発明は、本発明の第一の局面の任意の実施形態によるフィターゼであって、以下の位置(配列番号3におけるナンバリングに従って番号付けしている)において1つ以上の変異を含む、フィターゼに関する:59、70、122、125、167、193、197、204、209、211、221、223、225、240、242、244、268、281、289、294、303、336、351。
これらの位置は、これらの位置での酵素の突然変異誘発が、所望の酵素特徴における改善をもたらすという点で特徴付けられる。
以下の置換が好ましい改変体であり得る。
Figure 2011239793
「保存的変異(conservative mutations)」とは、示されたアミノ酸残基に比べてアミノ酸の特徴に関して保存的であるアミノ酸残基に対する変異を意味する。アミノ酸の特徴としては、当該分野で公知である、残基のサイズ、疎水性、極性、電荷、pK値、および他のアミノ酸特徴が挙げられる。好ましい保存的置換は、保存的置換として下に列挙する。
特に好ましい実施形態では、この変異は、以下の位置の1つ以上である:K59;T167;K240;T167;K240;D244;Q289;T209およびF197。
これらの特定の位置における好ましい変異は上記しており、さらに好ましい変異としては以下が挙げられる:K59E;T167V;K240T;T167I;K240E;D244C;Q289Y;T209KおよびF197S。
さらに好ましい実施形態では、以下からなる群より選択される変異の組み合わせを含む、フィターゼが提供される。
Figure 2011239793
従って、本発明に従う好ましいフィターゼは、配列番号3として列挙されたアミノ酸配列またはその有効なフラグメント(またはそのホモログ、好ましくはこのフィターゼは、受託番号NCIMB41248として寄託されるButtiauxella sp.のP1−29株、またはそのホモログ由来であるという点で特徴付けられる)を含み、ただし上記に列挙されたアミノ酸変異の1つ以上または上記に列挙された変異の組み合わせのうちの1つを有する、改変体である。
これらの実施形態では、この命名法は、配列番号3におけるアミノ酸の位置を参照することによって示される変異を有する、配列番号3に示されるアミノ酸配列を含むフィターゼを示す。この命名法は、下に詳細に記載される。
適切には、これらの改変体は、以下の任意の1つに関して改善された特徴を示す:温度安定性、pH範囲、ペプシン安定性、比活性、基質特異性、およびより広い基質特異性。これらの特徴を決定するための適切な方法は本明細書に開示される。
詳細には、フィターゼの特徴における改善は、飼料補充物としての使用に特に適切である改善された改変体を作製する、食物および飼料の処理条件下での酵素安定性に、胃の通過の間の酵素安定性に、そしてヒトまたは動物の胃および/または腸管における酵素活性および安定性に関する。従って、このような改善は、パラメーターのなかでもとりわけ、上昇した温度、好ましくは65℃を上回る温度での安定性の増大、タンパク質分解性の消化、好ましくはペプシンのような消化管のプロテアーゼに対する安定性の増大、低いpHでの触媒活性、好ましくはpH5.5未満での触媒活性の増大、およびフィチン酸からのリン酸塩遊離、そして好ましくはさらにイノシトールリン酸塩の遊離の一般的な効率を含む。
(命名法)
本明細書および特許請求の範囲においては、アミノ酸残基についての従来の1文字および3文字コードを用いる。参照の容易さのために、酵素改変体における変異は、以下の命名法の使用によって記載する:親の酵素におけるアミノ酸残基;位置;置換アミノ酸残基(単数または複数)。この命名法に従って、例えば、20位置でのアラニン残基のグリシン残基での置換は、Ala20GlyまたはA20Gと示される。同じ位置でのアラニンの欠失は、Ala20またはA20として示される。さらなるアミノ酸残基(例えば、グリシン)の挿入は、Ala20AlaGlyまたはA20AGとして示される。アミノ酸残基の連続的ストレッチの欠失(例えば、位置20のアラニンと位置21のグリシンとの間)は、Δ(Ala20−Gly21)またはΔ(A20−G21)と示される。親の酵素配列が、ナンバリングに用いられる酵素配列に比べて欠失を含む場合、このような位置での挿入(例えば、欠失位置20でのアラニン)は、20Alaまたは20Aとして示される。複数の変異はプラスの記号またはスラッシュによって隔てられる。例えば、アラニンおよびグルタミン酸をグリシンおよびセリンで置換する位置20および21における2つの変異は、それぞれ、A20G+E21SまたはA20G/E21Sとして示される。所定の位置のアミノ酸残基が、2つ以上の別のアミノ酸残基で置換される場合、これらの残基は、コンマまたはスラッシュで隔てられる。例えば、グリシンまたはグルタミン酸のいずれかでの位置30のアラニンの置換は、A20G,EまたはA20G/E、またはA20G、A20Eとして示される。改変に適切な位置が、示唆されている任意の特定の改変なしに本明細書において同定される場合、任意のアミノ酸残基が、この位置に存在するアミノ酸残基で置換され得ることが理解されるべきである。従って、例えば、位置20におけるアラニンの改変に言及するが特定はされない場合、アラニンは、欠失されても、または任意の他のアミノ酸残基(すなわち、R、N、D、C、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、Vのいずれか1つ)で置換されてもよいことが理解されるべきである。
適切には、本発明のフィターゼまたは機能的な等価物は、このフィターゼが少なくとも100U/mgまたは200U/mg、好ましくは少なくとも300U/mgの比活性を有し、この比活性が、実施例1に詳細であるように、200mMの酢酸ナトリウム緩衝液pH3.5に含有される、2mMのフィチン酸、0.8mMのCaClを含有する溶液中でこのフィターゼをインキュベートすることによって決定されるという点で特徴付けられる。本発明のフィターゼまたはその機能的な等価物はまた適切には、このフィターゼが約pH4〜4.5で最大活性を有し、この活性が、200mMの酢酸ナトリウム緩衝液に含有される、2mMのフィチン酸、0.8mMのCaClを含有する溶液中でこのフィターゼをインキュベートすることによって決定されるという点で特徴付けられ得る。本発明のフィターゼはまた適切には、このフィターゼがpH2.5〜5.5で観察される最大活性の40%以上を有し、pH2.5での活性は塩酸グリシン緩衝液を用いて決定するという点で特徴付けられ得る。
適切には、一実施形態では、本発明のフィターゼまたは機能的な等価物は、このフィターゼが330U/mg以上の比活性を有し、この比活性が、200mMの酢酸ナトリウム緩衝液pH3.5に含有される、2mMのフィチン酸、0.8mMのCaClを含有する溶液中でこのフィターゼをインキュベートすることによって決定されるという点で特徴付けられる。別の実施形態では、本発明のフィターゼまたはその機能的な等価物はまた適切には、このフィターゼが約pH3およびpH4〜4.5で2つの最大活性を有し、この活性が、200mMの酢酸ナトリウム緩衝液に含有される、2mMのフィチン酸、0.8mMのCaClを含有する溶液中でこのフィターゼをインキュベートすることによって決定されるという点で特徴付けられ得る。
別の局面では、本発明は、Buttiauxella sp.のフィターゼ、またはそのホモログに相当するアミノ酸配列を含む酵素をコードする単離および/または精製された核酸分子またはヌクレオチド配列を提供する。適切には、この単離および/または精製された核酸分子は、配列番号3に示されるアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも75%の同一性(相同性)を有する配列またはその有効なフラグメントを含むポリペプチドをコードする。一実施形態では、この核酸分子は、配列番号3を含み、かつ本明細書に列挙される好ましい位置で変異を、または本明細書に列挙される任意の特定の変異または変異の組み合わせを含むポリペプチドをコードする。別の実施形態では、本発明は、配列番号2の任意の配列と同じであるか、もしくはそれに相補的であるか、もしくは配列番号2の任意の配列の任意の適切なコドン置換を含むヌクレオチド配列を含むか、または配列番号2と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列相同性を有する配列を含む、ヌクレオチド配列を含む、単離されるかおよび/または精製された核酸分子を提供する。
なおさらなる局面では、本発明は、以下のように示されるヌクレオチド配列に、そしてヌクレオチド配列の使用に関する:
(a)配列番号2として示されるヌクレオチド配列、
(b)配列番号2として示されるヌクレオチド配列の改変体、ホモログ、誘導体またはフラグメントであるヌクレオチド配列;
(c)配列番号2に示されるヌクレオチド配列の相補体であるヌクレオチド配列;
(d)配列番号2として示されるヌクレオチド配列の改変体、ホモログ、誘導体またはフラグメントの相補体であるヌクレオチド配列;
(e)配列番号2に示されるヌクレオチド配列にハイブリダイズし得るヌクレオチド配列;
(f)配列番号2として示されるヌクレオチド配列の改変体、ホモログ、誘導体またはフラグメントに対してハイブリダイズし得るヌクレオチド配列;
(g)配列番号2に示されるヌクレオチド配列に対してハイブリダイズし得るヌクレオチド配列の相補体であるヌクレオチド配列;
(h)配列番号2として示されるヌクレオチド配列の改変体、ホモログ、誘導体またはフラグメントに対してハイブリダイズし得るヌクレオチド配列の相補体であるヌクレオチド配列;
(i)配列番号2に示されるヌクレオチド配列の相補体に対してハイブリダイズし得るヌクレオチド配列;
(j)配列番号2として示されるヌクレオチド配列の改変体、ホモログ、誘導体またはフラグメントの相補体に対してハイブリダイズし得るヌクレオチド配列。
あるヌクレオチドは、上記のヌクレオチド(e)、(f)、(g)、(h)、(i)または(j)の1つに対して、中度のストリンジェンシー、さらに好ましくは高度なストリンジェンシー、それよりさらに好ましくは極めて高度なストリンジェンシー条件のもとでハイブリダイズし得る場合、それに対してハイブリダイズするとみなされる。
ハイブリダイゼーションブロットを調製するために、ブロッティングのためのの標準の分子生物学的プロトコールを用いてもよい(例えば、DNAハイブリダイゼーションのためのサザンブロッティング)。標的DNAの量は、標的配列の相対的な量に依存する。純粋な標的配列が用いられるべき場合、1キロベースのポリヌクレオチドあたり1〜5ピコグラムのDNAが好ましい。代表的には、検出限界は、10dpm/mgという比活性を有する放射性プローブについて約0.5pgのDNAであり、これは、複雑なゲノム(例えば、ヒト)の3.3mgのゲノムDNAにおける単一コピーの遺伝子500bp長と等価である。実際に、当業者は、本発明のフィターゼコードポリヌクレオチドを含む微生物のような生物体について例えばスクリーニングするために、約10mgのゲノムDNAを用いる。標的DNAが細菌であるかまたは例えばプラスミドである場合、プラスミドは、過剰な曝露を回避するために適宜DNAを希釈しなければならない。標的DNAは、例えば、ドットブロッティングによって、または電気泳動ゲルからのブロッティングを介してブロットされる。好ましい条件は、「Membrane Transfer and Detection Methods,Amersham International plc,UK.−PI/162/85/1)に記載される。Hubond N+正荷電ナイロン膜が好ましくは用いられる(Amersham Life Science)。このプローブを好ましくは、PharmaciaのReady to Go DNATM標識キットに従って調製して、1×10dpm/マイクログラムより多いプローブを調製する。このプローブを1ミリリットルのハイブリダイゼーション緩衝液あたり1×10dpmの濃度でハイブリダイゼーション緩衝液中において用いる。ブロットを好ましくはハイブリダイゼーション緩衝液(6×SSC、5×デンハート溶液および0.5%SDS、および変性サケ精子DNA〜100mg/ml緩衝液)中で65℃において1時間、プレハイブリダイゼーションして、続いて振盪しながら、変性標識プローブを含有するハイブリダイゼーション緩衝液中において65℃で12時間ハイブリダイゼーションする。次いで、ブロット(単数または複数)を2×SSC、0.1%SDS中の適切な容積の洗浄緩衝液(代表的には50ml)を用いて65℃で30分間洗浄し、続いて、中度のストリンジェンシーの洗浄については同じ洗浄緩衝液(2×SSC、0.1%SDS)、または0.1%×SSC、0.1%SDSで10分間65℃(高ストリンジェンシー)のいずれかで、適切な容積の洗浄緩衝液(代表的には50ml)中での第二の洗浄を行い、この第二の洗浄は、極めて高ストリンジェンシーの洗浄については70℃で反復してもよい。
本発明のヌクレオチド配列は、配列番号3またはその有効なフラグメントまたはその改変体、改変型(修飾型)、ホモログもしくは誘導体をコードする配列を含んでもよい。
詳細には、本発明は、本明細書に記載されるようなフィターゼ、またはそのホモログもしくは誘導体を含むプラスミドまたはベクター系を提供する。好ましくはこのプラスミドまたはベクター系は、配列番号2に示される核酸配列、またはそれに対して少なくとも75%相同性である配列もしくはその有効なフラグメントを含む。適切には、このプラスミドまたはベクター系は、配列番号2のいずれかに示される核酸配列、またはそれに対して少なくとも75%相同性(同一)である配列によってコードされる任意の酵素の微生物中での発現のための発現ベクターである。適切な発現ベクターは本明細書において記載される。さらに、本発明は、本明細書に記載される任意の改変された酵素または改変体または機能的なフラグメントの発現のためのプラスミドまたはベクター系を提供する。適切な発現ベクターは本明細書に記載される。
(フィターゼ改変体)
本発明は、親のフィターゼのアミノ酸配列の1つ以上のアミノ酸残基の改変による親のフィターゼの特徴の改善を記載する。
本発明による親の酵素として用いられるフィターゼ酵素としては、細菌由来の野性型フィターゼ、詳細には、好ましくは、配列番号3に示されるアミノ酸配列もしくはその有効なフラグメント、または配列番号3と75%より多く、好ましくは80%より多く、さらに好ましくは90%より多く、それよりさらに好ましくは95%、95%、97%、98%より多く、好ましくは99%より多くが同一であるアミノ酸配列(すなわち相同なポリペプチド)もしくはその有効なフラグメントを有する、Buttiauxella sp.から得ることができるかまたはそれに由来するフィターゼが挙げられる。
本発明の改良されたフィターゼ酵素改変体は好ましくは、配列番号3またはその有効なフラグメントに対して75%より多く、好ましくは80%より多く、さらに好ましくは90%より多く、それよりさらに好ましくは95%、95%、97%、98%より多く、好ましくは99%より多く同一性を有する。しかし、改変体は配列番号3に対して異種(すなわち、相同でない)であってもよいことがまた想定される。例えば、エキソ−媒介性組換え(exo−mediated recombination)またはファミリー・シャッフリング(family shuffling)のような組換え技術によって生成された改変体は改変体を生じ得、これは本発明に従う親のフィターゼを用いて調製されるが、75%未満の相同性であってもよい。
配列アラインメントおよび配列同一性の決定は適切には、GCGプログラムパッケージに提供されるGAPのような当該分野で公知のコンピュータープログラムの方法によって行われてもよい(Needleman,S.B.およびWunsch,C.D.,(1970),Journal of Molecular Biology,48,p443〜453)。GAPは、ポリペプチド配列比較のために以下の設定で用いられ得る:GAP作製ペナルティーが3.0およびGAP伸長ペナルティーが0.1。配列アラインメントを用いて、例えば、相同なポリペプチドにおける対応する位置を決定する。
フィタータゼ酵素は、以下の発現宿主の1つ以上での異種発現後に特徴付けられた:Escherichia coli K12;Bacillus subtilis;Saccharomyces cerevisiae。他の発現宿主を用いてもよい。
本発明によるフィターゼ特徴の改善は、食物および飼料の処理における使用に、そして食物および飼料製品への添加物としての使用に関する。詳細には、改善は、食物および飼料の処理条件下での安定性に、胃の通過の間の安定性に、そしてヒトまたは動物の胃および/または腸管における活性および安定性に関する。このような改善は、パラメーターのなかでもとりわけ、上昇した温度、好ましくは65℃を上回る温度での安定性の増大、タンパク質分解性の消化、好ましくは消化管のプロテアーゼに対する安定性の増大、低いpHでの触媒活性、好ましくはpH5.5未満での触媒活性の増大、およびフィチン酸からのリン酸塩遊離の一般的な効率を含む。
上昇した温度での安定性の増大は、酵素の不活性化温度によって定量される。不活性化温度とは、特定の期間のインキュベーションおよび室温への引き続く冷却後のフィターゼ酵素の残留活性が、室温で同じ条件下で同じ期間にわたってインキュベートされた同じフィターゼ酵素の残留活性の50%である温度として規定される。熱安定性の相違は、2つの酵素の不活性温度の間の相違の℃である。
改良された特徴を得るように変異される位置および/または領域は、野性型フィターゼの配列および構造の分析によって、そして親の酵素の突然変異誘発によって、詳細には、配列番号3に示される野性型アミノ酸配列への変異の導入および、改良された特徴を有する酵素改変体をスクリーニングすることによって、見出された。これによって親の酵素内の特定の領域および位置が、フィターゼ酵素の特徴を改善するために重要であることが同定された。
従って、本発明は、以下の位置(配列番号3におけるナンバリングに従って番号付けしている):
:59、70、122、125、167、193、197、204、209、211、221、223、225、240、242、244、268、281、289、294、303、336、351の1つ以上において、および/または配列番号3のアミノ酸配列に示されるフィターゼに相同なフィターゼにおける対応する位置において変異を含む、親のフィターゼに比較した場合、改善された特徴を有するフィターゼ改変体に関する。これらの位置は、これらの位置の突然変異誘発が、酵素特徴における改善をもたらすという点で特徴付けられる。
K59E;T167V;K240T;T167I;K240E;D244C;Q289Y;T209KおよびF197S。
または各々の位置での保存的変異。
