JP5264631B2 - 車両用傾斜センサ構造 - Google Patents
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Description
図1,2に示すように、本実施形態の傾斜センサ10は、例えば図示しない燃料噴射型の二輪車(以下、車両という)に取り付けられ、車両の水平面に対する傾斜状態を検出するものであって、センサケーシング11を備えている。このセンサケーシング11は、箱型形状のものであり、その内部に案内路20と、案内路20内を移動可能な移動体30とが設けられている。
これに対して、他方の傾斜路23に配置された第2移動体検出素子25も、同様にコイル27により構成されている。このコイル27は、傾斜路23の端部外周を覆うように巻回されている。
図3に示すように、突起部40は、移動体本体31の中心部から径方向外側に向けて放射状に突出するものであり、弾性部材32の表面における略全面に亘って形成されている。突起部40は、基端から先端に向かうにつれ先細る円錐形状のものであり、先端に向かうにつれ撓み易くなっている。すなわち、移動体30と案内路20とは突起部40を介して接触している。
まず、図1に示すように、傾斜センサ10の初期位置として、傾斜センサ10(車両)が水平状態にある場合には、移動体30は案内路20の中央路21に配置されており、各移動体検出素子24,25により移動体30は検出されない。
検出信号を受信した制御部は、検出信号に基づいて車両の傾斜状態を判定することができる。そして、車両が傾斜していると判断された場合には、車両のインジェクタからの燃料噴射を停止させてエンジンを停止することができる。また、車両が右側方向に傾斜した場合も、上述した左側方向に傾斜した場合と同様の方法で車両の傾斜を検出することができる。
この構成によれば、移動体本体31が弾性部材32にコーティングされているため、移動体30と案内路20とが接触した場合には、弾性部材32によりその影響を吸収して緩和させることができる。これにより、移動体30の回転移動時や振動等による案内路20との接触時に発生する音を抑制することができる。
例えば、傾斜センサの傾斜に応じて案内路内を移動するものであれば、移動体は球状に限らず、例えば円柱形状のものを採用することも可能である。具体的には、図5に示すように、移動体50は、例えば磁性金属材料からなる円柱形状の移動体本体51を備えており、傾斜センサ10の傾斜状態に応じて案内路20(図1,2参照)内を回転しながら移動するように構成されている。そして、移動体本体51の側面には、側面を覆うように弾性部材52がコーティングされ、弾性部材52の表面には移動体本体51の径方向外側に向けて放射状に突出する多数の突起部53が形成されている。この時、移動体50は、その軸線方向と案内路20の幅方向(図1における紙面奥行き方向)とを一致させた状態で配置され、弾性部材52の突起部53を介して案内路20に接触している。そして、移動体50は、軸線周りに回転しながら案内路20内を回転移動するようになっている。なお、上述した傾斜センサ10と同様の構成のものについては、同一の符号を付し、説明を省略する。
一方、移動体90は、球状の移動体本体91と、移動体本体91の外表面を覆うようにコーティングされたゴム等の弾性部材92とで構成され、上述した実施形態のような突起部は形成されていない。
また、案内路81に突起部82が形成されているため、移動体90と案内路81とは突起部82を介して接触した状態にある。そのため、案内路81と移動体90が面同士で接触している場合に比べて、移動体90と案内路81との接触面積が小さい。これにより、移動体90の外表面を弾性部材92でコーティングしたとしても、移動体90の移動を妨げることがないため、移動体90を案内路81内でスムーズに回転移動させることができる。したがって、傾斜センサ80の応答性を維持させることができ、高感度な傾斜センサ80を提供することができる。
図8〜10に示すように、本実施形態の傾斜センサ100は、センサケーシング111と、センサケーシング111を閉塞するセンサカバー112とで外観構成されている。センサケーシング111には厚さ方向に沿って切り込まれた溝部113が形成されている。この溝部113は、平面視で略V字状に形成されており、この溝部113がセンサカバー112で閉塞されることにより、センサケーシング111とセンサカバー112とで囲まれた内側空間が上述した案内路20を構成している。
