JP2008101484A - 可変動弁装置 - Google Patents

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Toshiyuki Maehara
利之 前原
Shuichi Ezaki
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Abstract

【課題】この発明は、可変動弁装置に関し、両弁可変状態と片弁可変状態とを切り換える切換機構の耐久性を向上することを目的とする。
【解決手段】内燃機関の各気筒の同種の第1バルブおよび第2バルブの双方の開弁量を可変とする両弁可変状態と、第1バルブの開弁量を可変とし、第2バルブの開弁量を固定とする片弁可変状態とを切り換え可能な動弁機構を備えた可変動弁装置において、動弁機構が片弁可変状態にあるときに内燃機関が停止した場合には、片弁可変状態から両弁可変状態への切り換えを抑制する。これにより、両弁可変状態と片弁可変状態との切換動作の実行頻度を低減することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、可変動弁装置に係り、特に、バルブの開弁量を機械的に変更可能な可変動弁装置に関する。
従来、例えば、特許文献1に記載されるように、内燃機関の運転状況に応じてバルブのリフト量や作用角を機械的に変更する可変動弁装置が知られている。
特許文献1に記載される可変動弁装置では、カム軸に2つの回転カムが配置され、同一気筒に配置された2つの吸気バルブのうち、第1吸気バルブは第1回転カムによって開閉駆動され、第2吸気バルブは第2回転カムによって開閉駆動されるようになっている。そして、第1回転カムと第1吸気バルブとの間、および第2回転カムと第2吸気バルブとの間には、それぞれ四節リンク機構から構成される可変動弁伝達機構が配置されている。
上記可変動弁装置の四節リンク機構は、回転カムに当接する入力部を有する入力アーム、入力アームに揺動可能に連結される伝達アーム、伝達アームと揺動可能に連結されるとともに回転制御軸周りに揺動可能とされ、回転カムから伝達される駆動力を吸気バルブの開閉を行う出力部へ伝達する揺動アーム、および、回転制御軸を回転中心として回転駆動するとともに、入力アームと揺動可能に連結されるコントロールアーム、から構成されている。四節リンク機構の姿勢を制御して回転カムと入力部との相対位置を変更することで、吸気バルブの作用角およびリフト量を機械的に変更することができる。
また、上記可変動弁装置には、第1吸気バルブに係る四節リンク機構(第1リンク機構)と第2吸気バルブに係る四節リンク機構(第2リンク機構)とを連結する連結機構と、連結解除時に第2リンク機構の姿勢を第2吸気バルブの作用角が最大値になる姿勢に保持するための機構とが設けられている。連結機構は、各四節リンク機構のコントロールアームに形成された貫通穴と、貫通穴内に挿入される連結ピンとから構成されている。また、連結解除時に第2リンク機構の姿勢を保持する機構は、固定プレートに形成された貫通穴と、第2リンク機構のコントロールアーム(第2コントロールアーム)に形成された貫通穴と、前記の連結ピンとから構成されている。
連結ピンは、常に第2コントロールアームの貫通穴に係合しており、第2コントロールアームの貫通穴に係合したまま、第1リンク機構のコントロールアーム(第1コントロールアーム)側にも、固定プレート側にも移動できるようになっている。連結ピンが第1コントロールアーム側に移動し、第1コントロールアームの貫通穴に挿入されることで、第2コントロールアームは第1コントロールアームと連結ピンを介して連結される。コントロールアーム同士が連結されることで、第1リンク機構と第2リンク機構とは常に同一の姿勢をとることになる。したがって、この場合は、第1バルブと第2バルブとを同一の開弁量に制御することができる。
逆に、連結ピンが固定プレート側に移動し、固定プレートの貫通穴に挿入されることで、第2コントロールアームは固定プレートと連結ピンを介して連結される。第2コントロールアームと固定プレートが連結されることで、第2リンク機構の姿勢は一定の姿勢に固定されることになる。この場合は、第1リンク機構の姿勢を制御して回転カムと入力部との相対位置を変更することで、第2バルブの開弁量を固定した状態で、第1バルブの開弁量のみを機械的に変更することができる。
つまり、上記可変動弁装置によれば、第1吸気バルブと第2吸気バルブの開弁量を同一とする場合と、第1吸気バルブと第2吸気バルブの開弁量を相違させる場合とを選択的に実行することができる。これにより、第1吸気バルブと第2吸気バルブとの開弁量、特に各バルブのリフト量を相違させることによって、吸入流量を相違させ、燃焼室内においてスワール(旋回流)を発生させることが可能となり、燃焼室内における燃焼の安定化を図ることが可能となる。
特開2004−100555号公報
上述したように、上記可変動弁装置によれば、第1および第2吸気バルブの双方の開弁量を共に変化させ得る両弁可変状態と、第2吸気バルブの開弁量を固定して第1吸気バルブのみの開弁量を変化させる片弁可変状態との切り換えが可能である。両弁可変状態から片弁可変状態へ切り換える際には、第1コントロールアームのピン穴から連結ピンを抜く動作と、固定プレートのピン穴に連結ピンを挿入する動作の2つの動作が必要となる。また、片弁可変状態から両弁可変状態へ切り換える際には、固定プレートのピン穴から連結ピンを抜く動作と、第1コントロールアームのピン穴に連結ピンを挿入する動作の2つの動作が必要となる。
そして、上記のような可変動弁装置では、内燃機関の運転状態(機関回転速度、負荷等)に応じて、両弁可変状態と片弁可変状態との切り換えが行われる。
しかしながら、両弁可変状態と片弁可変状態との切り換えが頻繁に行われると、切換機構を構成する上記の連結ピンやピン穴の摩耗が早期に進行してしまい、切換機構の耐久性に悪影響を及ぼし易い。また、切り換えが頻繁に行われると、切換動作に失敗する可能性も出てくる。万一、切換動作に失敗した場合には、本来の開弁特性が得られないため、燃費やドライバビリティの観点で所期の性能を発揮することができなくなってしまう。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、両弁可変状態と片弁可変状態とを切り換え可能な可変動弁装置において、切換機構の耐久性の向上が図れる可変動弁装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、可変動弁装置であって、
