JP2011233731A - 無方向性電磁鋼板、無方向性電磁鋼板の積層体、及びこの積層体からなる電動モータのステータコア - Google Patents

無方向性電磁鋼板、無方向性電磁鋼板の積層体、及びこの積層体からなる電動モータのステータコア Download PDF

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Abstract

【課題】圧縮応力が作用し、その圧縮応力に応力分布が生じている状態でも、鉄損の劣化が少ない無方向性電磁鋼板を提供することを目的とする。
【解決手段】圧縮応力が作用する環境で使用する無方向性電磁鋼板1において、少なくとも鉄損特性に影響を与える程度の圧縮応力が作用する領域の少なくとも一方の面に、圧縮応力を緩和するように、少なくとも一本の線状の溝21を設ける。これにより磁歪による体積変化の許容幅を広げて、鉄損特性のうち応力による変形の影響を大きく受けるヒステリシス損失を低減させて、鉄損を低減させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、電気機器の鉄心材料として、圧縮応力が作用する状態で使用される無方向性電磁鋼板に関する。
各種電気機器の高効率化を図るうえで、電動モータ等の鉄心として使用される無方向性電磁鋼板には、低鉄損や高磁束密度等といった優れた磁気特性が求められる。
ところで、電動モータ等の鉄心として無方向性電磁鋼板を使用する際には、一般的には複数の無方向性電磁鋼板を積層し、この積層体にボルト締めや、かしめ等が施される。また、製造工程の合理化等の観点から、ステータ部の鉄心をロータ部に固定する方法として焼き嵌めが多く採用されている。このようにボルト締め、かしめ、または焼き嵌め等された状態では、鉄心の外周部近傍には、無方向性電磁鋼板の板面に平行な圧縮応力が作用する。
無方向性電磁鋼板は歪みが生じると磁気特性が変化し、圧縮応力が作用する場合には鉄損が増大、つまり鉄損特性が劣化することが知られている。
そこで、圧縮応力下における鉄損特性の劣化を抑制するために、無方向性電磁鋼板を、磁気モーメントが当方向に分布できる面内等方的な集合組織にする組織制御技術が特許文献1に開示されている。
特開2005−307258号公報
ところで、実際の電動モータにおいて多用される焼き嵌めやかしめによると、応力分布が生じ、圧縮応力が作用する領域と、圧縮応力を無視し得る領域とに分かれる。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、電磁鋼板全体について組織制御を行っているので、圧縮応力が作用する領域では低鉄損化を実現できるが、応力の影響を無視し得る領域では、当該組織制御によって却って鉄損が増大するおそれがある。
そこで、本発明では、圧縮応力が作用し、その圧縮応力に応力分布が生じている状態でも、鉄損の劣化が少ない無方向性電磁鋼板を提供することを目的とする。
本発明の無方向性電磁鋼板は、圧縮応力が作用する環境で使用する無方向性電磁鋼板であって、少なくとも鉄損特性に影響を与える程度の圧縮応力が作用する領域の少なくとも一方の面に、少なくとも一本の線状または実質的に線状とみなし得る溝を有する。
本発明によれば、少なくとも一本の実質的に線状とみなし得る溝を設けた領域では圧縮応力が緩和されて、磁歪による体積変化の許容幅が広がる。これにより、鉄損特性のうち応力による変形の影響を大きく受けるヒステリシス損失が低減する。また、圧縮応力が作用しない状態では加工を施すことで鉄損が増大するが、本発明で溝を設けるのは鉄損特性に影響を与える程度の圧縮応力が作用する領域なので、溝を設けることによって鉄損が増大することがない。
(A)は第1実施形態の実施例1の試験片を示す図であり、図1(B)は図1(A)の一部分の拡大図である。 継鉄型鉄損評価装置の構成図である。 第1実施例の無方向性電磁鋼板に、磁束密度0.5[T]、周波数1.0[kHz]の交番磁化を付与した場合の磁化−磁場曲線である。 各実施例の鉄損低減効果についてまとめた表である。 (A)は第1実施形態の実施例2の試験片を示す図であり、図1(B)は図1(A)の一部分の拡大図である。 第1実施形態の実施例7の試験片を示す図である。 第1実施形態の実施例8の試験片を示す図である。 第1実施形態の実施例9の試験片を示す図である。 電動モータの、回転軸に直交する断面の一部を示す図である。 第2実施形態の実施例1のステータコアの溝と最大磁束線の関係について示す図である。 第2実施形態の実施例1のステータコアの溝と最大磁束線の関係の別の例について示す図である。 第2実施形態の実施例1のステータコアの溝と最大磁束線の関係のさらに別の例について示す図である。 第2実施形態の実施例2のステータコアの溝と最大磁束線の関係について示す図である。 第2実施形態の実施例3のステータコアの溝と最大磁束線の関係について示す図である。
