JP2015152378A - 零磁束制御型電流センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】発熱による電子部品の劣化や損傷を回避する。【解決手段】磁気コア2、ホール素子3、ホール素子3にバイアス電流Ibを供給するバイアス電源4、コイル6、コイル6に負帰還電流I2を出力する負帰還電流生成部7、負帰還電流I2を検出電圧V2に変換して出力する終端抵抗8、バイアス電流Ibのホール素子3への供給・供給停止を切り換えるスイッチ5、周囲温度Tinを検出する温度検出部12、および処理部15を備え、処理部15は、温度検出部12で検出される周囲温度Tinが基準温度以上のときにスイッチ5に対する制御を実行してバイアス電流Ibのホール素子3への供給を停止させる保護処理を実行する。【選択図】図1
Description
本発明は、零磁束制御型(ゼロフラックス型)電流センサに関するものである。
この種の電流センサとして、本願出願人は下記特許文献1に開示されている電流センサを既に提案している。この電流センサは、磁気コア、磁電変換素子(ホール素子)、負帰還コイル、電源部、電流生成部、および電流電圧変換部を備え、零磁束制御型(ゼロフラックス型)の電流センサとして構成されて、磁気コアに挿通された被測定電線に流れる測定電流を検出する。
この場合、ホール素子は、一対の電流入力端子および一対の電圧出力端子を備え、電源部から一対の電流入力端子に制御用の直流定電流(バイアス電流)が供給された状態で作動する。また、ホール素子は、この作動状態において、磁気コアの内部に発生する磁束を検出して、磁束密度に応じた電圧値の出力電圧を一対の電圧出力端子間から出力する。電流生成部は、ホール素子から出力電圧を入力すると共に、この出力電圧に基づいて負帰還電流を生成して、磁気コアに巻回された負帰還コイルの一端部に供給する。この場合、電流生成部は、ホール素子から出力される出力電圧がゼロボルトになるように、つまり、ホール素子において検出される磁気コアの内部に発生している磁束の磁束密度がゼロになるように、負帰還電流の電流値を制御する。
電流電圧変換部は、例えば、負帰還コイルの他端部とグランド電位との間に接続された終端抵抗で構成されて、負帰還電流を電圧に変換して検出電圧として出力する。この検出電圧の電圧値は、負帰還電流の電流値に比例する。このため、この電流センサでは、検出電圧の電圧値に基づいて、被測定電線に流れる測定電流を検出することが可能になっている。
ところで、この種の零磁束制御型電流センサでは、被測定電線に流れる測定電流の周波数成分のうちの直流から所定の周波数(クロスオーバー周波数)までの周波数成分については、ホール素子が検出して出力電圧として電流生成部に出力し、電流生成部がこの出力電圧の電圧値に応じた電流値の負帰還電流を生成して負帰還コイルに供給することで検出する。一方、所定の周波数以上の周波数成分については、負帰還コイルがカレントトランス(CT)として機能して検出する。
ところが、上記の零磁束制御型電流センサには、以下のような改善すべき課題が存在している。すなわち、この零磁束制御型電流センサでは、測定電流の周波数成分が不定のため、動作中は、電源部からホール素子に直流定電流を供給し続けてホール素子を作動状態に維持している。これにより、負帰還電流も測定電流に比例した大きさで流れ続けるため、負帰還電流の経路に配設されている各部品に関して、負帰還電流が各部品についての定格電流を超えたり、負帰還電流を生成しているときや負帰還電流が流れているときに発生する熱によって各部品の温度が定格温度を超えたりすることがある。したがって、零磁束制御型電流センサを誤って長時間作動させ続けたときには、この負帰還電流が負帰還コイル(コイルを形成する線材)の定格電流を超えたり、この負帰還電流を常時生成して出力する電流生成部、および電流生成部から負帰還電流が常時供給される終端抵抗がそれぞれ発熱し、この発熱により、これらの部品の温度が自らの定格温度を超えたり、この部品と共に電流センサ内(電流センサのケース内)に配設されている他の電子部品が劣化したり損傷したりするという改善すべき課題が存在している。
この課題を改善するため、例えば、負帰還電流が予め設定された電流値以上にならないように負帰還電流を制限する電流制限回路(過電流保護回路)を、負帰還コイルと終端抵抗との間に配設する構成を採用することも考えられる。しかしながら、このような回路をこの位置に配設したときには零磁束制御型電流センサの周波数特性に悪影響を及ぼすことがあり、好ましくない。
本発明は、かかる課題を改善すべくなされたものであり、発熱による電子部品の劣化や損傷を回避し得る零磁束制御型電流センサを提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の零磁束制御型電流センサは、内部に測定対象が挿通される磁気コアと、当該磁気コアに配置された磁電変換素子と、当該磁電変換素子に作動用電流を供給する電源部と、前記磁気コアに巻回された負帰還コイルと、前記磁電変換素子の出力電圧に基づいて前記負帰還コイルに前記磁気コア内の磁束を打ち消す負帰還電流を出力する負帰還電流生成部と、前記負帰還コイルに接続されて前記負帰還電流を電圧に変換してセンサ出力として出力する電流電圧変換部とを備えている零磁束制御型電流センサであって、前記作動用電流の前記磁電変換素子への供給・供給停止を切り換えるスイッチと、少なくとも前記負帰還電流生成部および前記電流電圧変換部のいずれかに関する温度を検出する温度検出部と、処理部とを備え、前記処理部は、前記温度検出部で検出される前記温度が予め規定された基準温度以上のときに前記スイッチに対する制御を実行して前記作動用電流の前記磁電変換素子への供給を停止させる保護処理を実行する。
また、請求項2記載の零磁束制御型電流センサは、内部に測定対象が挿通される磁気コアと、当該磁気コアに配置された磁電変換素子と、当該磁電変換素子に作動用電流を供給する電源部と、前記磁気コアに巻回された負帰還コイルと、前記磁電変換素子の出力電圧に基づいて前記負帰還コイルに前記磁気コア内の磁束を打ち消す負帰還電流を出力する負帰還電流生成部と、前記負帰還コイルに接続されて前記負帰還電流を電圧に変換してセンサ出力として出力する電流電圧変換部とを備えている零磁束制御型電流センサであって、前記作動用電流の前記磁電変換素子への供給・供給停止を切り換えるスイッチと、前記センサ出力を検出する電圧検出部と、処理部とを備え、前記処理部は、前記電圧検出部で検出される前記センサ出力が予め規定された基準電圧以上のときに前記スイッチに対する制御を実行して前記作動用電流の前記磁電変換素子への供給を停止させる保護処理を実行する。
また、請求項3記載の零磁束制御型電流センサは、請求項1または2記載の零磁束制御型電流センサにおいて、発光動作、発音動作および振動動作のうちの少なくとも1つの動作を報知動作として実行する報知部を備え、前記処理部は、前記保護処理において前記磁電変換素子への前記作動用電流の供給を停止させたときに、前記報知部に対して前記報知動作を実行させる。
また、請求項4記載の零磁束制御型電流センサは、請求項1から3のいずれかに記載の零磁束制御型電流センサにおいて、調整用データを入力すると共に当該調整用データで示される電圧値で調整用電圧を出力するD/A変換部と、前記センサ出力を入力すると共に当該センサ出力の電圧値を示す出力データを出力するA/D変換部とを備え、前記負帰還電流生成部は、前記磁電変換素子の前記出力電圧と共に前記調整用電圧を入力して、当該出力電圧および当該調整用電圧に基づいて前記負帰還電流を生成可能に構成され、前記処理部は、前記磁電変換素子への前記作動用電流の供給を停止させたときに、前記D/A変換部に出力している前記調整用データのデータ値を変更して前記調整用電圧の前記電圧値を調整することにより、前記出力データで示される前記センサ出力の前記電圧値を零ボルトに収束させる電圧調整処理を実行する。
