JP2011235417A - 研磨パッドの製造方法 - Google Patents

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信吉 石坂
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Abstract

【課題】平均水酸基価が非常に大きい活性水素含有化合物を使用した場合であっても、品質のよい研磨パッドを生産効率よく製造する方法。
【解決手段】気泡分散ウレタン組成物を機械発泡法により調製する工程、離型シート、基材層、又はクッション層上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、気泡分散ウレタン組成物を硬化させて熱硬化性ポリウレタン発泡体シートを形成する工程、及び発泡体シートの厚さを均一に調整する工程を含む研磨パッドの製造方法において、前記活性水素含有化合物は、平均水酸基価が350〜550mgKOH/gであり、前記気泡分散ウレタン組成物は、融解点が70〜90℃かつ水酸基又はウレタン基を有する蓄熱剤を活性水素含有化合物100重量部に対して20〜50重量部、及び活性化温度が前記蓄熱剤の融解点よりも高い感温性触媒を活性水素含有化合物100重量部に対して0.01〜0.5重量部含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料、シリコンウエハ、シリコンカーバイド、サファイア等の化合物半導体基板、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板等の表面を研磨する際に用いられる研磨パッド及びその製造方法に関する。特に、本発明の研磨パッドは、仕上げ用の研磨パッドとして好適に用いられる。
半導体装置を製造する際には、ウエハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチング等をすることにより配線層を形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にケミカルメカニカルポリシング(以下、CMPという)が採用されている。CMPは、ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラリーという)を用いて研磨する技術である。CMPで一般的に使用する研磨装置は、例えば、図1に示すように、研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、被研磨材(半導体ウエハ)4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハの均一加圧を行うためのバッキング材と、スラリーの供給機構を備えている。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、被研磨材4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。
このような研磨操作に使用される研磨パッドの製造方法としては、例えば以下の製造方法が提案されている。
機械発泡法により気泡分散ウレタン組成物を調製する工程、基材層上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、気泡分散ウレタン組成物を硬化させて略球状の連続気泡を有するポリウレタン発泡層を形成する工程、及びポリウレタン発泡層の厚さを均一に調整する工程を含む研磨パッドの製造方法が提案されている(特許文献1)。
イソシアネート化合物と平均水酸基価が非常に大きい活性水素含有化合物とを含む気泡分散ウレタン組成物を用いてポリウレタン発泡体シートを作製する方法(いわゆるワンショット法)の場合、ウレタン化触媒を添加しなくても反応温度が急上昇し、ウレタン化反応が急速に進行するため、塗布前に気泡分散ウレタン組成物のゲル化が起こりやすくなる。そのため、ポットライフを十分に確保することができず、離型シートなどの上に気泡分散ウレタン組成物を均一に塗布することができないという問題があった。
一方、特許文献2には、均一で微細な気泡を持つ表面平滑な高倍率の発泡体を製造するために、熱可塑性樹脂を押出機内で溶融し、該溶融物に無機ガスを圧入すると共に、0.3〜80重量%の水を吸収させた吸水性ポリマーを熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部圧入し、溶融混練後、溶融物を押出機から押し出して発泡せしめることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法を提案している。
また、特許文献3には、発泡プロセス中に混合物の一部の過熱によってフォームの品質が低下することを防止し、高品質のポリマーフォームを製造するために、発泡性混合物中に少なくとも80℃の温度で吸熱分解しうる化合物を添加することが記載されている。
特許文献2及び3のように、原料組成物中に熱を吸収する化合物を添加した場合、気泡の熱膨張を防止することはできるが、発泡体が完全に硬化するまでのキュア時間が長くなるという問題がある。
特許文献4には、寝具や衣類等の用途における蒸れを防止することができ、また、精密OA機器等の衝撃吸収用梱包材用途における調温機能を付与した蓄熱性メカニカルフロスタイプポリウレタンフォームを製造するために、メカニカルフロスタイプポリウレタンフォームに蓄熱性粒子を配合することが記載されている。蓄熱性粒子としては、シェル内に潜熱蓄熱剤が内包されたマイクロカプセルが記載されている。特許文献4の発明は、寝具や衣類等が蓄熱して蒸れることを防止するためにポリウレタンフォームに蓄熱性粒子を配合しており、製造時のポットライフを調整するために蓄熱性粒子を配合しているわけではない。