以下本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
本発明は、無方向性電磁鋼板の、圧縮応力が作用した状態での鉄損劣化を抑制することにある。そこで、まず圧縮応力下で鉄損が劣化する要因について検討する。
鉄損は、大きく分けると渦電流損失と磁気ヒステリシス損失とに分けることができ、応力による変形は磁気ヒステリシス損失への影響が大きい。
強磁性金属の場合には、磁化されると僅かに変形する磁歪と呼ばれる現象が起こり、多結晶の鋼板では板面方向に磁化すると磁化方向に長さが増すとされている。このとき磁化方向の圧縮応力が作用していると、圧縮応力に抗して変形する必要があるので磁化に要するエネルギが増し、その結果、磁気ヒステリシス損失が増大すると考えられる。
上記の原理で増大する鉄損を低減するためには、部分的に圧縮応力が緩和される領域を設けることで磁歪による体積変化が許容されるようにすればよいと推測した。体積変化が許容されることで磁化に要するエネルギが低減し、結果的に磁気ヒステリシス損失が低減すると思われるからである。
そこで、圧縮応力が緩和される領域の設け方を調べるために下記の各実施例について実験を行った。
(実施例1)
図1(A)は本実施例の試験片1を示したものであり、図1(B)は図1(A)の一部分の拡大図である。
図1(A)の試験片1は、板厚0.35[mm]のJIS35A300相当の電磁鋼板を、圧延方向を長手方向として180[mm]×30[mm]に切り出し、これに図1(B)のように表面加工を施したものである。なお、試験片1の表面には塗装により絶縁層19が形成されている。
具体的には、長さ0.4[mm]、幅0.1[mm]、深さ0.015[mm]で、長さ方向が圧延方向に対して直交している長穴2が、圧延方向に対して直交する向きに0.9[mm]ピッチで直線上に並び、この長穴2が並ぶ列3が圧延方向に0.5[mm]ピッチで並ぶ。そして、これらの列3は、隣り合う列3の長穴2が圧延方向の同一線上に並ばないように、圧延方向に対して直交する方向にオフセットして設けられている。なお、上記の表面加工は、ブラスト加工により行う。
図2は、試験片1の鉄損を、圧縮応力が作用した状態で測定する継鉄型鉄損評価装置10である。試験片1を固定するステージ11が励磁コイル12内に配置され、励磁コイル12の軸方向の両端を接続するように継鉄13が配置される。そして、継鉄13の励磁コイル12との接続部よりさらに外側には、試験片1を固定するための固定クランプ15及び可動クランプ16が配置される。可動クランプ16にはロードセル17が接続されている。なお、励磁コイル12の軸方向長さは試験片1の長手方向長さよりも短い。
励磁コイル12内には、ステージ11と対向するように座屈防止板14が配置される。この座屈防止板14は、励磁コイル12の両端に配置された空気圧シリンダ18によってステージ11方向に可動し、試験片1をステージ11に押圧する。これにより試験片1に圧縮荷重をかけた際に試験片1が座屈することを防止できる。
上記のような構成の継鉄型鉄損評価装置10による鉄損評価方法について説明する。
試験片1を両端が励磁コイル12から突出するようにステージ11上にセットし、試験片1の一方の端部は固定クランプ15により、他方の端部は可動クランプ16により固定する。さらに座屈防止板14により試験片1をステージ11方向に押圧する。
そして、ロードセル17によって圧縮荷重をかけることによって試験片1に圧縮応力を発生させた状態で、励磁コイル12に交番電流を流して試験片1の磁化特性を測定する。ここでは、試験片1の長手方向に30[MPa]の圧縮応力が作用した状態で、磁束密度0.5[T]で周波数1.0[kHz]と、磁束密度1.0[T]で周波数1.0[kHz]の2つのパターンで交番磁化させて測定を行った。
図3は磁束密度0.5[T]、周波数1.0[kHz]の場合の磁化−磁場曲線である。図中の実線が、図1の試験片1について圧縮荷重を作用させた状態での測定結果であり、曲線で囲まれた部分の面積が鉄損にほぼ相当する。
なお、比較のため、試験片1についての圧縮荷重を作用させない状態での測定結果を2点鎖線で示してある。さらに、図1のような表面加工を施していない試験片についての、圧縮荷重を作用させた状態での測定結果を破線で、圧縮荷重を作用させない状態での測定結果を1点鎖線で示している。