変異のうち特に好ましい組み合わせとしては以下が挙げられる。
Figure 2011239793
(フィターゼ改変体を調製する方法)
広範な実施形態において、本発明は、フィターゼ酵素改変体(単数または複数)を調製する方法を提供する。
好ましい実施形態では、フィターゼ酵素改変体を調製する方法は以下の連続的な工程を含む:
a)少なくとも1つの親のフィターゼ酵素を選択する工程であって、この少なくとも1つの親のフィターゼ酵素が、i)本明細書に記載されるようなButtiauxella
sp.フィターゼに相当するアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその改変型、相同なポリペプチド、改変体、機能的等価物もしくは有効なフラグメント、あるいはii)本明細書に記載されるような少なくとも1つのフィターゼ酵素改変体、から選択される工程と、
b)この親のフィターゼ酵素におけるアミノ酸残基の挿入、欠失または置換またはその組み合わせである、親のフィターゼ酵素の少なくとも1つの変更を導入することによって、少なくとも1つのフィターゼ改変体を作製して、少なくとも1つのフィターゼ酵素改変体を得る工程と、
c)この少なくとも1つのフィターゼ酵素改変体をスクリーニングして、この親のフィターゼ酵素に比較して:
i.より高い熱安定性および/または ii.比活性および/または
iii.タンパク質分解安定性
から選択される改良された特性(単数または複数)を有する改良されたフィターゼ酵素改変体を同定する工程と、
d)この改良されたフィターゼ酵素改変体を調製して、好ましくは、単離されたおよび/または精製されたフィターゼ酵素改変体を生成する工程と。
好ましい実施形態では、工程b)の間に、フィターゼ酵素改変体の集団が生成され、かつ工程c)において、フィターゼ酵素改変体のこの集団の少なくとも一部がスクリーニングされる。
好ましい実施形態では、工程a)は、親のフィターゼ酵素をコードする請求項11〜13に記載のヌクレオチド配列を突然変異誘発に供する工程を包含し、かつ工程b)が、宿主細胞において工程(a)で得られた変異されたヌクレオチド配列を発現する工程を包含し、かつ工程c)が、宿主細胞またはその抽出物を、前記改良された特性(単数または複数)を有する改良されたフィターゼ酵素改変体についてスクリーニングする工程を包含する。
さらなる実施形態では、工程c)および必要に応じてd)の後に、反復工程a)〜c)および必要に応じてd)の少なくとも1回の引き続くラウンドをさらに含み、好ましくはこの引き続くラウンド(単数または複数)において、工程a)の少なくとも1つの親のフィターゼ酵素が、この方法に従って調製された、上記少なくとも1つのフィターゼ酵素改変体および/または改良されたフィターゼ改変体から選択される。
さらに好ましい実施形態では、工程c)は、i)前記親のフィターゼ酵素、および/またはii)配列番号3を含むポリペプチドのその機能的なフラグメントのいずれかに比較して、少なくとも2.5という熱安定性の相違を有する、改良されたフィターゼ酵素改変体を発現する宿主細胞についてスクリーニングする工程を包含する。
さらなる実施形態では、工程c)は、i)前記親のフィターゼ酵素、および/またはii)配列番号3を含むポリペプチドのその機能的なフラグメントのいずれかに比較して、少なくとも30というペプシン安定性を有する、改良されたフィターゼ酵素改変体を発現する宿主細胞についてスクリーニングする工程を包含する。
さらなる実施形態では、工程c)は、i)前記親のフィターゼ酵素、および/またはii)配列番号3を含むポリペプチドのいずれかに比較して、少なくとも110という配列番号3によってコードされるフィターゼに比較した場合の比活性を有する、改良されたフィターゼ酵素改変体を発現する宿主細胞についてスクリーニングする工程を包含する。
本発明はまた、フィターゼ酵素改変体を調製する方法を提供し、この方法は以下を包含する:
a)親のフィターゼ酵素を選択する工程であって、この親のフィターゼ酵素が:
i.配列番号3またはその機能的なフラグメントに対して少なくとも75%の相同性である親のフィターゼ酵素
ii.Buttiauxella spp.由来の親のフィターゼ酵素
iii.少なくとも1つのフィターゼ酵素改変体
から選択される工程と、
b)この親のフィターゼ酵素におけるアミノ酸残基の挿入、欠失または置換である少なくとも1つの変更を作製して、フィターゼ酵素改変体を得る工程と、
c)この親フィターゼ酵素に比較して:
i.より高い熱安定性および/または
ii.比活性および/または
iii.タンパク質分解安定性
のうちの1つ以上から好ましくは選択される、本明細書に記載のような改善された特徴を有するフィターゼ酵素改変体をスクリーニングする工程と
d)フィターゼ酵素改変体を調製する工程と。
必要に応じて、少なくとも工程a)〜c)は、1つ以上の引き続く(反復性)のラウンドで繰り返されてもよい。従って、親のフィターゼ酵素とは、上記の方法a)〜c)の以前のラウンドによって調製されたフィターゼ酵素改変体であることが想定される。
さらなる実施形態では、本発明は、フィターゼ改変体を調製する方法を提供し、この方法は以下を包含する:
(a)親のフィターゼ酵素であって、
(i)配列番号3またはその機能的なフラグメントに対して少なくとも75%の相同性である親のフィターゼ酵素、
(ii)Buttiauxella spp.由来の親のフィターゼ酵素、
(iii)少なくとも1つのフィターゼ酵素改変体
から選択される、親のフィターゼ酵素を提供する工程と、
(b)この親のフィターゼ酵素の変更によってフィターゼ改変体の集団を生成する工程であって、好ましくはこの変更(単数または複数)が親のフィターゼにおける少なくとも1つのアミノ酸残基の挿入、欠失もしくは置換、またはその任意の組み合わせを通じて得られる工程と、
(c)この親フィターゼ酵素に比較して:
(i)より高い熱安定性および/または
(ii)より高い比活性および/または
(iii)より高いタンパク質分解安定性
のうちの1つ以上から好ましくは選択される、本明細書に記載のような改善された特徴を有するフィターゼ酵素改変体についてこの集団をスクリーニングする工程と、
(d)フィターゼのこの集団から1つ以上のフィターゼ酵素改変体を選択する工程と、
(e)必要に応じて、工程(a)〜(c)を循環的に繰り返す工程であって、好ましくは1つのサイクルで選択されたフィターゼ改変体が次のサイクルで第一のフィターゼとして用いられる工程と。
さらなる実施形態では、本発明は、フィターゼ酵素改変体を調製する方法を提供し、この方法は以下を包含する:
a)親のフィターゼ酵素をコードするヌクレオチド配列を突然変異誘発に供する工程であって、この親のフィターゼ酵素が
i.配列番号3またはその機能的なフラグメントに対して少なくとも75%の相同性である親のフィターゼ酵素
ii.Buttiauxella spp.由来の親のフィターゼ酵素
iv.少なくとも1つのフィターゼ酵素改変体
から選択される工程と、
b)工程(a)において得られた変異されたヌクレオチド配列を宿主細胞中で発現させる工程と、
c)この親フィターゼ酵素に比較して:
i.より高い熱安定性および/または
ii.より高い比活性および/または
iii.より高いタンパク質分解安定性
のうちの1つ以上のから好ましくは選択される、本明細書に記載されるような、改善された特徴を有するフィターゼ酵素改変体を発現する宿主細胞をスクリーニングする工程と、および/または
d)この宿主細胞によって発現されるフィターゼ酵素改変体を調製する工程と。
必要に応じて、工程(a)〜(c)は、必要に応じてd)を含んで、1回以上の連続的な(反復性)ラウンドで繰り返されてもよい。
さらなる実施形態では、本発明は、フィターゼ改変体を調製する方法を提供し、この方法は以下の工程を包含する:
(a)親のフィターゼ酵素をコードするヌクレオチド配列を突然変異誘発に供して変更されたヌクレオチド改変体の集団を生成する工程であって、好ましくはこの変更(単数または複数)が、親のフィターゼにおける少なくとも1つのアミノ酸残基の挿入、欠失もしくは置換、またはその任意の組み合わせを通じて得られ、この親のフィターゼ酵素が、
(i)配列番号3またはその機能的なフラグメントに対して少なくとも75%の相同性である親のフィターゼ酵素
(ii)Buttiauxella spp.由来の親のフィターゼ酵素
(iii)少なくとも1つのフィターゼ酵素改変体
から選択される工程と、
(b)工程(a)において得られたヌクレオチド改変体の集団を、対応する宿主細胞の集団中で発現させる工程と、
(c)この親フィターゼ酵素に比較して:
i.より高い熱安定性および/または
ii.より高い比活性および/または
iii.より高いタンパク質分解安定性
のうちの1つ以上から好ましくは選択される、本明細書に記載されるような、改善された特徴を有するフィターゼ改変体の集団をスクリーニングする工程と、
(d)このフィターゼの集団から1つ以上のフィターゼ改変体を選択する工程と。
(e)必要に応じて、工程(a)〜(c)を循環的に反復する工程であって、好ましくは1つのサイクルで選択されたフィターゼ改変体が次のサイクルで第一のフィターゼとして用いられる工程と。
必要に応じて、フィターゼ酵素改変体を調製する上記の方法では、上記のヌクレオチド配列は好ましくはDNA配列である。
このヌクレオチド配列は好ましくは、本明細書に記載されるような、Buttiauxella sp.のフィターゼに相当するアミノ酸配列、またはそのホモログを含む酵素をコードする、単離されるかおよび/または精製された核酸分子またはヌクレオチド配列である。
親のフィターゼは好ましくは、本明細書に記載されるように、配列番号3またはその機能的なフラグメントまたは配列番号3に開示されるようなButtiauxella spのフィターゼのホモログから選択される。
フィターゼ酵素改変体を調製する方法に関する、本発明の上記の実施形態では、親のフィターゼの酵素/ヌクレオチドコードする親のフィターゼ酵素/ヌクレオチドは好ましくは野性型フィターゼである。
しかし、別の方法では、親は、突然変異誘発の以前のラウンドで調製された改変体であってもよい。すなわち、一実施形態では、フィターゼ酵素改変体を調製する方法は、反復性であり、工程a)〜c)(必要に応じて工程d)を含む)は、少なくとも2回以上繰り返される。このような実施形態では、突然変異誘発の初回に用いられる突然変異誘発法は好ましくは、エラー・プローン(error prone)PCR、より好ましくはエラー限界値(error threshold)PCRである。その後のラウンドはまた、エラー・プローンPCR、より好ましくはエラー限界値PCRであってもよいが、あるいは、組換えに基づく突然変異誘発であってもよく、少なくとも2つの独立して改良された改変体の群は突然変異誘発の初回には同一であり、組換え突然変異誘発の2回目またはその後のラウンドの間に、少なくとも1つの組換え改変体が得られる(例えば、ファミリーシャッフリングまたはリコンビナーゼ連鎖反応法を用いて)。
ラショナール・デザイン(rational design)、サイト・スキャニング突然変異誘発(site scanning mutagenesis)または化学的/放射線誘導突然変異誘発を含む、別の突然変異誘発方法も用いられてもよいことが当業者には理解される。
フィターゼ酵素改変体を調製する方法に関する本発明の上記の実施形態では、このフィターゼ酵素改変体は好ましくは、より高い熱安定性についてスクリーニングされる。
フィターゼ酵素改変体を調製する方法に関する本発明の上記の実施形態では、このフィターゼ酵素改変体は好ましくは、より高い熱安定性、より高いタンパク質分解安定性またはより高い比活性、最も好ましくはより高い熱安定性から好ましくは選択される、少なくとも単一のパラメーターについてスクリーニングされる。
好ましくは、この第一のパラメーターについてのスクリーニングは、少なくとも工程a)〜c)からなる突然変異誘発の少なくとも初回に行われ、ここでc)がこの第一のパラメーターについての少なくともスクリーニングを含む。次いで、この初回の突然変異誘発には、工程a)〜c)(必要に応じてd)を含む)を含む、さらなる(反復性)ラウンドの突然変異誘発および選択が続いてもよく、ここでこのさらなるラウンドにおける選択は、この初回の工程c)において用いられるのと同じ選択パラメーター、あるいは異なるパラメーターから選択されてもよい。
フィターゼ酵素改変体を調製する上記の方法の反復性のラウンドの間に、好ましくはこの第一のパラメーターは、より高い熱安定性、より高いタンパク質分解安定性またはより高い比活性、最も好ましくはより高い熱安定性から選択される。好ましくは、突然変異誘発の初回が、より高い熱安定性を有する改変体を選択するために行われている場合、工程a)〜c)を含む突然変異誘発の引き続く(反復性)のラウンド(単数または複数)の間、このパラメーターは、より高い熱安定性、より高いタンパク質分解安定性またはより高い比活性、最も好ましくはより高いタンパク質分解安定性またはより高い比活性から選択される。
フィターゼ酵素改変体を調製する方法に関する本発明の上記の実施形態では、このフィターゼ酵素改変体は好ましくは、少なくとも1回の突然変異誘発(工程a〜c)、好ましくは2回以上の、すなわち反復性のラウンドの選択において、より高い熱安定性、およびより高いタンパク質分解安定性、およびより高い比活性についてスクリーニングされる。
親のフィターゼ酵素は好ましくは、Buttiauxella P1−29由来である。
親のフィターゼ酵素をコードするDNA配列を突然変異誘発に供する工程を含む、フィターゼ酵素改変体を調製する方法では、親のフィターゼ酵素をコードするDNA配列は好ましくは、ランダム変異導入法(random mutagenesis)、より好ましくはエラープローンPCR、さらにより好ましくはエラー限界値PCRに供される。
親のフィターゼ酵素をコードするDNA配列の突然変異誘発の好ましい方法は、エラープローンPCR、より好ましくはエラー限界値PCRであり、突然変異誘発の他の方法が、エラープローン/限界値PCRの代わりに、またはエラープローン/限界値PCRと組み合わせてのいずれかで用いられてもよい。適切なエラープローンPCRおよびエラー限界値PCR方法についての参照を提供する実施例12を参照のこと。変異導入(mutagenic)PCRのための別の適切な方法は、CadwellおよびJoyce(PCR Methods Appl.3(1994),136〜149)に開示される。
「フィターゼ酵素改変体を調製する方法」を指す、この実施形態の文脈で用いられる場合、「宿主細胞での発現」という用語は、好ましくは、本明細書に規定されるような生きている生物体、器官または細胞におけるフィターゼ酵素改変体の産生として規定される。好ましい宿主は、Escherichia coli K12;Bacillus subtilis;Saccharomyces cerevisiaeである。本明細書に詳細なフィターゼ酵素は、以下の発現宿主のうちの1つ以上における異種発現後に特徴付けられる:Escherichia coli K12;Bacillus subtilis;Saccharomyces cerevisiae。
しかし、本明細書に記載されるようなフィターゼ酵素改変体の選択の目的のためには、このような方法を、フィターゼ酵素改変体の発現のインビトロ方法において、好ましくは1つ以上の生存している生物体またはウイルスから単離された1つ以上の細胞から単離された転写物および翻訳機構を利用する、上記の方法の工程(c)における使用のために使用してもよいとみなされる。本発明の改変体フィターゼのこのようなインビトロ産生はまた、好ましい改変体フィターゼを選択するために用いられ得る。インビトロ発現は適切には、標準的な技術を用いて行われてもよい。参照については、Promega Incから入手可能な「インビトロ発現ガイド(In vitro Expression Guide)」を参照のこと(Part#BR053)。
(改変体の表現型の定義)
より高い熱安定性(熱安定性相違)を有する改変体は好ましくは、実施例12に開示される方法を用いて決定される。
フィターゼ酵素改変体を調製する方法によって調製される改変体フィターゼ酵素は好ましくは、少なくとも1.5、より好ましくは2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、最も好ましくは少なくとも20という熱安定性の相違(thermal stability
difference)(T.D)を有する。
より高いタンパク質分解安定性を有する改変体は好ましくは、実施例12に開示される方法によって決定される。
好ましくは、本発明のフィターゼ酵素改変体は、少なくとも45%、好ましくは50%、55%、より好ましくは、少なくとも60%または65%、最も好ましくは少なくとも70%のタンパク質分解性の安定性(残留活性)を有する。
好ましくは、本発明のフィターゼ酵素改変体は、pH4.0で重量の100%より大きい活性、好ましくは105%、110%、さらに好ましくは114%より大きいという比活性を有する。
(さらなる改変体実施形態)
さらなる実施形態では、本発明は、フィターゼ酵素改変体を含む動物飼料の調製のための方法を提供し、この方法は、i)フィターゼ酵素改変体を調製する上記の方法の1つ以上を行う工程と、ii)動物飼料に対してこの調製されたフィターゼ酵素改変体を添加する工程と、という連続する工程を包含する。
特定の実施形態では、本発明は、フィターゼ酵素改変体を含む動物飼料の調製のための方法を提供し、この方法は、
a)親のフィターゼ酵素を選択する工程であって、この親のフィターゼ酵素が、
i.配列番号3に対して少なくとも75%の相同性である親のフィターゼ酵素またはその機能的フラグメント、
ii.Buttiauxella spp.、好ましくはButtiauxella P1−29由来の親のフィターゼ酵素、および/または
iii.少なくとも1つのフィターゼ酵素改変体;
から選択される工程と、
b)この親のフィターゼ酵素におけるアミノ酸残基の挿入、欠失または置換である少なくとも1つの変更を作製して、フィターゼ酵素改変体を得る工程と、
c)この親フィターゼ酵素に比較して:
i.より高い熱安定性および/または
ii.比活性および/または
iii.タンパク質分解安定性
のうちの1つ以上から好ましくは選択される、本明細書に記載のような改善された特徴を有するフィターゼ酵素改変体をスクリーニングする工程と、
d)フィターゼ酵素改変体を調製する工程と、
e)調製されたこのフィターゼ酵素改変体を動物飼料に添加する工程と、
を包含する。
さらなる実施形態では、本発明は、フィターゼ酵素改変体を含む動物飼料の調製のための方法を提供する。
a)親のフィターゼ酵素をコードするヌクレオチド(好ましくはDNA)配列を、突然変異誘発に供する工程であって、この親のヌクレオチドが
