JP2011232014A - 空気調和装置の室内ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】高湿度雰囲気においても結露水が空調空気によって飛散しない空気調和装置の室内ユニットを提供する。
【解決手段】室内ユニット4では、室内制御部69は、湿度センサ64が検知する湿度が所定値以上であるとき、風向制限制御を実行する。風向制限制御は、フラップ71の保水溝53に対する最小距離が、湿度が所定値未満であるときのフラップ71の保水溝53部に対する最小距離よりも大きくなるように動作させる制御である。具体的には、室内制御部69は、湿度が所定値以上であるとき、フラップ71の姿勢P0〜P4の5段階姿勢のうち、空調空気の吹出方向を最も水平に近くする姿勢P0へ切り換えない。
【選択図】図4

Description

本発明は、空気調和装置の室内ユニットに関し、特に、空調空気を吹出口から空調対象空間に吹き出す室内ユニットに関する。
天井埋込型の室内ユニットでは、通常、吹出口にフラップが設けられ、吹出口から吹き出される空調空気の風向を自在に変更することができる。例えば、特許文献1(特開平7−324802号公報)に開示されている空気調和装置の室内ユニットでは、フラップは、暖房運転時には空調空気がやや下向きに吹き出されるように傾き、冷房運転時には空調空気が水平に吹き出されるように天井面に対してほぼ平行な姿勢となる。
しかしながら、吹出口近傍のうち空調空気が吹き出される方向に位置する部分は、冷房運転時、或いは除湿運転時、空調空気によって冷却されるので、周囲に浮遊する水分がその部分に凝縮して結露する。それゆえ、その結露水が、空調空気の風圧で飛散する可能性がある。
本発明の課題は、高湿度雰囲気においても結露水が空調空気によって飛散しない空気調和装置の室内ユニットを提供することにある。
本発明の第1観点に係る空気調和装置の室内ユニットは、空調空気を吹出口から空調対象空間に吹き出す空気調和装置の室内ユニットであって、フラップと、湿度検知部と、制御部とを備える。フラップは、吹出口から吹き出される空調空気の風向を変更する。湿度検知部は、空調対象空間の湿度を検知する。制御部は、予め設定されているフラップの動作モードに基づいてフラップの動作を制御する。また、制御部は、空調対象空間の湿度が所定値以上であるとき、フラップの吹出口に対する最小開度が、空調対象空間の湿度が所定値未満であるときのフラップの吹出口に対する最小開度よりも大きくなるように動作させる、風向制限制御を行う。
この室内ユニットでは、空調対象空間の湿度が所定値以上になったとき、空調対象空間の水分の一部は吹出口の近傍で結露し、その結露水が空調空気に吹き飛ばされる可能性がある。しかし、フラップの吹出口に対する最小開度が、空調対象空間の湿度が所定値未満であるときのフラップの吹出口に対する最小開度よりも大きくなるように、フラップが動作するので、フラップが遠ざかった分だけ結露水に当たる空調空気の風圧が弱まり、結露水の飛散が防止される。
本発明の第2観点に係る空気調和装置の室内ユニットは、第1観点に係る空気調和装置の室内ユニットであって、保水部をさらに備える。保水部は、吹出口の近傍に設けられ、吹出口の近傍で結露した水を保持する。制御部は、風向制限制御時、空調対象空間の湿度が所定値以上であるときのフラップの保水部に対する最小距離が、空調対象空間の湿度が所定値未満であるときのフラップの保水部に対する最小距離よりも大きくなるように動作させる。
この室内ユニットでは、空調対象空間の湿度が所定値以上になったとき、空調対象空間の水分の一部は吹出口の近傍で結露して保水部に保持される。保水部と吹出口とが近接しているので、保水部の水が空調空気に吹き飛ばされる可能性がある。特に、保水部の水が液状になっている場合はその可能性がさらに高まる。しかし、本発明では、フラップの保水部に対する最小距離が、空調対象空間の湿度が所定値未満であるときのフラップの保水部に対する最小距離よりも大きくなるように、フラップが動作するので、フラップが保水部から遠ざかった分だけ保水部に当たる空調空気の風圧が弱まり、保水部の水の飛散が防止される。
