JP2011230731A - ブレーキ油圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホイールローダ1のような大容量の機械式ブレーキにも適用でき、電気系統が故障しても必要な制動力を確保できるブレーキ油圧制御装置を提供する。
【解決手段】ブレーキ操作に応じて機械式ブレーキ21への供給油圧を制御するブレーキ油圧制御装置に、ブレーキ指令油圧P1を発生する手段(ブレーキバルブ40)と、このブレーキ指令油圧P1を受けて開動作し、ブレーキ制御油圧P2を出力するリレーバルブ50と、このリレーバルブ50に減圧指令油圧P3を付加する電磁比例バルブ60と、を備える。所定の状態で電磁比例バルブ60に電気指令を出力し、ブレーキ制御油圧P2を減圧させる制御装置20と、その電気指令に拘わらず減圧指令油圧P3の増大を制限する減圧指令制限手段70と、をさらに備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等における回生ブレーキと機械式ブレーキとの協調制御に関連し、特に電気系統の故障に対応するフェールセーフの技術に係る。
従来より、走行駆動用の電動モータ(電動発電機)を備えた電気自動車やハイブリッド自動車においては、例えば特許文献1に記載のように車両の減速時に運動エネルギを回生して、電動モータを発電動作させるようにしている。この際、その回生制動力の分は機械式ブレーキによる制動力を低下させて、両者を併せたトータルの制動力が乗員のブレーキ操作に見合ったものとなるように、いわゆる協調制御を行うことになる。
具体的に、同文献に記載の制動制御装置では、ブレーキペダルの操作量から目標制動力と目標回生制動力とを決定し、電動モータによる回生制動力を制御するとともに、車両の減速度から求められる実際の回生制動力と前記目標制動力との偏差に応じて電磁バルブの開度を制御し、機械式ブレーキのブレーキシリンダへ供給する油圧を減圧するようにしている。
但し、そうして電磁バルブによりブレーキシリンダへの供給油圧を制御するようにした場合、例えば電気系統の故障によって電磁バルブが誤作動し、ブレーキシリンダへの供給油圧が低くなり過ぎると、乗員の操作に見合った十分な制動力が得られなくなる。
この点につき特許文献2には、マスタシリンダの発生するブレーキ油圧を電磁バルブにより減圧して、ブレーキシリンダに伝達するようにした油圧制御装置において、その電磁バルブに弁体をバイパスする油路を設けるとともに、この油路にチェックバルブを介設することが開示されている。こうすると、弁体が弁座に固着したときにはチェックバルブが開いて、一次側のブレーキ油圧が二次側に伝達されるようになる。
このことで、電磁バルブの弁体固着の故障時にもブレーキの動作を確保できるとともに、前記のように過大な減圧指令が出されて電磁バルブが誤作動した場合でも、乗員がブレーキペダルを踏み込んで一次側の油圧が上昇すれば、前記の弁体の固着時と同様にこれをバイパスする油路によってブレーキ油圧が二次側に伝達されるようになり、機械式ブレーキが動作するものと考えられる。
特開平08−163707号公報 特開平11−301439号公報
しかしながら、前記特許文献2に記載の減圧バルブは、車両の乗員によるブレーキペダルの踏み操作に応じて、マスタシリンダの発生するブレーキ油圧を減圧して直接、ブレーキシリンダに伝達する。そのため、乗用車のように比較的容量の小さなブレーキシステムには適用できても、例えばホイールローダのように容量の大きなブレーキシステムには適用できない。
そこで、本発明の目的は、大容量のブレーキシステムにも適用できるとともに、たとえ電気系統が故障しても、ブレーキ操作に応じて必要な制動力が得られるブレーキ油圧制御装置を提供することにある。
かかる目的を達成するために本発明では、ブレーキ操作に対応するブレーキ指令油圧とこれに対抗する減圧指令油圧とに応じて、リレーバルブからブレーキシリンダへ制御油圧を出力させるように構成した上で、電気系統が故障したときにも減圧指令油圧があまり増大しないように制限したものである。
具体的に本発明は、ブレーキ操作に応じて機械式ブレーキのブレーキシリンダへの油圧を制御するブレーキ油圧制御装置が対象である。そして、前記ブレーキ操作に応動してブレーキ指令油圧を発生する指令油圧発生手段と、前記ブレーキシリンダへの制御油圧を減圧するための減圧指令油圧を出力する電磁比例バルブと、前記ブレーキ指令油圧と減圧指令油圧とに基づいて供給油圧を調整した制御油圧を、前記ブレーキシリンダへ出力するリレーバルブと、車両状態に応じた指令値を前記電磁比例バルブへ出力し、この指令値に基づいて前記制御油圧を減圧させる制御手段と、この制御手段からの指令値に拘わらず、前記減圧指令油圧の減圧量を制限する減圧指令制限手段と、を備えるものである。
このように構成されたブレーキ油圧制御装置を、例えばホイールローダのような車両のブレーキ油圧系に用いた場合、基本的には、乗員のブレーキ操作に応動して指令油圧発生手段がブレーキ指令油圧を発生する。そして、減圧指令油圧が零であればリレーバルブが前記ブレーキ指令油圧に応じて供給油圧を調整し、乗員のブレーキ操作に対応する制御油圧をブレーキシリンダへ供給する。この制御油圧を受けてブレーキシリンダは、乗員のブレーキ操作に見合った制動力を発生するようになる。
