JP2011236487A - 搬送式両面スパッタリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱ストレスを抑制し、基板品質を劣化させない両面スパッタリング装置を提供する。
【解決手段】被処理物を固定し、スパッタリング装置100内で往復移動する搬送装置と、前記被処理物を搬送する方向に交わる方向に対向配置される皮膜の基本組成物からなるスパッタ用ターゲット60を、前記被処理物の搬送方向に複数配置した第1ターゲット群および第2ターゲット群と、前記スパッタ用ターゲットと前記被処理物との間に、開閉可能なシャッター71と、を備え、対向配置される前記スパッタ用ターゲットに対応する前記シャッターのどちらか一方が開口し、他の一方が閉口する搬送式両面スパッタリング装置とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、搬送式両面スパッタリング装置に関する。
基板上への金属薄膜を形成する方法として、スパッタリング法による成膜が広く用いられている。また、近年、表裏両面に薄膜を形成する基板も多くなり、その形成装置として両面スパッタ装置、特に搬送式両面スパッタリング装置が広く用いられ、例えば「両面スパッタリング装置(SYSTEMシリーズ:芝浦メカトロニクス株式会社製)」などが市販されている。図1の概念図に示すように、搬送式スパッタリング装置10は、真空チャンバー1の処理領域1a内に基板ホルダー6に基板7を保持し、設置される。この基板ホルダー6は処理領域内1aで可動するようになっている。基板7を処理領域1aに収納後、真空排気口1bより処理領域1a内の空気を排気し、ガス導入管1cより不活性ガスを導入し不活性ガス雰囲気にする。
次に、成膜材料となるスパッタ用ターゲット5に、高周波電源2、マッチング回路3、スパッタ用カソード電極4により高電圧を負荷し、不活性ガスによってスパッタ用ターゲット5の材料をイオン化し基板7の表面に堆積させ、成膜する。搬送式両面スパッタリング装置10にはスパッタ用ターゲット5、高周波電源2、マッチング回路3、そしてスパッタ用カソード電極4が、基板7の表裏両面に同時成膜できるように2組が備えられている。また、基板ホルダー6が処理領域1a内で可動することで、複数の基板7を順送りし、両面成膜の生産性を向上させるものが開示されている(特許文献1)。
特開平3−122274号公報
しかし、上述の特許文献1では、基板に対して両面側からスパッタ用ターゲットに発生する熱ストレスが負荷されることとなってしまう。この熱ストレスによって、特に水晶基板に成膜する場合に、双晶と呼ばれる結晶方向が変わってしまう部位が発生し、所定の性能を得ることができなくなってしまう、という課題が有った。
そこで、熱ストレスを抑制し、基板品質を劣化させず多層膜の形成が可能な搬送式両面スパッタリング装置を提供する。
本発明は、少なくとも上述の課題の一つを解決するように、下記の形態または適用例として実現され得る。
〔適用例1〕本適用例による搬送式両面スパッタリング装置は、被処理物を固定し、スパッタリング装置内で往復移動する搬送装置と、前記被処理物を搬送する方向に交わる方向に対向配置される前記皮膜の基本組成物からなるスパッタ用ターゲットを、前記被処理物の搬送方向に複数配置した第1ターゲット群および第2ターゲット群と、前記スパッタ用ターゲットと前記被処理物との間に、開閉可能なシャッターと、を備え、対向配置される前記スパッタ用ターゲットに対応する前記シャッターのどちらか一方が開口し、他の一方が閉口することを特徴とする。
上述の適用例によれば、基板の両面に成膜されるように対向配置されるスパッタ用ターゲットに対して、基板との間に配置されるシャッターが、基板どちらか一方の成膜面側が開口することで基板面にスパッタリングによる成膜がされ、他の一方の成膜面側が閉口することで、スパッタリングが遮蔽される。このことにより、スパッタ用ターゲットから発生する熱を遮蔽し、基板の変質、例えば水晶基板であれば双晶の発生を防ぐことができ、品質の優れた両面成膜された基板を得ることができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記被処理物を固定した前記搬送装置が往路移動のとき開口した前記シャッターが、復路移動のときは閉口し、前記被処理物を固定した前記搬送装置が往路移動のとき閉口した前記シャッターが、復路移動のときは開口することを特徴とする。
