JP2005007727A - 液体吐出装置、液体吐出方法、及び、印刷システム - Google Patents

液体吐出装置、液体吐出方法、及び、印刷システム Download PDF

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豊彦 蜜澤
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Abstract

【課題】吐出タイミングの調整を容易にする。
【解決手段】本発明は、移動しながら媒体に液体を吐出する液体吐出部を複数有し、それぞれの前記液体吐出部が、適宜の吐出タイミングにて前記媒体に液体を吐出し、前記媒体上の目標位置に前記液体を着弾させる液体吐出装置に関する。そして、この液体吐出装置では、複数の前記液体吐出部のうちの基準となる基準液体吐出部は、基準となる基準吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出し、他の液体吐出部は、その液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準吐出タイミングと、に応じた吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出することを特徴とする。
【選択図】 図13

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体吐出装置、液体吐出方法及び印刷システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動可能に設けられ液体を吐出して媒体にドットを形成する液体吐出部を有する液体吐出装置としては、例えばヘッドからインクを吐出して印刷用紙にドットを形成するインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。このインクジェットプリンタは、ノズルが設けられたキャリッジが往復走査して印刷する際に、往路及び復路において吐出されたインクが所定の目標位置に着弾するようにインクの吐出タイミングが調整される。そして、前記インクジェットプリンタが複数のヘッドを有する場合、ヘッド毎にインクの吐出タイミングが調整される。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−96734号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
各ヘッドのインクの吐出タイミングは、各ヘッドの吐出条件(例えば、インクの吐出速度や、各ヘッドから印刷用紙までの間隔など)に基づいて調整される。そのため、各ヘッドのインクの吐出タイミングをそれぞれ調整するには、各ヘッドの吐出条件を把握する必要がある。しかし、例えば、ヘッドから印刷用紙までの間隔を全てのヘッドについて検査することは、手間のかかる作業である。
本発明は、各液体吐出部の吐出タイミングを容易に調整することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
主たる本発明は、移動しながら媒体に液体を吐出する液体吐出部を複数有し、それぞれの前記液体吐出部が、適宜の吐出タイミングにて前記媒体に液体を吐出し、前記媒体上の目標位置に前記液体を着弾させる液体吐出装置に関する。そして、この液体吐出装置では、複数の前記液体吐出部のうちの基準となる基準液体吐出部は、基準となる基準吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出し、他の液体吐出部は、その液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準吐出タイミングと、に応じた吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出することを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
移動しながら媒体に液体を吐出する液体吐出部を複数有し、
それぞれの前記液体吐出部が、適宜の吐出タイミングにて前記媒体に液体を吐出し、前記媒体上の目標位置に前記液体を着弾させる液体吐出装置であって、
複数の前記液体吐出部のうちの基準となる基準液体吐出部は、基準となる基準吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出し、
他の液体吐出部は、その液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準吐出タイミングと、に応じた吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出することを特徴とする液体吐出装置。
【0007】
このような液体吐出装置によれば、各ヘッドの吐出タイミングを容易に調整することが容易である。
【0008】
かかる液体吐出装置であって、前記基準吐出タイミングは、前記基準液体吐出部から前記媒体までの間隔に応じた吐出タイミングであることが望ましい。そして、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングは、前記間隔に応じた前記吐出タイミングであることが好ましい。このような液体吐出装置によれば、他の液体吐出部から媒体までの間隔を検査する必要がないので、各液体吐出部の吐出タイミングを容易に調整することができる。また、前記間隔と、前記他の液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、に基づいて、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが設定されることが良い。
