JP2011231659A - 燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料供給装置1において、動粘度が高い燃料を使用する場合でも、金属イオン除去手段16により充分に金属イオンを除去する。
【解決手段】燃料供給装置1は、燃料を加熱する加熱手段18と、燃料を冷却する冷却手段19と、燃料温度を検出する温度検出手段20と、燃料動粘度を検出する動粘度検出手段21とを備え、ECU8は、燃料温度の検出値や燃料動粘度の検出値に応じて加熱手段18および冷却手段19を操作するように設けられている。これにより、燃料温度が低く燃料動粘度が高い場合に、加熱手段18をオンして燃料温度を上げるとともに燃料動粘度を下げることができる。このため、燃料動粘度が高く流動性の良くない品種を使用する場合でも確実に流動性を高めて、金属イオン除去手段16内に燃料を充分に分散かつ浸透させて金属イオンを除去することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に燃料を供給する燃料供給装置に関する。
従来から、内燃機関に供給される燃料には、不純物として極微量の金属イオンが含まれる一方、潤滑剤としてオレイン酸等の脂肪酸が添加されている。このため、燃料中で、金属イオンと脂肪酸との間に塩反応が起こり、脂肪酸金属塩が生成する可能性がある。そして、脂肪酸金属塩は、一般的に燃料に不溶であるため、例えば、インジェクタの摺動部等に析出して作動不良を引き起こす虞がある。
そこで、燃料供給装置では、燃料タンクからインジェクタに至る燃料の供給路に、燃料中の金属イオンを除去する金属イオン除去手段を配する技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の燃料供給装置によれば、例えば、キレート樹脂を金属イオンの捕捉材として利用したり、燃料流路に陽極および陰極を配して陰極に金属イオンを引き寄せることで電気化学的に金属イオンを除去したりしている。
ところで、金属イオン除去手段による除去効率は燃料の流動性に大きく依存している。すなわち、燃料の動粘度が高く流動性が低いほど、金属イオン除去手段における燃料の分散性や浸透性が低下して除去効率が下がる。
そこで、動粘度が高い燃料を使用する場合でも、金属イオン除去手段により充分に金属イオンを除去できるようにする必要がある。
特開2006−105092号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、燃料供給装置において、動粘度が高い燃料を使用する場合でも、金属イオン除去手段により充分に金属イオンを除去することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の燃料供給装置は、車両の内燃機関に燃料を供給するものであり、燃料に含まれる金属イオンを除去する金属イオン除去手段と、燃料の温度を検出する温度検出手段と、燃料を加熱する加熱手段と、温度検出手段により検出された燃料温度の検出値に応じて加熱手段を操作する制御手段とを備える。
これにより、燃料温度を燃料動粘度の目安として利用することで、燃料の温度が低く動粘度が高いと考えられる場合に、燃料を加熱して温度を上げるとともに燃料動粘度を下げることができる。このため、動粘度が高い燃料を使用する場合でも流動性を高めて、金属イオン除去手段により充分に金属イオンを除去することができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の燃料供給装置は、燃料を冷却する冷却手段を備え、金属イオン除去手段は、イオン交換樹脂またはキレート樹脂である。そして、制御手段は、燃料温度の検出値に対する上限値を記憶しており、燃料温度の検出値が上限値以下となるように加熱手段や冷却手段を操作する。
イオン交換樹脂やキレート樹脂は、高温になるとイオン交換基やキレート形成基から+イオンが脱離しやすくなる。このため、燃料動粘度の低減を求めて燃料温度を漠然と上昇させても、金属イオンの除去率は、特定の温度でピークを示すとともに特定の温度より高温では低下してしまう。
そこで、燃料温度に対して上限値を設定するとともに、燃料温度を上限値以下に制御する。これにより、イオン交換基やキレート形成基からの+イオンの脱離を抑制しながら燃料動粘度を適度に下げて、金属イオン除去率を最適化することができる。
