JP2011230335A - 電子機器及び電子機器の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】定速制御される移動体における次回の推定移動速度の推定精度を向上させ、より適切なタイミングで駆動手段を駆動させることができる電子機器及び電子機器の制御方法を提供する。
【解決手段】キャリッジの今回の移動速度Vc(m)を検出した場合において、次回位置が第1領域に含まれるとき(ステップS10が否定)には、次回の推定移動速度Vsを今回の移動速度Vc(m)と現時点の加速度DVcとに基づき算出する(ステップS13)。今回の移動速度Vc(m)を検出した場合において、次回位置が第2領域に含まれるとき(ステップS10が肯定)には、次回の推定移動速度Vsを実測値テーブルに記憶される移動速度実測値Vzに基づき算出する(ステップS15)。次回の推定移動速度Vsに基づき記録ヘッドの駆動タイミングを調整するためのディレイ設定値KDを算出する(ステップS17)。
【選択図】図11

Description

本発明は、所定の走査方向に移動する移動体と、該移動体に搭載される駆動手段とを備える電子機器及び該電子機器の制御方法に関する。
一般に、移動体と該移動体に搭載される駆動手段とを備える電子機器として、移動体としてのキャリッジと駆動手段としての印刷ヘッドとを備える印刷装置が広く知られている。こうした印刷装置では、プラテン上に媒体(例えば用紙)が給送された場合、該媒体に対して、主走査方向に移動するキャリッジに搭載される印刷ヘッドから液体としてのインク滴が吐出される。
ところで、印刷装置のフレームへのプラテンの取り付け精度やプラテン自体の寸法精度が低い場合などには、印刷ヘッドのノズル形成面とプラテンとの間隔、即ちプラテンギャップが、キャリッジの走査方向(「主走査方向」ともいう。)における位置毎に異なる可能性がある。こうした走査方向における各位置でのプラテンギャップの不均一は、用紙への印刷精度の低下の原因になる。そこで、近年では、キャリッジの移動時に、プラテンギャップの変化に対応して印刷ヘッドからのインク滴の吐出タイミングを調整する印刷装置が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載の印刷装置では、プラテンが主走査方向に沿って複数の区間に区分けされ、該区間毎に印刷ヘッドからのインク滴の吐出タイミングが調整されていた。
また、特許文献2には、印刷ヘッドからのインク滴の吐出タイミングを調整するために必要な各種パルス信号を生成する技術が開示されている。
特開2000−71434号公報 特開2007−145008号公報
ところで、キャリッジの駆動源となる電動機(例えば、直流モーター)は、一般に、PID制御される。そのため、図16に示すように、キャリッジが定速制御される場合であっても、実際には、キャリッジの移動速度V1(図16では破線で示す。)は、キャリッジの目標速度V2(図16では実線で示す。)を中心に変動する。しかしながら、上記特許文献1に記載の印刷装置では、キャリッジが定速制御される場合におけるキャリッジの移動速度V1の僅かな変動を考慮することなく、印刷ヘッドからのインク滴の吐出タイミングが調整される。そのため、媒体への印刷精度の更なる向上を図るためには、定速移動時におけるキャリッジの移動速度V1の変動を適切に検出又は推定し、該検出結果又は推定結果に基づき印刷ヘッドからのインク滴の吐出タイミングを調整する必要がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、定速制御される移動体における次回の推定移動速度の推定精度を向上させ、より適切なタイミングで駆動手段を駆動させることができる電子機器及び電子機器の制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、電動機の駆動によって走査方向に移動する移動体に搭載される駆動手段を、前記移動体の移動速度に基づいた駆動タイミングで駆動させる電子機器において、予め設定された間隔毎に、前記移動体の移動速度を検出する移動速度検出手段と、前記移動体を移動させた際の前記移動体の移動速度実測値を記憶する記憶手段と、前記移動速度検出手段によって前記移動体の今回の移動速度が検出された時点で、前記移動体の次回の推定移動速度を取得する移動速度推定手段と、前記移動体を、定速で移動させるための目標速度に基づき制御する移動制御手段と、前記移動速度推定手段によって取得された次回の推定移動速度に応じた駆動タイミングで前記駆動手段を駆動させる駆動制御手段と、を備え、前記移動速度推定手段は、前記移動速度検出手段によって前記移動体の次回の移動速度が検出される次回位置が前記移動体の移動速度の変化の大きい第1領域に含まれる場合には、前記移動体の現時点の加速度と前記今回の移動速度とに基づき次回の推定移動速度を算出する一方、前記次回位置が前記移動体の移動速度の変化の小さい第2領域に含まれる場合には、前記記憶手段に記憶される移動速度実測値に基づき次回の推定移動速度を設定する。
移動体の移動速度が目標速度に近づくように制御、即ち定速制御される場合、移動体の移動速度は、周期的に変動する。そこで、本発明では、移動速度の周期的な変動に着眼し、記憶手段には、移動速度を目標速度に近づけるように移動体を移動させた際の該移動体の移動速度を移動速度実測値として記憶させておく。そして、移動体を移動させつつ駆動手段を駆動させる場合には、移動速度検出手段によって移動体の今回の移動速度が検出された時点で、移動体の次回の推定移動速度が取得される。このとき、移動体の次回の移動速度を検出する走査方向における次回位置が、移動体の移動速度の変化が大きい第1領域に含まれる場合、次回の推定移動速度は、今回の移動速度と移動部材の現時点の加速度とに基づき算出される。この取得方法を、「第1取得方法」ともいう。
一方、上記次回位置が、移動体の移動速度の変化が小さい第2領域に含まれる場合、次回の推定移動速度は、記憶手段に記憶される移動速度実測値に基づき設定される。この取得方法を、「第2取得方法」ともいう。ここで、もし仮に今回の移動速度を検出した位置が第1領域に含まれ、且つ次回位置が第2領域に含まれる場合に、次回の推定移動速度を第1取得方法で取得したとすると、以下に示す問題が発生し得る。すなわち、次回の推定移動速度は、今回の移動速度と該今回の移動速度が検出された時点の加速度とに基づき算出されることになる。この算出で用いられる加速度は、次回の移動速度を検出する時点での移動体の加速度と比較して、非常に大きいと推定される。そのため、第1取得方法で取得(算出)された次回の推定移動速度は、次回のタイミングで検出される次回の移動速度とは大きく異なる可能性があり、結果として、駆動手段の駆動タイミングが、最適なタイミングから乖離する可能性がある。この点、本発明では、次回位置が第2領域に含まれる場合、次回の推定移動速度は、第1取得方法とは異なる第2取得方法で取得される。そのため、次回の推定移動速度の推定精度を、向上させることができる。
そして、次回の移動速度を検出する次回位置に応じて次回の推定移動速度の取得方法を適切に使い分けることにより、定速制御される移動体における次回の推定移動速度の推定精度を向上させ、より適切なタイミングで駆動手段を駆動させることができる。
本発明の電子機器は、前記移動速度検出手段による検出結果に基づき前記移動体の加速度を算出する加速度算出手段をさらに備え、前記移動速度推定手段は、前記次回位置が前記第1領域に含まれる場合には、前記移動速度検出手段によって検出された今回の移動速度と前記加速度算出手段によって算出された加速度とに基づき、前記移動体の次回の推定移動速度を算出する。
上記構成によれば、次回位置が第1領域に含まれる場合、次回の推定移動速度は、移動速度検出手段によって検出された今回の移動速度と、加速度算出手段によって算出された現時点の加速度とに基づき算出される。したがって、移動体の移動速度の変化量が大きい場合における次回の推定移動速度の推定精度を向上させることができる。
本発明の電子機器は、前記移動体の移動速度が速いほど短い周期のパルス信号を出力するパルス出力手段と、前記パルス出力手段から出力されるパルス信号に含まれるパルス数を計数する計数手段と、前記移動速度検出手段によって検出される前記移動体の移動速度が前記目標速度未満の状態から該目標速度を超えたタイミング、又は移動速度が前記目標速度以上の状態から該目標速度未満となったタイミングから前記計数手段によって計数されたパルス数が予め設定された基準パルス数となった場合に、前記次回位置が前記第2領域に含まれると判定する判定手段と、をさらに備え、前記移動速度推定手段は、前記判定手段による判定結果に基づき、次回の推定移動速度を取得する。
移動体の移動速度が目標速度に近づくように制御される場合、移動体の移動速度は、目標速度よりも低速の状態から高速の状態になったり、目標速度よりも高速の状態から低速の状態になったりする。そこで、本発明では、移動速度検出手段によって検出される移動速度が目標速度未満の状態から目標速度以上となるタイミングから、パルス出力手段から出力されるパルス信号に含まれるパルス数が、計数手段によって計数される。そして、計数されたパルス数が基準パルス数となった場合には、次回位置が第2領域に含まれると判定される。