内燃機関の各気筒の同種の第1バルブおよび第2バルブの双方の開弁量を可変とする両弁可変状態と、前記第1バルブの開弁量を可変とし、前記第2バルブの開弁量を固定とする片弁可変状態とを切り換え可能な動弁機構と、
前記動弁機構が前記片弁可変状態にあるときに前記内燃機関が停止した場合に、前記片弁可変状態から前記両弁可変状態への切り換えを抑制する切り換え抑制手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記両弁可変状態と前記片弁可変状態とを切り換える指令が前回出されたときから現在までの経過時間または前記切り換え抑制手段による切り換え抑制の回数を取得する取得手段と、
前記経過時間または前記切り換え抑制の回数が所定値を超えた場合には、前記切り換え抑制手段による切り換え抑制を一時的に禁止する禁止手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記内燃機関は、シリーズパラレルハイブリッド車両またはシリーズハイブリッド車両に搭載されたものであり、前記車両の稼動中に自動停止および自動再始動がなされるものであることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記動弁機構は、
前記第2バルブを可変開弁量で駆動可能な可変動弁機構と、
前記第2バルブを固定開弁量で駆動可能な固定動弁機構と、
連結ピンを相手側部材に形成されたピン穴に挿入した連結状態と、前記連結ピンを前記ピン穴から抜去した非連結状態とを切り換えることにより、前記第2バルブの連動先を前記可変動弁機構と前記固定動弁機構との間で切り換える切換機構と、
を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、両弁可変状態と片弁可変状態とを切り換え可能な動弁機構を備えた可変動弁装置において、動弁機構が片弁可変状態にあるときに内燃機関が停止した場合に、片弁可変状態から両弁可変状態への切り換えを抑制することができる。このため、両弁可変状態と片弁可変状態との切換動作の実行頻度を少なくすることができるので、切換機構の構成部材の摩耗等を抑制することができ、切換機構の耐久性を向上することができる。
第2の発明によれば、両弁可変状態と片弁可変状態とを切り換える指令が前回出されたときから現在までの経過時間または切り換え抑制の回数が所定値を超えた場合には、内燃機関停止時の切り換え抑制を一時的に禁止することができる。これにより、切換動作が長時間実行されない事態が生ずることを確実に防止することができるので、切換機構の動作性をより確実に確保することができ、トラブルの発生を未然に防止することができる。
第3の発明によれば、シリーズパラレルハイブリッド車両またはシリーズハイブリッド車両に搭載された内燃機関であって、車両の稼動中に自動停止および自動再始動がなされる内燃機関において、上記効果を得ることができる。このような内燃機関は、自動停止直前や自動再始動直後に片弁可変状態になっていることが多い。このため、内燃機関停止時に両弁可変状態から片弁可変状態への切り換えを抑制することにより、機関停止前から再始動後に渡って片弁可変状態を維持することができるので、切換動作の実行頻度を特に少なくすることができる。よって、第3の発明によれば、切換機構の耐久性を更に向上することができる。
第4の発明によれば、連結ピンを相手側部材に形成されたピン穴に挿入した連結状態と、連結ピンをピン穴から抜去した非連結状態とを切り換えることにより、第2バルブの連動先を可変動弁機構と固定動弁機構との間で切り換える切換機構を備える場合において、上記効果を奏することができる。すなわち、上記切換機構が両弁可変状態と片弁可変状態との切換動作を実行する頻度を少なくすることができるので、連結ピンやピン穴の摩耗等を抑制することができ、切換機構の耐久性を向上することができる。また、第4の発明によれば、両弁可変状態と片弁可変状態との切換動作の実行頻度を少なくできるので、切換動作(ピン穴への連結ピンの挿入/抜去)が万一失敗する可能性をより少なくすることができる。このため、切換動作失敗によって所期の開弁特性が得られないことに伴う弊害(例えば、筒内のスワール不足に起因する燃焼悪化、燃費悪化、排気成分増大など)をより確実に回避することができる。
実施の形態1.
[システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態1の可変動弁装置を備えたシステムの構成を説明するための図である。本実施の形態1のシステムは、内燃機関1を備えている。内燃機関1は、一つまたは複数の気筒2を有している。気筒2は、主にシリンダブロック4によって構成されている。気筒2内に収納されたピストン3は、コンロッドを介してクランクシャフト5と接続されている。クランクシャフト5の近傍には、クランク角センサ6が設けられている。クランク角センサ6は、クランクシャフト5の回転角度を検出するように構成されている。
シリンダブロック6の上部にはシリンダヘッド8が組み付けられている。シリンダヘッド8には、燃焼室10内の混合気に点火する点火プラグ11が設けられている。
シリンダヘッド8は、燃焼室10と連通する吸気ポート12を備えている。吸気ポート12と燃焼室10との接続部には吸気バルブ14が設けられている。吸気バルブ14と吸気カム軸15の吸気カム16,17との間には、動弁機構18が設けられている。動弁機構18の詳細については、後述する。
吸気ポート12には、吸気通路19が接続されている。吸気ポート12の近傍には、吸気ポート12内に燃料を噴射するインジェクタ20が設けられている。吸気通路19の途中にはサージタンク21が設けられている。
サージタンク21の上流にはスロットルバルブ22が設けられている。スロットルバルブ22は、スロットルモータ23により駆動される電子制御式のバルブである。スロットルバルブ22は、アクセル開度センサ24により検出されるアクセル開度AAに基づいて駆動されるものである。スロットルバルブ22の近傍には、スロットル開度センサ25が設けられている。スロットル開度センサ25は、スロットル開度TAを検出するように構成されている。スロットルバルブ22の上流には、エアフロメータ26が設けられている。エアフロメータ26は吸入空気量Gaを検出するように構成されている。エアフロメータ26の上流にはエアクリーナ27が設けられている。
また、シリンダヘッド8は、燃焼室10と連通する排気ポート28を備えている。排気ポート28と燃焼室10との接続部には排気バルブ29が設けられている。排気ポート28には排気通路30が接続されている。