また、イオン交換樹脂やキレート樹脂の母体樹脂は高温になるほど劣化するので、母体樹脂の劣化を抑制する点でも請求項2の手段は有効である。
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の燃料供給装置は、燃料の動粘度を検出する動粘度検出手段を備え、制御手段は、燃料動粘度の検出値に対する上限値を記憶しており、燃料動粘度の検出値が上限値以下となるように加熱手段を操作する。
燃料の品種には、寒冷地用の品種や、植物油を混合した品種等が存在しており、燃料温度と燃料動粘度との相関も品種毎に異なる。そこで、燃料動粘度を直接的に検出できるようにして、燃料動粘度を上限値以下に制御する。これにより、どのような品種の燃料を使用する場合でも、加熱不足による流動性不良を確実に解消することができる。
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の燃料供給装置は、走行風を金属イオン除去手段に導く走行風導入路と、走行風導入路を金属イオン除去手段に対して開閉する開閉ドアとを備える。そして、制御手段は、開閉ドアを操作することで、走行風による金属イオン除去手段の冷却を開始または停止する。
走行風は、簡易な構成で冷却媒体としての利用が可能になる。そこで、請求項4の手段を採用することにより、簡易な構成で金属イオン除去手段を冷却することができる。
燃料供給装置の構成図である(実施例1)。 (a)は燃料温度と燃料動粘度との相関図であり、(b)は燃料温度と金属イオン除去率との相関図である(実施例1)。 燃料供給装置による制御方法を示すフローチャートである(実施例1)。 燃料供給装置の要部構成図である(実施例2)。 (a)は燃料温度と燃料動粘度との相関図であり、(b)は燃料温度と金属イオン除去率との相関図である(変形例)。
実施形態1の燃料供給装置は、車両の内燃機関に燃料を供給するものであり、燃料に含まれる金属イオンを除去する金属イオン除去手段と、燃料の温度を検出する温度検出手段と、燃料を加熱する加熱手段と、温度検出手段により検出された燃料温度の検出値に応じて加熱手段を操作する制御手段とを備える。
また、実施形態1の燃料供給装置は、燃料を冷却する冷却手段を備え、金属イオン除去手段は、イオン交換樹脂またはキレート樹脂である。そして、制御手段は、燃料温度の検出値に対する上限値を記憶しており、燃料温度の検出値が上限値以下となるように加熱手段や冷却手段を操作する。
さらに、実施形態1の燃料供給装置は、燃料の動粘度を検出する動粘度検出手段を備え、制御手段は、燃料動粘度の検出値に対する上限値を記憶しており、燃料動粘度の検出値が上限値以下となるように加熱手段を操作する。
実施形態2の燃料供給装置は、走行風を金属イオン除去手段に導く走行風導入路と、走行風導入路を金属イオン除去手段に対して開閉する開閉ドアとを備える。そして、制御手段は、開閉ドアを操作することで、走行風による金属イオン除去手段の冷却を開始または停止する。
〔実施例1の構成〕
実施例1の燃料供給装置1の構成を、図面に基づいて説明する。
燃料供給装置1は、車両の内燃機関2に燃料を供給するものであり、例えば、図1に示すように、燃料タンク3から燃料を汲み上げ高圧化して吐出するサプライポンプ4と、サプライポンプ4から吐出された燃料を高圧状態で蓄圧するコモンレール5と、内燃機関2の気筒毎に搭載され、コモンレール5から燃料の分配を受けて気筒内に燃料を噴射するインジェクタ6とを備え、燃料タンク3からサプライポンプ4およびコモンレール5を経てインジェクタ6に至る燃料供給路7が形成されており、インジェクタ6から内燃機関2に燃料が噴射供給される。
また、燃料供給装置1は、サプライポンプ4やインジェクタ6等を駆動制御する電子制御装置(以下、ECUと呼ぶ。)8を備えており、ECU8は、CPU等を有する周知のマイコンと、サプライポンプ4やインジェクタ6等に給電するための各種の駆動回路とを含んで構成されている
