JP2011233639A - 光電変換装置 - Google Patents

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昌大 横田
Yosuke Inomata
洋介 猪股
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Abstract

【課題】長期間の使用においても、内部への水分の侵入を抑制するとともに、光電変換部における短絡の発生を低減し、信頼性の高い光電変換装置を提供すること。
【解決手段】一主面同士が対向するように配置されている第1および第2基板と、第1基板2と第2基板9との間に配置されている光電変換部1と、第1基板2と第2基板9との間で光電変換部1を囲うように配置されている線状の封止部材10とを備え、封止部材10は、外形が円形状の絶縁材で形成されて成り、第1基板2および第2基板9の各一主面に当接している。
【選択図】 図2

Description

本発明は光電変換装置に関する。
太陽光発電等に使用される光電変換装置は、様々な種類のものがある。その中でも、CIS系(銅インジウムセレナイド系)、CIGS系(銅インジウムガリウムセレナイド系)等のカルコパイライト系の材料は、比較的低コストで大面積の光電変換装置を容易に製造できる点から、研究開発が進められている。
このカルコパイライト系の光電変換装置は、ガラス基板上に、金属電極層、CIGS層およびバッファ層から成る光電変換部、透明電極層を順次成膜した積層体を備えている。さらに、このような光電変換装置は、前記積層体上に充填材としてエチレンビニルアセテート共重合体(以下、EVAという)と、このEVAの上に白色強化ガラスなどから成るカバーガラスを積層し、これらを減圧下で加熱加圧し、一体化されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、外部から侵入する水分から光電変換部を保護すべく、外周面に金属層が被覆された条部材をガラス基板の外周部に配置し、防水効果を高めた光電変換装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−123725号公報 特開2004−308015号公報
しかしながら、特許文献2に開示された光電変換装置では、条部材の外周面に導電性を有する金属膜が設けられているため、光電変換装置の長期間に亘る屋外での使用において、条部材に位置ずれが発生して該条部材と光電変換部とが接触すると、短絡が生じて信頼性が低下する場合があった。特に、1つの光電変換装置当たりの変換効率を高めるべく、光電変換部の面積を大きくすると、上記条部材が光電変換部と近接した位置に配置されることになるため、上記した短絡が発生する可能性が高まる。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、長期間の使用においても、内部への水分の侵入を抑制するとともに、光電変換部における短絡の発生を低減し、信頼性の高い光電変換装置を提供することにある。
本発明の光電変換装置は、一主面同士が対向するように配置されている第1および第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置されている光電変換部と、前記第1基板と前記第2基板との間で前記光電変換部を囲うように配置されている線状の封止部材とを備えている。そして、本発明の光電変換装置において、前記封止部材は、外形が円形状の絶縁材で形成されて成り、前記第1基板および前記第2基板の各一主面に当接している。
本発明の光電変換装置によれば、封止部材が絶縁材で形成されていることにより、光電変換部と接触しても短絡の発生を低減できるため、封止部材を光電変換部に対して接触もしくは近接した位置に配置できる。その結果、本発明では、光電変換装置の受光面側の単位面積あたりの光電変換部の面積を拡げることができるため、1つの光電変換装置当たりの発電量を向上させることができる。また、本発明では、封止部材の外形が円形状を成しているため、第1基板及び第2基板の一主面に対して封止部材を略線接触させることができることにより、第1基板及び第2基板と封止部材との間に生じる隙間を小さくできる。その結果、本発明では、外部から当該隙間を介して光電変換部に侵入する水分量を低減することができる。
本発明の実施形態に係る光電変換装置に用いられる光電変換部の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る光電変換装置の一例を示す断面図である。 (a)および(b)は本発明の実施形態に係る光電変換装置の封止部材の配置を説明するための説明図である。 (a)および(b)は本発明の実施形態に係る光電変換装置の一部を示す部分断面図である。 本発明の他の実施形態に係る光電変換装置の製造工程を説明するものであり、(a)〜(d)は本発明の他の実施形態に係る光電変換装置の一部を示す部分断面図である。 本発明の他の実施形態に係る光電変換装置の一部を示す部分断面図である。