特開2008−284675号公報 特開平5−320400号公報 特表2007−501885号公報 特開2001−294640号公報
本発明は、平均水酸基価が非常に大きい活性水素含有化合物を使用した場合であっても、品質のよい研磨パッドを生産効率よく製造する方法、及び該製造方法により得られる研磨パッドを提供することを目的とする。また、該研磨パッドを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す研磨パッドの製造方法により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、イソシアネート化合物、活性水素含有化合物、及びシリコン系界面活性剤を含有する気泡分散ウレタン組成物を機械発泡法により調製する工程、離型シート、基材層、又はクッション層上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、気泡分散ウレタン組成物を硬化させて熱硬化性ポリウレタン発泡体シートを形成する工程、及び熱硬化性ポリウレタン発泡体シートの厚さを均一に調整する工程を含む研磨パッドの製造方法において、
前記活性水素含有化合物は、平均水酸基価が350〜550mgKOH/gであり、
前記気泡分散ウレタン組成物は、融解点が70〜90℃かつ水酸基又はウレタン基を有する蓄熱剤を活性水素含有化合物100重量部に対して20〜50重量部、及び活性化温度が前記蓄熱剤の融解点よりも高い感温性触媒を活性水素含有化合物100重量部に対して0.01〜0.5重量部含有することを特徴とする研磨パッドの製造方法、に関する。
また、別の本発明は、イソシアネート化合物、活性水素含有化合物、及びシリコン系界面活性剤を含有する気泡分散ウレタン組成物を機械発泡法により調製する工程、離型シート上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、塗布した気泡分散ウレタン組成物上に離型シート、基材層、又はクッション層を積層する工程、押圧手段により厚さを均一にしつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させて熱硬化性ポリウレタン発泡体シートを形成する工程、及び熱硬化性ポリウレタン発泡体シートから離型シートを剥離する工程を含む研磨パッドの製造方法において、
前記活性水素含有化合物は、平均水酸基価が350〜550mgKOH/gであり、
前記気泡分散ウレタン組成物は、融解点が70〜90℃かつ水酸基又はウレタン基を有する蓄熱剤を活性水素含有化合物100重量部に対して20〜50重量部、及び活性化温度が前記蓄熱剤の融解点よりも高い感温性触媒を活性水素含有化合物100重量部に対して0.01〜0.5重量部含有することを特徴とする研磨パッドの製造方法、に関する。
活性水素含有化合物の平均水酸基価が350mgKOH/g以上の場合には、イソシアネート化合物との反応により、ウレタン化触媒を添加しなくても反応温度が急上昇し、ウレタン化反応が急速に進行するため、組成物の撹拌が困難になったり、塗布前に気泡分散ウレタン組成物のゲル化が起こりやすくなる。そのため、ポットライフを十分に確保することができず、離型シートなどの上に気泡分散ウレタン組成物を均一に塗布することが困難であった。本発明のように、融解点が70〜90℃かつ水酸基又はウレタン基を有する蓄熱剤を気泡分散ウレタン組成物中に添加しておくことにより、反応温度が急上昇することを抑制することができるため、塗布前の気泡分散ウレタン組成物のゲル化を効果的に防止することができる。そのため、ポットライフを十分に確保することができ、離型シートなどの上に気泡分散ウレタン組成物を均一に塗布することができる。
活性水素含有化合物の平均水酸基価が550mgKOH/gを超える場合には、ポットライフが短くなりすぎるため、組成物を十分に撹拌することができず、非反応性気体を微細気泡として分散させることができない。また、組成物が非常に発熱しやすくなり、大量の蓄熱剤を添加しても気泡分散ウレタン組成物のゲル化を防止することが難しくなる。そのため、離型シートなどの上に気泡分散ウレタン組成物を均一に塗布することが困難になる。さらに、得られる熱硬化性ポリウレタン発泡体(以下、ポリウレタン発泡体という)の架橋度が高くなりすぎて脆くなる。
本発明においては、融解点が70〜90℃かつ水酸基又はウレタン基を有する蓄熱剤を用いることが必要である。融解点が70℃未満の場合には、融解点がウレタン反応温度よりも低くなるためウレタン反応がスムーズに進行せず、それによりポットライフが長くなりすぎるため好ましくない。一方、融解点が90℃を超える場合には、融解点が高すぎるためウレタン化反応で発生した熱を吸収することができず、塗布前の気泡分散ウレタン組成物のゲル化を防止することができない。
また、水酸基又はウレタン基を有する蓄熱剤は、イソシアネート化合物又は活性水素含有化合物と反応することが可能であり、ポリウレタン分子に結合させることができるため、ブルームの発生を効果的に防止することができる。また、水酸基又はウレタン基を有する蓄熱剤を用いると、気泡分散ウレタン組成物中への分散性が向上するため、組成物全体においてゲル化を防止しやすくなる。その結果、品質のよいポリウレタン発泡体シートを生産性よく連続的に作製することができる。
前記蓄熱剤は、活性水素含有化合物100重量部に対して20〜50重量部添加することが必要である。蓄熱剤の添加量が20重量部未満の場合には、ウレタン化反応で発生した熱を十分に吸収することができないため、塗布前の気泡分散ウレタン組成物のゲル化を防止することができない。一方、50重量部を超える場合には、ウレタンマトリックス自体の物性が可塑化により低下するため、研磨パッドの研磨特性(特に研磨速度)が悪化する。