本発明の第3観点に係る空気調和装置の室内ユニットは、第2観点に係る空気調和装置の室内ユニットであって、フラップの動作モードが、スイング動作モードと、自動風向変更モードと、非自動変更モードとを含む。スイング動作モードは、所定期間毎にフラップの動作方向を反転させる。自動風向変更モードは、空調空気の風向を自動的に変更する。非自動風向変更モードは、制御部が遠隔操作装置を有する場合にその遠隔操作装置に入力された操作に従って空調空気の風向を変更する。制御部は、フラップの3つの動作モードのうち、少なくともスイング動作モードにおいて、風向制限制御を行う。
この室内ユニットでは、スイング動作モードにおいて、フラップが一定周期で保水部に近接するので、その分、保水部の水が空調空気に吹き飛ばされる可能性が高い。それゆえ、風向制限制御によってフラップが保水部から一定距離以内に近づかないようになれば、フラップのスイング動作モードにおいても、保水部からの水の飛散は防止される。また、フラップのスイング動作は、空調空気を脈動させて保水部に保持された水を一箇所に集合させる作用があり、それが水の飛散を助長する可能性が高かった。しかし、風向制限制御によってフラップが保水部から一定距離以内に近づかないようになれば、保水部の水が集合し難くなる。
本発明の第4観点に係る空気調和装置の室内ユニットは、第2観点または第3観点に係る空気調和装置の室内ユニットであって、保水部が、空調空気が吹出口から水平に吹き出されるときの吹出方向側に位置する。
この室内ユニットでは、吹出口近傍の結露は、空調空気に冷却された吹出口近傍に空調対象空間に浮遊する水分が凝縮することによって起こるので、吹出口近傍のなかでも空調空気が吹出口から水平に吹き出されるときの吹出方向側に位置する部分が最も結露し易い。それゆえ、保水部が、空調空気が吹出口から水平に吹き出されるときの吹出方向側に位置することによって結露水を確実に保持するので、空調空気による水の飛散が未然に防止される。
本発明の第5観点に係る空気調和装置の室内ユニットは、第4観点に係る空気調和装置の室内ユニットであって、制御部が、フラップの水平方向に対する角度を変更するによってフラップの姿勢を可動範囲内で複数段階に切り換えることができる。また、制御部は、風向制限制御時、フラップの可動範囲の上限を制限する。
この室内ユニットでは、保水部は、空調空気が吹出口から水平に吹き出されるときの吹出方向側に位置するので、保水部に保持された水が最も飛散し易いのは、フラップが空調空気の吹出方向を最も水平に近くする姿勢となるときである。それゆえ、風向制限制御時、フラップの可動範囲の上限を制限することによって、フラップが空調空気の吹出方向を最も水平に近くする姿勢にならないので、保水部からの水の飛散が防止される。
本発明の第6観点に係る空気調和装置の室内ユニットは、空調空気を吹出口から空調対象空間に吹き出す空気調和装置の室内ユニットであって、保水部と、フラップと、湿度検知部と、制御部とを備えている。保水部は、吹出口の近傍に設けられ、吹出口の近傍で結露した水を保持する。フラップは、吹出口から吹き出される空調空気の風向を変更する。湿度検知部は、空調対象空間の湿度を検知する。制御部は、予め設定されているフラップの動作モードに基づいてフラップの動作を制御する。また、制御部は、フラップの水平方向に対する角度を変更することによってフラップの姿勢を可動範囲内で複数段階に切り換えることができる。さらに、制御部は、空調対象空間の湿度が所定値以上であるとき、フラップの可動範囲の上限を制限する風向制限制御を行う。
この室内ユニットでは、保水部に保持された水が最も飛散し易いのは、フラップが空調空気の吹出方向を最も水平に近くする姿勢となるときである。それゆえ、風向制限制御時、フラップの可動範囲の上限を制限することによって、フラップが空調空気の吹出方向を最も水平に近くする姿勢にならないので、保水部からの水の飛散が防止される。
本発明の第1観点に係る空気調和装置の室内ユニットでは、フラップの吹出口に対する最小開度が、空調対象空間の湿度が所定値未満であるときのフラップの吹出口に対する最小開度よりも大きくなるように、フラップが動作するので、フラップが遠ざかった分だけ結露水に当たる空調空気の風圧が弱まり、結露水の飛散が防止される。
本発明の第2観点に係る空気調和装置の室内ユニットでは、フラップの保水部に対する最小距離が、空調対象空間の湿度が所定値未満であるときのフラップの保水部に対する最小距離よりも大きくなるように、フラップが動作するので、フラップが保水部から遠ざかった分だけ保水部に当たる空調空気の風圧が弱まり、保水部の水の飛散が防止される。
本発明の第3観点に係る空気調和装置の室内ユニットでは、風向制限制御によってフラップが保水部から一定距離以内に近づかないようになれば、フラップのスイング動作モードにおいても、保水部からの水の飛散は防止される。