本発明の光電変換装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、本発明の実施形態に係る光電変換装置Xが有する光電変換部について説明する。
<光電変換部>
光電変換部1は、外部から入射される光を吸収し、該光を電気に変換する機能を有している。また、光電変換部1は第1基板2の一主面上に配置されている。さらに、光電変換部1は、図1に示すように、第1基板2の一主面上において、裏面電極3、化合物半導体層4、バッファ層5、透光性導電層6および集電電極7が順次積層されて成る。
第1基板2は、光電変換部1を支持する機能を有している。この第1基板2の材質としては、例えば、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)、ポリイミド樹脂などの耐熱性プラスチックまたは厚さ100〜200μm程度のステンレスやチタンなどの金属箔が挙げられる。また、第1基板2の形状は、矩形状、円形状等の平板状を成している。
裏面電極3は、後述する化合物半導体層4の光吸収に起因して発生した電荷を伝導する機能を有している。この裏面電極3の材質としては、例えば、モリブデン、チタン、タンタル等の金属、またはこれらの金属を積層させた構造体等が挙げられる。また、裏面電極3の厚みは、電荷の伝導機能を維持するとともに抵抗値を過度に高くしないという観点から、0.3〜2μm程度であればよい。また、裏面電極3は、SnO等の透光性を有する材料で構成すれば、第1基板2側から入射される光も光電変換部1で吸収できるため、変換効率を高めるという観点から好適である。
化合物半導体層4は、光吸収層としての機能を有し、p型半導体の導電型を有している。この化合物半導体層4の材質としては、例えば、二セレン化銅インジウム(CuInSe)、二セレン化銅インジウム・ガリウム(CuInGaSe)、セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム(CuInGaSeS)、二イオウ化銅インジウム・ガリウム(CuInGaS)または薄膜のセレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム(CuInGaSeS)層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム(CuInGaSe)等のカルコパイライト系の化合物が挙げられる。また、化合物半導体層4の厚みは、1〜3μm程度あればよい。
バッファ層5は、化合物半導体層4上に配置されており、化合物半導体層4と異なる銅電型を有している。すなわち、化合物半導体層4がp型であれば、バッファ層5はn型を有している。そのため、化合物半導体層4とバッファ層5との界面では、pn接合が形成される。バッファ層5としては、例えば、CdS、ZnS、ZnO、InSe、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられ、ケミカルバスデポジション(CBD)法等で形成される。ここで、In(OH,S)とは、In、OHおよびSから主に構成された化合物をいう。また、(Zn,In)(Se,OH)は、Zn、In、SeおよびOHから主に構成された化合物をいう。また、(Zn,Mg)Oは、Zn、MgおよびOから主に構成された化合物をいう。
本実施形態において、透明導電膜層6が酸化インジウムを含むのであれば、バッファ層5は、インジウムを含む形態が好ましい。このような形態では、バッファ層5と透明導電膜層6が同じ元素(インジウム)を含むため、層間の元素の相互拡散による導電率の変化を抑制することができる。さらに、化合物半導体層4もインジウムを含むカルコパイライト系の材料で構成すれば、化合物半導体層4、バッファ層5および透明導電膜6の各層間の元素の相互拡散による導電率やキャリア濃度の変化を抑制することができるため好適である。
また、光電変換装置Xの耐湿性を向上させるという観点から、バッファ層5は、III-VI族化合物を主成分として含むことが好ましい。なお、III-VI族化合物とは、III-B族元素とVI-B族元素との化合物である。また、III-VI族化合物を主成分として含むというのは、バッファ層5を構成する化合物のうち、III-VI族化合物が50モル%以上、より好ましくは80モル%以上であることをいう。さらに光電変換装置10の耐湿性を向上するという観点からは、バッファ層5を構成する金属元素のうち、Zn元素が50 atomic%以下、より好ましくは20 atomic%以下であるのがよい。