また、本発明においては、前記蓄熱剤と共に、活性化温度が前記蓄熱剤の融解点よりも高い感温性触媒を用いることが必要である。気泡分散ウレタン組成物中に前記蓄熱剤を添加すると、一次キュア時に加えた熱が蓄熱剤に吸収されるため、ポリウレタン発泡体が完全に硬化するまでの時間(タックフリータイム)が長くなる。ポリウレタン発泡体シートを連続的に作製する場合、タックフリー状態(粘着性がない状態)にならないと長尺状のポリウレタン発泡体シートを裁断することができない。そのため、気泡分散ウレタン組成物中に蓄熱剤を添加すると、ポリウレタン発泡体シートの生産性が低下したり、タックフリー状態になるまでポリウレタン発泡体シートを保持するために生産ラインを長くしなければならず、設備費用が高くなるという問題が生じる。本発明のように、気泡分散ウレタン組成物中に、活性化温度が前記蓄熱剤の融解点よりも高い感温性触媒を添加して、一次キュア時に感温性触媒の活性化温度以上に加熱することにより、感温性触媒が活性化し、ポリウレタン発泡体を急速に硬化させることができる。そのため、生産効率よくポリウレタン発泡体シートを作製することができ、生産ラインを長くする必要もない。また、完全に硬化するまでの時間を短くすることができるため、シート内部の気泡同士が結合して気泡が粗大化することを防止することができる。
前記感温性触媒は、活性水素含有化合物100重量部に対して0.01〜0.5重量部添加することが必要である。感温性触媒の添加量が0.01重量部未満の場合には、一次キュア時にポリウレタン発泡体を急速に硬化させることができない。一方、0.5重量部を超える場合には、架橋反応が急激に起こるため内部発熱が大きくなり、気泡が粗大化したり、又はスコーチ(焼け現象)が発生するため好ましくない。
前記蓄熱剤は、融解熱量が100kJ/kg以上の変性ワックス系潜熱蓄熱剤であることが好ましい。融解熱量が100kJ/kg未満の場合には、ウレタン化反応で発生した熱を十分に吸収できないため、蓄熱剤の添加量を多くする必要がある。潜熱タイプの蓄熱剤は、吸熱効果が大きく、少量添加した場合でも発生した熱を十分に吸収できるため好ましい。また、水和物タイプの蓄熱剤は、融解時に水分が気化し、シート内にボイドが発生しやすくなるため好ましくない。そのため、変性ワックス系の蓄熱剤を用いることが好ましい。
前記感温性触媒は、活性化温度が80〜110℃であることが好ましい。イソシアネート化合物及び活性水素含有化合物を混合する際の温度は通常40〜50℃程度に設定される。混合液を2〜3分機械撹拌すると混合液の温度は通常10〜20℃程度上昇する。そのため、調製した気泡分散ウレタン組成物の温度は通常50〜70℃程度になる。気泡分散ウレタン組成物の温度が70℃程度の時に感温性触媒を活性化させないために、感温性触媒の活性化温度は80℃以上であることが好ましい。また、感温性触媒の活性化温度が低いと、気泡分散ウレタン組成物を調製する際に感温性触媒が活性化してしまい、ウレタン化反応が急速に進行するため、塗布前の気泡分散ウレタン組成物がゲル化しやすくなる。一方、感温性触媒の活性化温度が110℃を超える場合には、ウレタン硬化反応がスムーズに進行しないため、気泡同士が結合して気泡が粗大化したり、得られるポリウレタン発泡体の物性にばらつきが生じる傾向にある。
また本発明は、前記製造方法により得られる研磨パッド、に関する。
さらに本発明は、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
本発明の製造方法によると、平均水酸基価が非常に大きい活性水素含有化合物を使用した場合であっても、品質のよい研磨パッドを生産効率よく製造することができる。
CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略図である。
本発明の研磨パッドの製造方法は、イソシアネート化合物、活性水素含有化合物、及びシリコン系界面活性剤を含有する気泡分散ウレタン組成物を機械発泡法により調製する工程、離型シート、基材層、又はクッション層上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、気泡分散ウレタン組成物を硬化させてポリウレタン発泡体シートを形成する工程、及びポリウレタン発泡体シートの厚さを均一に調整する工程を含む。
別の本発明の研磨パッドの製造方法は、イソシアネート化合物、活性水素含有化合物、及びシリコン系界面活性剤を含有する気泡分散ウレタン組成物を機械発泡法により調製する工程、離型シート上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、塗布した気泡分散ウレタン組成物上に離型シート、基材層、又はクッション層を積層する工程、押圧手段により厚さを均一にしつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させてポリウレタン発泡体シートを形成する工程、及びポリウレタン発泡体シートから離型シートを剥離する工程を含む。
ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができ、また機械発泡法(メカニカルフロス法を含む)により略球状の微細気泡を容易に形成することができるため研磨層の形成材料として好ましい材料である。
ポリウレタン樹脂は、イソシアネート化合物、及び活性水素含有化合物(高分子量ポリオール、低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン等)からなるものである。
本発明の研磨パッドの製造方法は、活性水素含有化合物の平均水酸基価が350〜550mgKOH/gである場合に有効な製造方法であり、活性水素含有化合物の平均水酸基価が350〜550mgKOH/gになるように各成分を調整することが必要である。