本発明の第4観点に係る空気調和装置の室内ユニットでは、保水部が、空調空気が吹出口から水平に吹き出されるときの吹出方向側に位置することによって結露水を確実に保持するので、空調空気による水の飛散が未然に防止される。
本発明の第5観点または第6観点に係る空気調和装置の室内ユニットでは、風向制限制御時、フラップの可動範囲の上限を制限することによって、保水部からの水の飛散が防止される。
本発明の一実施形態に係る室内ユニットが採用される空気調和装置の構成図。 室内ユニットの斜視図。 フラップが吹出口を閉じているときの室内ユニットの部分断面図。 フラップが空調空気の吹出方向を最も水平に近くする姿勢になったときの室内ユニットの部分断面図。 フラップが図3Bに示す姿勢より1〜3段階下方に傾いた姿勢になったときの室内ユニットの部分断面図。 フラップが空調空気の吹出方向を最も下向きにする姿勢になったときの室内ユニットの部分断面図。 風向制限制御のフロー。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)空気調和装置の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る室内ユニットが使用される空気調和装置の構成図である。空気調和装置1は、室外ユニット2、室内ユニット4、液冷媒連絡管5、及びガス冷媒連絡管6を有している。室外ユニット2及び室内ユニット4が、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6によって接続され、蒸気圧縮式の冷媒回路10が構成されている。なお、室内ユニット4は、天井埋込型の室内ユニットである。
(2)室外ユニット2
室外ユニット2は、主に室外に設置され、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、液側閉鎖弁25、及びガス側閉鎖弁26を有している。圧縮機21は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮して高圧のガス冷媒とした後に吐出する。
四路切換弁22は、冷房運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れの方向を切り換える弁である。四路切換弁22は、冷房運転時、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続するとともにガス側閉鎖弁26と圧縮機21の吸入側とを接続する(図1における四路切換弁22の実線を参照)。
また、四路切換弁22は、暖房運転時、圧縮機21の吐出側とガス側閉鎖弁26とを接続するとともに室外熱交換器23のガス側と圧縮機21の吸入側とを接続する(図1における四路切換弁22の破線を参照)。
室外熱交換器23は、冷房運転時には冷媒の放熱器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器23は、その液側が膨張弁24に接続されており、ガス側が四路切換弁22に接続されている。
膨張弁24は、冷房運転時には室外熱交換器23において放熱した高圧の液冷媒を蒸発器に送る前に減圧し、暖房運転時には凝縮器において放熱した高圧の液冷媒を室外熱交換器23に送る前に減圧する。
液側閉鎖弁25及びガス側閉鎖弁26は、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁25は、膨張弁24に接続されている。ガス側閉鎖弁26は、四路切換弁22に接続されている。
また、室外ユニット2には、室外制御部39が設けられている。室外制御部39は、マイコンとメモリとを有しており、室外ユニット2を構成する各機器の動作を制御する。さらに、室外制御部39は、室外ユニット2の制御を行うため、室内ユニット4側との間で制御信号の交信を行うことができる。
(3)室内ユニット4の構成
室内ユニット4は、室内熱交換器42を有している。室内熱交換器42は、フィン&チューブ型熱交換器であって、冷房運転時には、冷媒の蒸発器として機能することによって空気を冷却し、暖房運転時には、冷媒の放熱器として機能することによって空気を加熱する。なお、室外熱交換器42は、液冷媒連絡管5およびガス冷媒連絡管6に接続されている。