また、バッファ層5は、その厚みが10〜200nmであり、好ましくは100nm以上であるのがよい。これにより、高温高湿条件化における光電変換効率の低下を特に効果的に抑制することができる。加えて、バッファ層5は、化合物半導体層4の吸収効率を高めるため、化合物半導体層4が吸収する光の波長領域に対して光透過性を有するものが好ましい。また、リーク電流を低減するという観点から、バッファ層5の抵抗率は1Ω・cm以上であるのが好ましい。
透光性導電層6は、バッファ層5上に設けられており、化合物半導体層4の光吸収により、pn接合部位で発生した電荷を伝導する機能を有する。この透光性導電層6の材質としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム、錫を含んだ酸化インジウム(ITO)、酸化錫(SnO)またはボロン、ガリウム、インジウム、フッ素などを含んだ酸化亜鉛との化合物等が挙げられる。とりわけ、酸化亜鉛および錫を含んだ酸化インジウム錫は、光透過率および抵抗値の観点から好適である。また、透光性導電層6の厚みは、0.05〜2μm程度である。
集電電極7は、透光性導電層6上に設けられており、透光性導電層6からの電荷を収集する機能を有している。集電電極7は、透光性導電層6よりも低抵抗の材質で形成すれば、効率良く電荷を収集することができる。透光性導電層6を上述した材質で形成した場合、集電電極7は、銀または銅等の金属材料が好適である。また、このような集電電極7は、例えば、スクリーン印刷等で形成することができる。
そして、光電変換部1は、1つの第1基板2上に形成された各層に分離溝P1〜P3を設けることにより、光電変換部1内で形成された複数の光電変換ユニットを、集電電極7の一部を用いて電気的に直列接続して集積化することによって出力電圧を向上させている。
次に、光電変換部の製造方法の一例について説明する。
まず、洗浄した青板ガラスなどの第1基板2の外周部から内側に3〜10mm程度を除く略全面にモリブデン等の金属をスパッタリング法で成膜し、裏面電極3を形成する。次いで、裏面電極3の所望の位置にYAGレーザ等を照射して分割溝P1を形成し、裏面電極3をパターニングする。その後、パターンニングされた裏面電極3上に化合物半導体層4をスパッタ法、蒸着法または印刷法などを用いて成膜する。次に、化合物半導体層4上にバッファ層5を溶液成長法(CBD法)等で成膜する。次いで、スパッタリング法または有機金属気相成長法(MOCVD法)等でバッファ層5上に透光性導電層6を成膜する。次に、メカニカルスクライビング等で分割溝P2および分割溝P3を形成し、化合物半導体層4、バッファ層5および透光性導電層6をパターニングする。次いで、透光性導電層6上にスクリーン印刷法等で金属ペーストを塗布した後、焼成して集電電極7を形成することによって、光電変換部1が作製される。
<光電変換装置>
次に、本発明の実施形態に係る光電変換装置の一例について説明する。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置Xは、光電変換部1と、第1基板2と、充填材8(第1充填材8a、第2充填材8b)と、第2基板9と、封止部材10と、を備えている。
充填材8は、第1基板2および第2基板9の互いに対向する一主面間に充填されている。充填材8は、第1充填材8aと第2充填材8bとを備えている。
第1充填材8aは、主として光電変換部1を保護する機能を有しており、図2に示すように、光電変換部1を覆うように配置されている。このような第1充填材8aとしては、例えば、共重合したエチレンビニルアセテート(EVA)を主成分とする樹脂が挙げられる。なお、EVAには、樹脂の架橋を促進すべく、トリアリルイソシアヌレート等の架橋剤が含まれると好適である。また、EVAは、第1基板2と第2基板9とを接着することができる。
第2充填材8bは、封止部材10よりも外側(第1および第2基板の外辺側)に配置されており、光電変換装置Xの防湿性を高める機能を有している。このような第2充填材8bとしては、例えば、ブチルゴム等が挙げられる。また、より防湿性を高めるべく、第2充填材8bには、酸化カルシウム(CaO)粒子などを吸湿剤として含有させてもよい。
第2基板9は、光電変換部1、充填材8、封止部材10等を外部から保護する機能を有している。また、本実施形態では、第2基板9側から光が入射される。なお、第2基板9の形状および材質は、第1基板2と同等のものを利用できる。
封止部材10は、図3に示すように、第1基板2と第2基板9との間に位置する光電変換部1を囲うように配置されており、光電変換部1への水分の侵入を抑制する機能を有している。本来、第1基板2および第2基板9の一主面ならびに封止部材10の外周面は、仮に研磨したとしても、極めて微小な凹凸が存在している。このような凹凸が存在している場合、各基板と封止部材10との界面に隙間が生じ、該隙間より水分が入り込みやすくなる。特に、各基板と封止部材10の接触面積が大きくなれば、この隙間が発生する割合が大きくなる。そこで、本実施形態では、第1基板2の一主面および第2基板9の一主面に当接する封止部材10の外形を円形状とすることにより、各基板と封止部材10との接触面積を小さくしつつ、光電変換部1を外部から封止することができるため、仮に第2充填材8bに水分が侵入しても、各基板と封止部材10の当接部位で光電変換部1への当該水分の侵入を低減することができる。なお、封止部材10は、図3(a)に示すように、1本の線状を成す形態であってもよく、一方で、図3(b)に示すように、複数の線状の封止部材10で形成するような形態であってもよい。