【0009】
かかる液体吐出装置であって、前記液体吐出部の移動する方向と交差する方向にて、前記液体吐出部を移動させる力が作用する部位に近い前記液体吐出部が、前記基準液体吐出部であることが望ましい。また、前記基準液体吐出部は、前記力が作用する前記部位に最も近い前記液体吐出部であることが好ましい。このような液体吐出装置によれば、液体吐出部の移動時に基準液体吐出部が受ける振動の影響が小さくて済むので、吐出タイミングの調整が正確になる。
【0010】
かかる液体吐出装置であって、前記吐出タイミングは、調整値に基づいて、設定されることが望ましい。前記基準液体吐出部の調整値は、前記基準液体吐出部から前記媒体までの間隔に応じて、設定されることが好ましい。また、前記基準液体吐出部の調整値は、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度に応じて、設定されることが好ましい。また、前記他の液体吐出部の調整値は、前記間隔に応じて、設定されることが好ましい。他の液体吐出部から媒体までの間隔は、基準液体吐出部から媒体までの間隔と等しいと考えられるので、このような液体吐出装置によれば、各液体吐出部から媒体までの間隔を求める作業を省略することができ、吐出タイミングを容易に調整することができる。前記他の液体吐出部の調整値は、前記基準液体吐出部の調整値に応じて、設定されることが好ましい。そして、前記基準液体吐出部の調整値が大きくなると、前記他の液体吐出部の調整値が大きくなることが良い。このような液体吐出装置によれば、より精度良く、目的位置に液体を着弾させることができる。
【0011】
かかる液体吐出装置であって、前記基準吐出タイミングが遅くなると、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが遅くなることが望ましい。また、前記他の液体吐出部の前記媒体の吐出速度が遅くなると、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが早くなることが望ましい。前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度が遅くなると、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが早くなることが望ましい。前記基準液体吐出部から前記媒体までの間隔が大きくなると、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが早くなることが望ましい。このような液体吐出装置によれば、基準液体吐出部は、基準となる基準吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出し、他の液体吐出部は、その液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準吐出タイミングと、に応じた吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出することができるようになる。また、前記他の液体吐出部の前記液体の吐出速度が、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度よりも遅い場合、前記間隔が変化したときの前記吐出タイミングの変化量は、前記他の液体吐出部の方が前記基準液体吐出部よりも大きいことが望ましい。このような液体吐出装置によれば、より精度良く、目的位置に液体を着弾させることができる。
【0012】
かかる液体吐出装置であって、前記液体吐出装置は、インクジェットプリンタであることが望ましい。
【0013】
移動する複数の液体吐出部から液体を吐出して媒体上の目標位置に液体を着弾させる液体吐出方法であって、
複数の前記液体吐出部のうちの基準となる基準液体吐出部から、基準となる基準吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出し、
他の液体吐出部から、その液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準吐出タイミングと、に応じた吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出することを特徴とする液体吐出方法。
このような液体吐出方法であっても、吐出タイミングの調整を容易にすることが可能である。
【0014】
コンピュータと印刷装置とを備えた印刷システムであって、
前記印刷装置は、
移動しながら媒体に液体を吐出する液体吐出部を複数有し、
それぞれの前記液体吐出部が、適宜の吐出タイミングにて前記媒体に液体を吐出し、前記媒体上の目標位置に前記液体を着弾させる印刷装置であって、
複数の前記液体吐出部のうちの基準となる基準液体吐出部は、基準となる基準吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出し、
他の液体吐出部は、その液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準吐出タイミングと、に応じた吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出することを特徴とする印刷システム。
このような印刷システムであっても、吐出タイミングの調整を容易にすることが可能である。
【0015】
===印刷装置の概略例===