請求項1記載の零磁束制御型電流センサでは、処理部が、温度検出部で検出される負帰還電流生成部および電流電圧変換部のいずれかに関する温度が基準温度以上のときにスイッチに対する制御を実行して作動用電流の磁電変換素子への供給を停止させる保護処理を実行する。
したがって、この零磁束制御型電流センサによれば、温度検出部で検出される温度が基準温度以上のときに磁電変換素子を停止させて磁電変換素子から出力される出力電圧を零ボルトにすることができ、これにより、この零磁束制御型電流センサによれば、負帰還電流生成部で消費される電力を低下させることができると共に、負帰還電流生成部から出力される負帰還電流の電流値を低下させて電流電圧変換部での発熱を抑制することができる結果、負帰還電流生成部および電流電圧変換部のいずれかに関する温度の上昇を抑制することができる。したがって、この零磁束制御型電流センサによれば、負帰還電流生成部および電流電圧変換部のいずれかに関する温度の上昇による電子部品の劣化や損傷を回避することができる。
請求項2記載の零磁束制御型電流センサでは、処理部が、電圧検出部で検出されるセンサ出力が基準電圧以上のときにスイッチに対する制御を実行して作動用電流の磁電変換素子への供給を停止させる保護処理を実行する。
したがって、この零磁束制御型電流センサによれば、センサ出力が基準電圧以上のとき(この状態を継続したときには、負帰還電流生成部および電流電圧変換部の発熱により、負帰還電流生成部および電流電圧変換部に関する温度が近々に基準温度に達することが想定される状態のとき)に磁電変換素子を停止させて磁電変換素子から出力される出力電圧を零ボルトにすることができる。これにより、この零磁束制御型電流センサによれば、負帰還電流生成部で消費される電力を低下させることができると共に、負帰還電流生成部から出力される負帰還電流の電流値を低下させて電流電圧変換部での発熱を抑制することができる結果、負帰還電流生成部および電流電圧変換部のいずれかに関する温度の上昇を抑制することができる。したがって、この零磁束制御型電流センサによれば、負帰還電流生成部および電流電圧変換部のいずれかに関する温度の上昇による電子部品の劣化や損傷を回避することができる。
請求項3記載の零磁束制御型電流センサでは、処理部が、保護処理において磁電変換素子への作動用電流の供給を停止させたときに、報知部に対して報知動作を実行させる。したがって、この零磁束制御型電流センサによれば、オペレータは、発熱やセンサ出力の上昇(つまり、負帰還電流の電流値が上昇)したことに起因して、磁電変換素子が停止状態に移行させられていることを報知部の報知動作により確実に認識することができる。
請求項4記載の零磁束制御型電流センサでは、処理部が、磁電変換素子への作動用電流の供給を停止させたときに、D/A変換部に出力している調整用データのデータ値を変更して調整用電圧の電圧値を調整することにより、出力データで示されるセンサ出力の電圧値を零ボルトに収束させる。したがって、この零磁束制御型電流センサによれば、磁電変換素子が停止状態に移行するのに伴って、負帰還電流生成部に出力している調整用電圧の電圧値を、磁電変換素子が停止状態のときにセンサ出力を零ボルト(つまり、負帰還電流を零アンペア)にさせ得る第1電圧値に調整(変更)することができるため、負帰還電流生成部や電流電圧変換部での発熱をより一層良好に抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、零磁束制御型電流センサの実施の形態について説明する。
最初に、零磁束制御型電流センサの一例としての図1に示す零磁束制御型電流センサ1(以下、「電流センサ1」ともいう)の構成について説明する。電流センサ1は、一例として、磁気コア2、磁電変換素子3、バイアス電源(電源部)4、スイッチ5、負帰還コイル6(以下、コイル6ともいう)、負帰還電流生成部7、電流電圧変換部8、D/A変換部9、切替スイッチ10、A/D変換部11、温度検出部12、報知部13、操作部14および処理部15を備え、零磁束制御型(ゼロフラックス方式)の電流センサとして構成されて、磁気コア2に挿通された測定対象としての測定電路100に流れる被測定電流I1を検出して、被測定電流I1の電流値に電圧値が比例して変化する検出電圧V2をセンサ出力として出力する。
磁気コア2は、一例として、全体形状が環状であって、基端部(図1中の下端部)を中心として開閉可能な分割型で形成されて、活線状態の測定電路100をクランプ可能(内部に測定電路100を挿通可能)に構成されている。なお、磁気コア2については、分割型に限定されず、貫通型(非分割型)とすることもできる。
磁電変換素子3は、本例では一例としてホール素子(以下、「ホール素子3」ともいう)で構成されて、磁気コア2に形成されているギャップ内(またはギャップの近傍)に配設されている。ホール素子3は、バイアス電流Ibが供給されている作動状態において、磁気コア2の内部に発生する磁束を検出して、磁束密度に応じた(具体的には、比例、またはほぼ比例した)電圧値の出力電圧V1を出力する。この場合、磁気コア2の内部に発生する磁束とは、磁気コア2に挿通された測定電路100に被測定電流I1が流れることによって発生する磁束φ1と、コイル6に後述する負帰還電流I2が流れることによって発生する磁束φ2との差分(φ1−φ2)の磁束である。なお、磁電変換素子3には、ホール素子以外に、フラックスゲート型磁気検出素子などを使用することができる。
バイアス電源4は、ホール素子3を動作させるための作動用電流(以下、バイアス電流ともいう)Ibを出力する。スイッチ5は、一例として2極単投形のスイッチで構成されると共に、ホール素子3とバイアス電源4との間に配設されて、そのオン・オフ状態が処理部15によって制御されることにより、バイアス電源4からホール素子3へのバイアス電流Ibの供給・供給停止を実行する。
コイル6は、磁気コア2に線材が巻回されることによって形成されている。また、コイル6は、その一端6aが負帰還電流生成部7の出力端子7dに接続され、その他端6bが電流電圧変換部8に接続されている。
負帰還電流生成部7は、ホール素子3からの出力電圧V1を一対の入力端子7a,7bから入力すると共にD/A変換部9から出力される調整用電圧Vadを調整用端子7cから入力し、この出力電圧V1および調整用電圧Vadに基づいて負帰還電流I2を生成して、出力端子7dからコイル6の一端6aに出力する。この場合、負帰還電流生成部7は、このようにホール素子3が作動状態(つまり、電流センサ1の負帰還ループが閉ループ状態)のときに、出力電圧V1がゼロボルトになるように、つまり、ホール素子3において検出される磁気コア2の内部に発生している磁束(φ1−φ2)の磁束密度がゼロになるように(言い換えれば、磁束φ2で磁束φ1を相殺するように)、負帰還電流I2の電流値を制御する。
本例では一例として、負帰還電流生成部7は、図1に示すように、差動アンプ(計装アンプ)21、加算回路22および電流生成回路23を備えて構成されて、差動アンプ21がホール素子3からの出力電圧V1を入力すると共に増幅して加算回路22に出力する。また、加算回路22は、差動アンプ21から出力される電圧信号と調整用電圧Vadとを加算して電流生成回路23に出力する。また、電流生成回路23は、加算回路22から入力した電圧信号を負帰還電流I2に変換して出力する。