一方、車両が後傾姿勢から中立姿勢に戻った場合には、移動体30は凹部130の内周面を伝って速やかに案内路20に戻ることになる。そのため、移動体30が車両の中立姿勢時にも関わらず凹部130内で滞在することを防ぐことができる。したがって、車両の傾斜状態をより正確に判定することができる。
さらに、凹部130の開口端と案内路20との境界部分105が丸みを帯びているため、この境界部分105に移動体30が引っ掛かることがなく、案内路20と凹部130との間で移動体30の出入りがスムーズに行われる。また、境界部分が角形状に形成されている場合に比べて、移動体30と境界部分105とが接触する際に移動体30に作用する力を低減することができる。
本実施形態では、図12に示すように、案内路20を間に挟んでセンサケース111及びセンサカバー112の双方に、凹部131,132が形成されている点で上述した第2実施形態と相違している。具体的に、本実施形態の傾斜センサ200のセンサケース111には、中央路21の内面から車両後方に向けて窪んだ断面三角形状の凹部131が形成されている。一方、センサカバー112には、中央路21の内面から車両前方に向けて窪んだ断面三角形状の凹部132が形成されており、これら凹部131,132は、車両前後方向において案内路20の中央路21を間に挟んで対向配置されている。なお、凹部131,132の下面は、それぞれの開口端から底部側に向かうにつれ上方に向けて湾曲している。また、図示しないが各凹部131,132における側面も開口端から底部側に向けて、凹部131,132の口径が漸次縮小するように湾曲形成されている。
本実施形態の傾斜センサ300は、図13に示すように、凹部131の上方において中央路21の内面からから前方に向けて突出する規制突起部301が形成されている。この突起部301は、車両(案内路20)の前後方向に沿って片持ち状に延在しており、基端がセンサケーシング111の溝部113内に固定される一方、先端がセンサカバー112に向かって延出している。
この構成によれば、車両が前後方向に振動した場合に、移動体30が凹部131,132内に上手く誘導されず、また凹部131,132から飛び出して案内路20内を上方に向けて移動しようとすると、移動体30が規制突起部301に接触する。そして、移動体30が突起部301に接触することで、移動体30の上方への移動が規制され、移動体30は下方に向けて戻される。これにより、移動体30が中央路21から傾斜路22,23に入り込むことがないので、移動体検出素子24,25による移動体30の誤検出を防止することができ、車両の傾斜状態を正確に判定することができる。
また、上述した実施形態では、突起部を円錐形状に形成したが、円柱形状等、移動体と案内路との接触面積が小さくなるような構成であれば適宜設計変更が可能である。
また、本発明の傾斜センサは、二輪車に限らず三輪、四輪の車両に搭載することも可能である。
Claims (3)
- 中心から両側方にかけて上方に向けて延出する案内路(20)と、
前記案内路を移動可能な移動体(30)と、
前記案内路の両端部に設けられ、前記移動体を検出する移動体検出素子(24,25)とを備えた車両用傾斜センサ構造において、
前記案内路の中心部分には、前記案内路が延在する平面に対して直交する方向に窪み、かつ前記案内路内に向けて開口して、前記移動体を収容可能な第1凹部(130)が形成されていることを特徴とする車両用傾斜センサ構造。 - 前記案内路は、ケーシング(111)に形成された溝部(113)と、前記溝部を閉塞するカバー(112)とで囲まれた内側空間で構成され、
前記溝部の中心部分には前記第1凹部が形成される一方、前記カバーには前記案内路内に向けて開口する第2凹部(132)が、前記第1凹部に対向配置されていることを特徴とする請求項1記載の車両用傾斜センサ構造。 - 前記第1凹部及び前記第2凹部のうち、少なくとも何れか一方の凹部の上方には、前記案内路の内面から突出し、前記移動体の移動を規制する規制突起部(301)が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用傾斜センサ構造。
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