測定結果を見ると、鉄損は、圧縮応力が作用していない状態では表面加工を施したものの方が大きいが、圧縮応力が作用している状態では表面加工を施したものの方が低減していることがわかる。
具体的な演算によれば、磁束密度0.5[T]で周波数1.0[kHz]の場合には、圧縮応力が作用している状態での表面加工を施したものの鉄損は、同条件で表面加工を施していないものの鉄損に対して18%減少していることがわかった。また、磁束密度1.0[T]で周波数1.0[kHz]の場合には4%減少していることがわかった。これらを図4の表にまとめる。
(実施例2)
本実施例は、表面加工の内容以外は実施例1と同様なので、表面加工の内容についてのみ説明する。
図5(A)、図5(B)は、本実施例の試験片1について図1(A)、図1(B)と同様に示している。図5(B)に示すように、試験片1の圧延方向に直交する向きに延びる幅0.1[mm]、深さ0.015[mm]の溝21が0.6[mm]のピッチで並ぶ。なお、この表面加工には、引き切り加工を用いた。この試験片1について実施例1と同様に、試験片1の長手方向に30[MPa]の圧縮応力が作用した状態で、磁束密度0.5[T]で周波数1.0[kHz]と、磁束密度1.0[T]で周波数1.0[kHz]の2つのパターンで交番磁化させて測定を行った。
測定の結果、磁束密度0.5[T]で周波数1.0[kHz]の場合には、圧縮応力が作用している状態での表面加工を施したものの鉄損は、同条件で表面加工を施していないものの鉄損に対して16%減少していることがわかった。また、磁束密度1.0[T]で周波数1.0[kHz]の場合には3%減少していることがわかった。これらを図4の表にまとめる。
(実施例3)
本実施例は、実施例2の試験片1の溝21のピッチを0.6[mm]から0.5[mm]に変更して、実施例1と同様の測定を行ったものである。
測定の結果、磁束密度0.5[T]で周波数1.0[kHz]の場合には、圧縮応力が作用している状態での表面加工を施したものの鉄損は、同条件で表面加工を施していないものの鉄損に対して32%減少していることがわかった。また、磁束密度1.0[T]で周波数1.0[kHz]の場合には8%減少していることがわかった。これらを図4の表にまとめる。
(実施例4)
本実施例は、実施例2の試験片1の溝21のピッチを0.6[mm]から1.0[mm]に変更して、実施例1と同様の測定を行ったものである。
測定の結果、磁束密度0.5[T]で周波数1.0[kHz]の場合には、圧縮応力が作用している状態での表面加工を施したものの鉄損は、同条件で表面加工を施していないものの鉄損に対して27%減少していることがわかった。また、磁束密度1.0[T]で周波数1.0[kHz]の場合には6%減少していることがわかった。これらを図4の表にまとめる。
(実施例5)
本実施例は、実施例2の試験片1の溝21のピッチを0.6[mm]から1.8[mm]に変更して、実施例1と同様の測定を行ったものである。
測定の結果、磁束密度0.5[T]で周波数1.0[kHz]の場合には、圧縮応力が作用している状態での表面加工を施したものの鉄損は、同条件で表面加工を施していないものの鉄損に対して5%減少していることがわかった。また、磁束密度1.0[T]で周波数1.0[kHz]の場合には3%減少していることがわかった。これらを図4の表にまとめる。
(実施例6)
本実施例は、実施例2の試験片1の溝21の幅を0.1[mm]から0.025[mm]に変更して、実施例1と同様の測定を行ったものである。
測定の結果、磁束密度0.5[T]で周波数1.0[kHz]の場合には、圧縮応力が作用している状態での表面加工を施したものの鉄損は、同条件で表面加工を施していないものの鉄損に対して28%減少していることがわかった。また、磁束密度1.0[T]で周波数1.0[kHz]の場合には5%減少していることがわかった。これらを図4の表にまとめる。
(実施例7)
本実施例は、表面加工の内容以外は実施例1と同様なので、表面加工の内容についてのみ説明する。
図6は本実施例の試験片1を示している。図6に示すように、試験片1の長手方向に延びる幅0.1[mm]、深さ0.015[mm]が、圧延方向と直交する方向に0.5[mm]のピッチで並ぶ。このような試験片1に実施例1と同様の測定を行った結果、磁束密度0.5[T]で周波数1.0[kHz]の場合には、圧縮応力が作用している状態での表面加工を施したものの鉄損は、同条件で表面加工を施していないものの鉄損に対して12%減少していることがわかった。また、磁束密度1.0[T]で周波数1.0[kHz]の場合には4%減少していることがわかった。これらを図4の表にまとめる。
