JP2011236773A - 内燃機関の可変動弁装置およびその制御装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置およびその制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の可変動弁装置およびその制御装置に関し、可動子と溝部との係合部に摩耗が生ずるのを防止しつつ、変位部材を所定の位置で保持可能とすることを目的とする。
【解決手段】第1リンクアーム78に形成された溝部78dと、電磁ソレノイド90により第1リンクアーム78に向けて押されるロックピン92との係合を利用して、バルブ30の動作状態を閉弁停止状態に保持する構成を備える。この構成とは別に、第1リンクアーム78を第2制御位置で保持する保持機構102を備える。
【選択図】図3

Description

この発明は、内燃機関の可変動弁装置およびその制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、2種類のカムが設けられたカムキャリアを気筒毎に設け、上記2種類のカムのベース円区間中に、回転駆動されるカム主軸に対して当該カムキャリアを軸方向に移動させることにより、各気筒のバルブ駆動用カムを切り換える内燃機関の可変動弁装置が開示されている。より具体的には、この従来の可変動弁装置では、各カムキャリアの外周面の両端に、螺旋状に形成されたガイド溝をそれぞれ備えている。また、当該ガイド溝に挿脱される駆動ピンを駆動する電動アクチュエータを各ガイド溝に対して備えるようにしている。
上記従来の可変動弁装置によれば、カムシャフトの軸方向位置が固定された駆動ピンをガイド溝に係合させることで、カムキャリアがその軸方向に変位する。これにより、各気筒のバルブ駆動用カムが切り換わるので、バルブのリフト量を変更することができる。
特表2006−520869号公報
ところで、上述した従来の可変動弁装置を変形して、次のような構成を備えることが考えられる。すなわち、上記電動アクチュエータにより駆動される上記駆動ピンにより駆動される部材であって所定の支持部材により移動自在に支持された変位部材を備える。そして、上記駆動ピンによって押されることで上記ガイド溝と係合する突起部を変位部材に備えるようにする。更に、ガイド溝の作用による変位部材の変位方向と逆方向に対して当該変位部材を付勢するリターンスプリングを備えるようにする。そのうえで、ガイド溝によって変位させられた時の位置で、変位部材をリターンスプリングの付勢力に抗しながら保持するために、変位部材に駆動ピンと係合可能な溝部を備えるようにする。
上記のような構成において、駆動ピン(可動子)と溝部との係合を利用して変位部材を保持する際には、駆動ピンと溝部との係合部が、リターンスプリングの全荷重を受け止めることとなる。その結果、この保持状態では、内燃機関に生ずる振動等によって上記係合部が摩耗してしまう可能性がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、可動子と溝部との係合部に摩耗が生ずるのを防止しつつ、変位部材を所定の位置で保持可能とする内燃機関の可変動弁装置およびその制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の可変動弁装置であって、
カムとバルブとの間に配置され、前記カムの作用力を前記バルブに伝達する伝達部材と、
前記カムが設けられたカムシャフトと、
前記カムシャフトの周面に向けて突き出し可能な位置に設けられた突起部を有し、所定の支持部材に支持された状態で第1制御位置と第2制御位置との間で変位することにより前記伝達部材の動作状態を第1制御状態と第2制御状態との間で切り換える変位部材と、
前記突起部と対向する位置において前記カムシャフトに設けられ、前記突起部との係合時に前記変位部材を前記第1制御位置から前記第2制御位置に向けて案内するガイドレールと、
前記突起部を前記ガイドレールに係合させるべく前記変位部材を押動する可動子と、
前記可動子に駆動力を付与するアクチュエータと、
前記変位部材が前記ガイドレールにより案内される方向と逆方向に前記変位部材を付勢する付勢手段と、
を備え、
前記変位部材は、前記変位部材が前記第2制御位置にある状態において、前記アクチュエータから継続的に駆動力を受ける前記可動子と係合可能な溝部を含み、
前記可動子と前記溝部とが係合した状態で前記変位部材が前記第2制御位置で保持されるように構成されており、
前記可動子と前記溝部との係合を利用して前記変位部材を前記第2制御位置で保持する構成とは別に、前記変位部材を前記第2制御位置で保持する保持機構を更に備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明における内燃機関の可変動弁装置の制御装置であって、
前記内燃機関の可変動弁装置は、前記伝達部材の動作状態が前記第1制御状態である場合に前記バルブの動作状態が弁稼動状態となり、前記伝達部材の動作状態が前記第2制御状態である場合に前記バルブの動作状態が閉弁停止状態となるように構成された可変動弁装置であって、
前記閉弁停止状態が所定時間よりも長く続く状況であるか否かを判定する閉弁停止期間判定手段と、
前記閉弁停止状態が前記所定時間よりも長く続く状況であると判定された場合に、前記変位部材を前記第2制御位置で保持する動作を、前記可動子と前記溝部とを用いた動作から前記保持機構を用いた動作に切り換える第1保持動作切換手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記閉弁停止状態から前記弁稼動状態への復帰要求を予測する弁復帰予測手段と、
前記弁稼動状態への前記復帰要求が予測された場合に、前記変位部材を前記第2制御位置で保持する動作を、前記保持機構を用いた動作から前記可動子と前記溝部とを用いた動作に切り換える第2保持動作切換手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、
前記内燃機関は、地図上の車両位置を検出可能なナビゲーション装置を備える車両に搭載されたものであって、
前記閉弁停止期間判定手段は、前記ナビゲーション装置により得られる前記車両の走行路情報に基づいて、前記閉弁停止状態が所定時間よりも長く続く状況であるか否かを判定する手段であることを特徴とする。
また、第5の発明は、第2または第3の発明において、
前記内燃機関は、当該内燃機関とともに電動モータを動力源として備えるハイブリッド車両に搭載されたものであって、
前記閉弁停止期間判定手段は、前記電動モータに電力を供給するバッテリーの残量が所定値よりも多い場合に、前記閉弁停止状態が所定時間よりも長く続く状況であると判定することを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記保持機構は、