図1及び図2は本発明の実施形態として、液体としてのインクを液体吐出部としてのノズル及びノズル列から吐出して印刷する液体吐出装置としてのカラーインクジェットプリンタ(以下、カラープリンタという)20の概要を示す斜視図である。このカラープリンタ20は、カラー画像の出力が可能なインクジェットプリンタであり、例えば、シアン系インクとしてのシアンインク(C)及びライトシアンインク(淡いシアンインク、LC)、マゼンタ系インクとしてのマゼンタインク(M)及びライトマゼンタインク(淡いマゼンタインク、LM)、イエローインク(Y)、ブラックインク(K)の6色の色インクを印刷用紙などの様々な媒体上に吐出してドットを形成することによって画像を印刷するインクジェット方式のプリンタである。なお、色インクは上記6色に限らず、例えばダークイエロー(暗いイエロー、DY)などを用いても良い。また、カラープリンタ20は、例えば被印刷媒体としての印刷用紙をロール状に巻き付けたロール紙や、JIS規格のA列0番用紙やB列0番用紙といった比較的大型の単票状の印刷用紙にも対応している。図1及び図2の例においては、カラープリンタ20にロール紙が備えられており、図1と、図2とでは、カラープリンタ20に設けられたキャリッジ28の位置が異なっている。キャリッジ28については後述する。
【0016】
図示するようにカラープリンタ20は、インクを吐出してロール紙Pに印刷する印刷部3と、印刷用紙を搬送するための印刷用紙搬送部5とを有している。 印刷部3は、複数のノズルを備えた印刷ヘッド36を一体に保持し移動するための移動手段としてのキャリッジ28と、このキャリッジ28をロール紙Pの搬送方向(以下、副走査方向という)とほぼ直行する方向(以下、主走査方向という)に移動させて往復走査させるためのキャリッジモータ30と、キャリッジモータ30により駆動されてキャリッジ28を移動させる金属製の牽引ベルト32と、キャリッジ28を案内するための2本のガイドレール34と、キャリッジ28に固定されたリニア式エンコーダ17と、所定の間隔にスリットが形成されたリニア式エンコーダ用符号板19とを備えている。
【0017】
ガイドレール34は、主走査方向に沿って2本設けられ、副走査方向に互いに間隔を隔てて上下に配置され、左右の両端部側にて基台となるフレーム(図示せず)により支持されている。このとき、2本のガイドレール34は、下側のガイドレール341が上側のガイドレール342より手前に配置されている。このため、これら2本のガイドレール341,342に架け渡されるように配置されるキャリッジ28は、上部が後方に下部が前方に位置するように傾斜した状態にて走査する。
【0018】
キャリッジ28が案内される上側のガイドレール342には、リニア式エンコーダ用符号板19がガイドレール342に沿って設けられている。このリニア式エンコーダ用符号板19は、ガイドレール34に沿って走査するキャリッジ28に固定されたリニア式エンコーダ17の検出部と対向するように配置されている。リニア式エンコーダ17については後述する。
【0019】
牽引ベルト32は、環状に形成されており、上下のガイドレール341,342の中間位置にて、ガイドレール341,342の長さとほぼ等しい間隔を隔てて配置された2つのプーリ44、45に架け渡されている。これらプーリ44,45のうち一方のプーリ44にはキャリッジモータ30が繋がれている。
2本のガイドレール341,342に架け渡されるように配置されたキャリッジ28は、上下方向のほぼ中央にて牽引ベルト32が固定された係合部46を有している。この係合部は、牽引ベルトからの力をキャリッジに作用させる部位になる。そして、カラープリンタ20は、キャリッジ28がキャリッジモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に移動し、このキャリッジ28に備えられた8つの印刷ヘッド36からインクを吐出することにより、印刷用紙搬送部5により紙送されたロール紙Pに印刷する。
【0020】
キャリッジ28には8つの印刷ヘッド36が設けられ、それら8つの印刷ヘッド36のうち、4つの印刷ヘッド36は牽引ベルト32より上側に配置され、残り4つの印刷ヘッド36は牽引ベルト32より下側に配置されている。これら4つずつの印刷ヘッド36間における位置関係は同様であるため、ここでは 上側4つの印刷ヘッド36における位置関係を例に説明する。
【0021】
4つの印刷ヘッド36は、牽引ベルト32に遠い側に位置する上段側の印刷ヘッド36a,36bと、牽引ベルト32に近い側に位置する下段側の印刷ヘッド36c,36dとが、上下方向に2つずつ配置されている。ここで、上段の2つの印刷ヘッド36a,36b及び下段の2つの印刷ヘッド36c、36dは、左右方向に印刷ヘッド36の幅とほぼ等しい間隔を隔てて配置されている。上段の右側に位置する印刷ヘッド36bは、キャリッジ28の右端に位置し、下段の左側に位置する印刷ヘッド36cは、キャリッジ28の左端に位置するとともに、下段の2つの印刷ヘッド36c、36dの間に上段の左側の印刷ヘッド36aが配置されている。ここで、牽引ベルト32より下側に配置された4つの印刷ヘッドも上下に方向に2段に2つずつ配置されているが、下側の4つの印刷ヘッドでは、当然のことながら、上段側の印刷ヘッド36e,36fが、牽引ベルト32に近い側に位置し、下段側の印刷ヘッド36g,36hが、牽引ベルト32に遠い側に位置することになる。すなわち、このカラープリンタ20には、上下方向に沿って4段に印刷ヘッド36が設けられている。
【0022】
これら印刷ヘッド36はインクを吐出するインク吐出部としての複数のノズルnを有し、後述するヘッド制御ユニット63(図7参照)に制御されて所定のノズルnからインクを吐出する。印刷ヘッド36のロール紙Pと対向する面には、複数のノズルnが副走査方向に沿って列状に配置された複数のノズル列Nを有し、これらノズル列Nは主走査方向に沿って平行に並べられている。印刷ヘッド36におけるノズル列N及びノズルnの配置については後述する。