ここで、ホール素子3が停止状態(電流センサ1が開ループ状態)のときには、ホール素子3から出力される出力電圧V1は零ボルトであるのに対して、ホール素子3が作動状態(電流センサ1が閉ループ状態)のときには、出力電圧V1にホール素子3で発生するオフセット電圧が含まれているため、正確には零ボルトになっていない。したがって、調整用電圧Vadは、開ループ状態のときと、閉ループ状態でかつ磁気コア2内に測定電路100が挿通されていない状態のときの両状態において、負帰還電流生成部7から出力される負帰還電流I2の電流値が共に零アンペアになるように、開ループ状態のときには第1電圧値Vad1に規定され、閉ループ状態のときには第2電圧値Vad2(≠第1電圧値Vad1)に規定される。
なお、D/A変換部9から第1電圧値Vad1を出力させるために処理部15がD/A変換部9に出力する調整用データD1の第1データ値DA01と、D/A変換部9から第2電圧値Vad2を出力させるために処理部15がD/A変換部9に出力する調整用データD1の第2データ値DA02は、処理部15が、零調整処理を実行して取得してメモリに記憶する。
電流電圧変換部8は、本例では一例として、コイル6の他端6bとグランド(零ボルトの基準電位)Gとの間に接続された終端抵抗で構成されている(以下、「終端抵抗8」ともいう)。この構成により、終端抵抗8は、コイル6に流れる負帰還電流I2を検出電圧V2に変換してセンサ出力として出力する。
D/A変換部9は、処理部15から出力される調整用データD1を入力すると共に、アナログ信号としての調整用電圧Vadに変換して出力する。この場合、D/A変換部9は、調整用電圧Vadを調整用データD1のデータ値で示される電圧値で出力する。
切替スイッチ10は、一例として1極双投形のスイッチで構成されると共に、終端抵抗8とA/D変換部11との間に配設されて、その接点状態が処理部15によって制御されることにより、終端抵抗8から出力される検出電圧V2とグランドGの電位のいずれか任意の一方を選択的にモニタ電圧VmとしてA/D変換部11に出力する。A/D変換部11は、電圧検出部として機能して、モニタ電圧Vmを入力すると共に、モニタ電圧Vmの電圧値を示す電圧データ(出力データ)D2に変換して出力する。
温度検出部12は、例えば、熱電対、測温抵抗体、温度センサーICなどを用いて構成されている。また、温度検出部12は、負帰還電流生成部7および終端抵抗8を含む電流センサ1を構成する他の電子部品と共に電流センサ1内に配設されて、電流センサ1の内部温度Tinを検出してその温度を示す温度データDtemを出力する。本例では、この内部温度Tinの一例として、特に発熱する負帰還電流生成部7および終端抵抗8のうちの少なくとも1つの構成要素に関する温度(この構成要素自体の温度およびこの構成要素の周囲温度を含む)を検出する。
報知部13は、LEDなどの発光器、ブザーなどの発音器および振動モータなどの振動器のうちの少なくとも1つを有し、処理部15によって制御されることにより、発光動作、発音動作および振動動作のうちの少なくとも1つの動作を報知動作として開始する。また、報知部13は、処理部15によって制御されることにより、実行している報知動作を停止させる。操作部14は、少なくともリセットキーを有して、このリセットキーが操作されたときには、リセット信号Sreを出力する。
処理部15は、CPUおよびメモリ(いずれも図示せず)を備えて構成されて、図2に示す零調整処理50および図4に示す異常検出処理60を実行する。この零調整処理50では、処理部15は、後述するように、ホール素子3の停止状態において負帰還電流生成部7に対して負帰還電流I2の電流値を零アンペアにさせ得る調整用電圧Vadの電圧値(第1電圧値Vad1)を特定し、ホール素子3の作動状態において被測定電流I1が零アンペアのときに負帰還電流生成部7に対して負帰還電流I2の電流値を零アンペアにさせ得る調整用電圧Vadの電圧値(第2電圧値Vad2)を特定すると共に設定する。
また、この異常検出処理60では、処理部15は、後述するように、電流センサ1についての周囲温度Tinの異常な上昇、および検出電圧V2の異常な上昇(つまり、負帰還電流I2の異常な上昇)の有無を検出すると共に、これらの異常の少なくとも1つが検出されたときには、ホール素子3の動作を停止させる。また、処理部15のメモリには、周囲温度Tinと比較する基準温度Tr、および検出電圧V2と比較する基準電圧Vrを示すデータが予め記憶されている。
この基準温度Trは、実験やシミュレーションなどで予め求められた電流センサ1において許容される周囲温度Tinの上限温度(電子部品の劣化や損傷を回避し得る温度の上限値)である。また、この基準電圧Vrは、実験やシミュレーションなどで予め求められた電流センサ1において許容される検出電圧V2の上限電圧であり、この検出電圧V2は、被測定電流I1を示すものでもあるため、許容される負帰還電流I2の上限電流に相当する。この上限電圧(上限電流)は、検出電圧V2がこの上限電圧以上の状態を継続したときには、負帰還電流生成部7および終端抵抗8などの電子部品の発熱により、周囲温度Tinが近々に基準温度Trに達することが想定される電圧(電流)である。
次に、電流センサ1の動作について図面を参照して説明する。
この電流センサ1では、磁気コア2の内部に測定電路100が挿通されていない状態において、処理部15が、最初に、図2に示す零調整処理50を実行することにより、ホール素子3の停止状態(電流センサ1が開ループ状態)において負帰還電流生成部7から出力される負帰還電流I2を零アンペアにし得る調整用電圧Vadの第1電圧値Vad1と、ホール素子3の作動状態(電流センサ1が開ループ状態)において負帰還電流生成部7から出力される負帰還電流I2を零アンペアにし得る調整用電圧Vadの第2電圧値Vad2とを特定してメモリに記憶する。
この零調整処理50では、処理部15は、最初に、零ボルト値検出処理を実行する(ステップ51)。この零ボルト値検出処理では、処理部15は、まず、切替スイッチ10に対する制御を実行して、グランドGの電圧(零ボルト)をモニタ電圧VmとしてA/D変換部11に出力させる。A/D変換部11は、このモニタ電圧Vmを電圧データD2に変換して処理部15に出力する。この場合、処理部15は、A/D変換部11から入力した零ボルトを示す電圧データD2のデータ値を第0ADデータ値AD0(零ボルト値を示すデータ値)として取得してメモリに記憶する。次に、処理部15は、切替スイッチ10に対する制御を実行して、検出電圧V2がモニタ電圧VmとしてA/D変換部11に出力されるように切替スイッチ10を切り換える。これにより、零ボルト値検出処理が完了する。
次いで、処理部15は、スイッチ5に対する制御を実行してオフ状態に移行させて、バイアス電源4から磁電変換素子3へのバイアス電流Ibの供給を停止させることにより、ホール素子3の駆動を停止する停止処理を実行する(ステップ52)。
次いで、処理部15は、第1調整処理を実行する。この第1調整処理では、処理部15は、まず、負帰還電流生成部7の1次粗調整を実行する(ステップ53)。この1次粗調整では、処理部15は、最初に、ホール素子3の停止状態において、負帰還電流生成部7から出力される負帰還電流I2によって終端抵抗8に発生する検出電圧V2が零ボルトになる調整用電圧Vadを第1電圧値Vad1として特定する。本例では、処理部15は、D/A変換部9が第1電圧値Vad1の調整用電圧Vadを出力するための調整用データD1のデータ値(1次の第0DAデータ値)DA01を零出力データ値として特定する。