前記支持部材に対する前記変位部材の制御位置を調整する調整部材と、
前記第2制御位置にある前記変位部材に対して前記調整部材が接触するように、前記調整部材を駆動する調整部材駆動手段と、を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、可動子と溝部との係合を利用した構成とは別に備えた保持機構を必要に応じて用いることにより、可動子と溝部とが接触しないようにしつつ、変位部材を第2制御位置で保持することができる。このため、可動子と溝部との係合部に摩耗が生ずるのを防止しつつ、変位部材を第2制御位置で保持することが可能となる。
第2の発明によれば、閉弁停止状態が長く続く状況である場合に、内燃機関に生ずる振動等によって、可動子と溝部との係合部が摩耗するのを防止することができる。
可動子と溝部とを用いた保持動作によれば、アクチュエータを制御して可動子と溝部との係合を解除するという動作のみで、比較的高い応答性で復帰動作を行える。第3の発明によれば、弁稼動状態への復帰動作に先立って、保持機構を用いた保持動作から、可動子と溝部とを用いた保持動作に切り換えておくことで、その後に実際に復帰要求が出された際に、復帰動作に高い応答性を確保することができる。このため、内燃機関のドライバビリティを確保することができる。また、排気通路に配置される触媒への新気流入をより確実に防止し、触媒の劣化抑制を図ることもできる。
第4および第5の発明によれば、閉弁停止状態が長く続く状況であることを良好に判断することができる。
第6の発明によれば、可動子と溝部とが接触しないようにしつつ、調整部材を用いて変位部材を第2制御位置で保持することができる。
本発明の実施の形態1における内燃機関のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1の吸気可変動弁装置の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における吸気可変動弁装置の構成を説明するための断面図である。 図2に示す可変動弁装置をカムシャフト(ロッカーシャフト)の軸方向(より具体的には、図2中の矢視Aの方向)から見た図である。 閉弁停止状態の保持動作時にロックピンに作用する力を説明するための模式図である。 図3に示す保持機構の詳細な構造を説明するための拡大図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3における保持機構の詳細な構造を説明するための図である。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1における内燃機関10のシステム構成を説明するための図である。
本実施形態のシステムは、内燃機関10を備えている。本実施形態では、内燃機関10は、一例として、#1〜#4の4つの気筒を有する直列4気筒型エンジンであるものとする。また、ここでは、内燃機関10が搭載された車両(図示省略)は、動力源として内燃機関10とともに車両駆動用モータ12を備えるハイブリッド車両であるものとする。
内燃機関10の筒内には、ピストン14が設けられている。内燃機関10の筒内には、ピストン14の頂部側に燃焼室16が形成されている。燃焼室16には、吸気通路18および排気通路20が連通している。
吸気通路18の入口近傍には、吸気通路18に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ22が設けられている。エアフローメータ22の下流には、スロットルバルブ24が設けられている。スロットルバルブ24は、アクセル開度と独立してスロットル開度を制御することのできる電子制御式スロットルバルブである。
内燃機関10が備えるシリンダヘッドには、燃焼室16内(筒内)に燃料を直接噴射するための筒内燃料噴射弁26が設けられている。また、内燃機関10が備えるシリンダヘッドには、燃焼室16の頂部から燃焼室16内に突出するように点火プラグ28が取り付けられている。吸気ポートおよび排気ポートには、それぞれ、燃焼室16と吸気通路18、或いは燃焼室16と排気通路20を導通状態または遮断状態とするための吸気弁30および排気弁32が設けられている。
吸気弁30は、吸気可変動弁装置34により駆動され、排気弁32は、排気可変動弁装置36により駆動される。これらの可変動弁装置34、36の具体的な構成については、図2乃至図6を参照して後述することとする。また、排気通路20には、排気ガスを浄化するための触媒38が配置されている。
更に、図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40の入力には、上述したエアフローメータ22に加え、エンジン回転数を検知するためのクランク角センサ42、車両のアクセルペダルの開度を検知するためのアクセル開度センサ44等の各種センサが接続されている。また、ECU40の入力には、地図上の車両位置を検出可能なナビゲーション装置46が接続されている。更に、ECU40は、車両駆動用モータ12に電力を供給可能な高圧バッテリー48の電池充電量(充電状態SOC)を検知可能に構成されている。また、ECU40の出力には、上述した各種のアクチュエータが接続されている。ECU40は、それらのセンサ出力に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御することができる。
[可変動弁装置の構成]
次に、図2乃至図6を参照して、可変動弁装置34、36の具体的な構成およびその動作について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1の吸気可変動弁装置34の構成を示す斜視図である。より具体的には、図2は、内燃機関10の#4気筒についての吸気可変動弁装置34の構成を示している。尚、ここでは、吸気可変動弁装置34を例にとって説明を行うが、排気可変動弁装置36についても、吸気可変動弁装置34と同様に構成されているものとする。
吸気可変動弁装置34(以下、単に「可変動弁装置34」と略する)は、カムシャフト52を備えている。カムシャフト52は、図示省略するクランクシャフトに対してタイミングチェーンまたはタイミングベルトによって連結され、クランクシャフトの1/2の速度で回転するように構成されている。カムシャフト52には、1気筒当たり1つの主カム54と1つの副カム56とが形成されている。