【0023】
また、キャリッジ28には、最上側と最下側とに温度検出手段としてのサーミスタ58が設けられ、キャリッジ28上部周辺と下部周辺との温度をそれぞれ検出することが可能である。
【0024】
印刷用紙搬送部5は、前記2本のガイドレール34の背面側に設けられている。印刷用紙搬送部5は、下側ガイドレール341より下方にてロール紙Pをホルダ27とともに回動自在に保持するロール紙保持部35と、上側ガイドレール342より上方にてロール紙Pを搬送するロール紙搬送部37と、それらロール紙保持部35とロール紙搬送部37との間にて搬送されるロール紙Pが沿わされるプラテン26とを有している。このプラテン26は搬送されるロール紙Pの全幅に亘る平面を有し、この平面が、傾斜した状態にて走査するキャリッジ28に搭載された各印刷ヘッド36と等間隔にて対向するように傾斜して設けられている。
【0025】
ホルダ27は、ロール紙Pが保持された状態にて回動軸となる軸体27aを有し、軸体27aの両端部側には供給するロール紙Pの蛇行を防止するためのガイド円盤27bがそれぞれ設けられている。
【0026】
ロール紙搬送部37は、ロール紙Pを搬送するためのスマップローラ24と、これと対向して配置されスマップローラ24との間にロール紙Pを挟持する挟持ローラ29と、スマップローラ24を回動させるための搬送モータ31とを備えている。搬送モータ31の軸には駆動ギア40が、スマップローラ24の軸には駆動ギア40と噛み合う中継ギア41がそれぞれ設けられ、搬送モータ31の動力は、駆動ギア40と中継ギア41とを介してスマップローラ24に伝達される。すなわち、ホルダ27に保持されたロール紙Pは、スマップローラ24と挟持ローラ29との間に挟持され、搬送モータ31によって、ロール紙Pはプラテン26に沿って搬送される。
【0027】
===エンコーダ===
次に、キャリッジ28に設けられたリニア式エンコーダ17について説明する。図3は、キャリッジ28に取付けられたリニア式エンコーダ17の構成を模式的に示した説明図である。
図3に示したエンコーダ17は、発光ダイオード17aと、コリメータレンズ17bと、検出処理部17cとを備えている。検出処理部17cは、複数(例えば4個)のフォトダイオード17dと、信号処理回路17eと、例えば2個のコンパレータ17fA、17fBとを有している。
発光ダイオード17aの両端に抵抗を介して電圧VCCが印加されると、発光ダイオード17aから光が発せられる。この光はコリメータレンズ17bにより平行光に集光されてリニア式エンコーダ用符号板19を通過する。リニア式エンコーダ用符号板19には、所定の間隔(例えば1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にスリットが設けられている。
リニア式エンコーダ用符号板19を通過した平行光は、図示しない固定スリットを通って各フォトダイオード17dに入射し、電気信号に変換される。4個のフォトダイオード17dから出力される電気信号は信号処理回路17eにおいて信号処理され、信号処理回路17eから出力される信号はコンパレータ17fA、17fBにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。コンパレータ17fA、17fBから出力されるパルスENC−A、ENC−Bがエンコーダ17の出力となる。
【0028】
図4Aは、CRモータ正転時におけるエンコーダ17の出力信号の波形を示したタイミングチャートである。図4Bは、CRモータ逆転時におけるエンコーダ17の出力信号の波形を示したタイミングチャートである。
図4A、図4Bに示すように、CRモータ正転時及び逆転時のいずれの場合も、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度だけ異なっている。CRモータ4が正転しているとき、即ち、キャリッジ3が主走査方向に移動しているときは、図4Aに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が進み、CRモータ4が逆転しているときは、図4Bに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れる。そして、パルスENC−A及びパルスENC−Bの1周期Tは、キャリッジ3がリニア式エンコーダ用符号板19のスリット間隔を移動する時間に等しい。
【0029】
本実施形態では、リニア式エンコーダ用符号版19のスリット(白部分)幅はカラープリンタ20の解像度の2倍、ここでは例えば360dpiに相当している。すなわち、キャリッジ28が主走査方向に走査した際に、エンコーダ17からパルスが出力される毎に360dpiに相当する距離を移動したことが検出される。したがって、例えばカラープリンタ20を起動した際の初期動作において、キャリッジ28の待機位置となるべくあらかじめ設定されたホームポジションを認識し、その後リニア式エンコーダ17から出力されるパルスをカウントすることにより、キャリッジ28の主走査方向の位置を検出することが可能となる。
【0030】
また、リニア式エンコーダ17から出力されたパルスを等分割することにより、リニア式エンコーダ用符号版19のスリットより高い解像度にてキャリッジ28の位置を検出することが可能となる。例えば、リニア式エンコーダ17から出力されたパルスを4分割すると、1440dpiの精度にてキャリッジ28の位置を検出し、制御することが可能となる。
【0031】
===印刷ヘッドの構成===