また、本実施の形態のシステムは、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)60を備えている。ECU60の出力側には、点火プラグ11、動弁機構18、インジェクタ20、スロットルモータ23のほか、後述するオイルコントロールバルブ83等が接続されている。ECU60の入力側には、クランク角センサ6、スロットル開度センサ25、アクセル開度センサ24、エアフロメータ26等が接続されている。ECU60は、各センサの出力に基づいて、燃料噴射制御や点火時期制御のような内燃機関全体の制御を実行する。
なお、本発明における内燃機関は、上述のようなポート噴射式のものに限らず、燃料を筒内に直接噴射する方式のものでもよい。また、本発明における内燃機関は、上述のような火花点火式のものに限らず、圧縮着火式のものでもよい。
[可変動弁装置の構成]
図2は、本実施形態の可変動弁装置が備える動弁機構18の構成を説明するための斜視図である。
図2に示すように、内燃機関1の吸気カム軸15には、気筒毎に二つの吸気カム(第1吸気カム16および第2吸気カム17)が設けられている。また、内燃機関1には、1気筒当たり二つの吸気バルブ(第1吸気バルブ14Lおよび第2吸気バルブ14R)が設けられている。第1吸気バルブ14Lおよび第2吸気バルブ14Rは、第1吸気カム16を中心にしてほぼ対称に配置されている。
第1吸気カム16と吸気バルブ14L,14Rとの間には、第1吸気カム16の回転運動に各吸気バルブ14L,14Rのリフト運動を連動させる可変動弁機構40L,40Rがそれぞれ設けられている。また、第2吸気カム17と第2吸気バルブ14Rとの間には、第2吸気カム17の回転運動に第2吸気バルブ14Rのリフト運動を連動させる固定動弁機構70が設けられている。本動弁機構18は、第2吸気バルブ14Rのリフト連動の連動先(連動相手)を、可変動弁機構40Rと固定動弁機構70との間で選択的に切り換えることができるように構成されている。
動弁機構18は、吸気カム軸15と平行に配置された制御軸41を有している。動弁機構18は、更に、制御軸41を所定角度範囲内で回転させることのできる回転駆動機構(図示せず)を備えている。この回転駆動機構の構成は、特に限定されないが、例えば、制御軸41の一端側に固定したウォームホイールと、このウォームホイールに噛み合うウォームギヤと、このウォームギヤを回転駆動するサーボモータとで構成することができる。この場合、ECU60は、このサーボモータの回転方向および回転量を制御することにより、制御軸41の回転位置を制御することができる。
(1)可変動弁機構の詳細構成
図3は、図2に示す動弁機構18が備える可変動弁機構40の構成を説明するための図である。具体的には、図3は、可変動弁機構40を吸気カム軸15の軸方向から見た図である。尚、左右の可変動弁機構40L,40Rは、基本的には、第1吸気カム16を介して対称形であるので、ここでは左右の可変動弁機構40L,40Rを区別することなくその構成を説明する。また、本明細書および図面では、左右の可変動弁機構40L,40Rを区別しないときには、単に可変動弁機構40と表記する。同様に、可変動弁機構40L,40Rの各構成部品や吸気バルブ14L,14R等の対称に配置されている部品については、特に区別をする必要がある時以外は、左右を区別するL、Rの記号は付けないものとする。
図3に示すように、動弁機構18は、吸気バルブ14を開方向へ押圧するロッカーアーム35を有している。可変動弁機構40は、第1吸気カム16とロッカーアーム35との間に介在している。可変動弁機構40は、第1吸気カム16の回転運動とロッカーアーム35の揺動運動との連動状態を連続的に変化させるように構成されている。
制御軸41には、制御アーム42がボルト43によって固定されている。制御アーム42の一部は、制御軸41の径方向に突出している。制御アーム42の突出部には、中間アーム44がピン45によって取り付けられている。ピン45は、制御軸41の中心から偏心した位置に配置されている。中間アーム44は、ピン45を中心にして揺動するように構成されている。制御アーム42および中間アーム44は、可変動弁機構40L,40Rに共用になっている。
また、制御軸41には、揺動カムアーム50が揺動可能に支持されている。揺動カムアーム50は、第1吸気カム16に対向する側に、スライド面50aを有する。スライド面50aは、第2ローラ53に接触するように形成されている。スライド面50aは、第2ローラ53が揺動カムアーム50の先端側から制御軸41の軸中心側に向かって移動するほど、吸気カム軸15の中心との間隔が徐々に狭まるような曲面で形成されている。また、揺動カムアーム50は、スライド面50aの反対側に、揺動カム面51を有する。揺動カム面51は、揺動カムアーム50の揺動中心からの距離が一定となるように形成された非作用面51aと、非作用面51aから離れた位置ほど制御軸41の軸中心からの距離が遠くなるように形成された作用面51bとで構成されている。
スライド面50aと第1吸気カム16の周面との間には、第1ローラ52と第2ローラ53が配置されている。より具体的には、第1ローラ52は、第1吸気カム16の周面と接触するように配置されている。また、第2ローラ53は、揺動カムアーム50のスライド面50aに接触するように配置されている。第1ローラ52と第2ローラ53とは、共に、中間アーム44の先端部に固定された連結軸54によって回転自在に支持されている。中間アーム44は、ピン45を支点として揺動するので、これらのローラ52,53もピン45から一定距離を保ちながらスライド面50aおよび第1吸気カム16の周面に沿って揺動する。
また、揺動カムアーム50には、バネ座50bが形成されている。このバネ座50bには、ロストモーションスプリング38の一端が掛けられている。ロストモーションスプリング38の他端は、内燃機関の静止部位に固定されている。ロストモーションスプリング38は圧縮バネである。ロストモーションスプリング38から受ける付勢力により、揺動カムアーム50のスライド面50aが第2ローラ53に押し当てられ、更に、第1ローラ52が第1吸気カム16に押し当てられる。これにより、第1ローラ52及び第2ローラ53は、スライド面50aと第1吸気カム16の周面とに両側から挟み込まれた状態で位置決めされる。