イソシアネート化合物としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックMDI、カルボジイミド変性MDI(例えば、商品名ミリオネートMTL、日本ポリウレタン工業製)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソシアネート化合物としては、上記ジイソシアネート化合物の他に、3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物も使用可能である。多官能のイソシアネート化合物としては、デスモジュール−N(バイエル社製)や商品名デュラネート(旭化成工業社製)として一連のジイソシアネートアダクト体化合物が市販されている。
上記のイソシアネート化合物のうち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート又はカルボジイミド変性MDIを用いることが好ましい。
高分子量ポリオールとしては、ポリウレタンの技術分野において、通常用いられるものを挙げることができる。例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール等に代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いでえられた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリマー粒子を分散させたポリエーテルポリオールであるポリマーポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高分子量ポリオールの数平均分子量は特に限定されるものではないが、得られるポリウレタン樹脂の弾性特性等の観点から500〜2000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、これを用いたポリウレタン樹脂は十分な弾性特性を有さず、脆いポリマーとなる。そのためこのポリウレタン樹脂から製造される研磨層は硬くなりすぎ、ウエハ表面のスクラッチの原因となる。また、摩耗しやすくなるため、パッド寿命の観点からも好ましくない。一方、数平均分子量が2000を超えると、これを用いたポリウレタン樹脂は軟らかくなりすぎるため、このポリウレタン樹脂から製造される研磨層は平坦化特性に劣る傾向にある。
また、上記高分子量ポリオールのうち、水酸基価が150〜400mgKOH/gの3官能ポリオールを用いることが好ましい。水酸基価は200〜350mgKOH/gであることがより好ましい。また、3官能ポリオールはポリカプロラクトントリオールであることがより好ましい。水酸基価が150mgKOH/g未満の場合には、ポリウレタンのハードセグメント量が少なくなって耐久性が低下する傾向にあり、400mgKOH/gを超える場合には、ポリウレタン発泡体の架橋度が高くなりすぎて脆くなる傾向にある。
水酸基価が150〜400mgKOH/gの3官能ポリオールの配合量は特に限定されず、研磨層に要求される特性により適宜決定されるが、活性水素含有化合物中に50〜80重量%含有させることが好ましく、より好ましくは55〜75重量%である。
また、水酸基価が150〜400mgKOH/gの3官能ポリオールと共に、水酸基価が50〜250mgKOH/gの2官能ポリオールを用いることが好ましい。2官能ポリオールの水酸基価は100〜150mgKOH/gであることがより好ましい。
水酸基価が50〜250mgKOH/gの2官能ポリオールの配合量は特に限定されず、研磨層に要求される特性により適宜決定されるが、活性水素含有化合物中に5〜50重量%含有させることが好ましく、より好ましくは5〜30重量%である。
高分子量ポリオールと共に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオールを併用することができる。また、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを併用することもできる。また、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等のアルコールアミンを併用することもできる。これら低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、又はトリメチロールプロパンを用いることが好ましい。低分子量ポリオール等の配合量は特に限定されず、研磨層に要求される特性により適宜決定されるが、活性水素含有化合物中に5〜25重量%であることが好ましい。
イソシアネート化合物、活性水素含有化合物の比は、各々の分子量やポリウレタン発泡体の所望物性などにより種々変え得る。所望する特性を有する発泡体を得るためには、活性水素含有化合物の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート化合物のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重、硬度、及び圧縮率などが得られない傾向にある。
本発明においては、ワンショット法によりポリウレタン発泡体シートを作製する。
気泡分散ウレタン組成物は、シリコン系界面活性剤を使用した機械発泡法(メカニカルフロス法を含む)により調製する。
特に、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体であるシリコン系界面活性剤を使用した機械発泡法が好ましい。かかるシリコン系界面活性剤としては、SH−192及びL−5340(東レダウコーニングシリコーン社製)、B8443、B8465(ゴールドシュミット社製)等が好適な化合物として例示される。
シリコン系界面活性剤は、ポリウレタン発泡体中に0.1〜10重量%添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%である。
必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。また、第3級アミン系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を添加してもかまわない。
