JP2011232189A - 電流検出器及びその製造方法 - Google Patents

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Naota Kamiyama
直太 神山
Masakazu Kobayashi
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Abstract

【課題】高精度な磁気平衡式の電流検出器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】2次コイルの出力側に接続され、ボビン120やPCB130を
含む巻回手段における2次コイルの巻回側に所定の間隔をおいて、それぞれ異
なる巻数に対応して設けられる複数のタップN、N−1、N−2、N+1、N
+2と、タップ切替手段としての各接続部200N、200N−1、200N
−2、200N+1、200N+2とを有し、使用する一のタップNを選択し、
他のタップN−1、N−2、N+1、N+2に対応する各接続部200N−1、
200N−2、200N+1、200N+2をレーザートリミングでカットし、
電気的に非接続とすることで、2次コイルの巻回数を変えて精度調整を行う。
また、全てのタップに対応する共通のトリミング抵抗203Nをレーザートリ
ミングでカットすることで、更に精度の微調整を行う。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電流の測定や検出に用いられる磁気平衡方式の電流検出器及びそ
の製造方法に関する。
磁気平衡方式の電流検出器は、ギャップを有する磁性体コアと磁性体コアに巻
かれた二次巻線、感磁素子(例えばホール素子、以下、ホール素子と言う)及
びホール素子からの出力を電流増幅する回路から構成されている。この種の電
流検出器は、被検出電流によって発生する磁界を磁性体コアで収束し、磁性体
コアのギャップ間に配置したホール素子で磁束を電圧に変換して出力するもの
である。また、例えば、かかる磁気平衡方式の電流検出器の用途として、サー
ボモータにおける電流測定がある。電流検出器は、モータへの電流測定を行い、
その測定値はサーボアンプにフィードバックされて、制御パラメータの一つと
して使用される。
そして、磁気平衡方式の電流検出器において、磁性体コアに巻かれた二次巻
線は、被測定電流によって発生する磁界を打ち消す方向に巻かれている。被測
定電流が流れると、電流に応じた磁界によりホール素子に出力電圧が生じ、こ
のホール素子から出力された電圧信号は電流増幅回路によって、電流に変換さ
れ、二次巻線にフィードバックされる。二次巻線により発生する磁界(キャン
セル磁界)と被測定電流により生じる磁界が打ち消しあい、ギャップ内の磁界
が常に0になるように動作する。二次巻線に流れるキャンセル電流を出力抵抗
を通して電圧変換させて出力として取り出すものである(例えば、特許文献1
参照)。
特開2007−147460号公報
上述したように、磁気平衡方式の電流検出器は、被測定電流が作った磁界に
対して、2次コイルでそれを打ち消しあうように磁界が発生する構成を有して
おり、常にコア内の磁束がゼロになるように動作しているクローズドタイプの
電流検出器に相当する。
ここで、この電流検出器における出力の精度は、巻数の誤差、コアのギャッ
プ内に配置されているホール素子の位置、2次コイルの位置、被測定電流導体
の位置、コアギャップ端面の仕上がり等、誤差要因は様々なものが存在するが、
それらを全て管理することによって高精度の電流検出器を製造することは極め
て困難である。
例えば、上述した従来の磁気平衡式電流検出器では、コアのギャップ内に配
置されているホール素子の位置、即ち、二次巻線の巻かれたコアとホール素子
との位置関係によってホール素子周囲のキャンセル磁界の強さが変化してしま
うため、それらの組み付け位置の精度によって電流の検出精度が大きく影響さ
れてしまう。上述したその他の要因も電流の検出精度に影響するため、個々の
製品ごとに精度を調整することが困難であり、結果として、全ての要因に起因