同様に、移動速度検出手段によって検出される移動体の移動速度が目標速度以上の状態から目標速度未満となるタイミングから、パルス出力手段から出力されるパルス信号に含まれるパルス数が、計数手段によって計数される。そして、計数されたパルス数が基準パルス数となった場合には、次回位置が第2領域に含まれると判定される。したがって、次回の推定移動速度の推定方法を適切なタイミングで切り替えることができる。
本発明の電子機器は、前記移動体の移動速度が速いほど短い周期のパルス信号を出力するパルス出力手段と、前記パルス出力手段から出力されるパルス信号に含まれるパルス数を計数する計数手段と、前記次回位置が前記第2領域から前記第1領域に変わったタイミングから前記計数手段によって計数されたパルス数が予め設定された基準パルス数となった場合に、前記次回位置が前記第2領域に含まれると判定する判定手段と、をさらに備え、前記移動速度推定手段は、前記判定手段による判定結果に基づき、次回の推定移動速度を取得する。
上記構成によれば、次回位置が含まれる領域が第2領域から第1領域に切り替ってから、パルス出力手段から出力されるパルス信号に含まれるパルス数が、計数手段によって計数される。そして、計数されたパルス数が基準パルス数となった場合には、次回位置が第2領域に含まれると判定される。したがって、次回の推定移動速度の推定方法を適切なタイミングで切り替えることができる。
本発明の電子機器において、前記判定手段は、前記次回位置が前記第1領域から前記第2領域に変わったタイミングから前記計数手段によって計数されたパルス数が、予め設定された他の基準パルス数となった場合に、前記次回位置が前記第1領域に含まれると判定する。
上記構成によれば、次回位置が第2領域に含まれると判定されてから、パルス出力手段から出力されるパルス信号に含まれるパルス数が、計数手段によって計数される。そして、計数されたパルス数が他の基準パルス数となった場合には、次回位置が第1領域に含まれると判定される。したがって、次回の推定移動速度の推定方法を適切なタイミングで切り替えることができる。
本発明の電子機器は、媒体を支持する支持手段をさらに備え、前記駆動手段は、前記支持手段に支持される媒体に対して液体を噴射する。
上記構成によれば、駆動手段の駆動タイミング、即ち駆動手段からの液体の噴射タイミングが適切に調整されるため、媒体への印刷精度を向上させることができる。
本発明の電子機器の制御方法は、電動機の駆動によって走査方向に移動する移動体に搭載される駆動手段を、前記移動体の移動速度に基づいた駆動タイミングで駆動させるための電子機器の制御方法において、前記電子機器は、前記移動体を前記走査方向に移動させた際における前記移動体の移動速度実測値を記憶する記憶手段を備えており、予め設定された間隔毎に前記移動体の移動速度を検出させる移動速度検出ステップと、今回の移動速度検出ステップで今回の移動速度を検出した場合において、次回の移動速度検出ステップで次回の移動速度を検出する次回位置が前記移動体の移動速度の変化の大きい第1領域に含まれるときには、前記次回位置での前記移動体の移動速度の推定値である推定移動速度を、前記移動体の現時点の加速度と前記今回の移動速度とに基づき算出させる第1推定ステップと、今回の移動速度検出ステップで今回の移動速度を検出した場合において、前記次回位置が前記移動体の移動速度の変化の小さい第2領域に含まれるときには、前記次回位置での前記移動体の移動速度の推定値である推定移動速度を、前記記憶手段に記憶される移動速度実測値に基づき設定させる第2推定ステップと、前記各推定ステップの何れか一方のステップで取得した前記移動体の次回の推定移動速度に基づいた駆動タイミングで前記駆動手段を駆動させる駆動ステップと、を有する。
上記構成によれば、上記電子機器と同等の作用効果を得ることができる。
第1の実施形態の印刷装置の概略斜視図。 (a)はリニアエンコーダーの平面図、(b)は同じく正面図及び出力信号図。 印刷装置の電気的構成を示すブロック図。 加速テーブル及び減速テーブルを説明する表。 キャリッジの移動制御及び印刷制御の一例を説明するグラフ。 印刷タイミング発生回路の構成を示すブロック図。 実測値取得処理ルーチンを説明するフローチャート。 移動速度実測値を取得する様子を説明するグラフ。 タイミング設定処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態の領域判定処理ルーチンを説明するフローチャート。 ディレイ設定値設定処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1領域及び第2領域でカウント値が変化する様子を説明するタイミングチャート。 第2領域に含まれる次回位置での推定移動速度を、キャリッジの現時点の加速度を用いて取得した様子を説明するグラフ。 吐出タイミング設定処理ルーチンを説明するフローチャート。 第2の実施形態の領域判定処理ルーチンを説明するフローチャート。 定速制御されるキャリッジの移動速度が変動する様子を説明するグラフ。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図14に基づいて説明する。
図1に示すように、電子機器の一例としての印刷装置11は、インクジェット式のシリアルタイプのプリンターであって、略矩形箱状をなすフレーム12を備えている。このフレーム12内の下部には、媒体としての用紙Pを支持する支持手段としてのプラテン13が主走査方向Xに沿って延設されている。このプラテン13上には、紙送りモーター(以下、「PFモーター」ともいう。)14を駆動源とする図示しない給送装置の駆動に基づき、用紙Pが主走査方向Xと略直交する副走査方向Yに沿って給送される。また、フレーム12内においてプラテン13の上方には、プラテン13の長手方向(主走査方向X)と平行な棒状のガイド軸15が設けられている。このガイド軸15には、その軸線方向(主走査方向X)に沿って往復移動可能な状態で移動体としてのキャリッジ16が支持されている。
フレーム12の後壁内面におけるガイド軸15の両端部と対応する各位置には、駆動プーリー17及び従動プーリー18が回転自在な状態で支持されている。駆動プーリー17にはキャリッジ16を往復移動させる際の駆動源となる電動機としてのキャリッジモーター(以下、「CRモーター」ともいう。)19の出力軸が連結されると共に、これら一対のプーリー17,18間には一部がキャリッジ16に連結された無端状のタイミングベルト20が掛装されている。したがって、キャリッジ16は、ガイド軸15にガイドされながら、CRモーター19の駆動力により無端状のタイミングベルト20を介して主走査方向Xに移動される。
また、フレーム12内には、キャリッジ16の主走査方向Xにおける位置、移動速度及び移動方向などを検出するためのパルス出力手段としてのリニアエンコーダー21が設けられている。このリニアエンコーダー21は、図1及び図2(a)(b)に示すように、主走査方向Xに延びる被検出用テープ23と、キャリッジ16に支持される検出部24とを備えている。被検出用テープ23は、キャリッジ16の走行域背面側に配置されると共に、主走査方向Xに沿って等間隔に形成される多数のスリット23aを有している。
検出部24は、被検出用テープ23を間に挟んで対向して配置される発光素子25と受光素子26とを有している。発光素子25は、主走査方向Xにおいて互いに異なる位置に配置される複数(本実施形態では2つ)の発光部25aを有する共に、受光素子26は、各発光部25aに個別対応する複数(この場合、2つ)の受光部26aを有している。発光部25a及び受光部26aの間に遮蔽物がない場合、発光部25aから出力された検出光は、該発光部25aに個別対応する受光部26aに受光される。そして、リニアエンコーダー21の検出部24は、キャリッジ16が主走査方向Xに移動した場合、各スリット23aを通過する検出光の断続数に応じた数のパルスを含むエンコーダー信号(パルス信号)を出力する。本実施形態では、検出部24からは、位相が3/4周期だけ異なるA相とB相の2種類のエンコーダー信号が出力される。
図1に示すように、キャリッジ16の下面側には駆動手段の一例として印刷ヘッド27が設けられる一方、キャリッジ16上には印刷ヘッド27へ供給するインク(液体)を貯留する複数のインクカートリッジ28が着脱可能に搭載されている。各インクカートリッジ28には、互いに異なる種類(色)のインクがそれぞれ貯留されている。そして、各インクカートリッジ28内に収容されたインクが図示しない圧電素子の駆動により印刷ヘッド27の下面に開口する複数のノズルに供給され、該各ノズルからインク滴が用紙Pに吐出(噴射)されることにより、印刷が行われる。
また、フレーム12内において主走査方向Xにおける一方側には、用紙Pが搬送されないホームポジション領域が形成されている。このホームポジション領域には、印刷ヘッド27のクリーニングなどの各種メンテナンスを行なうためのメンテナンス装置29が設けられている。
次に、本実施形態の印刷装置11の電気的構成について説明する。
図3に示すように、印刷装置11は、コントローラー40(図3にて実線で囲まれた部分)と、モータードライバー41,42と、印刷ヘッドドライバー43とを備えている。コントローラー40は、モータードライバー41を介してCRモーター19の駆動を制御すると共に、モータードライバー42を介してPFモーター14の駆動を制御する。また、コントローラー40は、例えばホストコンピューター(図示略)から入力した印刷データに基づき、印刷ヘッドドライバー43を介して印刷ヘッド27(詳しくはノズル毎に内蔵された圧電素子)の駆動を制御する。