i.配列番号3に対して少なくとも75%の相同性である親のフィターゼ酵素またはその機能的フラグメント、および/または
ii.Buttiauxella spp.、好ましくはButtiauxella P1−29由来の親のフィターゼ酵素、
をコードするヌクレオチドから選択される工程と、
b)工程(a)において得られた変異されたヌクレオチド(好ましくはDNA)配列を宿主細胞中で発現させる工程と、
c)この親フィターゼ酵素に比較して:
i.より高い熱安定性および/または
ii.より高い比活性および/または
iii.より高いタンパク質分解安定性
のうちの1つ以上から好ましくは選択される、本明細書に記載のような改善された特徴を有するフィターゼ酵素改変体を発現する宿主細胞をスクリーニングする工程と、
d)この宿主細胞によって発現されるフィターゼ酵素改変体を調製する工程と、
f)この調製されたフィターゼ酵素改変体を動物飼料に添加する工程。
フィターゼ酵素改変体を調製する方法の記載された実施形態および好ましい局面はまた、フィターゼ酵素改変体を含む動物飼料を調製する上記の方法にあてはまる。
本発明の別の局面では、本明細書において記載されるようなフィターゼをコードする核酸を用いて形質転換されるかまたはトランスフェクトされた宿主細胞が提供される。
適切には、本発明のこの局面に従う宿主細胞は、フィターゼを含み、このフィターゼは、配列番号3に示されるアミノ酸配列もしくはその機能的なフラグメント、またはそれに対して少なくとも75%相同である配列を含む。
好ましい実施形態では、この宿主細胞は、フィターゼを生成する。
本発明の更なる局面では、本発明に従うフィターゼをコードする核酸を用いて形質転換されるか、またはトランスフェクトされた宿主細胞が提供される。好ましくは、このフィターゼは、本明細書において記載されるようなButtiauxella sp.のフィターゼ、またはそのホモログもしくは誘導体である。適切には、このフィターゼ酵素は、配列番号3のいずれかに示されるアミノ酸配列またはその機能的なフラグメント、またはそれに対して少なくとも75%相同(同一)である配列を含む。好ましくは、この宿主細胞は、フィターゼを生成する。
一実施形態では、本発明において用いられ得るヌクレオチド配列は、Buttiauxella sp.から得ることができる(ただし実際にそれから得られる必要は無い)が、等価な株から単離されるか、および/または精製された酵素が等しく用いられ得ることが理解される。
適切には、宿主細胞は、細菌を含む微生物および酵母を含む真菌由来である。特に好ましい実施形態では、この宿主細胞は、原核生物細菌細胞である。適切な細菌宿主細胞としては、プロテオバクテリアを含む種々の原核生物分類群由来の細菌が挙げられ、これには、α、β、γ、δ、およびεの亜門のグラム陽性の細菌のメンバー、例えば、放線菌(Actinomycetes)、フィルミキュート(Firmicutes)、クロストリジウム(Clostridium)および関連のもの、フラボバクテリウム、シアノバクテリア、緑色イオウ細菌、緑色非イオウ細菌および古細菌が挙げられる。特に好ましいのは、Enterobacteriaceae、例えば、γ亜門に属するEscherichia coliプロテオバクテリア、および低GC−グラム陽性細菌、例えば、Bacillusである。
適切な真菌宿主細胞としては、Saccharomycetes、例えば、Pichia、HansenulaおよびSaccharomycesを含む子嚢菌(Ascomycota)、Schizosaccharomycetes、例えば、Schizosaccharomyces pombeおよびAspergillusを含むアナモルフィックな(anamorphic)子嚢菌(Ascomycota)からなる群より選択される酵母が挙げられる。
他の適切な真核生物宿主細胞としては、昆虫細胞、例えばSF9、SF21、TrychplusianiおよびM121細胞が挙げられる。例えば、本発明によるポリペプチドは、昆虫細胞系において有利に発現され得る。培養中での昆虫細胞における発現と同様に、フィターゼ遺伝子は、昆虫の生物体丸ごとにおいて発現され得る。バキュロウイルスのようなウイルスベクターは、昆虫全体へ感染し得る。大型の昆虫、例えば、カイコは、高い収率の異種タンパク質を供給する。このタンパク質は、従来の抽出技術に従って昆虫から抽出され得る。本発明における使用のために適切な発現ベクターとしては、昆虫細胞株において外来のタンパク質を発現可能である全てのベクターが挙げられる。
他の宿主細胞としては、プロトプラスト、細胞、カルス、組織、器官、種子、胚、胚珠、接合子などからなる群より選択された植物細胞が挙げられる。本発明はまた、形質転換されておりかつ本発明の組換えDNAを含む植物丸ごとを提供する。
「植物(plant)」という用語は一般に、真核性藻類、有胚植物を含み、これには、コケ植物、シダ植物および種子植物、例えば、裸子植物および被子植物が挙げられる。
好ましくは、このような宿主細胞は微生物である。好ましい微生物としては、原核生物の細菌細胞、好ましくは、E.coli、B.subtilisおよびBacillus属の他の種、酵母、好ましくは、Hansenula polymorphaおよびSchizosaccharomyces pombeが挙げられる。
本発明の別の局面では、Danisco Global Innovation,Sokeritehtaantie 20,FIN−02460 Kantvik、Finlandに受託番号NCIMB 41248として2004年の9月22日に寄託された細菌細胞の株Buttiauxella sp.のP1−29が提供される。このような細胞は、飼料に直接組み込まれてもよい。
別の局面では、本発明に従う発現ベクターまたはプラスミドを用いて宿主細胞をトランスフェクトする工程と、この宿主細胞をフィターゼの発現のための条件下で培養する工程と、このフィターゼを宿主細胞培養培地から抽出する工程とを包含する、フィターゼの産生のための方法が提供される。
適切には、この方法は、配列番号3に示されるアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも75%の相同性を有する配列、またはその有効なフラグメントを宿主細胞中で発現する工程と、この宿主細胞培養培地から、分泌されたタンパク質を抽出する工程とを包含する、フィターゼの産生のための方法である。
本発明の別の局面は、本発明に従うフィターゼを含む飼料組成物を提供する。好ましくは、この飼料組成物は、飼料1kgあたり10〜10000U、好ましくは200〜2000U、さらに好ましくは500〜1000Uの濃度でフィターゼを含む。
一実施形態では、この飼料組成物は、本発明に従う宿主細胞を含む。
さらなる局面では、食料または動物飼料における本発明に従うフィターゼの使用が提供される。
(好ましい局面)
好ましい局面は、添付の特許請求の範囲に、そして以下の詳細な説明および実施例のセクションに示される。
(さらなる利点)
本発明は、動物飼料に対する添加物としてフィターゼを特に有用にさせる、多数の特性を有するフィターゼを提供するので有利である。
詳細には、本発明のフィターゼは、低いpHで、そして好ましくは、pH2〜5.5の範囲で活性であり、pH4〜4.5の周囲で活性が最大である。適切には、本発明のフィターゼは、胃の環境の低いpHで活性である(pH2.5における最大活性の約40%を保持している)。
さらに、本発明のフィターゼは、天然の宿主において、そして異種発現の間に効率的に分泌され、これによって、飼料への添加のための、より効率的な産生および単離がもたらされる。
さらに、本発明のフィターゼは好ましくは、五−、四−、三−、および二−リン酸塩基質を含む、広範な基質特異性を有し、それによって動物による吸収に利用可能な総リン酸塩(利用可能なリン酸塩)が増大する。本発明のフィターゼはまた、好ましくは、300U/mg+/−約10%、好ましくは少なくとも300U/mgという領域で高い非活性を有する。
本発明の生成物は、食料および飼料に対する添加物/補充物として用いられ得る。この生成物はまた、種々のイノシトール−リン酸塩の商業的な産生において有用であり得る。
(フィチン酸塩/フィチン酸/フィターゼ)
フィチン酸(myo−イノシトール六リン酸エステル)は、穀類、マメ科植物および脂肪種子の作物における重要な構成物である。塩型であるフィチン酸塩は、これらの植物におけるリンの主要な貯蔵形態である。
フィターゼは、フィチン酸のリン酸モノエステル加水分解を触媒し、段階的な形態のmyo−イノシトールの五−、四−、三−、二−および一リン酸エステルの形成、ならびに無機リン酸塩の遊離を生じる。
本発明において用いられる場合、「野性型フィターゼ(wild type phytase)」または「野性型(wild type)」という用語は、天然に見出されるアミノ酸配列を有するフィターゼ酵素をいう。
「フィターゼ改変体(phytase variant)」または「改変体(variant)」または「改変型(modified form)」という用語は、まとめて「変異(mutations)」と呼ばれる、1つ以上のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失を有する親のフィターゼのアミノ酸配列由来のアミノ酸配列を有するフィターゼ酵素を指す。
「親のフィターゼ(parent phytase)」または「親の酵素(parent enzyme)」という用語は、フィターゼ改変体が由来するフィターゼ酵素をいう。親のフィターゼは、野性型フィターゼまたは別のフィターゼ改変体であってもよい。詳細には、本発明においては、「親のフィターゼ」は、Buttiauxella sp.由来であってもよい。適切には、「親のフィターゼ」は、配列番号3に示されるアミノ酸配列を好ましくは有する、本明細書に記載のようなButtiauxellaのP1−29株由来である。
(単離された)
一局面では、好ましくはヌクレオチドまたはアミノ酸配列は、単離型である。「単離された(isolated)」という用語は、この配列が天然に通常会合している、そして天然に見出されるような、少なくとも1つの他の成分をこの配列が少なくとも実質的に含まないことを意味する。
(精製された)
一局面では、好ましくはヌクレオチドまたはアミノ酸配列は、精製型である。「精製された(purified)」という用語は、この配列が比較的純粋な状態、少なくとも1%、5%純粋、または10%純粋、より好ましくは、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%純粋であることを意味する。好ましい実施形態では、ポリペプチドについて言及する場合、上記のような純度は、SDS−PAGE電気泳動によって他のポリペプチドから精製されることに関して決定される。好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドについて言及する場合、上記のような純度は、他のポリヌクレオチドから精製されることに関して決定される。
(ヌクレオチド配列)
本発明の範囲は、本明細書に記載のような特定の特性を有する酵素をコードするヌクレオチド配列を包含する。
本明細書において用いる場合、用語「ヌクレオチド配列(nucleotide sequence)」とは、オリゴヌクレオチド配列、核酸またはポリヌクレオチド配列、ならびにその改変体、ホモログ、フラグメントおよび誘導体(例えば、その一部)をいう。ヌクレオチド配列は、ゲノム由来または合成由来または組換え由来であってもよく、これはセンス鎖を示そうとまたはアンチセンス鎖を示そうと、二本鎖であっても、または一本鎖であってもよい。
「ヌクレオチド配列(nucleotide sequence)」または「核酸分子(nucleic acid molecule)」という用語は、本発明に関しては、ゲノムDNA、cDNA、合成DNAおよびRNAを包含する。好ましくは、これは、本発明をコードするDNAを、より好ましくはcDNA配列意味する。
好ましい実施形態では、このヌクレオチド配列は、本発明の範囲に関連する場合、そして本発明の範囲自体によって包含される場合、本発明に従う天然のヌクレオチド配列を、その天然の環境にある場合、そして天然に関連する配列(単数または複数)であってその天然の環境にある配列に関連する場合は、含まない。言及を容易にするために、本発明者らは、この好ましい実施形態を、「天然でないヌクレオチド配列(non−native
nucleotide sequence)」と呼ぶものとする。これに関しては、この「天然のヌクレオチド配列(native nucleotide sequence)」という用語は、その天然の環境にあり、そして天然に関連するプロモーター全体に作動可能に連結され、このプロモーターがまたその天然の環境にある場合、ヌクレオチド配列全体を意味する。しかし、本発明の範囲によって包含されるアミノ酸配列は、その天然の生物体におけるヌクレオチド配列の発現後に単離および/または精製され得る。しかし、好ましくは、本発明の範囲によって包含されるアミノ酸配列は、その天然の生物体におけるヌクレオチド配列であって、ただしその生物体が天然に関連しているプロモーターの制御下ではないヌクレオチド配列によって発現されてもよい。
(ヌクレオチド配列の調製)
代表的には、本発明の範囲によって包含されるヌクレオチド配列または本発明における使用のためのヌクレオチド配列は、組換えDNA技術(すなわち、組換えDNA)を用いて調製される。しかし、本発明の別の実施形態では、このヌクレオチド配列は、当該分野で周知の化学的方法を用いて、全体としてまたは部分的に合成されてもよい(Caruthers MHら(1980)Nuc Acids Res Symp Ser 215〜23およびHorn Tら(1980)Nuc Acids Res Symp Ser 225〜232を参照のこと)。
本明細書に規定されるような特異的な特性を有する酵素、または改変に適切である酵素のいずれかをコードするヌクレオチド配列は、このような酵素を産生する任意の細胞または生物体から同定および/または単離および/または精製してもよい。ヌクレオチド配列の同定および/または単離および/または精製のためには、種々の方法が当該分野で周知である。例えば、より多くの配列を調製するためにPCR増幅技術を一旦用いて、適切な配列を同定および/または単離および/または精製してもよい。
さらなる例としては、ゲノムDNAおよび/またはcDNAライブラリーが、この酵素を産生する生物体から、染色体DNAまたはメッセンジャーRNAを用いて構築され得る。酵素のアミノ酸配列または酵素のアミノ酸配列の一部が既知である場合、標識されたオリゴヌクレオチドプローブを合成し、用いて、この生物体から調製されたゲノムライブラリーから酵素をコードするクローンを同定してもよい。あるいは、別の公知の酵素遺伝子と相同な配列を含む標識されたオリゴヌクレオチドプローブを用いて、酵素コードクローンを同定してもよい。後者の場合、低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションおよび洗浄条件を用いる。
あるいは、酵素をコードするクローンは、プラスミドのような発現ベクターにゲノムDNAのフラグメントを挿入すること、得られたゲノムDNAライブラリーで酵素陰性の細菌を形質転換すること、次いでこの形質転換された細菌をこの酵素の基質(例えば、ガラクトシダーゼ(マルターゼ)産生酵素についてはマルトース)を含む寒天プレート上にプレートすることによって同定されてもよく、これによってこの酵素を発現するクローンを同定することが可能になる。
なおさらなる別の方法では、この酵素をコードするヌクレオチド配列は、確立された標準的な方法、例えば、Beucage S.L.(1981)Tetrahedron Letters 22,p1859〜1869によって記載されるホスホラミダイト法、またはMatthesら(1984)EMBO J.3,p801〜805によって記載される方法によって合成的に調製されてもよい。ホスホラミダイト法では、オリゴヌクレオチドは、例えば、自動DNAシンセサイザー中で合成され、精製され、アニーリングされ、連結され、そして適切なベクターにクローニングされる。
ヌクレオチド配列は、混合されたゲノム由来および合成由来の配列であっても、混合された合成由来およびcDNA由来であっても、または混合されたゲノム由来およびcDNA由来であってもよく、標準的な技術に従って合成、ゲノムもしくはcDNA由来(必要に応じて)のフラグメントを連結することによって調製されてもよい。各々の連結されたフラグメントは、全体的なヌクレオチド配列の種々の部分に相当する。DNA配列はまた、例えば、米国特許第4,683,202号に、またはSaiki R Kら(Science(1988)239,pp487〜491)に記載のような、特定のプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって調製されてもよい。
遺伝子コードの縮重に起因して、ヌクレオチド配列であって、ここでは、もとのヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸のいくつかまたは全てについて三つ組みのコドン用法が変化されており、それによって、もとのヌクレオチド配列に対しては相同性が低いが、もとのヌクレオチド配列によってコードされるのと同じ、または改変体、アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列が、容易に生成され得る。例えば、ほとんどのアミノ酸について、遺伝子コードの縮重性は三つ組みコドンにおける三番目の位置(ゆらぎ位置(wobble position))であり(参照については、Stryer,Lubert,Biochemistry,Third Edition,Freeman Press,ISBN 0−7167−1920−7を参照のこと)、従って、全ての三つ組みのコドンが三番目の位置で「ゆらいでいる(wobbled)」ヌクレオチド配列は、もとのヌクレオチド配列に対しては約66%の同一性であるが、変更されたヌクレオチド配列は、もとのヌクレオチド配列と同じ、または改変体の一次アミノ酸配列をコードする。
従って、本発明はさらに、三つ組みコドンをコードする少なくとも1つのアミノ酸の別の三つ組みコドン用法を有するが、もとのヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド配列と同じ、または改変体、ポリペプチド配列をコードする、任意のヌクレオチド配列に関する。
さらに、特定の生物体は代表的には、三つ組みコドンがアミノ酸をコードするために用いられるのに応じてバイアスを有する。好ましいコドン用法の表が、広範に利用可能であり、そしてコドン最適化遺伝子を調製するために用いられ得る。このようなコドン最適化技術は、異種の宿主における導入遺伝子の発現を最適化するために慣用的に用いられる。