主カム54は、カムシャフト52と同軸の円弧状のベース円部54aと、当該ベース円の一部を半径方向外側に向かって膨らませるように形成されたノーズ部54bとを備えている。また、本実施形態では、副カム56は、ベース円部のみを有するカム(ゼロリフトカム)として構成されている。また、内燃機関10の各気筒には、第1ロッカーアーム58と第2ロッカーアーム60とが1つずつ隣接して備えられている。各気筒のロッカーアーム58、60は、1本のロッカーシャフト62によって回転(揺動)自在に支持されている。
図2に示すように、ロッカーアーム58、60は、主カム54の作用力を吸気弁30(以下、単に「バルブ30」と略する)に伝達する伝達部材として、カム54、56とバルブ30との間に介在している。第1ロッカーアーム58には、主カム54と接することができる位置に、カムローラ64が回転自在に取り付けられている。第1ロッカーアーム58は、図示省略するロストモーション機構によって、カムローラ64が主カム54と常に当接するように付勢されている。また、第2ロッカーアーム60には、主カム54のベース円区間中において副カム56と接することができる位置に、パッド部60aが設けられている。また、バルブ30は、バルブスプリング66によって閉弁方向に付勢されている。
(切換機構の構成)
図3は、本発明の実施の形態1における吸気可変動弁装置34の構成を説明するための断面図である。尚、図3は、ロッカーシャフト62の軸線と切換ピン72、74、76の軸線とを含む平面で、可変動弁装置34の一部(ロッカーアーム58、60およびロッカーシャフト62)を切断して表した部分断面図である。
可変動弁装置34は、第1ロッカーアーム58と第2ロッカーアーム60とが連結した連結状態(図2参照)と、その連結が解除された非連結状態(図3参照)とを切り換えるための切換機構68を備えている。可変動弁装置34は、このような切換機構68を備えることによって、主カム54の作用力が第1ロッカーアーム58を介して第2ロッカーアーム60に伝達される状態(上記連結状態)と、当該作用力が第2ロッカーアーム60に伝達されない状態(上記非連結状態)とを切り換えて、バルブ30の開弁特性を弁稼動状態と閉弁停止状態との間で切り換えることができるようになっている。
図3に示すように、カムローラ64の支軸として機能するブッシュ70の内部には、カムローラ64と同心の第1ピン孔70aが形成されており、第2ロッカーアーム60の内部には、第1ピン孔70aに対応する位置に、2つの第2ピン孔60bL、60bRが形成されている。第1ピン孔70aには、円柱状の第1切換ピン72が移動自在に挿入されている。また、一方(図3における左側)の第2ピン孔60bLには、第1切換ピン72と当接する円柱状の第2切換ピン74が移動自在に挿入されており、他方(図2における右側)の第2ピン孔60bRには、第1切換ピン72と当接する円柱状の第3切換ピン76が移動自在に挿入されている。
また、図3に示すように、各気筒には、それぞれ2個のリンクアーム78(もしくは80)、82が配置されている。より具体的には、#4気筒においては、第3切換ピン76に対向する位置に第1リンクアーム78が備えられているとともに、第2切換ピン74に対向する位置に第3リンクアーム82が備えられている。また、他の#1〜#3気筒においては、第3切換ピン76に対向する位置に第2リンクアーム80が備えられているとともに、第2切換ピン74に対向する位置に第3リンクアーム82が備えられている。このように、本実施形態では、3つの切換ピン72、74、76を両側から挟むように、第1リンクアーム78もしくは第2リンクアーム80と、第3リンクアーム82とが各気筒に配置されている。
図2およぶ図3に示すように、ロッカーシャフト62は、中空状に形成されている。ロッカーシャフト62の内部には、リンクシャフト84が挿入されている。リンクシャフト84は、#4気筒に配置される第1リンクアーム78と、#1〜#3気筒に配置される第2リンクアーム80と、#1〜#4の全気筒に配置される第3リンクアーム82とを、ロッカーシャフト62の軸方向に連動して変位可能とするために備えられたシャフトである。より具体的には、リンクシャフト84は、#4気筒に配置された第1リンクアーム78と#3気筒に配置された第2リンクアーム80と#3および#4気筒に配置された第3リンクアーム82とが取り付けられた第1リンクシャフト84aと、#1および#2気筒のそれぞれに配置された第2リンクアーム80および第3リンクアーム82が取り付けられた第2リンクシャフト84bとに分割されている。
そして、第1リンクシャフト84aと第2リンクシャフト84bとは、図3に示すように、ディレー機構86を介して連結されている。ディレー機構86は、後述の電磁ソレノイド90の動作に伴って全気筒のロッカーアーム58、60を連結状態から非連結状態に一括して切り換えるべく設けられた機構である。
ここで、図4を新たに加えて切換機構68についての説明を継続する。
図4は、図2に示す可変動弁装置34をカムシャフト52(ロッカーシャフト62)の軸方向(より具体的には、図2中の矢視Aの方向)から見た図である。
第2リンクアーム80に対する第1リンクアーム78の相違点は、次の通りである。すなわち、第1リンクアーム78のアーム部78aの先端には、カムシャフト52の周面(円柱部52a)に向けて突き出し可能な位置に突起部78bが設けられている。また、第1リンクアーム78におけるアーム部78aの反対側の端部には、後述するロックピン92により押圧される押圧面78cが設けられている。
また、図3および図4に示すように、リンクシャフト84およびそれが挿入されたロッカーシャフト62は、リンクアーム78、80、82の内部を貫通している。そして、各気筒のリンクアーム78、80、82は、圧入ピン87を用いて、第1リンクシャフト84a或いは第2リンクシャフト84bにおける軸方向位置が固定されている。
また、図2および図4に示すように、カムシャフト52において、第1リンクアーム78に設けられた突起部78bと対向する部位に設けられた円柱部52aには、周方向に延びる螺旋状のガイドレール88が形成されている。ここでは、ガイドレール88は、螺旋状の溝として形成されている。
更に、切換機構68は、突起部78bをガイドレール88に係合(挿入)させるための駆動力を発するアクチュエータとして、電磁ソレノイド90を備えている。電磁ソレノイド90は、ECU40からの指令に基づいてデューティ制御されるようになっている。電磁ソレノイド90と第1リンクアーム78の押圧面78cとの間には、ロックピン92が介在している。ロックピン92は、支持部材94によって径方向の移動が拘束されている。