(実施例8)
本実施例は、表面加工の内容以外は実施例1と同様なので、表面加工の内容についてのみ説明する。
図7(A)、図7(B)は、本実施例の試験片1について図1(A)、図1(B)と同様に示している。図7(B)に示すように、長さ0.4[mm]、幅0.2[mm]、深さ0.015[mm]で長さ方向が圧延方向に平行な長穴22が、圧延方向と平行に0.9[mm]ピッチで直線上に並び、この長穴22が並ぶ列23が圧延方向に直交する向きに0.8[mm]ピッチで並ぶ。そして、これらの列23は、隣り合う列23の長穴22が圧延方向に直交する同一線上に並ばないように、圧延方向にオフセットして設けられている。
このような試験片1に実施例1と同様の測定を行った結果、磁束密度0.5[T]で周波数1.0[kHz]の場合には、圧縮応力が作用している状態での表面加工を施したものの鉄損は、同条件で表面加工を施していないものの鉄損に対して8%減少していることがわかった。また、磁束密度1.0[T]で周波数1.0[kHz]の場合には3%減少していることがわかった。これらを図4の表にまとめる。
(実施例9)
本実施例は、表面加工の内容以外は実施例1と同様なので、表面加工の内容についてのみ説明する。
図8は、本実施例の試験片1について図1(A)と同様に示している。図8に示すように、本実施例の試験片1は、実施例7の表面加工と実施例2の表面加工を組み合わせたものである。ただし、試験片1の幅方向に延びる溝のピッチは5[mm]になっている。
このような試験片1に実施例1と同様の測定を行った結果、磁束密度0.5[T]で周波数1.0[kHz]の場合には、圧縮応力が作用している状態での表面加工を施したものの鉄損は、同条件で表面加工を施していないものの鉄損に対して18%減少していることがわかった。また、磁束密度1.0[T]で周波数1.0[kHz]の場合には6%減少していることがわかった。これらを図4の表にまとめる。
上述した各実施例の結果に基づけば、無方向性電磁鋼板に、連続的または不連続的のいかんを問わず実質的に線状とみなせる溝3、21を設ける表面加工を施すと、当該表面加工を施さない場合に比べて、圧縮応力が作用する環境下で使用する際の鉄損を低減できることがわかる。
鉄損を低減できる詳細なメカニズムについては不明であるが、次のような推測が可能である。すなわち、無方向性電磁鋼板の表層に溝を設けることで、溝の近傍には応力が緩和された領域が形成され、この領域は他の領域と比較して圧縮応力による拘束力が小さくなる。したがって、この領域ではたとえ体積増加を伴う方向であっても容易に磁化反転が可能になる。そして、磁化反転した領域が多数形成されることで、異なる磁化方向を有する磁区の境界部である磁壁の磁化過程における移動距離が相対的に短くなり、つまり磁区構造が微細化されて磁化が容易になる。その結果、磁化に要するエネルギが低減して、磁気ヒステリシス損失が低減したと考えられる。
また、溝の長手方向が圧縮応力の作用方向に対して直交する成分を有する場合に、その効果があることは予想されたが、溝の長手方向が圧縮応力の作用方向に平行な場合には鉄損低減の効果は少ないものと予想された。
しかし、測定の結果、溝の長手方向が圧縮応力の作用方向に平行な場合も、直交する成分を有する場合に準じた効果が得られた。この理由については、以下のように考えられる。
材料の磁化方向を結晶粒のオーダーで観察した場合には、特に磁化過程の初期には、外部磁場の方向と平行に磁化するのではなく、外部磁場の方向に近くて磁化し易い結晶方位に磁化することが知られている。無方向性電磁鋼板の結晶方位は、ほぼランダムといえる。したがって、応力に対して直交する成分を有しない溝、つまり圧縮応力の作用方向と平行な溝の場合でも、応力方向と結晶粒の磁化容易方向が全く一致した結晶粒を除いた、溝近傍に存在する大多数の結晶粒にとっては、溝方向への初期の磁化が容易になる。そのため、磁化に要するエネルギが低減して鉄損が低減した。
次に、上述した表面加工を施した無方向性電磁鋼板を電気機器の鉄心材料として用いる場合について説明する。
図3に示すように、上述した表面加工を施すことによって圧縮応力下では表面加工を施さないものより鉄損を低減できるが、圧縮応力が作用しない領域では却って鉄損が増大してしまう。そこで、電気機器の鉄心材料として用いる場合には、圧縮応力が作用する部位にのみ上述した表面加工を施す。
なお、圧縮応力が作用する領域とは、鉄損特性に影響を与える程度の圧縮応力、例えば3[MPa]以上の圧縮応力が作用する領域、つまり実質的に圧縮応力が作用している領域のことをいう。一方、圧縮応力が作用しない領域とは、鉄損特性に影響を与える程度の圧縮応力が作用していない領域、つまり実質的に圧縮応力が作用していない領域のことをいう。