ポリウレタン発泡体シートを製造する方法の例について以下に説明する。かかるポリウレタン発泡体シートの製造方法は、以下の工程を有する。
(1)イソシアネート化合物を含む第1成分、及び活性水素含有化合物を含む第2成分の少なくとも一方にシリコン系界面活性剤、融解点が70〜90℃かつ水酸基又はウレタン基を有する蓄熱剤、及び活性化温度が前記蓄熱剤の融解点よりも高い感温性触媒を添加し、シリコン系界面活性剤を添加した成分を非反応性気体の存在下で機械撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。そして、該気泡分散液に残りの成分を添加し、混合して気泡分散ウレタン組成物を調製する。
(2)イソシアネート化合物を含む第1成分、及び活性水素含有化合物を含む第2成分の少なくとも一方にシリコン系界面活性剤、融解点が70〜90℃かつ水酸基又はウレタン基を有する蓄熱剤、及び活性化温度が前記蓄熱剤の融解点よりも高い感温性触媒を添加し、前記第1成分及び第2成分を非反応性気体の存在下で機械撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散ウレタン組成物を調製する。
融解点が70〜90℃かつ水酸基又はウレタン基を有する蓄熱剤は、マイクロカプセル等で被覆されていないもの(非被覆タイプ)であり、固相−液相変化タイプの蓄熱剤であることが好ましい。液相−気相変化タイプの蓄熱剤は融解時に水分が気化し、ポリウレタン発泡体シート内にボイドが発生しやすくなるため好ましくない。融解点は75〜85℃であることが好ましい。また、水和物タイプの蓄熱剤は、融解時に水分が気化し、ポリウレタン発泡体内にボイドが発生しやすくなるため好ましくない。そのため、変性ワックス系の蓄熱剤を用いることが好ましい。蓄熱剤の融解熱量は、100kJ/kg以上であることが好ましく、より好ましくは120kJ/kg以上である。
前記特性の蓄熱剤としては、例えば、融解点が75℃かつ水酸基を有する変性ワックス系潜熱蓄熱剤(日本精蝋社製、NPS9210、融解熱量:150kJ/kg)、融解点が80℃かつウレタン基を有する変性ワックス系潜熱蓄熱剤(日本精蝋社製、NPS6115、融解熱量:150kJ/kg)などが挙げられる。
固相−液相変化タイプの蓄熱剤の場合、粒径は10μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以下である。
前記蓄熱剤は、活性水素含有化合物100重量部に対して20〜50重量部添加することが必要であり、好ましくは25〜50重量部である。
感温性触媒は、活性化温度が前記蓄熱剤の融解点よりも高いものであれば特に制限されないが、非金属系の感温性触媒を用いることが好ましい。また、感温性触媒の活性化温度は80〜110℃であることが好ましく、より好ましくは90〜110℃である。
前記特性の感温性触媒としては、例えば、アミン系感温性触媒(東ソー社製、TOYOCAT−DB60、活性化温度90〜110℃)などが挙げられる。
前記感温性触媒は、活性水素含有化合物100重量部に対して0.01〜0.5重量部添加することが必要であり、好ましくは0.05〜0.15重量部である。
気泡分散ウレタン組成物は、メカニカルフロス法で調製してもよい。メカニカルフロス法とは、原料成分をミキシングヘッドの混合室内に入れるとともに非反応性気体を混入させ、オークスミキサー等のミキサーで混合撹拌することにより、非反応性気体を微細気泡状態にして原料混合物中に分散させる方法である。メカニカルフロス法は、非反応性気体の混入量を調節することにより、容易にポリウレタン発泡体の比重を調整することができるため好ましい方法である。また、略球状の微細気泡を有するポリウレタン発泡体を連続成形することができるため製造効率がよい。
前記微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にして分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置を特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)、メカニカルフロス発泡機などが例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気泡が得られ好ましい。目的とするポリウレタン発泡体を得るためには、撹拌翼の回転数は1000〜2000rpmであることが好ましく、より好ましくは1000〜1500rpmである。また、撹拌時間は目的とする比重に応じて適宜調整する必要があるが、通常2〜5分程度である。
なお、発泡工程において気泡分散液を調製する撹拌と、第1成分と第2成分を混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。混合工程における撹拌翼の回転数は1000〜2000rpmであることが好ましく、撹拌時間は、通常1〜3分程度である。気泡分散液を調製する発泡工程と各成分を混合する混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
その後、上記方法で調製した気泡分散ウレタン組成物を離型シート、基材層、又はクッション層上に塗布し、該気泡分散ウレタン組成物を硬化させてポリウレタン発泡体シート(研磨層)を形成する。
離型シートの形成材料は特に制限されず、一般的な樹脂や紙などを挙げることができる。離型シートは、熱による寸法変化が小さいものが好ましい。なお、離型シートの表面は離型処理が施されていてもよい。
