JP2011231422A - 伸縮性嵩高清涼織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】適度な伸縮性を有すると共に、嵩高性があり適度な膨らみ感と、ソフトで爽やかな清涼感のある織物を提供する。
【解決手段】芯糸の熱収縮性の異なる2種の成分からなる複合構造を有するポリエステル系複合繊維フィラメント糸の周囲に、花糸のR率が8%以下のセルロース系フィラメント糸を、芯糸に対して1.05〜1.20倍の糸長比で捲回させて複合糸とし、さらにこの複合糸に鞘糸としてR率が8%以下のセルロース系フィラメント糸を撚数500〜800T/mの条件でカバーリング撚糸して形成した複合加工撚糸にて、目付180〜240g/mの織物を構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、伸縮性嵩高清涼織物に関し、更に詳しくは、適度な伸縮性を有すると共に、嵩高性があり適度な膨らみ感と、ソフトで爽やかな清涼感のある織物に関する。
従来、適度な伸縮性のある中肉の織物は、パンツ等のボトム商品をはじめとして、ジャケット、スーツ等の衣料分野で広く使用されているが、更に、快適な着用感と清涼感、高級感のある光沢、適度な膨らみ感のある商品が求められ、各種商品が提案、上市されている。例えば、熱収縮性の異なる2種の成分からなる複合構造を有するポリエステル系複合繊維のフィラメント糸を用いた織物は、伸縮性、張り腰、反発感に優れ、多くの商品開発がなされ、また上市もされている。
しかしながら、ポリエステル系複合繊維のフィラメント糸は、石油由来のワキシイな風合い、低吸湿性からくるムレ感や静電気の発生、屈折率が高いことからくる金属感光沢、鮮明な発色性の欠ける等の問題がある。また、織物に用いる際撚数が少ないと、ポリエステル系複合繊維のフィラメント糸の有するトルクにより、織物にシボが発生し、外観、意匠性を損ない、ソフトで膨らみ感のある商品が得られ難いという問題がある。
前記問題の一つを解決する手段として、ポリエステル系複合繊維のフィラメント糸をレーヨンフィラメント糸と複合化し、この複合糸を用いることが特許文献1で提案されているが、通常のレーヨンフィラメント糸は、水膨潤性による収縮が大きく、膨らみ感の表現が困難であり、また膨潤堅牢度が得難い、乾燥速度が遅い等の問題がある。
特開2006−291427号公報
本発明の目的は、適度な伸縮性を有すると共に、嵩高性があり適度な膨らみ感と、ソフトで爽やかな清涼感があり、更に、高級感のある絹様光沢や発色性に優れ、ムレ感や静電気の発生の少ない、快適な着用感に富んだ、伸縮性嵩高清涼織物を提供することにある。
本発明の要旨は、熱収縮性の異なる2種の成分からなる複合構造を有するポリエステル系複合繊維のフィラメント糸からなる芯糸の周囲に、下記式で求めるR率が8%以下のセルロース系フィラメント糸を花糸として、芯糸に対して1.05〜1.20倍の糸長比で、捲回させた複合糸に、R率が8%以下のセルロース系フィラメント糸を鞘糸として撚数500〜800T/mの条件でカバーリング撚糸して形成した複合加工糸にて、目付180〜240g/mに織成した伸縮性嵩高清涼織物、にある。
R(%)=[(m−m’)/m’]×100
m :試料の標準状態の質量(g)
m’:試料の絶乾質量(g)
(なお、標準状態の質量は、予備乾燥(試料を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にする)した後、標準状態(温度20±2℃、相対湿度65±4%)の環境下に放置し、恒量になった状態の質量であり、絶乾質量は、試料を温度105±2℃の熱風乾燥機中に放置して恒量になった状態の質量である。)