一方、例えば車両の走行駆動系に電動発電機が含まれていてる場合に、この電動発電機を発電動作させて運動エネルギを回生するときには、制御手段から前記電磁比例バルブへ車両状態(一例として車両の走行速度や蓄電器の蓄電量)に応じた指令値が入力し、ここから出力される減圧指令油圧によって前記リレーバルブからの制御油圧が減圧される。この減圧分はブレーキシリンダの発生する制動力が減少するので、その分、回生制動量を増大させて効果的にエネルギ回生を行うことが可能になる。
ここで、前記制御手段を含めた電気系統の故障等によって前記電磁比例バルブに過大な指令値が入力した場合、これに応じて電磁比例バルブから過度に大きな減圧量の減圧指令油圧が出力されるおそれがあるが、この減圧量が減圧指令制限手段によって、電気指令の大きさに拘らず制限されるから、これを受けるリレーバルブからの制御油圧が過度に減圧されることはない。よって、電気系統が故障したとしても必要な制動力を確保することができる。
一例として前記リレーバルブは、前記ブレーキ指令油圧をパイロット圧として受けて開動作するとともに、前記減圧指令油圧は反対に閉じ側へのパイロット圧として受けるように構成すればよい。
また、一例として前記減圧指令制限手段は、前記電磁比例バルブからリレーバルブへの減圧指令油圧の供給路に接続したリリーフバルブとすることができる。こうすれば、簡単な構成で十分な応答性が得られ、故障が発生したときにも減圧指令油圧が所定圧を超えないように制限することができる。しかも、故障が発生しなければリリーフバルブは動作せず、油圧のロスが生じない。
或いは、前記減圧指令制限手段は、前記電磁比例バルブからの減圧指令油圧ではなくて、該電磁比例バルブへの供給油圧を所定圧以下に制限するものとしてもよい。例えば、油圧源から電磁比例バルブへの油圧の供給路に減圧バルブを介設することによって、減圧指令制限手段を構成することができる。
また、前記減圧指令制限手段の他の例として、前記油圧源の油圧を調整するためのアンロードバルブが設けられている場合には、このアンロードバルブのドレン側と前記電磁比例バルブとを接続して油圧回路を構成し、この油圧回路に前記リリーフバルブを接続してもよい。
さらに、前記減圧指令制限手段の他の例として、前記電磁比例バルブからリレーバルブへの減圧指令油圧の供給路に遮断バルブを介設し、この遮断バルブを、前記ブレーキ指令油圧が所定圧以上になると前記供給路を遮断するように構成してもよい。こうすれば、乗員のブレーキ操作に応じて発生するブレーキ指令油圧が所定圧以上になると、たとえ電磁比例バルブが誤作動していても、その影響を何ら受けることなくブレーキ操作に応じたブレーキ制御油圧が出力されるようになる。
本発明によれば、大容量のブレーキシステムにも適用できるとともに、たとえ電気系統が故障しても、ブレーキ操作に応じて必要な制動力が得られるブレーキ油圧制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るブレーキ油圧制御装置を適用したホイールローダの概略構成図である。 同ホイールローダの駆動系の構成例を示すブロック図である。 同ホイールローダのブレーキ制御系統の一例を示すブロック図である。 実施形態1に係るブレーキ油圧制御装置の一例を示す回路図である。 同ブレーキ油圧制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。 ブレーキ指令油圧とブレーキ制御油圧との関係を示すグラフ図である。 本発明の実施形態2に係る図3相当図である。 同じく図4相当図である。 本発明の実施形態3に係る図4相当図である。 本発明の実施形態4に係る図3相当図である。 同じく図4相当図である。 同じく図5相当図である。 ブレーキ指令油圧発生手段の他の実施形態を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1には、実施の形態に係るブレーキ油圧制御装置を備えた車両の一例であるホイールローダ1を、その側方から見て走行駆動系のレイアウトを示す。また、図2には走行駆動系の構成を模式的に示す。以下、この明細書ではブレーキ油圧制御装置をホイールローダ1に適用した場合について説明する。
(ホイールローダの走行駆動系)
この実施形態のホイールローダ1は、図1に示すように運転室2の後方にエンジン3が搭載され、このエンジン3の前部斜め下には遊星ギヤ装置4を間に挟んで多段変速機5が取り付けられている。図示しないが、多段変速機5の内部には前進ギヤと後進ギヤと所定の段数の変速ギヤとが設けられており、それぞれのギヤがクラッチによって選択的に接続されるようになっている。また、多段変速機5の前部からは前方に向かって前部ドライブシャフト6が延びており、後部からは後部ドライブシャフト7が延びている。
それらのドライブシャフト6,7は、それぞれデファレンシャル8,9を介して前後の車輪10,11の車軸に連結されており、これら前後の車輪10,11を同時に駆動する全輪駆動システムを構成している。なお、図の例ではホイールローダ1の前部にバケット12及びブーム13が設けられていて、油圧シリンダ14,15等により上下動されるようになっている。また、ホイールローダ1の後部にはファンを備えたラジエータ16が配設されている。