図2は、室内ユニットの斜視図である。図2において、室内ユニット4は、ケーシング51と下面パネル52とで構成されている。ケーシング51は、平面視が長辺と短辺とが交互に形成された略8角形状の箱状体であり、内部に室内熱交換器42や風量制御可能な室内ファン(図示せず)などの機器を収納し、空調対象空間の天井に形成された開口に挿入される。
(3−1)下面パネル52の細部構造
下面パネル52は、平面視が略4角形状の板状体であり、ケーシング51が挿入された天井の開口に嵌め込まれる。また、下面パネル52は、略中央に空気を吸入する吸入口55と、吸入口55の周囲を囲むように形成された4つの吹出口56とを有している。
(3−1−1)吸込口55
吸入口55は、略4角形状の開口である。吸入口55には、吸入グリル57と、吸入口55から吸入される空気中の塵埃を除去するためのフィルタ(図示せず)とが設けられている。また、湿度センサ64が、吸込口55(吸込グリル57とフィルタとの間)に配置され、空調対象空間の湿度を検知する。
(3−1−2)吹出口56
吹出口56は、下面パネル52の4角形の各辺に沿うように形成されている。4つの吹出口56それぞれには、フラップ71が設けられている。
(3−1−3)フラップ71
フラップ71は、吹出口56の長手方向に沿って細長く延びる板状の部材であって、その長手方向の両端部は、長手方向の軸周りに回動可能になるように下面パネル52に支持されている。また、フラップ71は姿勢を変更することによって、空調空気の吹出方向を変更することができる。
(3−1−4)保水溝53
また、下面パネル52には、環状の保水溝53が4つの吹出口56を囲むように形成されている。なお、図2では、保水溝53の形状が理解し難いので、以下、図3Aを用いて説明する。図3Aは、フラップが吹出口を閉じているときの室内ユニットの部分断面図である。
図3Aにおいて、吹出口56のエッジのうち、空調空気が水平に吹き出されるときの吹出方向側のエッジと隣接する位置に、複数の保水溝53が形成されている。冷房運転時、或は除湿運転時、吹出口56の周囲は空調空気によって冷却されるので、空調対象空間に浮遊する水分が凝縮して結露する。特に、空調空気が水平に吹き出されるとき、吹出口53の吹出方向側のエッジ部分が最も結露し易い。それゆえ、その近傍に保水溝53が形成されることによって、結露水が保水溝53によって確実に保持される。
(3−2)室内制御部69
室内ユニット4には、さらに室内制御部69が設けられている(図1参照)。室内制御部69は、マイコンとメモリとを搭載しており、さらには、リモートコントローラ99及び湿度センサ64(図2参照)などの各種センサが接続され、室内ユニット4を構成する各機器の動作を制御する。また、室内制御部69は、室内ユニット4の制御を行うために室外ユニット2の室外制御部39との間で制御信号の交信を行うことができる。
さらに、室内制御部69は、空調対象空間の負荷状態に応じて、或は、リモートコントローラ99からの要求に応じて、フラップ71の姿勢を変更することができる。
(4)フラップ71の動作制御
(4−1)フラップ71の姿勢
図3Bは、フラップが空調空気の吹出方向を最も水平に近くする姿勢になったときの室内ユニットの部分断面図である。また、図3Cは、フラップが図3Bに示す姿勢より1〜3段階下方に傾いた姿勢になったときの室内ユニットの部分断面図である。さらに、図3Dは、フラップが空調空気の吹出方向を最も下向きにする姿勢になったときの室内ユニットの部分断面図である。
図3Bにおいて、フラップ71が吹出口56を閉じている位置から回動軸71aを中心にして吹出口56を開く方向に第1所定角度だけ回動して停止したときの姿勢を、「姿勢P0」と呼ぶ。フラップ71の姿勢P0は水平姿勢ではないが、フラップ71が湾曲した板状部材であるので、空調空気はフラップ71の湾曲面に沿って流れ、フラップ71から離れるときには略水平方向へ偏向される。
図3Cにおいて、フラップ71が姿勢P0となる位置からさらに吹出口56を開く方向に第2所定角度だけ回動して停止したときの姿勢を、「姿勢P1」と呼ぶ。フラップ71が姿勢P1になっているとき、空調空気が吹き出される方向は水平方向ではない。なお、フラップ71が姿勢P1となる位置からさらに吹出口56を開く方向に第3所定角度だけ回動して停止したときの姿勢を「姿勢P2」と呼び、フラップ71が姿勢P2となる位置からさらに吹出口56を開く方向に第4所定角度だけ回動して停止したときの姿勢を「姿勢P3」と呼び、いずれも図3C中に2点鎖線で示されている。