基材層は特に制限されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、及びポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。これらのうち、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、及びポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体を用いることが好ましい。また、基材層として両面テープ、片面粘着テープ(片面の粘着層はプラテンに貼り合わせるためのもの)を用いてもよい。
基材層は、研磨パッドに靭性を付与するためにポリウレタン発泡体と同等の硬さ、もしくはより硬いことが好ましい。また、基材層(両面テープ及び片面粘着テープの場合は基材)の厚さは特に制限されないが、強度、可とう性等の観点から20〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは50〜800μmである。
クッション層は、研磨層の特性を補うものである。クッション層は、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のある被研磨材を研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、被研磨材全体の均一性をいう。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善する。本発明の研磨パッドにおいては、クッション層は研磨層より柔らかいものを用いることが好ましい。
クッション層としては、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。
気泡分散ウレタン組成物を離型シートなどの上に塗布する方法としては、例えば、グラビア、キス、コンマなどのロールコーター、スロット、ファンテンなどのダイコーター、スクイズコーター、カーテンコーターなどの塗布方法を採用することができるが、均一な塗膜を形成できればいかなる方法でもよい。
気泡分散ウレタン組成物を離型シートなどの上に塗布した後、一次キュアしてタックフリー状態になるまでポリウレタン発泡体シートを硬化させる。一次キュアの温度は、使用する感温性触媒の活性化温度以上にすることが必要であり、通常80〜120℃程度である。一次キュアの時間は特に制限されないが、ライン速度が1m/minの場合、10〜30分程度であることが好ましい。
その後、長尺状のポリウレタン発泡体シートを裁断し、離型シートを用いた場合はそれを剥離する。
裁断したポリウレタン発泡体シートを二次キュアすることは、ポリウレタン発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。二次キュアは、通常80〜120℃で5〜16時間行うことが好ましい。
ポリウレタン発泡体シートの平均気泡径は、40〜200μmであることが好ましく、より好ましくは60〜150μmである。なお、ポリウレタン発泡体シートは、独立気泡構造であってもよく、連続気泡構造であってもよい。
ポリウレタン発泡体シートの厚みバラツキは100μm以下であることが好ましい。厚みバラツキが100μmを越えるものは、研磨層が大きなうねりを持ったものとなり、被研磨材に対する接触状態が異なる部分ができ、研磨特性に悪影響を与える。また、研磨層の厚みバラツキを解消するため、一般的には、研磨初期に研磨層表面をダイヤモンド砥粒を電着、融着させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範囲を超えたものは、ドレッシング時間が長くなり、生産効率を低下させるものとなる。
ポリウレタン発泡体シートの厚みのバラツキを抑える方法としては、所定厚みにスライスしたシート表面をバフィングする方法が挙げられる。また、バフィングする際には、粒度などが異なる研磨材で段階的に行うことが好ましい。
ポリウレタン発泡体シートの比重は、0.3〜0.8であることが好ましい。比重が0.3未満の場合には、研磨層の耐久性が低下する傾向にある。また、0.8より大きい場合は、気泡の砥粒保持性が悪くなり、研磨速度が低下する傾向にある。
ポリウレタン発泡体の硬度は、アスカーD硬度計にて、10〜50度であることが好ましい。アスカーD硬度が10度未満の場合には、研磨層の耐久性が低下したり、研磨後の被研磨材の表面平滑性が悪くなる傾向にある。一方、50度より大きい場合は、被研磨材の表面にスクラッチが発生しやすくなる。
ポリウレタン発泡体シートの厚さは特に制限されないが、通常0.2〜2mm程度であり、0.5〜1.5mmであることが好ましい。
ポリウレタン発泡体シートの形状は特に制限されず、長さ5〜10m程度の長尺状であってもよく、直径50〜150cm程度の円形状でもよい。
一方、上記方法で調製した気泡分散ウレタン組成物を離型シート上に塗布し、塗布した気泡分散ウレタン組成物上に離型シート、基材層、又は離型シートを積層する。その後、押圧手段により厚さを均一にしつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させてポリウレタン発泡体シート(研磨層)を形成してもよい。
離型シートと、気泡分散ウレタン組成物(気泡分散ウレタン層)と、離型シート、基材層、又は離型シートとからなるサンドイッチシートの厚さを均一にする押圧手段は特に制限されないが、例えば、コーターロール、ニップロールなどにより一定厚さに圧縮する方法が挙げられる。
その他の製造方法、及び得られるポリウレタン発泡体シートの構造及び物性等は前記と同様である。
ポリウレタン発泡体シート(研磨層)の被研磨材と接触する研磨表面は、スラリーを保持・更新するための凹凸構造を有することが好ましい。発泡体からなる研磨層は、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に凹凸構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、また被研磨材との吸着による被研磨材の破壊を防ぐことができる。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