無方向性電磁鋼板は、一般的に数枚から数十枚を積み重ねた積層体に加工して使用される。このとき、上下の無方向性電磁鋼板同士に電気的な短絡が生じると、電磁誘導が起きることによって、設計時に想定した電流値より大きい渦電流が発生し、鉄損が増大する。
そこで、一般的には、このような電気的な短絡を防止するために、電磁鋼板の表面には塗装等により絶縁層19が形成されている。
しかしながら、上述したような表面加工を施すと絶縁層が破壊されるので、このような場合でも短絡が生じない積層体に組み上げる必要がある。
具体的には、表面加工の加工痕同士が重ならないように配置する。また、加工痕を有する面と表面加工を施さない面とを対向させれば、容易に絶縁性を維持することができる。
以上のように、本実施形態では次のような効果が得られる。
(1)圧縮応力が作用する環境で使用する無方向性電磁鋼板の、少なくとも鉄損特性に影響を与える程度の圧縮応力が作用する領域の少なくとも一方の面に、少なくとも一本の線状の溝21または実質的に線状とみなし得る溝3を設ける。これにより、鉄損特性のうち応力による変形の影響を大きく受けるヒステリシス損失が低減する。また、圧縮応力が作用しない状態では加工を施すことで鉄損が増大するが、本発明で溝を設けるのは鉄損特性に影響を与える程度の圧縮応力が作用する領域なので、溝を設けることによって鉄損が増大することがない。その結果として、圧縮応力が作用する環境において、溝3、21を設けない場合に比べて鉄損を低減することができる。
(2)上述した無方向性電磁鋼板を積層した積層体において、無方向性電磁鋼板は表面に絶縁層を有し、溝3、21は絶縁層を貫通してかつ板厚内に収まる深さを有し、隣接する無方向電磁鋼板は、溝3、21同士が互いに重ならないように積層される。これにより、無方向性電磁鋼板同士の電気的な短絡を防止できる。
(3)上述した無方向性電磁鋼板を積層した積層体において、無方向性電磁鋼板は表面に絶縁層を有し、溝3、21は無方向性電磁鋼板の一方の面に設けられ、絶縁層を貫通してかつ無方向性電磁鋼板の板厚内に収まる深さを有する。そして、隣接する無方向電磁鋼板の合わせ面の少なくとも一つは、無方向性電磁鋼板の溝3、21を設けた面と設けていない面とが対向している。これにより、無方向性電磁鋼板同士の電気的な短絡を防止できる。
(4)上述した無方向性電磁鋼板を積層した積層体において、無方向性電磁鋼板は表面に絶縁層を有し、溝3、21は無方向性電磁鋼板の一方の面に設けられ、絶縁層を貫通してかつ無方向性電磁鋼板の板厚内に収まる深さを有する。そして、隣接する無方向性電磁鋼板は、無方向性電磁鋼板の溝3、21を設けた面と設けていない面とを対向させて積層される。これにより、無方向性電磁鋼板同士の電気的な短絡を防止できる。
(5)溝3、21は最大磁束方向と直交するので、無方向性電磁鋼板が磁歪により磁束の流れる方向に伸びる際の圧縮応力を緩和でき、結果的に鉄損の増大を防止できる。
なお、上記説明では表面処理として溝加工を用いたが、強度を確保できる場合には電磁鋼板を貫通するスリット加工としても構わない。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。
本実施形態は、上述した無方向性電磁鋼板を電動モータのステータコアとして使用するものである。
図9は、電動モータ30の、回転軸に直交する断面の一部を示している。電動モータ30は、円環状のアウターヨーク部32及びアウターヨーク部32から内周側に突出する複数のティース部33を有するステータコア34と、ステータコア34の内部に同軸に配置されたロータ36と、ステータコア34の外周側に配置されたバックヨーク31とからなる。隣り合うティース部33の間にはスロット35が形成され、ここに、ティース部33に巻き回されたコイルが格納される。なお、バックヨーク31を用いずに、アウターヨークをバックヨーク部まで外側に拡大し、直接ステータコア34をハウジングに焼き嵌めする構造のモータもあるが、焼き嵌めステータコアに圧縮応力がかかる構造であれば、以下の説明と同様の効果が得られる。
この電動モータ30において、ステータコア34とバックヨーク31は、バックヨーク31を加熱により膨張させた状態でステータコア34を嵌めこむ、いわゆる焼き嵌め、またはステータコア34を冷却により収縮させた状態でバックヨーク31に嵌めこむ、いわゆる冷やし嵌めにより固定されるのが一般的である。
焼き嵌め等により固定する場合、室温ではステータコア34およびバックヨーク31に応力が発生する。この応力が小さいほど固定力も小さくなるので、十分な固定力を得るために、一般的には数十[MPa]の応力が発生するように設計される。