上述の適用例によれば、被処理物である基板を載せた搬送装置の往復移動で、基板の一方の面の成膜した後、他の一方の基板面を成膜するので、片面ずつの成膜であっても、複数の多層膜基板を搬送式両面スパッタリング装置の高い生産性を維持し、両面成膜された基板を得る搬送式両面スパッタリング装置を実現できる。
〔適用例3〕本適用例の搬送式両面スパッタリング装置は、被処理物を固定し、スパッタリング装置内で往復移動する搬送装置と、前記被処理物を搬送する方向に交わる方向に対向配置される前記皮膜の基本組成物からなるスパッタ用ターゲットを前記被処理物の搬送方向に複数配置した、第1ターゲット群および第2ターゲット群と、前記スパッタ用ターゲットに対向し前記被処理物の搬送方向に沿って配置された複数の開口部を備え、前記第1ターゲット群および第2ターゲット群に対して相対的に移動可能に設けられ、前記被処理物と前記第1ターゲット群との間に前記被処理物の搬送方向に延在する第1遮蔽板と、前記被処理物と前記第2ターゲット群との間に前記被処理物の搬送方向に延在する第2遮蔽板と、を備えることを特徴とする。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記第1および第2遮蔽板は、前記開口部に対向する前記スパッタ用ターゲットに隣り合う前記スパッタ用ターゲットに対向して遮蔽部を備え、前記第1および第2遮蔽板を相対的に前記スパッタ用ターゲットの配列方向に隣り合う前記スパッタ用ターゲット位置まで前記開口部を移動させたときも、前記開口部に対向する前記スパッタ用ターゲットに隣り合う前記スパッタ用ターゲットに対向するように前記遮蔽部が配置され、前記第1遮蔽板または前記第2遮蔽板のどちらか一方の遮蔽板の前記開口部に対向する位置に他方の遮蔽板の前記遮蔽部が配置されることを特徴とする。
上述の適用例によれば、基板の両面に成膜されるように対向配置されるスパッタ用ターゲットに対して、基板との間に配置され複数の開口部を備える遮蔽板によって、基板のどちらか一方の成膜面側に開口部が対応するように配置された時は基板面にスパッタリングによる成膜がされ、他の一方の成膜面側には遮蔽部が配置されるようにすることで、スパッタリングが遮蔽される。これを、基板の成膜面が交互に開口と遮蔽を繰り返すように搬送装置に乗せた基板を移動することで、両面成膜を片面ずつ行い基板への熱影響を抑制し、例えば水晶基板におけり双晶の発生を防止しながらも、搬送式両面スパッタリング装置の高い生産性を維持し、両面成膜された基板を得る搬送式両面スパッタリング装置が実現できる。
従来の搬送式両面スパッタリング装置の概略平断面図。 第1実施形態の搬送式両面スパッタリング装置を示す概略平断面図。 図2に示すA−A’部の断面図。 第1実施形態における基板ホルダーの保持部を示す(a)断面図、(b)平面図。 実施形態の搬送式両面スパッタリング装置により得られる両面成膜された基板の断面を模式図的に示す断面図。 第1実施形態の搬送式両面スパってリング装置による両面スパッタリングの方法を模式図的に示す断面図。 第1実施形態の搬送式両面スパってリング装置による両面スパッタリングの方法を模式図的に示す断面図。 第2実施形態の搬送式両面スパッタリング装置を示す概略平断面図。 図8に示すB−B’部の断面図。 第2実施形態の搬送式両面スパってリング装置による両面スパッタリングの方法を模式図的に示す断面図。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図2は第1実施形態を示す概略平断面図である。搬送式両面スパッタリング装置100は、被処理物を収容しスパッタリング処理する処理チャンバー10と、処理チャンバー10内で可動設置される可動台20を備えている。なお、処理チャンバー10には図示しない内部の空気を排気する排気管と、不活性ガス、例えば窒素ガスあるいはアルゴンガスを導入するガス導入管を備えている。