前記の図1には示さないが、この例ではホイールローダ1の走行駆動系は、動力源としてエンジン3の他に電動発電機17を備えたハイブリッドタイプのものである。すなわち、図2に模式的に示すように、エンジン3及び電動発電機17の各出力軸が各々遊星ギヤ装置4のサンギヤ及びリングギヤに接続されており、それらの回転動作が遊星ギヤ装置4により合成されてキャリアから出力され、多段変速機5に伝達されるようになる。
前記電動発電機17は、インバータ18を介してキャパシタや2次電池のような蓄電器19に接続されている。電動発電機17は、例えばホイールローダ1の加速時には、必要に応じて蓄電器19から電力の供給を受け電動機として動作する一方、減速時には発電機として動作し、ホイールローダ1の走行による運動エネルギを回生して、蓄電器19を充電することができる。このような電動発電機17の動作の切替えは、インバータ18を介して後述の制御装置20により行われる。
なお、エンジン3には複数の油圧ポンプ31(図には1つのみ示す)が駆動連結されており、その何れかは、前記のようにバケット12を動作させるために油圧シリンダ15に油圧を供給する。また、別の何れかの油圧ポンプ31は、後述するようにホイールローダ1の機械式ブレーキ21を作動させる油圧制御装置の油圧源を構成する。この機械式ブレーキ21は、一例として、車軸と共に回転するディスクをピストンにより挟持するように構成された、いわゆる密閉湿式ブレーキである。
前記エンジン3、多段変速機5及び電動発電機17の動作を協調させて、ホイールローダ1の走行状態を適切に制御するために、この実施形態では統合的な制御装置20が設けられている。この制御装置20は一例として、乗員によるアクセル及びブレーキの操作量、車速、エンジン回転数、蓄電器19の蓄電量、その充放電状態等に基づいて、エンジン3及び電動発電機17を協調させて制御し、さらに、多段変速機5の変速制御も行うものである。
また、制御装置20は、ホイールローダ1の減速時には、以下に述べるように電動発電機17を発電動作させて回生制動力を得るとともに、この回生制動力の分は機械式ブレーキ21による制動力を低下させて、両者を併せたトータルの制動力が乗員のブレーキ操作に見合ったものとなるように制御する、いわゆる協調制御を行う。
(ブレーキ油圧制御装置の実施形態1)
次に、本発明の実施形態1に係るブレーキ油圧制御装置について、図3〜7を参照して詳細に説明する。図3は、機械式ブレーキ及び回生ブレーキを併せたブレーキ制御系統の一例を示すブロック図であり、図4は、機械式ブレーキの油圧制御回路の一例を示す回路図である。また、図5は、ブレーキ油圧制御装置の動作のフローチャートであり、図6、7は、ブレーキ指令油圧、ブレーキ制御油圧(制御油圧)及びパイロット油圧等の関係を示すグラフ図である。
図3に模式的に示すように、この実施形態のブレーキ油圧制御装置は、制御装置20によって電動発電機17による回生制動力を制御するとともに、必要に応じて機械式ブレーキ21への制御油圧を減圧する。具体的には、図示するように油圧制御回路には、油圧源30(図4参照)から供給される油圧を乗員のブレーキ操作に応じて調整し、ブレーキ指令油圧P1として出力するブレーキバルブ40(指令油圧発生手段)と、そのブレーキ指令油圧P1をパイロット圧として受けて開動作し、油圧源30から供給される油圧を調整して、機械式ブレーキ21のブレーキシリンダへブレーキ制御油圧P2を出力するリレーバルブ50と、が設けられている。
また、油圧制御回路には、前記のように機械式ブレーキ21へのブレーキ制御油圧P2を減圧させるときに前記リレーバルブ50に、これを閉じ側に動作させるようなパイロット圧である減圧指令油圧P3を付加するための電磁比例バルブ60と、その減圧指令油圧P3が所定圧を超えないように制限する減圧指令制限手段70と、を備えている。
そして、油圧センサ22からの電気信号が制御装置20に入力し、ブレーキ指令油圧P1の他、車速や蓄電量等の車両状態の情報に基づいて協調ブレーキ演算が行われ、回生制動力と機械式ブレーキ21の制動力との配分が決められる。この制動力の配分に基づいてブレーキ制御油圧P2の目標値が決まり、これに対応して決まる電気指令が電磁比例バルブ60に入力すると、この電磁比例バルブ60から出力される減圧指令油圧P3がリレーバルブ50に付加される。なお、減圧指令油圧P3の制限については後述する。
−油圧制御回路の構成−
以下、図4を参照して、油圧制御回路の構成について詳細に説明する。まず、前記した油圧源30は、上述したようにエンジン3によって駆動される油圧ポンプ31と、その吐出側にアンロードバルブ32を介して接続されたアキュームレータ33と、を備えている。油圧ポンプ31から吐出される圧油は、アンロードバルブ32によって設定されている所定の圧力状態になるまでは、チェックバルブ32aを通過してアキュームレータ33に充填される。アキュームレータ33が設定圧になればリリーフバルブ32bが開放され、圧油は無負荷で油タンク34に戻される。