する誤差を統一的に管理し解消することによって製品の歩留りを改善すること
が極めて困難であった。そこで、このような問題の解決策として、他の様々な
要因で誤差になった分を後工程にて調整を行い、電流検出器における電流検出
精度の高精度化を実現する技術の開発が望まれていた。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電流
検出精度の高精度化を実現可能な磁気平衡式の電流検出器を提供することにあ
る。
また、本発明の他の目的は、他の要因で誤差になった分を、後工程にて調整
を行い、電流検出精度の高い磁気平衡式の電流検出器を製造可能な電流検出器
の製造方法を提供することにある。
本発明者は、磁気平衡式の電流検出器において、他の要因で電流検出精度の
誤差になった分を、後工程にて調整を行ことが可能な電流検出器の構成及びそ
の製造方法を鋭意検討した結果、巻線タップ切り替えにより2次コイル(2次
巻線)の巻数に自由度を持たせ、他の要因で電流検出精度の誤差になった分を、
後工程にて調整を行うことができる磁気平衡式の電流検出器の構成及びその製
造方法を案出し、かかる構成及び製造方法によれば、巻線タップ切り替えによ
り高精度化を実現することで、電流検出器の調整精度を向上させて製品の歩留
りを改善するのに大変効果的であるとの知見を得るに至った。
即ち、本発明によれば、少なくとも、コアと、当該コアに所定の巻回手段を
介して所定のターン数にて巻回される2次コイルと、前記コアに形成されるギ
ャップに配置される感磁素子とを含む電流検出器において、前記2次コイルの
出力側に接続され、前記巻回手段における前記2次コイルの巻回側に所定の間
隔をおいて、それぞれ異なる巻数に対応して設けられる複数のタップと、前記
複数のタップのうち所望の一のタップを選択することにより使用するタップを
切り替えるタップ切替手段とを有することを特徴とする電流検出器が得られる。
また、前記複数のタップは、所定の抵抗値を有する抵抗を介在して接続され、
該抵抗を電気的に有効又は無効とする手段を有するのが好ましい。
更に、本発明によれば、少なくとも、コアと、当該コアに所定の巻回手段を
介して所定のターン数にて巻回される2次コイルと、前記コアに形成されるギ
ャップに配置される感磁素子とを含む電流検出器の製造方法において、前記2
次コイルの出力側に接続され、前記巻回手段における前記2次コイルの巻回側
に所定の間隔をおいて、それぞれ異なる巻数に対応して設けられる複数のタッ
プと、前記複数のタップのうち所望の一のタップを選択することにより使用す
るタップを切り替えるタップ切替手段とを設け、少なくとも前記コアのギャッ
プ内に前記感磁素子を配置する工程の後工程として、前記タップ切替手段によ
り使用するタップを切り替える工程を含むことを特徴とする電流検出器の製造
方法が得られる。
また、前記複数のタップは、所定の抵抗値を有する抵抗を介在して接続され
るようにしておき、前記使用するタップを切り替える工程に加え、更に、前記
抵抗を電気的に有効又は無効とする工程を有するのが好ましい。
本発明によれば、巻線タップ切り替えにより2次コイル(2次巻線)の巻数
に自由度を持たせ、他の要因で電流検出精度の誤差になった分を、後工程にて
調整を行うことができる磁気平衡式の電流検出器及びその製造方法を提供する
ことができる。
本発明の実施形態に係る電流検出器が使用されるサーボモータの制御システムを、被制御モータと共に示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る電流検出器の動作原理を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る電流検出器の2次コイル(2次巻線)を巻回したボビンと、該ボビンに設けられた巻数タップを示す図である。 本発明の実施形態に係る電流検出器において、巻数タップ切り替えによる高精度化を図った実施例1の構成のうち、PCB(PrintedCircuit Board:プリント回路基板)の巻数タップ部を抜粋して示す図であり、PCBのパターンをレーザートリミングする例を示す。 本発明の実施形態に係る電流検出器において、巻数タップ切り替え及びトリミング抵抗を組み合わせることにより高精度化を図った実施例2の構成のうち、PCBの巻数タップ部を抜粋して示す図であり、PCBのパターンをレーザートリミングすると共に、抵抗を配置することでもトリミングを行う例を示す。 本発明の実施形態に係る電流検出器において、巻数タップ切り替えによりマルチレンジ方式を実現する実施例3の構成のうち、PCBの巻数タップ部を抜粋して示す図であり、PCBのパターンをレーザートリミングすると共に、精度調整は抵抗トリミングにても行う例を示す。