本発明によれば、ポリエステル系フィラメント糸の有するワキシイな風合い、低吸湿性からくるムシ感や静電気発生、屈折率が高いことからくる金属感のある光沢あり、鮮明な発色性に欠ける等の問題を改善し、従来の中肉の伸縮性織物では表現できなかった、ソフトで爽やかな清涼感と、嵩高性に優れた適度な膨らみ感があり、高級感のある絹様光沢、発色性に優れ、ムレ感や静電気発生の少ない快適な着用感等、高級感に富んだ伸縮性嵩高清涼織物を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の織物を構成する複合加工糸は、ポリエステル系複合繊維のフィラメント糸を芯糸、R率が8%以下のセルロース系フィラメント糸を花糸とした複合糸に、鞘糸(カバーリング糸または押さえ糸ともいわれる)がカバーリング撚糸された糸構造を有する。
複合糸を構成する芯糸のポリエステル系複合繊維のフィラメント糸は、熱収縮性の異なる2種のポリエステル系ポリマを複合成分として複合紡糸して得られ、2種の成分から形成された複合構造を有する繊維フィラメント糸であり、独立した熱処理或いは染色・仕上加工等での加熱によってコイル状等の捲縮が発現する潜在捲縮糸であることが好ましい。また、このポリエステル系複合繊維のフィラメント糸は、パーンからの解舒等の賦形によって捲縮が形成された顕在捲縮糸であってもよい。ポリエステル系複合繊維のフィラメント糸の捲縮の程度は、織物の構成糸である複合加工糸の伸縮性に関連するが、特に限定はない。
熱収縮性の異なる2種の成分としては、求める織物の伸縮性にもよるが、好ましくは熱収縮率で5%以上差があり、複合構造としたときに熱で捲縮を発現し得るポリマの組み合わせであればよく、入手の容易さから、例えば一方がポリエチレンテレフタレート、他方がイソフタール酸、5−スルホイソフタール酸、アジピン酸等を単独或いは複数共重合したポリエチレンテレフタレート、好ましくは異染性獲得の点から、ポリエチレンテレフタレートと、5−スルホイソフタール酸及びアジピン酸を共重合したポリエチレンテレフタレートとの組み合わせまたは複屈折率或いは固有粘度の異なるポリエチレンテレフタレートの組み合わせ等である。複合紡糸する際の複合構造型、複合比、紡糸条件、単糸の繊度、断面形状等については特に限定はない。
また、複合糸を構成する花糸のR率が8%以下のセルロース系フィラメント糸は、セルロースを原料とした半合成繊維のフィラメント糸であり、R率3.5%のセルローストリアセテートフィラメント糸、R率6.5%のセルロースジアセテートフィラメント糸等のセルロースアセテート系フィラメント糸等が挙げられる。セルロースアセテート系フィラメント糸は、その低屈折率からくる鮮明性、発色性、高級感のある光沢、適度なヤング率、分散染料可染性、適度な吸湿性、速乾性等を有する点から好ましく用いられ、特に風合いや光沢の高級感の点からセルローストリアセテートフィラメント糸がより好ましく用いられる。これらの繊維フィラメント糸の製法、単糸の繊度、断面形状等については特に限定はない。
本発明におけるポリエステル系複合繊維のフィラメント糸を芯糸、R率が8%以下のセルロース系フィラメント糸を花糸とした複合糸は、芯糸の周囲に、芯糸に対して1.05〜1.20倍の糸長比で、花糸を捲回させる必要がある。芯糸に対しての花糸の糸長比が1.05倍未満では、鞘糸でカバーリングして複合加工糸としたときに、嵩高性が低くなり、ポリエステル系複合繊維のフィラメント糸の影響が顕れ易く、硬くガサツキのある風合いとなり、ソフトで清涼感に優れた膨らみ感のある風合いが得られず、また染色性差によるイラツキも出易くなる。一方芯糸に対しての花糸の糸長比が1.20倍を超えると、ネップ調或いはスラブ調の外観となり複合加工糸の意匠性が強くなり、用途が制限される。
本発明において、かかる構造の複合糸は、ポリエステル系複合繊維のフィラメント糸を芯糸とし、芯糸の加撚域に、芯糸に対する花糸の供給速度比を1.05〜1.20倍とした供給速度で、R率が8%以下のセルロース系フィラメント糸である花糸を挿入し、芯糸の周囲に花糸を捲回させることにより製造することができる。