サプライポンプ4は、例えば、燃料タンク3から燃料を汲み上げる低圧ポンプ11、低圧ポンプ11により汲み上げた燃料を高圧化して吐出する高圧ポンプ12、低圧ポンプ11から高圧ポンプ12に向かう流路に配されて高圧ポンプ12に吸入される燃料を調量する調量弁13等から構成される。そして、サプライポンプ4は、調量弁13の開度がECU8により制御されることで、吐出量を可変する。また、燃料タンク3と低圧ポンプ11との間の燃料供給路7には、燃料に含まれる異物を除去するフィルタ14が配され、異物除去済みの燃料がサプライポンプ4に供給される。
インジェクタ6は、例えば、電磁ソレノイド(図示せず)への通電により開弁して高圧の燃料を噴射するものであり、電磁ソレノイドへの通電がECU8により制御される。そして、電磁ソレノイドへの通電制御によって、インジェクタ6による噴射時期や噴射量が制御され、噴射されなかった余剰の燃料はインジェクタ6から燃料タンク3に戻される。
ここで、インジェクタ6内には、コモンレール5から高圧の燃料が導入される各種の燃料室が形成されており、例えば、噴孔(図示せず)を開閉する弁体(図示せず)のように燃料噴射の開始および停止に係わる部材は、これらの燃料室を高圧状態に維持しながらインジェクタ6内で変位する。このため、これらの部材は、クリアランスの狭い摺動部等を形成しており、このような摺動部等に脂肪酸金属塩が析出するとインジェクタ6の作動不良を引き起こす虞がある。
すなわち、内燃機関2に供給される燃料には、不純物として極微量の金属イオンが含まれる一方、潤滑剤としてオレイン酸等の脂肪酸が添加されている。このため、燃料中で、金属イオンと脂肪酸との間に塩反応が起こり、脂肪酸金属塩が生成する可能性がある。そして、脂肪酸金属塩は、一般的に燃料に不溶であるため、インジェクタ6の摺動部等に析出すると作動不良を引き起こす虞がある。
なお、コモンレール5を介してインジェクタ6により燃料を噴射する場合、上記の燃料室における燃料圧は100MPaを超えるような高圧になるので、摺動部等におけるクリアランスを極めて狭くする必要がある。したがって、このように狭いクリアランスを形成する摺動部等に脂肪酸金属塩が析出すると、インジェクタ6の作動不良を引き起こす虞はより高いものになってしまう。
そこで、燃料供給装置1は、燃料に含まれる金属イオンを除去する金属イオン除去手段16を備え、金属イオンを積極的に除去する。
金属イオン除去手段16は、イオン交換樹脂またはキレート樹脂の粒子を充填した充填層、もしくは、イオン交換樹脂またはキレート樹脂の粒子を担持した繊維からなる担持層等であり、燃料中の金属イオンとのイオン交換反応またはキレート形成反応により、金属イオンを捕捉するものである。
また、金属イオン除去手段16による金属イオン除去率は、燃料温度および燃料動粘度に大きく依存している。
すなわち、燃料温度および燃料動粘度は、図2(a)に示すように、燃料の品種ごとに異なる相関を有するが、これらの相関は、いずれも燃料温度の上昇に応じて燃料動粘度が指数関数的に減少するものである。このため、燃料温度が高くなるほど燃料動粘度が下がって燃料の流動性が高まるので、金属イオン除去手段16内における燃料の分散性や浸透性が向上する。
また、イオン交換樹脂やキレート樹脂は、高温になるとイオン交換基やキレート形成基(以下、イオン交換基とキレート形成基とをまとめて活性基と呼ぶことがある。)から+イオンが脱離しやすくなるので、燃料動粘度の低減を求めて燃料温度を漠然と上昇させると、金属イオン除去手段16の金属イオン捕捉機能が低下する。
したがって、燃料温度と金属イオン除去率との相関は、図2(b)に示すように、燃料の品種ごとに異なるものの、いずれの品種でも特定の温度で金属イオン除去率がピークを示すものとなる(以下、金属イオン除去率がピークを示す温度をピーク温度と呼ぶ。)。なお、ピーク温度は、同一の燃料温度における燃料動粘度が低く流動性の高い品種の方が低い。
すなわち、ピーク温度よりも低温側では、燃料温度の上昇による燃料動粘度の低下(燃料の流動性向上)の影響が顕著であり、金属イオン除去率は燃料温度の上昇とともに向上する。また、ピーク温度よりも高温側では、燃料温度の上昇による金属イオン除去手段16の金属イオン捕捉機能の低下(活性基からの+イオンの脱離進行)の影響が顕著であり、金属イオン除去率は燃料温度の上昇とともに低下する。
また、燃料温度と金属イオン除去率との相関線は品種ごとに異なるが、これらの相関線は、燃料温度の上昇とともに品種間差が小さくなるように上昇していき、ピーク温度が低い品種の相関線から、順次、1本の相関線に統一されていく。