コントローラー40は、CPU45(中央処理装置)、カスタムLSIとしてのASIC46((Application Specific IC(特定用途向けIC))、ROM47、RAM48、不揮発性メモリー49(一例として、EEPROM)、入力インターフェイス50、出力インターフェイス51及びクロック回路52などを有している。CPU45、ASIC46、ROM47、RAM48、不揮発性メモリー49、入力インターフェイス50及び出力インターフェイス51は、バス53を介して互いに電気的に接続されている。
ROM47には、各種制御プログラム及び各種データなどが記憶されている。不揮発性メモリー49には、ファームウェアプログラムを始めとする各種プログラム及び印刷処理に必要な各種データ(一例として、後述する目標速度テーブルや実測値テーブル)などが記憶されている。RAM48には、CPU45が実行するプログラムデータ、CPU45による演算結果及び処理結果である各種データ、及びASIC46で処理された各種データなどが一時記憶される。また、RAM48は、印刷データ及びその処理途中、処理後のデータを格納するために受信バッファー48a、中間バッファー48b及び出力バッファー48cを有している。
入力インターフェイス50には、印刷装置11とホストコンピューターとが通信ケーブル(図示略)を介して通信可能に接続された状態において、ホストコンピューターから印刷装置11に送信されてきた印刷データが入力される。印刷装置11が受信した印刷データは、入力インターフェイス50を介してRAM48の受信バッファー48aに格納される。ASIC46は、受信バッファー48aに一時格納された印刷データに含まれるコマンドを解析(解釈)して中間コードを生成するコマンド解析部55と、中間バッファー48bに格納された中間コードを印刷ドットが階調値で示されたビットマップデータに変換し、該ビットマップデータをRAM48上に展開する画像展開処理部56とを有している。画像展開処理部56は、1走査分ずつデータの展開処理を行い、出力バッファー48cには1走査分ずつビットマップデータ(階調値データ)が格納される。そして、出力バッファー48cからは、出力インターフェイス51を介して印刷ヘッドドライバー43に1走査分ずつビットマップデータ(階調値データ)が送出される。
また、CPU45がファームウェアプログラム(印刷制御プログラム)を実行した場合、各種モーター指令信号が生成される。そして、各種モーター指令信号が出力インターフェイス51を介して各モータードライバー41,42に出力されることにより、CRモーター19及びPFモーター14がそれぞれ制御される。したがって、本実施形態では、CPU45及びモータードライバー41により、キャリッジ16の移動を制御する移動制御手段が構成される。
次に、不揮発性メモリー49に記憶される目標速度テーブルについて説明する。
図4に示すように、不揮発性メモリー49には、加速時の目標速度テーブル(以下、「加速テーブル」ともいう。)MT1と、減速時の目標速度テーブル(以下、「減速テーブル」ともいう。)MT2とが記憶されている。加速テーブルMT1は、キャリッジ16を移動開始位置から加速させる際に使用されるテーブルである。すなわち、加速テーブルMT1では、移動開始位置からの距離Da(Da(0)、Da(1)・・・Da(n))と、該距離Da(m)での目標値となるパルス周期(以下、「目標周期」ともいう。)Ta(Ta(0)、Ta(1)・・・Ta(n))とが互いに関連付けられている。なお、「n」は正の整数である。また、距離Da(m)は、移動開始位置からの距離のことであって、設定値mが大きくなるほど長距離とされる。そして、距離Da(n)は、キャリッジ16の移動制御を加速制御から定速制御に切り替える位置に相当する距離である。
目標周期Ta(m)は、対応する距離Da(m)(即ち、移動開始位置を基準とした相対位置)にキャリッジ16が位置する場合にリニアエンコーダー21から出力される各エンコーダー信号の周波数の目標値である。つまり、設定値mが大きくなるほど、目標周期Ta(m)は、短周期となる(Ta(0)>Ta(1)・・・>Ta(n))。これは、キャリッジ16を加速させる場合には、移動開始位置から主走査方向Xに離間するほど各エンコーダー信号の周波数が短くなるためである。
減速テーブルMT2は、キャリッジ16を停止予定位置で停止させる際に使用されるテーブルである。すなわち、減速テーブルMT2では、減速開始位置からの距離Db(Db(0)、Db(1)・・・Db(n))と、該距離Db(m)での目標値となる目標周期Tb(Tb(0)、Tb(1)・・・Tb(n))とが互いに関連付けられている。なお、距離Db(m)は、減速開始位置からの距離のことであって、設定値mが大きくなるほど長距離とされる。そして、距離Db(n)は、キャリッジ16の減速開始位置と停止予定位置との間の距離である。
目標周期Tb(m)は、対応する距離Db(m)(即ち、減速開始位置を基準とした相対位置)にキャリッジ16が位置する場合にリニアエンコーダー21から出力される各エンコーダー信号の周波数の目標値である。つまり、設定値mが大きくなるほど、目標周期Tb(m)は、長周期となる(Tb(0)<Tb(1)・・・<Ta(n))。これは、キャリッジ16を減速させる場合には、減速開始位置から主走査方向Xに離間するほど各エンコーダー信号の周波数が長くなるためである。
こうした目標速度テーブルMT1,MT2に記憶される目標周期Ta(m),Tb(m)は、キャリッジ16の目標速度に相当する値である。これは、エンコーダー信号のパルス周期がキャリッジ16の移動速度に反比例するためである。したがって、本実施形態の不揮発性メモリー49は、キャリッジ16の主走査方向Xにおける各位置での目標速度を記憶しているということもできる。
なお、詳しくは後述するが、キャリッジ16の移動速度は、各エンコーダー信号に含まれるエッジが検出される毎に検出される。そして、目標速度テーブルMT1,MT2には、キャリッジ16の移動速度を検出する全ての位置のうち一部の位置に対応する目標周期Ta(m),Tb(m)(即ち、目標速度)のみが設定されている。具体的には、目標速度テーブルMT1,MT2には、A相のエンコーダー信号の立ち上がりエッジが検出される距離Da(m),Db(m)に対応する目標周期Ta(m),Tb(m)が記憶されている。
また、本実施形態では、図5に示すように、加減速印刷がされている。そのため、主走査方向X(キャリッジ移動方向)における印刷可能範囲Rには、キャリッジ16を定速制御する定速領域だけではなく、キャリッジ16を加速制御する加速領域及び減速制御する減速領域の一部も含まれている。
次に、ASIC46について説明する。
図3に示すように、ASIC46は、コマンド解析部55及び画像展開処理部56に加え、印刷ヘッド27のノズルから吐出されるインク滴の吐出タイミングを決定する印刷タイミング信号PTSを生成するために用いられるエッジ検出回路57及び印刷タイミング発生回路58を備えている。エッジ検出回路57は、リニアエンコーダー21の検出部24から入力されるエンコーダー信号に基づいたパルス信号を生成する。具体的には、エッジ検出回路57は、A相のエンコーダー信号に含まれる立ち上がりエッジを検出する度にパルスが発生する基準パルス信号RS1を生成し、該基準パルス信号RS1を印刷タイミング発生回路58に出力する。また、エッジ検出回路57は、各エンコーダー信号に含まれる各エッジ(立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを含む)を検出する度にパルスを発生する位置検出用パルス信号RS2を生成し、該位置検出用パルス信号RS2をCPU45に出力する。
印刷タイミング発生回路58は、詳しくは後述するが、エッジ検出回路57から入力した基準パルス信号RS1及びクロック回路52から入力したクロック信号CKなどを用いた信号生成処理を行って印刷タイミング信号PTSを生成する。印刷タイミング発生回路58が行う信号生成処理には、基準パルス信号RS1の周期を分割(逓倍)してその1周期を複数分割した周期のパルスを発生させる周期分割処理(逓倍処理)と、周期分割処理で得られたパルス信号をキャリッジ16の移動速度及び移動方向(往動と復動の違い)などに応じて決定されるディレイ時間だけ遅延させて吐出タイミング信号(噴射タイミング信号)を生成する遅延処理とが含まれる。印刷タイミング発生回路58によって生成された印刷タイミング信号PTSは、印刷ヘッドドライバー43に出力される。
印刷ヘッド27はノズル毎に圧電素子(図示省略)を有し、駆動信号に基づく駆動電圧(吐出波形パルス)が各圧電素子に印加され、この印加による圧電素子の電歪作用によりノズル毎に設けられた隔室(インク室)が膨張・圧縮することにより、ノズルからインク滴が吐出(噴射)される。印刷ヘッドドライバー43は、印刷ヘッド27内の各圧電素子に駆動電圧(吐出波形パルス)が印加される印加タイミング(即ち、吐出タイミング)を、印刷タイミング信号PTSに基づいて決定する機能を有している。印刷ヘッドドライバー43は、コントローラー40から入力される2ビットの階調値データに基づき3種類ある吐出波形パルスのうち圧電素子に印加すべき1つ又は複数の吐出波形パルスを決定する。すなわち、吐出波形パルスの印加の組合せでドットサイズ大・中・小の形成と、吐出波形パルスを印加しない吐出無しとが決められる。例えば階調値「00」であれば吐出無し、階調値「01」であれば小ドット、階調値「10」であれば中ドット、階調値「11」であれば大ドットのように決定される。