揺動カムアーム50の下方には、前述したロッカーアーム35が配置されている。ロッカーアーム35には、揺動カム面51に対向するようにロッカーローラ36が設けられている。ロッカーローラ36は、ロッカーアーム35の中間部に回転自在に取り付けられている。ロッカーアーム35の一端は、吸気バルブ14のバルブシャフト14aに当接されており、ロッカーアーム35の他端は、油圧式ラッシュアジャスタ37によって回転自在に支持されている。リフト作動の際、バルブシャフト14aは、図示しないバルブスプリングによって、閉方向、すなわち、ロッカーアーム35を押し上げる方向に付勢されている。ロッカーローラ36は、この付勢力と油圧式ラッシュアジャスタ37によって揺動カムアーム50の揺動カム面51に押し当てられている。
第1吸気カム16が回転すると、第1吸気カム16が第1ローラ52及び第2ローラ53を介してスライド面50aを押圧することにより、揺動カムアーム50が揺動する。揺動カムアーム50が図3中で時計回りに回動し、揺動カム面51とロッカーローラ36との接点が非作用面51aから作用面51bにまで及ぶと、ロッカーアーム35が押し下げられ、吸気バルブ14が開弁する。
このような可変動弁機構40によれば、制御軸41の回転位置を変化させることにより、吸気バルブ14の作用角及びリフト量を連続的に変化させることができる。図3は、吸気バルブ14の作用角及びリフト量が大きくなっているときの状態を表している。この状態から、制御軸41を図3中の反時計回りに回転させた場合の状態について以下に説明する。制御軸41を図3中の反時計回りに回転させると、まず、スライド面50a上における第2ローラ53の位置が揺動カムアーム50の先端側に移動する。このため、揺動カムアーム50の回転中心から遠い箇所を第2ローラ53が押圧することになるので、揺動カムアーム50の揺動範囲(振れ幅)が小さくなる。このことが、吸気バルブ14の作用角及びリフト量を小さくするように作用する。また、揺動カムアーム50の先端側に行くほど、スライド面50aと吸気カム軸15の中心との距離は大きい。このため、第2ローラ53が揺動カムアーム50の先端側に行くほど、揺動カムアーム50の揺動開始位置は、図3中の反時計回りに移動する。これにより、揺動カムアーム50の揺動開始後、ロッカーアーム35が実際に動き出すまでに要する揺動カムアーム50の回転角度が大きくなる。このことも、吸気バルブ14の作用角及びリフト量を小さくするように作用する。
このようにして、可変動弁機構40では、制御軸41を図3中の反時計回りに回転させるほど、吸気バルブ14の作用角及びリフト量を小さくすることができ、逆に、制御軸41を図3中の時計回りに回転させるほど、吸気バルブ14の作用角及びリフト量を大きくすることができる。
本実施形態の可変動弁機構40は、上述したように、吸気バルブ14の作用角及びリフト量を共に可変とするものであるが、なお、本発明における可変動弁機構は、作用角及びリフト量の一方を可変とするものでもよい。以下、本明細書では、作用角及びリフト量を総称して「開弁量」と呼ぶこととする。
(2)固定動弁機構の詳細構成
次に、図2及び図4を参照して、固定動弁機構70の詳細な構成について説明する。図4は、図2に示す可変動弁機構40及び固定動弁機構70を示す分解斜視図である。
図2に示すように、固定動弁機構70は、第2吸気カム17と第2揺動カムアーム50Rとの間に介在している。固定動弁機構70は、第2揺動カムアーム50Rの揺動運動を第2吸気カム17の回転運動に連動させるものである。固定動弁機構70は、第2吸気カム17によって駆動される大作用角アーム71と、大作用角アーム71を第2揺動カムアーム50Rに連結するアーム連結機構72(図4参照)とを備えている。アーム連結機構72は、後述する切換ピン74、ピン格納穴75、ピン挿入穴76、リターンスプリング77及びピストン78によって構成されている。
大作用角アーム71は、制御軸41上に第2揺動カムアーム50Rと並んで配置され、第2揺動カムアーム50Rとは独立して揺動可能となっている。大作用角アーム71には、第2吸気カム17の周面に接触する入力ローラ73が回転可能に支持されている。
図4に示すように、大作用角アーム71には、バネ座71aが形成されている。このバネ座71aには、上記揺動カムアーム50と同様に、図示しないロストモーションスプリングが掛けられている。このロストモーションスプリングのバネ力によって、入力ローラ73が第2吸気カム17の周面に押し当てられる。
大作用角アーム71には、第2揺動カムアーム50R側に開口部を有するピン格納穴75が形成されている。このピン格納穴75内に切換ピン74が配置されている。切換ピン74は、第2揺動カムアーム50Rに向かって突出した位置と、ピン格納穴75内に没入した位置とに変位可能になっている。ピン格納穴75は、後述する油圧系に接続されている。油圧系によりピン格納穴75内の油圧が高められた場合に、切換ピン74は、その油圧によってピン格納穴75から第2揺動カムアーム50Rに向けて押し出される。
一方、第2揺動カムアーム50Rには、大作用角アーム71側に開口部を有するピン挿入穴76が形成されている。切換ピン74とピン挿入穴76は、制御軸41の中心からの距離が等しい位置に形成されている。ピン挿入穴76内には、その奥側からリターンスプリング77と、リフタとしてのピストン78とが配置されている。
図5は、切換ピン74を作動させるための油圧系の構成を示す模式的な断面図である。図5に示すように、制御軸41内には、油路81が形成されている。この油路81は、ピン格納穴75と、制御軸41と大作用角アーム71との摺動隙間と、制御軸41と第2揺動カムアーム50Rとの摺動隙間とにそれぞれ接続されている。また、この油路81は、オイルポンプ82に接続されている。オイルポンプ82と油路81との間には、オイルコントロールバルブ(以下「OCV」という)83が設けられている。OCV83は、油路81をオイルポンプ82に連通させる状態(以下「ポンプ連通状態」という)と、油路81をドレーン84に連通させる状態(以下「ドレーン連通状態」という)と、油路81をオイルポンプ82およびドレーン84の何れにも連通させずに閉塞させる状態(以下「閉塞状態」という)と、に切り換え可能になっている。OCV83の状態は、ECU60によって制御される。
OCV83をポンプ連通状態とすると、油路81がオイルポンプ82に連通する。このため、オイルポンプ82で加圧された潤滑油がピン格納穴75に供給され、ピン格納穴75内の油圧が高くなる。一方、OCV83をドレーン連通状態とすると、油路81がドレーン84に連通する。これにより、ピン格納穴75内の油圧を下げることができる。
(片弁可変状態)
切換ピン74がピン挿入穴76内に挿入すると、第2揺動カムアーム50Rと大作用角アーム71とを切換ピン74を介して連結することができる。これにより、第2吸気バルブ14Rのリフト運動の連動先を可変動弁機構20Rから固定動弁機構70へ切り換えることができる。
