JP2011238560A - 有機el装置の製造方法、及び、有機el装置の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機EL装置の材料コストを低減する。
【解決手段】支持基板の上に有機EL素子が形成されたアレイ基板をステージ上に載置し、封止膜形成材料と溶媒との混合物を収容したキャピラリを、前記アレイ基板の前記有機EL素子が形成された側に対向配置し、前記アレイ基板が載置された前記ステージと前記混合物との間に電圧を印加し、前記キャピラリから前記混合物の液滴を前記アレイ基板に向けてスプレーし、帯電した前記液滴を静電気力により捕集して前記有機EL素子を被覆する封止膜を形成する、ことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)装置の製造方法、及び、有機EL装置の製造装置に関する。
近年、自発光型で、高速応答、広視野角、高コントラストの特徴を有し、かつ、更に薄型軽量化が可能な有機エレクトロルミネセンス(EL)素子を用いた表示装置の開発が盛んに行われている。この有機EL素子は、水分や酸素の影響により劣化しやすい薄膜を含んでいる。このため、有機EL素子が大気に曝されないように気密に封止する必要がある。
特開2005−251415号公報
本実施形態の目的は、有機EL装置の材料コストを低減することが可能な有機EL装置の製造方法、及び、有機EL装置の製造装置を提供することにある。
本実施形態によれば、
支持基板の上に有機EL素子が形成されたアレイ基板をステージ上に載置し、封止膜形成材料と溶媒との混合物を収容したキャピラリを、前記アレイ基板の前記有機EL素子が形成された側に対向配置し、前記アレイ基板が載置された前記ステージと前記混合物との間に電圧を印加し、前記キャピラリから前記混合物の液滴を前記アレイ基板に向けてスプレーし、帯電した前記液滴を静電気力により捕集して前記有機EL素子を被覆する封止膜を形成する、ことを特徴とする有機EL装置の製造方法が提供される。
また、本実施形態によれば、
支持基板の上に有機EL素子が形成されたアレイ基板が載置されるステージと、封止膜形成材料と溶媒との混合物を収容するとともに、前記アレイ基板の前記有機EL素子が形成された側に対向配置された1個以上のキャピラリと、前記アレイ基板が載置された前記ステージと、前記キャピラリに収容された前記混合物との間に電圧を印加する電圧印加装置と、前記ステージ、前記キャピラリ、及び、前記電圧印加装置を制御するコントローラと、を備え、前記電圧印加装置によって電圧が印加されたのに基づいて、前記キャピラリから前記混合物の液滴を前記アレイ基板に向けてスプレーし、帯電した前記液滴を静電気力により捕集して前記有機EL素子を被覆する封止膜を形成することを特徴とする有機EL装置の製造装置が提供される。
図1は、本実施態様における有機EL表示装置の構成を概略的に示す平面図である。 図2は、図1に示した有機EL表示装置において有機EL素子を備えたアレイ基板の一例を概略的に示す断面図である。 図3は、本実施形態で適用可能な有機EL装置の製造装置の構成を概略的に示す図である。 図4は、本実施形態で適用可能な有機EL装置の製造方法を説明するための図であり、アレイ基板をステージ上に載置した状態を示す図である。 図5は、本実施形態で適用可能な有機EL装置の製造方法を説明するための図であり、ステージ上に載置されたアレイ基板に向けて混合物をスプレーした状態を示す図である。 図6は、本実施形態で適用可能な有機EL装置の製造方法を説明するための図であり、アレイ基板のアクティブエリアに封止膜を形成した状態を示す図である。 図7は、本実施形態の封止膜と、比較例の封止膜との封止性能を比較した結果を示す図である。 図8は、本実施形態の封止膜と、比較例の封止膜とのそれぞれの材料使用量及び膜応力の差異を説明するための図である。
以下、本実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態の有機EL装置の一例として、アクティブマトリクス駆動方式を採用した有機EL表示装置の構成を概略的に示す平面図である。
すなわち、有機EL表示装置は、表示パネル1を備えている。この表示パネル1は、アレイ基板100及び対向基板200を備えている。アレイ基板100は、画像を表示する略矩形状のアクティブエリア102において、マトリクス状に配置された複数の有機EL素子OLEDを備えている。対向基板200は、アクティブエリア102において、アレイ基板100に備えられた有機EL素子OLEDと向かい合っている。この対向基板200は、ガラスやプラスチックなどの光透過性を有する絶縁基板である。