図3Dにおいて、フラップ71が姿勢P3となった位置からさらに吹出口56を開く方向に第5所定角度だけ回動して停止したときの姿勢を、「姿勢P4」と呼ぶ。フラップ71が姿勢P4のとき吹出口56は全開であり、空調空気の吹出方向は最も下向きとなる。上記の通り、フラップ71は、図3Bに示す「姿勢P0」〜図3Dに示す「姿勢P4」までの間で複数段階に変更可能である。
(4−2)フラップの動作モード
室内制御部69は、フラップ71の姿勢制御を使って複数種の動作モードを実行することができる。各動作モードを実行するためのプログラムは、予め室内制御部69のメモリに記憶されている。複数種の動作モードには、スイング動作モード、自動風向変更モード、及び非自動風向変更モードが含まれている。
スイング動作モードは、フラップ71が繰り返し上下に回動して姿勢P0と姿勢P4とを交互に繰り返すモードであり、所定周期でフラップ71の動作方向が反転する。
自動風向変更モードは、空調対象空間の空調負荷状態に応じて姿勢P0〜P4のいずれか1つの姿勢へ切り換えて、空調空気の風向を変更するモードである。
非自動風向変更モードは、リモートコントローラ99に入力された操作に従って姿勢P0〜P4のいずれか1つの姿勢へ切り換えて、空調空気の風向を変更するモードである。
(4−3)フラップ71の風向制限制御
図3B〜図3Dに示すように、保水溝53と吹出口56とは近接しているので、空調空気が水平方向に吹き出されたとき、保水溝53に保持されている水が空調空気に吹き飛ばされる可能性がある。特に、空調対象空間の湿度が70%以上といった高湿度雰囲気では、保水溝53の水が液状になっている可能性が高いので、水が飛散する可能性がさらに高まる。
そこで、この室内ユニット4では、空調対象空間の湿度が所定値以上になったとき、フラップ71の吹出口56に対する最小開度が、空調対象空間の湿度が所定値未満であるときのフラップ71の吹出口56に対する最小開度よりも大きくなるように、フラップ71が動作する。
言い換えると、湿度センサ64で検知した湿度が所定値以上になったとき、フラップ71の保水溝53に対する最小距離が、湿度が所定値未満であるときのフラップ71の保水溝53に対する最小距離よりも大きくなるように、風向制限する「風向制限制御」を行っている。所定値は、70%以上の範囲から選択された数値に設定されている。
なお、フラップ71の吹出口56に対する最小開度の定義は、フラップ71の保水溝53に対する最小距離に限定されるものではない。例えば、保水溝53が無いタイプでは、フラップ71の吹出口56に対する最小開度とは、吹出口56の空調空気が吹き出される側のエッジに対する最小距離と定義することができる。さらには、フラップ71の吹出口56に対する最小開度とは、フラップ71が吹出口56を開けるために回動する際の最小回動角度と定義することができる。
例えば、フラップ71がスイング動作モードで動作している場合、湿度が所定値未満のとき、室内制御部69は、フラップ71が姿勢P0と姿勢P4とを交互に繰り返すように制御する。しかし、湿度が所定値以上のときは、室内制御部69は、フラップ71が姿勢P1と姿勢P4とを交互に繰り返すように制御する。以下、図4を用いて風向制限制御について説明する。
図4は、風向制限制御のフローである。ステップS1において、室内制御部69は、フラップ71の動作モードがスイング動作モードであるか否かを判定する。室内制御部69は、フラップ71の動作モードをスイング動作モードと判定したときはステップS2へ進み、スイング動作モードでないと判定したときは、引き続きフラップ71の動作モードを監視する。
ステップS2において、室内制御部69は、空気調和装置1の運転モードが冷房運転または除湿運転のいずれかであるか否かを判定する。室内制御部69は、運転モードが冷房運転または除湿運転のいずれかであると判定したときはステップS3へ進み、運転モードが冷房運転または除湿運転のいずれでもないと判定したときは、引き続き運転モードの監視を行う。
ステップS3において、室内制御部69は、空気調和装置がサーモオン状態であるか否かを判定する。室内制御部69は、サーモオン状態であると判定したときはステップS4へ進み、サーモオン状態ではないと判定したときは、引き続きサーモオン状態であるか否かを監視する。
ステップS4において、室内制御部69は、湿度センサ64が正常であるか否かを判定し、正常であると判定したときはステップS5へ進み、異常であると判定したときはステップS41へ進み制御を解除する。
