JP2011235544A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 入力画像を所定の色ごとに分けて各色の版画像を形成する分版処理部111と、一の版画像に含まれるオブジェクトと他の版画像に含まれるオブジェクトとの境界を抽出する境界抽出処理部112と、前記境界を有する版画像において当該境界を介して対向する画素の色値を入れ替える交換処理を行う境界線加工処理部113と、前記交換処理が行われた版画像を合成して出力する出力エンジン7とを備えた構成としてある。
【選択図】 図1
Description
版ずれが起きると、出力画像において色ずれが発生するため視認性が極端に低下する。
例えば、ある色の図形と他の色の図形とが接して境界を形成するような画像の場合、その境界付近で紙の地色(紙白)が現れることがある(以下、適宜「白抜け」と称する)。
しかしながら、レジスト補正によると、現像・転写・定着などの各工程における機構上の問題(例えば、ギヤ、ローラー、ベルトなどの回転速度が必ずしも一様でなく、振動などの影響で距離が変動し、さらには、用紙の送り量が左右では一致しないために用紙が斜行してぶれる等の問題)によって、同一色版内部においてもドットの形成位置がずれる問題が生じていた。
つまり、各ハードウェア機構を調整して各版の先頭位置を正確に合わせたとしても、その後の版ずれによってレジスト補正の効果が無実となる場合があった。
トラッピングによれば、白抜けが発生すると予測される領域に対し、版画像の一方もしくは双方の色を拡張し、又はこれらに近似する色を補間する処理が行われるため、各版画像を合成した際に白抜けを目立たなくすることができる。
例えば、図形と図形との境界を検出し、検出された境界の近傍画素に対してトラッピングを行うか否かを判定し、トラッピングを行うと判定した場合、その近傍画素に対してどの版の色を割り当てるかを決定し、その決定にしたがって元の版画像を修正する処理が行われる。
そして、このようなトラッピングによれば、版ずれの発生の有無に拘わらず処理が行われるため、仮に白抜けが生ずるような場合であっても、その視覚的影響を抑えることができる。
また、版ずれの方向によっては、白抜けではなく、境界に画素の重なりが現れることがあり、このような境界に対してトラッピングを行うことによって境界がより強調されることとなっていた。
さらに、白抜けや画素の重なりの度合いに応じたトラッピングが行われない場合にも、同様の問題が生じていた。
なお、本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、カラー印刷機能やカラー印刷機能を有した複合機10であり、CPU(Central Process Unit)やチップセット等の制御要素、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等により構成されたコンピューターを有する。CPUは、プログラムを実行する演算処理装置である。ROMは、プログラム及びデータを予め記憶した不揮発性のメモリである。RAMは、プログラムを実行する際にそのプログラム及びデータを一時的に記憶して、作業領域として用いるメモリである。ROMに記憶されたプログラムは、CPUの制御手段に読み込まれることにより、コンピューターに所定の処理を行わせる。
図1は、本発明の画像形成装置の第一実施形態としてカラー印刷機能及びカラー複写機能を備えた複合機の外観を表した外観図である。
また、図2は、本実施形態に係る複合機によって行われる画像処理の概略工程を示したフローチャートである。
複写を行う場合の画像情報分版前処理としては、例えば、原稿給紙トレイ1に原稿Aが配置され、利用者によるコピー実行操作が行われた場合、ローラー群2により原稿Aを原稿搬送部本体3の内部に搬送し、原稿排紙トレイ4に排紙する処理を行う。
そして、スキャナー部5が、その過程で原稿Aの読み取り処理を行う。具体的には、搬送されてきた原稿Aを露光ランプ51によって露光し、その反射光をミラー群52及び集光レンズ53を介してイメージセンサー54で縮小結像し、光電変換処理を経て電子的な画像データを取得する。
画像情報分版処理は、例えば、スキャナー部5や外部インターフェース6を介して取得した画像データを、トナーの色ごとに分けることによって複数の電子的な版画像を形成する。