本発明における鞘糸でカバーリングしてなる複合加工糸の製造に際しては、前記の芯糸と花糸からなる複合糸に、R率が8%以下のセルロース系フィラメント糸を鞘糸として撚数500〜800T/mの条件でカバーリング撚糸することが必要である。カバーリング撚糸する際の撚数が500T/m未満では、複合加工糸の集束性が悪くなり、後工程において素抜けや糸ズレといった問題が発生する。カバーリング撚糸での撚数が800T/mを超えると、撚糸による嵩高性低下が生じ、また撚糸によるシャリ感が強くなり、ガサツキを呈するため、ソフトで清涼感に優れた膨らみ感のある風合いが得られない。
この鞘糸でのカバーリング撚糸により、複合加工糸表面をセルロース系フィラメント糸が被うため、セルロース系フィラメント糸に由来する風合いや外観が得られる。またポリエステル系複合繊維のフィラメント糸の有するトルクによる織物にシボが発生する問題も解決する。鞘糸のカバーリング撚糸には、意匠撚糸機やトライツイスターが用いられ、特に生産性やコストの点でトライツイスターが好ましく用いられる。
鞘糸でカバーリングしてなる複合加工糸全体におけるセルロース系フィラメント糸の混用率は、好ましくは50〜86質量%、より好ましくは55〜80質量%であり、セルロース系フィラメント糸の混用率が、50質量%未満では、セルロース系フィラメント糸の特徴が発揮され難く、86質量%を超えると、ポリエステル系複合繊維のフィラメント糸による十分な伸縮特性が得られ難い。
本発明における鞘糸でカバーリングしてなる複合加工糸は、繊度が300〜500dtexである糸であることが好ましく、複合加工糸の繊度が、300dtex未満では、得られる織物に十分な嵩高性が得られ難く、ハリ感に欠けるものとなり、繊度が500dtexを超えると、織物としたときに布厚が大きく、重いものとなり快適な着用感が得られ難い。
本発明の織物は、鞘糸でカバーリングしてなる複合加工糸を、織物の経糸及び緯糸の両方或いはいずれか一方に用いて、織成され、織物の目付を180〜240g/mとすることが必要である。目付が180g/m未満では、織物の膨らみ感がなく、目付が240g/mを超えると、布厚が大きく、重いものとなり快適な着用感が得られない。
本発明の織物の織組織としては、特に限定されるものではなく、例えば、平織組織、綾織組織、朱子織組織、梨地組織或いはこれらの変わり組織等が挙げられ、織組織は織物の使用用途に応じた風合い、意匠性等を考慮して適宜選択されるが、平織組織、綾織組織、梨地組織等の浮きの少ない組織は、打ち込みの少ない組織であるため、生産性、コストの点で好ましく用いられる。織成に用いる織機についても、特に限定はないが、エアージェットルームが好ましく用いられる。
織成に際しては、本発明の織物の目的とする風合いや伸縮性、外観等を損なわない範囲で、本発明における複合加工糸以外に、他の糸を併用してもよいが、本発明の織物は、本発明における複合加工糸が、50質量%以上、さらには60質量%以上含有されて構成されることが望ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。実施例において、R率の測定は、試料約20gを採り、その標準状態の質量及び絶乾質量を量り、下記式によって算出し、2回の平均値をJIS Z8401によって小数点以下1桁にして得た。
R(%)=[(m−m’)/m’]×100
m :試料の標準状態の質量(g)
m’:試料の絶乾質量(g)
また、実施例中、風合いや発色性等はハンドリング、目視によって評価した。
(実施例1)