また、エッジ検出回路57から位置検出用パルス信号RS2が入力されるCPU45は、リニアエンコーダー21から出力されるA相のエンコーダー信号とB相のエンコーダー信号の位相差に基づきキャリッジ16の移動方向を認識する。そして、CPU45は、位置検出用パルス信号RS2に含まれるパルスを検出する度にカウント値をキャリッジ往動時にインクリメント、キャリッジ復動時にデクリメントし、カウント値に基づきキャリッジ16の原点位置(例えばホームポジション)からの移動位置を検出する。このキャリッジ16の移動位置は、目標速度テーブルMT1,MT2(図4参照)を参照して実行されるCRモーター19の速度制御に用いられる。
また、印刷タイミング発生回路58は、エンコーダー周期を計数し、該計数した値(カウント値)又はその逆数に相当するデータを速度データとしてCPU45に出力する。これは、カウント値であるエンコーダー周期がキャリッジ16の移動速度に反比例するためである。また、印刷タイミング発生回路58には、CPU45から後述するディレイ設定値などの設定値の書き込みや、印刷モードの選択信号(出力パルス選択信号)などの信号が入力される。
次に、印刷タイミング発生回路58の内部構成について説明する。
図6に示すように、印刷タイミング発生回路58は、内部タイミング信号生成回路61と、ディレイ信号生成回路62と、内部パルス計数回路63と、ディレイカウンター64と、ディレイ設定値用レジスター65と、出力パルス制御回路66とを備えている。
内部タイミング信号生成回路61には、エッジ検出回路57から基準パルス信号RS1が入力されると共に、クロック回路52からクロック信号CKが入力される。こうした内部タイミング信号生成回路61は、基準パルス信号RS1の周期を16分割する周期分割処理を行って周期(1/16)のパルスを有する内部タイミング信号TS1を生成する。そして、内部タイミング信号生成回路61は、生成した内部タイミング信号TS1をディレイ信号生成回路62及び内部パルス計数回路63に出力する。
ディレイ信号生成回路62は、エッジ検出回路57から基準パルス信号RS1が入力されると共に、クロック回路52からクロック信号CKが入力され、さらに内部タイミング信号生成回路61から内部タイミング信号TS1が入力される。こうしたディレイ信号生成回路62は、内部タイミング信号TS1の周期の1/128周期のパルスを有するディレイ信号DS1を、基準パルス信号RS1の周期を分割する周期分割処理を行って生成する。そして、ディレイ信号生成回路62は、生成したディレイ信号DS1をディレイカウンター64に出力する。
内部パルス計数回路63には、エッジ検出回路57から基準パルス信号RS1が入力されると共に、内部タイミング信号生成回路61から内部タイミング信号TS1が入力される。こうした内部パルス計数回路63は、内部タイミング信号TS1のパルスを計数し、該計数結果が「15」になる度、及び基準パルス信号RS1のパルスを入力した場合に、パルスが発生する新たな内部タイミング信号TS2を出力する。そして、内部パルス計数回路63は、基準パルス信号RS1のパルス入力によりリセットされたときは次の周期の1回目の内部タイミング信号TS2のパルスを出力する。こうして、内部パルス計数回路63は、基準パルス信号RS1の1周期の間に16個のパルスが含まれる内部タイミング信号TS2を出力する。この内部タイミング信号TS2は、インク滴を吐出する吐出タイミング(駆動タイミング)を決定する基準信号として用いられ、ディレイカウンター64へ出力される。
ディレイカウンター64には、内部パルス計数回路63から内部タイミング信号(基準信号)TS2が入力されると共に、ディレイ信号生成回路62からディレイ信号DS1が入力される。こうしたディレイカウンター64は、ディレイ設定値用レジスター65に記憶されるディレイ設定値KD(図11参照)に基づき、内部タイミング信号TS2をディレイ時間遅らせて出力する機能を有している。
出力パルス制御回路66は、予備タイミング信号PSのパルス1個につきパルス1個の割合で印刷タイミング信号PTSを出力する。この印刷タイミング信号PTSは、出力パルス制御回路66に電気的に接続された印刷ヘッドドライバー43に出力される。
印刷ヘッドドライバー43は、内部の駆動信号生成回路により3種類の吐出波形パルスを生成する。そして、印刷ヘッドドライバー43は、入力される階調値データに基づいて3種類の吐出波形パルスのうち階調値に応じた所定の少なくとも1つを選択して印刷タイミング信号PTSに基づいたタイミングでその選択された吐出波形パルスを印刷ヘッド27内の各圧電素子に印加する。この結果、各圧電素子のうち階調値データで「00」以外の値をとる画素を打つノズルに対応する圧電素子には吐出波形パルス(駆動電圧)が印加され、該圧電素子に対応するノズルからインク滴が吐出される。したがって、本実施形態では、印刷タイミング発生回路58を備えるASIC46が、印刷ヘッド27の駆動を制御する駆動制御手段として機能する。
なお、本実施形態の印刷装置11では、該印刷装置11の電源がオンになった場合に、キャリッジ16が主走査方向Xに移動され、キャリッジ16の定速制御時における各位置での移動速度が検出され、該検出結果が移動速度実測値Vzとして取得される。そこで次に、印刷装置11の電源がオンになった際にCPU45が実行する実測値取得処理ルーチンについて図7に示すフローチャート及び図8に示すグラフに基づき説明する。
さて、実測値取得処理ルーチンにおいて、コントローラー40(CPU45)は、ホームポジションに位置するキャリッジ16を、該ホームポジションよりも印刷領域側に設定された取得開始位置に移動させる(ステップS100)。続いて、コントローラー40は、キャリッジ16を主走査方向Xにおいてホームポジションから離間する方向に移動させる(ステップS110)。そして、コントローラー40は、キャリッジ16の現時点の位置が定速領域に含まれるか否か、即ちキャリッジ16が定速制御されているか否かを判定する(ステップS120)。この判定結果が否定判定である場合、コントローラー40は、加速制御中であるため、加速制御から定速制御に切り替るまでステップS120の判定処理を繰り返し行う。
一方、ステップS120の判定結果が肯定判定になった場合、コントローラー40は、定速制御中であるため、移動速度取得処理を実行する(ステップS130)。具体的には、コントローラー40は、位置検出用パルス信号RS2に含まれるパルスを検出した時点の位置とキャリッジ16の移動速度(以下、「移動速度実測値Vz」ともいう。)とを検出する。そして、コントローラー40は、取得開始位置からの距離と、検出した移動速度実測値Vzとを互いに関連付けた状態でRAM48の所定領域に記憶させる。
続いて、コントローラー40は、キャリッジ16の現時点の位置が減速領域に含まれるか否か、即ちキャリッジ16が減速制御されているか否かを判定する(ステップS140)。この判定結果が否定判定である場合、コントローラー40は、定速制御中であるため、その処理を前述したステップS130に移行する。一方、ステップS140の判定結果が肯定判定になった場合、コントローラー40は、減速制御中であるため、キャリッジ16が停止したか否かを判定する(ステップS150)。この判定結果が否定判定である場合、コントローラー40は、キャリッジ16が停止するまでステップS150の判定処理を繰り返し行う。一方、ステップS150の判定結果が肯定判定になった場合、コントローラー40は、実測値取得処理ルーチンを終了する。
すなわち、定速領域とは、キャリッジ16の移動速度が、定速で移動させるための目標速度Vdとなるように制御される制御領域である。こうした定速領域では、図8に示すように、加速領域から定速領域に切り替った直後でオーバーシュートが発生する。こうしたオーバーシュートは、時間の経過と共に収束する。なお、本実施形態において定速領域のうちオーバーシュートが発生する領域のことを「OS領域(オーバーシュート領域)」というものとする。
しかし、キャリッジ16の位置がOS領域を超えたとしても、該キャリッジ16の移動速度は、目標速度Vdを上回ったり、目標速度Vdを下回ったりする。すなわち、キャリッジ16の移動速度は、周期的に変動する。
そこで、実測値取得処理ルーチンがCPU45によって実行されると、RAM48の所定領域には、定速領域を移動するキャリッジ16の移動速度実測値Vzが、取得開始位置からの距離毎に関連付けられて記憶される。すなわち、RAM48の所定領域には、一定距離間隔毎の移動速度実測値Vzが記憶された実測値テーブルが作成される。したがって、本実施形態では、RAM48が、記憶手段として機能する。
次に、用紙Pへの印刷時にCPU45が実行するタイミング設定処理ルーチンについて図9、図10及び図11に示すフローチャートと、図12及び図13に示すグラフとに基づき説明する。なお、タイミング設定処理ルーチンは、用紙Pへインク滴を吐出するタイミング、即ち印刷ヘッド27の駆動タイミングを調整するための処理である。
さて、コントローラー40(CPU45)は、印刷を行うべくキャリッジ16が移動する場合において、位置検出用パルス信号RS2に含まれるパルスを検出する毎にタイミング設定処理ルーチンを実行する。このタイミング設定処理ルーチンにおいて、コントローラー40は、設定値mを「1」だけインクリメントする(ステップS200)。続いて、コントローラー40は、位置検出用パルス信号RS2に含まれるパルスの周期に基づき、キャリッジ16の現時点の移動速度(以下、「今回の移動速度」ともいう。)Vc(m)を検出し、該検出結果をRAM48に記憶させる(ステップS210)。したがって、本実施形態では、CPU45が、移動速度検出手段としても機能する。また、ステップS210が、移動速度検出ステップに相当する。