この場合、第2揺動カムアーム50Rには、第2吸気カム17および大作用角アーム71を介して伝達される。このとき、第2吸気バルブ14Rの開弁量は、第2吸気カム17、大作用角アーム71および第2揺動カムアーム50Rの形状及び位置関係によって機械的に決まり、制御軸41の回転位置に関係なく常に一定の開弁量(大リフト及び大作用角)に固定される。これに対し、第1揺動カムアーム50Lには、カム軸15の回転運動が、第1吸気カム16、第1ローラ52及び第2ローラ53Lを介して伝達される。よって、第1吸気バルブ14Lの開弁量は、制御軸41の回転位置に連動して変化することになる。
このように、第2吸気バルブ14Rの開弁量が大開弁量に固定され、第1吸気バルブ14Lの開弁量のみが制御軸41の回転位置に応じて変化する状態を、本明細書では「片弁可変状態」と称する。片弁可変状態では、第2吸気バルブ14Rを大リフトとし、第1吸気バルブ14Lを小リフトとすることができる。これにより、第2吸気バルブ14Rからは多量の空気が、第1吸気バルブ14Lからは少量の空気が筒内に流入する。この流入量の偏りにより、筒内にスワール流(旋回流)を形成することができる。
(両弁可変状態)
一方、切換ピン74をピン挿入穴76から抜去してピン格納穴75内に格納すると、大作用角アーム71と第2揺動カムアーム50Rとの連結が解除される。これにより、第2吸気バルブ14Rのリフト運動の連動先を固定動弁機構70から可変動弁機構20Rへ切り換えることができる。
この場合、カム軸15の回転運動は、第1吸気カム16、第1ローラ52及び第2ローラ53を介して、第1揺動カムアーム50L及び第2揺動カムアーム50Rのそれぞれのスライド面50aに伝達される。よって、第1吸気バルブ14L及び第2吸気バルブ14Rの開弁量は、共に、制御軸41の回転位置に応じて変化することとなる。このように、第1吸気バルブ14Lおよび第2吸気バルブ14Rの開弁量が揃って可変となる状態を、本明細書では「両弁可変状態」と称する。
このように、アーム連結機構72によって大作用角アーム71と第2揺動カムアーム50Rとを連結すると片弁可変状態になり、その連結を解除すると両弁可変状態となる。以下、アーム連結機構72によって両弁可変状態と片弁可変状態とを切り換える場合の動作について説明する。
大作用角アーム71は第2吸気カム17に駆動されて常に揺動するが、第2吸気カム17のベース円部分が入力ローラ73に接触している期間においては、瞬間的に静止する。また、第2揺動カムアーム50Rも、第1吸気カム16に駆動されて揺動するが、第1吸気カム16のベース円部分が第1ローラ52に接触している期間においては、瞬間的に静止する。この両者の静止期間は重なっている。つまり、大作用角アーム71と第2揺動カムアーム50Rとが同時に静止する期間が存在する。
上記静止状態における第2揺動カムアーム50Rの角度は、制御軸41の回転位置に応じて変化する。よって、大作用角アーム71と第2揺動カムアーム50Rとの静止状態において、切換ピン74の位置とピン挿入穴76の位置とを一致させることができるような制御軸41の回転位置が存在する。この制御軸41の回転位置を以下「ピン切換位置」と称する。
両弁可変状態から片弁可変状態へ切り換える際には、OCV83をポンプ連通状態とすることにより、ピン格納穴75内に油圧をかけた状態で、制御軸41を上記ピン切換位置まで回転させる。これにより、ピン挿入穴76の位置と切換ピン74の位置とが一致し、切換ピン74がピストン78に当接する。そして、切換ピン74は、油圧によって押し出され、リターンスプリング77の付勢力に抗して、ピン挿入穴76内に進入する。つまり、アーム連結機構72が連結状態となる。このようにして、両弁可変状態から片弁可変状態へ切り換えることができる。
逆に、片弁可変状態から両弁可変状態へ切り換える際には、OCV83をドレーン連通状態とすることにより、ピン格納穴75内の油圧を下げる。これにより、リターンスプリング77の付勢力によって、切換ピン74がピン格納穴75内に押し戻され、アーム連結機構72による連結が解除される。つまり、片弁可変状態とすることができる。
ECU60は、内燃機関1の運転状態(具体的には機関回転速度および負荷)に応じて、両弁可変状態と片弁可変状態とを切り換えるとともに、吸気バルブ14の開弁量を変化させる。図6中の上段の図は、ECU60に記憶されている、吸気バルブ制御マップを示す図である。この吸気バルブ制御マップには、横軸に機関回転速度、縦軸に負荷をそれぞれとることにより、内燃機関1の運転領域が表されている。
ここで言う「負荷」とは、内燃機関1のトルク、負荷率、あるいはアクセル開度AAなど、内燃機関1の負荷と相関を有する何れかの指標を意味する。ECU60は、アクセル開度センサ24、エアフロメータ26等のセンサ出力に基づいて、この負荷の値を算出することができる。また、ECU60は、クランク角センサ6の出力に基づいて、機関回転速度を算出することができる。このようにして、ECU60は、内燃機関1の現在の運転状態が吸気バルブ制御マップ中のどこにあるかを検知することができる。
図6の吸気バルブ制御マップ中、二つ並んだ丸印内の記載は、第1吸気バルブ14Lおよび第2吸気バルブ14Rの開弁量を表している。すなわち、右側の丸印内の記載は第1吸気バルブ14Lの開弁量を表しており、左側の丸印内の記載は第2吸気バルブ14Rの開弁量を表している。
また、図6の吸気バルブ制御マップ中の「片弁可変領域」とは、動弁機構18が片弁可変状態とされる運転領域であり、「両弁可変領域」とは、動弁機構18が両弁可変状態とされる運転領域である。本実施形態では、低中回転・中負荷域が片弁可変領域とされている。一般に、低中回転・中負荷域では燃焼が不安定になり易い。これに対し、本実施形態では、低中回転・中負荷域を片弁可変領域としているので、第2吸気バルブ14Rの開弁量を第1吸気バルブ14Lの開弁量よりも大きくすることで筒内にスワールを形成することができ、このスワールによって燃焼を改善することができる。更に、片弁可変領域では、第1バルブ14Lの開弁量を連続的に変化させることにより、スワールの強さや筒内空気量を運転状態に応じて最適に制御することができる。このようなことから、本実施形態によれば、片弁可変領域において排気エミッションや燃費を低減することができる。