本発明の実施形態に係る電流検出器について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る電流検出器は、磁気平衡方式の電流検出器として、例えば、
サーボモータにおける電流測定に用いられる。図1は、本実施形態の電流検出
器100が使用されるサーボモータの制御システムを、被制御モータと共に示
すブロック図である。
図1に示すサーボモータの制御システムは、被制御モータ92と、サーボア
ンプ94と、コントローラ96と、磁気平衡方式の電流検出器100とを備え
ている。電流検出器100は、被制御モータ92へ流れる電流の測定を行い、
その測定値はサーボアンプ94にフィードバックされて、コントローラ96に
よる制御パラメータの一つとして使用される。
図2は、本実施形態に係る磁気平衡方式の電流検出器100の動作原理を説明
するための図である。同図に示されるように、磁気平衡式の電流検出器100
は、ギャップを有する略環状の磁性体から成るコア102と、このコア102
に巻回された二次巻線104と、コア102のギャップ部102aに配設され
た感磁素子としてのホール素子106と、ホール素子106のホール電圧Vh
を増幅するとともにこの増幅された電圧を電流Ihに変換する電流増幅回路1
08とを備えている。二次巻線104の一端は、電流増幅回路108に接続さ
れ、その他端は、負荷抵抗110を介して接地されている。電流線112は、
コア102によって囲繞される空間内にあってコア102の軸心と直交する方
向に配設されている。一方、上述した二次巻線104は、電流線112を流れ
る被検出電流Ifによって発生する磁界を相殺する(キャンセルする)方向に
巻回されている。また、この磁気平衡式の電流検出器100においては、二次
巻線104の巻回方向だけでなく、電流増幅回路108の増幅率等も、電流線
112に被検出電流Ifが流れることによってコア102内に発生する磁界と
二次巻線104に電流Ihが流れることによってコア102内に発生する磁界
とが相殺されるように設定されている。
以上の構成を有する磁気平衡式の電流検出器100では、被検出電流Ifに
応じてホール素子106の発生したホール電圧Vhを、電流増幅回路108を
通じてまず電流Ihに変換して二次巻線104に出力する(フィードバックす
る)。こうして電流Ihが二次巻線104を流れると、被検出電流Ifに基づ
く磁界と、上記電流Ihに基づく(二次巻線104により発生する)磁界、い
わゆるキャンセル磁界とが相殺されて平衡状態が形成される。即ち、被検出電
流Ifに基づく磁界とキャンセル磁界とが打ち消しあい、ギャップ部102a
内の磁界が常に0になるように動作する。このとき、上記負荷抵抗110にお
ける電圧降下分を端子R1とR2間でセンサ出力電圧として検出し、このセン
サ出力電圧に基づき上記電流Ihを検出すれば、電流線112を流れる被検出
電流Ifの検出が可能となる。尚、電流増幅回路108の端子A1とA2間に
は図示しない直流電源が接続される。また、Icは、ホール素子106の駆動
用電流を表している。
このような磁気平衡式の電流検出器100によれば、ホール素子106の温
度依存性に起因する温度ドリフトも好適に抑制され、また被検出電流Ifとセ
ンサ出力電圧VHとの直線性も良好であることから、高い精度のもとに被検出
電流Ifを検出することができる。さて、上記のような磁気平衡式の電流検出
器100を製作するには、2次コイル(2次巻線)をボビンに巻線する必要が
あるが、前述したように、2次コイル(2次巻線)の巻数はキャンセル電流の