本実施形態の場合、この画像情報分版前処理により、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの版画像の画像データを取得する。
なお、各版画像の画像データは、制御部11における各種処理を経て印刷エンジン7に出力される。
具体的には、各印字ユニット70において、帯電部71が、版画像の画像データにもとづき、感光体ドラム74の表面を一様に帯電させ、露光部72が、感光体ドラム74の表面における版画像に応じた静電潜像を形成し、現像部73が、トナーを放出することにより感光体ドラム74の表面に静電潜像にもとづくトナー像による版画像を形成する。
具体的には、感光体ドラム74の表面に形成されたトナー像を、各色の印字ユニット70ごとに順次転写ベルト75上に転写し、用紙カセット8や手差しトレイ9から給紙された用紙P上に一括転写させることによって同一用紙P上において各版画像を合成する。
図3は、画像情報分版処理を担う制御部の構成を示した機能ブロック図である。
図3に示すように、本実施形態の制御部11は、分版処理部111と、境界抽出処理部112と、境界線加工処理部113と、ガンマ補正処理部114と、スクリーニング処理部115とを備える。
例えば、分版処理部111は、スキャナー部5を介して取得したRGB表色系の画像データを、予め保有している色変換テーブルを介してCMYK表色系の画像データに変換する。そして、分版処理部111は、このCMYK表色系の画像データからシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの画像データを分離又は抽出することによって4つの版画像を取得する。
なお、この分版処理によって、各画像データは、マシン固有の解像度にもとづく画素に分解される。
つまり、本実施形態の場合、1)シアン−マゼンタ、2)シアン−イエロー、3)シアン−ブラック、4)マゼンタ−イエロー、5)マゼンタ−ブラック、6)イエロー−ブラックの6パターンの版画像の組み合わせについて境界抽出処理が行われる。
図4に示すように、境界抽出処理部112は、版画像(ch)毎に図形、文字、記号などのオブジェクトの端部や縁部を抽出するため、立ち上がりエッジ検出部1121と、立ち下がりエッジ検出部1122と、版ずれ妨害発生箇所予測部1123とを備えている。
立ち上がりエッジ検出部1121及び立ち下がりエッジ検出部1122は、版画像に含まれる各画素の色値や濃度を計測し、注目画素とその周辺画素の色値や濃度の変化量にもとづき立ち上がりエッジや立ち下がりエッジを検出し、さらにそれぞれの座標を特定する。
なお、非エッジとは、濃度や色値の変化が無い平坦な部分又は濃度や色値の変化が少ない部分(濃度や色値が急激には変化せず緩やかに変化するグラデーション)のいずれかを示す。
なお、本実施形態では、簡単のため、画像の水平方向のみ説明したが、垂直方向に対しても同様に画素の色値変化や濃度変化にもとづいて立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジ及び非エッジを検出することができる。
また、エッジ検出方法は、上述の方法に限らず、他の既知の方法を用いても良い。
境界抽出処理部112は、このようにして抽出した境界の座標を境界線加工処理部113へ出力する。
特に、本実施形態の境界線加工処理部113は、このような交換処理を、境界を有する各版画像について、その境界に沿って配置される画素に対して交互に行うとともに、この境界を有する各版画像における当該境界に沿って同じ位置に配置される画素に対して行う。
以下、本実施形態の交換処理の具体例を図5及び図6を参照しながら説明する。
例えば、図5(a)の場合、版画像1のエッジをなすx=2の列の画素のうち、y=2,4,6に配置される画素の色値と、このエッジの境界(ここではx=2の列とx=3の列との間のボーダーラインが該当する)を跨いで対向する位置に配置された画素の色値とを入れ替える。なお、この交換処理は、版画像ごとに行うため、境界を跨いで色が付されている画素と色が付されていない画素の色値が入れ替わることとなる。