また、ガイドレール88における螺旋の向きは、その内部に突起部78bが挿入された状態でカムシャフト52が図4に示す所定の回転方向に回転する場合に、第1リンクアーム78、当該第1リンクアーム78に連動するリンクシャフト84、および当該リンクシャフト84と連結された第2リンクアーム80および第3リンクアーム82を、図4における左方向に変位させられるように設定されている。より具体的には、この図4における左方向とは、各気筒のロッカーアーム58、60を連結状態から非連結状態とする際のリンクアーム78等およびリンクシャフト84の変位方向である。
また、可変動弁装置34は、リンクシャフト84の上記変位方向と逆方向に#3気筒の第3リンクアーム82(並びにこれに連結された第1リンクシャフト84aおよび#3および#4気筒の残りのリンクアーム78、80、82)を付勢する第1リターンスプリング96と、同じくリンクシャフト84の上記変位方向と逆方向に#2気筒の第3リンクアーム82(並びにこれに連結された第2リンクシャフト84bおよび#1および#2気筒の残りのリンクアーム80、82)を付勢する第2リターンスプリング98とを備えている。より具体的には、第1リターンスプリング96は、ロッカーシャフト62を回転自在に支持する静止部材(例えばカムキャリア)100と#4気筒の第3リンクアーム82との間に介在しており、第2リターンスプリング98は、上記静止部材100と#2気筒の第3リンクアーム82との間に介在している。これらのリターンスプリング96、98は、実装された状態において、上記付勢方向に第3リンクアーム82をそれぞれ常時付勢するように設定されている。
可変動弁装置34では、ロックピン92によって第1リンクアーム78が押されていない場合に、ロッカーシャフト62の軸方向における第1リンクアーム78の突起部78bの位置が、カムシャフト52の軸方向におけるガイドレール88の始端88aの位置と一致するように設定されている。この場合のロッカーシャフト62の軸方向における第1リンクアーム78の位置を、ここでは「第1制御位置」と称する。そして、第1リンクアーム78がこの第1制御位置にある時に、第1切換ピン72がピン孔70a、60bRの双方に挿入され、かつ第2切換ピン74がピン孔70a、60bLの双方に挿入された状態となり、これにより、各気筒のロッカーアーム58、60が上記連結状態となるように設定されている。
また、可変動弁装置34では、ロックピン92に押されることによってガイドレール88と係合した突起部78bがガイドレール88の終端88bに達した場合の、ロッカーシャフト62の軸方向における第1リンクアーム78の位置を、ここでは「第2制御装置」と称する。第1リンクアーム78がこの第2制御位置にある時に、図3に示すように、各気筒の切換ピン72、74、76がそれぞれ第1ピン孔70aおよび第2ピン孔60bL、60bRのみに挿入された状態となり、これにより、各気筒のロッカーアーム58、60が上記非連結状態となるように設定されている。
また、ガイドレール88には、図4に示すように、第1リンクアーム78が上記第2制御位置に達した後における終端88b側の所定区間として、カムシャフト52の回転に伴ってガイドレール88の溝が徐々に浅くなる浅底部88cが設けられている。また、第1リンクアーム78には、押圧面78cの一部を切り欠いて凹状に形成された溝部(切欠部)78dが設けられている。押圧面78cは、第1リンクアーム78が第1制御位置から第2制御位置に変位する間、第1リンクアーム78と電磁ソレノイド90との間に介在するロックピン92と接触する状態が維持されるように設けられている。そして、溝部78dは、第1リンクアーム78が上記第2制御位置に位置している状態において、上記浅底部88cの作用によって突起部78bが円柱部52aの表面に取り出された時に、ロックピン92と係合可能な部位に設けられている。そして、上記溝部78dは、突起部78bがガイドレール88に挿入される方向に第1リンクアーム78が回転するのを規制可能であって、第1リンクアーム78が第1制御位置に向けて移動するのを規制可能な態様で、ロックピン92と係合するように形成されている。
以上説明したように、切換ピン72、74、76、第1リンクアーム78、第2リンクアーム80、第3リンクアーム82、リンクシャフト84(84a、84b)、ディレー機構86、圧入ピン87、ガイドレール88、および、ECU40により通電が制御される電磁ソレノイド90によって、上記切換機構68が構成されている。
(可変動弁装置の基本動作)
以上の構成を有する本実施形態の可変動弁装置34は、電磁ソレノイド90への通電がOFFとされた状態では、第1リンクアーム78の突起部78bがガイドレール88から離れ、かつ、第1リンクアーム78がリターンスプリング96、98の付勢力を受けて第1制御位置に位置するように構成されている。この状態では、第1ロッカーアーム58と第2ロッカーアーム60とが切換ピン72、74を介して連結された状態となる。その結果、主カム54の作用力が第1ロッカーアーム58から第2ロッカーアーム60を介して双方のバルブ30に伝達される弁稼動状態となる。
以下、本明細書中においては、バルブ30の動作状態を弁稼動状態から閉弁停止状態に切り換える制御を「弁停止制御」と称する。弁停止制御は、例えば、内燃機関10のフューエルカット要求等の所定の弁停止制御の実行要求がECU40によって検知された際に行われる。弁停止制御の実行要求が検知されると、電磁ソレノイド90への通電が行われる。本実施形態の可変動弁装置34は、電磁ソレノイド90への通電が行われた場合には、ロックピン92によって押された第1リンクアーム78がロッカーシャフト62の軸周りに回転することで突起部78bがガイドレール88と係合し、その結果として第1リンクアーム78が第2制御位置に向けて変位するように構成されている。そして、電磁ソレノイド90への通電が継続されている間は、第1リンクアーム78の溝部78dとロックピン92とが係合することによって、突起部78bがカムシャフト52から離れ、かつ、リターンスプリング96、98の付勢力が受け止められている状態で、第1リンクアーム78が第2制御位置において保持されるように構成されている。この状態(図3に示す状態)では、第1ロッカーアーム58と第2ロッカーアーム60とが非連結とされた状態となる。その結果、主カム54の回転に関係なく、第2ロッカーアーム60が静止した状態となるので、バルブ30の動作状態が閉弁停止状態となる。尚、弁停止制御の実行時には、ディレー機構86が、#3および#4気筒に関する主カム54の共通ベース円期間の到来中に第1リンクシャフト84aが図3に示す左方向に先行して変位し、その後に、#1および#2気筒に関する主カム54のベース円期間の到来中に第2リンクシャフト84bが遅れて変位するように作用する。
ここで、上記閉弁停止状態を保持するための上記動作について詳述する。