大きさに関わるため、巻数のバラツキ如何で特性のバラツキが生じることにな
る。そこで、本発明者は、図3に示すような巻数タップを用意し、この問題の
解決を試みた。尚、本実施形態の電流検出器100は、2次巻線を2000タ
ーン巻回する仕様のものとして説明する。
図3は、電流検出器100の2次コイル(2次巻線)を巻回したボビンと、
該ボビンに設けられた巻数タップを示す図である。図3に示すように、電流検
出器100の2次コイル(2次巻線)を巻回するためのボビン120は、フラ
ンジ部120Aと120Bを有し、それぞれ等間隔に複数のタップ200が設
けられている。フランジ部120Aには、タップ200A−1、200A−2、
200A−3、200A−4、200A−5が設けられている。フランジ部1
20Bには、タップ200B−1、200B−2、200B−3、200B−
4、200B−5が設けられている。このタップは、例えば、タップ200A
−1が巻線スタート部に該当し、他のタップ200B−1、200A−2、2
00B−2、200A−3、200B−3、200A−4、200B−4、2
00A−5、200B−5が、それぞれ1996ターン、1997ターン、1
998ターン、1999ターン、2000ターン、2001ターン、2002
ターン、2003ターン、2004ターン目のタップに該当するようになって
いる。
このように、電流検出器100が2次巻線を2000ターン巻回する仕様の
ものであれば、理論的には、1ターン刻みの巻数タップを用意すれば、出力の
精度は±0.025%の管理が可能となる。従って、例えば、電流検出器10
0が通常の精度として±0.25%の保証を要求される場合には、不良品発生
率を限りなくゼロに近づけることが可能となり、歩留りが著しく改善する。更
に、高精度も保証することが可能である。
図4は、本実施形態に係る電流検出器100において、巻数タップ切り替え
による高精度化を図った実施例1の構成のうち、PCBの巻数タップ部を抜粋
して示す図であり、PCBのパターンをレーザートリミングする例を示す。即
ち、本実施形態に係る電流検出器100は、詳細には、ボビン120に2次コ
イル(2次巻線)を形成するが、PCB130のパターンにより巻数タップに
おける端子部及び接続部を形成し、不要なタップをトリマー(レーザートリミ
ング)でカットするようにした。図4に示す実施例1では、N(2000ター
ンであれば、2000ターン目)のタップを活かし、N−1(2000ターン
であれば、1999ターン目)、N−2(2000ターンであれば、1998
ターン目)、N+1(2000ターンであれば、2001ターン目)、N+2
(2000ターンであれば、2002ターン目)のタップを無効とするために、
トリマー(レーザートリミング)で、それらの接続部200N−1、200N
−2、200N+1、200N+2をカットし、電気的に非接続となるように
している。
このように、予め図4に示すようなタップ部をPCB130のパターンで形
成しておき、精度調整の結果、不要となるタップの接続部をトリマー(レーザ
ートリミング)でカットするようにすれば、このような2次コイル(2次巻線)
の結線を行う工程において、上述した様々な誤差要因により生じた精度のズレ
を調整し、補正することが可能となる。
図5は、本実施形態に係る電流検出器100において、巻数タップ切り替え
及びトリミング抵抗を組み合わせることにより高精度化を図った実施例2の構
成のうち、PCB130の巻数タップ部を抜粋して示す図であり、PCB13
0のパターンをレーザートリミングすると共に、抵抗を配置することでもトリ
ミングを行う例を示す。即ち、本実施例2の電流検出器100も、詳細には、
ボビン120に2次コイル(2次巻線)を形成するが、PCB130のパター
ンにより巻数タップにおける端子部及び接続部を形成し、特に、それらタップ
と入力側との間には共通のトリミング抵抗を配置しておき、不要なタップをト
リマー(レーザートリミング)でカットするだけでなく、活かすタップについ
ても、必要に応じて、そのトリミング抵抗をカットすることで、更に、電流検
出精度の調整の精度を高めるようにした。