つまり、ピーク温度よりも低温側では、金属イオン除去率を支配する主因子が燃料動粘度であり、燃料温度と燃料動粘度との相関は品種ごとに異なり、燃料動粘度の品種間差は燃料温度の上昇とともに小さくなる。このため、ピーク温度よりも低温側の金属イオン除去率は、燃料温度の上昇とともに品種間差が小さくなるように上昇していく。そして、ピーク温度よりも低温側では、燃料の品種にかかわらず、燃料動粘度と金属イオン除去率との間にほぼ1対1の対応関係が成り立っている。
ピーク温度よりも高温側では、金属イオン除去率を支配する主因子が活性基からの+イオンの脱離であり、活性基からの+イオンの脱離は燃料の品種とはほとんど相関がない。このため、ピーク温度よりも高温側の金属イオン除去率は、燃料温度の上昇とともに品種間差がなく、1本の相関線に統一されて低下していく。そして、ピーク温度よりも高温側では、燃料動粘度や燃料の品種にかかわらず、燃料温度と金属イオン除去率との間にほぼ1対1の対応関係が成り立っている。
以上のような金属イオン除去率に対する燃料温度および燃料動粘度の影響を緩和するため、燃料供給装置1は、燃料を加熱する加熱手段18と、燃料を冷却する冷却手段19と、燃料温度を検出する温度検出手段20と、燃料動粘度を検出する動粘度検出手段21とを備え、ECU8は、温度検出手段20により検出された燃料温度の検出値や動粘度検出手段21により検出された燃料動粘度の検出値に応じて加熱手段18および冷却手段19を操作するように設けられている。
加熱手段18は、例えば、通電により発熱する周知のヒータであり、ECU8の指令信号により通電をオンオフするように設定されている。
冷却手段19は、例えば、エンジン冷却水を冷却媒体として利用するものであって、エンジン冷却水と燃料との間で熱交換させる熱交換装置であり、ECU8の指令信号により、熱交換器へのエンジン冷却水の流通をオンオフするように設定されている。
なお、温度検出手段20や動粘度検出手段21は周知のセンサ機器である。
また、ECU8は、燃料動粘度の検出値や燃料温度の検出値に基づく加熱手段18および冷却手段19の操作を次のような方式に従って実行する。
まず、ECU8は、燃料動粘度の検出値に対する上限値ηmaxを記憶しており、燃料動粘度の検出値が上限値ηmax以下となるように加熱手段18を操作する。また、ECU8は、燃料温度の検出値に対する上限値Tmaxを記憶しており、燃料温度の検出値が上限値Tmax以下となるように加熱手段18や冷却手段19を操作する。
ここで、上限値ηmaxは、金属イオン除去率が所定の基準値以上となる数値として設定されている。なお、ピーク温度よりも低温側では、燃料温度や燃料の品種にかかわらず燃料動粘度と金属イオン除去率との間にほぼ1対1の対応関係が成り立つので、上限値ηmaxは、燃料の品種ごとに設定する必要はなく、単一の数値として設定することができる。
また、燃料動粘度が上限値ηmaxに達するときの燃料温度は燃料の品種ごとに異なり、同一温度における燃料動粘度が低い品種ほど、より低温で燃料動粘度が上限値ηmaxに達する。このため、金属イオン除去率が基準値に達するときの燃料温度も、同一の燃料温度における燃料動粘度が低い品種ほど、より低温で金属イオン除去率が基準値に達する。
また、上限値Tmaxは、例えば、流動性が最も高い品種のピーク温度の数値(つまり、最も低いピーク温度の数値)として設定されている。
なお、金属イオン除去手段16、加熱手段18、冷却手段19、温度検出手段20および動粘度検出手段21は、燃料タンク3とフィルタ14との間の燃料供給路7において、上流から下流に向かって加熱手段18、冷却手段19、温度検出手段20、動粘度検出手段21、金属イオン除去手段16の順に組み込まれている。
〔実施例1の制御方法〕
実施例1の燃料供給装置1による制御方法を、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS1で燃料動粘度を動粘度検出手段21により検出し、ステップS2で燃料動粘度の検出値が上限値ηmax以下か否かを判定する。そして、検出値が上限値ηmaxよりも大きい場合には(NO)、ステップS3に進み、検出値が上限値ηmax以下の場合には(YES)、ステップS4に進む。