(分子進化)
一旦、酵素をコードするヌクレオチド配列が単離されるか、および/もしくは精製されるか、または推定の酵素コードヌクレオチド配列が同定されれば、選択されたヌクレオチド配列を改変することが所望され得る。例えば、配列を変異させて、本発明に従う改善された安定特徴を有する酵素を調製することが所望され得る。
変異は、合成のオリゴヌクレオチドを用いて導入されてもよい。これらのオリゴヌクレオチドは、所望の変異部位に隣接するヌクレオチド配列を含む。
適切な方法は、Morinagaら(Biotechnology(1984)2,p646〜649)に開示される。酵素コードヌクレオチド配列に変異を導入する別の方法は、NelsonおよびLong(Analytical Biochemistry(1989)、180、p147〜151)に記載される。
部位特異的突然変異誘発の代わりに、上記のように、例えば、市販のキット、例えばStratageneのGeneMorph PCR突然変異誘発キット、またはClontechのDiversify PCRランダム変異突然変異誘発キットを用いて、変異をランダムに導入してもよい。
新規な配列を得るための第三の方法は、多数の制限酵素(単数または複数)、例えば、Dnase Iを用いることによって、同一でないヌクレオチド配列を断片化すること、および機能的なタンパク質をコードする完全なヌクレオチド配列を再構築することである。あるいは、1つまたは複数の同一でないヌクレオチド配列を用いて、この全長ヌクレオチド配列の再構築の間に、変異を導入してもよい。
これによって、ヌクレオチド配列に多数の部位特異的なまたはランダムな変異を、インビボまたはインビトロのいずれかで、生成すること、そして種々の手段によってこのコードされたポリペプチドの機能の改善について引き続きスクリーニングすることが可能である。
非限定的な例として、ポリヌクレオチド配列の変異体または天然の改変体を、野性型または他の変異体または天然の改変体と組換えて、新規な改変体を生成してもよい。このような新規な改変体はまた、コードされたポリペプチドの改善された機能についてスクリーニングされ得る。新規な好ましい改変体の生成は、当該分野で十分確立された種々の方法、例えば、エラー限界値突然変異誘発(Error Threshold Mutagenesis)(WO92/18645)、オリゴヌクレオチド媒介性ランダム突然変異誘発(米国特許第5,723,323号)、DNAシャッフリング(米国特許第5,605,793号)、エキソ媒介性遺伝子アセンブリ(exo−mediated gene assembly)(WO0058517)によって達成され得る。他の適切な方法は、例えば、WO0134835、WO02/097130、WO03/012100、WO03/057247、WO2004/018674、米国特許第6,303,344号および米国特許第6,132,970号に記載される。
上述の適用および類似の分子進化方法によって、タンパク質の構造または機能の先行技術の知識なしに、好ましい特徴を有する、本発明の酵素の改変体の同定および選択が可能になり、そして予測不能だが有益な変異または改変体の生成が可能になる。酵素活性の最適化または変更のためには当該分野において分子進化の適用の多数の例があり、このような例としては、限定はしないが、以下の1つ以上が挙げられる:宿主細胞における、またはインビトロにおける、最適化発現および/または活性、酵素活性の増大、基質および/または生成物特異性の変更、酵素のまたは構造の安定性の増大または減少、好ましい環境条件、例えば、温度、pH、基質における酵素活性/特異性の変更。
上記の分子進化方法は、本明細書に記載のようなフィターゼ酵素改変体を調製する方法において用いられ得る。
(アミノ酸配列)
本発明の範囲はまた、本明細書に規定されるような特定の特性を有する酵素のアミノ酸配列を包含する。
本明細書において用いる場合、「アミノ酸配列(amino acid sequence)」という用語は、「ポリペプチド」という用語および/または「タンパク質」という用語と同義である。ある場合には、「アミノ酸配列(amino acid sequence)」という用語は、「ペプチド(peptide)」という用語と同義である。ある場合には、「アミノ酸配列(amino acid sequence)」という用語は、「酵素(enzyme)」と同義である。
アミノ酸配列は、適切な供給源から調製/単離されてもよいし、または合成的に作製されてもよいし、または組換えDNA技術の使用によって調製されてもよい。
本発明に包含される酵素は、他の酵素と組み合わせて用いられてもよい。従って、本発明はまた、酵素の組み合わせを包含し、この組み合わせは本発明の酵素および本発明に従う別の酵素であってもよい別の酵素を含む。この局面は後ろのセクションで考察される。
好ましくは、本発明の範囲に関連している場合、および本発明の範囲自体によって包含される場合、このアミノ酸配列は、天然の酵素ではない。この点で、「天然の酵素(native enzyme)」という用語は、その天然の環境にあり、かつその天然のヌクレオチド配列によって発現されている場合、酵素全体を意味する。
(改変体/ホモログ/誘導体)
本発明はまた、酵素の任意のアミノ酸配列の、またはこのような酵素をコードする任意のヌクレオチド配列の改変体、ホモログおよび誘導体の使用を包含する。
ここで、「ホモログ(homologue)」という用語は、アミノ酸配列およびヌクレオチド配列と特定の相同性を有する実体を意味する。ここで、「相同性(homology)」という用語は、「同一性(identity)」と同等であり得る。適切には、「ホモログ」とは、この状況では、下にさらに詳細に記載されるとおり、アラインメントアルゴリズムを用いてそれらの配列を整列させた後の2つの酵素の間の配列同一性の割合をいう。
本発明の状況では、相同なアミノ酸配列は、この配列に対して少なくとも75、80、81、85または90%同一、好ましくは少なくとも95、96、97、98または99%同一であり得るアミノ酸配列を含むものとする。代表的には、ホモログは、例えば、本発明のアミノ酸配列と同じ活性部位などを含む。相同性はまた、類似性(すなわち、類似の化学的特性/機能を有するアミノ酸残基)の観点から考慮してもよいが、本発明の状況では、配列同一性の観点で相同性を表現することが好ましい。
「機能的なフラグメント(functional fragment)」とは、そのポリペプチドの特徴的な特性を保持するポリペプチドのフラグメントを意味する。本発明の状況では、フィターゼ酵素の機能的なフラグメントとは、タンパク質丸ごとのカロテノイド切断能力を保持するフラグメントである。
本発明の状況では、相同なヌクレオチド配列とは、本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列(本発明の配列)に対して少なくとも75、80、81、85または90%同一である、好ましくは少なくとも95、96、97、98または99%同一であり得るヌクレオチド配列を含むものとする。代表的には、ホモログは、活性部位をコードする、本発明の配列と同じ配列などを含む。相同性はまた、類似性(すなわち、類似の化学的特性/機能を有するアミノ酸残基)の観点から考慮してもよいが、本発明の状況では、配列同一性の観点で相同性を表現することが好ましい。
アミノ酸配列およびヌクレオチド配列については、相同性比較は、肉眼で、またはさらに一般的には、容易に利用可能な配列比較プログラムの補助によって行われてもよい。これらの市販のコンピュータープログラムは、2つ以上の配列の間の相同性%を計算し得る。
相同性%は、連続的な配列にまたがって算出され得、すなわち、1つの配列が他の配列と整列され、そして1つの配列における各々のアミノ酸が直接、他の配列における対応するアミノ酸、1残基とある時点で比較される。これは、「非ギャップ(ungapped)」アラインメントと呼ばれる。代表的には、このような非ギャップアラインメントは、比較的短い数の残基にまたがってのみ行われる。
これは極めて単純かつ一貫した方法であるが、例えば、そうでなければ同一対の配列において、1つの挿入または欠失は、次のアミノ酸残基がアラインメントから出されるようにさせ、これによって、可能性としては、全体的なアラインメントが行われる場合に相同性%の大きな低下を生じ得るということを考慮できない。結果として、ほとんどの配列比較方法は、全体的な相同性スコアを過度に損なうことなく、可能な挿入および欠失を考慮する最適アラインメントを生成するように設計される。これは、局所相同性を最大化するように試みるために配列アラインメントにおいて「ギャップ(gaps)」を挿入することによって達成される。
しかし、これらのより複雑な方法は、アラインメントを生じる各々のギャップに対して「ギャップペナルティー(gap penalties)」を割り当て、その結果、同数の同一のアミノ酸について、できるだけギャップの少ない配列アラインメント(2つの比較配列の間の関連性がより高いことを反映する)は、多くのギャップで1よりも高いスコアを達成する。ギャップの存在について比較的高いコストおよびギャップにおける各々の引き続く残基についてより小さいペナルティーをチャージする、「アフィンギャップコスト(afiine gap costs)」が代表的には用いられる。これが、最も一般的に用いられるギャップスコアリングシステムである。高いギャップペナルティーは、当然ながら、よりギャップの少ない最適化アラインメントを生じる。ほとんどのアラインメントプログラムによって、ギャップペナルティーが改変されることが可能になる。しかし、配列比較のためにこのようなソフトウェアを用いる場合、デフォールト値を用いることが好ましい。例えば、GCG Wisconsin Bestfitパッケージを用いる場合、アミノ酸配列についてのデフォールトギャップペナルティは、ギャップについて−12、そして各々のエクステンションについて−4である。
従って、最大相同性%の算出は最初に、ギャップペナルティーを考慮する最適アラインメントの生成を要する。このようなアラインメントを行う適切なコンピュータープログラムは、GCG Wisconsin Bestfitパッケージである(Devereuxら、1984 Nuc.Acids Research 12 p387)。配列比較を行ない得る他のソフトウェアの例としては、限定はしないが、BLASTパッケージ(Ausubelら、1999 Short Protocols in Molecular Biology、第4版、第18章)、FASTA(Altschulら、1990 J.Mol.Biol.403〜410)および比較ツールのGENEWORKSスイートが挙げられる。BLASTおよびFASTAの両方とも、オフラインおよびオンラインの検索に利用可能である(Ausubelら、1999、Short Protocols in Molecular Biology,7−58〜7−60頁を参照のこと)。
しかし、いくつかの適用については、GCG Bestfitプログラムを使用することが好ましい。BLAST 2 Sequenceと呼ばれる新規なツールもまた、タンパク質およびヌクレオチドの配列を比較するために利用可能である(FEMS Microbiol Lett 1999 174(2):247〜50;FEMS Microbiol Lett 1999 177(1):187〜8およびtatiana@ncbi.nlm.nih.govを参照のこと)。
最終の相同性%は、同一性に関して測定され得るが、アラインメントプロセス自体は代表的には、オール・オア・ナッシングの対の比較には基づかない。代わりに、化学的な類似性または進化距離に基づいて各々のペアワイズ比較にスコアを割り当てる、計測された類似性スコアマトリックスが一般に用いられる。一般に用いられるこのようなマトリックスの例は、BLOSUM62マトリックスである(プログラムのBLASTスイーツ(suite)についてのデフォールトマトリックス)。GCG Wisconsinプログラムは一般に、供給された場合、公的なデフォールト値またはカスタム記号比較表のいずれかを用いる(さらなる詳細についてはユーザーマニュアルを参照のこと)。いくつかの適用については、GCGパッケージについての公的なデフォールト値を、または他のソフトウェアの場合には、デフォールトマトリックス、例えば、BLOSUM62を用いることが好ましい。
あるいは、相同性パーセントは、CLUSTAL(Higgins DG & Sharp PM(1988),Gene 73(1),237〜244)に類似のアルゴリズムに基づいて、DNASISTM(Hitachi Software)において複数のアラインメント特徴を用いて算出されてもよい。
一旦ソフトウェアが最適アラインメントを生成すれば、相同性%、好ましくは配列同一性%を算出することが可能である。このソフトウェアは代表的には、これを配列比較の一部として行い、計算結果を得る。
本発明の好ましい局面では、配列の相同性/同一性の割合を算出するために以下のソフトウェアおよび設定を用いる。アミノ酸配列については、同一性(相同性)または「陽性(positives)」の割合は、アミノ酸配列の各々の可能性のある対についてAlignX VectorNTI(Invitrogen Corporation,Carlbad,California,USA.由来のVector NTI Advance 9.1)によって算出する。設定はデフォールトパラメーター(Gapオープニングペナルティー−10,Gapエクステンションペナルティー0.1)である。
核酸配列については、同一性(相同性)または「陽性(positives)」の割合は、核酸配列の各々の可能性のある対について、Informax Inc.(USA)のAlignX VectorNTIプログラムによって算出する。設定はDNAについてデフォールト設定であり、Gapオープニングペナルティー:15そしてGapエクステンションペナルティー:6.66である(複数のアラインメントについて同じ設定)。
好ましくはアミノ酸同一性(相同性)は、全長のアミノ酸配列配列にまたがって、または核酸については、代表的な全長アミノ酸配列をコードする対応するポリヌクレオチドに対して算出される。
この配列はまた、サイレント変化を生じ、かつ機能的に等価な物質を生じる、アミノ酸残基の欠失、挿入または置換を有してもよい。意図的なアミノ酸置換は、アミノ酸特性(例えば、残基の極性、荷電、溶解度、疎水性、親水性および/または両親媒性性質)の類似性に基づいてなされ得、従って、官能基においてアミノ酸をまとめてグループ分けするために有用である。アミノ酸は、それらの側鎖単独の特性に基づいて、まとめてグループ分けされてもよい。しかし、同様に変異データを含むことがさらに有用である。このように誘導されたアミノ酸のセットは、構造的な理由のために保存的であると考えられる。これらのセットは、Vennダイアグラムの形態で記載され得る(Livingstone
C.D.およびBarton G.J.(1993)「Protein sequence alignments:a strategy for the hierarchical analysis of residue conservation」Comput.Appl Biosci.9:745〜756(Taylor W.R.(1986)「The Classification of amino acid conservation」J.Theor.Biol.119;205〜218)。保存的置換基は、例えば、アミノ酸の一般に受容されるVennダイアグラムグループ分けを記載する以下の表に従って行われてもよい。
Figure 2011239793
本発明はまた、相同な置換基を包含し(置換および置き換えは両方とも、既存のアミノ酸残基の別の残基での交換を意味するとして本明細書において用いられる)これは、すなわち、同種対同種の置換、例えば、塩基と塩基、酸と酸、極性と極性などを生じ得る。非保存的置換が生じてもよく、すなわち、1クラスの残基から、別のあるいは天然ではないアミノ酸、例えば、オルニチン(本明細書において以降ではZと呼ばれる)、ジアミノ酪酸オルニチン(本明細書において以降ではBと呼ばれる)、ノルロイシンオルニチン(本明細書において以降ではOと呼ばれる)、ピリイルアラニン、チエニルアラニン、ナフチルアラニンおよびフェニルグリシンへの置換を含む。
置き換えはまた、天然ではないアミノ酸によって行われてもよい。
改変体アミノ酸配列は、グリシンまたはβアラニン残基のようなアミノ酸スペーサーに加えて、メチル、エチルまたはプロピル基のようなアルキル基を含む配列の任意の2つのアミノ酸残基の間に挿入され得る適切なスペーサー基を含んでもよい。変動のさらなる形態は、1つ以上のアミノ酸残基のペプトイド型での存在に関与し、当業者によって十分に理解される。疑いを避けるために、「ペプトイド型(peptoid form)」とは、改変体アミノ酸残基をいうために用いられるものであり、このα炭素置換基は、α炭素ではなく残基の窒素原子上にある。ペプトイド型でペプチドを調製するためのプロセスは、当該分野で公知である。例えば、Simon RJら、PNAS(1992)89(20)、9367〜9371およびHorwell DC、Trends Biotechnol.(1995)13(4),132〜134。
本発明における使用のためのヌクレオチド配列は、それらの中に合成または改変されたヌクレオチドを含んでもよい。オリゴヌクレオチドに対する多数の異なるタイプの改変が当該分野で公知である。これらとしては、メチルホスホン酸塩およびホスホロチオエート骨格および/またはその分子の3’および/または5’末端の位置でのアクリジンまたはポリリジン鎖の付加が挙げられる。本発明の目的については、本明細書に記載されるヌクレオチド配列は、当該分野で利用可能な任意の方法によって改変されてもよいことが理解されるべきである。このような改変は、本発明のヌクレオチド配列のインビボの活性または寿命を増強するために、行われ得る。
本発明はまた、本明細書に示される配列に相補的であるヌクレオチド配列、またはその任意の誘導体、フラグメントもしくは誘導体の使用を包含する。この配列が、そのフラグメントに相補的であるならば、その配列は、他の生物体などにおいて類似のコード配列を同定するためのプローブとして用いられ得る。
本発明の配列に対して100%相同ではないが本発明の範囲内におさまるポリヌクレオチドは、多数の方法で得ることができる。本明細書に記載される配列の他の改変体は、例えば、ある範囲の個体、例えば、種々の集団由来の個体から作製されたDNAライブラリーをプローブすることによって得ることができる。さらに、他のホモログ(相同体)を得ることが可能であり、そしてこのようなそのホモログおよびそのフラグメントは、一般に、本明細書に列挙される配列に示される配列に対して選択的にハイブリダイズし得る。このような配列は、他の種から作製されたcDNAライブラリーまたは他の種由来のゲノムDNAライブラリーをプローブすること、そしてこのようなライブラリーを、中度〜高いストリンジェンシーの条件下で添付の配列表における任意の1つの配列の全てまたは一部を含むプローブを用いてプローブすることによって、得ることができる。同様の考慮が、得られた種ホモログおよび本発明のポリペプチドまたはヌクレオチド配列の対立遺伝子改変体にあてはまる。