具体的には、処理部15は、D/A変換部9に出力している調整用データD1のデータ値を第1DAデータ値DA1としたときにA/D変換部11から出力される電圧データD2(この場合、検出電圧V2を示す電圧データ)を第1ADデータ値AD1として取得してメモリに記憶する。また、処理部15は、調整用データD1のデータ値を第2DAデータ値DA2としたときにA/D変換部11から出力される電圧データD2(この場合も、検出電圧V2を示す電圧データ)を第2ADデータ値AD2として取得してメモリに記憶する。
この場合、ホール素子3は停止状態のため、ホール素子3から出力される出力電圧V1は零ボルトであることから、負帰還電流生成部7は、D/A変換部9から出力される調整用電圧Vadに負帰還電流生成部7自体が有するオフセット電圧を加算した電圧を負帰還電流I2に変換して出力する。なお、このオフセット電圧は、温度などの環境条件によって若干変動するものの通常はほぼ一定である。このため、終端抵抗8がこの負帰還電流I2を変換して出力する検出電圧V2は、調整用電圧Vadのみによって変化する電圧である。したがって、A/D変換部11から出力されるこの検出電圧V2を示す電圧データD2のデータ値は、処理部15がD/A変換部9に出力する調整用データD1のみによって変化するデータ値となっている。
本例の電流センサ1では、D/A変換部9は、入力される調整用データD1をリニアに調整用電圧Vadに変換し、負帰還電流生成部7は、差動アンプ21で増幅された出力電圧V1および調整用電圧Vadの加算電圧をリニアに負帰還電流I2に変換し、終端抵抗8は、負帰還電流I2をリニアに検出電圧V2に変換し、かつA/D変換部11は、モニタ電圧Vm(検出電圧V2またはグランドGの電位)をリニアに電圧データD2に変換する。このため、ホール素子3が停止状態にあるこの電流センサ1では、図3において一点鎖線で示すグラフ(横軸を調整用データD1とし、縦軸を電圧データD2とする直交座標系のグラフ)のように、D/A変換部9に出力される調整用データD1とA/D変換部11から出力される電圧データD2とは、電圧データD2が調整用データD1のデータ値に応じてリニアに変化する関係になっている。
したがって、図3に示すグラフ上に、上記の第1DAデータ値DA1、および第1ADデータ値AD1で規定される点P1、並びに、第2DAデータ値DA2、および第2ADデータ値AD2で規定される点P2をプロットする。また、A/D変換部11に入力されるモニタ電圧VmをグランドGの電位(零ボルト)にしたときにA/D変換部11から出力される電圧データD2のデータ値である第0ADデータ値AD0と、検出電圧V2を零ボルトにするための調整用データD1のデータ値である第0DAデータ値DA01とで規定される点P0についてもグラフ上にプロットすると、各データ値間には、以下の関係式(1)が成り立つ。
(AD2−AD0):(AD2−AD1)
=(DA2−DA01):(DA2−DA1) ・・・(1)
(AD2−AD0):(AD2−AD1)
=(DA2−DA01):(DA2−DA1) ・・・(1)
また、この関係式(1)から下記式(2)に示される第0DAデータ値DA01が特定(算出)される。
DA01=DA2×(AD0−AD1)/(AD2−AD1)
+DA1×(AD2−AD0)/(AD2−AD1) ・・・(2)
DA01=DA2×(AD0−AD1)/(AD2−AD1)
+DA1×(AD2−AD0)/(AD2−AD1) ・・・(2)
なお、点P1を規定する第1DAデータ値DA1、および点P2を規定する第2DAデータ値DA2のうちの一方を零として、点P1,P2のいずれか一方(例えば、第1DAデータ値DA1を零として点P1)をグラフと縦軸との交点Px上に規定したときには、このグラフは下記式(3)で表される。
D2=D1×(AD2−AD1)/DA2+AD1 ・・・(3)
このため、この式(3)から下記式(4)に示される第0DAデータ値DA01が特定(算出)される。
DA01=DA2×(AD0−AD1)/(AD2−AD1) ・・・(4)
D2=D1×(AD2−AD1)/DA2+AD1 ・・・(3)
このため、この式(3)から下記式(4)に示される第0DAデータ値DA01が特定(算出)される。
DA01=DA2×(AD0−AD1)/(AD2−AD1) ・・・(4)
また、ホール素子3の停止状態では出力電圧V1は零ボルトであることから、調整用データD1のデータ値を零としたときの電圧データD2のデータ値(つまり、交点Pxでの電圧データD2のデータ値)は、負帰還電流生成部7自体が有するオフセットに起因して負帰還電流I2に生じる電流成分に起因した電圧成分も含まれている。
この第1調整処理における負帰還電流生成部7の1次粗調整では、処理部15は、図3において符号Aで示すように、調整用データD1のデータ値を、第0DAデータ値DA01を基準として正側(データ値が大きい側)および負側(データ値が小さい側)に交互に周期的に変動させつつ徐々に変動幅を減衰させながら、第0DAデータ値DA01に収束させる。これにより、負帰還電流生成部7から出力される負帰還電流I2も調整用データD1のデータ値の変化に同期して零アンペアを基準として正側および負側に交互に周期的に変動しながら徐々に変動幅(電流値)が減衰して零アンペアに収束する。また、この結果、終端抵抗8から出力される検出電圧V2も零ボルトを基準として正側および負側に交互に周期的に変動しながら徐々に変動幅が減衰して零ボルトに収束する。これにより、A/D変換部11から出力される電圧データD2も、図3において符号Bで示すように、第0ADデータ値AD0を基準として正側および負側に交互に周期的に変動しつつ徐々に変動幅を減衰させながら、第0ADデータ値AD0に収束する。これにより、負帰還電流生成部7の1次粗調整が完了する。
この1次粗調整のように、特定した第0DAデータ値DA01を調整用データD1としてD/A変換部9に直ちに出力する方法(調整用データD1をステップ的に第0DAデータ値DA01にする方法)ではなく、調整用データD1のデータ値を第0DAデータ値DA01を基準として周期的に変動させながら徐々に変動幅(電流値)を減衰させて第0DAデータ値DA01に移行させる方法を採用することにより、1次粗調整中での磁気コア2の帯磁を大幅に低減させることが可能になっている。なお、特定した第0DAデータ値DA01を調整用データD1としてD/A変換部9に直ちに出力する方法を採用したとしても、磁気コア2の帯磁が殆ど発生しないか、または帯磁が発生したとしても無視できるレベルである場合には、この方法を採用してもよいのは勿論である。
なお、上記のようにして求めた第0DAデータ値DA01は、D/A変換部9、負帰還電流生成部7、終端抵抗8およびA/D変換部11がすべて理想的なリニア状態で動作すると仮定したときの値であり、実際には、これらの各構成要素はほぼリニアな状態で動作するという程度であることから、理想的な値(検出電圧V2を正確にゼロボルトにし得る値)からは若干ずれた値となっている。
次いで、処理部15は、第1調整処理において、負帰還電流生成部7の1次微調整を実行する(ステップ54)。この1次微調整では、処理部15は、A/D変換部11から出力される電圧データD2をモニタしつつ、D/A変換部9に出力する調整用データD1のデータ値を微調整することにより、電圧データD2で示される検出電圧V2が零ボルトになる調整用データD1のデータ値を特定し、この特定したデータ値を第1電圧データ値Dad1として記憶する(第1電圧データ値Dad1に対応する調整用電圧Vadの第1電圧値Vad1を記憶してもよい)。これにより、ホール素子3の停止状態(開ループ状態)において負帰還電流I2を零アンペアにし得る第1電圧データ値Dad1(第1電圧値Vad1)を求める第1調整処理が完了する。