芯糸として、下記の熱収縮性の異なる2種の成分1、2からなる複合構造を有するポリエステル系複合繊維フィラメント糸V210(三菱レイヨン社製、単糸丸断面、潜在捲縮型)110dtex/24フィラメント(f)、花糸として、セルローストリアセテートフィラメント糸(三菱レイヨン社製、単糸菊型断面、R率3.5%)167dtex/40fを用い、芯糸の加撚域に、下記の条件になるように、芯糸に対する花糸の供給速度比を1.1倍とした供給速度で花糸を挿入し、芯糸の周囲に花糸を捲回させた複合糸に、鞘糸として、セルローストリアセテートフィラメント糸(三菱レイヨン社製、単糸菊型断面、R率3.5%)110dtex/26fを用い、トライツイスター(オゼキテクノ社製)にて、下記の条件でカバーリング撚糸して糸繊度428dtexの複合加工糸を作成した。なお、得られた複合加工糸におけるセルローストリアセテートフィラメント糸の混用率は73%であった。
成分1:ポリエチレンテレフタレート(単独ポリマ繊維での乾熱収縮率8%)
成分2:イソフタール酸8.3モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(単独ポリマ繊維での乾熱収縮率18%)
複合構造:貼り合わせ型(複合比1:1)
芯糸に対する花糸の糸長比:1.1倍
カバーリング撚数:750T/m(撚方向:Z)
得られた複合加工糸を経糸及び緯糸に用い、エアージェットルームにて、通し巾198.5cm、経糸密度43本/吋、緯糸密度39本/吋の平織組織にて製織し織物を作成した。この生機を常法に従って分散染料で黒色に130℃で染色し、仕上げ加工し、仕上巾が142cm、経糸密度60本/吋、緯糸密度46本/吋、目付220g/mの織物を得た。得られた織物は、適度な伸縮性と嵩高性に優れ、膨らみ感があり、高級感のある絹様光沢を有する外観と、絹様のドライでソフトな風合いがあり、爽やかな清涼感に富み、黒の発色性に優れた高級感のある織物であった。また得られた織物は、可縫性が向上し、製品は含まれるセルローストリアセテートフィラメント糸により吸湿性、吸水速乾性を有し、快適な着用感を有するものであった。
(比較例1)
実施例1において、複合糸の作成の際の芯糸に対する花糸の糸長比を1.0倍とした以外は、実施例1と同様にして複合加工糸及び織物を作成し、染色、仕上げ加工を行い、織物を得た。得られた織物は、実施例1で得た織物に比べ、風合いも硬く、ガサツキ感があり、嵩高性に劣り、膨らみ感に欠けた織物であった。また得られた織物は、ポリエステル系複合繊維フィラメント糸とセルローストリアセテートフィラメント糸との染色性差からくるイラツキがあるものであり、本発明の伸縮性嵩高清涼織物とは異なるものであった。
(比較例2)
実施例1において、複合糸の作成の際の芯糸に対する花糸の糸長比を1.25倍とした以外は、実施例1と同様にして複合加工糸及び織物を作成し、染色、仕上げ加工を行い、織物を得た。得られた織物は、実施例1で得た織物に比べ、適度な伸縮性と嵩高性に優れた膨らみ感を有するものであったが、外観がネップ調で荒れたものであり、本発明の伸縮性嵩高清涼織物とは異なるものであった。
(実施例2)
芯糸として、下記の熱収縮性の異なる2種の成分1、2からなる複合構造を有するポリエステル系複合繊維フィラメント糸V714(三菱レイヨン社製、単糸丸断面、太細斑糸、潜在捲縮型)135dtex/48f、花糸として、セルローストリアセテートフィラメント糸(三菱レイヨン社製、単糸菊型断面、R率3.5%)167dtex/40fを用い、芯糸の加撚域に、下記の条件になるように、芯糸に対する花糸の供給速度比を1.1倍とした供給速度で花糸を挿入し、芯糸の周囲に花糸を捲回させた複合糸に、鞘糸として、セルローストリアセテートフィラメント糸(三菱レイヨン社製、単糸菊型断面、R率3.5%)110dtex/26fを用い、トライツイスター(オゼキテクノ社製)にて、下記の条件でカバーリング撚糸して糸繊度466dtexの複合加工糸を作成した。なお、得られた複合加工糸におけるセルローストリアセテートフィラメント糸の混用率は69%であった。
成分1:実施例1に同じ
成分2:実施例1に同じ
複合構造:貼り合わせ型(複合比1:1)
芯糸に対する花糸の糸長比:1.1倍