第1リンクアーム78が第2制御位置に達すると、ガイドレール88の浅底部88cの作用によって、第1リンクアーム78がカムシャフト52(ガイドレール88)から離れる方向に回転させられるようになる。そして、電磁ソレノイド90によって駆動され続けているロックピン92が溝部78dに一致するようになるまで第1リンクアーム78が更に回転すると、ロックピン92と当接する第1リンクアーム78側の部位が押圧面78cから溝部78dへと切り換わる。その結果、ロックピン92が溝部78dと係合することで、第1リンクアーム78は、上記のように、突起部78bがカムシャフト52から離れた状態で、かつ、ロックピン92によってリターンスプリング96、98の付勢力が受け止められている状態で保持されるようになる。これにより、第1ロッカーアーム58と第2ロッカーアーム60とが非連結とされた状態、すなわち、閉弁停止状態が維持されるようになる。
次に、閉弁停止状態から弁稼動状態に戻すための弁復帰動作は、例えば、フューエルカットからの復帰要求等の所定の弁復帰動作の実行要求がECU40によって検知された際に行われる。このような弁復帰動作は、所定のタイミングで電磁ソレノイド90への通電をOFFとすることで開始される。電磁ソレノイド90への通電がOFFとされると、第1リンクアーム78の溝部78dとロックピン92との係合が解かれることになる。その結果、リターンスプリング96、98の付勢力に抗して切換ピン72、74をそれぞれピン孔70a、60bL内に留めておく力が消滅することになる。これにより、リターンスプリング96、98の付勢力によって切換ピン72、74が移動し、第1ロッカーアーム58と第2ロッカーアーム60とが切換ピン72、74を介して連結された状態、すなわち、弁稼働状態に復帰することになる。尚、リターンスプリング96、98の付勢力によって切換ピン72、74が移動するのに伴って、切換ピン76を介して、第1リンクアーム78が第2制御位置から第1制御位置に戻されるようになる。
以上説明したように、本実施形態の可変動弁装置34(排気側の可変動弁装置36も同様)によれば、電磁ソレノイド90への通電のON、OFFを切り換えることにより、切換ピン72等を変位させるリンクアーム78、80、82、およびリンクシャフト84を利用して、全気筒のバルブ30(32)の動作状態を一括して弁稼動状態と閉弁停止状態との間で切り換えることができる。
(閉弁停止状態の保持動作時の課題)
図5は、閉弁停止状態の保持動作時にロックピン92に作用する力を説明するための模式図である。より具体的には、図5は、図4中の矢視Bの方向から見た図である。
この保持動作時には、図5に示すように、リターンスプリング96、98が発する付勢力(スプリング反力)が第1リンクアーム78を介してロックピン92に作用することになる。より詳細に説明すると、この際、第1リンクアーム78の溝部78dとロックピン92との係合部には、リターンスプリング96、98のスプリング荷重がすべて作用することになる。尚、ロックピン92は、電磁ソレノイド90への通電がONからOFFに切り換えられた際に、ロックピンスプリング92aの付勢力によって引っ込められるように構成されている。
その結果、上記保持動作時に内燃機関10に生ずる振動等によって溝部78dとロックピン92の係合部には摩擦力が発生し、この係合部に摩耗が生じ易くなる。そこで、本実施形態では、ロックピン92と溝部78dとの係合を利用した構成とは別に、閉弁停止状態を保持すべく第1リンクアーム78を第2制御位置で保持する保持機構102を備えるようにした。
図6は、図3に示す保持機構102の詳細な構造を説明するための拡大図である。より具体的には、図6(A)における第1リンクシャフト84aの位置は、第1リンクアーム78が第1制御位置にある時(すなわち、バルブ30の動作状態が弁稼働状態となる時)の位置であり、図6(B)における第1リンクシャフト84aの位置は、第1リンクアーム78が第2制御位置にある時(すなわち、バルブ30の動作状態が閉弁停止状態となる時)の位置である。
図6に示すように、第1リンクシャフト84aの#4気筒側の端部付近においては、ロッカーシャフト62の内周部には、めねじ部62aが形成されている。また、ロッカーシャフト62の内部には、このめねじ部62aに噛み合わされるおねじ部104aを有する円筒状のアジャストスクリュー104が内蔵されている。アジャストスクリュー104には、電動モータ106の出力軸106aが固定されている。
上記のように、保持機構102は、ロッカーシャフト62の内周部に噛み合わされるアジャストスクリュー104と、アジャストスクリュー104を回転駆動する電動モータ106とを備えている。このような構成によれば、電動モータ106を任意の回転方向に駆動することにより、ロッカーシャフト62の軸方向におけるアジャストスクリュー104の位置を調整することができる。
保持機構102によれば、図6(A)に示す弁稼働状態において、第1リンクシャフト84aと接触するアジャストスクリュー104の軸方向位置を調整することにより、ガイドレール88に対する第1リンクアーム78の位置調整を行えるようになる。このように、アジャストスクリュー104は、基本的に、第1リンクアーム78が第1制御位置にある時に、第1リンクシャフト84aに接触するように位置調整されるものである。
そのうえで、図6(B)に示すように、閉弁停止状態を実現すべく第1リンクアーム78が第2制御位置にある時に、第1リンクシャフト84aと接触するようにアジャストスクリュー104を変位させることにより、ロックピン92と溝部78dとの係合を利用しなくても、アジャストスクリュー104によって、第1リンクシャフト84aを介して第1リンクアーム78を第2制御位置に保持することが可能となる。
そこで、本実施形態では、弁停止制御(フューエルカット制御)の実行中に、当該弁停止制御が長時間に渡って継続されると判断した場合には、第1リンクアーム78を第2制御位置で保持する動作を、ロックピン92と溝部78dとを利用した構成による動作から、保持機構102を用いた動作に切り換えるようにした。
図7は、上記の機能を実現するために、本実施の形態1においてECU40が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、弁停止制御(フューエルカット制御)の実行要求が検知された場合に起動されるものとする。
図7に示すルーチンでは、先ず、電磁ソレノイド90への通電が開始されることにより、弁停止制御が実行される(ステップ100)。これにより、バルブ30の動作状態が閉弁停止状態に切り換えられる。
次に、弁停止制御(フューエルカット制御)からの復帰要求があるか否かが判定される(ステップ102)。その結果、弁停止制御からの復帰要求が検知されない場合には、電磁ソレノイド90への通電が継続されることによって、ロックピン92と溝部78dとの係合(通常保持)を利用して、閉弁停止状態の保持動作が実行される(ステップ104)。尚、上記復帰要求が検知された場合には、電磁ソレノイド90への通電がOFFとされ、バルブ30の動作状態が弁稼働状態に戻される。