ステップS5において、室内制御部69は、湿度が所定値以上であるか否かを判定する。室内制御部69は、湿度が所定値以上と判定したときはステップS6へ進み、フラップ71のスイング範囲を姿勢P1〜P4へ設定する。また、室内制御部69は、湿度が所定値未満と判定したときはステップS7へ進み、フラップ71のスイング範囲を姿勢P0〜P4へ設定する。
以上のように、湿度が所定値以上のとき、フラップ71は風向制限制御によって姿勢P0にはならない。フラップ71の姿勢P0は、吹出口56を閉じている状態を除けば、最も保水溝53に近接し、且つ、空調空気の吹出方向を最も水平に近くする姿勢であるので、フラップ71は、姿勢P0にならないことによって保水溝53から一定距離以内に近づかないようになる。その結果、空調空気が保水溝53に当たらないようになり、保水溝53からの水の飛散が防止される。
また、フラップ71のスイング動作は、空調空気を脈動させて保水溝53に保持された水を一箇所に集合させる作用があり、それが水の飛散を助長する可能性が高かった。しかし、風向制限制御によってフラップ71が保水溝53から一定距離以内に近づかないようになるので、保水溝53の水は集合し難くなる。
(特徴)
(1)
室内ユニット4では、室内制御部69は、湿度センサ64が検知する湿度が所定値以上であるとき、風向制限制御を実行する。風向制限制御は、フラップ71の保水溝53に対する最小距離が、湿度が所定値未満であるときのフラップ71の保水溝53に対する最小距離よりも大きくなるように動作させる制御である。
具体的には、室内制御部69は、湿度が所定値以上であるとき、フラップ71の可動範囲の上限を制限することによって、フラップ71の姿勢P0〜P4の5段階姿勢のうち、空調空気の吹出方向を最も水平に近くする「姿勢P0」へ切り換えない。保水溝53に保持されている水が最も飛散し易いのは「姿勢P0」となるときであるので、風向制限制御によって、保水溝53からの水の飛散が防止される。
(2)
室内制御部69は、スイング動作モードにおいて風向制限制御を行う。フラップ71のスイング動作は、空調空気を脈動させて保水溝53に保持された水を一箇所に集合させる作用があり、それが水の飛散を助長する可能性が高い。しかし、風向制限制御によってフラップ71が保水溝から一定距離以内に近づかないようになるので、保水溝53の水が集合し難くなる。
(3)
保水溝53は、空調空気が吹出口56から水平に吹き出されるときの吹出方向側に位置するので、結露水を確実に保持する。その結果、空調空気による水の飛散が未然に防止される。
(変形例1)
上記実施形態では、フラップ71の動作モードがスイング動作モードのとき、湿度が所定値以上で風向制限制御が実行されているが、自動風向変更モード、或は非自動風向変更モードのときに実行されてもよい。
例えば、フラップ71の動作モードが自動風向変更モードのとき、室内制御部69は、フラップ71の姿勢を「姿勢P0」とするべき条件が揃っていても、湿度が所定値以上ならば「姿勢P1」を選択する。
また、フラップ71の動作モードが非自動風向変更モードのとき、ユーザーがリモートコントローラ99によってフラップ71の「姿勢P0」を選択しても、湿度が所定値以上ならば「姿勢P0」にはならず、「姿勢P1」となる。
つまり、室内制御部69は、湿度が所定値以上では、フラップ71の可動範囲の上限を制限するので、空調空気が保水溝53に当たらず、保水溝53に保持されている水の飛散は防止される。
(変形例2)
上記実施形態では、保水溝53が吹出口56近傍の結露水を保持するタイプの室内ユニット4において風向制限制御が行われているが、それに限定されるものではない。例えば、変形例2に係る室内ユニット4が、保水溝53を形成する代わりに不織布が配置されるタイプの室内ユニットであっても、風向制限制御が行われることによって、上記実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例3)
湿度が所定値以上から湿度が所定値未満になったとき、保水溝53の結露水がすぐさま消滅するものではないと推定される。そこで、変形例3に係る室内ユニット4では、湿度が所定値以上から所定値未満になった場合、直ぐに風向制限制御が解除されるのではなく、所定時間が経過した後に解除され、フラップ71のスイングの範囲が「姿勢P1〜姿勢P4」から「姿勢P0〜姿勢P4」に設定される。