前記印刷ヘッド36の構成について、図1,図5,図6を用いて説明する。図5は、印刷ヘッド36が有するノズルの配列を説明するための説明図、図6は、隣接する複数の印刷ヘッド36の配置と、それら印刷ヘッド36が有するノズル列の位置関係を示す図である。
【0032】
印刷ヘッド36は、図5に示すとおり、複数のノズルnが副走査方向に沿って一直線上に配列され、記録部位列としての6列のノズル列Nを有している。本実施形態においては、ノズル列Nは、ブラックノズル列Nk、シアンノズル列Nc、ライトシアンノズル列Nlc、マゼンタノズル列Nm、ライトマゼンタノズル列Nlm、イエローノズル列Nyというように吐出するインク色毎に列をなしているが、これに限るものではない。
【0033】
ブラックノズル列Nkは、180個のノズルn1〜n180を有し、各ノズルnには、各ノズルnを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。ブラックノズル列Nkのノズルn1、・・・、n180は、副走査方向に沿って一定のノズルピッチk・Dで配置されている。ここで、Dは副走査方向のドットピッチであり、kは1以上の整数である。図5の例では、ノズルピッチkは4である。但し、ノズルピッチkは、任意の整数に設定することができる。副走査方向のドットピッチDは、主走査ライン(ラスタライン)のピッチとも等しい。
【0034】
また、上述した事項は、シアンノズル列Nc、ライトシアンノズル列Nlc、マゼンタノズル列Nm、ライトマゼンタノズル列Nlm、イエローノズル列Nyについても、同様である。すなわち、各ノズル列Nは、180個のノズルn1〜n180を有し、副走査方向に沿って一定のノズルピッチk・Dで配置されている。
【0035】
そして、印刷時には、ロール紙Pが印刷用紙搬送部5によって間欠的に所定の搬送量で搬送され、その間欠的な搬送の間にキャリッジ28が主走査方向に移動して各ノズルnからインク滴が吐出される。但し、印刷方式によって、例えば自然画などを印刷するインターレース方式などにて印刷する場合には、すべてのノズルnが常に使用されるとは限らず、一部のノズルnのみが使用される場合もある。
【0036】
キャリッジ28に設けられた8つの印刷ヘッド36のうち、4つの印刷ヘッド36は牽引ベルト32より上側に配置され、残り4つの印刷ヘッド36は牽引ベルト32より下側に配置されている。これら4つずつの印刷ヘッド36間における位置関係は同様であるため、ここでは 上側4つの印刷ヘッド36における位置関係を例に説明する。
【0037】
4つの印刷ヘッド36は、キャリッジ28が移動するための外力が作用する部位、すなわち係合部46に遠い側に位置する上段側の印刷ヘッド36a,36bと、係合部46に近い側に位置する下段側の印刷ヘッド36c,36dとが、上下方向に2つずつ配置されている。ここで、上段の2つの印刷ヘッド36a,36b及び下段の2つの印刷ヘッド36c、36dは、左右方向に印刷ヘッド36の幅とほぼ等しい間隔を隔てて配置されている。上段の右側に位置する印刷ヘッド36bは、キャリッジ28の右端に位置し、下段の左側に位置する印刷ヘッド36cは、キャリッジ28の左端に位置している。すなわち、4つの印刷ヘッド36a,36b,36c,36dのうち、左側に位置する2つの印刷ヘッド36a,36c及び右側に位置する2つの印刷ヘッド36b,36dが対をなし、それぞれ対をなす2つの印刷ヘッド36のうち左側に位置する印刷ヘッド36c,36dが下段に位置し、右側に位置する印刷ヘッド36a、36bが上段側に位置して千鳥状に配置されている。ここで、牽引ベルト32より下側に配置された4つの印刷ヘッドも上下に方向に2段に2つずつ配置されているが、下側の4つの印刷ヘッドでは、当然のことながら、上段側の印刷ヘッド36e,36fが、副走査方向において係合部46に近い側に位置し、下段側の印刷ヘッド36g,36hが、副走査方向において係合部46に遠い側に位置することになる。
【0038】
また、図6に示すように、牽引ベルト32の上側に配置された4つの印刷ヘッド36は、上段の印刷ヘッドに設けられたノズル列Nの最下端のノズルn180と、下段の印刷ヘッドに設けられたノズル列Nの最上端のノズルn1とのピッチが、それらノズル列Nのノズルピッチと等しくなるように配置されている。すなわち、左側に配置された2つの印刷ヘッド36a,36cの間では、右上に配置された印刷ヘッド36aが有するノズル列Nの最下端側ノズルn180(用紙搬送方向の最後端側ノズル)と、左下の印刷ヘッド36cが有するノズル列Nの最上端側ノズルn1(用紙搬送方向の最先端側ノズル)との間隔が上下方向に、ノズルピッチk・Dとなるように配置されている。また、右側に配置された2つの印刷ヘッド36b,36dの間では、右上の印刷ヘッド36bが有するノズル列Nの最下端側ノズルn180と、右下の印刷ヘッド36dが有するノズル列Nの最上端側ノズルn1との間隔が上下方向に、ノズルピッチk・Dとなるように配置されている。このため、キャリッジの1回の走査において、例えば、左側に位置する2つの印刷ヘッド36a,36cと、右側に位置する2つの印刷ヘッド36b,36dをそれぞれ1つの印刷ヘッド群として扱い、各印刷ヘッド群が有する各ノズル列Nにて、ロール紙Pに対する主走査方向の同一位置にドットを形成すると、群をなす2つの印刷ヘッド36のノズル列Nにて形成したドットが等ピッチにて連続して形成される。
【0039】
なお、図5においては、各ノズル列のインク色は、図面左側からブラックノズル列Nk、シアンノズル列Nc、ライトシアンノズル列Nlc、マゼンタノズル列Nm、ライトマゼンタノズル列Nlm、イエローノズル列Nyとしたが、これに限定されるものではなく、各ノズル列Nのインク色は、他の並び順で並んでいてもよい。
【0040】