これらのアレイ基板100及び対向基板200は、例えば、アクティブエリア102を囲む枠状に形成されたシール部材300によって貼り合わせされている。シール部材300は、例えば、樹脂材料や、フリットガラスなどによって形成されている。
また、アレイ基板100は、有機EL素子OLEDを駆動するのに必要な駆動ICチップやフレキシブル配線基板(例えば、フレキシブル・プリンテッド・サーキット)などの各種信号源を実装するための実装部130を備えている。この実装部130には、図示しない複数のパッドが形成されている。
図2は、図1に示した有機EL表示装置において有機EL素子OLEDを備えたアレイ基板100の構成の一例を概略的に示す断面図である。
このアレイ基板100は、支持基板110の上に形成された有機EL素子OLEDなどを備えている。ここでの支持基板110は、ガラスやプラスチックなどの光透過性を有する絶縁基板を用いて形成され、有機EL素子OLEDを駆動するのに必要なスイッチング素子を含む各種素子が形成されたものであり、詳細な説明は省略する。
有機EL素子OLEDは、画素電極PE、有機層ORG、及び対向電極CEによって構成されている。画素電極PEは、支持基板110の上に配置されている。画素電極PEは、例えば陽極に相当する。このような画素電極PEの構造については、特に制限はなく、反射層及び透過層が積層された2層構造であっても良いし、反射層単層、あるいは、透過層単層であっても良いし、さらには、3層以上の積層構造であっても良い。反射層は、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)などの光反射性を有する導電材料によって形成されている。透過層は、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)、インジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの光透過性を有する導電材料によって形成されている。有機EL素子OLEDが対向基板200の側から光を放射するトップエミッションタイプの場合には、画素電極PEは少なくとも反射層を含んでいる。
有機層ORGは、画素電極PEの上に配置されている。この有機層ORGは、少なくとも発光層を含み、さらに、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層、電子輸送層などを含んでいても良い。なお、有機層ORGの少なくとも一部は、蛍光材料によって形成されていても良いし、燐光材料によって形成されていても良い。また、ここでは、『有機層』と称したが、有機層ORGが含む発光層、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層、電子輸送層などの一部が無機系材料によって形成されていても良い。
対向電極CEは、有機層ORGの上に配置されている。この例では、対向電極CEは、陰極に相当する。このような対向電極CEは、例えば半透過層によって形成されている。半透過層は、例えば、マグネシウム(Mg)・銀(Ag)などの導電材料によって形成されている。なお、対向電極CEは、半透過層及び透過層が積層された2層構造であっても良いし、透過層単層構造、または、半透過層単層構造であっても良い。透過層は、例えば、ITOやIZOなどの光透過性を有する導電材料によって形成可能である。
対向電極CEの上には、封止膜115が配置されている。この封止膜115は、水分が浸透しにくい材料(SiOx)によって形成され、特に、有機EL素子OLEDがトップエミッションタイプに場合には、封止膜115は光透過性を有する材料によって形成される。このような封止膜115は、有機EL素子OLEDへの水分の浸透を防止する水分バリア膜として機能する。なお、封止膜115は、単層構造であっても良いが、異なる材料からなる層を積層した2層以上の積層構造であっても良い。
なお、図示を省略した対向基板200は、封止膜115の上方に配置される。アレイ基板100と対向基板200との間に樹脂層が充填される場合には、樹脂層は封止膜115と対向基板200との間に配置される。樹脂層は、例えば、紫外線硬化型樹脂材料や熱硬化型樹脂材料などによって形成され、特に、有機EL素子OLEDがトップエミッションタイプに場合には、樹脂層は光透過性を有する材料によって形成される。