続いて、処理部15は、消磁処理を実行する(ステップ55)。この消磁処理では、処理部15は、第1調整処理の1次微調整において特定した第1電圧データ値Dad1を基準として正側および負側に交互に周期的に変化させつつ徐々に第1電圧データ値Dad1に収束させることで、D/A変換部9から負帰還電流生成部7に出力される調整用電圧Vadの電圧値を第1電圧値Vad1を基準として正側および負側に交互に周期的に変動させつつ徐々に変動幅を減衰させて第1電圧値Vad1に収束させる。これにより、負帰還電流生成部7は負帰還電流I2の電流値を零アンペアを中心として正側および負側に交互に周期的に変化させつつ徐々に零アンペアに収束させるため、磁気コア2は、このような負帰還電流I2がコイル6を流れることによって磁気コア2内に発生する磁束φ2(向きが周期的に反転しつつ大きさが徐々に減衰して最終的に零になる磁束)によって消磁される。
次いで、処理部15は、スイッチ5に対する制御を実行してオン状態に移行させて、バイアス電源4から磁電変換素子3へのバイアス電流Ibの供給を開始させることにより、ホール素子3の駆動を開始する(ステップ56)。また、処理部15は、ホール素子3の駆動を開始してから極めて短い時間内に(閉ループ状態になったら直ちに)に、第1電圧データ値Dad1の調整用データD1をD/A変換部9に出力して、D/A変換部9から負帰還電流生成部7に対して第1電圧値Vad1の調整用電圧Vadの出力を開始させる(ステップ57)。なお、ステップ57では、処理部15は、D/A変換部9に出力する調整用データD1の初期値として、第1電圧データ値Dad1を用いているが、D/A変換部9に使用しているD/A変換器が調整用電圧Vadとして零ボルトを出力するカタログ値を用いることもできる。
この場合、ホール素子3は、バイアス電流Ibの供給を受けて作動を開始し、出力電圧V1の出力を開始する。これにより、電流センサ1の負帰還ループが閉状態に移行する(閉ループ状態になる)。このときの出力電圧V1は、磁気コア2の内部には測定電路100が挿通されていない状態であり、また磁気コア2が帯磁していない状態であるものの、ホール素子3のオフセット分を含むことから、零ボルトに近い電圧値ではあるが、正確な零ボルトにはなっていない。
また、負帰還電流生成部7には、閉ループ状態のときに負帰還電流I2の電流値を零アンペアにし得る調整用電圧Vadとは若干異なるものの、ホール素子3の停止状態のとき(つまり、出力電圧V1が零ボルトで、かつ電流センサ1の負帰還ループが開状態(開ループ状態)のとき)に負帰還電流I2の電流値を零アンペアにする第1電圧値Vad1の調整用電圧VadがD/A変換部9から出力されている。
このため、ホール素子3を停止状態から作動状態に移行させたときの負帰還電流生成部7から出力されている負帰還電流I2の電流値の変化量は小さく、この負帰還電流I2がコイル6を流れることによって磁気コア2内に発生する磁束φ2の変化量も小さいことから、ホール素子3を停止状態から作動状態に移行させること(閉ループ状態に移行すること)による磁気コア2の帯磁は生じるが、その帯磁量は小さいものとなっている。
続いて、処理部15は、第2調整処理を実行する。この第2調整処理では、処理部15は、まず、負帰還電流生成部7の2次粗調整を実行する(ステップ58)。この2次粗調整では、処理部15は、最初に、ホール素子3の作動状態において、負帰還電流生成部7から出力される負帰還電流I2によって終端抵抗8に発生する検出電圧V2が零ボルト(つまり、負帰還電流I2が零アンペア)になる調整用電圧Vadを第2電圧値Vad2として特定する。本例では、処理部15は、D/A変換部9が第2電圧値Vad2の調整用電圧Vadを出力するための調整用データD1のデータ値(2次の第0DAデータ値)DA02を零出力データ値として特定する。
具体的には、処理部15は、ステップ53のときと同様にして、D/A変換部9に出力している調整用データD1のデータ値を第1DAデータ値DA1(ステップ53でのデータ値と同じでもよいし、異なっていてもよい)としたときにA/D変換部11から出力される電圧データD2を第1ADデータ値AD1として取得してメモリに記憶する。また、処理部15は、調整用データD1のデータ値を第2DAデータ値DA2(ステップ53でのデータ値と同じでもよいし、異なっていてもよい)としたときにA/D変換部11から出力される電圧データD2を第2ADデータ値AD2として取得してメモリに記憶する。
この場合、磁気コア2の内部に測定電路100が挿通されていない状態であるが、ホール素子3のオフセットに起因して、作動状態のホール素子3は、零ボルトに近い電圧値ではあるものの正確な零ボルトではない出力電圧V1を出力する。負帰還電流生成部7は、この出力電圧V1とD/A変換部9から出力される調整用電圧Vadとの加算電圧に、負帰還電流生成部7自体が有するオフセット電圧を加算した電圧を負帰還電流I2に変換して出力する。なお、磁気コア2の内部に測定電路100が挿通されていない状態では出力電圧V1は一定であり、また負帰還電流生成部7自体が有するオフセット電圧も一定である。このため、負帰還電流I2、ひいては終端抵抗8がこの負帰還電流I2を変換して出力する検出電圧V2は、調整用電圧Vadのみによって変化する電圧である。これにより、A/D変換部11から出力されるこの検出電圧V2を示す電圧データD2のデータ値は、処理部15がD/A変換部9に出力する調整用データD1のみによって変化するデータ値となっている。
したがって、ステップ53のときと同様にして、図3に示すグラフ上に、上記の第1DAデータ値DA1および第1ADデータ値AD1で規定される点P1、および第2DAデータ値DA2および第2ADデータ値AD2で規定される点P2をプロットする。また、A/D変換部11に入力されるモニタ電圧VmをグランドGの電位(零ボルト)にしたときにA/D変換部11から出力される電圧データD2のデータ値である第0ADデータ値AD0と、検出電圧V2を零ボルトにするための調整用データD1のデータ値である2次の第0DAデータ値DA02とで規定される点P0についてもグラフ上にプロットすると、以下の関係式(5)が成り立つ。
(AD2−AD0):(AD2−AD1)
=(DA2−DA02):(DA2−DA1) ・・・(5)
(AD2−AD0):(AD2−AD1)
=(DA2−DA02):(DA2−DA1) ・・・(5)
また、この関係式(5)から下記式(6)に示される第0DAデータ値DA02が特定(算出)される。
DA02=DA2×(AD0−AD1)/(AD2−AD1)
+DA1×(AD2−AD0)/(AD2−AD1) ・・・(6)
DA02=DA2×(AD0−AD1)/(AD2−AD1)
+DA1×(AD2−AD0)/(AD2−AD1) ・・・(6)
なお、点P1を規定する第1DAデータ値DA1、および点P2を規定する第2DAデータ値DA2のうちの一方を零として、点P1,P2のいずれか一方(例えば、第1DAデータ値DA1を零として点P1)をグラフと縦軸との交点Px上に規定したときには、このグラフは下記式(7)で表される。
D2=D1×(AD2−AD1)/DA2+AD1 ・・・(7)
このため、この式(7)から下記式(8)に示される第0DAデータ値DA02が特定(算出)される。
DA02=DA2×(AD0−AD1)/(AD2−AD1) ・・・(8)
D2=D1×(AD2−AD1)/DA2+AD1 ・・・(7)