そのようにして設定圧に維持される油圧源30は第1の供給油路35によって、ブレーキバルブ40の入力ポートに圧油を供給するように接続されている。ブレーキバルブ40は、図の例ではクローズドセンタタイプの3ポート弁であり、その出力ポートはブレーキ指令油路41によってリレーバルブ50に接続されて、そのスプールにパイロット圧としてブレーキ指令油圧P1を加えるようになっている。なお、図の例ではブレーキ指令油路41に油圧センサ22が介設されている。また、ブレーキバルブ40のドレンポートは油タンク34に接続されている。
そして、ブレーキバルブ40は、乗員によるブレーキペダル42の踏み操作に応動してスプールの位置が変更され、入出力ポートを連通させてブレーキ指令油路41の油圧(ブレーキ指令油圧P1)を増大させる増圧位置(図の上位置)と、出力ポートをドレンポートに連通させてブレーキ指令油圧P1を減少させる減圧位置(図の下位置)と、それらの中間で入出力ポート及びドレンポートをブロックする中立位置と、の何れかに切換えられるようになっている。
すなわち、図示の如くブレーキバルブ40のスプールは、減圧位置に向かうようにスプリング43によって押圧付勢されるとともに、ブレーキ指令油路41からパイロット油路を介してパイロット圧(ブレーキ指令油圧P1)が作用しており、これらの力とブレーキペダル42の踏力とが釣り合った位置に制御される。この結果、ブレーキ指令油圧P1は、スプリング43の押圧力を除いて、概ねブレーキペダル42の踏力に比例するものとなる。
そうしてブレーキバルブ40から出力されるブレーキ指令油圧P1を受けて、リレーバルブ50は開き側へ動作する。一例としてリレーバルブ50は、ブレーキバルブ40と同じくクローズドセンタタイプの3ポート弁からなる主弁50aを有し、その入力ポートには、前記の第1供給油路35の途中から分岐する第2供給油路36が接続されて、油圧源30からの油圧が供給されている。一方、リレーバルブ50の主弁50aの出力ポートには、機械式ブレーキ21のブレーキシリンダに至るブレーキ制御油路51が接続され、ドレンポートは油タンク34に接続されている。
そして、リレーバルブ50は、主弁50aのスプール位置の変更により入出力ポートを連通させて、ブレーキ制御油路51の油圧(ブレーキ制御油圧P2)を増大させる増圧位置(図の上位置)と、出力ポートをドレンポートに連通させてブレーキ制御油圧P2を減少させる減圧位置(図の下位置)と、それらの中間で入出力ポート及びドレンポートをブロックする中立位置と、の何れかに切換えられるようになっている。
この図の例ではリレーバルブ50は、前記した主弁50aのスプールを動作させるためのシリンダ50bを備えており、このシリンダ50b内にピストンにより区画された一側(図の上側)の油圧室にパイロット圧としてブレーキ指令油圧P1が供給される。この油圧P1にピストン断面積を乗じた押圧力がスプリング52を介して主弁50aのスプールに作用し、これを開き側に動作させるようになる。
一方、前記のシリンダ50bにおいて、ピストンにより前記ブレーキ指令油圧P1とは反対側に区画された油圧室(図の下側の室)には、後述するように油路62を介して電磁比例バルブ60からの減圧指令油圧P3が作用する。この減圧指令油圧P3は、前記のように主弁50aのスプールを開き側に動作させるブレーキ指令油圧P1に対抗して、リレーバルブ50の主弁50aのスプールを閉じ側に動作させるように作用する。
この結果として前記シリンダ50bは、前記の如くブレーキ指令油圧P1から減圧指令油圧P3を減じたものに相当する押圧力を、主弁50aのスプールに増圧位置に向かうように、即ち主弁50aを開き側に動作させるように作用させる。一方、その主弁50aのスプールには、減圧位置に向かうように(閉じ側に動作するように)スプリング53による押圧力が作用するとともに、ブレーキ制御油路51からパイロット油路を介してパイロット圧(ブレーキ制御油圧P2)が作用しており、それらの力が前記シリンダ50bからの押圧力と釣り合うような位置に制御される。
よって、リレーバルブ50から出力されるブレーキ制御油圧P2は、基本的には乗員によるブレーキペダル42の踏力に応じたブレーキ指令油圧P1に対応するが、電磁比例バルブ60からの減圧指令油圧P3が加わるときには、これに応じて減圧される。これにより、減圧されたブレーキ制御油圧P2を受けて機械式ブレーキ21の発生する制動力が低下する。
電磁比例バルブ60については一例として、制御装置20からの電気指令を受けるソレノイド61の動作によってスプールの位置が連続的に変更される、いわゆる電磁比例減圧弁であり、その入力ポートには、第2供給油路36の途中から分岐する第3供給油路37が接続されて、油圧源30からの油圧が供給されている。一方、電磁比例バルブ60の出力ポートには、前記のようにリレーバルブ50のシリンダ50bに減圧指令油圧P3を導くための油路62(以下、減圧指令油路62という)が接続されている。なお、電磁比例バルブ60もドレンポートは油タンク34に接続されている。