===液体吐出システムの全体構成例===
次に液体吐出システム(印刷システム)の全体構成例について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、前述したカラープリンタ20を備えた液体吐出システムの構成を示すブロック図である。図8は、プリンタドライバの制御を説明するためのブロック図である。
【0041】
この液体吐出システムは、コンピュータ90と、液体吐出装置の一例としてのカラープリンタ20(印刷装置)と、を備えている。なお、カラープリンタ20とコンピュータ90とを含む液体吐出システムは、広義の「液体吐出装置」と呼ぶこともできる。また、このシステムは、上記コンピュータ90、上記カラープリンタ20、CRT21及び、図示しない、液晶表示装置等の表示装置、キーボードやマウス等の入力装置、フレキシブルドライブ装置、CD−ROMドライブ装置等のドライブ装置等から構築されている。
【0042】
コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91が組み込まれており、画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介してCRT21に画像を表示している。また、コンピュータ90にはプリンタドライバが組み込まれており、プリンタドライバではアプリケーションプログラム等にて処理された画像等に処理が施され、所定のプリンタにて印刷するための印刷データが生成される。
【0043】
カラープリンタ20は、カラープリンタ20全体の動作を制御するコントローラ54と、キャリッジモータ30を駆動する主走査駆動回路61と、搬送モータ31を駆動するための副走査駆動回路62と、印刷ヘッド36を制御する制御手段としてのヘッド制御ユニット63とを備えている。各駆動回路61,62及び制御ユニット63はコントローラ54に接続され、相互に信号を受け渡して制御される、また、コントローラ54にはキャリッジ28の動作を検出するリニア式エンコーダ17と、前述したサーミスタ58も接続されている。
【0044】
コントローラ54は、CPU51とメモリ56と基準クロック発生器15とカウンタ16とを備え、算術論理演算回路を構成している。CPU51は、カラープリンタ20全体の制御を実行するためのものであり、キャリッジモータ30、搬送モータ31、印刷ヘッド36等への制御指令を司る。メモリ56にはCPU51の作業領域、プログラムなどの不揮発情報の格納領域、また書き換え可能な記憶領域等が設けられている。カラープリンタ20による後述する各種の動作は、このメモリ56に格納されたプログラムによって実現される。
【0045】
図1、図2、及び図7に示したとおり、前述したカラープリンタ20は複数の印刷ヘッド36を有する。本実施の形態においては、キャリッジ28に8つの印刷ヘッド36が搭載され、各印刷ヘッド36はキャリッジ28上にて上下方向と左右方向とにそれぞれ間隔を隔てて配置、各々の印刷ヘッド36は、プリンタ本体に対して着脱可能に構成されている。
【0046】
さらに、各々の印刷ヘッド36は、当該印刷ヘッド36に備えられた印刷ヘッド36に供給されるインクを収容するためのインクタンク67を備えている。また、印刷ヘッド36は各々前述したヘッド制御ユニット63を有し、印刷ヘッド36毎に、基準となる駆動信号に基づいてそれぞれ制御することが可能である。また、各印刷ヘッド36にて印刷するための印刷データPDは、コンピュータ90に組み込まれたプリンタドライバにより印刷ヘッド36毎に生成される。
【0047】
そして、アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバに画像データがアプリケーションプログラム95から受け渡され、画像データが印刷データPDに変換される。図8に示すように、プリンタドライバ38による処理は、解像度変換モジュール97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、ラスタライザ100と、UIプリンタインターフェースモジュール102と、ラスタデータ格納部103と、色変換ルックアップテーブルLUTと、バッファメモリ50と、イメージバッファ52にて実行される。
【0048】
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95で形成されたカラー画像データの解像度を、画像データと共に受け取った印刷モード等の情報に基づいて、対応する印刷解像度に変換する役割を果たす。解像度変換された画像データは、まだRGBの3つの色成分からなる画像情報である。色変換モジュール98は、色変換ルックアップテーブルLUTを参照しつつ、画素毎にRGB画像データを、カラープリンタ20が利用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。
【0049】
色変換された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール99は、いわゆるハーフトーン処理を実行してハーフトーン画像データを生成する。ここでハーフトーンは、例えば画像を、画素を形成可能な複数の部位にて構成される所定領域毎に分割し、各領域における濃度を、その領域を構成する複数の部位に、大ドット、中ドット、小ドットのいずれかを形成するか否かにより各領域の濃度を表現するものとする。
このハーフトーン画像データは、ラスタライザ100により所望のデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとしてラスタデータ格納部103に対して出力される。
【0050】