次に、ナビゲーション装置46により得られる車両の走行路情報に基づいて、長距離の下り坂が長く続く状況であるか否かが判定される(ステップ106)。その結果、本ステップ106の判定が成立すると判定された場合、つまり、弁停止制御(フューエルカット制御)が所定時間よりも長く続く状況であると判断できる場合には、ロックピン92と溝部78dとの係合を利用した保持動作から、保持機構102を利用した保持動作に切り換えられる(ステップ108)。より具体的には、本ステップ108では、電動モータ106を駆動して上記図6(B)に示す位置となるようにアジャストスクリュー104を変位させたうえで、電磁ソレノイド90への通電がOFFとされる。尚、上記ステップ106では、上記の手法に代え或いはそれとともに、ナビゲーション装置46を用いて、例えば、下り坂の勾配がある閾値よりも高いか否かを判定し、弁停止制御(フューエルカット制御)が所定時間よりも長く続く状況であるか否かを判断してもよい。
また、上記ステップ106の判定が不成立であると判定された場合には、次いで、高圧バッテリー48の残量が所定値よりも多いか否かに基づいて、HV協調制御(車両駆動用モータ12を用いたEV走行)が長く続く状況であるか否かが判定される(ステップ110)。その結果、本ステップ110の判定が成立すると判定された場合、つまり、弁停止制御(フューエルカット制御)が所定時間よりも長く続く状況であると判断できる場合には、上記ステップ108において、保持機構102を利用した保持動作に切り換えられる。一方、本ステップ110の判定が不成立であると判定された場合には、ロックピン92と溝部78dとの係合(通常保持)を利用した保持動作が継続される(ステップ112)。
以上説明したように、本実施形態の可変動弁装置34、36は、ロックピン92と溝部78dとの係合を利用した構成とは別に、閉弁停止状態を保持すべく第1リンクアーム78を第2制御位置で保持する保持機構102を備えている。この保持機構102によれば、ロックピン92と溝部78dとが接触しないようにしつつ、第1リンクアーム78を第2制御位置で保持することができる。このため、弁停止制御の実行中および弁停止制御からの復帰時においてロックピン92が溝部78dから引き抜かれる際に、ロックピン92と溝部78dとの係合部に摩耗が生ずるのを防止することができる。
また、保持機構102の構成によれば、第2制御位置にある第1リンクシャフト84aに接触するようにアジャストスクリュー104を変位させた後には、電動モータ106に電力を供給する必要がなくなる。このため、保持動作のために電磁ソレノイド90への通電継続を必要とする、ロックピン92と溝部78dを用いた保持動作と比べ、保持動作時の消費電力の低減を図ることもできる。
また、以上説明した図7に示すルーチンによれば、弁停止制御(フューエルカット制御)が所定時間よりも長く続く状況であると判断できる場合には、ロックピン92と溝部78dとの係合を利用した保持動作から、保持機構102を利用した保持動作に切り換えられる。これにより、弁停止制御が長く続く状況である場合に、内燃機関10に生ずる振動等によって、ロックピン92と溝部78dとの係合部が摩耗するのを防止することができる。また、上述したように、保持動作のための消費電力を低減することもできる。その一方で、弁停止制御からの復帰動作としては、ロックピン92と溝部78dとが係合する状態を電磁ソレノイド90への通電のOFFにより解除する場合の方が、保持機構102による保持動作を解除する場合よりも応答性が良くなる。このため、上記ルーチンの制御のように、弁停止制御がそれほど長く続かないと判断できる場合にはロックピン92と溝部78dを用いた保持動作を継続することで、弁停止制御からの復帰動作の応答性を良好に確保することができる。これにより、内燃機関10のドライバビリティを確保することができる。また、復帰動作に遅れが生じた場合には、触媒38に酸素濃度の高い新気が流入してしまい、触媒38が高温である場合には触媒38に劣化が生ずることが懸念されるが、上記ルーチンの制御によれば、弁停止制御がそれほど長く続かないと判断できる場合に触媒38の劣化抑制を十分に図ることもできる。
尚、上述した実施の形態1においては、第1ロッカーアーム58および第2ロッカーアーム60が前記第1の発明における「伝達部材」に、弁稼動状態が前記第1の発明における「第1制御状態」に、閉弁停止状態が前記第1の発明における「第2制御状態」に、第1リンクアーム78が前記第1の発明における「変位部材」に、ロックピン92が前記第1の発明における「可動子」に、第1リターンスプリング96および第2リターンスプリング98が前記第1の発明における「付勢手段」に、それぞれ相当している。
また、ECU40が、上記ステップ106または110の処理を実行することにより前記第2の発明における「閉弁停止期間判定手段」が、上記ステップ108の処理を実行することにより前記第2の発明における「第1保持動作切換手段」が、それぞれ実現されている。
また、アジャストスクリュー104が前記第6の発明における「調整部材」に相当しているとともに、ECU40が上記ステップ108において電動モータ106を制御することにより前記第6の発明における「調整部材駆動手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、図1乃至図5に示すハードウェア構成を用いて、ECU40に後述の図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
既述したように、保持機構102による保持動作が行われている状態から弁稼働状態に復帰させるようにすると、ロックピン92と溝部78dとが係合した状態から電磁ソレノイド90への通電をOFFとすることによって復帰させる場合と比べ、復帰動作の応答性が低下してしまうことが懸念される。
そこで、本実施形態では、保持機構102を用いた保持動作中において、弁停止制御(フューエルカット制御)からの復帰要求が予測できる場合には、復帰動作の実行に先立って、保持機構102を用いた保持動作から、ロックピン92と溝部78dとの係合を利用した保持動作に切り換える(戻す)ようにした。
図8は、上記の機能を実現するために、本実施の形態2においてECU40が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、上記図7に示す制御ルーチンと並行して実行するのに好適なものである。
図8に示すルーチンでは、先ず、保持機構102を用いた保持動作の継続中であるか否かが判定される(ステップ200)。