そして、後述するように、例えばホイールローダ1の減速時に電動発電機17を発電動作させて回生制動を行うときに、制御装置20からの電気指令を受けて励起するソレノイド61の電磁力が、電磁比例バルブ60のスプールを開く側へ動作するように作用する。一方、このスプールには反対に閉じ側へ向かってスプリング63の押圧力が作用するとともに、減圧指令油路62からパイロット油路を介してパイロット圧(減圧指令油圧P3)が作用しており、それらの力が前記ソレノイド61の電磁力と釣り合うようにスプール位置が制御される。よって、減圧指令油圧P3は制御装置20からの電気指令に対応する。
さらに、そうして電磁比例バルブ60からリレーバルブへ減圧指令油圧P3を導く減圧指令油路62には、油路71を介してリリーフバルブ72が接続されていて、減圧指令油路62の油圧(減圧指令油圧P3)が所定圧を超えないように制限する減圧指令制限手段70を構成している。リリーフバルブ72は、例えば直動型であり、スプリング73の押圧力によって閉じ側に付勢されているポペットが所定圧以上で開動作して、油圧を開放する。
こうして減圧指令油路62にリリーフバルブ72を接続するのは、制御装置20等、電気系統の故障に対するフェールセーフのためである。すなわち、上述の如く電磁比例バルブ60からの減圧指令油圧P3をリレーバルブ50に付加して、ブレーキ制御油圧P2を減圧するようにした場合、万が一、電気系統の故障によって電磁比例バルブ60が誤作動すると、過大な減圧指令油圧Pによってブレーキ制御油圧P2が過度に減圧されてしまい、機械式ブレーキ21の効きが不足する事態を招くおそれがある。
そこで、この実施形態のブレーキ油圧制御装置では、前記のように減圧指令油路62にリリーフバルブ72を接続して、制御装置20からの電気指令の大きさに拘わらず、減圧指令油圧P3が所定圧を超えないように制限している。こうすることによって、万が一、電磁比例バルブ60が誤作動てもブレーキ制御油圧P2は過度に減圧されることがない。
−ブレーキ油圧制御装置の動作−
次に、実施形態1のブレーキ油圧制御装置の動作について、図5のフローチャートを参照して具体的に説明する。図の左側には油圧制御回路の動作を、また、右側には電子制御の手順をそれぞれ示す。
まず、ホイールローダ1の乗員がブレーキペダル42を踏み操作すると(図の左側のステップS1でYES)、これに応動してブレーキバルブ40からブレーキ指令油圧P1が発せられる(ステップS2)。そして、そのブレーキ指令油圧P1を検出する油圧センサ22からの信号が制御装置20に出力される(ステップS3)とともに、ブレーキ指令油圧P1を受けたリレーバルブ50が開動作して、油圧源30からの供給油圧を調整し、ブレーキ制御油圧P2を出力するようになる(ステップS4)。
一方、図の右側に示すように制御装置20においては、前記油圧センサ22からの信号(ブレーキ指令油圧P1の検出値)の他に、ホイールローダ1の車速や蓄電器19の蓄電量等の車両状態の情報が入力され(ステップS5)、これらの入力値に基づいて回生制動力と機械式ブレーキ21の制動力との配分を決める協調ブレーキ演算が行われる(ステップS6)。
一例として制御装置20は、蓄電器19の蓄電量が所定の上限値未満であり、且つ車速があまり低くなくて、効率よく運動エネルギを回生できる状態であれば、電動発電機17を発電動作させてホイールローダ1の走行による運動エネルギを回生し、蓄電器19を充電する。一方、蓄電器19が満充電状態であったり車速が低すぎるときには回生ブレーキ制御は行わず、機械式ブレーキ21の動作のみとする。
そうして配分した回生制動力が得られるように制御装置20は、インバータ18により電動発電機17の発電動作の状態を制御する回生ブレーキ制御を行うとともに(ステップS7)、機械式ブレーキ21の制動力の配分からブレーキ制御油圧P2の目標圧を決定し、この目標圧となるようにリレーバルブ50のスプール位置を制御するための減圧指令油圧P3を決定して、この減圧指令油圧P3を出力させるような電気指令を電磁比例バルブ60へ出力する(ステップS8:ブレーキ油圧制限制御)。
図の左側に戻って、前記の電気指令を受けた電磁比例バルブ60が開動作し、減圧指令油圧P3を出力する(ステップS9)。この減圧指令油圧P3はリリーフバルブ72の動作によって所定圧P3max以下に制限されて(ステップS10)リレーバルブ50に付加され、このリレーバルブ50のスプールを閉じ側に動作させて、ブレーキ制御油圧P2を減圧するようになる。
そのため、前記電気指令に対応する減圧指令油圧P3がP3max以下であれば、リレーバルブ50からのブレーキ制御油圧P2は、回生制動力の分だけ減圧されたものとなり、これを受けた機械式ブレーキ21により発生する制動力は、回生制動力の分だけ低下される(ステップS10)。よって、電動発電機17による回生制動力と機械式ブレーキ21による制動力とを合わせたトータルの制動力が、乗員のブレーキ操作に見合ったものとなる。また、機械式ブレーキ21による制動力の減少分、効果的にホイールローダ1の運動エネルギを回生することができる。
また、例えば、万が一の電気系統の故障によって制御装置20から電磁比例バルブ60に過大な電気指令が出力され、これに応じて電磁比例バルブ60の開度が過度に大きくなったとしても、前記のステップS10におけるリリーフバルブ72の動作によって、電磁比例バルブ60からの減圧指令油圧P3は所定圧P3max以下に制限されるから、前記リレーバルブ50からのブレーキ制御油圧P2が過度に低下してしまう心配はなく、機械式ブレーキ21の実効が担保される。