ところで、一般的な電磁鋼板の剛性率と磁歪に基づけば、3[MPa]以下の応力による弾性変形では鉄損特性に悪影響をほぼ与えないと思われる。そして、ステータコア34に発生する応力は、アウターヨーク部32のほぼ全域と、ティース部33の一部に分布する。
すなわち、ステータコア34用の材料として用いる無方向性電磁鋼板の全領域に上述した表面加工を施すと、圧縮応力が3[MPa]以上となる領域では、表面加工を施していない場合に比べて鉄損を低減できるが、それ以外の領域では表面加工により却って鉄損が増大してしまう。
そこで、鉄損特性に悪影響を与えるような大きさの圧縮応力が発生する領域に表面加工を施し、それ以外の領域には表面加工を施さないようにする。以下、このような表面加工の形態について、実施例に沿って説明する。
(実施例1)
図10は、ステータコア34の一部を拡大した図であり、図中の実線は表面加工で設けた溝40の一例を示しており、破線はステータコア34内の最大磁束方向41の一例を示している。
最大磁束方向41は電磁界シミュレーションにより解析可能であり、具体的には、図10に示すようにスロット35の周囲を囲むような層状の形態となる。
そして、ステータコア34のアウターヨーク部32に、アウターヨーク部32の外周方向に凸で、かつ最大磁束方向41に直交する溝40を複数設ける。各溝40を層状の最大磁束方向41に直交するようにすると、図10に示すように、アウターヨーク部32の外周方向に凸な溝40が、ティース部33の基端付近を中心として層状に拡がることになる。
ところで、ステータコア34を通る最大磁束(磁束飽和を生じる磁束)は電動モータの出力と回転数に応じて変化する。しかし、上述したように結晶方位の無秩序性に起因して、磁束方向に必ずしも直交しなくとも、鉄損低減効果は得られる。そこで、実際に使用する電動モータの、通常使用する範囲で最も使用頻度の高い領域で最大磁束方向41を決定してよい。
アウターヨーク部32のうちティース部33がない領域、つまりスロット35の外周部は、ティース部33に比べて相対的に圧縮応力が大きくなるので、図10に示すようにこの領域に溝40を設けることで、効果的に鉄損を低減することができる。
なお、図11に示すように、一のティース部33基端付近から層状に拡がる溝40と、その隣のティース部33基端付近から層状に拡がる溝40とが重なりあう状態であっても構わない。また、図12に示すように、最大磁束方向41に重なる溝40をさらに追加してもよい。
(実施例2)
図13は、図10と同様にステータコア34の一部を拡大した図であり、図中の実線が表面加工で設けた溝40の別の例を示している。
本実施例は、アウターヨーク部32の径方向に延びる溝40を表面加工により複数設ける。
磁束の方向は、アウターヨーク部32の、隣り合うティース部33に挟まれた領域ではほぼ周方向に向くことがわかっている。そして、溝40が磁束方向に対して厳密に直交していなくても、上述した溝40を設ける表面加工による鉄損低減効果は得られることもわかっている。
そこで、図13に示すように溝40を設ければ、溝40と最大磁束方向41はほぼ直交することとなって、鉄損低減効果が得られる。さらに、複雑な磁場解析をすることなく、鉄損低減効果のある溝40を設けることができるという効果もある。
(実施例3)
図14は、図10と同様にステータコア34の一部を拡大した図であり、図中の実線が表面加工で設けた溝40のさらに別の例を示している。
本実施例は、ティース部33とアウターヨーク部32の境界領域に、アウターヨーク部32の周方向に沿って延びる、湾曲した溝40を表面加工により複数設ける。
ティース部33では、磁束の方向はアウターヨーク部32の径方向にほぼ一致することがわかっている。アウターヨーク部32では、アウターヨーク部32の外周側にいくほど最大磁束方向41の間隔が拡がることもわかっている。
ところで、ティース部33においては焼き嵌め等による圧縮応力はほとんど発生せず、ティース部33とアウターヨーク部32の境界領域に応力集中する。
そこで、図14に示すような溝40を設ければ、応力集中する領域に溝40を設ける事になり、さらに、特に複雑な磁場解析をせずとも溝40は磁束方向にほぼ直交することになるので、確実に鉄損低減効果が得られる。
なお、溝40が周方向に沿って湾曲せず、径方向に直交する直線状であってもよい。溝40を設けるための表面加工が簡便になるという利点や、工具寿命が長くなるという利点がある。