改変体および株/種ホモログ(相同体)はまた縮重(degenerate)PCRを用いて得られてもよく、このPCRは、本発明の配列内の保存されたアミノ酸配列をコードする改変体およびホモログ内の配列を標的するように設計されたプライマーを用いる。保存された配列は、例えば、いくつかの改変体/ホモログ由来のアミノ酸配列を整列させることによって、予測され得る。配列アラインメントは、当該分野で公知のコンピューターソフトウェアを用いて行われてもよい。例えば、GCG Wisconsin PileUpプログラムが広範に用いられる。
縮重(degennerate)PCRにおいて用いられるプライマーは、1つ以上の縮重位置を含み、そして公知の配列に対して単一の配列プライマーを用いて配列をクローニングするために用いられる条件よりも低いストリンジェンシー条件で用いられる。
あるいは、このようなポリヌクレオチドは、特徴付けられた配列の部位特異的な突然変異誘発によって得ることができる。このことは、例えば、このポリヌクレオチド配列が発現される特定の宿主細胞についてコドン優先度を最適化するためにサイレントなコドン配列変化が必要である場合に有用であり得る。制限酵素認識部位を導入するためには、または、このポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの特性もしくは機能を変更するためには、他の配列変化が所望され得る。
本発明のポリヌクレオチド(ヌクレオチド配列)は、プライマー、例えば、PCRプライマー、別の増幅反応のためのプライマー、プローブ、例えば、放射性標識もしくは非放射性標識を用いる従来の手段によって顕在化標識(revealing label)で標識されたプローブを生成するために用いられてもよく、またはこのポリヌクレオチドは、ベクターにクローニングされてもよい。このようなプライマー、プローブおよび他のフラグメントは、少なくとも15、好ましくは少なくとも20、例えば、少なくとも25、30もしくは40ヌクレオチド長であり、そしてまた本明細書において用いられる場合、本発明のポリヌクレオチドという用語によって包含される。
本発明によるポリヌクレオチド、例えば、DNAポリヌクレオチドおよびプローブは、組換え的に、合成的にまたは当業者に利用可能な任意の方法によって生成されてもよい。それらはまた、標準的な技術によってクローニングされてもよい。
一般には、プライマーは、合成方法によって生成される。この手段は、ある時点での1ヌクレオチドでの所望の核酸配列の段階的な製造を包含する。自動的な技術を用いてこれを達成するための技術は、当該分野で容易に利用可能である。
より長いポリヌクレオチドは一般に、組換え方法を用いて、例えば、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)クローニング技術を用いて生成される。このプライマーは、増幅されたDNAが適切なクローニングベクターにクローニングされ得るように、適切な制限酵素認識部位を含むように設計され得る。
(生物学的に活性)
好ましくは、この改変体配列などは、本明細書に提示される配列と少なくとも同じ程度に生物学的に活性である。
本明細書において用いる場合、「生物学的に活性(biologically active)」とは、天然に存在する配列の類似の構造的機能(ただし同じ程度である必要はない)、および/または類似の調節機能(ただし、同じ程度である必要はない)、および/または類似の生物学的機能(ただし、同じ程度である必要はない)を有する配列をいう。
詳細には、改変体配列またはその改変型(修飾型)は、本明細書において同定されたフィターゼのプロフィールに類似の酵素的なプロフィールを有する。このプロフィールとしては、分泌タンパク質であること、pH2〜5.5、好ましくは4.0〜4.5の範囲でpH最適条件を有すること、pH範囲2.0〜5.5にまたがって最大活性の少なくとも50%を保持すること、および/または300U/mgを超える比活性を有することなどの特徴が挙げられる。
(ハイブリダイゼーション)
本発明はまた、本発明の核酸配列に対して相補的である配列、または本発明の配列に対してもしくはそれに対して相補的である配列のいずれかに対してハイブリダイズし得る配列を包含する。
本明細書において用いる場合、「ハイブリダイゼーション(hybridisation)」という用語は、「核酸の鎖が塩基対を通じて、相補的な鎖と結合するプロセス」、およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術において行われるような増幅のプロセスを包含する。
本発明はまた、本明細書に提示される配列に対して相補的である配列に対してハイブリダイズし得るヌクレオチド配列、またはその任意の誘導体、フラグメントもしくは誘導体の使用を包含する。
「改変体(variant)」という用語はまた、本明細書に提示されるヌクレオチド配列に対してハイブリダイズし得る配列に相補的である配列を包含する。
好ましくは、「改変体(variant)」という用語は、本明細書に提示されるヌクレオチド配列に対してストリンジェントな条件(例えば、50℃および0.2×SSC{1×SSC=0.15MのNaCl、0.015Mのクエン酸・Na pH7.0})下でハイブリダイズし得る配列に対して相補的である配列を包含する。
さらに好ましくは、「改変体」という用語は、本明細書に提示されるヌクレオチド配列に対して高ストリンジェントな条件(例えば、65℃および0.1×SSC{1×SSC=0.15M NaCl、0.015M クエン酸・Na pH7.0})下でハイブリダイズし得る配列に対して相補的である配列を包含する。
本発明はまた、本発明のヌクレオチド配列(本明細書に提示されるヌクレオチド配列の相補的な配列を含む)に対してハイブリダイズし得るヌクレオチド配列に関する。
本発明はまた、本発明のヌクレオチド配列(本明細書に提示されるヌクレオチド配列の相補的な配列を含む)に対してハイブリダイズし得る配列に対して相補的であるヌクレオチド配列に関する
また、中度から最大のストリンジェンシーの条件下で、本明細書に提示されるヌクレオチド配列に対してハイブリダイズし得るポリヌクレオチド配列も本発明の範囲内に含まれる。
好ましい局面では、本発明は、ストリンジェントな条件(例えば、50℃および0.2×SSC)下で、本発明のヌクレオチド配列、またはその相補体に対してハイブリダイズし得るヌクレオチド配列を包含する。
さらに好ましい局面では、本発明は、高ストリンジェントな条件(例えば、65℃および0.1×SSC)下で、本発明のヌクレオチド配列、またはその相補体に対してハイブリダイズし得るヌクレオチド配列を包含する。
(部位特異的な突然変異誘発)
一旦、酵素コードヌクレオチド配列が単離および/もしくは精製されるか、または推定の酵素コードヌクレオチド配列が同定されれば、本発明の酵素を調製するためにこの配列を変異させることが所望されるかもしれない。
変異は、合成のオリゴヌクレオチドを用いて導入されてもよい。これらのオリゴヌクレオチドは、所望の変異部位に隣接するヌクレオチド配列を含む。
適切な方法は、Morinagara(Biotechnology(1984)2,p646〜649)に開示される。酵素コードヌクレオチド配列へ変異を導入する別の方法は、NelsonおよびLong(Analytical Biochemistry(1989),180、p147〜151)に記載される。さらなる方法は、SarkarおよびSommer(Biotechniques(1990),8、p404〜407−「The megaprimer method of site directed mutagenesis」)に記載される。
(組換え体)
一局面では、本発明における使用のための配列は、組換え配列(すなわち、組換えDNA技術を用いて調製されている配列)である。
これらの組換えDNA技術は、当業者の能力の範囲内である。このような技術は、文献、例えば、J.Sambrook、E.F.Fritsch、およびT.Maniatis,1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版、Books1〜3、Cold Spring Harbor Laboratory Pressに説明される。
(合成)
一局面では、本発明における使用のための配列は、合成配列−すなわち、インビトロの化学的または酵素的な合成によって調製されている配列−である。これには、限定はしないが、宿主生物体−例えば、メチロトローフ酵母PichiaおよびHansenulaについて最適コドン用法で作製された配列が挙げられる。
(酵素の発現)
本発明における使用のためのヌクレオチド配列は、組換え複製可能ベクターに組み込まれてもよい。ベクターは、ヌクレオチド配列を酵素の形態で、適合性の宿主細胞においておよび/またはその宿主細胞から、複製および発現するために用いられ得る。
発現は、制御配列、例えば、調節性配列を用いて制御され得る。
ヌクレオチド配列の発現により宿主組換え細胞によって生成される酵素は、分泌されてもよいし、または用いられる配列および/もしくはベクターに依存して細胞内に含まれてもよい。コード配列は、特定の原核生物または真核生物の細胞膜を通じて物質コード配列の直接分泌を増強するシグナル配列で設計され得る。
有利には、本発明の酵素は分泌される。
(発現ベクター)
「プラスミド(plasmid)」、「ベクター系(vector system)」または「発現ベクター(expression vector)」という用語は、インビボまたはインビトロで発現し得る構築物を意味する。本発明の状況では、これらの構築物は、宿主細胞へ酵素をコードする遺伝子を導入するために用いられ得る。適切には、発現が誘導される遺伝子は、「発現可能導入遺伝子(expressible transgenes)」と呼ばれてもよい。
好ましくは、この発現ベクターは、適切な宿主生物体のゲノムに導入される。「組み込まれた(incorporated)」という用語は好ましくは、ゲノムへの適切な組み込みを包含する。
本発明のヌクレオチド配列を含む、本明細書に記載されるヌクレオチド配列は、ベクターに存在してもよく、このベクターでは、このヌクレオチド配列は、適切な宿主生物体によってヌクレオチド配列の発現を提供し得る制御配列(調節性配列)に対して作動可能に連結される。
本発明における使用のためのベクターは、本発明のポリペプチドの発現を提供するために、下に記載されるような適切な宿主細胞中に形質転換されてもよい。
ベクター、例えば、プラスミド、コスミドまたはファージベクターの選択はしばしば、導入されるべき宿主細胞に依存する。
本発明における使用のためのベクターは、1つ以上の選択可能なマーカー遺伝子−例えば、抗生物質耐性、例えば、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールまたはテトラマイシン耐性を付与する遺伝子を含んでもよい。あるいは、選択は、同時形質転換によって達成されてもよい(WO91/17243に記載されるとおり)。
ベクターは、インビトロで、例えば、RNAの産生のために用いられてもよく、または宿主細胞をトランスフェクト、形質転換、形質導入または感染させるために用いられてもよい。
従って、さらなる実施形態では、本発明は、本発明のヌクレオチド配列を複製ベクターへ導入すること、このベクターを適切な宿主細胞へ導入すること、およびベクターの複製をもたらす条件下でこの宿主細胞を増殖させることによって、本発明のヌクレオチド配列を作製する方法を提供する。
ベクターはさらに、該当の宿主細胞中でベクターを複製させ得るヌクレオチド配列を含んでもよい。このような配列の例は、プラスミドであるpUC19、pACYC177、pUB110、pE194、pAMB1、pJI101、pTZ12およびpET11の複製起点である。
(制御配列(調節性配列))
いくつかの適用では、本発明における使用のためのヌクレオチド配列は、選り抜きの宿主細胞などによる、ヌクレオチド配列の発現を提供し得る、制御配列(調節性配列)(regulatory sequence)に対して作動可能に連結される。一例として、本発明は、このような制御配列(調節性配列)に対して作動可能に連結された本発明のヌクレオチド配列を含むベクター、すなわち、発現ベクターであるベクターを包含する。
「作動可能に連結された(operably linked)」という用語は、近接であって、記載された成分がその意図される方式で機能することを可能にさせる関係にある近接を意味する。コード配列に対して「作動可能に連結された」制御配列(調節性配列)とは、このコード配列の発現が制御配列と適合する条件下で達成されるような方式で連結される。
「制御配列、調節性配列(regulatory sequences)」という用語は、プロモーター、およびエンハンサー、および他の発現調節シグナルを包含する。
「プロモーター(promotor)」という用語は、当該分野の正常な意味で用いられる。例えば、RNAポリメラーゼ結合部位である。
本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列の増強された発現はまた、異種の調節性領域、例えば、プロモーター、分泌リーダーおよびターミネーター領域の選択によって達成され得る。
好ましくは、本発明によるヌクレオチド配列は、少なくともあるプロモーターに対して作動可能に連結される。
細菌、真菌または酵母宿主におけるヌクレオチド配列の転写を指向するために適切なプロモーターの例は、当該分野で周知である。
(構築物)
「構築物(construct)」という用語は、「結合体(conjugate)」、「カセット(cassette)」および「ハイブリッド(hybrid)」などの用語と同義であって、プロモーターに対して直接または間接的に結合された本発明による使用のためのヌクレオチド配列を包含する。
間接的な結合の例は、本発明のプロモーターおよびヌクレオチド配列を仲介する、適切なスペーサー基、例えば、イントロン配列、例えば、Sh1−イントロンまたはADHイントロンの供給である。同じことは、直接または間接的な結合を含む、本発明に関する「融合された(fused)」という用語にあてはまる。ある場合には、この用語は、野性型遺伝子プロモーターと通常会合している、タンパク質をコードするヌクレオチド配列の天然の組み合わせを、それらが両方ともその天然の環境にある場合、包含しない。
この構築物は、その遺伝子構築物の選択を可能にするマーカーを含んでもよいし、発現してもよい。
いくつかの適用については、好ましくは本発明の構築物は、プロモーターに作動可能に連結された本発明の少なくともヌクレオチド配列を含む。
(宿主細胞)
「宿主細胞(host cell)」という用語は、本発明に関しては、上記のようなヌクレオチド配列または発現ベクターのいずれかを含む任意の細胞であって、本明細書に規定されるような特定の特性を有する酵素の組換え産生において、または本発明の方法において用いられる任意の細胞を包含する。
従って、本発明のさらなる実施形態は、本発明に記載される酵素を発現するヌクレオチド配列で形質転換されるかまたはトランスフェクトされた宿主細胞を提供する。この細胞は、このベクターと適合するように選択され、そして例えば、原核生物(例えば、細菌)、真菌、酵母または植物細胞であってもよい。好ましくは、宿主細胞はヒト細胞ではない。
適切な細菌宿主生物体の例は、グラム陽性またはグラム陰性の細菌種である。
好ましい実施形態では、宿主細胞はEscherichia coliである。なぜなら、Buttiauxella P1−29フィターゼはE.coliで効率的に分泌されることが観察されているからである。改変体を含むフィターゼ酵素は、以下の発現宿主のうちの1つ以上における異種発現後に特徴付けられた:Escherichia coli K12;Bacillus subtilis;Saccharomyces cerevisiae。従って、これらの宿主も好ましい。
本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列の性質および/または発現されたタンパク質のさらなる処理についての望ましさに依存して、真核生物宿主、例えば、酵母または他の真菌が好ましいかもしれない。一般には、酵母細胞は、真菌細胞よりも好ましい。なぜなら、酵母細胞は、操作することがより容易であるからである。しかし、いくつかのタンパク質は、酵母細胞からはあまり分泌されないか、またはある場合には、適切にはプロセシングされない(例えば、酵母では高グリコシル化)。これらの場合には、異なる真菌宿主生物体が選択されなければならない。
適切な宿主細胞(例えば、酵母、真菌および植物宿主細胞)の使用によって、翻訳後改変(例えば、ミリストイル化、グリコシル化、切断、ラピデーション(lapidation)およびチロシン、セリンまたはトレオニンリン酸化)を、本発明の組換え発現産物に対して最適の生物学的活性を付与するために必要であり得る場合、提供してもよい。
宿主細胞は、プロテアーゼ欠損であっても、またはプロテアーゼマイナス株であってもよい。
宿主細胞の遺伝子型は、発現を改善するために改変され得る。
宿主細胞改変の例としては、プロテアーゼ欠損、まれなtRNAの補充、およびジスルフィド結合形成を増強するための細胞質における還元電位の改変が挙げられる。
例えば、宿主細胞E.coliは、まれなtRNAを過剰発現して、Kaneに例示/記載されたように(Curr Opin Biotechnol(1995),6,494〜500「Effects of rare codon clusters on high−level expression of heterologous proteins in E.coli」)、異種タンパク質の発現を改善し得る。宿主細胞は、多数の還元酵素が欠失されてもよく、これによって、Bessetteに例示/記載されたように(Proc Natl Acad Sci USA(1999),96,13703〜13708「Efficient folding of proteins
with multiple disulphide bonds in the Escherichia coli cytoplasm」)適切なジスルフィド結合の形成を支持する。
一実施形態では、本発明の状況における宿主細胞としては、動物飼料に直接添加され得る細胞が挙げられる。
(生物体)