そのような油圧制御回路のリレーバルブ50におけるブレーキ指令油圧P1とブレーキ制御油圧P2との関係は、図6に一例を実線のグラフで示すように基本的には比例関係であり、減圧指令油圧P3が増大するに連れてグラフが下方に平行移動し、同じブレーキ指令油圧P1に対するブレーキ制御油圧P2が低下するようになる。
そうしてグラフが下方に平行移動すると、このグラフと横軸(P2=0)との交点が右側に即ちブレーキ指令油圧P1の高い側に移動するので、ブレーキの踏み操作量が小さい間はリレーバルブ50からブレーキ制御油圧P2が出力されないようになる。つまり、ブレーキ操作量が小さければ機械式ブレーキ21が制動力を発生しないようになるので、効率のよい回生制動が可能になる。減圧指令油圧P3が過大でない正常時であれば、グラフは図に斜線を入れて示す範囲内(P3=0〜P3max)で上下に平行移動する。
一方、例えば電気系統の故障によって制御装置20から過大な電気指令が出力され、電磁比例バルブ60が誤作動すると、図に白矢印で示すように減圧指令油圧P3が過大なものとなって、仮想線のグラフで示すようにブレーキ制御油圧P2が非常に低くなる。このときブレーキ制御油圧P2は、ブレーキ指令油圧P1がかなり高くなっても出力されず、実質的に機械式ブレーキ21が効かなくなってしまう。
これに対しこの実施形態では、減圧指令油圧P3が所定圧P3max以下に制限されており、図には点線で示すようにグラフは正常範囲の下限付近までしか移動しないから、前記のように万が一の故障が起きたとしても、或る程度のブレーキ指令油圧P1に応じてブレーキ制御油圧P2が出力され、機械式ブレーキ21が動作するようになり、乗員のブレーキ操作に応じて必要な制動力を確保することができる。
なお、図の例では点線のグラフに表されるように所定圧P3maxを、正常範囲に対応する減圧指令油圧P3の最大値(P3正常MAX)と概ね同じ値に設定しているが、これに限らず少し高めの値としてもよい。
以上、説明したように実施の形態1に係るブレーキ油圧制御装置によると、乗員のブレーキ操作に応動してブレーキバルブ40からブレーキ指令油圧P1が出力され、これを受けて開動作するリレーバルブ50が油圧源30からの供給油圧を調整して、ブレーキ制御油圧P2をブレーキシリンダへ出力するように構成したので、例えばホイールローダ1のような大容量の機械式ブレーキ21にも適用することができる。
また、前記のリレーバルブ50に対し電磁比例バルブ60から減圧指令油圧P3を付加して、閉じ側に動作させることによりブレーキ制御油圧P2を減圧するように構成したので、この実施形態のようにハイブリッドタイプの走行駆動系に適用すれば、減速時に機械式ブレーキ21の制動力を適切に減少させ、運動エネルギを効率よく回生することができる。
さらに、万が一の電気系統の故障によって電磁比例バルブ60が誤作動しても、減圧指令油圧Pは所定圧P3maxを超えないよう減圧指令制限手段70によって制限されているから、前記のブレーキ制御油圧P2が過度に減圧されてしまうことはなく、乗員のブレーキ操作に応じて必要な制動力を確保することができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係るブレーキ油圧制御装置について図7、8を参照して説明する。両図はそれぞれ上述した実施形態1の図3、4に相当する。なお、この実施形態2のブレーキ油圧制御装置は、実施形態1のものとは減圧指令制限手段70の構成が異なるのみで、それ以外の構成は同じなので、以下、同一部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
そして、この実施形態2のブレーキ油圧制御装置において減圧指令制限手段70は、図7に模式的に示すように、電磁比例バルブ60からの減圧指令油圧P3の増大を制限するのではなく、電磁比例バルブ60に供給される油圧(元圧)を制限することで、減圧指令油圧P3が所定圧を超えないように制限している。
具体的には図8に示すように、この実施形態2の油圧制御回路において油圧源30から電磁比例バルブ60に油圧を供給する第3供給油路37には、減圧バルブ74が介設されている。この減圧バルブ74は、スプリング75の押圧力によって開き側に付勢されているスプールが下流側(二次側)からのパイロット圧を閉じ側に受けて、それらの釣り合いによってスプール位置、即ちバルブの開度が変化することにより、下流側の油圧を所定圧にまで減圧するものである。
したがって、この実施形態2によると、前記のように油圧源30から供給される油圧を所定圧に減圧して電磁比例バルブ60へ供給するようにしているので、万が一、電気系統の故障によって電磁比例バルブ60が誤作動しその開度が過大なものになったとしても、ここから出力される減圧指令油圧P3は所定圧までに制限され、過大なものになることはない。よって前記実施形態1と同様に、乗員のブレーキ操作に応じて必要な制動力を確保することができる。
(実施形態3)
続いて実施形態3に係るブレーキ油圧制御装置について図9を参照して説明する。この図9は、実施形態1の図4及び実施形態2の図8に相当する。なお、実施形態3についても上述した各実施形態とは減圧指令制限手段70の構成が異なるのみで、それ以外の構成は同じなので、以下、同一部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