また、版画像2についても同様の交換処理を行う。つまり、版画像2のエッジをなすx=4の列の画素のうち、y=2,4,6に配置される画素(版画像1と同じ位置に配置される画素)の色値と、このエッジの境界(ここではx=4の列とx=3の列との間のボーダーラインが該当する)を跨いで対向する位置に配置された画素の色値とを入れ替える。
また、図6(d)〜(f)に示すように、図5(d)〜(f)に示す画像については、画素の重なりを目立たなくすることができる。
なお、本実施形態は、処理の円滑のため、版ずれ発生の有無を問わず一様に交換処理を行うこととしている。このため、仮に版ずれが起きなかった場合(図5(g)〜(i))に交換処理を行うと一般にその視認性は著しく低下する。しかしながら、本実施形態の交換処理によれば、図6(g)〜(i)に示すように、境界を必要以上に目立たないようにすることができる。
したがって、境界線加工処理部113によって上述の交換処理が施されて形成された加工画像の画像データに対し、ガンマ補正処理部114がガンマ補正を行い、スクリーニング処理部115がスクリーン処理を施す。
その後、現像工程に移行するため、スクリーン処理部は、スクリーン処理後の画像データを印刷エンジン7に出力する。
そして、印刷エンジン7は、スクリーン処理部から出力された画像データに対する現像工程、転写工程、定着工程を経て印刷物の出力を得る。
また、この交換処理を、各版画像についてその境界に沿って配置される画素に対して交互に行うとともに、前記境界を有する各版画像における当該境界に沿って同じ位置に配置される画素に対して行うようにしている。
このため、版ずれによって生ずる白抜けや画素の重なりを目立たなくすることができるだけでなく、版ずれ対策として従来から行われてきたトラッピングによって生じていた境界を目立たなくすることができる。
次に、本発明の第二実施形態に係る複合機について説明する。
本実施形態の複合機10は、境界線加工処理部113における交換処理に特徴を有するものであり、この部分が前述の第一実施形態と異なる。
具体的には、境界線加工処理部113が、境界を介して対向する画素の色値を入れ替える交換処理については、第一実施形態とは同様だが、係る交換処理を、その境界に沿って配置される画素に対して交互に行うとともに、この境界を有する各版画像における当該境界に沿って異なる位置に配置される画素に対して行うことが第一実施形態とは異なる。
他の構成は、第一実施形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
以下、本実施形態の交換処理の例を図5及び図7を参照しながら説明する。
例えば、図5(a)の場合、版画像1のエッジをなすx=2の列の画素のうち、y=1,3,5に配置される画素の色値と、このエッジの境界(ここではx=2の列とx=3の列との間のボーダーラインが該当する)を跨いで対向する位置に配置された画素の色値とを入れ替える。
また、版画像2についても同様の処理を行う。つまり、版画像2のエッジをなすx=4の列の画素のうち、y=2,4,6に配置される画素(版画像1と異なる位置に配置される画素)の色値と、このエッジの境界(ここではx=4の列とx=3の列との間のボーダーラインが該当する)を跨いで対向する画素の色値とを入れ替える。
また、図7(d)〜(f)に示すように、図5(d)〜(f)に示す画像については、画素の重なりを目立たなくすることができる。
なお、本実施形態も、第一実施形態と同様、版ずれ発生の有無を問わず一様に交換処理を行うこととしている。このため、仮に版ずれが起きなかった場合(図5(g)〜(i)参照)に交換処理を行うと一般にその視認性は著しく低下する。しかしながら、本実施形態によれば、図7(g)〜(i)に示すように、境界を必要以上に目立たないようにすることができる。
すなわち、本実施形態の境界線加工処理部113は、第一実施形態と異なる手段によって交換処理を行いながらも、第一実施形態と同等又はそれ以上の作用・効果を奏することができる。
次に、本発明の第三実施形態に係る複合機について説明する。
本実施形態に係る複合機10は、基本的な構成は前述の第一実施形態又は第二実施形態と同様だが、版画像の合成画像(チャート画像)の出力結果を測定して版ずれ量を求め、この版ずれ量に応じた画素間で色値の交換処理を行うところに特徴を有する。