「生物体(organism)」という用語は、本発明に関しては、本発明に記載されるような酵素をコードするヌクレオチド配列および/またはそれから得られる産物、および/または本発明によるヌクレオチド配列の発現をこの生物体に存在する場合に可能にし得るプロモーターを含む、任意の生物体を包含する。
適切な生物体としては、原核生物、真菌、酵母または植物を挙げることができる。
「トランスジェニック生物体(transgenic organism)」という用語は、本発明に関しては、本発明に記載されるような酵素をコードするヌクレオチド配列および/またはそれから得られる産物、および/または本発明によるヌクレオチド配列の発現をこの生物体内で可能にし得るプロモーターを含む任意の生物体を包含する。好ましくは、このヌクレオチド配列は、この生物体のゲノムに組み込まれる。
「トランスジェニック生物体」という用語は、それらの天然の環境において天然のヌクレオチドコード配列を、これもその天然の環境にあるそれらの天然のプロモーターの制御下である場合は、包含しない。
従って、本発明のトランスジェニック生物体は、本発明に記載される酵素をコードするヌクレオチド配列、本発明による構築物、本発明によるベクター、本発明によるプラスミド、本発明による細胞、本発明による組織、またはそれらの生成物のうちのいずれか1つ、またはそれらの組み合わせを含む生物体を包含する。
例えば、トランスジェニック生物体はまた、異種プロモーターの制御下で本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。
(宿主細胞/生物体の形質転換)
以前に示されるとおり、宿主生物体は、原核生物または真核生物生物体であってもよい。適切な原核生物宿主の例としては、E.coliおよびBacillus subtilisが挙げられる。
原核生物宿主の形質転換に対する教示は、当該分野でよく実証されている、例えば、Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、1989,Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照のこと)。他の適切な方法は、本明細書における実施例に示される。原核生物宿主を用いるならば、ヌクレオチド配列は、イントロンの除去などによって、形質転換の前に適切に改変される必要があるかもしれない。
糸状の真菌細胞は、当該分野で公知の種々の方法、例えば、プロロプラスト形成およびプロトプラストの形質転換に続く、公知の方式における細胞壁の再生を含むプロセスを用いて形質転換され得る。宿主微生物としてのAspergillusの使用は、欧州特許0238023に記載される。
別の宿主生物体は植物であり得る。植物を形質転換するために用いられる一般的技術の概説は、Potrykus(Annu Rev Plant Physiol Plant Mol Biol[1991]42:205〜225)およびChristou(Agron−Food−Industry Hi−Tech March/April 1994 17〜27)による文献に見出され得る。植物の形質転換に対するさらなる技術は、欧州特許出願公開EP−A−0449375に見出され得る。
真菌、酵母および植物の形質転換に対する一般的な技術は、以下の節に示される。
(形質転換された真菌)
宿主生物体は、真菌、例えば、糸状の真菌であってもよい。適切なこのような宿主の例としては、Thermomyces、アクレモニウム属(Acremonium)、コウジカビ属(Aspergillus)、アオカビ属(Penicillium)、ケカビ属(Mucor)、パンカビ属(Neurospora)、トリコデルマ属(Trichoderma)などの属に属する任意のメンバーが挙げられる。
糸状の真菌の形質転換に対する教示は、米国特許第5741665号に概説されており、これは、糸状真菌の形質転換および真菌の培養についての標準的な技術が当該分野で周知であるということを述べている。N.Crassaに適用されるような技術の広範な概説は、例えば、Davisおよびde Serres,Methods Enzymol(1971)17A:79〜143に見出される。
糸状の真菌を形質転換するさらなる教示は、米国特許第5674707号に概説される。
一局面では、宿主生物体は、Aspergillus属、例えば、Aspergillus nigerであってもよい。
本発明によるトランスジェニックのAspergillusはまた、例えば、Turner G.1994(Vectors for genetic manipulation.In:Martinelli S.D.,Kinghorn J.R.(編者)Aspergillus:50 years on.Progress in industrial microbiology vol 29.Elsevier Amsterdam 1994.pp.641〜666)の教示に従って調製されてもよい。
糸状真菌における遺伝子発現は、Puntら(2002)Trends Biotechnol 2002 May;20(5):200〜6,Archer & Peberdy Crit Rev Biotechnol(1997)17(4):273〜306に概説されている。
(形質転換された酵母)
別の実施形態では、トランスジェニックの生物体は酵母であってもよい。
酵母における異種遺伝子発現の原理の概説は、例えば、Methods Mol Biol(1995),49:341〜54、およびCurr Opin Biotechnol(1997)Oct;8(5)554〜60に提供される。
これに関して、酵母、例えば、種Saccharomyces cerevisiまたはPichia pastoris(FEMS Microbiol Rev(2000
24(1):45〜66を参照のこと)が、異種遺伝子発現のビヒクルとして用いられ得る。
Saccharomyces cerevisiaeにおける異種遺伝子発現および遺伝子産物の分泌の原理の概説は、E Hinchcliffe E Kenny(1993,「Yeast as a vehicle for the expression
of heterologous genes」、Yeasts,第5巻、Anthony H RoseおよびJ Stuart Harrison編、第2版、Academic Press Ltd.)によって与えられる。
酵母の形質転換については、いくつかの形質転換のプロトコールが開発されている。例えば、本発明によるトランスジェニックSaccharomycesは、Hinnenらの教示(1978,Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA 75,1929);Beggs,J D(1978,Nature,London,275,104);およびIto,Hら(1983,J Bacteriology 153,163〜168)に従って調製されてもよい。
この形質転換された酵母細胞は、種々の選択性マーカー、例えば、栄養要求性のマーカー優性な抗生物質耐性マーカーを用いて選択されてもよい。
(形質転換された植物/植物細胞)
本発明に適切な宿主生物体は植物であってもよい。一般的な技術の概説は、Potrykus(Annu Rev Plant Physiol Plant Mol Biol[1991]42:205〜225)およびChristou(Agro−Food−Industry Hi−Tech March/April 1994 17〜27)による文献に見出され得る。
(培養および生成)
本発明のヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、コードされた酵素の産生をもたらし、そして細胞および/または培養培地からの酵素の回収を容易にする条件下で培養され得る。
細胞を培養するために用いられる培地は、該当の宿主細胞を増殖すること、およびこの酵素の発現を得ることのために適切な任意の従来の培地であってもよい。
組換え細胞によって生成されるタンパク質は、細胞の表面上に提示され得る。
この酵素は、宿主細胞から分泌されてもよく、そして周知の手順を用いて培養培地から都合よく回収されてもよい。
(分泌)
発現宿主から培養培地へ酵素が分泌されて、それから酵素がより容易に回収され得ることが所望され得る。本発明によれば、分泌リーダー配列は、所望の発現宿主に基づいて選択され得る。ハイブリッドシグナル配列も、本発明の状況で用いられてもよい。
異種分泌リーダー配列の代表的な例は、真菌のアミログルコシダーゼ(AG)遺伝子(glaA−両方とも、例えば、Aspergillus由来の18および24アミノ酸のバージョン)、α因子遺伝子(酵母、例えば、Saccharomyces,KluyveromycesおよびHansenula)またはαアミラーゼ遺伝子(Bacillus)に由来する配列である。
例えば、E.coliにおける異種タンパク質の分泌は、Methods Enzymol(1990)182:132〜43に概説される。
(検出)
アミノ酸配列の発現を検出および測定するための種々のプロトコールは当該分野で公知である。例としては、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)および蛍光活性化細胞分取(FACS)が挙げられる。
広範な種々の標識および結合技術が、当業者に公知であり、そして種々の核酸およびアミノ酸アッセイにおいて用いられ得る。
Pharmacia Biotech(Piscataway,NJ)、Promega(Madison、WI)およびUS Biochemical Corp(Cleveland,OH)のような多数の会社が、これらの手順のための市販のキットおよびプロトコールを供給している。
適切なレポーター分子または標識としては、それらの放射性核種、酵素、蛍光剤、化学発光剤、または色素生産剤、ならびに基質、補因子、インヒビター、磁性粒子などが挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号;米国特許第3,850,752号;米国特許第3,9939,350号;米国特許第3,996,345号;米国特許第4,277,437号;米国特許第4,275,149号および米国特許第4,366,241号が挙げられる。
また、組換え免疫グロブリンは、米国特許第4,816,567号に示されるように生成されてもよい。
フィターゼ活性を検出するための他の適切なアッセイは、当該分野で公知であり、かつ本明細書に例示される。
(融合タンパク質)
本発明に従う使用のためのアミノ酸配列は、例えば、抽出および精製を補助するための融合タンパク質として生成されてもよい。融合タンパク質のパートナーの例としては、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、6×His、GAL4(DNA結合および/または転写活性化ドメイン)および(β−ガラクトシダーゼ)が挙げられる。融合タンパク質のパートナーと目的のタンパク質の配列との間にタンパク質分解性の切断部位を含んで、融合タンパク質配列の除去を可能にすることも好都合であり得る。
好ましくは、融合タンパク質は、タンパク質配列の活性を邪魔しない。
E.coliにおける遺伝子融合発現系は、Curr Opin Biotechnol(1995)6(5):501〜6に概説されている。
本発明の別の実施形態では、アミノ酸配列は、融合タンパク質をコードする異種配列に連結され得る。例えば、物質の活性に影響し得る因子のペプチドライブラリーをスクリーニングするためには、市販の抗体によって認識される異種エピトープを発現するキメラ物質をコードすることが有用であり得る。
(さらなる配列)
本発明による使用のための配列はまた、1つ以上のさらなる目的のタンパク質(proteins of interest)(POI)または目的のヌクレオチド配列(nucleotide sequences of interest)(NOI)と組み合わせて用いられ得る。
POIの非限定的な例としては以下が挙げられる:キシラナーゼ(Xylanase)、リパーゼ、酸性ホスファターゼおよび/またはその他。これらとしては、例えば、飼料の粘度を調節する酵素が挙げられる。NOIは、任意のこれらの配列についてのアンチセンス配列であってさえよい。
POIは、例えば、抽出および精製を補助するか、またはインビボのフィチン酸塩代謝を増強する、融合タンパク質であってさえもよい。
POIは、分泌配列に融合されてさえよい。
他の配列はまた、分泌を容易にするか、または分泌されたPOIの収率を増大させ得る。このような配列は、例えば、英国特許出願9821198.0に記載のAspergillus niger cyp B遺伝子の生成のようにシャペロンタンパク質をコードしてもよい。
POIをコードするNOIは、限定はしないが、その発現産物のプロセシングおよび/または発現を改変する変更を含む、多数の理由のためにその活性を変更するように操作されてもよい。さらなる例としては、NOIはまた、特定の宿主細胞において発現を最適化するように改変されてもよい。制限酵素認識部位を導入するために他の配列変化が所望され得る。
POIをコードするNOIはその中に、メチルホスホン酸塩およびホスホロチオエート骨格のような合成または改変されたヌクレオチドを含んでもよい。
POIをコードするNOIは、細胞内の安定性および半減期を増大するように改変されてもよい。可能性のある改変としては、限定はしないが、その分子の5’および/もしくは3’末端の隣接配列の付加、またはこの分子の骨格内のホスホジエステラーゼ結合以外のホスホロチオエートもしくは2’O−メチルの使用が挙げられる。
(抗体)
本発明の一局面は、配列番号3のアミノ酸と免疫学的に反応性であるアミノ酸に関する。
抗体は、標準的な技術によって、例えば、本発明の物質での免疫によって、またはファージディスプレイライブラリーを用いることによって、生成され得る。
本発明の目的に関しては、「抗体(antibody)」という用語は、反対に特定しない限り、限定はしないが、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、Fab発現ライブラリーによって生成したフラグメント、ならびにその模倣物を包含する。このようなフラグメントとしては、標的物質についてのその結合活性を保持する抗体全体のフラグメント、Fv、F(ab’)およびF(ab’)フラグメント、ならびに単鎖抗体(scFv)、融合タンパク質および他の合成タンパク質であって、抗体の抗原結合部位を含むタンパク質が挙げられる。さらに、抗体およびそのフラグメントは、ヒト化抗体であってもよい。中和抗体、すなわち、物質としてのポリペプチドの生物学的活性を阻害する抗体が、特に診断および治療のために好ましい。
ポリクローナル抗体が所望される場合、選択された哺乳動物(例えば、マウス、ウサギ、ヤギ、ウマなど)は、本発明の配列(またはその免疫学的なエピトープを含む配列)で免疫される。宿主の種に依存して、種々のアジュバントを用いて免疫学的応答を増大してもよい。
免疫された動物由来の血清を収集して、公知の手順に従って処理する。本発明の配列(またはその免疫学的エピトープを含む配列)に対するポリクローナル抗体を含む血清が他の抗原に対する抗体を含む場合、このポリクローナル抗体は、イムノアフィニティークロマトグラフィーによって精製され得る。ポリクローナル抗血清を産生および処理するための技術は当該分野で公知である。このような抗体が作製され得るためには、本発明はまた、動物またはヒトにおける免疫原としての使用のために、本発明のポリペプチドまたは別のポリペプチドに対してハプテン化されたそのフラグメントを提供する。
本発明の配列に関するモノクローナル抗体(またはその免疫学的なエピトープを含む配列)はまた、当業者によって容易に生成され得、これには限定はしないが、ハイブリドーマ技術(KoehlerおよびMilstein 1975 Nature 256:495〜497)、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kosborら(1983)Immunol Today 4:72;Coteら(1983)Proc Natl Acad
Sci 80:2026〜2030)およびEBV−ハイブリドーマ技術(Coleら(1985)Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan Rickman Liss Inc,pp77〜96)が挙げられる。
さらに、ヒト抗体遺伝子に対するマウス抗体遺伝子のスプライシングによって、適切な抗原特異性および生物学的活性を有する分子を得るという、「キメラ抗体(chimeric antibodies)」の産生のために開発された技術が用いられてもよい(Morrisonら、(1984)Proc Natl Acad Sci 81:6851〜6855;Neubergerら(1984)Nature 312:604〜608;Takedaら(1985)Nature 314:452〜454)。
あるいは、単鎖抗体の生成について記載された技術(米国特許第4,946,779号)が、物質特異的な単鎖抗体を生成するために適合されてもよい。
この物質に特定の結合部位を含む抗体フラグメントも生成され得る。例えば、このようなフラグメントとしては、限定はしないが、抗体分子のペプシン消化によって生成され得るF(ab’)フラグメント、およびF(ab’)フラグメントのジスルフィド架橋を還元させることによって生成され得るFabフラグメントが挙げられる。あるいは、Fab発現ライブラリーは、所望の特性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ容易な同定を可能にするように構築されてもよい(Huse WDら(1989)Science 256:1275〜1281)。
(大規模適用)
本発明の1つの好ましい実施形態では、C.freundii由来のフィターゼをコードするアミノ酸配列または本発明の方法を大規模な適用のために用いる。詳細には、本発明の方法は、食料または飼料の組成物への添加物/補充物としての産業上の用途のためのフィターゼの大規模生成に用いられ得る。
好ましくは、このアミノ酸配列は、宿主生物体の培養後、総細胞培養容積1リットルあたり5g〜約10gの量で生成される。
好ましくは、このアミノ酸配列は、宿主生物体の培養後、総細胞培養容積1リットルあたり100mg〜約90mgの量で生成される。
好ましくは、このアミノ酸配列は、宿主生物体の培養後、総細胞培養容積1リットルあたり250mg〜約500mgの量で生成される。
(フィターゼの使用)
上記で述べるとおり、本発明はまた、本明細書に記載のようなフィターゼの生成に関する。
詳細には、本発明はまた、有機および無機のリン酸化合物の生成において本明細書に開示されるようなアミノ酸配列の使用に関する。
従って、本発明はさらに、フィターゼの発現のための発現ベクターまたは発現系を生成するのにおける、フィターゼをコードするヌクレオチド配列の使用に関する。