上記ステップ200において、保持機構102を用いた保持動作の継続中であると判定された場合には、次いで、ナビゲーション装置46により得られる車両の走行路情報に基づいて、長距離の下り坂がまもなく終了すると予測される状況であるか否かが判定される(ステップ202)。その結果、本ステップ202の判定が成立すると判定された場合、つまり、内燃機関10の運転再開のために弁停止制御(フューエルカット制御)からの復帰要求がまもなく出されるであろうと予測できる場合には、復帰動作の実行に先立って、保持機構102を用いた保持動作から、ロックピン92と溝部78dとの係合を利用した保持動作に切り換えられる(戻される)(ステップ204)。より具体的には、本ステップ204では、電磁ソレノイド90への通電を再開したうえで、電動モータ106を駆動して上記図6(A)に示す位置となるようにアジャストスクリュー104が変位させられる。尚、上記ステップ202では、上記の手法に代え或いはそれとともに、ナビゲーション装置46を用いて、例えば、下り坂の勾配がある閾値以下に低くなったか否かを判定することによって、弁停止制御(フューエルカット制御)からの復帰要求を予測してもよい。
また、上記ステップ202の判定が不成立であると判定された場合には、次いで、EV走行時における高圧バッテリー48の残量が所定値よりも低いか否かが判定される(ステップ206)。その結果、本ステップ206の判定が成立すると判定された場合、つまり、EV走行を終了して内燃機関10の運転を再開するために弁停止制御(フューエルカット制御)からの復帰要求がまもなく出されるであろうと予測できる場合には、上記ステップ204において、ロックピン92と溝部78dとの係合を利用した保持動作に切り換えられる(戻される)。一方、本ステップ206における判定が不成立であると判定された場合には、保持機構102を用いた保持動作が継続される(ステップ208)。
以上説明した図8に示すルーチンによれば、保持機構102を用いた保持動作中において、弁停止制御(フューエルカット制御)からの復帰要求が予測できる場合には、復帰動作の実行に先立って、保持機構102を用いた保持動作から、ロックピン92と溝部78dとの係合を利用した保持動作に切り換えられる(戻される)。これにより、その後に実際に弁停止制御からの復帰要求が出された際に、復帰動作に高い応答性を確保することができる。このため、内燃機関10のドライバビリティを確保することができ、また、触媒38への新気流入を防止し、触媒38の劣化抑制を図ることもできる。
ところで、上述した実施の形態2においては、上記ステップ202または206の処理を実行することにより、弁停止制御(フューエルカット制御)からの復帰要求の予測を行うようにしている。しかしながら、本発明における弁復帰予測手段は、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、弁停止制御(フューエルカット制御)の実行中にアクセル開度が所定値よりも大きくなった場合に、まもなく復帰要求が出されるであろうと予測するものであってもよい。
尚、上述した実施の形態2においては、ECU40が、上記ステップ202または206の処理を実行することにより前記第3の発明における「弁復帰予測手段」が、上記ステップ204の処理を実行することにより前記第3の発明における「第2保持動作切換手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
次に、図9を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態の可変動弁装置110は、上述した実施の形態1等の可変動弁装置34、36に対し、保持機構112の構成が上記保持機構102の構成と異なる点を除いて同様の構成されているものとする。
図9は、本発明の実施の形態3における保持機構112の詳細な構造を説明するための図である。尚、図9において、上記図6に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図9に示すように、本実施形態のロッカーシャフト114における#4気筒側の端部には、ロッカーシャフト114の内壁とリフター116により区画された油圧室118が形成されている。油圧室118には、油圧通路120を用いて所定の油圧源から油圧が供給されるようになっている。また、油圧通路120の途中には、油圧室118に供給する油圧を調整するためのオイルコントロールバルブ(OCV)122が設置されている。OCV122は、ECU40に接続されている。尚、ロッカーシャフト114の内壁とリフター116との間には、油圧室118内のオイルが第1リンクシャフト84a側に漏れ出ないようにするシール性が確保されている。
以上説明したリフター116、油圧室118、油圧通路120およびOCV122によって、本実施形態の保持機構112が実現されている。このような構成を有する保持機構112によれば、第1リンクアーム78が第2制御位置にある時に、OCV122を制御することによって、リターンスプリング96、98の付勢力を受け止められる程度に油圧室118の油圧を高めることで、ロックピン92と溝部78dとが接触しないようにしつつ、第1リンクシャフト84aを介して第1リンクアーム78を第2制御位置に保持することができる。このため、この保持機構112の構成によっても、弁停止制御の実行中および弁停止制御からの復帰時においてロックピン92が溝部78dから引き抜かれる際に、ロックピン92と溝部78dとの係合部に摩耗が生ずるのを防止することができる。
ところで、本発明における保持機構の構成は、上述した保持機構102または112の構成に代え、以下のようなものであってもよい。すなわち、例えば、#4気筒側のロッカーシャフト62の端部に、第1リンクシャフト84aに向けて突き出し可能な可動子を有する電磁ソレノイドを備えるようにする。そして、第1リンクアーム78が第2制御位置にある時に、リターンスプリング96、98の付勢力を受け止められるように上記電磁ソレノイドへの通電をONとして、第1リンクシャフト84aを支持するものであってもよい。
また、本発明における保持機構は、例えば、以下のようなものであってもよい。すなわち、例えば、#4気筒側のロッカーシャフト62の端部付近に電動モータを配置する。そして、この電動モータの出力軸の回転運転を、ギヤ機構を用いるなどしてストッパーの直線運動に変化させるようにする。そのうえで、第1リンクアーム78が第2制御位置にある時に、上記電動モータを駆動することにより、リターンスプリング96、98の付勢力をストッパーにより受け止めるようにし、第1リンクシャフト84aを支持するものであってもよい。更には、本発明における保持機構は、変位部材の制御位置を機械的に保持するものであれば、上述した構成に限られるものではない。