カバーリング撚数:750T/m(撚方向:Z)
得られた複合加工糸を経糸及び緯糸に用い、通し巾195.5cm、経糸密度43本/吋、緯糸密度39本/吋の平織組織にて製織し織物を作成した。この生機を常法に従って皺加工し、分散染料でベージュ色に120℃で染色し、仕上げ加工し、仕上巾が143cm、経糸密度59本/吋、緯糸密度46本/吋、目付225g/mの織物を得た。得られた織物は、適度な伸縮性と嵩高性に優れ、膨らみ感があり、皺加工によったナチュラルな表面凹凸と、高級感のある絹様光沢を有する外観と、絹様のドライでソフトな風合いがあり、爽やかな清涼感に富み、ベージュ色の発色性に優れた高級感のある織物であった。また得られた織物は、可縫性が向上し、製品は含まれるセルローストリアセテートフィラメント糸により吸湿性、吸水速乾性を有し、快適な着用感を有するものであった。
(実施例3)
芯糸として、下記の熱収縮性の異なる2種の成分1、2からなる複合構造を有するポリエステル系複合繊維フィラメント糸V714(三菱レイヨン社製、単糸丸断面、太細斑糸、潜在捲縮型)120dtex/24f、花糸として、セルローストリアセテートフィラメント糸(三菱レイヨン社製、単糸菊型断面、R率3.5%)60dtex/15fとセルロースジアセテートフィラメント糸(三菱レイヨン社製、単糸菊型断面、R率6.5%)30dtex/7fとのエアー混繊糸を用い、芯糸の加撚域に、下記の条件になるように、芯糸に対する花糸の供給速度比を1.1倍とした供給速度で花糸を挿入し、芯糸の周囲に花糸を捲回させた複合糸に、鞘糸として、セルローストリアセテートフィラメント糸(三菱レイヨン社製、単糸菊型断面、R率3.5%)110dtex/26fを用い、トライツイスター(オゼキテクノ社製)にて、下記の条件でカバーリング撚糸して糸繊度363dtexの複合加工糸を作成した。なお、得られた複合加工糸におけるセルローストリアセテートフィラメント糸の混用率は55%、セルロースアセテート系フィラメント糸としての混用率は65%であった。
成分1:実施例1に同じ
成分2:実施例1に同じ
複合構造:貼り合わせ型(複合比1:1)
芯糸に対する花糸の糸長比:1.1倍
カバーリング撚数:750T/m(撚方向:Z)
得られた複合加工糸を経糸及び緯糸に用い、通し巾198cm、経糸密度51本/吋、緯糸密度42本/吋の平織組織にて製織し織物を作成した。この生機を、苛性ソーダ水溶液にてセルロースジアセテートフィラメント糸を完全鹸化した後、常法に従って分散染料で黒色に130℃で染色し、仕上げ加工し、仕上巾が142cm、経糸密度72本/吋、緯糸密度50本/吋、目付211g/mの織物を得た。得られた織物は、鹸化されたセルロースジアセテートフィラメント糸が分散染料には不染のため白残しになり、トップミックス調のナチュラルナな異色効果を呈するものであり、適度な伸縮性と嵩高性に優れ、膨らみ感があり、高級感のある絹様光沢を有する外観と、絹様のドライでソフトな風合いがあり、爽やかな清涼感に富み、高級感のある織物であった。また得られた織物は、可縫性が向上し、製品は含まれるセルローストリアセテートフィラメント糸と鹸化されたセルロースジアセテートフィラメント糸により吸湿性、吸水速乾性を有し、快適な着用感を有するものであった。
(比較例3)
実施例2において、複合加工糸の作成の際のカバーリング撚数を1000T/mとした以外は、実施例2と同様にして複合加工糸及び織物を作成し、染色、仕上げ加工を行い、織物を得た。得られた織物は、実施例2で得た織物に比べ、風合いが硬く、ガサツキ感があり、嵩高性に劣り、膨らみ感に欠け、本発明の伸縮性嵩高清涼織物とは異なるものであった。
(比較例4)