すなわち、版ずれ量計測部120が計測した版ずれ量にもとづいて、抑制量演算部121がその版ずれ量に応じた画素の幅(画素間の距離又は距離範囲)を決定し、これを境界線加工処理部113に通知することによって、現時点において予測しうる版ずれ量に対応した交換処理を行うものである。
他の構成は、前述の各実施形態と共通するため詳細な説明は省略する。
図9に示すように、版ずれ量計測部120は、チャート描画部1201と、チャート計測部1202と、版ずれ量算出部1203とを備える。
ここでは、まず、チャート描画部1201が、版ずれ計測用チャートを描画し、チャート計測部1202がこれを計測し、版ずれ量算出部1203がこの計測値にもとづき版ずれ量を算出する。
また、版ずれ量は、このようなチャート画像を印刷用紙等に出力したものを目視で計測することによって求めることもできる。
版ずれ量計測部120は、求めた版ずれ量を抑制量演算部121に出力する。
図11に示すように、抑制量演算部121は、版ずれ計測値保持部1211と妨害度予測部1212と抑制量算出部1213とを備える。
版ずれ計測値保持部1211は、版ずれ量計測部120から入力した版ずれ量をメモリ等の記憶手段に保持する。
具体的には、版ずれ量が所定の基準値に満たないような画素は妨害度が低いと判断して交換処理の対象から除外することができる。
抑制量とは、版ずれの大きさに応じて決定される交換処理の幅(以下、トラップ幅と称する)のことであり、本実施形態の場合、版ずれが小さいと判断した場合にはトラップ幅を±1画素とし、版ずれが大きいと判断した場合にはトラップ幅を±2画素とする。
このため、抑制量算出部1213は、求めた抑制量(±1画素又は±2画素)を境界線加工処理部113に出力する。
以下、本実施形態の交換処理の例を図5及び図12を参照しながら説明する。
なお、抑制量算出部1213は、図5(c)に示す版画像1と版画像2との相互の版ずれによる抑制量を±2画素と算出したものとする。
本実施形態において、±2画素の交換処理を行う場合は、境界から±1画素に配置される画素に対する交換処理と、境界から±2画素に配置される画素に対する交換処理とを、境界の長手方向にそって交互に行う。
同様にして、図5(f)に示す画像は、図12(b)に示すようにモザイク状に加工され、この結果、2画素分の画素の重なりを目立たなくすることができる。
したがって、これらの図の画像に対しては、第一実施形態又は第二実施形態と同様の交換処理が施される(図6、7参照)。
また、図5(g)〜(i)については、版ずれが発生しておらず、抑制量算出部1213は、版画像1と版画像2との相互の版ずれによる抑制量を0画素と算出する。したがってこの場合、交換処理は行われない。
次に、本発明の第四実施形態に係る複合機について説明する。
本実施形態に係る複合機10は、基本的な構成は前述の各実施形態と同様だが、所定の乱数を用いて交換処理の実行制御を行うところに特徴を有する。
補助判定部130Aは、図14に示すように、乱数発生部1301とエッジ処理要否判定部1302とを備える。
具体的には、乱数発生部1301は、全版画像において交換処理を行う対象の画素に対し、一の疑似乱数発生アルゴリズムを用いて乱数を発生させる。
例えば、乱数発生部1301が発生させた乱数の値が0.0以上0.5未満である場合、エッジ処理要否判定部1302は交換処理を行うと判定し、乱数の値が0.5以上1.0未満である場合、エッジ処理部判定部1302は交換処理を行わないと判定する。
エッジ処理要否判定部1302は、上記判定結果を識別しうる判定信号を境界線加工処理部113に出力する。
すなわち、境界線加工処理部113は、交換処理を行う旨の判定信号を受信した場合のみ交換処理を行う。また、交換処理を行わない旨の判定信号を受信した場合に交換処理を行わないようにしてもよい。
他の構成は、前述の各実施形態と共通するため詳細な説明は省略する。
図15は、図5の合成画像に本実施形態の交換処理を施したものである。
例えば、図5(a)の画像において、乱数発生部1301は、一の乱数表を用いて版画像1のx=2の列の画素及び版画像2のx=4の列の画素に関し、y=1,2,3,4,5,6,・・・の順に乱数を割り当てる処理を行う。その結果、y=1,3,6、9,10について0.0以上0.5未満の値が割り当てられたものとする。
この結果、図15aに示すように、境界部分においてランダムに色拡張処理が施された画像が形成される。