このため、この式(7)から下記式(8)に示される第0DAデータ値DA02が特定(算出)される。
DA02=DA2×(AD0−AD1)/(AD2−AD1) ・・・(8)
この場合の図3に示すグラフ上の交点Pxでの電圧データD2のデータ値は、ホール素子3自体が有するオフセットおよび負帰還電流生成部7自体が有するオフセットに起因して負帰還電流I2に生じる電流成分に起因した電圧成分も含まれている。
この第2調整処理における負帰還電流生成部7の2次粗調整では、処理部15は、図3において符号Aで示すように、調整用データD1のデータ値を、第0DAデータ値DA02を基準として正側(データ値が大きい側)および負側(データ値が小さい側)に交互に周期的に変動させつつ徐々に変動幅を減衰させながら、第0DAデータ値DA02に移行させる。これにより、負帰還電流生成部7から出力される負帰還電流I2も調整用データD1のデータ値の変化に同期して零アンペアを基準として正側および負側に交互に周期的に変動しながら徐々に変動幅(電流値)が減衰して零アンペアに移行する。また、この結果、終端抵抗8から出力される検出電圧V2も零ボルトを基準として正側および負側に交互に周期的に変動しながら徐々に変動幅が減衰して零ボルトに移行する。これにより、A/D変換部11から出力される電圧データD2も、図3において符号Bで示すように、第0ADデータ値AD0を基準として正側および負側に交互に周期的に変動しつつ徐々に変動幅を減衰させながら、第0ADデータ値AD0に移行する。これにより、第2調整処理における負帰還電流生成部7の2次粗調整が完了する。
この2次粗調整においても、上記した1次粗調整のときと同様にして、特定した第0DAデータ値DA02を調整用データD1としてD/A変換部9に直ちに出力する方法ではなく、調整用データD1のデータ値を第0DAデータ値DA02を基準として周期的に変動させながら徐々に変動幅を減衰させて第0DAデータ値DA02に移行させる方法を採用することにより、2次粗調整中での磁気コア2の帯磁を大幅に低減させることが可能になっている。なお、特定した第0DAデータ値DA02を調整用データD1としてD/A変換部9に直ちに出力する方法を採用したとしても、磁気コア2の帯磁が殆ど発生しないか、または帯磁が発生したとしても無視できるレベルである場合には、この方法を採用してもよいのは勿論である。
なお、上記のようにして求めた第0DAデータ値DA02は、D/A変換部9、負帰還電流生成部7、終端抵抗8およびA/D変換部11がすべて理想的なリニア状態で動作すると仮定したときの値であり、実際には、これらの各構成要素はほぼリニアな状態で動作するという程度であることから、理想的な値(検出電圧V2を正確に零ボルトにし得る値)からは若干ずれた値となっている。
次いで、処理部15は、第2調整処理において、負帰還電流生成部7の2次微調整を実行する(ステップ59)。この2次微調整では、処理部15は、A/D変換部11から出力される電圧データD2をモニタしつつ、D/A変換部9に出力する調整用データD1のデータ値を微調整することにより、電圧データD2で示される検出電圧V2が正確に零ボルトになる調整用データD1のデータ値を特定し、この特定したデータ値を第2電圧データ値Dad2として記憶する(第2電圧データ値Dad2に対応する調整用電圧Vadの第2電圧値Vad2を記憶してもよい)。これにより、ホール素子3の作動状態(閉ループ)において負帰還電流I2を零アンペアにし得る第2電圧データ値Dad2(第2電圧値Vad2)を求める第2調整処理が完了する。また、これにより、上記した第1電圧データ値Dad1(開ループ状態のときに検出電圧V2を零ボルトにし得るD/A変換部9への調整用データD1のデータ値)、および第2電圧データ値Dad2(閉ループ状態のときに検出電圧V2を零ボルトにし得るD/A変換部9への調整用データD1のデータ値)を求めるための零調整処理が完了する。
このようにして、上記の第1電圧データ値Dad1および第2電圧データ値Dad2を記憶した状態の電流センサ1では、処理部15は、磁気コア2の内部に挿通された測定電路100に流れる被測定電流I1の測定状態では、ホール素子3自体および負帰還電流生成部7自体が有する各オフセットに起因して負帰還電流I2に生じる電流を打ち消すために、メモリに記憶されている第2電圧データ値Dad2を読み出してD/A変換部9に出力する。これにより、電流センサ1は、ホール素子3自体および負帰還電流生成部7自体が有する各オフセットに影響を受けることなく、測定電路100に流れる被測定電流I1を正確に検出して、検出電圧V2に正確に変換して出力すること(被測定電流I1を測定すること)が可能になっている。
また、処理部15は、被測定電流I1を検出している状態において、図4に示す異常検出処理60を実行する。
この異常検出処理60では、処理部15は、まず、温度検出部12から出力される温度データDtemを取得すると共に、この温度データDtemに基づいて内部温度Tinを検出する(ステップ61)。また、処理部15は、検出した内部温度Tinと予め規定された基準温度Trとを比較して、内部温度Tinが基準温度Tr以上になっているか否かを判別する(ステップ62)。なお、各ステップ61,62での周囲温度Tinを検出する処理、および周囲温度Tinと基準温度Trとを比較する処理は、後述するステップ65でのホール素子3へのバイアス電流Ibの供給を停止する処理と相まって、保護処理の1つとしての温度保護処理を構成する。
このステップ62での判別の結果、内部温度Tinが基準温度Tr未満のときには、処理部15は、A/D変換部11から出力される電圧データD2を取得すると共に、この電圧データD2に基づいて検出電圧V2を検出する(ステップ63)。また、処理部15は、検出した検出電圧V2と予め規定された基準電圧Vrとを比較して、検出電圧V2が基準電圧Vr以上になっているか否かを判別する(ステップ64)。なお、各ステップ63,64での検出電圧V2を検出する処理、および検出電圧V2と基準電圧Vrとを比較する処理は、後述するステップ65でのホール素子3へのバイアス電流Ibの供給を停止する処理と相まって、保護処理の1つとしての電圧保護処理を構成する。
処理部15は、上記したステップ61〜ステップ64での各処理を繰り返し実行しつつ、ステップ62において内部温度Tinが基準温度Tr以上になっていると判別したとき、またはステップ64において検出電圧V2が基準電圧Vr以上になっていると判別したときには、スイッチ5に対する制御を実行してオフ状態に移行させて、バイアス電源4からホール素子3へのバイアス電流Ibの供給を停止させることにより、ホール素子3の駆動を停止する(ステップ65)。
この場合、内部温度Tinが基準温度Tr以上になっている状態は、内部温度Tinが、許容される周囲温度Tinの上限温度以上になっている状態である。また、検出電圧V2が基準電圧Vr以上になっている状態(つまり、負帰還電流I2が基準電圧Vrに対応する電流以上になっている状態)は、この状態を放置したときには、負帰還電流生成部7や終端抵抗8での発熱によって周囲温度Tinが上限温度に近々に達するおそれがある状態である。したがって、処理部15によってホール素子3の駆動が停止させられることにより、ホール素子3からの出力電圧V1が零ボルトになり、これによって負帰還電流生成部7から出力される負帰還電流I2の電流値もほぼ零アンペアに近い状態まで低下する結果、負帰還電流生成部7および終端抵抗8での発熱、ひいては周囲温度Tinの上昇が抑制される。