続いて、コントローラー40は、キャリッジ16の現時点の位置が定速領域に含まれるか否か、即ち定速制御中であるか否かを判定する(ステップS220)。この判定結果が否定判定である場合、コントローラー40は、加速制御中又は減速制御中であるため、パルス数Cntを「0(零)」にリセットし(ステップS230)、その処理を後述するステップS260に移行する。パルス数Cntは、後述する領域判定処理(ステップS250)で用いられる値である。一方、ステップS220の判定結果が肯定判定である場合、コントローラー40は、定速制御中であるため、設定値mを「0(零)」にリセットする(ステップS240)。この設定値mは、キャリッジ16の次回の推定移動速度の検出時などに用いられる値である。続いて、コントローラー40は、後述する領域判定処理を行い(ステップS250)、その処理を次のステップS260に移行する。
ステップS260において、コントローラー40は、後述するディレイ設定値設定処理を行う。その後、コントローラー40は、タイミング設定処理ルーチンを一旦終了する。
次に、上記ステップS250の領域判定処理ルーチンについて、図10に示すフローチャートに基づき説明する。
さて、領域判定処理ルーチンにおいて、コントローラー40は、パルス数Cntを「1」だけインクリメントする(ステップS300)。領域判定処理ルーチンを含むタイミング設定処理ルーチンは、位置検出用パルス信号RS2のパルスが検出される毎に実行される処理である。そのため、パルス数Cntは、定速制御時に、リニアエンコーダー21から出力される各エンコーダー信号に含まれるエッジの計数結果ということもできる。したがって、本実施形態では、CPU45が、計数手段としても機能する。
続いて、コントローラー40は、OS判定フラグFLG1がオフであるか否かを判定する(ステップS310)。このOS判定フラグFLG1は、キャリッジ16の現時点の位置がOS領域に含まれる場合にはオンにセットされる一方、キャリッジ16の現時点の位置がOS領域に含まれない場合にはオフにセットされるフラグである。ステップS310の判定結果が否定判定(FLG1=オン)である場合、コントローラー40は、前回に領域判定処理ルーチンが行われた際にはオーバーシュートが発生していたと判断し、ステップS300で更新されたパルス数Cntが予め設定されたOS判定基準値KOS以上であるか否かを判定する(ステップS320)。このOS判定基準値KOSは、キャリッジ16の現時点の位置がOS領域に含まれるか否か判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。なお、パルス数Cntは、各エンコーダー信号に含まれるエッジの検出数でもあるため、コントローラー40は、キャリッジ16の位置が加速領域から定速領域に切り替った時点からのキャリッジ16の移動量によって、OS領域を超えたか否かを判定しているということもできる。
ステップS320の判定結果が否定判定(Cnt<KOS)である場合、コントローラー40は、キャリッジ16の現時点の位置がOS領域に含まれるため、OS判定フラグFLG1をオンにセットする(ステップS330)。続いて、コントローラー40は、領域判定フラグFLG2をオフにセットし(ステップS335)、領域判定処理ルーチンを終了する。一方、ステップS320の判定結果が肯定判定である場合、コントローラー40は、キャリッジ16の現時点の位置がOS領域に含まれないため、OS判定フラグFLG1をオフにセットし(ステップS340)、その処理を後述するステップS380に移行する。
その一方で、ステップS310の判定結果が肯定判定(FLG1=オフ)である場合、コントローラー40は、領域判定フラグFLG2がオフであるか否かを判定する(ステップS350)。この領域判定フラグFLG2は、次回のタイミングでキャリッジ16の移動速度を検出するための位置(以下、「次回位置」ともいう。)が、キャリッジ16の移動速度の変化が大きい第1領域に含まれるか、移動速度の変化が小さい第2領域に含まれるかを判断するためのフラグである。そして、領域判定フラグFLG2は、次回位置が第1領域に含まれる場合にはオフにセットされる一方、次回位置が第2領域に含まれる場合にはオンにセットされる。
ここで、第1領域及び第2領域について説明する。上述したように、キャリッジ16が定速制御される場合、図12において破線で示すように、キャリッジ16の移動速度は、周期的に変動する。こうした破線で示す曲線のトップ値近傍及びボトム値近傍では、傾き(即ち、移動速度の変化)が小さい。そこで、こうした領域が「第2領域」に該当する一方、第2領域以外の領域が「第1領域」に該当する。
図10に戻り、ステップS350の判定結果が肯定判定(FLG2=オフ)である場合、コントローラー40は、次回位置が第1領域に含まれるため、ステップS300で更新されたパルス数Cntが予め設定された第1基準パルス数KCnt1以上であるか否かを判定する(ステップS360)。
ここで、次回位置が第1領域であるか第2領域であるかの判定方法について説明する。本実施形態では、定速制御されるキャリッジ16の移動速度が、目標速度Vdを上回ったり、下回ったりすることに着眼している(図12参照)。すなわち、移動速度が目標速度未満の状態から目標速度以上となるタイミング、及び移動速度が目標速度以上の状態から目標速度未満となるタイミングが検出される。そして、検出されたタイミングから計数されたパルス数Cnt(即ち、キャリッジ16の移動量)から、次回位置が第2領域に含まれるか否かが判定される。そのため、第1基準パルス数KCnt1は、次回位置が第2領域に含まれるか否かを判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。
ステップS360の判定結果が肯定判定(Cnt≧KCnt1)である場合、コントローラー40は、次回位置が第2領域に含まれると判断し、領域判定フラグFLG2をオンにセットする(ステップS370)。したがって、本実施形態では、CPU45が、次回位置が第2領域に含まれるか否かを判定する判定手段としても機能する。その後、コントローラー40は、その処理を次のステップS380に移行する。
ステップS380において、コントローラー40は、パルス数Cntを「0(零)」にリセットし、領域判定処理ルーチンを終了する。
その一方で、ステップS360の判定結果が否定判定(Cnt<KCnt1)である場合、コントローラー40は、差分判定フラグFLG3がオフであるか否かを判定する(ステップS390)。この差分判定フラグFLG3は、定速制御されるキャリッジ16の移動速度が、目標速度Vd以上であるか否かを判断するためのフラグである。すなわち、差分判定フラグFLG3は、移動速度が目標速度Vd以上である場合にはオンにセットされる一方、移動速度が目標速度Vd未満である場合にはオフにセットされる。
ステップS390の判定結果が肯定判定(FLG3=オフ)である場合、コントローラー40は、キャリッジ16の前回の移動速度Vc(m−1)が目標速度Vd未満であるため、キャリッジ16の今回の移動速度Vc(m)が目標速度Vd以上であるか否かを判定する(ステップS400)。前回の移動速度Vc(m−1)とは、前回のタイミングで検出されたキャリッジ16の移動速度のことである。そして、ステップS400の判定結果が否定判定(Vc(m)<Vd)である場合、コントローラー40は、領域判定処理ルーチンを終了する。一方、ステップS400の判定結果が肯定判定(Vc(m)≧Vd)である場合、コントローラー40は、移動速度が目標速度Vd未満の状態から目標速度Vd以上になったことが検出されたため、差分判定フラグFLG3をオンにセットし(ステップS410)、その処理を前述したステップS380に移行する。
一方、ステップS390の判定結果が否定判定(FLG3=オン)である場合、コントローラー40は、キャリッジ16の前回の移動速度Vc(m−1)が目標速度Vd以上であるため、キャリッジ16の今回の移動速度Vc(m)が目標速度Vd未満であるか否かを判定する(ステップS420)。この判定結果が否定判定(Vc(m)≧Vd)である場合、コントローラー40は、領域判定処理ルーチンを終了する。一方、ステップS420の判定結果が肯定判定(Vc(m)<Vd)である場合、コントローラー40は、移動速度が目標速度Vd以上の状態から目標速度Vd未満になったことが検出されたため、差分判定フラグFLG3をオフにセットし(ステップS430)、その処理を前述したステップS380に移行する。
その一方で、ステップS350の判定結果が否定判定(FLG2=オン)である場合、コントローラー40は、次回位置が第2領域に含まれるため、ステップS300で更新されたパルス数Cntが予め設定された第2基準パルス数(他の基準パルス数)KCnt2以上であるか否かを判定する(ステップS440)。
ここで、次回位置が第2領域から第1領域に切り替わったか否かを判定する方法について説明する。本実施形態では、定速制御されるキャリッジ16の移動速度が、周期的に変動することに着眼している(図12参照)。すなわち、次回位置が第2領域に含まれると判定されたタイミングから計数されたパルス数Cnt(即ち、キャリッジ16の移動量)に基づき、次回位置が第1領域に含まれるか否かが判定される。そのため、第2基準パルス数KCnt2は、次回位置が第1領域に含まれるか否かを判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。