可動台20には、被処理物としての基板30を固定し保持する後述の保持部を備える被処理物保持装置40(以下、基板ホルダー40という)が着脱可能に設置され、可動台20は、図2に示す矢印Pの方向に往復移動できるように図2のA−A’部の断面図である図3に示す移動装置10aによって可動設置されている。基板30としては、例えば水晶基板、シリコン基板、ガラス基板などが挙げられるが、本実施形態では水晶基板により説明する。
可動台20の移動方向に沿って、可動台20を挟み込むように対向配置された複数のスパッタ用カソード電極50が処理チャンバー10に固定されている。スパッタ用カソード電極50の処理チャンバー10内部に向けて、基板30の表面に形成すべき皮膜の主組成分であるスパッタ用ターゲット60が固定されている。スパッタ用ターゲット60は、主に金属であり、例えばAu、Al、Ti、Agなどが用いられる。スパッタ用カソード電極50は、処理チャンバー10内部に導入された不活性ガス分子がスパッタ用ターゲット60に向かって衝突させるための高電圧が印加され、また、スパッタ用ターゲット60から組成分子が飛び出し易いように加熱するプラズマを発生させる。
スパッタ用カソード電極50には、基板30とスパッタ用ターゲット60との間でスパッタ用ターゲットを遮蔽可能とするシャッター71と、シャッター71の開閉手段72とを備えるシャッター装置70を、各スパッタ用カソード電極50に備えている。このシャッター装置70およびスパッタ用カソード電極50は、電源装置、制御装置などを備える制御部80に電気的に接続されている。
スパッタ用カソード電極50は可動台20に固定された基板ホルダー40を挟んで、対向するように一方側に50a、50b、50c、50dが、他方側に50e、50f、50g、50hが配置されており、それぞれのスパッタ用カソード電極50にはスパッタリングされる組成物である、主に金属素材からなるスパッタ用ターゲット60が図示しない固定手段により、スパッタ用カソード電極50の基板ホルダー40に向かう側に固定されている。基板ホルダー40の一方の側に対向するスパッタ用カソード電極50a、50b、50c、50dに固定されるのが第1ターゲット群としてのスパッタ用ターゲット60a、60b、60c、60dであり、基板ホルダー40の他の一方の側に対向するスパッタ用カソード電極50e、50f、50g、50hに固定されるのが第2ターゲット群としてのスパッタ用ターゲット60e、60f、60g、60hである。
なお、本実施形態では基板ホルダー40を挟んで片側に4台、計8台のスパッタ用カソード電極50を配置したが、その配置台数は限定されず、基板30の皮膜構成によって、決定すればよい。また、スパッタ用ターゲット60の組成物も、基板30の皮膜構成によって選択される。
基板ホルダー40には、図4に示すような基板保持部40bを複数、備えている。基板保持部40bは、本実施形態では保持部材40aをネジなどにより基板ホルダー40に着脱可能に固定することができ、基板ホルダー40と保持部材40aにより、基板30を挟持固定する構成としている。
次に、本実施形態の搬送式両面スパッタリング装置100により、図5に示す基板30の両面に皮膜31および32を形成するスパッタリング方法について、図6および図7を用いて説明する。図5に本実施形態により基板30に皮膜形成された状態図を示す。基板30の一方の面に皮膜31が形成されており、皮膜31は基板30側の第1層目から31a、31b、31c、31dの順に4層膜となっている。同様に、基板30の他方の面側にも皮膜32が形成され、皮膜32の基板30側の第1層目から32a、32b、32c、32dの順に4層膜となっている。図6、図7は図2で示した搬送式両面スパッタリング装置100の処理領域を模式図的に示すものである。