これによって、空調空気によって飛散するような水が保水溝53に残った状態のまま、湿度が所定値以上から湿度が所定値未満になった場合でも、所定時間が経過して保水溝53に保持されている水が空調空気によって飛散しない程度にまで減少してから、フラップ71のスイングの範囲が「姿勢P1〜姿勢P4」から「姿勢P0〜姿勢P4」に設定される。その結果、水の飛散が防止される。
以上のように、本発明によれば、吹出口近傍の結露水が吹出空気によって吹き飛ばされるような現象が起こり難くなるので、空気の吹出口近傍が結露し易い機器に有用である。
4 室内ユニット
53 保水溝(保水部)
56 吹出口
64 湿度センサ(湿度検知部)
69 室内制御部
71 フラップ
特開平7−324802号公報

Claims (6)

  1. 空調空気を吹出口(56)から空調対象空間に吹き出す空気調和装置の室内ユニットであって、
    前記吹出口(56)から吹き出される前記空調空気の風向を変更するフラップ(71)と、
    前記空調対象空間の湿度を検知する湿度検知部(64)と、
    予め設定されている前記フラップ(71)の動作モードに基づいて前記フラップ(71)の動作を制御する制御部(69)と、
    を備え、
    前記制御部(69)は、前記空調対象空間の湿度が所定値以上であるとき、前記フラップ(71)の前記吹出口(56)に対する最小開度が、前記空調対象空間の湿度が所定値未満であるときの前記フラップ(71)の前記吹出口(56)に対する最小開度よりも大きくなるように動作させる、風向制限制御を行う、
    空気調和装置の室内ユニット(4)。
  2. 前記吹出口(56)の近傍に設けられ、前記吹出口(56)の近傍で結露した水を保持する保水部(53)をさらに備え、
    前記制御部(69)は、前記風向制限制御時、前記空調対象空間の湿度が所定値以上であるときの前記フラップ(71)の前記保水部(53)に対する最小距離が、前記空調対象空間の湿度が所定値未満であるときの前記フラップ(71)の前記保水部(53)に対する最小距離よりも大きくなるように動作させる、
    請求項1に記載の空気調和装置の室内ユニット(4)。
  3. 前記フラップ(71)の前記動作モードは、
    所定期間毎に動作方向を反転させるスイング動作モードと、
    前記空調空気の風向を自動的に変更する自動風向変更モードと、
    前記制御部(69)が遠隔操作装置を有する場合に前記遠隔操作装置に入力された操作に従って前記空調空気の風向を変更する非自動風向変更モードと、
    を含み、
    前記制御部(69)は、前記フラップ(71)の3つの前記動作モードのうち、少なくとも前記スイング動作モードにおいて、前記風向制限制御を行う、
    請求項2に記載の空気調和装置の室内ユニット(4)。
  4. 前記保水部(53)は、前記空調空気が前記吹出口(56)から水平に吹き出されるときの吹出方向側に位置する、
    請求項2又は請求項3に記載の空気調和装置の室内ユニット(4)。
  5. 前記制御部(69)は、前記フラップ(71)の水平方向に対する角度を変更することによって前記フラップ(71)の姿勢を可動範囲内で複数段階に切り換えることができ、前記風向制限制御時、前記フラップ(71)の前記可動範囲の上限を制限する、
    請求項4に記載の空気調和装置の室内ユニット(4)。
  6. 空調空気を吹出口(56)から空調対象空間に吹き出す空気調和装置の室内ユニットであって、
    前記吹出口(56)の近傍に設けられ、前記吹出口(56)の近傍で結露した水を保持する保水部(53)と、
    前記吹出口(56)から吹き出される前記空調空気の風向を変更するフラップ(71)と、
    前記空調対象空間の湿度を検知する湿度検知部(64)と、
    予め設定されている前記フラップ(71)の動作モードに基づいて前記フラップ(71)の動作を制御する制御部(69)と、
    を備え、
    前記制御部(69)は、前記フラップ(71)の水平方向に対する角度を変更することによって前記フラップ(71)の姿勢を可動範囲内で複数段階に切り換えることができ、前記空調対象空間の湿度が所定値以上であるとき、前記フラップ(71)の前記可動範囲の上限を制限する、風向制限制御を行う、
    空気調和装置の室内ユニット(4)。
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