図5に示すように、この実施例2では、タップN、N−1、N−2、N+1、
N+2と入力側との間には共通のトリミング抵抗203Nが配置されている。
そして、まず、N(2000ターンであれば、2000ターン目)のタップを
活かし、N−1(2000ターンであれば、1999ターン目)、N−2(2
000ターンであれば、1998ターン目)、N+1(2000ターンであれ
ば、2001ターン目)、N+2(2000ターンであれば、2002ターン
目)のタップを無効とするために、トリマー(レーザートリミング)で、それ
らの接続部200N−1、200N−2、200N+1、200N+2をカッ
トし、電気的に非接続となるようにしている。加えて、活かすタップであるN
のタップについても、その共通のトリミング抵抗203Nをカットすることで、
更に、電流検出精度の調整の精度を高めるようにした。
このように、予め図5に示すようなタップ部をPCB130のパターンで形
成しておき、更に、タップN、N−1、N−2、N+1、N+2と入力側との
間には共通のトリミング抵抗を配置しておき、不要なタップを無効とするため
に、トリマー(レーザートリミング)で、それらの接続部をカットするだけで
なく、活かすタップについても、精度調整の必要に応じて、その共通のトリミ
ング抵抗をカットするようにすることで、更に、電流検出精度の調整の精度を
高めることが可能である。
図6は、本実施形態に係る電流検出器100において、巻数タップ切り替え
によりマルチレンジ方式を実現する実施例3の構成のうち、PCB130の巻
数タップ部を抜粋して示す図であり、PCB130のパターンをレーザートリ
ミングすると共に、精度調整は抵抗トリミングにても行う例を示す。即ち、こ
こでいうマルチレンジ方式とは、上述した実施例1及び2の電流検出器100
が2次巻線を2000ターン巻回する仕様のものであったのに対し、実施例3
の電流検出器300は、2次巻線の巻数(ターン数)を可変に使用できるもの
である。
即ち、本実施例3の電流検出器300も、詳細には、ボビン120に2次コ
イル(2次巻線)を形成するが、PCB130のパターンにより巻数タップに
おける端子部及び接続部を形成し、特に、それらタップと入力側との間には共
通のトリミング抵抗を配置しておき、不要なタップをトリマー(レーザートリ
ミング)でカットすることにより、2次巻線の巻数(ターン数)を選択できる
ようにしている。そして、必要に応じて、その共通のトリミング抵抗をカット
することで精度調整を行うようにした。
図6に示すように、この実施例3では、タップ500T、1000T、20
00T、4000T、5000Tと入力側との間には共通のトリミング抵抗5
03Nが配置されている。そして、まず、2次巻線の巻数(ターン数)として
2000ターンを選択するのであれば、2000ターンのタップ2000Tを
活かし、500、1000、4000、5000のタップ500T、1000
T、4000T、5000Tを無効とするために、トリマー(レーザートリミ
ング)で、それらの接続部500N、1000N、4000N、5000Nを
カットし、電気的に非接続となるようにしている。加えて、活かすタップであ
る2000Tのタップについても、精度調整の必要に応じて、その共通のトリ
ミング抵抗503Nをカットすることで、電流検出精度の調整を行うようにし
た。
このように、予め図6に示すようなタップ部をPCB130のパターンで形
成しておき、更に、タップ500T、1000T、2000T、4000T、
5000Tと入力側との間には共通のトリミング抵抗を配置しておき、不要な
タップを無効とするために、トリマー(レーザートリミング)で、それらの接
続部をカットするだけでなく、活かすタップについても、精度調整の必要に応
じて、その共通のトリミング抵抗をカットするようにすることで、2次巻線の
巻数(ターン数)を選択できる上に、電流検出精度の調整も可能なものとする
ことができる。
本発明は、ボビン等に2次コイル(2次巻線)が巻回される磁気平衡式の電
流検出器であり、ボビンや基板にタップを形成できるものであれば、感磁素子
として、ホール素子を用いるものに限定されるものでは無く、MR素子を用い