先ず、図6(a)に示すように、可動台20に基板ホルダー40(図示省略)を介して基板30a、30b、30c、30dが固定される。可動台20が図6(a)に図示する位置、すなわち移動方向Qに対する先頭の基板30aが、スパッタ用カソード電極50(図示省略)に固定されたスパッタ用ターゲット60aおよび60eに対向する位置に置かれる。この位置において、スパッタ用ターゲット60aと基板30aとの間のシャッターはシャッター装置70aに収納されており、スパッタ用ターゲット60aは基板30aに対して開放される。しかし、スパッタ用ターゲット60eと基板30aとの間のシャッターはシャッター装置70eからシャッター71eを繰り出し、スパッタ用ターゲット60eは基板30aに対して遮蔽されている。
この図6(a)の状態で、図示しない電源、制御装置からスパッタ用ターゲット60aを備えるスパッタ用カソード電極50aに電力が供給され、イオン化したスパッタ用ターゲット60aの材料が基板30aに堆積し、図5に示す基板30の一方の面の第1層目の皮膜31aを形成する。このとき、スパッタ用ターゲット60eは基板30aに対して遮蔽されているため、スパッタ用カソード電極50eに電力が供給されても、基板30aは皮膜されない。なお、遮蔽性をより確実にするために、シャッター71eにより遮蔽されるスパッタ用ターゲット60eを備えるスパッタ用カソード電極50eには電力を供給しない制御を行うことが好ましい。
次に可動台20が矢印Q方向に移動し、図6(b)に示すように、基板30aはスパッタ用ターゲット60bと60fの間に、基板30bはスパッタ用ターゲット60aと60eの間に来た時に、可動台20を停止する。この位置では、上述で成膜した基板30aの第1層目の皮膜31a側に対向するスパッタ用ターゲット60bにはシャッター71bにより遮蔽され、基板30aの裏面側のスパッタ用ターゲット60fのシャッターはシャッター装置70fに収納され開放されている。この図6(b)の状態で、スパッタ用カソード電極50aと50fに電力が供給され、基板30aには、皮膜31aが成膜された面の裏面側に第1層目の皮膜32aが成膜され、基板30bは上述の通りシャッターが開放されているスパッタ用ターゲット60aが成膜され、第1層目の皮膜31aが形成される。
従って、図6(b)で示す工程で基板30aには、図5に示す第1層目に皮膜31aと32aが形成され、基板30bには、皮膜31aが形成された状態となる。以降、対向するスパッタ用ターゲット60のシャッター71のどちらか一方が開口、他の一方が閉口した状態でスパッタ用ターゲット60を配置した処理チャンバー10の中を、可動台20が順次移動し、図6(c)に示す最後尾の基板30dまで処理されると、基板30a、30b、30c、30dの両面にそれぞれ2層の皮膜31a、31bと32a、32bとが成膜された基板となる。
次に、図7(d)に示すように上述で遮蔽していたシャッター71b、71c、71e、71gはシャッター装置70b、70d、70e、70gに収納され、シャッターが収納されていた70a、70c、70f、70hからはシャッター71a、71c、71f、71hが繰り出されて、スパッタ用ターゲット60a、60c、60f、60hが遮蔽される。
この状態で、可動台20は反対方向の矢印R方向に移動し、図7(d)の基板30では、図5に示す3層目の皮膜31cが成膜され、図7(e)に可動台20が移動したときには基板30dに3層目の皮膜32cと、基板30cに3層目の皮膜31cが成膜される。これを順次、基板30d、30c、30b、30aの順に片面ずつスパッタリングされ、図7(f)に示すスパッタ用ターゲット60aが基板30aの図5に示す4層目の皮膜31dを成膜して基板30へのスパッタリングが終了する。
上述の通り、本実施形態における搬送式スパッタリング装置により、基板の両面にスパッタリングにより成膜すると、基板のどちらか一方の面に成膜し、他の一方の面はシャッターによって遮蔽されるために、スパッタ用カソード電極が発生する熱による基板へのストレスが大幅に軽減され、例えば水晶基板を用いた場合などは双晶の発生を抑制し、発振性能の良い、信頼性の高いデバイスを得ることができる。