一方、図6の吸気バルブ制御マップによれば、低中回転・中負荷域以外の領域は両弁可変領域とされている。この両弁可変領域では、第1吸気バルブ14Lおよび第2吸気バルブ14Rの双方の開弁量を連続的に変化させることによって筒内空気量を制御することができる。すなわち、高負荷域では第1吸気バルブ14Lおよび第2吸気バルブ14Rの双方の開弁量を大きくすることによって多量の空気を筒内に吸入することができ、一方、低負荷域やアイドル域では第1吸気バルブ14Lおよび第2吸気バルブ14Rの双方の開弁量を小さくすることによって筒内に吸入する空気を少なくすることができる。このように、両弁可変領域においては、第1吸気バルブ14Lおよび第2吸気バルブ14Rの開弁量によって空気量を制御することができるので、スロットルバルブ22の開度を大きく維持することができる。よって、ポンピングロスを低減することができるので、燃費を低減することができる。
本実施形態では、内燃機関1は、シリーズパラレルハイブリッド車両に搭載されているものとする。シリーズパラレルハイブリッド車両とは、シリーズハイブリッド車両の機能とパラレルハイブリッド車両の機能との両方を併せ持った車両である。シリーズハイブリッド車両とは、車輪の駆動はモーターで行い、エンジンはそのモーターへの電力供給源として作動する車両である。パラレルハイブリッド車両とは、エンジンの動力とモーターの動力との双方で車輪を駆動可能な車両である。
このシリーズパラレルハイブリッド車両(以下、単に「車両」という)において、内燃機関1は、原則として、図6の吸気バルブ制御マップ中の機関運転動作線(最適燃費線)上で作動するように制御される。この機関運転動作線は、高い熱効率の得られる高トルク域を結んだ線である。つまり、この車両では、機関運転動作線上以外の熱効率の低い領域においては内燃機関1を原則として作動させず、モーターのみの動力によって走行する。すなわち、内燃機関1は、始動直後、原則としてアイドリング運転を行わない。また、車両の減速時、内燃機関1は、原則として減速運転を行わない。
図6中の下段の図は、内燃機関1の搭載された車両の走行時における車速および機関回転速度の変化の一例を示す図である。同図中、一点鎖線が車速であり、実線が機関回転速度である。また、図6中の上段の図と下段の図とを結ぶ点線は、車両走行中に内燃機関1が何れの運転域にあるかを示している。
この図に示すように、本実施形態の車両では、発進時、内燃機関1は停止しており、モーターの動力のみで発進が行われる。発進後、車速が上昇し、走行負荷が高くなると、内燃機関1が自動的に始動され、モーターと内燃機関1との双方の動力によって車輪が駆動される。そして、走行負荷が小さくなると、内燃機関1は自動的に停止される。また、バッテリーの充電量が少なくなった場合には、内燃機関1の動力で発電した電気をバッテリーに充電することが行われる。
このように、本実施形態では、車両の稼動中に、内燃機関1の自動停止および自動再始動が繰り返し行われる。そして、図6に示すように、自動停止の直前、内燃機関1の運転状態は片弁可変領域にある場合が多い。また、再始動直後、内燃機関1は、片弁可変領域で運転される場合が多い。つまり、内燃機関1は片弁可変状態のときに自動停止され、再始動後も再び片弁可変状態で運転されることが多い。
一方、OCV83に対する制御としては、内燃機関1が停止された場合には、OCV83を非通電状態とするのが一般的である。OCV83を非通電状態にすると、ドレーン連通状態となるので、油路81がドレーン84に連通し、格納穴75内の油圧が低下する。よって、切換ピン74がリターンスプリング77によって押し戻されて連結が解除され、両弁可変状態となる。
上述したように、内燃機関1の再始動後は片弁可変状態で運転されることが多いので、停止中に動弁機構18が両弁可変状態になると、再始動直後に片弁可変状態へ切り換える動作が行われることになる。つまり、内燃機関1の停止中に動弁機構18が両弁可変状態になるとすると、内燃機関1の自動停止・再始動の度にアーム連結機構72の切換動作が行われるので、アーム連結機構72の切換動作が頻繁に行われることとなる。その結果、切換ピン74や、ピン格納穴75、ピン挿入穴76などの摩耗を進行させたり、傷付きを招いたりし易くなる。
そこで、本実施形態では、動弁機構18が片弁可変状態のときから内燃機関1が停止された場合には、OCV83が閉塞状態となるようにOCV83に通電し続けることとした。これにより、油路81が閉塞されてピン格納穴75内の油圧が抜けずに維持されるので、再始動時まで、切換ピン74がピン挿入穴76に挿入したままの状態、すなわち片弁可変状態に維持することができる。その結果、内燃機関1の自動停止・再始動に伴うアーム連結機構72の切換動作を不要とすることができるので、切換動作の頻度を少なくすることができ、アーム結合機構72の耐久性を向上することができる。
[実施の形態1における具体的処理]
図7は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU60が実行するルーチンのフローチャートである。図7に示すルーチンによれば、まず、内燃機関1の現在の運転状態(機関回転速度および負荷)が片弁可変領域にあるか否かが判別される(ステップ100)。運転状態が片弁可変領域外にある場合には、本ルーチンの制御(以下「切り換え抑制制御」という)を実施する必要はないため、本ルーチンの処理を終了して、通常制御へ復帰する。
一方、上記ステップ100で、運転状態が片弁可変領域にあると認められた場合には、次に、内燃機関1が停止したか否かが判別される(ステップ102)。内燃機関1が停止していないと判別された場合には、上記ステップ100以下の処理が再度行われる。一方、上記ステップ102で、内燃機関1が停止したと認められた場合には、アーム連結機構72の切換動作が実施されないようにOCV83が制御される(ステップ104)。すなわち、OCV83が油路81を閉塞する閉塞状態となるようにOCV83に通電される。これにより、ピン格納穴75内の油圧が抜けずに維持されるので、切換ピン74がピン挿入穴76に挿入したままの状態、すなわち片弁可変状態が維持される。
なお、本実施形態の車両において、内燃機関1が自動停止された場合であっても、ECU60は起動している。このため、上記ステップ104でOCV83に通電することは可能である。
上記ステップ104の処理に続いて、内燃機関1が停止されてからの経過時間が算出される(ステップ106)。次いで、内燃機関1が始動されたかが判別される(ステップ108)。このステップ108において、内燃機関1が始動されたことが認められた場合には、切換ピン74を連結させる動作を一時的に禁止した上で(ステップ110)、通常制御に復帰する。すなわち、通常制御は、内燃機関1の始動時には切換ピン74が連結されていない両弁可変状態となっていることを前提としているので、通常制御には、内燃機関1の始動後に片弁可変領域に入った場合、片弁可変状態に切り換えるために切換ピン74を連結させる動作を実行させるという処理が組み込まれている。これに対し、本ルーチンによる切り換え抑制制御が実行された場合には、上記ステップ104の処理により、内燃機関1の停止中も片弁可変状態が維持されているため、始動直後に切換ピン74を連結させる動作を実行する必要はない。そこで、上記ステップ110により、始動直後に切換ピン74を連結させる動作を禁止するようにしている。