前記凹凸構造の作製方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスし作製する方法、フォトリソグラフィを用いて作製する方法、炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光による作製方法などが挙げられる。
本発明の研磨パッドは、研磨層のみであってもよく、研磨層と基材層とが一体形成されたものであってもよく、研磨層とクッション層とが一体形成されたものであってもよく、又は研磨層とクッション層とを貼り合わせたものであってもよい。
研磨層とクッション層とを貼り合わせる手段としては、例えば、研磨層とクッション層とを両面テープで挟みプレスする方法が挙げられる。
前記両面テープは、不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。クッション層へのスラリーの浸透等を防ぐことを考慮すると、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。また、研磨層とクッション層は組成が異なることもあるため、両面テープの各接着層の組成を異なるものとし、各層の接着力を適正化することも可能である。
本発明の研磨パッドは、プラテンと接着する面に両面テープが設けられていてもよい。該両面テープとしては、上述と同様に基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いることができる。基材としては、例えば不織布やフィルム等が挙げられる。研磨パッドの使用後のプラテンからの剥離を考慮すれば、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図1に示すように研磨パッド(研磨層)1を支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハ4の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
以下、本発明を実施例を上げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定、評価方法]
(平均気泡径)
作製したポリウレタン発泡体シートを厚み1mm以下になるべく薄くミクロトームカッターで平行に切り出したものを平均気泡径測定用試料とした。試料をスライドガラス上に固定し、SEM(S−3500N、日立サイエンスシステムズ(株))を用いて100倍で観察した。得られた画像を画像解析ソフト(WinRoof、三谷商事(株))を用いて、任意範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。
(比重)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体シートを4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出したものを比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
(D硬度)
JIS K6253−1997に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体シートを2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
(ポットライフ)
調製した気泡分散ウレタン組成物を厚み5mmのモールドに注型し、流動性がなくなるまでに要する時間をポットライフとした。ポットライフは、4分以上であることが好ましい。
(タックフリータイム)
2mmの厚みに成型したポリウレタン発泡体シートを90℃でキュアした時に、シート表面からタックが完全になくなるまでに要する時間をタックフリータイムとした。タックフリータイムは、30分以内であることが好ましい。
実施例1
容器に、ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業社製、プラクセル210、水酸基価:112mgKOH/g、官能基数2)10重量部、ポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業社製、プラクセル305、水酸基価:305mgKOH/g、官能基数3)75重量部、1,4−ブタンジオール(水酸基価:1245mgKOH/g、官能基数2)15重量部、シリコン系界面活性剤(ゴールドシュミット社製、B8443)6重量部、変性ワックス系潜熱蓄熱剤(日本精蝋社製、NPS9210、水酸基含有タイプ、融解点:75℃、融解熱量:150kJ/kg、粒径:5μm)50重量部、及びアミン系感温性触媒(東ソー社製、TOYOCAT−DB60、活性化温度90〜110℃)0.1重量部を入れ、混合して第2成分を調製した。そして、撹拌翼を用いて、回転数1500rpmで反応系内に気泡を取り込むように5分間激しく撹拌を行った。その後、第1成分であるカルボジイミド変性MDI(日本ポリウレタン工業製、ミリオネートMTL、NCOwt%:29wt%)118重量部を容器内に加え(NCO/OH=1.1)、3分間撹拌して気泡分散ウレタン組成物を調製した。
調製した気泡分散ウレタン組成物を、送り出される離型処理した離型シート(東洋紡績製、ポリエチレンテレフタレート、厚さ:0.1mm)上に連続的に塗布して気泡分散ウレタン層を形成した。そして、該気泡分散ウレタン層上に基材層(ポリエチレンテレフタレート、厚さ:0.2mm)を被せた。その後、ニップロールにて気泡分散ウレタン層を1.2mmの厚さにし、さらに80℃で30分間一次キュアして長尺状のポリウレタン発泡体シートを形成した。その後、長尺状のポリウレタン発泡体シートを裁断し、裁断したポリウレタン発泡体シートから離型シートを剥離し、80℃で6時間二次キュアした。次に、バフ機(アミテック社製)を使用して、厚さ1.20mmになるまで該シートの表面バフ処理をし、厚み精度を整えたシートとした。その後、基材層表面にラミ機を使用して両面テープ(ダブルタックテープ、積水化学工業製)を貼りあわせて研磨パッドを作製した。