なお、上述で説明したとおりスパッタ用ターゲット60の組成物を次のような組合せとすることで、基板30の表裏の皮膜31、32を同じ構成とすることができる。すなわちスパッタ用ターゲット60aと60f、60bと60e、60cと60h、60dと60gを同じ組成とすることで、上述のスパッタリングの方法によって基板30の皮膜31a、32aはスパッタ用ターゲット60aと60fの組成物による皮膜となる。同様に、皮膜31b、32bはスパッタ用ターゲット60cと60hの組成物、皮膜31c、32cはスパッタ用ターゲット60dと60gの組成物、皮膜31d、32dはスパッタ用ターゲット60bと60eの組成物による皮膜となる。
また、例えば4層未満の皮膜形成とする場合には、スパッタ用ターゲット60aと60f、60bと60e、60cと60h、60dと60g、の不要となるいずれかの組み合わせのスパッタ用ターゲットを装置に組込みしないか、シャッター71を常に閉口する、あるいは該当するスパッタ用カソード電極50に電力を供給しないことで実施可能である。
なお、上述の実施形態より多い多層膜の成膜をする場合には、基板ホルダーに対向するシャッター装置70を備えるスパッタ用カソード電極50を、一方の側に偶数台、他方の側も同数設置し、総数として4の倍数台のスパッタ用カソード電極50を設置することで、容易に可能となる。
(第2実施形態)
本発明に係る第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図8は、第2実施形態に係る搬送式両面スパッタリング装置200を示す。第2実施形態は第1実施形態に対して、シャッターに代えて遮蔽板を用いており、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
図8に示す第2実施形態の搬送式両面スパッタリング装置200は、スパッタ用カソード電極50と可動台20に固定された基板ホルダー40との間に、可動台20の移動方向に並行して移動可能に処理チャンバー10の内部に設置された第1遮蔽板91(以下、遮蔽板91という)と第2遮蔽板92(以下、遮蔽板92という)を備えている。可動台20と遮蔽板91、92は、図8のB−B’部の断面図である図9に示すように、それぞれ移動装置10a、10bによって処理チャンバー10の内部に設置されている。遮蔽板91と92とには、複数の開口部91a、91bと開口部92a、92bとを備えている。この開口部91a、91b、92a、92bは、スパッタ用ターゲット60とは次のような位置関係で形成されている。
遮蔽板91を例に説明する。遮蔽板91には開口部91a、91bが備えられている。この遮蔽板91の開口部91aをスパッタ用ターゲット60aに対向するように配置した時、開口部91bはスパッタ用ターゲット60cに対向した位置に配置される。従って、スパッタ用ターゲット60aと60cとの間にあるスパッタ用ターゲット60bに対向する遮蔽板91には開口部は設けず、遮蔽部として機能する。
また、スパッタ用ターゲット60dに対向する遮蔽板91にも開口部は設けず遮蔽部としてある。すなわち、スパッタ用ターゲットに対して開口部と遮蔽部とが交互に配置される構成となっている。
また、開口部91aをスパッタ用ターゲット60bに対向する位置に移動させたときには、スパッタ用ターゲット60dには開口部91bが配置され、スパッタ用ターゲット60a、60cには遮蔽部が配置される。遮蔽板92も遮蔽板91と同様に開口部92a、92bが配置されている。
次に、第2実施形態の搬送式両面スパッタリング装置200により、図5に示す基板30の両面に皮膜31および32を形成するスパッタリング方法について、図10を用いて説明する。図10は搬送式両面スパッタリング装置200の処理領域を模式図的に示す。