ステップS3では、加熱手段18をオンするとともに冷却手段19をオフしてステップS1に戻る。これにより、加熱手段18によって加熱された燃料が金属イオン除去手段16に流入するようになり、金属イオン除去手段16に流入する燃料は動粘度が低下して流動性が高まっていく。この結果、燃料動粘度の検出値が上限値ηmax以下になれば(ステップS2でYESと判定されれば)、ステップS4に進む。
ステップS4では、燃料温度を温度検出手段20により検出し、ステップS5で燃料温度の検出値が上限値Tmax以下か否かを判定する。そして、検出値が上限値Tmaxよりも大きい場合には(NO)、ステップS6に進み、検出値が上限値Tmax以下の場合には(YES)、ステップS7に進む。
ステップS6では、加熱手段18をオフするとともに冷却手段19をオンしてステップS4に戻る。これにより、冷却手段19によって冷却された燃料が金属イオン除去手段16に流入するようになり、金属イオン除去手段16に流入する燃料は、活性基からの+イオン脱離を抑制できる程度の温度に制御される。この結果、燃料温度の検出値が上限値Tmax以下になれば(ステップS5でYESと判定されれば)、ステップS7に進む。
ステップS7では、加熱手段18および冷却手段19を両方ともオフにする。
以上の制御方法により、金属イオン除去手段16に流入する燃料は、燃料温度と金属イオン除去率との相関が、例えば図2(b)に示す領域α内に含まれるように制御される。つまり、金属イオン除去手段16に流入する燃料は、金属イオン除去率に対して流動性を最適に保ちながら、活性基からの+イオン脱離を抑制できる程度の温度に制御される。
〔実施例1の効果〕
実施例1の燃料供給装置1は、燃料に含まれる金属イオンを除去する金属イオン除去手段16と、燃料を加熱する加熱手段18と、燃料を冷却する冷却手段19と、燃料温度を検出する温度検出手段20と、燃料動粘度を検出する動粘度検出手段21とを備え、ECU8は、燃料温度の検出値や燃料動粘度の検出値に応じて加熱手段18および冷却手段19を操作するように設けられている。
これにより、燃料温度が低く燃料動粘度が高い場合に、加熱手段18をオンして燃料温度を上げるとともに燃料動粘度を下げることができる。このため、燃料動粘度が高く流動性の良くない燃料の品種を使用する場合でも確実に流動性を高めて、金属イオン除去手段16内に燃料を充分に分散かつ浸透させて金属イオンを除去することができる。
また、燃料温度が高く活性基から+イオンの脱離が進行する場合に、冷却手段19をオンして燃料温度を下げるとともに活性基からの+イオンの脱離を抑制することができる。このため、燃料温度の上昇による金属イオン除去手段16の金属イオン捕捉機能の低下を確実に阻止することができる。
また、イオン交換樹脂やキレート樹脂の母体樹脂は高温になるほど劣化するので、母体樹脂の劣化を抑制する点でも、冷却手段19の操作による燃料温度の制御は有効である。
さらに、金属イオン除去率と燃料温度との相関が一定の領域αに制御されることで、燃料動粘度も一定の数値範囲に制御されるので、燃料温度や燃料動粘度が変動することを見込んだ噴射補正制御が不要になる。
また、燃料動粘度の増大、ワックス析出等を確実に防止できるので、フィルタの目詰まりを抑制できる。
〔実施例2〕
実施例2の燃料供給装置1は、図4に示すように、走行風を金属イオン除去手段16に導く走行風導入路24と、走行風導入路24を金属イオン除去手段16に対して開閉する開閉ドア25とを備える。そして、ECU8は、開閉ドア25を操作することで、走行風による金属イオン除去手段16の冷却を開始または停止するように設けられている。また、金属イオン除去手段16には放熱フィン26が設けられており、放熱フィン26によって、走行風による金属イオン除去手段16の冷却を促進することができる。
走行風は、簡易な構成で冷却媒体としての利用が可能になる。そこで、車両外の雰囲気や、内燃機関2の発熱等により燃料や金属イオン除去手段16が高温になる場合に、冷却手段19によらず、走行風を利用する簡易な構成により、燃料や金属イオン除去手段16を冷却することができる。なお、冬季など外気温が低くなる場合には、過冷却による燃料動粘度の増大、ワックス析出等を防止するため、開閉ドア25は閉鎖される。
〔変形例〕