ところで、封止膜115を形成する工程より以前に、封止膜115の膜厚を大きく越えるようなサイズの異物が存在していた場合、封止膜115の一部が異物周辺で途切れてしまい、封止膜115が途切れた部分から水分が浸入して有機EL素子OLEDの劣化を招くおそれがある。特に、有機層ORGは水分に対する耐性が低いため、劣化が進行すると、ダークスポットと称される非発光部が形成され、次第にダークスポットが拡大し、発光に寄与する発光部の面積が低下してしまうことがある。ここで、発光部とは、画素電極PE、有機層ORG、及び、対向電極CEが積層された領域に相当し、画素電極PE−対向電極CE間に電流が流れた際に発光する。
通常、大きなサイズの異物は、水洗やブラシ洗浄などの洗浄工程により除去可能であるが、有機EL素子OLEDを形成した後では、有機層ORGの水分による劣化を防止するため、これらの洗浄工程を適用することは困難である。
したがって、封止膜115には、可能性のあるサイズの異物を覆うことが要求される。異物のサイズは、不定であり、また、封止膜115の膜厚よりも大きいものも含まれる。このため、封止膜115には、水分の透過性の低い材料によって被覆性よく被着させる、つまり、たとえ異物が付着していても、当該異物を隙間なく包み込むことが求められる。
本実施形態では、封止膜115を形成するための封止膜形成材料と、比較的低温で蒸発する溶媒とを組み合わせた混合液を用いて、塗布法により二酸化ケイ素(SiO)に近い性質(つまり、水分透過を抑制する性質)の封止膜115を形成する。特に、封止膜形成材料としては、例えば、ポリシラザンや、ポリシロキサンなどのシリカ系材料が好適である。ポリシラザンは、窒素を含む無機ポリマーであり、硬化させることによって酸素及びケイ素を主成分とする無機化合物に転化する材料である。
このように、塗布法によって形成された封止膜115は、CVD法などの成膜方法と比較して、被覆性が良く、容易に異物を包み込むことができる。また、封止膜115は、比較的低温で蒸発する溶媒を組み合わせて形成されるため、低温でのキュアが可能となる。このため、このような手法は、高温環境下で劣化しやすい有機EL素子OLEDを被覆する封止膜115の形成に適している。
塗布法の一つであるスピン塗布法では、材料の利用効率が極端に悪く、コストアップの大きな要因となってしまう。また、スピン塗布法などの塗布法によって封止膜115を形成した場合、異物を被覆した際に、異物周辺の封止膜115には亀裂が発生しやすく、亀裂を通じて外界から浸入した水分によって有機EL素子OLEDの劣化を招くおそれがある。
このような亀裂の発生原因は以下の通りである。塗布した材料は、液状から固体つまり封止膜115に変わる際に成分の一部が脱離する、すなわち、液相を保つための溶媒が蒸発する。このとき、塗布後から固化までの間に蒸発する成分の量が多いほど封止膜115に大きな引張り応力が残るため、形成された封止膜115にクラックなどの亀裂が入り易い状態となる。ただ、塗布する材料のうちの溶媒の量を減らすと、塗布の際に膜厚の均一性を確保するのがむずかしい。
本実施形態では、封止膜115を形成するための塗布法として、エレクトロスプレー・デポジション(ESD)法を採用した。
図3は、本実施形態で適用可能な有機EL装置の製造装置400の構成を概略的に示す図である。
すなわち、製造装置400は、コントローラ410と、ステージ420と、キャピラリ430…と、電圧印加装置440と、を備えている。コントローラ410は、位置情報や塗布量情報などに基づき、ステージ420、キャピラリ430、電圧印加装置440などをそれぞれ制御する。
ステージ420は、その表面に金属製の導電層420Aを有している。このようなステージ420には、支持基板110の上に有機EL素子OLEDまで形成済みのアレイ基板100が載置される。このとき、アレイ基板100は、有機EL素子OLEDが形成された側を上に向けて載置される。このステージ420は、コントローラ410による制御に基づき、X方向及びY方向に移動可能である。
キャピラリ430は、封止膜を形成するための封止膜形成材料と溶媒との混合物MXを収容するものである。キャピラリ430は、1個以上設置され、図示した例では、2個のキャピラリ430がホルダ431に保持されている。なお、複数個のキャピラリ430を設置する場合には、例えば、ライン状に設置しても良い。キャピラリ430の個数が多くなるほど製造時間の短縮が可能であることは言うまでもない。