一方、上記ステップ108において、内燃機関1が未だ始動されていないと判別された場合には、次に、上記ステップ106で算出された機関停止後の経過時間が所定時間に達したか否かが判別される(ステップ112)。OCV83によって油路81を閉塞した状態としていても、油圧経路には多少の隙間が存在するので、ピン格納穴75内の油圧は徐々に抜けていく。このため、機関停止後、ある程度長い時間が経過すると、切換ピン74がリターンスプリング77によって押し戻されて連結が解除され、両弁可変状態に戻ってしまう可能性が出てくる。そこで、本実施形態では、機関停止後の経過時間が、動弁機構18が両弁可変状態に戻ってしまっている可能性があるほどに長くなった場合には、再始動後、切換ピン74を連結させる動作を通常通り行うこととした。
つまり、上記ステップ112における「所定時間」とは、動弁機構18が両弁可変状態に戻ってしまっている可能性があるか否かを判定するための時間であり、内燃機関1の特性や油温などに基づいて設定される。上記ステップ112で、機関停止後の経過時間が所定時間に達していない場合には、動弁機構18が両弁可変状態に戻ってしまっている可能性はなく、確実に片弁可変状態が維持されていると判断できる。そこで、この場合には、上記ステップ108以下の処理が再度行われる。一方、上記ステップ112で、機関停止後の経過時間が所定時間に達した場合には、動弁機構18が両弁可変状態に戻ってしまっている可能性があると判断できる。この場合には、そのまま通常制御に復帰する。この場合には、内燃機関1が再始動されると、通常制御に組み込まれた処理により、切換ピン74を連結させる動作が実行される。よって、機関停止中に動弁機構18が両弁可変状態に戻ってしまっていた場合であっても、片弁可変状態に切り換えることができる。
なお、オイルポンプ82を電動で駆動するように構成した場合には、内燃機関1の停止中もオイルポンプ82を作動させることができる。そこで、この場合には、定期的にオイルポンプ82を作動させてピン格納穴75内に油圧をかけ直すようにしてもよい。この場合には、機関停止後の経過時間にかかわらず、再始動後に上記ステップ110の処理を実行することができる。
以上説明した図7のルーチンの処理によれば、内燃機関1の自動停止・再始動時にアーム連結機構72の切換動作が実行されることを抑制することができる。このため、アーム連結機構72の切換動作実行頻度を少なくすることができるので、切換ピン74や、ピン格納穴75、ピン挿入穴76などの摩耗の進行を抑制することができ、アーム連結機構72の耐久性を向上することができる。
更に、図7のルーチンの処理によれば、内燃機関1の始動直後に切換ピン74を連結させる動作が万一失敗する可能性を更に低減することもできる。このため、切換ピン74による連結動作が万一失敗した場合の弊害、すなわち、筒内のスワールが不足することによる燃焼悪化、燃費悪化、排気成分増大などの弊害が発生することをより確実に防止することができる。
また、上述した実施の形態1においては、第1吸気バルブ14Lが前記第1の発明における「第1バルブ」に、第2吸気バルブ14Rが前記第1の発明における「第2バルブ」に、切換ピン74が前記第4の発明における「連結ピン」に、アーム連結機構72が前記第4の発明における「切換機構」に、それぞれ相当している。また、ECU60が、図7に示すルーチンの処理を実行することにより前記第1の発明における「切り換え抑制手段」が実現されている。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略または簡略する。本実施形態のハードウェア構成は、実施の形態1と同様である。そして、本実施形態のシステムは、ECU60に、実施の形態1の処理に加えて、後述する図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
前述したように、アーム連結機構72では、内燃機関1の潤滑油の油圧によって切換ピン74を動かすようになっている。内燃機関1が運転を続ける中で、潤滑油中には、スラッジ(粘性物)が生じることがある。万一、このスラッジが切換ピン74の周囲に付着した状態で切換ピン74が長時間動作しなかったような場合には、切換ピン74が固着し、アーム連結機構72が切換動作不能となることがある。
図6から分かるように、高速走行時など、内燃機関1に大出力が要求される走行状態になると、両弁可変領域に入るので、アーム連結機構72の切換動作が実行される。これに対し、中低速走行時には、内燃機関1にそれほど大きな出力が要求されないので、内燃機関1は片弁可変領域内でのみ運転されることが多い。実施の形態1では、前述したように、内燃機関1が片弁可変状態で自動停止された場合には、再始動時までそのまま片弁可変状態に維持されるので、再始動後もアーム連結機構72の切換動作が行われないことになる。このようなことから、発進・停止を繰り返す市街地走行時のような状況では、内燃機関1が片弁可変状態に維持され続け、アーム連結機構72の切換動作が長時間実行されない事態が生じ得る。このため、切換ピン74がスラッジによって固着し易い状況となる。
そこで、本実施形態では、アーム連結機構72の切換動作が長時間実行されない状況になった場合には、図7に示す切り換え抑制制御の実行を禁止することにより、アーム連結機構72の切換動作の実行機会を確保することとした。
[実施の形態2における具体的処理]
図8は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU60が実行するルーチンのフローチャートである。図8に示すルーチンは、図7に示すルーチンと併せて実行される。
図8に示すルーチンによれば、まず、アーム連結機構72の切換動作を行わせるための指令をECU60が前回に出してから現在までの経過時間と、アーム連結機構72の切換動作を行わせるための指令をECU60が前回に出してから現在までに図7のルーチンによる切り換え抑制制御が実行された回数との一方または両方が取得(検出)される(ステップ120)。続いて、上記ステップ120で取得された経過時間または切り換え抑制制御実行回数が、所定値を超えたか否かが判別される(ステップ122)。