一方、コンピュータ90に備えられたユーザインターフェース表示モジュール101は、印刷に関係する種々のユーザインターフェースウィンドウを表示する機能と、それらのウィンドウ内におけるユーザの入力を受け取る機能とを有している。例えば、ユーザは、印刷用紙の種類、サイズや印刷モード等をユーザインターフェース表示モジュール101に指示することが可能である。
【0051】
また、UIプリンタインターフェースモジュール102は、ユーザインターフェース表示モジュール101とカラープリンタ20との間のインターフェースとしての機能を有している。ユーザがユーザインターフェースにより指示した命令を解釈して、コントローラ54等へ各種コマンドCOMを送信したり、逆に、コントローラ54等から受信したコマンドCOMを解釈して、ユーザインターフェースへ各種表示を行ったりする。例えば、ユーザインターフェース表示モジュール101により受け取られた印刷用紙の種類、サイズ等に係る前記指示は、UIプリンタインターフェースモジュール102へ送られ、UIプリンタインターフェースモジュール102は、指示された命令を解釈してコントローラ54へコマンドCOMを送信する。
【0052】
また、UIプリンタインタフェースモジュール102は、印刷モード設定部としての機能も有する。すなわち、UIプリンタインタフェースモジュール102は、ユーザインターフェース表示モジュール101により受け取られた印刷情報、すなわち印刷する画像の解像度、印刷に使用するノズルに係る情報、副走査送り量を示すデータに係る情報等に基づいて記録モードとしての印刷モードを決定し、この印刷モードに応じた印刷データPDがハーフトーンモジュール99やラスタライザ100により生成され、ラスタデータ格納部103へ出力する。ラスタデータ格納部103に出力された印刷データPDは、一旦、バッファメモリ50に蓄えられ、ノズルに対応したデータに変換されてイメージバッファ52に格納される。カラープリンタ20のシステムコントローラ54は、UIプリンタインターフェースモジュール102により出力されたコマンドCOMの情報に基づいて主走査駆動回路61、副走査駆動回路62、ヘッド制御ユニット63等を制御し、イメージバッファ52のデータに基づいて印刷ヘッド36に設けられた各色のノズルを駆動して印刷する。ここで、印刷モードとしては、例えば、いわゆるインターレース方式を用いてドットを記録する高画質モード、当該方式を用いないでドットを記録する高速モードなどがある。
【0053】
===印刷ヘッドの駆動===
<<吐出タイミングの調整方法>>
図9は、ヘッド制御ユニット63内の構成を示すブロック図である。図10は、原駆動信号の出力タイミングを調整する処理を説明するためのフロー図である。なお、図9及び図10において、調整値は、各印刷ヘッドに対応して設定された調整値であり、各印刷ヘッドのインクの吐出タイミングを調整する役割を持つ。図11Aは、調整値が「0」のときのヘッド駆動波形のタイミングを示すタイミングチャートである。図11Bは、調整値が「−1」のときのヘッド駆動波形のタイミングを示すタイミングチャートである。図11Cは、調整値が「+2」のときのヘッド駆動波形のタイミングを示すタイミングチャートである。なお、図11A〜図11Cにおいて、横軸は時間、縦軸は電圧、CLKは基準クロックを表している。
【0054】
図9に示すように、ヘッド制御ユニット63の駆動信号発生部200は、比較器201と、タイミング発生器202と、原駆動信号発生部206と、複数のマスク回路204とを備えている。比較器201は、カウンタ16のカウント値と調整値とを比較する。タイミング発生器202は、比較器201の結果により基準クロックに同期して吐出タイミングを決定する。原駆動信号発生部206は、タイミング発生器202の信号を受けて原駆動信号を生成する。マスク回路204は、印刷ヘッド36のノズルn1〜n180をそれぞれ駆動するための複数のピエゾ素子に対応して設けられている。なお、同図において、各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。
【0055】
各印刷ヘッド36が有するすべてのノズルnは、印刷ヘッド36毎に同一の出力タイミングにて出力される原駆動信号ODRVに基づいてインクを吐出する。そして、各印刷ヘッド36にて、ロール紙Pの同一の目標位置にドットを形成すべくインク滴を吐出させたときに、実際に形成されたドットの主走査方向の位置が目標位置と一致するように、例えばカラープリンタ20の製造段階における調整工程等において、各印刷ヘッド36を駆動するための原駆動信号ODRVの出力タイミングが調整されている。
【0056】
駆動信号発生部200には図9に示すように、カウンタ16から出力されるカウント値と、基準クロックと原駆動信号ODRVの出力タイミングを調整するための調整値と、印刷信号PRTとが送られる。ここで基準クロックとカウント値は全ヘッド共通である。調整値については、後述する。
【0057】
コントローラ54に設けられたカウンタ16は、基準クロック発生器15にて生成される基準クロックに同期して所定の値をカウントする。所定の値は、記録解像度と調整精度とによって決定される。ここで調整精度は、記録解像度を基準として設定されており、例えば360DPI(ドットパーインチ、1インチ当たりのドット数)の解像度であれば、ドット間は70.56μm(マイクロメートル)となり、キャリッジの走査速度VCRを1m/s(メートル毎秒)とすると、吐出間隔は14.172kHz(キロヘルツ)となる。基準クロックを907kHzとし、カウンタ16は0〜63の値を繰り返しカウントし続けるようにすると、調整精度は、70.56/64≒1.1μmである。
【0058】