そして、ステップS440の判定結果が否定判定(Cnt<KCnt2)である場合、コントローラー40は、次回位置が第2領域に含まれると判断し、領域判定処理ルーチンを終了する。一方、ステップS440の判定結果が肯定判定(Cnt≧KCnt2)である場合、コントローラー40は、次回位置が第1領域に含まれると判断し、領域判定フラグFLG2をオフにセットし(ステップS450)、その処理を次のステップS380に移行する。
すなわち、図12に示すように、前回の移動速度Vc(m−1)が目標速度Vd未満であって且つ今回の移動速度Vc(m)が目標速度Vd以上となる場合では、パルス数Cntがリセットされる(第1のタイミングt1)。その後、パルス数Cntが第1基準パルス数KCnt1以上になると、次回位置が第2領域に含まれると判定される(第2のタイミングt2)。また、第2のタイミングt2では、パルス数Cntが再びリセットされる。そして、パルス数Cntが第2基準パルス数KCnt2以上になると、次回位置が第1領域に含まれると判定され、さらに、パルス数Cntがリセットされる(第3のタイミングt3)。
次に、上記ステップS260のディレイ設定値設定処理ルーチンについて、図11に示すフローチャートに基づき説明する。
さて、ディレイ設定値設定処理ルーチンにおいて、コントローラー40は、領域判定フラグFLG2がオンであるか否かを判定する(ステップS10)。この判定結果が否定判定(FLG2=オフ)である場合、コントローラー40は、次回位置が加速領域、減速領域、OS領域及び第1領域のうち何れか一つの領域に含まれると判断する。そして、コントローラー40は、ディレイ設定値設定処理ルーチンが前回行われた際に検出されたキャリッジ16の前回の移動速度Vc(m−1)をRAM48から読み出す(ステップS11)。続いて、コントローラー40は、上記ステップS210で検出された今回の移動速度Vc(m)から前回の移動速度Vc(m−1)を減算することにより、キャリッジ16の現時点の加速度DVcを取得する(ステップS12)。すなわち、次回位置が加速領域、減速領域、OS領域及び第1領域のうち何れか一つの領域に含まれる場合、加速度DVcは、キャリッジ16の移動速度の実測値に基づき算出される。したがって、本実施形態では、CPU45が、加速度算出手段としても機能する。
続いて、コントローラー40は、上記ステップS210で検出された今回の移動速度Vc(m)に、ステップS12で算出された現時点の加速度DVcを加算し、該加算結果をキャリッジ16の次回の推定移動速度Vsとする(ステップS13)。次回の推定移動速度Vsとは、次回位置でのキャリッジ16の移動速度の推定値である。したがって、本実施形態では、コントローラー40のCPU45が、今回の移動速度Vc(m)が検出された時点で、次回の推定移動速度Vsを算出する移動速度推定手段としても機能する。また、ステップS13が、第1推定ステップに相当する。その後、コントローラー40は、その処理を後述するステップS16に移行する。
一方、ステップS10の判定結果が肯定判定(FLG2=オン)である場合、コントローラー40は、次回位置が第2領域に含まれると判断する。そして、コントローラー40は、キャリッジ16の次回位置に対応する移動速度実測値Vzを、RAM48の実測値テーブルから読み出す(ステップS14)。続いて、コントローラー40は、読み出した移動速度実測値Vzをキャリッジ16の次回の推定移動速度Vsとする(ステップS15)。したがって、本実施形態では、ステップS15が、第2推定ステップに相当する。その後、コントローラー40は、その処理を次のステップS16に移行する。
ステップS16において、コントローラー40は、演算計数A1、計数基準速度Vbc、周期Tt(m)、推定移動速度Vsを下記の関係式(式1)に代入することにより、ディレイ設定値KDを算出する。なお、演算計数A1は、印刷ヘッド27のノズル形成面とプラテン13の支持面との間のプラテンギャップの大きさ、及び印刷モード(ドラフトモードや高詳細モードなど)に応じて変更される。また、周期Tt(m)は、位置検出用パルス信号RS2に含まれるパルスの間隔に相当する周期であって、キャリッジ16の加速度DVcに応じた値とされる。また、計数基準速度Vbcは、設定される印刷モードで想定し得るキャリッジ16の移動速度の最大値であって、設定される印刷モードでの定速領域での目標速度Vd(図5参照)よりも大きな値に設定される。
Vs=A1×Tt(m)×(Vbc−Vs) ・・・(式1)
なお、ドラフトモードとは、印刷精度よりも印刷速度を重視した印刷モードである一方、高詳細モードとは、印刷速度よりも印刷精度を重視した印刷モードである。そのため、ドラフトモードにおける定速領域でのキャリッジ16の目標速度は、高詳細モードにおける定速領域でのキャリッジ16の目標速度よりも高速である。
そして、コントローラー40は、ステップS16で算出されたディレイ設定値KDをディレイ設定値用レジスター65に保管させる(ステップS17)。その後、コントローラー40は、ディレイ設定値設定処理ルーチンを終了する。
次に、用紙Pへの印刷時に本実施形態のASIC46が実行する吐出タイミング設定処理ルーチンについて、図14に示すフローチャートに基づき説明する。この吐出タイミング設定処理ルーチンは、内部パルス計数回路63からディレイカウンター64に入力される内部タイミング信号TS2でパルスが発生する毎に実行される。
さて、吐出タイミング設定処理ルーチンにおいて、ステップS30では、ディレイ信号生成回路62から出力されるディレイ信号DS1に含まれるパルスの数がディレイカウンター64によって計数される。次のステップS31では、計数されたパルス数Cpが、ディレイ設定値用レジスター65に保管されるディレイ設定値KD以上であるか否かがディレイカウンター64によって判定される。そして、パルス数Cpがディレイ設定値KD未満である場合(ステップS31の判定結果が否定判定である場合)には、その処理が前述したステップS30に移行される。一方、パルス数Cpがディレイ設定値KD以上である場合(ステップS31の判定結果が肯定判定である場合)には、その処理が次のステップS32に移行される。
ステップS32では、パルス数Cpがディレイカウンター64によって「0(零)」にリセットされる。次のステップS33では、ディレイカウンター64から予備タイミング信号PSが出力パルス制御回路66に出力される。次のステップS34では、予備タイミング信号PSが入力された出力パルス制御回路66から印刷タイミング信号PTSが印刷ヘッドドライバー43に出力される。すると、印刷ヘッド27のノズルからは、インク滴が吐出される。したがって、本実施形態では、ステップS34が、キャリッジ16の次回の推定移動速度Vsに基づいた吐出タイミング(駆動タイミング)で印刷ヘッド27からインク滴を吐出させる駆動ステップに相当する。その後、吐出タイミング設定処理ルーチンが終了される。
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)キャリッジ16が定速制御される場合、キャリッジ16の移動速度は、目標速度Vdを上回ったり、下回ったりするように周期的に変動する。そこで、本実施形態では、キャリッジ16の移動速度の周期的な変動に着眼し、RAM48には、キャリッジ16を定速制御する際におけるキャリッジ16の移動速度を移動速度実測値Vzとして予め記憶させておく。そして、印刷時には、キャリッジ16の今回の移動速度Vc(m)が検出された時点で、キャリッジ16の次回の推定移動速度Vsが取得される。このとき、次回位置が第1領域に含まれる場合、次回の推定移動速度Vsは、今回の移動速度Vc(m)とキャリッジ16の現時点の加速度DVcとに基づき算出される。一方、次回位置が第2領域に含まれる場合、次回の推定移動速度Vsは、RAM48の実測値テーブルに記憶される移動速度実測値Vzに基づき設定される。
ここで、もし仮に今回の移動速度Vc(m)を検出した位置が第1領域に含まれ、且つ次回位置が第2領域に含まれる場合に、現時点の加速度DVcを用いて次回の推定移動速度Vsを設定したとすると、以下に示す問題が発生し得る。すなわち、次回の推定移動速度Vsは、今回の移動速度Vc(m)と該今回の移動速度Vc(m)が検出された時点の加速度DVcとに基づき算出されることになる。この算出で用いられる加速度DVcは、図13に示すように、次回の移動速度Vc(m+1)を検出する時点でのキャリッジの加速度と比較して、非常に大きいと推定される。そのため、上記算出方法で算出された次回の推定移動速度Vsは、次回のタイミングで検出される次回の移動速度Vc(m+1)とは大きく異なる可能性があり、結果として、印刷ヘッド27からのインク滴の吐出タイミングが、最適なタイミングから乖離する可能性がある。
この点、本実施形態では、次回位置が第2領域に含まれる場合、次回の推定移動速度Vsは、RAM48の実測値テーブルに記憶される移動速度実測値Vzに基づき設定される。そのため、次回の推定移動速度Vsの推定精度を、向上させることができる。そして、次回位置に応じて次回の推定移動速度Vsの取得方法を使い分けることにより、次回の推定移動速度Vsの推定精度を向上させることができ、ひいてはより適切なタイミングで印刷ヘッド27からインク滴を吐出させることができる。