次いで、処理部15は、電圧調整処理を実行する(ステップ66)。この電圧調整処理では、処理部15は、ホール素子3の作動状態においてD/A変換部9に出力していた第2電圧データ値Dad2に代えて、メモリから読み出した第1電圧データ値Dad1をD/A変換部9に出力する。これにより、D/A変換部9は、第1電圧データ値Dad1に基づいて、ホール素子3が停止状態(電流センサ1が開ループ状態)のときに負帰還電流生成部7から出力される負帰還電流I2を零アンペアにし、ひいては終端抵抗8から出力される検出電圧V2を零ボルトにする第1電圧値Vad1の調整用電圧Vadを負帰還電流生成部7に出力する。
負帰還電流生成部7や終端抵抗8での発熱を抑制するために負帰還電流I2の電流値を抑制するという観点から見れば、ホール素子3の駆動を停止させるだけで十分に抑制が可能であり、処理部15からD/A変換部9に出力する調整用データD1のデータ値を第2電圧データ値Dad2(ホール素子3が作動状態で、かつ被測定電流I1が零アンペアのときに、負帰還電流I2、ひいては検出電圧V2を零にするデータ値)のまま維持してもよい。しかしながら、上記したように、処理部15が、D/A変換部9に出力する調整用データD1のデータ値を第2電圧データ値Dad2から第1電圧データ値Dad1に変更する構成を採用することにより、負帰還電流I2を零アンペアにできるため、負帰還電流生成部7や終端抵抗8での発熱をより一層良好に抑制することが可能になっている。
最後に、処理部15は、報知処理を実行して(ステップ67)、異常検出処理60を完了させる。この報知処理では、処理部15は、報知部13に対する制御を実行することにより、報知部13に報知動作を開始させる。これにより、この電流センサ1では、報知部13がLEDなどの発光器で構成されているときには、電流センサ1の作動状態において処理部15によってホール素子3が停止させられている間、発光器が発光状態(連続点灯状態や点滅状態を含む状態)を維持する。したがって、電流センサ1のオペレータは、この発光状態を目視することにより、発熱や負帰還電流I2の電流値が上昇したことに起因して、ホール素子3が停止状態に移行させられていることを認識することが可能になっている。
また、報知部13が、発光器に代えて、ブザーなどの発音器で構成されているときには、ホール素子3が停止させられている間、発音器が発音状態を維持する。また、報知部13が、発光器に代えて、振動モータなどの振動器で構成されているときには、ホール素子3が停止させられている間、振動器が振動状態を維持する。したがって、報知部13が発音器や振動器で構成されている場合においても、電流センサ1のオペレータは、電流センサ1から発せられる音を聞いたり、電流センサ1から発せられる振動を手で感じたりすることにより、発熱や負帰還電流I2の電流値が上昇したことに起因して、ホール素子3が停止状態に移行させられていることを認識することが可能になっている。
なお、処理部15は、報知処理の実行中に、操作部14からのリセット信号Sreの入力の有無を検出しており、リセット信号Sreの入力を検出したときには、報知部13に対する制御を実行して、報知動作を停止させる。
このように、この電流センサ1では、バイアス電流Ibのホール素子3への供給・供給停止を切り換えるスイッチ5と、電流センサ1内に配設された負帰還電流生成部7および終端抵抗8のいずれかの周囲温度Tinを検出する温度検出部12とを備え、処理部15が、温度検出部12で検出される周囲温度Tinと基準温度Trとを比較しつつ、周囲温度Tinが基準温度Tr以上のときにスイッチ5に対する制御を実行してバイアス電流Ibのホール素子3への供給を停止させる保護処理(温度保護処理)を実行する。
したがって、この電流センサ1によれば、周囲温度Tinが基準温度Tr以上のときにホール素子3を停止させてホール素子3から出力される出力電圧V1を零ボルトにすることができ、これにより、負帰還電流生成部7で消費される電力を低下させることができると共に、負帰還電流生成部7から出力される負帰還電流I2の電流値を低下させて終端抵抗8での発熱を抑制することができる結果、周囲温度Tinの上昇を抑制することができる。したがって、この電流センサ1によれば、周囲温度Tinの上昇による電子部品の劣化や損傷を回避することができる。
また、この電流センサ1では、さらに電圧検出部として機能して検出電圧V2を検出するA/D変換部11を備え、処理部15は、A/D変換部11で検出される検出電圧V2と基準電圧Vrとを比較しつつ、検出電圧V2が基準電圧Vr以上のときにスイッチ5に対する制御を実行してバイアス電流Ibのホール素子3への供給を停止させる保護処理(電圧保護処理)を実行する。
したがって、この電流センサ1によれば、検出電圧V2が基準電圧Vr以上のとき(この状態を継続したときには、負帰還電流生成部7および終端抵抗8などの電子部品の発熱により、周囲温度Tinが近々に基準温度Trに達することが想定される状態のとき)にホール素子3を停止させてホール素子3から出力される出力電圧V1を零ボルトにすることができる。これにより、この電流センサ1によれば、負帰還電流生成部7で消費される電力を低下させることができると共に、負帰還電流生成部7から出力される負帰還電流I2の電流値を低下させて終端抵抗8での発熱を抑制することができる結果、周囲温度Tinの上昇を抑制することができる。したがって、この電流センサ1によれば、周囲温度Tinの上昇による電子部品の劣化や損傷をより確実に回避することができる。
また、この電流センサ1では、処理部15が、保護処理(温度保護処理または電圧保護処理)においてホール素子3へのバイアス電流Ibの供給を停止させたときに、報知部13に対して報知動作を開始させる報知処理を実行する。したがって、この電流センサ1によれば、オペレータは、発熱や負帰還電流I2の電流値が上昇したことに起因して、ホール素子3が停止状態に移行させられていることを報知部13の報知動作により確実に認識することができる。なお、ホール素子3が停止したときには、電流センサ1は測定電路100に流れる被測定電流I1の測定を中断するため、検出電圧V2の電圧値が急激に低下する。したがって、オペレータが検出電圧V2をモニタ可能な構成のときには、処理部15が報知処理を実行しない構成を採用することもできる。また、この構成を採用したときには、報知処理に関連する構成要素(報知部13)を省くことができるため、回路の簡略化を図ることができる。
また、この電流センサ1では、処理部15が、ホール素子3へのバイアス電流Ibの供給を停止させたときに、D/A変換部9に出力している調整用データD1のデータ値を変更して負帰還電流生成部7への調整用電圧Vadの電圧値を調整することにより(具体的には、調整用データD1のデータ値を第2電圧データ値Dad2に代えて第1電圧データ値Dad1に変更して、調整用電圧Vadの電圧値を第1電圧値Vad1に調整することにより)、電圧データD2で示される検出電圧V2の電圧値を零ボルトに収束させる電圧調整処理を実行する。
したがって、この電流センサ1によれば、ホール素子3が停止状態に移行するのに伴って、負帰還電流生成部7に出力している調整用電圧Vadの電圧値を、ホール素子3が停止状態のときに検出電圧V2を零ボルト(つまり、負帰還電流I2を零アンペア)にさせ得る第1電圧値Vad1に調整(変更)することができるため、負帰還電流生成部7や終端抵抗8での発熱をより一層良好に抑制することができる。