このようなキャピラリ430は、混合物MXを吐出する吐出口430Aをステージ420上のアレイ基板100に向けて配置される。このとき、キャピラリ430は、吐出口430Aがアレイ基板100から例えば約5cmの距離を置くように配置される。このキャピラリ430は、コントローラ410による制御に基づき、X方向及びY方向に移動可能である。
電圧印加装置440は、ステージ420の導電層420Aと、キャピラリ430に収容された混合物MXとの間に電圧を印加する。このとき、印加すべき電圧は、混合物MXの物性、アレイ基板100の上に塗布すべき混合物MXの塗布量情報などに応じてコントローラ410により適宜設定される。
このような電圧印加装置440により、ステージ420と混合物MXとの間に高電圧が印加されたのに基づいて、キャピラリ430の吐出口430Aから混合物MXの液滴がアレイ基板100に向けてスプレーされる。このとき、帯電した液滴は静電気力によってアレイ基板100に捕集される。有機EL素子OLEDは、スプレーされた液滴を含む薄膜によって被覆される。
スプレーされた混合物MXの液滴には、溶媒が含まれるが、一部の溶媒は、吐出口430Aからスプレーされた後にアレイ基板100に到達するまでの間に蒸発しており、アレイ基板100の上の薄膜に含まれる溶媒の濃度は、キャピラリ430に収容されている混合物MXの溶媒濃度よりも低い。
このような薄膜を完全に硬化させて封止膜115を得るためには、薄膜に含まれる溶媒を除去する必要がある。このとき、除去すべき溶媒の物性や液滴中の溶媒の含有量にもよるが、例えば、80℃の環境下に30分程度置くことにより、溶媒が除去され、薄膜が硬化する。これにより、有機EL素子OLEDを被覆する所望の封止膜115が得られる。なお、このような薄膜を硬化させる硬化装置は、製造装置400に備えられていても良い。
上述した構成の有機EL装置の製造装置400によれば、キャピラリ430からスプレーされた液滴がアレイ基板100の表面に到達する以前に、液滴から溶媒の一部が蒸発するため、アレイ基板100に形成された薄膜を硬化させる際に、蒸発する溶媒の量が比較的少なく、形成された封止膜115に残る引張り応力が小さくなる。このため、形成された封止膜115でのクラックなどの亀裂の発生を抑制することが可能となる。したがって、封止性能の高い封止膜115を得ることができ、有機EL素子OLEDの劣化を抑制することが可能となる。
特に、キャピラリ430の吐出口430Aからアレイ基板100までの距離を5cm程度確保することにより、スプレーされた液滴から比較的多くの溶媒を蒸発させることが可能となり、CVD法などの手法で成膜したのと同様に、膜厚の均一性が高くしかも緻密な薄膜を形成することが可能となる。したがって、同じ膜厚の封止膜115であっても、スピン塗布法で形成した封止膜と比較して封止性能が向上し、結果として必要な封止性能を得るための封止膜の膜厚の低減が可能となり、材料コストを削減することができる。
また、上記の製造装置400によれば、コントローラ410は、混合物MXをスプレーするに際して、混合物MXをスプレーすべきエリアの位置情報などに基づいて、ステージ420及びキャピラリ430の少なくとも一方を制御し、アレイ基板100を走査することが可能である。これにより、アレイ基板100のうち、混合物MXをスプレーすべきエリアのみに選択的に薄膜を形成することが可能となる。
このため、封止膜形成材料の使用量をより削減することができ、材料の利用効率をさらに改善することが可能となるとともに、材料コストのさらなる削減が可能となる。例えば、スピン塗布法と比較した場合、本実施形態で適用したESD法によれば、封止膜形成材料の使用量は約1/10程度となる。
また、例えば、アレイ基板100のうち、実装部130への薄膜の形成を行わない設定とすることが可能である。このため、封止膜115を形成した後に実装部130を露出するためのプロセスが不要となり、信号源を容易に実装することが可能となる。
このようなESD法においては、混合物MXをスプレーする雰囲気は、CVD法などのように真空である必要はなく、大気中でも可能であるが、有機EL素子OLEDが水分により劣化しやすいことから、露点が−50℃以下の雰囲気に制御されたチャンバ450内で混合物MXをスプレーすることがより望ましい。