図15b〜iは、図5(b)〜(i)について同様の交換処理を行った結果を示した図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る交換処理によっても、境界付近に発生する白抜けや画素の重なりを目立たなくすることができる。
次に、本発明の第五実施形態に係る複合機について説明する。
本実施形態に係る複合機10は、ほぼ第四実施形態と同様だが、同実施形態においては一の乱数をすべての版画像について共用するのに対し、本実施形態においては、版画像ごとにそれぞれ個別の独立した乱数を用いて交換処理を行う画素か否かを決定し、この決定にもとづいて交換処理を行うところに特徴を有する。
具体的には、マゼンタに対応した乱数発生アルゴリズムと、シアンに対応した乱数発生アルゴリズムと、イエローに対応した乱数発生アルゴリズムと、ブラックに対応した乱数発生アルゴリズムとをそれぞれ別々に所有し、各版画像においては、それぞれの乱数発生アルゴリズムによって発生された乱数にもとづいて交換処理を行うか否かを判定する。
なお、制御部11の構成は、第四実施形態と同一であるため、詳細な説明は省略する。
例えば、図5(a)に示すように、乱数発生部1301が、Aの乱数表を用いて版画像1のx=2の列の画素に関し、y=1,2,3,4,5,6,・・・の順に乱数を割り当てる処理を行う。他方、乱数発生部1301が、Bの乱数表を用いて版画像2のx=4の列の画像に関し、同様に乱数を割り当てる処理を行う。その結果、版画像1のy=1,3,4、7,10,11について0.0以上0.5未満の値が割り当てられ、版画像2については、y=1,2、6,9,10について0.0以上0.5未満の値が割り当てられたものとする。
この結果、図16aに示すように、境界部分においてランダムに色拡張処理が施された画像が形成される。
図16b〜iは、図5(b)〜(i)について同様の方法で交換処理を行った結果を示した図である。
このように、本実施形態に係る交換処理によっても、境界付近に発生する白抜けや画素の重なりを目立たなくすることができる。
なお、乱数を独立して使用しているため、第四実施形態と比較しても、画素の重なりの発生をより抑えることができ、境界をより自然に目立たなくすることができる。
次に、本発明の第六実施形態に係る複合機について説明する。
本実施形態の複合機10は、図17に示すように、制御部11の構成は前述の第五実施形態とほぼ同様である(図13参照)。
ただし、本実施形態の複合機10は、境界を形成する画素の濃度差が小さいため、版ずれを起こしたとしても視認性を低下させる程ではないと判断できる画素については交換処理の対象から除外する点において特徴を有する。
つまり、効果の小さい交換処理についてはこれを除外することによって画像処理の円滑化を図るものである。
図4と比較すると判るように、本実施形態の境界抽出処理部112は、エッジ部濃度差情報計測部1124をさらに備える。
エッジ部濃度差情報計測部1124は、立ち上がりエッジ検出部1121又は立ち下がりエッジ検出部1122によって検出された立ち上がりエッジ部及び立ち下がりエッジ部における画素の濃度差を計測する。
エッジ部濃度差情報計測部1124は、計測したエッジ部の画素の濃度差情報を補助判定部130Bに出力する。
他の構成は図4と同様である。したがって、他の構成についての詳細な説明は省略する。
図14と比較すると判るように、本実施形態の補助判定部130Bは、エッジ部濃度差情報保持部1303と妨害度予測部1304をさらに備える。
他の構成は図14と同様である。したがって、他の構成についての詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態においては、後述するように、乱数と関連づけて交換処理の実行判定を行うこととしている。
妨害度補正係数は、0から1の間で定義される係数とする。例えば、画像データが8bitで0〜255の値をとるのであれば、濃度差を255で割った値を用いるとよい。
妨害度予測部1304は、求めた妨害度補正係数をエッジ処理要否判定部1302に出力する。
具体的には、妨害度予測部1304から入力した妨害度補正係数と、乱数発生部1301によって求めた乱数とを乗ずることによって乗算値を求める。