上述したような表面加工を施した無方向性電磁鋼板の積層体を、バックヨーク31に焼き嵌めや冷やし嵌めで固定して電動モータ30のステータコア34とすると、表面加工を施さない無方向性電磁鋼板を用いる場合と比べて鉄損を低減できる。
また、溝40の軸線方向は、磁束が流れる方向に伸びるという磁化した電磁鋼板の特性を考慮して、最大磁束方向41に直交する方向にすることが望ましい。特に、最大磁束の方向に圧縮応力が作用する領域では、磁化に伴う伸びが阻害されることで著しく鉄損が増大するので、この領域に溝40を設けると鉄損低減に有効である。
ところで、圧縮応力発生の原因としては、上記の焼き嵌めや冷やし嵌めの影響が主であるが、他にも銅線コイルの影響がある。銅線の巻き方によって応力が発生する部位が異なり、集中巻の場合はティース部33に、分布巻の場合にはアウターヨーク部32に圧縮応力が作用するので、これらの部位に溝40を設けると、銅線コイルの巻線によって発生した応力による鉄損の増大を効果的に抑制することができる。
以上により本実施形態では、次の効果が得られる。
(6)第1実施形態で説明した無方向性電磁鋼板の積層体からなる電動モータ30のステータコア34なので、焼き嵌め等で圧縮応力が発生している環境で使用する場合の鉄損の増大を防止できる。
(7)ステータコア34は、バックヨーク31に焼き嵌めまたは冷やし嵌めにより固定され、さらに、最大磁束方向と直交する溝40を有するので、無方向性電磁鋼板が磁歪により磁束の流れる方向に伸びる際の圧縮応力を緩和でき、結果的に鉄損の増大を防止できる。
(8)ステータコア34は、バックヨーク31に焼き嵌めまたは冷やし嵌めにより固定され、さらに、アウターヨーク部32のスロット35に面する領域に、アウターヨーク部32の径方向に延びる溝40を有する。磁化の方向はスロット35の外周部ではほぼ周方向に向くので、このような溝40を設けることで、複雑な磁場解析をなさずとも鉄損低減効果が得られる。
(9)ステータコア34は、バックヨーク31に焼き嵌めまたは冷やし嵌めにより固定され、さらに、ティース部33とアウターヨーク部32の境界領域近傍に、ティース部33の突出方向に直交する溝40を有する。ティース部33では磁束方向はほぼ径方向を向き、また、焼き嵌め等による応力は、ティース部33とアウターヨーク部32の境界近傍に集中する。したがって、このような溝40を設けることで、複雑な磁場解析をなさずとも鉄損低減効果が得られる。
(10)ステータコア34は、バックヨーク31に焼き嵌めまたは冷やし嵌めにより固定され、さらに、ティース部33とアウターヨーク部32の境界領域近傍に、アウターヨーク部32の周方向に延び、アウターヨーク部32の外周側に凸な溝40を有する。これにより、複雑な磁場解析をなさずとも、磁化方向とほぼ直交する溝40を容易に設けて鉄損を低減できる。
(11)ステータコア34は、バックヨーク31に焼き嵌めまたは冷やし嵌めにより固定され、さらに、ティース部33には銅線が集中巻の場合にはティース部33に、分布巻の場合にはアウターヨーク部32に溝40を設ける。これにより、銅線コイルに起因する応力による鉄損増大も防止できる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
1 試験片
2 長穴
3 列
10 継鉄型鉄損評価装置
11 ステージ
12 励磁コイル
13 継鉄
14 座屈防止版
15 固定クランプ
16 可動クランプ
17 ロードセル
18 空気圧シリンダ
21 溝
22 長穴
23 列
30 電動モータ
31 バックヨーク
32 アウターヨーク部
33 ティース部
34 ステータコア
35 スロット
36 ロータ

Claims (14)

  1. 圧縮応力が作用する環境で使用する無方向性電磁鋼板において、
    少なくとも鉄損特性に影響を与える程度の圧縮応力が作用する領域の少なくとも一方の面に、少なくとも一本の線状または実質的に線状とみなし得る溝を有することを特徴とする無方向性電磁鋼板。
  2. 前記溝の軸線が、圧縮応力の作用方向に対して直交する成分を有する請求項1に記載の無方向電磁鋼板。
  3. 前記溝の軸線が、圧縮応力の作用方向と平行である請求項1に記載の無方向電磁鋼板。
  4. 請求項1に記載の無方向性電磁鋼板を積層した積層体において、
    前記無方向性電磁鋼板の表面に絶縁層を有し、
    前記溝は前記絶縁層を貫通してかつ前記無方向性電磁鋼板の板厚内に収まる深さを有し、
    隣接する前記無方向電磁鋼板は、前記溝同士が互いに重ならないように積層される無方向性電磁鋼板の積層体。
  5. 請求項1に記載の無方向性電磁鋼板を積層した積層体において、
    前記無方向性電磁鋼板の表面に絶縁層を有し、