この実施形態3のブレーキ油圧制御装置は、実施形態2のものと同じく、電磁比例バルブ60への元圧を制限する減圧指令制限手段70を設けたものであるが、その具体的な構成が異なっている。すなわち、図示のように油圧源30から電磁比例バルブ60に油圧を供給する第3供給油路37は、第2供給油路36の途中から分岐するのではなく、油圧源30のアンロードバルブ32のドレン側から分岐して、電磁比例バルブ60まで延びている。そして、この第3油圧供給路37にリリーフバルブ76が接続されている。なお、リリーフバルブ76の構成、動作については説明を省略する。
この実施形態3においても前記の実施形態2と同じく、油圧源30から電磁比例バルブ60への供給油圧(元圧)が所定圧以下に制限されているので、万が一の故障によって電磁比例バルブ60が誤作動たとしても、ここから出力される減圧指令油圧P3が過大なものとなることはない。なお、実施形態3のリリーフバルブ76は、実施形態1のものと比べれば容量の大きなものが必要である。
(実施形態4)
次に、実施形態4に係るブレーキ油圧制御装置について図10〜12を参照して説明する。これらの各図は各々上述した実施形態1の図3〜5に相当する。なお、実施形態4についても上述した各実施形態とは減圧指令制限手段70の構成が異なるのみで、それ以外の構成は同じなので、以下、同一部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
この実施形態4において減圧指令制限手段70は、前記の各実施形態のように電磁比例バルブ60からの減圧指令油圧P3が所定圧を超えないように制限するものではなく、図10に模式的に示すように、ブレーキバルブ40からのブレーキ指令油圧P1を受けて、これが或る程度以上、大きくなれば減圧指令油圧P3を遮断するようにしたものである。
すなわち、図11に示すように、この実施形態4の油圧制御装置において電磁比例バルブ60からリレーバルブ50への減圧指令油路62には、ノーマルオープン型の遮断バルブ77が介設され、その入力ポートが電磁比例バルブ60の出力ポートに接続されている。この遮断バルブ77のスプールはスプリング78の押圧力によって、入出力ポートを連通させる開位置(図の下位置)に付勢される一方、これとは反対向きにブレーキ指令油路41からのパイロット圧(ブレーキ指令油圧P1)を受けていて、このブレーキ指令油圧P1が或る程度以上、大きくなるとスプールがスプリング78の押圧力に抗して閉位置(図の上位置)に切替わり、減圧指令油路62を遮断するようになっている。
図12は、この実施形態4のブレーキ油圧制御装置の動作について具体的に示すフローチャートである。このフローは、上述した実施形態1に係る図5のフローと概ね同じものなので、同じ処理を示すステップには同一の番号を付して、その説明は省略する。
図示のフローのステップS1〜S9は前記図5のフローと同じであり、乗員によるブレーキペダル42を踏み操作に応動して、ブレーキバルブ40からブレーキ指令油圧P1が発せられると、これを受けてリレーバルブ50のスプールが開動作するとともに、必要に応じて制御装置20からの電気指令を受けて電磁比例バルブ60が開動作し、減圧指令油圧P3を出力する。この際、ブレーキ指令油圧P1が、予め設定した値P*(設定圧)未満であれば(ステップS100でYES)、これを受けていても遮断バルブ77は動作せず、減圧指令油圧P3がリレーバルブ50に付加されることによって(ステップS4)、ブレーキ制御油圧P2が減圧される。
また、ブレーキ指令油圧P1が前記設定圧P*を超えたときには(ステップS100でNO)、これを受けて遮断バルブ77のスプールが閉位置に切替わり、減圧指令油路62を遮断する(ステップS101)。こうして減圧指令油路62が遮断されれば減圧指令油圧P3はリレーバルブ50に付加されないので、リレーバルブ50からのブレーキ制御油圧P2は減圧されることなく、ブレーキ指令油圧P1に比例した大きな圧力となる。
したがって、この実施形態4の場合は乗員が或る程度以上、大きくブレーキペダル42を踏み込めば、リレーバルブ50への減圧指令油圧P3が遮断されることになるので、前記各実施形態と同様に万が一、電気系統の故障等によって電磁比例バルブ60が誤作動しても、機械式ブレーキ21の動作による制動力を確保することができる。しかも、このときにはブレーキ制御油圧P2が減圧されず最大限の制動力を発生することになるので、乗員の急なブレーキ操作にも適切に対応できる。
(他の実施形態)
なお、上述した実施形態の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、或いはその用途を制限することを意図するものではない。例えば、前記実施形態1〜4におけるブレーキ油圧制御装置では、いずれもブレーキ指令油圧P1を発生する指令油圧発生手段として、油圧源30からの供給油圧を調整し出力するブレーキバルブ40を用いているが、これに限るものではない。