上記ステップ122の条件が肯定される場合には、アーム連結機構72の切換動作が長時間実行されておらず、切換ピン74がスラッジによって固着し易くなりつつあると判断できる。そこで、この場合には、図7に示す切り換え抑制制御の実行を中止して、通常制御に強制的に復帰させる処理が行われる(ステップ124)。これにより、内燃機関1が自動停止された場合には、通常制御に従って、ピン格納穴75内の油圧を抜くようにOCV83が制御され、両弁可変状態への切り換えが実行される。
上記ステップ124の処理に続いて、アーム連結機構72の切換動作を行わせるための指令がECU60から出されたか否かが判別される(ステップ126)。内燃機関1の停止に伴って両弁可変状態への切り換え指令が出された場合や、内燃機関1の運転状態が両弁可変領域へ移行したことにより両弁可変状態への切り換え指令が出された場合には、このステップ126の条件が肯定される。ステップ126の条件が肯定された場合には、アーム連結機構72の切換動作が実行されたと判断できる。この場合には、スラッジによる切換ピン74の固着の心配は解消されたと判断できるので、上記ステップ124による切り換え抑制制御の中止が解除される(ステップ128)。
以上説明した図8のルーチンの処理によれば、アーム連結機構72の切換動作が長時間実行されない事態が生ずることを防止することができるので、スラッジによる切換ピン74の固着を確実に防止することができる。
なお、上述した実施の形態2においては、ECU60が、上記ステップ120の処理を実行することにより前記第2の発明における「取得手段」が、上記ステップ122および124の処理を実行することにより、前記第2の発明における「禁止手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した各実施の形態では、第1吸気バルブ14Lおよび第2吸気バルブ14Rの開弁量(両弁可変状態のとき)、あるいは第1吸気バルブ14Lの開弁量(片弁可変状態のとき)を連続的に可変とする動弁機構を例に説明したが、本発明は、これらの開弁量を多段的に(多段階に)可変とする動弁機構の場合にも適用することができる。
また、上述した各実施の形態では、本発明を吸気バルブの可変動弁装置に適用した場合について説明したが、本発明は排気バルブの可変動弁装置にも適用することが可能である。
また、上述した各実施の形態では、内燃機関1がシリーズパラレルハイブリッド車に搭載されたものとして説明したが、シリーズハイブリッド車、特にアイドリング運転を原則として行わないシリーズハイブリッド車に内燃機関1が搭載されている場合であっても、上述したのと同様の効果が得られる。また、本発明は、シリーズパラレルハイブリッド車やシリーズハイブリッド車以外の車両に搭載された内燃機関に適用してもよい。
本発明の実施の形態1の可変動弁装置を備えたシステムの構成を説明するための図である。 本実施形態の可変動弁装置が備える動弁機構の構成を説明するための斜視図である。 図2に示す動弁機構における可変動弁機構の構成を説明するための図である。 図2に示す可変動弁機構及び固定動弁機構を示す分解斜視図である。 切換ピンを作動させるための油圧系の構成を示す模式的な断面図である。 上段は、吸気バルブ制御マップを示す図であり、下段は、車両の走行時における車速および機関回転速度の変化の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
3 ピストン
4 シリンダブロック
5 クランクシャフト
6 クランク角センサ
8 シリンダヘッド
10 燃焼室
11 点火プラグ
12 吸気ポート
14 吸気バルブ
15 吸気カム軸
16,17 吸気カム
18 可変動弁装置
19 吸気通路
20 インジェクタ
21 サージタンク
22 スロットルバルブ
23 スロットルモータ
24 アクセル開度センサ
25 スロットル開度センサ
26 エアフロメータ
27 エアクリーナ
28 排気ポート
30 排気通路
35 ロッカーアーム
36 ロッカーローラ
37 油圧式ラッシュアジャスタ
38 ロストモーションスプリング
40 可変動弁機構
41 制御軸
42 制御アーム
43 ボルト
44 中間アーム
45 ピン
50 揺動カムアーム
52 第1ローラ
53 第2ローラ
54 連結軸
60 ECU
70 固定動弁機構
71 大作用角アーム
72 アーム連結機構
73 入力ローラ
74 切換ピン
75 ピン格納穴
76 ピン挿入穴
77 リターンスプリング
78 ピストン
81 油路
82 オイルポンプ
83 OCV
84 ドレーン

Claims (4)

  1. 内燃機関の各気筒の同種の第1バルブおよび第2バルブの双方の開弁量を可変とする両弁可変状態と、前記第1バルブの開弁量を可変とし、前記第2バルブの開弁量を固定とする片弁可変状態とを切り換え可能な動弁機構と、
    前記動弁機構が前記片弁可変状態にあるときに前記内燃機関が停止した場合に、前記片弁可変状態から前記両弁可変状態への切り換えを抑制する切り換え抑制手段と、
    を備えることを特徴とする可変動弁装置。
  2. 前記両弁可変状態と前記片弁可変状態とを切り換える指令が前回出されたときから現在までの経過時間または前記切り換え抑制手段による切り換え抑制の回数を取得する取得手段と、
    前記経過時間または前記切り換え抑制の回数が所定値を超えた場合には、前記切り換え抑制手段による切り換え抑制を一時的に禁止する禁止手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の可変動弁装置。
  3. 前記内燃機関は、シリーズパラレルハイブリッド車両またはシリーズハイブリッド車両に搭載されたものであり、前記車両の稼動中に自動停止および自動再始動がなされるものであることを特徴とする請求項1または2記載の可変動弁装置。
  4. 前記動弁機構は、
    前記第2バルブを可変開弁量で駆動可能な可変動弁機構と、
    前記第2バルブを固定開弁量で駆動可能な固定動弁機構と、
    連結ピンを相手側部材に形成されたピン穴に挿入した連結状態と、前記連結ピンを前記ピン穴から抜去した非連結状態とを切り換えることにより、前記第2バルブの連動先を前記可変動弁機構と前記固定動弁機構との間で切り換える切換機構と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の可変動弁装置。
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