    前記溝は前記無方向性電磁鋼板の一方の面に設けられ、前記絶縁層を貫通してかつ前記無方向性電磁鋼板の板厚内に収まる深さを有し、
    隣接する前記無方向電磁鋼板の合わせ面の少なくとも一つは、前記無方向性電磁鋼板の前記溝を設けた面と設けていない面とが対向している無方向性電磁鋼板の積層体。
  6. 請求項1に記載の無方向性電磁鋼板を積層した積層体において、
    前記無方向性電磁鋼板の表面に絶縁層を有し、
    前記溝は前記無方向性電磁鋼板の一方の面に設けられ、前記絶縁層を貫通してかつ前記無方向性電磁鋼板の板厚内に収まる深さを有し、
    隣接する前記無方向電磁鋼板は、前記無方向性電磁鋼板の前記溝を設けた面と設けていない面とを対向させて積層される無方向性電磁鋼板の積層体。
  7. 磁束方向と直交する前記溝を有する請求項4から請求項6のいずれか一つに記載の無方向性電磁鋼板の積層体。
  8. 請求項4から請求項7のいずれか一つに記載の無方向性電磁鋼板の積層体からなる電動モータのステータコア。
  9. 環状をなすアウターヨーク部と、
    前記アウターヨーク部から内周方向へ突出するティース部と、
    隣り合うティース部と前記アウターヨーク部の内周とで形成されるスロット部と、を有し、
    前記アウターヨーク部の外周側に配置されるバックヨーク、または、ハウジングケースに焼き嵌めまたは冷やし嵌めにより固定される電動モータのステータコアであって、
    最大磁束方向と直交する前記溝を有する請求項8に記載の電動モータのステータコア。
  10. 環状をなすアウターヨーク部と、
    前記アウターヨーク部から内周方向へ突出するティース部と、
    隣り合うティース部と前記アウターヨーク部の内周とで形成されるスロット部と、を有し、
    前記アウターヨーク部の外周側に配置されるバックヨークに焼き嵌めまたは冷やし嵌めにより固定される電動モータのステータコアであって、
    前記アウターヨーク部の前記スロット部に面する領域に、前記アウターヨーク部の径方向に延びる前記溝を有する請求項8に記載の電動モータのステータコア。
  11. 環状をなすアウターヨーク部と、
    前記アウターヨーク部から内周方向へ突出するティース部と、
    隣り合うティース部と前記アウターヨーク部の内周とで形成されるスロット部と、を有し、
    前記アウターヨーク部の外周側に配置されるバックヨーク、または、ハウジングケースに焼き嵌めまたは冷やし嵌めにより固定される電動モータのステータコアであって、
    前記ティース部と前記アウターヨーク部の境界領域近傍に、前記ティース部の突出方向に直交する前記溝を有する請求項8に記載の電動モータのステータコア。
  12. 環状をなすアウターヨーク部と、
    前記アウターヨーク部から内周方向へ突出するティース部と、
    隣り合うティース部と前記アウターヨーク部の内周とで形成されるスロット部と、を有し、
    前記アウターヨーク部の外周側に配置されるバックヨーク、または、ハウジングケースに焼き嵌めまたは冷やし嵌めにより固定される電動モータのステータコアであって、
    前記ティース部と前記アウターヨーク部の境界領域近傍に、前記アウターヨーク部の周方向に延び、前記アウターヨーク部の外周側に凸な前記溝を有する請求項8に記載の電動モータのステータコア。
  13. 環状をなすアウターヨーク部と、
    前記アウターヨーク部から内周方向へ突出するティース部と、
    隣り合うティース部と前記アウターヨーク部の内周とで形成されるスロット部と、を有し、
    前記アウターヨーク部の外周側に配置されるバックヨーク、または、ハウジングケースに焼き嵌めまたは冷やし嵌めにより固定され、
    前記ティース部には銅線が集中巻にて巻き回される電動モータのステータコアであって、
    前記ティース部に前記溝を有する請求項8に記載の電動モータのステータコア。
  14. 環状をなすアウターヨーク部と、
    前記アウターヨーク部から内周方向へ突出するティース部と、
    隣り合うティース部と前記アウターヨーク部の内周とで形成されるスロット部と、を有し、
    前記アウターヨーク部の外周側に配置されるバックヨーク、または、ハウジングケースに焼き嵌めまたは冷やし嵌めにより固定され、
    前記ティース部には銅線が分布巻にて巻き回される電動モータのステータコアであって、
    前記アウターヨーク部に前記溝を有する請求項8に記載の電動モータのステータコア。
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