先ず、図10(a)に示すように、可動台20に基板ホルダー40(図示省略)を介して基板30a、30b、30c、30dが固定される。可動台20が図10(a)に図示する位置、すなわち移動方向Qに対する先頭の基板30aが、スパッタ用カソード電極50(図示省略)に固定されたスパッタ用ターゲット60aおよび60eに対向する位置に置かれる。また、遮蔽板91は開口部91aがスパッタ用ターゲット60aに対向し、開口部91bがスパッタ用ターゲット60cに対向するように配置される。遮蔽板92は開口部92aがスパッタ用ターゲット60fに対向し、開口部92bがスパッタ用ターゲット60hに対向するように配置される。
この図10(a)の状態で、図示しない電源、制御装置からスパッタ用ターゲット60aを備えるスパッタ用カソード電極50aに電力が供給され、イオン化したスパッタ用ターゲット60aの材料が基板30aに堆積し、図5に示す基板30の一方の面の第1層目の皮膜31aを形成する。このとき、スパッタ用ターゲット60eは基板に対して遮蔽板92によって遮蔽されているため、スパッタ用カソード電極50eに電力が供給されても、基板30aは皮膜されない。なお、遮蔽性をより確実にするために、遮蔽板92により遮蔽されるスパッタ用ターゲット60eを備えるスパッタ用カソード電極50eには電力を供給しない制御を行うことが好ましい。
次に、図示Q方向に可動台20と共に基板30a、30b、30c、30dを、次のスパッタ用ターゲット位置まで移動する。移動後の位置での開口部91a、91b、92a、92bと対向する基板面上にスパッタリングを行う。これを順次繰り返し、図10(b)に示す移動方向Qの終端においてスパッタ用ターゲット60hが基板30dの面上にスパッタリングされて、移動方向Qにおけるスパッタリングが終了し、基板両面には皮膜31a、31bおよび32a、32bが成膜される。
ここで図10(c)に示すように、遮蔽板91および92を、スパッタ用ターゲットに対して開口部91a、91b、92a、92bが移動方向Qの時に遮蔽されていたスパッタ用ターゲット60b、60d、60e、60gと対向する位置まで、相対的に移動させる。遮蔽板91、92の移動後、図示する移動方向Rの先頭の基板30dの対向する開口部91bに対応するスパッタ用ターゲット60dがスパッタリングされ、基板30d面上に皮膜31cを成膜する。
次に、図示R方向に可動台20と共に基板30d、30c、30b、30aを、次のスパッタ用ターゲット位置まで移動する。移動後の位置での開口部91a、91b、92a、92bと対向する基板面上にスパッタリングを行う。これを順次繰り返し、図10(d)に示す移動方向Rの終端においてスパッタ用ターゲット60eが基板30aの面上にスパッタリングされて、移動方向Rにおけるスパッタリングが終了し、基板両面には皮膜31および32が成膜され、基板30a、30b、30c、30dへの両面成膜が完了し、処理チャンバー10から取り出される。
上述の通り、第2実施形態における搬送式スパッタリング装置により、基板の両面にスパッタリングにより成膜すると、遮蔽板の開口部に対向する側の基板の面を成膜し、他の一方の面は遮蔽板によって遮蔽されるために、スパッタ用カソード電極が発生する熱による基板へのストレスが大幅に軽減され、例えば水晶基板を用いた場合などは双晶の発生を抑制し、発振性能の良い、信頼性の高いデバイスを得ることができる。また、遮蔽板の直線的な移動によって、スパッタ用ターゲットに対して開口と遮蔽を切り替えることができるため、簡単な機構の搬送式両面スパッタリング装置とすることができ、装置コストを低くすることが可能となる。
第2実施形態であっても、上述の第1実施形態同様に、スパッタ用ターゲット60aと60f、60bと60e、60cと60h、60dと60gを同じ組成とすることで、上述のスパッタリングの方法によって基板30の皮膜31a、32aはスパッタ用ターゲット60aと60fの組成物による皮膜となる。同様に、皮膜31b、32bはスパッタ用ターゲット60cと60hの組成物、皮膜31c、32cはスパッタ用ターゲット60dと60gの組成物、皮膜31d、32dはスパッタ用ターゲット60bと60eの組成物による皮膜となる。