また、封止部材10の外形は、図4(a)に示すような略真円状に限られることなく、図4(b)に示すような楕円形状であってもよい。このとき、封止部材10が真円状の場合、直径は0.2〜1.0mm程度であり、楕円形状の場合、長径が0.2〜1.0mm程度であればよい。なお、上述した封止部材10の直径または長径が第1基板2と第2基板9との間の間隙部の高さとなる。また、封止部材10は、断面形状が中空状であれば、ラミネート時に弾性変形して第1基板2および第2基板9との密着性を高めることができるとともに、充填材8の膨張等によって第1基板2および第2基板9の各一主面間の間隔が拡がっても、該拡がりに追従し、第1基板2および第2基板9との当接状態を維持しやすくなる。
また、封止部材10は、絶縁性を有する材質(絶縁材)で形成されている。本実施形態では、封止部材10が絶縁材で形成されていることにより、光電変換部1と接触しても短絡の発生を低減できるため、封止部材10を光電変換部1に対して接触もしくは近接した位置に配置できる。それゆえ、本実施形態では、光電変換装置Xの受光面側の単位面積あたりの光電変換部1の面積を拡げることができるため、1つの光電変換装置当たりの発電量を向上させることができる。封止部材10の材質としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、ガラス繊維などのガラス材料が挙げられる。絶縁性と防湿性の観点から、封止部材10の材質にはガラスを使用することが好ましい。また、封止部材10は、透湿度(水蒸気透過度)が低いものが好ましいが、例えば、JIS Z 0208で記された「防湿包装材料の透過湿度試験方法」(25℃の温度下において、厚み2mmの試験片で測定)で0.1g/m/dayより小さいものであれば、封止部材10の耐湿性を向上させることができるため、封止部材10から水分が侵入することを効率良く抑制することができる。なお、封止部材10は、少なくとも第1充填材8aおよび第2充填材8bよりも透湿度が小さく構成されている。具体的に、本実施形態において、第1充填材8aを構成するEVAの透湿度は60g/m/day程度、第2充填材8bを構成するブチルゴムの透湿度は0.1g/m/day程度であるため、封止部材10は、これらEVAおよびブチルゴムよりも透湿度が小さい材質で形成すればよい。
さらに、本実施形態において、封止部材10は、第1基板2および第2基板9の外辺よりも光電変換部1側に配置されているため、光電変換装置Xに対して外部から機械的な力が作用しても、封止部材10の破損、脱落等の発生を低減できる。また、封止部材10は、第1基板2および第2基板9の外辺に近接するように設ければ、光電変換装置Xの外周側において水分の侵入を抑制することができるため、光電変換部1に水分が到達することを低減できる。
次に、光電変換装置Xの製造方法の一例について説明する。
まず、上述した製法により、第1基板2上に光電変換部1を形成する。次に、第1基板2の一主面上の光電変換部1が形成されていない外周側部分に第2充填材8bの前駆体となる樹脂材料を塗布する。この樹脂材料は、例えば、第1基板2の外周側に3〜10mm程度の幅で設けられる。次いで、第1基板2の一主面上に、光電変換部1と第2充填材8bの前駆体となる樹脂材料との間に封止部材10を配置する。このとき、封止部材10は、光電変換部1を取り囲むように配置する。
次に、光電変換部1上に、第1充填材8aの前駆体となる樹脂材料を配置する、次いで、第1充填材8aおよび第2充填材8bの前駆体と封止部材10の上に第2基板9を載置し、この積層体をラミネート装置にセットし、50〜150Pa程度の減圧下で100〜200℃程度の温度で15〜60分間程度加熱しながら加圧して一体化することにより、光電変換装置Xを作製できる。なお、光電変換部1で発電された電力を外部に取り出すために、光電変換部1には、予め、出力リードが接続されている(図示なし)。この出力リードは、例えば、第1基板2に形成した貫通孔を介して第1基板2の一主面の裏面側に導出される。
なお、封止部材10は、第2充填材8bの前駆体となる樹脂材料と重なるように配置し、ラミネート時に封止部材10が第1基板2および第2基板9の各一主面同士と当接するようにしてもよい。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
光電変換装置X1は、図5に示すように、第1基板2に凹部2a、第2基板に凹部9aがそれぞれ形成されており、各凹部で構成された空間内に封止部材10が配置されている点で上述した実施形態と相違する。