るもの等、その他の電流検出器にも広く適用可能である。
尚、上述した実施例では、本発明の電流検出器をサーボモータの制御システ
ムに適用したが、本発明の電流検出器は、それ以外の用途にも広く適用可能で
あるのは勿論である。
また、上述した実施例では、矩形状のコアを用いているが、例えば、楕円リ
ング状のコア、円形状のリングコア等、他の形状のコアを用いる電流検出器に
も適用可能なことは勿論である。
更に、上述した実施例では、複数のタップと入力側との間に共通のトリミン
グ抵抗を配置しておき、活かすタップについて、精度調整の必要に応じて、そ
の共通のトリミング抵抗をカットするようにしたが、複数のタップの各接続部
ごとに、例えばその中間部に、それぞれトリミング抵抗を配置しておき、活か
すタップについて、精度調整の必要に応じて、その1個のトリミング抵抗をカ
ットするようにしても良い。
また、本発明において、「抵抗を電気的に有効又は無効とする」というのは、
例えば、逆に、初めは切ってある抵抗線があり、それをつなぐことで有効にす
るものも含む。「抵抗を有効又は無効にする」とは、そのような、初めはつな
いであり、切れる線、初めは切ってあり、つなげる線、更に、線でなくても良
く、市販の抵抗でない、所定の抵抗値を持つ面上の金属でも良い。そのような
ものを全て含む趣旨である。また、電気的な意味で「抵抗」であればいいので、
可変抵抗も含むのは勿論である。可変抵抗であれば、その変えた(設定した)
抵抗値を有効にする、又は無効にするということになる。
100、300 電流検出器、 102 コア、 104 二次巻線、
106 ホール素子、 108 電流増幅回路、 112 電流線、
If 被検出電流、
120 ボビン、 120A、120B フランジ部、
130 PCB、 200、200A−1、200A−2、200A−3、2
00A−4、200A−5 タップ、 200B−1、200B−2、200
B−3、200B−4、200B−5 タップ、 203N、 503N ト
リミング抵抗

Claims (4)

  1. 少なくとも、コアと、当該コアに所定の巻回手段を介して所定のターン数に
    て巻回される2次コイルと、前記コアに形成されるギャップに配置される感磁
    素子とを含む電流検出器において、
    前記2次コイルの出力側に接続され、前記巻回手段における前記2次コイル
    の巻回側に所定の間隔をおいて、それぞれ異なる巻数に対応して設けられる複
    数のタップと、
    前記複数のタップのうち所望の一のタップを選択することにより使用するタ
    ップを切り替えるタップ切替手段とを有することを特徴とする電流検出器。
  2. 前記複数のタップは、所定の抵抗値を有する抵抗を介在して接続され、該抵
    抗を電気的に有効又は無効とする手段を有することを特徴とする請求項1に記
    載の電流検出器。
  3. 少なくとも、コアと、当該コアに所定の巻回手段を介して所定のターン数に
    て巻回される2次コイルと、前記コアに形成されるギャップに配置される感磁
    素子とを含む電流検出器の製造方法において、
    前記2次コイルの出力側に接続され、前記巻回手段における前記2次コイル
    の巻回側に所定の間隔をおいて、それぞれ異なる巻数に対応して設けられる複
    数のタップと、前記複数のタップのうち所望の一のタップを選択することによ
    り使用するタップを切り替えるタップ切替手段とを設け、
    少なくとも前記コアのギャップ内に前記感磁素子を配置する工程の後工程と
    して、前記タップ切替手段により使用するタップを切り替える工程を含むこと
    を特徴とする電流検出器の製造方法。
  4. 前記複数のタップは、所定の抵抗値を有する抵抗を介在して接続されるよう
    にしておき、前記使用するタップを切り替える工程に加え、更に、前記抵抗を
    電気的に有効又は無効とする工程を有することを特徴とする請求項3に記載の
    電流検出器の製造方法。
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