さらに、本発明はフィターゼを発現する宿主細胞の生成におけるこのような発現ベクターまたは発現系の使用に関する。
本発明はさらに、有機および無機のリン酸化合物の前駆体の生成における、または特定の有機リン酸塩化合物の生成における、改変宿主細胞の使用に関する。
適切な有機および無機のリン酸塩化合物としては、ミオ−イノシトール五リン酸塩、四リン酸塩、三リン酸塩、二リン酸塩および一リン酸塩が挙げられる。
従って、適切には、本発明は、有機リン酸化合物を生成する方法を提供し、この方法は、Buttiauxella sp.由来のフィターゼを用いてフィチン酸塩を処理する工程を包含する。好ましくは、この方法は、酵素が配列番号3に示されるアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも75%の同一性(相同性)を有する配列またはその有効なフラグメント、または改変型を含むという点で特徴付けられる。適切には、有機リン酸塩は、myo−イノシトール二リン酸、三リン酸、四リン酸および五リン酸のフィチン酸塩または全ての可能な立体異性体である。他の適切な有機リン酸塩としては、イノシトール−四リン酸塩およびイノシトールオリゴリン酸塩が挙げられる。好ましい実施形態では、この方法はインビボのバイオテクノロジープロセスである。
有機リン酸化合物を生成するためのこのような方法は適切には以下の工程を包含し得る:
a)Buttiauxellaフィターゼを含む発現可能な導入遺伝子を含む宿主細胞を提供する工程と;
b)導入遺伝子の発現のために適切な条件下でトランスジェニック生物体を培養する工程と;
c)培養物から有機リン酸化合物を回収する工程と;
この化合物は、フィターゼの特徴付けのためのアッセイを含む多数の適用のために用いられ得る。いくつかのイノシトールリン酸塩は、細胞内の調節におけるシグナル分子として含まれており、研究の化合物として用いられ得る。
別の局面では、食品または動物の飼料の産生のための方法が提供される。動物飼料は代表的には、飼料粉砕機において生成され、ここでは原料が最初に適切な粒子サイズに挽かれ、ついで適切な添加物と混合される。次いでこの飼料は、マッシュまたはペレットとして生成されてもよい;後者は代表的には、温度が標的レベルまで上昇され、次いで飼料が金型を通過されて特定のサイズのペレットが生じる方法を包含する。引き続き、液体添加物、例えば、脂肪および酵素を添加してもよい。このペレットは輸送の前に冷却される。動物飼料の生成はまた、ペレット化の前に押し出し成形または膨張を含むさらなる工程を包含してもよい。
従って、本発明はさらに、食物または飼料生成物の製造における使用のためのフィターゼを生成するための、フィターゼをコードするアミノ酸配列またはフィターゼを発現する宿主細胞の使用を提供する。一局面では、食物または飼料生成物の製造における本明細書に記載のようなアミノ酸配列の使用が提供される。別の局面では、食物または飼料生成物の製造における本発明に従う、宿主細胞の使用が提供される。別の局面では、食物または飼料生成物の製造における本発明に従う発現ベクターまたは発現システムの使用が提供される。
本発明はまた、動物に対して送達するための他の成分と組み合わせた飼料の成分として酵素を用いる工程を包含する。
(他の成分との組み合わせ)
本発明の酵素は、他の成分またはキャリアと組み合わせて用いられてもよい。
飼料酵素のために適切なキャリアとしては、コムギ(荒挽き)が挙げられる。さらに、植物ゴムなどを添加している、脂肪/ワックス被膜に基づくカプセル化技術を含む、多数のカプセル化技術がある。
他の成分の例としては、以下の1つ以上が挙げられる:増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、結合剤、結晶調整剤(crystal modifiers)、甘味料(人工甘味料を含む)、流動性調整剤(rheology modifiers)、安定剤、抗酸化剤、色素、酵素、キャリア、ビヒクル、賦形剤、希釈剤、潤滑剤、香味料、着色物、懸濁剤、崩壊剤、顆粒結合剤など。これらの他の成分は天然であってもよい。これらの他の成分は、化学的および/または酵素的な技術の使用によって調製され得る。
本明細書において用いる場合、「増粘剤またはゲル化剤(thickner or gelling agent)」という用語は本明細書において、粒子、不混和性の液体の液滴、空気または不溶性の固体の移動を遅らせるかまたは防止することによって分離を妨げる生成物をいう。
本明細書において用いる場合、「安定剤(stabiliser)」とは、経時的な変化から生成物(例えば、食品)を保持する成分または成分の組み合わせとして規定される。
本明細書において用いる場合、「乳化剤(emulsifier)」という用語は、エマルジョンの分離を妨げる成分(例えば、食物成分)をいう。
本明細書において用いる場合、「結合剤(binder)」という用語は、物理的または化学的な反応を通じて生成物を一緒に結合させる成分(例えば、食品成分)をいう。
本明細書において用いる場合、「結晶調節剤(crystal modifier)」という用語は、脂肪または水の結晶化に影響する成分(例えば、食品成分)をいう。
「キャリア(carriers)」または「ビヒクル(vehicles)」とは、化合物投与のために適切な物質を意味し、そして、非毒性であり、かつ有害な様式でその組成物の任意の成分と相互作用しない、当該分野で公知の任意のこのような物質、例えば、任意の液体、ゲル、溶媒、液体希釈剤、可溶化剤などが挙げられる。
栄養的に受容可能なキャリアの例としては、例えば、穀物、水、塩溶液、アルコール、シリコーン、ワックス、ワセリン、植物油などが挙げられる。
賦形剤の例としては、以下の1つ以上が挙げられる:微結晶性セルロースおよび他のセルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、グリシン、デンプン、乳糖および高分子量ポリエチレングリコール。
崩壊剤の例としては、以下の1つ以上が挙げられる:デンプン(好ましくは、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、またはタピオカデンプン)、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウムおよび特定の複雑なケイ酸塩。
顆粒結合剤の例としては、以下の1つ以上が挙げられる:ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、マルトース、ゼラチンおよびアカシア。
潤滑剤の例としては以下の1つ以上が挙げられる:ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリル・ベヘネート(glyceryl behenate)および滑石。
希釈剤の例としては、以下の1つ以上が挙げられる:水、エタノール、プロピレングリコールおよびグリセリン、およびそれらの組み合わせ。
他の成分は、同時に用いられても(例えば、それらが一緒に混合される場合、またはそれらが異なる経路によって送達される場合でさえ)、または連続して用いられてもよい(例えば、それらは、種々の経路によって送達され得る)。
本明細書において用いる場合、「動物またはヒトの消費に適切な成分」という用語は、栄養面での恩恵であり得る、補充物としての本発明の組成物であるか、またはそれに添加され得る化合物、線維代用物、または消費者に一般に有益な効果を有する化合物を意味する。
一例として、この成分は、プレバイオティクス(prebiotics)、例えば、アルギン酸塩、キサンタン、ペクチン、ローカストビーンガム(LBG)、イヌリン、グアーガム、ガラクトオリゴ糖(GOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ラクトスクロース、ダイズオリゴ糖、パラチノーゼ、イソマルト−オリゴ糖、グルコ−オリゴ糖およびキシロ−オリゴ糖であってもよい。
(食物または飼料物質)
この化合物は、食品または飼料物質として、またはその調製において用いられ得る。ここで、「食物(food)」という用語は、広義に用いられ、そしてヒトのための食物および食品を、そして動物用の食品(すなわち、飼料)を包含する。「飼料(feed)」という用語を用いて、家畜の飼育において動物に給餌される生成物をいう。好ましい局面ではこの食物または飼料は、ブタ、家禽および魚類のような単胃動物による消費のためである。
この食物または飼料は、適用の用途および/もしくは方式、ならびに/または投与の様式に依存して、溶液の形態で用いられても、または固体として用いられてもよい。
(食物および飼料成分および補充物)
この化合物は、食物または飼料成分として用いられ得る。
本明細書において用いる場合、「食物または飼料成分(food or feed ingredient)」という用語は、処方物を含み、これは、食物または食料品であってもそれに添加されてもよく、そして広範な種々の生成物に低レベルで用いられ得る処方物を含む。
食品成分は、適用の用途および/または様式、ならびに投与の方式次第で、溶液の形態であってもまたは固体であってもよい。
この化合物は、食物補充物であっても、または食物補充物に添加されてもよい。
(食物および飼料組成物)
単胃動物のための飼料組成物は代表的には、フィチン酸塩を含む植物生成物を含む組成物を含む。このような組成物としては、コーンミール、ダイズミール、菜種かす、綿実粕、トウモロコシ、コムギ、オオムギおよびソルガムベースの飼料が挙げられる。
本明細書に記載されるフィターゼは、食物または飼料物および組成物であっても、またはそれに添加されてもよい。
本発明はまた、食物または飼料成分または補充物を調製する方法を提供し、この方法は、本発明のプロセスによって生成されるフィターゼまたは本発明に従う組成物と別の食物成分とを混合させる工程を包含する。調製方法または食物成分はまた、本発明の別の局面である。動物飼料を調製するための方法は、上記されている。この酵素は、固体処方物の形態で添加されてもよいし、または事前混合物のような飼料添加物として添加されてもよい。固体型は代表的には、混合工程の前または間に添加される;そして液体型は代表的には、ペレット化工程の後に添加される。
(薬剤)
本発明のフィターゼはまた、いくつかの薬学的な効果を得るために、薬学的調製物においてまたは食品への組み合わせのために用いられ得る。例えば、欧州特許第1,389,915号は、ヒトの食品または飲料のカルシウム、鉄および/または亜鉛のアベイラビリティーを増大するための食物または飲料におけるフィターゼの使用を記載している。
さらに、欧州特許第1,392,353号は、生体元素、例えば、カルシウムおよび鉄のバイオアベイラビリティを増大させるため、ならびに欠乏性の疾患と戦うために有用である、フィターゼを含む医薬または栄養補充物を記載している。
ここでは、「薬剤の(pharmaceutical)」という用語は、広義の意味で用いられる−そして、ヒトの薬剤および/または栄養補助剤、ならびに動物のための薬剤および/または栄養補助剤(すなわち、獣医の適用)を包含する。好ましい局面では、薬剤はヒトの使用のため、および/または畜産業のためである。
薬剤は、治療目的のためであってもよく、これは実際には、治療的であっても、または緩和(対症)的であっても、または予防的であってもよい。薬剤は、診断目的であってさえよい。
薬剤として、または薬剤の調製において用いる場合、本発明の生成物および/または化合物は、以下の1つ以上と組み合わせて用いられ得る:薬学的に受容可能なキャリア、薬学的に受容可能な希釈剤、薬学的に受容可能な賦形剤、薬学的に受容可能なアジュバント、薬学的に活性な成分。
薬剤は、適用の用途および/もしくは方式、ならびに/または投与の様式に依存して、溶液の形態であっても、または固体であってもよい。
(薬学的な成分)
本発明の生成物および/または化合物は、薬学的成分として用いられ得る。ここで本発明の生成物および/または組成物は、単独の活性成分であってもよいし、または活性成分の少なくとも1つのメンバー(すなわち、2つ以上)であってもよい。
薬学的な成分は、適用の用途および/もしくは方式、ならびに/または投与の方式に依存して、溶液の形態であっても、または固体であってもよい。
薬学的な成分は、薬剤の溶解特性を改善するために発泡性生成物の形態であってもよい。
(形態)
本発明の生成物および/または化合物は、単独の場合であろうと、組成物中に存在する場合であろうと、任意の適切な形態で用いられ得る。同様に、本発明に従って生成されたフィターゼ(すなわち、成分−例えば、食物成分、機能的食品成分、または薬学的な成分)は、任意の適切な形態で用いられてもよい。
形態の適切な例としては、即時放出、遅延放出、改変放出、持続放出、パルス放出または制御放出の適用のための、以下:錠剤、丸剤、カプセル、坐薬(ovules)、溶液または懸濁液の1つ以上が挙げられ、これは、香味料または着色剤を含んでもよい。
一例として、生成物および/または組成物が、機能的な成分としての使用のためなどの錠剤型で用いられる場合、この錠剤は、以下:賦形剤、崩壊剤、顆粒結合剤または潤滑剤のうちの1つ以上を含んでもよい。
この形態を調製するのにおける使用のための栄養的に受容可能なキャリアの例としては、例えば、水、塩溶液、アルコール、シリコン、ワックス、ワセリンなどが挙げられる。
この形態のための好ましい賦形剤としては、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖または高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。
水性の懸濁液および/またはエリキシルについては、カロチノイド切断化合物を、種々の甘味料または香味量、着色料または色素と、乳化剤および/または懸濁剤と、そして希釈剤、例えば、水、エタノール、プロピレングリコールおよびグリセリン、ならびにそれらの組み合わせと合わせてもよい。
この形態はまた、ゼラチンカプセル;ファイバーカプセル、ファイバー錠剤などを含んでもよい。
(一般的な組換えDNA方法の技術)
本発明は、他に示さない限り、当業者の能力の範囲内である、化学、分子生物学、微生物学、組換えDNAおよび免疫学の従来の技術を使用する。このような技術は、この文献に例示される。例えば、J.Sambrook,E.F.FritschおよびT.Maniatis,1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第二版、Books1〜3、Cold Spring Harbor Laboratory Press;Ausubel,F.M.ら(1995)および定期補遺;Current Protocols in Molecular Biology、第9、13および16章、John Wiley&Sons,New York,N.Y.);B.Roe,J.CrabtreeおよびA.Kahn,1996,DNA Isolation and Sequencing:Essential Techniques,John Wiley & Sons;M.J.Gait(編),1984,Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,Irl Press;ならびにD.M.J.LilleyおよびJ.E.Dahlberg,1992,Methods of Enzymology:DNA Structure Part A:Synthesis and Physical Analysis of DNA Methods in Enzymology,Academic Pressを参照のこと。これらの一般的なテキストの各々が本明細書において参照によって援用される。
本発明はここで、以下の非限定的な実施例においてさらに例示される。
(実施例1.フィターゼ活性アッセイ)
マイクロ−リットル(micro−l)=マイクロリットル
フィターゼアッセイは、マイクロタイタープレートで行った。反応混合物(100μl)は以下を含んだ:2mMのフィチン酸塩および0.8mMのCaClが含有される200mMの酢酸ナトリウム緩衝液pH3.5。この反応は、37℃で1時間進行させて、その後に、放出されたリン酸塩を公知の手順の改良型によって測定した(Heinonen J.K.,Lahti R.J.Anal Biochem.113(2),313〜317(1981))。要するに、200マイクロリットルの新鮮に調製したAMM溶液(7.5N HSO、15mMのモリブデン酸アンモニウムおよびアセトン − 1:1:2)を、各々のマイクロタイタープレートウェル中で100マイクロリットルの反応混合物に添加した。390nmでの吸光度は、AMM試薬の添加後、10分より後でかつ30分より前に測定した。リン酸塩の量は、濃度が既知のリン酸塩溶液を用いて検量線を作製することによって決定した。異なるpH値でフィターゼ活性を評価するためには、以下の緩衝液(全てが200mM)を用いた:グリシン/HClpH2.0〜3.0、酢酸ナトリウム/酢酸、pH3.5〜5.5、Tris/マレイン酸pH6.0〜7.5。
(実施例2.フィターゼ産生株P1−29)
細菌株P1−29はもともと、フィンランド南部の森林において水溜りの底から採集された腐敗している植物の塊から単離された。この株は多くの単純な培養培地、例えばLB(1%ペプトン、0.5%酵母抽出物、1%NaCl、pH7.4)または低リン酸塩培地PP1(1%ペプトン、1%ウシ抽出物、0.5%、酵母抽出物、CaCl−0.2M)上において、30℃で好気的に培養され得る。この培地は、NaOHを用いてpHを約11に調製して、10分間煮沸することによって調製する。この沈殿物を、濾過によって除去し、pHを、5.5に再調節して、その培地は121℃で15分間のオートクレーブによって滅菌する。
液体PP1培地中での増殖後、その株は、pH3.5および5.5の両方でフィターゼ活性を示すことが見出された(実施例1に記載のようにアッセイした)。3.5および5.5での活性の比は約1.3であった。その活性はまた、P3−42の細胞および細胞上清中で別々に測定した。これらの測定によれば、全てのフィターゼ活性のうちほとんどが細胞に結合しており、培養培地の上清中では10〜20%の活性を有した。
この株は、受託番号41248としてNCIMBに寄託された。
(実施例3.株P1−29からの染色体DNAの単離)
染色体DNAは本質的に、標準的な手順によって調製した(Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology,John