すなわち、各実施形態のホイールローダ1のように大容量を要求される機械式ブレーキ21においても、リレーバルブ50にブレーキ指令油圧P1を伝達して、そのスプールを開動作させるための圧油の流量は少しでよいので、油圧源30からの供給油圧を利用する必要はない。よって、図13に一例を示すように、ブレーキペダル42の踏み操作に応じて直接、ブレーキ指令油圧P1を発生するマスタシリンダ44が利用可能である。
一例としてマスタシリンダ44には、図示のようにリザーバタンク45が接続されていて、ブレーキペダル42の踏み操作によりピストン44aが押し込まれると、ブレーキ指令油路41に圧油を送り出してブレーキ指令油圧P1を出力する。このときチェックバルブ46によってリザーバタンク45との間は遮断されている。その後、ピストン44aが後退するときにはリザーバタンク45から圧油が補充される。ピストン44aが所定位置まで後退するとマスタシリンダ44はリザーバタンク45とチェックバルブ46を介さずに連通される。
さらに、前記各実施形態ではブレーキ油圧制御装置を、ハイブリッドタイプの走行駆動系を備えたホイールローダ1に適用しているが、これはホイールローダ1に限定されることはないし、また、ハイブリッドタイプの走行駆動系にも限定されない。例えば、車両は電動車両であってもよいし、反対にエンジンにより走行駆動される車両であって、その走行駆動系に連結されて運動エネルギを回生可能な発電機が設けられているだけでもよい。
さらにまた、前記各実施形態ではブレーキ油圧制御装置を車両の走行駆動系に適用しているが、これに限らず、例えば産業車両や建設機械の油圧アクチュエータの駆動系にも適用することができる。
本発明に係るブレーキ油圧制御装置は、電動発電機による回生ブレーキと協調制御するようにした機械式ブレーキにおいて万が一、電気系統が故障しても乗員のブレーキ操作に応じて必要な制動力が得られるものであり、特に大容量の求められる産業車両や建設機械に好適である
1 ホイールローダ(車両)
3 エンジン
17 電動発電機
20 制御装置(制御手段)
21 機械式ブレーキ
30 油圧源
32b アンロードバルブ
40 ブレーキバルブ(指令油圧発生手段)
50 リレーバルブ
60 電磁比例バルブ
70 減圧指令制限手段
72 リリーフバルブ
74 減圧バルブ
76 リリーフバルブ
77 遮断バルブ

Claims (9)

  1. ブレーキ操作に応じて、機械式ブレーキのブレーキシリンダへの油圧を制御するブレーキ油圧制御装置であって、
    前記ブレーキ操作に応動してブレーキ指令油圧を発生する指令油圧発生手段と、
    前記ブレーキシリンダへの制御油圧を減圧するための減圧指令油圧を出力する電磁比例バルブと、
    前記ブレーキ指令油圧と減圧指令油圧とに基づいて供給油圧を調整した制御油圧を、前記ブレーキシリンダへ出力するリレーバルブと、
    車両状態に応じた指令値を前記電磁比例バルブへ出力し、この指令値に基づいて前記制御油圧を減圧させる制御手段と、
    前記制御手段からの指令値に拘わらず、前記減圧指令油圧の減圧量を制限する減圧指令制限手段と、を備えることを特徴とするブレーキ油圧制御装置。
  2. 前記リレーバルブは、前記ブレーキ指令油圧を受けて開動作し、
    前記電磁比例バルブは、前記指令値に基づいて前記リレーバルブを閉じ側に動作させる前記減圧指令油圧を出力する、請求項1に記載のブレーキ油圧制御装置。
  3. 前記減圧指令制限手段は、前記電磁比例バルブからリレーバルブへの減圧指令油圧の供給路に接続されたリリーフバルブである、請求項1に記載のブレーキ油圧制御装置。
  4. 前記減圧指令制限手段は、油圧を供給する油圧源から電磁比例バルブへの供給油圧を所定圧以下に制限するものである、請求項1に記載のブレーキ油圧制御装置。
  5. 前記減圧指令制限手段は、前記油圧源から電磁比例バルブへの油圧の供給路に介設された減圧バルブである、請求項4に記載のブレーキ油圧制御装置。
  6. 前記油圧源の油圧を調整するためのアンロードバルブをさらに備え、
    前記アンロードバルブのドレン側と前記電磁比例バルブとが接続され、
    前記リリーフバルブが、前記アンロードバルブと前記電磁比例バルブとの油圧回路に接続されている、請求項4に記載のブレーキ油圧制御装置。
  7. 前記減圧指令制限手段は、前記電磁比例バルブからリレーバルブへの減圧指令油圧の供給路に介設された遮断バルブであり、
    前記遮断バルブは、前記指令油圧が所定圧以上になると前記供給路を遮断する、請求項1に記載のブレーキ油圧制御装置。
  8. 走行駆動系に電動発電機を含む車両に搭載可能であり、
    前記制御手段は、前記電動発電機の発電動作によって前記車両の走行による運動エネルギを回生するときに、前記制御油圧を減圧させる、請求項1に記載のブレーキ油圧制御装置。
  9. 前記電動発電機に接続された蓄電器をさらに備える車両に搭載可能であり、
    前記制御手段は、前記車両の走行速度と前記蓄電器の蓄電量とに応じて指令値を前記電磁比例バルブへ出力し、この指令値に基づいて前記制御油圧を減圧させる、請求項8に記載のブレーキ油圧制御装置。
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