そして、例えば、この乗算値が0.0以上0.5未満である場合、エッジ処理要否判定部1302は、その画素について交換処理を行うと判定し、乗算値が0.5以上1.0未満である場合、エッジ処理部判定部1302は、その画素について交換処理を行わないと判定する。
エッジ処理要否判定部1302は、上記判定結果を識別しうる判定信号を境界線加工処理部113に出力する。
すなわち、境界線加工処理部113は、交換処理を行う旨の判定信号を受信した場合のみ交換処理を行う。また、交換処理を行わない旨の判定信号を受信した場合に交換処理を行わないようにしてもよい。
例えば、乱数だけで交換処理の要否判定を行う第四実施形態や第五実施形態に比べ、色差をその判定要素に加えているため、交換処理の効果が小さいケースを排除して、効率よく画像処理を行うことができる。
次に、本発明の第七実施形態に係る複合機について説明する。
本実施形態に係る複合機10は、前述の第六実施形態とほぼ同様の構成である。具体的には、対象画素の濃度差と乱数を用いて交換処理の対象か否かを判定する点については、第六実施形態と同様であるが、本実施形態ではさらに版ずれ量を判定要素として付加している点において特徴を有する。
図19と比較すると判るように、本実施形態の補助判定部130Cは、版ずれ計測値保持部1305をさらに備える。
他の構成は、図14と同様である。したがって、他の構成についての詳細な説明は省略する。
例えば、前述の第三実施形態において説明したように、図10に示すようなチャート画像を版画像ごとに感光体ドラム又は中間転写ベルト等に形成し、このチャート画像を読取センサー等によって計測し、この計測値にもとづき算出した版ずれ量を予め保持する。
そして、妨害度予測部1304は、エッジ部濃度差情報保持部1303に保持されている濃度差情報と、版ずれ計測値保持部1305に保持されている版ずれ量にもとづいて妨害度補正係数を求める。
例えば、最大版ずれ時を想定して意図的に版ずれを予め起こしてこれを計測した値と版ずれが起きていない時の計測値との「仮想最大色差」を求めておき、起こりうる版ずれが起きたと仮定したときの色度差を予測して、版ずれが起きていないときの「色差」を「仮想最大色差」で割ることにより第一係数を算出する。
妨害度予測部1304は、妨害度補正係数に係る第一係数と第二係数をエッジ処理要否判定部1302に出力する。
具体的には、妨害度予測部1304から入力した第一係数と第二係数と、乱数発生部1301によって求めた乱数とを乗ずることによって乗算値を求める。
そして、例えば、この乗算値が0.0以上0.5未満である場合、エッジ処理要否判定部1302は、その画素について交換処理を行うと判定し、乗算値が0.5以上1.0未満である場合、エッジ処理部判定部1302は、その画素について交換処理を行わないと判定する。
エッジ処理要否判定部1302は、上記判定結果を識別しうる判定信号を境界線加工処理部113に出力する。
すなわち、境界線加工処理部113は、交換処理を行う旨の判定信号を受信した場合のみ交換処理を行う。また、交換処理を行わない旨の判定信号を受信した場合に交換処理を行わないようにしてもよい。
例えば、乱数と色差を用いて交換処理の要否判定を行う第六実施形態に比べ、版ずれ量をその判定要素に加えているため、交換処理の効果が小さいケースをさらに除外して、より効率よく画像処理を行うことができる。
具体的には、境界に沿って適度な間隔をもって交換処理を施すことにより、版ずれが生じている場合には白抜けや画素の重なりを目立たないように画像処理を施すことができるだけでなく、版ずれが生じていない場合であっても、必要以上に境界を目立たせることがないようにしている。
さらに、交換処理を境界の長手方向に対してランダムに行うことにより、境界部の画像をより自然に表現することができる。
加えて、交換処理の必要性がない濃度差に該当する対象画素に対しては、交換処理の実行を制限するように構成することで、画像処理全体の円滑化を実現することができる。
例えば、上述した実施形態をそれぞれ組み合わせることによって、それぞれの作用・効果を複数又は相乗的に奏する複合機を実現することができる。
11 制御部
111 分版処理部
112 境界抽出処理部
113 境界線加工処理部
120 版ずれ量計測部
121 抑制量演算部
130 補助判定部
1301 乱数発生部