ところで、上述した実施の形態1乃至3においては、本発明における変位部材である第1リンクアームが、ロッカーアーム58、60を支持するためのロッカーシャフト62等によって軸方向の移動自在に支持された構成を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明における変位部材を支持部材により支持する構造は、上記のロッカーシャフト62等に限られない。すなわち、例えば、上記変位部材として機能する部材が軸部を有し、上記支持部材がこの軸部を支持する軸受部を有するものであってもよい。
また、上述した実施の形態1乃至3においては、副カム56がゼロリフトカムとして構成されている例について説明を行ったが、本発明における副カムは、ゼロリフトカムに限られない。すなわち、例えば上記可変動弁装置34、36の構成の場合には、主カム54よりも小さなリフトが得られるようにするノーズ部を備える副カムであってもよい。このような副カムを備える構成によれば、バルブのリフト量(およびまたは作用角)を主カムおよび副カムによって2段階に切り換えることが可能となる。
10 内燃機関
12 車両駆動用モータ
16 燃焼室
18 吸気通路
20 排気通路
30 吸気弁
32 排気弁
34 吸気可変動弁装置
36 排気可変動弁装置
38 触媒
40 ECU(Electronic Control Unit)
46 ナビゲーション装置
48 高圧バッテリー
52 カムシャフト
54 主カム
56 副カム
58 第1ロッカーアーム
60 第2ロッカーアーム
60bL、60bR 第2ピン孔
62、114 ロッカーシャフト
62a めねじ部
68 切換機構
70a 第1ピン孔
72 第1切換ピン
74 第2切換ピン
76 第3切換ピン
78 第1リンクアーム
78a アーム部
78b 突起部
78c 押圧面
78d 溝部
80 第2リンクアーム
82 第3リンクアーム
84 リンクシャフト
84a 第1リンクシャフト
84b 第2リンクシャフト
86 ディレー機構
87 圧入ピン
88 ガイドレール
88a 始端
88b 終端
88c 浅底部
90 電磁ソレノイド
92 ロックピン
92a ロックピンスプリング
94 支持部材
96 第1リターンスプリング
98 第2リターンスプリング
102、112 保持機構
104 アジャストスクリュー
104a おねじ部
106 電動モータ
106a 出力軸
110 可変動弁装置
116 リフター
118 油圧室
120 油圧通路
122 オイルコントロールバルブ

Claims (6)

  1. カムとバルブとの間に配置され、前記カムの作用力を前記バルブに伝達する伝達部材と、
    前記カムが設けられたカムシャフトと、
    前記カムシャフトの周面に向けて突き出し可能な位置に設けられた突起部を有し、所定の支持部材に支持された状態で第1制御位置と第2制御位置との間で変位することにより前記伝達部材の動作状態を第1制御状態と第2制御状態との間で切り換える変位部材と、
    前記突起部と対向する位置において前記カムシャフトに設けられ、前記突起部との係合時に前記変位部材を前記第1制御位置から前記第2制御位置に向けて案内するガイドレールと、
    前記突起部を前記ガイドレールに係合させるべく前記変位部材を押動する可動子と、
    前記可動子に駆動力を付与するアクチュエータと、
    前記変位部材が前記ガイドレールにより案内される方向と逆方向に前記変位部材を付勢する付勢手段と、
    を備え、
    前記変位部材は、前記変位部材が前記第2制御位置にある状態において、前記アクチュエータから継続的に駆動力を受ける前記可動子と係合可能な溝部を含み、
    前記可動子と前記溝部とが係合した状態で前記変位部材が前記第2制御位置で保持されるように構成されており、
    前記可動子と前記溝部との係合を利用して前記変位部材を前記第2制御位置で保持する構成とは別に、前記変位部材を前記第2制御位置で保持する保持機構を更に備えることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記内燃機関の可変動弁装置は、前記伝達部材の動作状態が前記第1制御状態である場合に前記バルブの動作状態が弁稼動状態となり、前記伝達部材の動作状態が前記第2制御状態である場合に前記バルブの動作状態が閉弁停止状態となるように構成された可変動弁装置であって、
    前記閉弁停止状態が所定時間よりも長く続く状況であるか否かを判定する閉弁停止期間判定手段と、
    前記閉弁停止状態が前記所定時間よりも長く続く状況であると判定された場合に、前記変位部材を前記第2制御位置で保持する動作を、前記可動子と前記溝部とを用いた動作から前記保持機構を用いた動作に切り換える第1保持動作切換手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置の制御装置。
  3. 前記閉弁停止状態から前記弁稼動状態への復帰要求を予測する弁復帰予測手段と、
    前記弁稼動状態への前記復帰要求が予測された場合に、前記変位部材を前記第2制御位置で保持する動作を、前記保持機構を用いた動作から前記可動子と前記溝部とを用いた動作に切り換える第2保持動作切換手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置の制御装置。
  4. 前記内燃機関は、地図上の車両位置を検出可能なナビゲーション装置を備える車両に搭載されたものであって、
    前記閉弁停止期間判定手段は、前記ナビゲーション装置により得られる前記車両の走行路情報に基づいて、前記閉弁停止状態が所定時間よりも長く続く状況であるか否かを判定する手段であることを特徴とする請求項2または3記載の内燃機関の可変動弁装置の制御装置。
  5. 前記内燃機関は、当該内燃機関とともに電動モータを動力源として備えるハイブリッド車両に搭載されたものであって、
    前記閉弁停止期間判定手段は、前記電動モータに電力を供給するバッテリーの残量が所定値よりも多い場合に、前記閉弁停止状態が所定時間よりも長く続く状況であると判定することを特徴とする請求項2または3記載の内燃機関の可変動弁装置の制御装置。
  6. 前記保持機構は、
    前記支持部材に対する前記変位部材の制御位置を調整する調整部材と、
    前記第2制御位置にある前記変位部材に対して前記調整部材が接触するように、前記調整部材を駆動する調整部材駆動手段と、を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
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