燃料供給装置1の態様は、実施例1、2に限定されず種々の変形例を考えることができる。例えば、実施例1、2の燃料供給装置1によれば、ECU8は、燃料動粘度の検出値に応じて加熱手段18をオンオフしていたが、燃料温度の検出値に応じて加熱手段18をオンオフするようにしてもよい。
すなわち、燃料温度と燃料動粘度との間には、図2(a)又は図5(a)に示す相関があるので、燃料温度を燃料動粘度の目安として利用することが可能である。
なお、燃料温度の検出値に応じて加熱手段18をオンオフする場合、加熱手段18をオンする基準となる燃料温度の下限値Tminは、例えば、図5に示すように、流動性の最も低い品種の燃料動粘度が上限値ηmaxとなるときの燃料温度の数値として設定することができる。そして、金属イオン除去率と燃料温度との相関は、領域αの高温部分を占める領域βに制御される。
また、金属イオン除去手段16として、活性炭を充填した充填層や活性炭を担持した担持層等を採用したり、陽極および陰極を有して陰極に金属イオンを引き寄せることで電気化学的に金属イオンを除去する電解槽等を採用する場合、活性基からの+イオンの脱離を懸念する必要がなくなるので、冷却手段19を装備することなく加熱手段18のみによって燃料温度や燃料動粘度を制御するようにしてもよい。
また、実施例1、2の燃料供給装置1によれば、燃料はコモンレール5を経てインジェクタ6に供給されていたが、コモンレール5を経由することなく、サプライポンプ4からインジェクタ6に燃料を供給するようにしてもよい。
また、実施例1、2の燃料供給装置1によれば、サプライポンプ4の調量弁13は、低圧ポンプ11から高圧ポンプ12に向かう流路に配されて高圧ポンプ12に吸入される燃料を調量することで、サプライポンプ4の吐出量を可変するものであったが、高圧ポンプ12の下流側に調量弁13を配して高圧ポンプ12から吐出される燃料を調量することで、サプライポンプ4の吐出量を可変するようにしてもよい。
また、実施例1、2の燃料供給装置1によれば、インジェクタ6は、電磁ソレノイドへの通電により開弁して高圧の燃料を噴射するものであったが、インジェクタ6を、ピエゾ素子への電圧印加により開弁して高圧の燃料を噴射するものとしてもよい。
1 燃料供給装置
2 内燃機関
8 ECU(制御手段)
16 金属イオン除去手段
18 加熱手段
19 冷却手段
20 温度検出手段
21 動粘度検出手段
24 走行風導入路
25 開閉ドア
ηmax 燃料動粘度の検出値に対する上限値
Tmax 燃料温度の検出値に対する上限値

Claims (4)

  1. 車両の内燃機関に燃料を供給する燃料供給装置において、
    燃料に含まれる金属イオンを除去する金属イオン除去手段と、
    燃料の温度を検出する温度検出手段と、
    燃料を加熱する加熱手段と、
    前記温度検出手段により検出された燃料温度の検出値に応じて前記加熱手段を操作する制御手段とを備える燃料供給装置。
  2. 請求項1に記載の燃料供給装置において、
    燃料を冷却する冷却手段を備え、
    前記金属イオン除去手段は、イオン交換樹脂またはキレート樹脂であり、
    前記制御手段は、前記燃料温度の検出値に対する上限値を記憶しており、前記燃料温度の検出値が前記上限値以下となるように前記加熱手段や前記冷却手段を操作することを特徴とする燃料供給装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料供給装置において、
    燃料の動粘度を検出する動粘度検出手段を備え、
    前記制御手段は、燃料動粘度の検出値に対する上限値を記憶しており、前記燃料動粘度の検出値が前記上限値以下となるように前記加熱手段を操作することを特徴とする燃料供給装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載の燃料供給装置において、
    走行風を前記金属イオン除去手段に導く走行風導入路と、
    この走行風導入路を前記金属イオン除去手段に対して開閉する開閉ドアとを備え、
    前記制御手段は、前記開閉ドアを操作することで、走行風による前記金属イオン除去手段の冷却を開始または停止することを特徴とする燃料供給装置。
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