1302 エッジ処理要否判定部
1303 エッジ部濃度差情報保持部
1304 妨害度予測部
1305 版ずれ計測値保持部
20 パーソナルコンピューター
Claims (13)
- 入力画像を所定の色ごとに分けて各色の版画像を形成する分版処理部と、
一の版画像に含まれるオブジェクトと他の版画像に含まれるオブジェクトとの境界を抽出する境界抽出処理部と、
前記境界を有する版画像において当該境界を介して対向する画素の色値を入れ替える交換処理を行う境界線加工処理部と、
前記交換処理が行われた版画像を合成して出力する合成出力部とを備える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記境界線加工処理部は、
前記交換処理を、前記境界を有する各版画像における当該境界に沿って同じ位置に配置される画素に対して行う
請求項1記載の画像形成装置。 - 前記境界線加工処理部は、
前記交換処理を、前記境界を有する各版画像における当該境界に沿って異なる位置に配置される画素に対して行う
請求項1記載の画像形成装置。 - 前記交換処理の対象画素に対し、所定の乱数発生手段によって発生される一意の値を割り当てる乱数発生部を備え、
前記境界線加工処理部は、
前記乱数発生部によって割り当てられた値に応じ前記対象画素に対する前記交換処理の実行制御を行う
請求項1記載の画像形成装置。 - 前記合成出力部により出力された画像を計測して版画像ごとのずれ量を計測する版ずれ量計測部を備え、
前記境界線加工処理部は、
計測した前記ずれ量に応じ前記交換処理の実行制御を行う
請求項1〜4のいずれか一項記載の画像形成装置。 - 前記版ずれ量計測部が計測した前記ずれ量にもとづき、前記交換処理を行う距離範囲を求める抑制量演算部を備え、
前記境界線加工処理部は、
前記交換処理を、前記境界を介して対向する画素であって、前記境界から前記距離範囲内に対向して配置される画素に対して行う
請求項5記載の画像形成装置。 - 前記抑制量演算部は、前記距離範囲に含まれる二以上の距離数を特定し、
前記境界線加工処理部は、
前記境界から一の距離数を介して対向して配置される画素に対して行う前記交換処理と、前記境界から他の距離数を介して対向して配置される画素に対して行う前記交換処理とを、前記境界に沿って行う
請求項6記載の画像形成装置。 - 版画像に係る色値と所定の色値との色差にもとづき特定される色差の範囲を保持する色差情報保持部とを備え、
前記境界線加工処理部は、
各版画像における前記交換処理の対象画素の色値と所定の色値との色差が前記色差の範囲に含まれるか否かによって前記対象画素に対する前記交換処理の実行制御を行う
請求項1〜5のいずれか一項記載の画像形成装置。 - 前記色差情報保持部は、
一の版画像に係る色値と他の版画像に係る色値との色差にもとづいて前記色差の範囲を保持し、
前記境界線加工処理部は、
前記境界を有する一の版画像における前記交換処理の対象画素の色値と当該境界を有する他の版画像における前記交換処理の対象画素の色値との差が前記色差の範囲に含まれるか否かによって前記交換処理の実行制御を行う
請求項8記載の画像形成装置。 - 前記乱数発生部は、一の乱数発生手段を備え、前記境界を有する各版画像の前記交換処理の対象画素に対し、前記一の乱数発生手段によって発生される一意の値を割り当てる
請求項4記載の画像形成装置。 - 前記乱数発生部は、各版画像に対応した個々の乱数発生手段を備え、前記境界を有する各版画像の前記交換処理の対象画素に対し、その版画像に対応した乱数発生手段によって発生される一意の値を割り当てる
請求項4記載の画像形成装置。 - 前記交換処理を、前記境界に沿って配置される画素に対して交互に行う
請求項2、3、6又は7記載の画像形成装置。 - 入力画像を所定の色ごとに分けて各色の版画像を形成するステップと、
一の版画像に含まれるオブジェクトと他の版画像に含まれるオブジェクトとの境界を抽出するステップと、
前記境界を有する版画像において当該境界を介して対向する画素の色値を入れ替える交換処理を行うステップと、
前記交換処理が行われた版画像を合成して出力するステップとを有する
ことを特徴とする画像形成方法。
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