実施例2〜7及び比較例1〜8
表1及び2記載の配合比を採用した以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。表1及び2中の化合物は以下のとおりである。
・PCL210:ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業社製、水酸基価:112mgKOH/g、官能基数2)
・PTMG1000:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学社製、水酸基価:112mgKOH/g、官能基数:2)
・1,4−BG:1,4−ブタンジオール(水酸基価:1245mgKOH/g、官能基数2)
・PCL305:ポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業社製、水酸基価:305mgKOH/g、官能基数3)
・EX−890MP:トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加物(旭硝子製、水酸基価:865mgKOH/g、官能基数:3)
・B8443:シリコン系界面活性剤(ゴールドシュミット社製)
・TOYOCAT−DB60:アミン系感温性触媒(東ソー社製、活性化温度90〜110℃)
・Kao No.25:触媒(花王製)
・NPS9210:変性ワックス系潜熱蓄熱剤(日本精蝋社製、水酸基含有タイプ、融解点:75℃、融解熱量:150kJ/kg、粒径:5μm)
・NPS6115:変性ワックス系潜熱蓄熱剤(日本精蝋社製、ウレタン基含有タイプ、融解点:80℃、融解熱量:150kJ/kg、粒径:5μm)
・ミリオネートMTL:カルボジイミド変性MDI(日本ポリウレタン工業製、NCOwt%:29wt%)
Figure 2011235417
Figure 2011235417
本発明の研磨パッドは、レンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板、及び一般的な金属研磨加工等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工に用いられる。本発明の研磨パッドは、特にシリコンウエハ並びにその上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを、さらにこれらの酸化物層や金属層を積層・形成する前に平坦化する工程に好適に使用される。
1:研磨パッド
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸

Claims (6)

  1. イソシアネート化合物、活性水素含有化合物、及びシリコン系界面活性剤を含有する気泡分散ウレタン組成物を機械発泡法により調製する工程、離型シート、基材層、又はクッション層上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、気泡分散ウレタン組成物を硬化させて熱硬化性ポリウレタン発泡体シートを形成する工程、及び熱硬化性ポリウレタン発泡体シートの厚さを均一に調整する工程を含む研磨パッドの製造方法において、
    前記活性水素含有化合物は、平均水酸基価が350〜550mgKOH/gであり、
    前記気泡分散ウレタン組成物は、融解点が70〜90℃かつ水酸基又はウレタン基を有する蓄熱剤を活性水素含有化合物100重量部に対して20〜50重量部、及び活性化温度が前記蓄熱剤の融解点よりも高い感温性触媒を活性水素含有化合物100重量部に対して0.01〜0.5重量部含有することを特徴とする研磨パッドの製造方法。
  2. イソシアネート化合物、活性水素含有化合物、及びシリコン系界面活性剤を含有する気泡分散ウレタン組成物を機械発泡法により調製する工程、離型シート上に気泡分散ウレタン組成物を塗布する工程、塗布した気泡分散ウレタン組成物上に離型シート、基材層、又はクッション層を積層する工程、押圧手段により厚さを均一にしつつ気泡分散ウレタン組成物を硬化させて熱硬化性ポリウレタン発泡体シートを形成する工程、及び熱硬化性ポリウレタン発泡体シートから離型シートを剥離する工程を含む研磨パッドの製造方法において、
    前記活性水素含有化合物は、平均水酸基価が350〜550mgKOH/gであり、
    前記気泡分散ウレタン組成物は、融解点が70〜90℃かつ水酸基又はウレタン基を有する蓄熱剤を活性水素含有化合物100重量部に対して20〜50重量部、及び活性化温度が前記蓄熱剤の融解点よりも高い感温性触媒を活性水素含有化合物100重量部に対して0.01〜0.5重量部含有することを特徴とする研磨パッドの製造方法。
  3. 前記蓄熱剤は、融解熱量が100kJ/kg以上の変性ワックス系潜熱蓄熱剤である請求項1又は2記載の研磨パッドの製造方法。
  4. 前記感温性触媒は、活性化温度が80〜110℃である請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッドの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られる研磨パッド。
  6. 請求項5記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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