実施例1において、複合糸の作成の際の芯糸をポリエステル系複合繊維フィラメント糸V210(三菱レイヨン社製、単糸丸断面、潜在捲縮型)56dtex/12f、花糸をセルローストリアセテートフィラメント糸(三菱レイヨン社製、単糸菊型断面、R率3.5%)110dtex/26fとし、複合加工糸の作成の際の鞘糸をセルローストリアセテートフィラメント糸(三菱レイヨン社製、単糸菊型断面、R率3.5%)84dtex/20fとした以外は、実施例1と同様にして複合加工糸を作成した。得られた複合加工糸は、糸繊度が273dtex、セルローストリアセテートフィラメント糸の混用率が79%であった。
得られた複合加工糸を経糸及び緯糸に用い、通し巾198.5cm、経糸密度54本/吋、緯糸密度49本/吋の平織組織にて製織し織物を作成した。この生機を常法に従って分散染料で黒色に染色し、仕上げ加工した。得られた織物は、仕上巾142cm、経糸密度76本/吋、緯糸密度59本/吋、目付176g/mの織物であった。この織物は、適度な伸縮性や高級感のある絹様光沢を有していたが、嵩高感や膨らみ感が不十分であった。
(比較例5)
実施例1において、複合糸の作成の際の花糸をセルローストリアセテートフィラメント糸(三菱レイヨン社製、単糸菊型断面、R率3.5%)220dtex/34fとし、複合加工糸の作成の際の鞘糸をセルローストリアセテートフィラメント糸(三菱レイヨン社製、単糸菊型断面、R率3.5%)167dtex/40fとした以外は、実施例1と同様にして複合加工糸を作成した。得られた複合加工糸は、糸繊度が542dtex、セルローストリアセテートフィラメント糸の混用率が78%であった。
得られた複合加工糸を経糸及び緯糸に用い、通し巾198.5cm、経糸密度38本/吋、緯糸密度35本/吋の平織組織にて製織し織物を作成した。この生機を常法に従って分散染料で黒色に130℃で染色し、仕上げ加工した。得られた織物は、仕上巾142cm、経糸密度53本/吋、緯糸密度42本/吋、目付246g/mの織物であった。この織物は、適度な伸縮性や膨らみ感を有していたが、目付けが思いものであり快適な着用感のあるものではなかった。
本発明の織物は、その構成の複合加工糸に含まれるポリエステル系複合繊維フィラメント糸の発現する捲縮に応じて中度の伸縮性から高度の伸縮性を有し、ソフトで爽やかな清涼感と、嵩高性に優れた適度な膨らみ感があり、高級感のある絹様光沢、発色性に優れ、ムレ感や静電気発生の少ない快適な着用感等、高級感に富むもので、パンツ等のボトム商品をはじめとして、ジャケット、スーツ等の衣料分野での商品をより高級化、快適化することを可能とするものである。

Claims (3)

  1. 熱収縮性の異なる2種の成分からなる複合構造を有するポリエステル系複合繊維のフィラメント糸からなる芯糸の周囲に、下記式で求めるR率が8%以下のセルロース系フィラメント糸を花糸として、芯糸に対して1.05〜1.20倍の糸長比で、捲回させた複合糸に、R率が8%以下のセルロース系フィラメント糸を鞘糸として撚数500〜800T/mの条件でカバーリング撚糸して形成した複合加工糸にて、目付180〜240g/mに織成した伸縮性嵩高清涼織物。
    R(%)=[(m−m’)/m’]×100
    m :試料の標準状態の質量(g)
    m’:試料の絶乾質量(g)
    (なお、標準状態の質量は、予備乾燥(試料を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にする)した後、標準状態(温度20±2℃、相対湿度65±4%)の環境下に放置し、恒量になった状態の質量であり、絶乾質量は、試料を温度105±2℃の熱風乾燥機中に放置して恒量になった状態の質量である。)
  2. 複合加工糸が、糸繊度300〜500dtexの複合加工糸である請求項1に記載の伸縮性嵩高清涼織物。
  3. セルロース系フィラメント糸が、セルロースアセテート系フィラメント糸である請求項1又は請求項2に記載の伸縮性嵩高清涼織物。
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