なお、上記の電流センサ1では、処理部15が、温度保護処理および電圧保護処理の双方を保護処理として実行するより好ましい構成を採用しているが、温度保護処理および電圧保護処理のいずれか一方のみを保護処理として実行する構成を採用することもできる。この構成を採用した電流センサにおいても、周囲温度Tinが基準温度Tr以上のときおよび検出電圧V2が基準電圧Vr以上のときのいずれか一方のときにホール素子3を停止させて、負帰還電流生成部7で消費される電力を低下させることができると共に、負帰還電流生成部7から出力される負帰還電流I2の電流値を低下させて終端抵抗8での発熱を抑制することができる結果、周囲温度Tinの上昇を抑制して電子部品の劣化や損傷を回避することができる。また、この電流センサによれば、温度保護処理を採用しないときには、この温度保護処理に関する構成要素(温度検出部12)を省くことができるため、回路の簡略化を図ることができる。
また、上記の電流センサ1では、処理部15が、零調整処理50を実行して、調整用電圧Vadの第1電圧値Vad1と第2電圧値Vad2とを特定してメモリに記憶しているが、この構成に代えて、零調整処理50と同等の処理を良品の電流センサ1で予め実行して、標準となる第1電圧値Vad1と第2電圧値Vad2とを特定し、この特定した第1電圧値Vad1および第2電圧値Vad2を処理部15のメモリに予め記憶させる構成を採用してもよいのは勿論である。また、アラート機能を備えた温度センサーICを用いた構成を採用した場合には、検出している周囲温度Tiに対するしきい値として基準温度Trを温度センサーICに予め設定しておき、処理部15が、周囲温度Tinが基準温度Tr以上になっているときに温度センサーICから出力されるアラート信号を用いることで、周囲温度Tinを検出する処理(ステップ61)、および周囲温度Tinと基準温度Trとを比較する処理(ステップ62)を省くことができる。
1 電流センサ
2 磁気コア
3 ホール素子
4 バイアス電源
5 スイッチ
6 コイル
7 負帰還電流生成部
8 終端抵抗
11 A/D変換部
12 温度検出部
13 報知部
100 測定電路
D1 調整用データ
D2 電圧データ
I2 負帰還電流
Tin 周囲温度
Tr 基準温度
V1 出力電圧
V2 検出電圧
Vad 調整用電圧
Vr 基準電圧
φ1,φ2 磁束
2 磁気コア
3 ホール素子
4 バイアス電源
5 スイッチ
6 コイル
7 負帰還電流生成部
8 終端抵抗
11 A/D変換部
12 温度検出部
13 報知部
100 測定電路
D1 調整用データ
D2 電圧データ
I2 負帰還電流
Tin 周囲温度
Tr 基準温度
V1 出力電圧
V2 検出電圧
Vad 調整用電圧
Vr 基準電圧
φ1,φ2 磁束
Claims (4)
- 内部に測定対象が挿通される磁気コアと、当該磁気コアに配置された磁電変換素子と、当該磁電変換素子に作動用電流を供給する電源部と、前記磁気コアに巻回された負帰還コイルと、前記磁電変換素子の出力電圧に基づいて前記負帰還コイルに前記磁気コア内の磁束を打ち消す負帰還電流を出力する負帰還電流生成部と、前記負帰還コイルに接続されて前記負帰還電流を電圧に変換してセンサ出力として出力する電流電圧変換部とを備えている零磁束制御型電流センサであって、
前記作動用電流の前記磁電変換素子への供給・供給停止を切り換えるスイッチと、
少なくとも前記負帰還電流生成部および前記電流電圧変換部のいずれかに関する温度を検出する温度検出部と、
処理部とを備え、
前記処理部は、前記温度検出部で検出される前記温度が予め規定された基準温度以上のときに前記スイッチに対する制御を実行して前記作動用電流の前記磁電変換素子への供給を停止させる保護処理を実行する零磁束制御型電流センサ。 - 内部に測定対象が挿通される磁気コアと、当該磁気コアに配置された磁電変換素子と、当該磁電変換素子に作動用電流を供給する電源部と、前記磁気コアに巻回された負帰還コイルと、前記磁電変換素子の出力電圧に基づいて前記負帰還コイルに前記磁気コア内の磁束を打ち消す負帰還電流を出力する負帰還電流生成部と、前記負帰還コイルに接続されて前記負帰還電流を電圧に変換してセンサ出力として出力する電流電圧変換部とを備えている零磁束制御型電流センサであって、
前記作動用電流の前記磁電変換素子への供給・供給停止を切り換えるスイッチと、
前記センサ出力を検出する電圧検出部と、
処理部とを備え、
前記処理部は、前記電圧検出部で検出される前記センサ出力が予め規定された基準電圧以上のときに前記スイッチに対する制御を実行して前記作動用電流の前記磁電変換素子への供給を停止させる保護処理を実行する零磁束制御型電流センサ。 - 発光動作、発音動作および振動動作のうちの少なくとも1つの動作を報知動作として実行する報知部を備え、
前記処理部は、前記保護処理において前記磁電変換素子への前記作動用電流の供給を停止させたときに、前記報知部に対して前記報知動作を実行させる請求項1または2記載の零磁束制御型電流センサ。 - 調整用データを入力すると共に当該調整用データで示される電圧値で調整用電圧を出力するD/A変換部と、
前記センサ出力を入力すると共に当該センサ出力の電圧値を示す出力データを出力するA/D変換部とを備え、
前記負帰還電流生成部は、前記磁電変換素子の前記出力電圧と共に前記調整用電圧を入力して、当該出力電圧および当該調整用電圧に基づいて前記負帰還電流を生成可能に構成され、
前記処理部は、前記磁電変換素子への前記作動用電流の供給を停止させたときに、前記D/A変換部に出力している前記調整用データのデータ値を変更して前記調整用電圧の前記電圧値を調整することにより、前記出力データで示される前記センサ出力の前記電圧値を零ボルトに収束させる電圧調整処理を実行する請求項1から3のいずれかに記載の零磁束制御型電流センサ。
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---|---|---|---|
JP2014025301A JP2015152378A (ja) | 2014-02-13 | 2014-02-13 | 零磁束制御型電流センサ |
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JP2014025301A JP2015152378A (ja) | 2014-02-13 | 2014-02-13 | 零磁束制御型電流センサ |
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JP2014025301A Pending JP2015152378A (ja) | 2014-02-13 | 2014-02-13 | 零磁束制御型電流センサ |
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JP (1) | JP2015152378A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US10983179B2 (en) | 2018-07-02 | 2021-04-20 | Asahi Kasei Microdevices Corporation | Magnetic field measuring device, magnetic field measurement method, and recording medium having recorded thereon magnetic field measurement program |
-
2014
- 2014-02-13 JP JP2014025301A patent/JP2015152378A/ja active Pending
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