次に、本実施形態で適用可能な有機EL装置の製造方法について説明する。
まず、図4に示すように、支持基板110の上に有機EL素子OLEDが形成されたアレイ基板100をステージ420の導電層420A上に載置する。図示したアレイ基板100については、アクティブエリア102の外側において、支持基板110の上に各種パッドを含む実装部130が形成されている。
続いて、図5に示すように、封止膜形成材料と溶媒との混合物MXを収容したキャピラリ430をアレイ基板100の有機EL素子OLEDが形成された側に対向配置する。そして、電圧印加装置440により、ステージ420と混合物MXとの間に電圧を印加し、キャピラリ430から混合物MXの液滴をアレイ基板100に向けてスプレーする。スプレーされた液滴からは、溶媒の一部が蒸発している。
このような液滴の一部は帯電しており、図6に示すように、静電気力によりアレイ基板100に捕集され、有機EL素子OLEDの上に薄膜を形成する。なお、このとき、液滴をスプレーしているキャピラリ430に対して、ステージ420の上のアレイ基板100が相対的に移動することにより、アクティブエリア102に選択的に薄膜が形成され、実装部130は薄膜によって覆われていない。このように形成された薄膜は硬化処理され、封止膜115となる。
上述した構成の有機EL装置によれば、有機EL素子OLEDが封止膜115によって被覆されており、しかも、封止膜115におけるクラックなどの亀裂の発生を抑制できるため、有機EL素子OLEDの水分による劣化を抑制することができる。
図7は、封止膜形成材料としてポリシロキサンを用いてESD法により形成した封止膜(本実施形態)と、封止膜形成材料としてポリシラザンを用いてESD法により形成した封止膜(本実施形態)と、封止膜形成材料としてポリシラザンを用いてスピン塗布法により形成した封止膜(比較例)との封止性能を比較した結果を示す図である。図中の縦軸は、水分透過量(g/mday)を示している。
ポリシラザンを用いてESD法により形成した封止膜115の水分透過量は、ポリシロキサンを用いてESD法により形成した封止膜115の水分透過量よりも少ない傾向を呈する。このため、本実施形態において、封止膜形成材料としては、ポリシラザンがより好ましい。
また、ポリシラザンを用いてESD法により形成した封止膜(本実施形態)115の水分透過量は、ポリシラザンを用いてスピン塗布法により形成した封止膜(比較例)の水分透過量よりもバラツキが小さい。これは、スピン塗布法と比較して、ESD法によって形成した封止膜115の膜厚均一性が高いことに起因している。つまり、封止膜形成材料として、ポリシラザンを選択し、しかも、ESD法によって封止膜115を形成することにより、封止性能をよりいっそう向上することが可能となる。
次に、塗布方法による材料使用量の差異及び形成された封止膜の膜応力の差異について説明する。
図8は、スピン塗布法によって形成した封止膜(比較例)と、ESD法によって形成した封止膜(本実施形態)とのそれぞれの材料使用量及び膜応力の差異を説明するための図である。図示した例では、730mm×920mmの長方形状の基板上に1μmの膜厚の封止膜を形成した場合の材料使用量及び膜応力の測定結果が示されている。
なお、塗布方法にかかわらず、封止膜形成材料としてポリシラザンを用いている。また、スピン塗布法及びESD法(1種溶媒)については、ポリシラザンと1種類の溶媒とを混合した同一の混合物MXを用いて封止膜を形成した。ESD法(2種溶媒)については、ポリシラザンと2種類の溶媒(すなわち、第1蒸発速度の第1溶媒と、第1蒸発速度よりも速い第2蒸発速度の第2溶媒とからなり、混合物中において第2溶媒の含有率の方が第1溶媒の含有率よりも多い)とを混合した混合物MXを用いて封止膜を形成した。
図示したように、混合物MXの材料使用量については、ESD法(1種溶媒及び2種溶媒)によって封止膜を形成する本実施形態においては、スピン塗布法によって封止膜を形成する比較例と比較して、大幅に削減できることが確認された。
また、図示したように、膜応力については、ESD法(1種溶媒)によって形成された本実施形態の封止膜においては、スピン塗布法によって形成された比較例の封止膜と比較して、低減できることが確認された。また、ESD法(2種溶媒)によって形成された封止膜においては、ESD法(1種溶媒)によって形成された封止膜と比較して、さらに膜応力を低減できることが確認された。これは、ESD法(2種溶媒)で適用した混合物MXに含まれる溶媒のうち、比較的蒸発速度が速い第2溶媒の割合が多いため、スプレーされた直後に第2溶媒が蒸発し、アレイ基板100に達した液滴によって形成される薄膜の溶媒濃度が極めて低いことに起因している。