(2)次回位置が第1領域に含まれる場合、次回の推定移動速度Vsは、検出された今回の移動速度Vc(m)と、算出された現時点の加速度DVcとに基づき算出される。したがって、キャリッジ16の移動速度の変化量が大きい場合における次回の推定移動速度Vsの推定精度を向上させることができる。
(3)キャリッジ16の定速制御中では、検出されるキャリッジ16の移動速度が目標速度Vd未満の状態から目標速度Vd以上になったタイミングから、各エンコーダー信号(即ち、位置検出用パルス信号RS2)に含まれるパルス数Cntが計数される。そして、計数されたパルス数Cntが第1基準パルス数KCnt1以上になった場合には、次回位置が第2領域に含まれると判定される。
同様に、キャリッジ16の定速制御中では、検出されるキャリッジ16の移動速度が目標速度Vd以上の状態から目標速度Vd未満になったタイミングから、各エンコーダー信号(即ち、位置検出用パルス信号RS2)に含まれるパルス数Cntが計数される。そして、計数されたパルス数Cntが第1基準パルス数KCnt1以上になった場合には、次回位置が第2領域に含まれると判定される。したがって、次回の推定移動速度Vsの推定方法を適切なタイミングで切り替えることができる。
(4)また、キャリッジ16の定速制御中では、次回位置が第2領域に含まれると判定されてから、各エンコーダー信号(即ち、位置検出用パルス信号RS2)に含まれるパルス数Cntが計数される。そして、計数されたパルス数Cntが第2基準パルス数KCnt2以上になった場合には、次回位置が第1領域に含まれると判定される。したがって、次回の推定移動速度Vsの推定方法を適切なタイミングで切り替えることができる。
(5)実測値テーブルを、印刷装置11の出荷前に予め記憶させておく方法も考えられる。しかしながら、出荷後の印刷装置11の使用によって、キャリッジ16の移動時の特性が時間の経過と共に変化する可能性がある。こうした特性の変化が発生した場合、次回位置が第2領域に含まれる際に実測値テーブルに基づき設定される次回の推定移動速度Vsが、キャリッジ16が次回位置に移動した際に検出される移動速度Vc(m+1)と乖離するおそれがある。
この点、本実施形態では、RAM48に記憶される実測値テーブルは、印刷装置11の電源がオン状態となる毎に作成される。そのため、その時点の印刷装置11の状態、即ちキャリッジ16の移動時の特性に応じた実測値テーブルが、RAM48に記憶されることになる。したがって、出荷時などの状態に応じた実測値テーブルを予め用意する場合と比較して、次回位置が第2領域に含まれる場合における次回の推定移動速度Vsの推定精度が時間の経過によって低下する可能性を抑制できる。
(6)印刷ヘッド27からのインク滴の吐出タイミングは、次回の推定移動速度Vsに基づき設定される。そのため、本実施形態では、キャリッジ16の加速領域及び減速領域での次回の推定移動速度Vsの推定精度が向上されるため、加減速印刷時における印刷精度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図15に基づき説明する。なお、第2の実施形態は、領域判定処理ルーチンの一部が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態の領域判定処理ルーチンについて、図15に示すフローチャートに基づき説明する。
さて、領域判定処理ルーチンにおいて、コントローラー40は、ステップS300,S310の各処理を順次行う。そして、ステップS310の判定結果が否定判定(FLG1=オン)である場合において、ステップS320の判定結果が否定判定(Cnt<KOS)であるときには、コントローラー40は、ステップS330,S335の各処理を行い、領域判定処理ルーチンを終了する。一方、ステップS310の判定結果が否定判定(FLG1=オン)である場合において、ステップS320の判定結果が肯定判定(Cnt≧KOS)であるときには、コントローラー40は、ステップS340,S380の各処理を行い、領域判定処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS310の判定結果が肯定判定(FLG1=オフ)である場合において、ステップS350の判定結果が肯定判定(FLG2=オフ)であるときには、コントローラー40は、次回位置が第1領域に含まれるため、ステップS300で更新されたパルス数Cntが予め設定された第3基準パルス数KCnt3以上であるか否かを判定する(ステップS361)。
ここで、次回位置が第1領域であるか第2領域であるかの判定方法について説明する。本実施形態では、定速制御されるキャリッジ16の移動速度が、周期的に変動することに着眼している(図12参照)。すなわち、次回位置が第2領域から第1領域に切り替ったタイミングが検出される。そして、検出されたタイミングから計数されたパルス数Cnt(即ち、キャリッジ16の移動量)に基づき、次回位置が第2領域に含まれるか否かが判定される。そのため、第3基準パルス数KCnt3は、次回位置が第2領域に含まれるか否かを判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。ちなみに、第3基準パルス数KCnt3は、上記第1基準パルス数KCnt1よりも大きな値に設定される。
ステップS361の判定結果が肯定判定(Cnt≧KCnt3)である場合、コントローラー40は、次回位置が第2領域に含まれると判断し、ステップS370,S380の各処理を順次行い、領域判定処理ルーチンを終了する。一方、ステップS361の判定結果が否定判定(Cnt<KCnt3)である場合、コントローラー40は、次回位置が第1領域に含まれると判断し、領域判定処理ルーチンを終了する。
その一方で、ステップS350の判定結果が否定判定(FLG2=オン)である場合、コントローラー40は、次回位置が第2領域に含まれるため、ステップS300で更新されたパルス数Cntが予め設定された第4基準パルス数(他の基準パルス数)KCnt4以上であるか否かを判定する(ステップS441)。
ここで、次回位置が第2領域から第1領域に切り替ったか否かを判定する方法について説明する。すなわち、次回位置が第2領域に含まれると判定されたタイミングからのパルス数Cnt(即ち、キャリッジ16の移動量)に基づき、次回位置が第1領域に含まれるか否かが判定される。そのため、第4基準パルス数KCnt4は、次回位置が第1領域に含まれるか否かを判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。ちなみに、第4基準パルス数KCnt4は、上記第2基準パルス数KCnt2と同一値である。
そして、ステップS441の判定結果が否定判定(Cnt<KCnt4)である場合、コントローラー40は、次回位置が第2領域に含まれると判断し、領域判定処理ルーチンを終了する。一方、ステップS441の判定結果が肯定判定(Cnt≧KCnt4)である場合、コントローラー40は、次回位置が第1領域に含まれると判断し、ステップS450,S380の各処理を順次行い、領域判定処理ルーチンを終了する。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)(2)(4)〜(6)の効果に加え、さらに以下に示す効果を得ることができる。
(7)次回位置が含まれる領域が第2領域から第1領域に切り替ってから、各エンコーダー信号(即ち、位置検出用パルス信号)に含まれるパルス数Cntが計数される。そして、計数されたパルス数Cntが第3基準パルス数KCnt3以上になった場合には、次回位置が第2領域に含まれると判定される。したがって、次回の推定移動速度Vsの推定方法を適切なタイミングで切り替えることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・キャリッジ16を主走査方向Xに移動させた際の移動速度の変動は、往路と復路とで微妙に異なることがある。そこで、実測値取得処理ルーチンでは、キャリッジ16を主走査方向Xにおける一方(例えば、往路)に移動させた際に取得した移動速度を移動速度実測値Vzとして記憶する第1の実測値テーブルと、キャリッジ16を主走査方向Xにおける他方(例えば、復路)に移動させた際に取得した移動速度を移動速度実測値Vzとして記憶する第2の実測値テーブルとを作成してもよい。そして、印刷時においてキャリッジ16が主走査方向Xにおける一方側に移動する場合には第1の実測値テーブルを用い、印刷時においてキャリッジ16が主走査方向Xにおける他方側に移動する場合には第2の実測値テーブルを用いてもよい。このような制御処理を行うことで、次回の推定移動速度Vsの推定精度をさらに向上させることができる。
・各実施形態において、実測値テーブルを、印刷装置11の出荷前に予め不揮発性メモリー49に設定記憶させておいてもよい。このような構成にすると、印刷装置11の電源がオンになった際に実行される実測値取得処理ルーチンを省略できる分、コントローラー40の制御負荷を低減できる。なお、この場合、不揮発性メモリー49が、記憶手段として機能することになる。
・キャリッジ16が定速制御される場合における移動速度の変動具合は、定速制御時における目標速度Vdの大きさによって変わり得る。速制御時における目標速度Vdは、印刷モード(一例として、ドラフトモード及び高詳細モード)によって変更される。そこで、各印刷モードに個別対応する実測値テーブルを、印刷が開始される前までに取得させてもよい。