また、例えば4層未満の皮膜形成とする場合には、スパッタ用ターゲット60aと60f、60bと60e、60cと60h、60dと60g、の不要となるいずれかの組み合わせのスパッタ用ターゲットを装置に組込み込まないことで実施可能となる。4層を超える多層膜の皮膜31、32を形成する場合には、基板ホルダーに対向するスパッタ用カソード電極50を、一方の側に偶数台、すなわち他方の側も同数設置し、総数を4の倍数台のスパッタ用カソード電極50を設置する。遮蔽板91、92の開口部はそれぞれ対応するスパッタ用カソード電極50の設置台数の1/2の開口数、例えばスパッタ用カソード電極50が一方側に6台、総数で12台設置された場合、遮蔽板91、92にはそれぞれ3個の開口部を設ける、こととすることで容易多層膜が可能になる。
10…処理チャンバー、20…可動台、30…基板、40…被処理物保持装置(基板ホルダー)、50…スパッタ用カソード電極、60…スパッタ用ターゲット、70…シャッター装置、80…制御部、100…搬送式両面スパッタリング装置。

Claims (4)

  1. 被処理物を固定し、スパッタリング装置内で往復移動する搬送装置と、
    前記被処理物を搬送する方向に交わる方向に対向配置される皮膜の基本組成物からなるスパッタ用ターゲットを、前記被処理物の搬送方向に複数配置した第1ターゲット群および第2ターゲット群と、
    前記スパッタ用ターゲットと前記被処理物との間に、開閉可能なシャッターと、を備え、
    対向配置される前記スパッタ用ターゲットに対応する前記シャッターのどちらか一方が開口し、他の一方が閉口する、
    ことを特徴とする搬送式両面スパッタリング装置。
  2. 前記被処理物を固定した前記搬送装置が往路移動のとき開口した前記シャッターが、復路移動のときは閉口し、
    前記被処理物を固定した前記搬送装置が往路移動のとき閉口した前記シャッターが、復路移動のときは開口する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の搬送式両面スパッタリング装置。
  3. 被処理物を固定し、スパッタリング装置内で往復移動する搬送装置と、
    前記被処理物を搬送する方向に交わる方向に対向配置される皮膜の基本組成物からなるスパッタ用ターゲットを、前記被処理物の搬送方向に複数配置した第1ターゲット群および第2ターゲット群と、
    前記スパッタ用ターゲットに対向し前記被処理物の搬送方向に沿って配置された複数の開口部を備え、前記第1ターゲット群および第2ターゲット群に対して相対的に移動可能に設けられ、前記被処理物と前記第1ターゲット群との間に前記被処理物の搬送方向に延在する第1遮蔽板と、前記被処理物と前記第2ターゲット群との間に前記被処理物の搬送方向に延在する第2遮蔽板と、を備える、
    ことを特徴とする搬送式両面スパッタリング装置。
  4. 前記第1および第2遮蔽板は、前記開口部に対向する前記スパッタ用ターゲットに隣り合う前記スパッタ用ターゲットに対向して遮蔽部を備え、
    前記第1および第2遮蔽板を相対的に前記スパッタ用ターゲットの配列方向に隣り合う前記スパッタ用ターゲット位置まで前記開口部を移動させたときも、前記開口部に対向する前記スパッタ用ターゲットに隣り合う前記スパッタ用ターゲットに対向するように前記遮蔽部が配置され、
    前記第1遮蔽板または前記第2遮蔽板のどちらか一方の遮蔽板の前記開口部に対向する位置に他方の遮蔽板の前記遮蔽部が配置される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の搬送式両面スパッタリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102534539A (zh) * 2011-12-31 2012-07-04 肇庆市腾胜真空技术工程有限公司 双片或双面镀膜系统
CN103422059A (zh) * 2012-05-16 2013-12-04 深圳市正星光电技术有限公司 一种可同时实现玻璃基板单、双面镀膜设备

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