Wiley & Sons,New York,1996)。LB培地中において30℃で一晩増殖した250mlの培養物を、10,000rpmで30分間、遠心分離して、20mlの50mM tris−HCl、5mM EDTA pH8中で洗浄し、そして10mlの冷TES(50mM tris−HCl、5mM EDTA、15%グルコースpH8)中に再懸濁した。リゾチームを10mg/mlに添加して、その細胞懸濁液を、溶解が生じるまで37℃で30〜60分間インキュベートして、100μlの反応混合物の1mlの0.1%SDSへの希釈および「ネバネバの(slimy)」流動性についてチェックすることによって確認した。この時点で、SDSおよびプロテイナーゼK(Sigma)を、それぞれ1%および0.5mg/mlの最終濃度まで添加した。この反応混合物を、56℃で30分間インキュベートし、続いて2mMの5M NaClの添加および1.4mlの10%セチルトリメチルアンモニウムブロミド(Sigma)の添加を行った。このインキュベーションは、65℃で15分間継続した。その溶液をクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を用いて1回、フェノール/クロロホルムを用いて1回抽出した。抽出後、その水相を0.6容積のイソプロパノールと混合して、DNA沈殿物を遠心分離(10,000rpm、15分)によって収集し、70%エタノールで洗浄し、減圧乾燥して、2mlの10mMトリス−HCl、1mM EDTA pH8、5μg/mlのRNAseに再懸濁した。
(実施例4.細菌株P1−29の分類学的同定)
株P1−29の16S rRNA遺伝子のフラグメントを、プライマー;536f(CAGCMGCCGCGGTAATWC)および1392r(ACGGGCGGTGTGTRC)(Lane,D.J.In Nucleic acid techniques in bacterial systematics,Stackbrandt,E、およびGoodfellow,M編、John Wiley & Sons,New York:pp115〜117(1991))を用いて、Taq DNAポリメラーゼ(Roche)を用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅した。以下のプログラムを用いた:1)95℃5分の初回DNA変性工程;2)94℃1分、55℃1分、72℃1分の30サイクル;3)70℃の最終伸長工程10分間。約900塩基対のサイズのPCR産物を、0.8%アガロースゲル中における電気泳動によって精製し、製造業者の指示に従ってGel Purification Kit(Qiagen)を用いてゲルから抽出した。精製されたPCR生成物は、Medprobe(Norway)によって商業的に配列決定した。この配列決定された領域を配列番号1に列挙する。この配列を、GenBankデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/)におけるDNA配列と比較した。最高のマッチング(691ヌクレオチドのうち688〜689、99.6〜99.7%)が、B.izardii DSM9397、B.gaviniae DSM 9393およびB.noackiaeATCC5160TのようないくつかのButtiauxella株由来の16S RNA遺伝子の配列と見出された。従って、株P1−29は分類学的に、Buttiauxella sp.として分類され得る。
(実施例5.Buttiauxella sp.のP1−29由来のフィターゼ遺伝子のクローニング)
Buttiauxella sp.のP1−29由来の染色体DNAを、制限エンドヌクレアーゼSau3Aで部分的に消化して、その消化物を1%のアガロースゲル上で分画した。3〜5kbのDNAフラグメントを、ゲル精製キット(Qiagen)を用いてゲルから単離して、BamHI消化した脱リン酸化λ―ZAPアーム(Stratagene)と連結させた。ライブラリー構築のための引き続く工程は、StratageneのZAP Express Predigested Vector/Gigapack Cloning Kitの指示に従った。ライブラリーのファージ型は、製造業者(Stratagene)によって記載されたとおりの「マス切除(mass excision)」手順によってプラスミド型に変換された。プラスミドライブラリーのスクリーニングは、ペトリプレートでのフィターゼ活性の検出のための初期の公開された方法と類似の方法によって行った(HowsonおよびDavis.Enzyme Microb.Technol.5,377〜382(1983);Chen J.C.Biotechnology techniques 12(10)751〜761(1998);Riccio M.L.ら、J.Appl.Microbiol.82,177〜185(1997))。いくつかのフィターゼ陽性クローンを単離して、サブクローニングによって精製した。これらの単離物は、液体培養物(LB培地で30℃かつ200rpmで約24時間)中で増殖させて、そしてフィターゼ活性を、得られた細胞懸濁液中で測定した(実施例1)。最高のフィターゼ活性を有した1つのクローン(約1.2U/ml、pH3.5)を引き続く特徴づけのために選択した。プラスミドDNAは、pBK(P1−29)と命名されたこのクローンから単離して、挿入DNAの部分的DNA配列決定によって特徴付けた(配列決定サービスは、Medprobe(Norway)から得た)。フィターゼ遺伝子を含むこの配列は、配列番号2として列挙する。Buttiauxella sp.P1−29のフィターゼの、この推定配列は、配列番号3として列挙される。NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/)によって提供されるBLASTサービスを用いるGenBankにおける配列との配列番号3の比較によって、Obesumbacterium proteus(GenBank受託番号AAQ90419)由来のフィターゼは、Buttiauxella sp.のP1−29のフィターゼの最も近い公知のホモログとして同定される。しかし、相同性レベルは低く、両方のタンパク質で同一であるのはアミノ酸残基のほぼ74%しかない。
(実施例6.Buttiauxella sp.のP1−29由来のフィターゼ遺伝子の増幅および発現)
フィターゼ遺伝子は、PCRによって増幅された。Buttiauxella sp.のP1−29株の染色体DNAを、テンプレートとして、そしてオリゴヌクレオチドo29−5(GGAATTCATATGACGATCTCTGCGTTTAAC)およびo29−3(GGAATTCGGATCCTTA−CTGTAGCTGGCAGCCTG)をプライマーとして用いた。その増幅は、Expand High Fidelity PCR Systemキット(Roche)を用いて行った。以下のプログラムを用いた:1)94℃で3分間の初回のDNA変性;2)94℃で45秒、55℃で45秒、68℃で1分、72℃で1分、74℃で1分の35サイクル;3)72℃で10分の最終伸長工程。得られたPCR産物を、0.8%アガロースゲル中での電気泳動、その後のGel Purification Kit(Qiagen)を用いるゲルからのDNA抽出によって精製した。この精製されたPCR産物を、制限酵素NdeIおよびBamHIを用いて消化して、PCR Purification Kit(Qiagen)によって反応混合物から単離した。ベクタープラスミドpET11a(Novagen)を、制限エンドヌクレアーゼNdeIおよびBamHIで消化して、エビのアルカリホスファターゼ(Roche)を用いて脱リン酸して、0.8%アガロースゲル中における電気泳動によって精製した。この直線化したプラスミドDNAのバンドをゲルから切り出して、Gel Purification Kit(Qiagen)を用いて精製した。この2つの精製されたDNAフラグメントを、T4 DNAリガーゼ(Roche)を用いて連結した。この連結反応物を70%エタノールで沈殿させて、エタノールで洗浄し、そして50μlのエレクトロコンピテントなE.coli XL1−Blue MRF’細胞中に直接再懸濁した。この懸濁物を0.1cmのエレクトロポレーションキュベット(BioRad)に移して、Gene Pulser Xcell(BioRad)セットを用いて、1800V、25μFおよび200Ωで電気泳動させた。電気泳動の直後に、1mlのLB培地を添加して、細胞懸濁液を15mlのプラスチックチューブ(Falcon)に移して、振盪(200rpm)しながら37℃で1時間インキュベートした。形質転換された細胞を、100μg/mlのアンピシリンを含有するLBプレート上にプレートして、37℃で一晩インキュベートした。24個の形質転換体を液体培地中で増殖させて、その培養物を、フィターゼ活性をアッセイすること、およびプラスミドDNAの単離のために用いた。最高のフィターゼ活性を生成し、かつプラスミドDNAの予想される認識パターンを生成する1クローンを選択した。pET11(P1−29)と命名されたこのクローンによって含まれるプラスミドを用いて、発現宿主株BL21(DE3)pLysS(Novagen)を形質転換した。この形質転換された細胞懸濁物を、2%グルコースを含有するLB中において37℃で1時間振盪し、アンピシリン(100μg/ml)およびグルコース(2%)を含有する50mlのLBに接種して、振盪(200rpm)しながら30℃で一晩増殖させた。得られた培養物のODは、600nmで測定して、その培養物を用いて、0.04のOD600になるまで1lのLB+アンピシリン(100μg/ml)に接種した。増殖は、30℃で一晩継続した。このような培養物におけるフィターゼ活性は代表的には、8〜12U/mlであった。フィターゼ活性のうち約40%が、培養培地に分泌され、そして残りは細胞に伴ったままであった。これらの観察によって、ButtiauxellaのP1−29のフィターゼは、その天然の宿主よりもいくらか効率的にE.coliで分泌されることが示される。同じ条件下で増殖されたpET11で形質転換されたコントロールの株BL21(DE3)pLysSの培養物における活性は0.05U/ml未満であった。
(実施例7.ButtiauxellaのP1−29からの組換えフィターゼの精製)
pET11(P1−29)で形質転換されたBL21(DE3)pLysSの培養物を遠心分離して、細菌細胞を除去して、ロータリーエバポレーターを用いて約1/10のもとの容積まで濃縮して、溶液の伝導率が250μS/cm未満に低下するまで水に対して透析した。溶液のpHは、tris塩基を用いて8.0に調節し、そしてこれを、25mM tris−HCl、pH8.0で平衡化したDEAE Sepharose Fast Flow(Roche)のカラム(3×20cm)に加えた。そのカラムを、平衡化緩衝液を3ml/分の流速で30分間用いて洗浄し、続いて、3つの連続的勾配のNaClが含有される25mM tris−HCl、pH8.0:0〜50mM、50〜150mMおよび150〜500mMを用いて、溶出した。各々の3つの勾配は、3ml/分の一定流速を用いて1時間プログラムした。9mlの画分を収集して、フィターゼ活性についてアッセイした。活性の1つの強力なピークが検出された。ピーク画分中のタンパク質を、Centriplusコンセントレーター(Amicon)を用いて濃縮して、12%のゲルおよび標準的なLaemmli緩衝液システムを用いてSDS PAGEで分析した。この分析の結果、DEAE Sepharoseによって得られた組換えButtiauxellaのP1−29フィターゼの調製物が単一の突出したタンパク質成分を含むことが示された。ゲルのデジタル画像を走査することに基づく半定量的な分析(図1)によって約65%という純度が示される。
(実施例8.ButtiauxellaのP1−29由来の組換え体フィターゼのpHプロフィール)
(実施例7に従って精製された)ButtiauxellaのP1−29フィターゼの活性のpHに対する依存性を、緩衝液中において、そして実施例1に記載の条件下で研究した。この酵素は、広範なpH領域(2〜5.5)で活性であり、ほぼpH4.5で最大、そしてほぼpH3で曲線の強力な「肩部分(shoulder)」を有していた(図2)。
(実施例9.ButtiauxellaのP1−29由来の組換えフィターゼの基質特異性)
1つのイノシトール残基あたり3、4または5つのリン酸基を含むイノシトールリン酸塩の画分を、真菌フィターゼ(Natuphos)で処理したフィチン酸の部分的加水分解物からイオン交換クロマトグラフィーによって単離した。これらの調製物の産生および精製は、BioChemicals Ltd(St.Petersburg,Russia)の商業的サービスであった。種々の程度のリン酸化を有するイノシトール−リン酸塩による各々の画分の混入は、HPLCによって5%未満であると判定された(Sandberg A.S.,Ahderinne R.J.Food Sci.51(3),547〜550)。市販のフルクトース1,6−二リン酸塩およびフルクトース6−リン酸塩(Sigma)を、二および一リン酸塩基質に向かうButtiauxellaのP1−29フィターゼの特異性を評価するために用いたモデル基質として用いた。異なる基質での実施例7によって精製されたButtiauxellaフィターゼの活性を、最終反応混合物中において2mM濃度の基質を用いて、pH3.5で標準的なアッセイ(実施例1)によって測定した。この結果(図3)によって、この酵素は、広範な基質特異性を有することが示される。五リン酸塩、四リン酸塩および三リン酸塩でのその活性は基質としてのフィチン酸での活性と本質的に等しいかまたはいくぶん高かった。ほとんどのフィターゼについて基質として劣る1,6−フルクトース二リン酸塩は、Buttiauxella sp.のフィターゼ(詳細にはP1−29由来のフィターゼ)によってさらに効率的に加水分解された。フルクトース6−リン酸塩の加水分解も検出可能であったが、試験された他の基質の加水分解よりも効率がかなり劣っていた。
(実施例10.ButtiauxellaのP1−29由来の組換えフィターゼの比活性)
ButtiauxellaのP1−29のフィターゼの比活性は、実施例7に従って精製された調製物を用いて評価した。フィターゼ活性は、実施例1に従ってpH3.5で測定した。フィターゼ濃度は、BCA Protein Assay Kit(Pierce)を用いて総タンパク質濃度を測定すること、およびSDS PAGEによって評価されるフィターゼ含量(実施例7)によってこれを補正することによって算出した。これらの測定によれば、ButtiauxellaのP1−29由来の組換えフィターゼの比活性は37℃で約300U/mgである。
(実施例11.フィターゼ改変体の生成および特徴づけ)
フィターゼ改変体は、上記で列挙されるような突然変異誘発方法、例えば、Morinagaら(Biotechnology(1984)2,p646〜649)に、またはNelsonおよびLong(Analytical Biochemistry(1989)、180、p147〜151)に開示される方法、またはWO92/18645に記載のエラー限界値突然変異誘発(Error Threshold Mutagenesis)プロトコールを用いて、ヌクレオチド配列番号2の突然変異誘発によって構築した。変異導入(mutagenic)PCRについての別の適切な方法は、CadwellおよびJoyce(PCR Methods Appl.3(1994),136〜140)に開示される。
フィターゼ酵素改変体は、以下の発現宿主の1つ以上における異種発現後に特徴付けられた:Escherichia coli K12;Bacillus subtilis;Saccharomyces cerevisiae。
2位置、3位置、4位置、5位置、6位置、7位置、8位置、9位置、10位置、11位置、12位置を含む、配列番号3由来の1つ以上のアミノ酸位置において異なるフィターゼ改変体が誘導された。必要に応じて、突然変異誘発の反復回を本明細書に記載のように行った。
(フィターゼ改変体の特徴づけ)
(1.熱安定性)
このような改変体の熱安定性は、酵素の不活性化温度によって特徴付けた。この不活性化温度は、種々の温度での10分間のインキュベーションおよび引き続く室温への冷却後、フィターゼ酵素の残留活性を測定することによって決定した。この不活性化温度とは、この残留活性が、室温で同じ条件下で同じ期間にわたるインキュベーション後の残留活性に比較して50%である温度である。必要に応じて、50%残留活性に相当する温度を決定するために、測定された活性データからの補間および外挿を行う。熱安定性の相違の℃は、2つの酵素の不活性温度をお互いから差引きすることによって計算した。
表1は、種々の改変体についての熱安定性の相違を列挙する:
表1:配列番号3に示される親のフィターゼ由来の改変体についての熱安定性の相違(TD)
Figure 2011239793
(2.他の特徴)
他の特徴も改善された。
選択された改変体の熱安定性、比活性およびペプシン安定性を、上記のようなアッセイを用いて比較した。このような改変体のペプシン安定性は、コントロール条件と比較して、ペプシンインキュベーション後、pH3.5、37℃で測定した残留活性によって特徴付けられた(残留活性=ペプシンインキュベーション後の活性/コントロール条件下でのインキュベーション後の活性)。ペプシンインキュベーションは、37℃で、pH2.0、0.25mg/ml、ペプシン、1mM CaCl2および5mg/ml BSAで2時間行った。コントロールの条件はpH5.0で1mM CaClおよび5mg/ml
BSAで37℃で2時間であった。
表2は、選択された改変体の特性を示す(配列番号3に従うフィターゼから、そしてフィターゼ重量に比較して)
表2:
配列番号3に示される親のフィターゼ由来の改変体についてのペプシン安定性
Figure 2011239793
表3:
配列番号3に示される親のフィターゼ由来の改変体についての比活性
Figure 2011239793
上記の明細書に言及された全ての刊行物、およびこのような刊行物に引用された参考文献は、参照によって本明細書に援用される。本発明の記載された方法およびシステムの種々の改変および変形は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく当業者に明白である。本発明は、特定の好ましい実施形態と関連して記載されているが、特許請求される本発明は、このような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際、分子生物学または関連の領域における当業者に明白である、本発明を行うための記載された方式の種々の改変は、添付の特許請求の範囲内であるものとする。
Figure 2011239793
Figure 2011239793

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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