本実施形態では、凹部2aおよび凹部9a内に封止部材10を配置しているため、光電変換装置X1の長期間の使用における充填材8(第1充填材8a、第2充填材8b)の膨張または収縮等によって生じる封止部材10の位置ずれを低減できる。また、本実施形態において、封止部材10は、凹部2aの底面に相当する第1基板2の一主面に当接するとともに、凹部9aの底面に相当する第2基板9の一主面に当接している。なお、封止部材10は、凹部2aおよび凹部9aの底面ではなく、側面に当接するような形態であってもよい。
次に、光電変換装置X1の製造方法の一例について説明する。
まず、図5(a)に示すように、予め第1基板2の封止部材10の配置される部分に凹部2aを形成する。この凹部2aは、例えば、深さ0.5〜1.5mm程度、幅1〜3mm程度の封止部材10の形状に合わせた半円状のものが好ましい。また、凹部2aは、酸化ケイ素、アルミナ等の粒子を高圧で所定の部分に吹き付けるブラスト加工や研磨加工で形成できる。また、第2基板9の封止部材10と当接する部分に、凹部2aと同様の方法を用いて凹部9aを形成する。なお、凹部2aおよb凹部9aの形状は、半円状に限定されることなく、例えば、矩形状であってもよい。
次いで、図5(b)に示すように、この凹部2aの近傍に第2充填材8bの前駆体となる樹脂材料を塗布し、凹部2a内に封止部材10を配置する。次に、図5(c)に示すように、凹部9aの底面が封止部材10と当接するように第2基板9を載置する。次いで、図5(d)に示すように、各部材をラミネートして光電変換装置X1を作製する。
なお、本実施形態では、第1基板2および第2基板9のそれぞれに凹部が形成されているが、封止部材10の位置ずれを低減するという点においては、少なくとも一方の基板に凹部が形成されているような形態であってもよい。
また、光電変換装置X1は、図6に示すように、封止部材10を凹部2aの縁2a’と間隙を空けて配置し、該間隙内に充填材8(第2充填材8b)が配置されているほうが好ましい。このような形態であれば、例えば、光電変換装置X1に積雪が生じた場合、凹部2aの幅が小さくなるような方向に第1基板2が撓んでも、第2充填材8bが緩衝材として作用し、凹部2aの縁2a’との直接的な接触を防ぎ、封止部材10への衝撃を緩和することができる。また、図6に示した形態では、第2充填材8bが間隙内に配置されているが、第1充填材8aが配置されていてもよく、両方の充填材が配置されていてもよい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正及び変更を加えることができる。例えば光電変換装置は上述のCIS系などのカルコパイライト系光電変換装置に限定されるものではなく、アモルファスシリコンや微結晶シリコンを使用した薄膜太陽電池、シリコン基板を用いた結晶系シリコン太陽電池等の光電変換装置にも適用可能である。
X、X1;光電変換装置
1;光電変換部
2;第1基板
2a;凹部
3;裏面電極
4;化合物半導体層
5;バッファ層
6;透光性導電層
7;集電電極
8;充填材
8a;第1充填材
8b;第2充填材
9;第2基板
9a;凹部

Claims (5)

  1. 一主面同士が対向するように配置されている第1および第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に配置されている光電変換部と、
    前記第1基板と前記第2基板との間で前記光電変換部を囲うように配置されている線状の封止部材とを備え、
    該封止部材は、外形が円形状の絶縁材で形成されて成り、前記第1基板および前記第2基板の各一主面に当接していることを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記封止部材は、断面形状が中空状であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記封止部材は、前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方に設けられている凹部に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光電変換装置。
  4. 前記封止部材は、前記凹部の底面に当接するとともに、前記凹部の縁と間隙を空けて配置されており、
    該間隙内に充填材が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光電変換装置。
  5. 前記絶縁材は、ガラスから成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光電変換装置。
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