・キャリッジ16の移動速度を検出するためのセンサーとして、CRモーター19の図示しない出力軸の回転速度を検出するためのロータリーエンコーダーを設けてもよい。この場合、ロータリーエンコーダーが、パルス出力手段として機能することになる。
・印刷装置11の印刷モードには、ドラフトモードと高詳細モードとが一般的に設定されている。そして、ドラフトモードでの印刷時におけるキャリッジ16の移動速度(即ち、定速制御時における目標速度)は、高詳細モードでの印刷時におけるキャリッジ16の移動速度(即ち、定速制御時における目標速度)よりも速い。そのため、加速テーブルMT1及び減速テーブルMT2を、印刷モード毎に設けてもよい。そして、ディレイ設定値設定処理では、目標周期などを、印刷モードに応じた目標速度テーブルMT1,MT2から読み出してもよい。また、各基準パルス数KCnt1,KCnt2,KCnt3,KCnt4を、印刷モード毎に異なる値に設定してもよい。
・次回位置が第1領域であるか第2領域であるかの判定方法は、以下に示す方法であってもよい。この判定方法は、キャリッジ16の加速度DVcの変動に基づき、次回位置が第1領域であるか第2領域であるかを判定する方法である。すなわち、移動速度が検出される位置が第1領域である場合における加速度の絶対値は、移動速度が検出される位置が第2領域である場合における加速度の絶対値よりも大きい。そのため、キャリッジ16の移動速度を検出する際に加速度DVcも取得し、該加速度DVcの絶対値が予め設定された加速度閾値以上であるか否かによって、次回位置が第1領域であるか第2領域であるかを判定してもよい。
・また、次回位置が第1領域であるか第2領域であるかの判定方法は、以下に示す方法であってもよい。この判定方法では、キャリッジ16の加速度DVcの微分値(「躍度」ともいう。)を用いて次回位置が第1領域であるか第2領域であるかが判定される。すなわち、キャリッジ16が定速制御される場合において、次回位置がOS領域ではないときに、躍度が算出される。そして、算出された躍度が予め設定された基準躍度以上である場合には、次回位置が第1領域であると判定される。一方、算出された躍度が基準躍度未満である場合には、次回位置が第2領域であると判定される。このような制御処理を行うことで、次回の推定移動速度Vsの取得方法の切り替えを、より適切なタイミングに設定でき、次回の推定移動速度Vsの推定精度の向上に貢献できる。
・各実施形態において、印刷装置は、用紙Pの搬送方向と同一方向にキャリッジを移動させつつ、印刷ヘッド27からインク滴を吐出させる、所謂ラテラルタイプのプリンターであってもよい。
・各実施形態では、記録装置をインクジェット式のシリアルプリンターに具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
・各実施形態において、記録装置は、モーターを備える装置であれば、ドットインパクト式プリンターなどのインパクト式プリンターでもよい。
・各実施形態において、電子機器は、モーターの駆動によって移動する移動体と、該移動体に搭載される駆動手段とを備える構成であれば、記録装置以外の他の電子機器に具体化してもよい。
11…電子機器としての印刷装置、13…支持手段としてのプラテン、16…移動体としてのキャリッジ、19…電動機としてのCRモーター、21…パルス出力手段としてのリニアエンコーダー、27…駆動手段としての印刷ヘッド、41…移動制御手段を構成するモータードライバー、45…移動制御手段を構成するCPU(移動速度検出手段、移動速度推定手段、加速度算出手段、計数手段、判定手段)、46…駆動制御手段としてのASIC、48…記憶手段としてのRAM、49…記憶手段としての不揮発性メモリー、Cnt…パルス数、DVc…加速度、KCnt1,KCnt3…基準パルス数、KCnt2,KCnt4…他の基準パルス数としての基準パルス数、P…媒体としての用紙、Vc(m)…今回の移動速度、Vd…目標速度、Vs…次回の推定移動速度、Vz…移動速度実測値。

Claims (7)

  1. 電動機の駆動によって走査方向に移動する移動体に搭載される駆動手段を、前記移動体の移動速度に基づいた駆動タイミングで駆動させる電子機器において、
    予め設定された間隔毎に、前記移動体の移動速度を検出する移動速度検出手段と、
    前記移動体を移動させた際の前記移動体の移動速度実測値を記憶する記憶手段と、
    前記移動速度検出手段によって前記移動体の今回の移動速度が検出された時点で、前記移動体の次回の推定移動速度を取得する移動速度推定手段と、
    前記移動体を、定速で移動させるための目標速度に基づき制御する移動制御手段と、
    前記移動速度推定手段によって取得された次回の推定移動速度に応じた駆動タイミングで前記駆動手段を駆動させる駆動制御手段と、を備え、
    前記移動速度推定手段は、前記移動速度検出手段によって前記移動体の次回の移動速度が検出される次回位置が前記移動体の移動速度の変化の大きい第1領域に含まれる場合には、前記移動体の現時点の加速度と前記今回の移動速度とに基づき次回の推定移動速度を算出する一方、前記次回位置が前記移動体の移動速度の変化の小さい第2領域に含まれる場合には、前記記憶手段に記憶される移動速度実測値に基づき次回の推定移動速度を設定することを特徴とする電子機器。
  2. 前記移動速度検出手段による検出結果に基づき前記移動体の加速度を算出する加速度算出手段をさらに備え、
    前記移動速度推定手段は、前記次回位置が前記第1領域に含まれる場合には、前記移動速度検出手段によって検出された今回の移動速度と前記加速度算出手段によって算出された加速度とに基づき、前記移動体の次回の推定移動速度を算出することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記移動体の移動速度が速いほど短い周期のパルス信号を出力するパルス出力手段と、
    前記パルス出力手段から出力されるパルス信号に含まれるパルス数を計数する計数手段と、
    前記移動速度検出手段によって検出される前記移動体の移動速度が前記目標速度未満の状態から該目標速度を超えたタイミング、又は移動速度が前記目標速度以上の状態から該目標速度未満となったタイミングから前記計数手段によって計数されたパルス数が予め設定された基準パルス数となった場合に、前記次回位置が前記第2領域に含まれると判定する判定手段と、をさらに備え、
    前記移動速度推定手段は、前記判定手段による判定結果に基づき、次回の推定移動速度を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記移動体の移動速度が速いほど短い周期のパルス信号を出力するパルス出力手段と、
    前記パルス出力手段から出力されるパルス信号に含まれるパルス数を計数する計数手段と、
    前記次回位置が前記第2領域から前記第1領域に変わったタイミングから前記計数手段によって計数されたパルス数が予め設定された基準パルス数となった場合に、前記次回位置が前記第2領域に含まれると判定する判定手段と、をさらに備え、
    前記移動速度推定手段は、前記判定手段による判定結果に基づき、次回の推定移動速度を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
  5. 前記判定手段は、前記次回位置が前記第1領域から前記第2領域に変わったタイミングから前記計数手段によって計数されたパルス数が、予め設定された他の基準パルス数となった場合に、前記次回位置が前記第1領域に含まれると判定することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電子機器。
  6. 媒体を支持する支持手段をさらに備え、
    前記駆動手段は、前記支持手段に支持される媒体に対して液体を噴射することを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の電子機器。
  7. 電動機の駆動によって走査方向に移動する移動体に搭載される駆動手段を、前記移動体の移動速度に基づいた駆動タイミングで駆動させるための電子機器の制御方法において、
    前記電子機器は、前記移動体を前記走査方向に移動させた際における前記移動体の移動速度実測値を記憶する記憶手段を備えており、
    予め設定された間隔毎に前記移動体の移動速度を検出させる移動速度検出ステップと、
    今回の移動速度検出ステップで今回の移動速度を検出した場合において、次回の移動速度検出ステップで次回の移動速度を検出する次回位置が前記移動体の移動速度の変化の大きい第1領域に含まれるときには、前記次回位置での前記移動体の移動速度の推定値である推定移動速度を、前記移動体の現時点の加速度と前記今回の移動速度とに基づき算出させる第1推定ステップと、
    今回の移動速度検出ステップで今回の移動速度を検出した場合において、前記次回位置が前記移動体の移動速度の変化の小さい第2領域に含まれるときには、前記次回位置での前記移動体の移動速度の推定値である推定移動速度を、前記記憶手段に記憶される移動速度実測値に基づき設定させる第2推定ステップと、
    前記各推定ステップの何れか一方のステップで取得した前記移動体の次回の推定移動速度に基づいた駆動タイミングで前記駆動手段を駆動させる駆動ステップと、を有することを特徴とする電子機器の制御方法。
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