このように、蒸発速度が異なる2種類の溶媒を組み合わせて混合物MXを形成することにより、蒸発速度が速い溶媒はスプレーされた直後に蒸発する一方で、蒸発速度が遅い溶媒は液相を保つ役割を担い良好な被覆性を維持することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、有機EL装置の材料コストを低減することができる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本実施形態は、有機EL装置として、有機EL表示装置について説明したが、有機EL照明や有機ELプリンターヘッドなどにも利用可能である。
1…表示パネル
100…アレイ基板 110…支持基板 130…実装部
OLED…有機EL素子
115…封止膜
400…製造装置 410…コントローラ 420…ステージ
430…キャピラリ 440…電圧印加装置
450…チャンバ

Claims (6)

  1. 支持基板の上に有機EL素子が形成されたアレイ基板をステージ上に載置し、
    封止膜形成材料と溶媒との混合物を収容したキャピラリを、前記アレイ基板の前記有機EL素子が形成された側に対向配置し、
    前記アレイ基板が載置された前記ステージと前記混合物との間に電圧を印加し、
    前記キャピラリから前記混合物の液滴を前記アレイ基板に向けてスプレーし、
    帯電した前記液滴を静電気力により捕集して前記有機EL素子を被覆する封止膜を形成する、
    ことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  2. 前記混合物に含まれる溶媒は、第1蒸発速度の第1溶媒と、第1蒸発速度よりも速い第2蒸発速度の第2溶媒と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置の製造方法。
  3. 前記封止膜形成材料は、窒素を含む無機ポリマーであり、硬化させることによって酸素及びケイ素が主成分である無機化合物に転化する材料であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置の製造方法。
  4. 支持基板の上に有機EL素子が形成されたアレイ基板が載置されるステージと、
    封止膜形成材料と溶媒との混合物を収容するとともに、前記アレイ基板の前記有機EL素子が形成された側に対向配置された1個以上のキャピラリと、
    前記アレイ基板が載置された前記ステージと、前記キャピラリに収容された前記混合物との間に電圧を印加する電圧印加装置と、
    前記ステージ、前記キャピラリ、及び、前記電圧印加装置を制御するコントローラと、を備え、
    前記電圧印加装置によって電圧が印加されたのに基づいて、前記キャピラリから前記混合物の液滴を前記アレイ基板に向けてスプレーし、帯電した前記液滴を静電気力により捕集して前記有機EL素子を被覆する封止膜を形成することを特徴とする有機EL装置の製造装置。
  5. さらに、前記有機EL素子上の前記液滴を硬化させる硬化装置を備えたことを特徴とする請求項4に記載の有機EL装置の製造装置。
  6. 前記コントローラは、前記液滴をスプレーするエリアに合わせて、前記ステージ及び前記キャピラリの少なくとも一方を制御してアレイ基板を走査することを特徴とする請求項4に記載の有機EL装置の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021124802A1 (ja) * 2019-12-17 2021-06-24 コニカミノルタ株式会社 電子デバイス封止層形成用のインク組成物、電子デバイス封止層形成方法及び電子デバイス封止層
KR102707503B1 (ko) 2019-12-17 2024-09-13 코니카 미놀타 가부시키가이샤 전자 디바이스 밀봉층 형성용의 잉크 조성물, 전자 디바이스 밀봉층 형성 방법 및 전자 디바이스 밀봉층

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