キャリッジ28が所定の位置に到達したことがリニア式エンコーダ17の出力により検出されると(S201)、メモリに記憶されている初期値Sが読み出される(S202)。ここで、初期値Sは、キャリッジの走査速度がVCRの場合において、印刷ヘッドのインクの吐出速度が標準速度V0であり、ノズルから印刷用紙までの間隔が標準間隔L0であるときのインクの標準となる吐出タイミングを示す値である。そして、コントローラ54は、調整値Rを設定する(S203)。この調整値Rは、印刷ヘッド毎にインクの吐出タイミングを調整するために、印刷ヘッド毎に設定される値である。この調整値Rの設定については、後で後述する。
【0059】
そして、カウンタ16にて基準クロックのカウントが開始される。カウンタ16は、基準クロックと同期させて初期値Sをディクリメントし(S204)、ディクリメントした値を比較器201に出力する。比較器201は、基準クロックと同期してディクリメントされたカウント値と調整値Rとを比較する(S205)。そして、ディクリメントされたカウント値と調整値とが一致したとき(S205でYES)、比較器201は、タイミング発生器に信号を出力する(S206)。タイミング発生器201は、比較器201からの信号に基づき、基準クロックに同期して原駆動信号発生部206に原駆動信号ODRVを発生させるための信号を出力する(S207)。
【0060】
例えば調整値が0の場合、図11Aに示すようなタイミングにて、原駆動信号発生部206は、原駆動信号ODRVを発生する。一方、調整値が「−1」の場合、カウント値が「−1」までディクリメントされなければカウンタ値と調整値とが一致しないので、原駆動信号ODRVが発生されるタイミングが基準クロック1つ分だけ遅れる。その結果、インクが、基準クロック1つ分だけ遅れたタイミングで吐出される。また、調整値が「+2」の場合、カウント値が「+2」までディクリメントされればカウント値と調整値とが一致するので、原駆動信号ODRVが発生されるタイミングが基準クロック2つ分早くなる。その結果、インクが、基準クロック2つ分だけ早いタイミングで吐出される。
【0061】
<<異なるサイズのドット形成方法>>
原駆動信号発生部206は、ノズルn1〜n180に共通に用いられる原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一画素分の主走査期間内に、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号であり、各ノズルからインクを吐出させるための基準吐出信号である。すなわち、各印刷ヘッド36が有するすべてのノズルは、同一の原駆動信号ODRVに基づいてインクを吐出する。
【0062】
図9に示すように、入力されたシリアル印刷信号PRT(i)は、原駆動信号発生部206から出力される原駆動信号ODRVとともにマスク回路204に入力される。このシリアル印刷信号PRT(i)は、一画素当たり2ビットのシリアル信号であり、その各ビットは、第1パルスW1と第2パルスW2とにそれぞれ対応している。そして、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)のレベルに応じて原駆動信号ODRVをマスクするためのゲートである。すなわち、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)が1レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとしてピエゾ素子に供給し、一方、シリアル印刷信号PRT(i)が0レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスを遮断する。
【0063】
図12は、駆動信号発生部の動作を示す原信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。
図12に示した通り、原信号ODRVは、各画素区間T1、T2、T3において、第1パルスW1と第2パルスW2とを順に発生する。なお、画素区間とは、一画素分の主走査期間と同じ意味である。
【0064】
図12に示す通り、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『1、0』に対応しているとき、第1パルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズルから小さいインク滴が吐出され、被印刷体には小さいドット(小ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『0、1』に対応しているとき、第2パルスW2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズルから中サイズのインク滴が吐出され、被印刷体には中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットの画素データ『1、1』に対応しているとき、第1パルスW1と第2パルスW2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズルから大きいインク滴が吐出され、被印刷体には大きいドット(大ドット)が形成される。以上説明したとおり、一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形され、これらの信号に基づいて印刷ヘッド36は3種類のサイズのドットを形成することが可能である。
【0065】
===本実施形態の吐出タイミングの調整方法===
<<概要>>
図13は、本実施形態の印刷装置におけるインクの吐出タイミングの調整方法の概要を説明するためのフロー図である。以下に説明する各動作は、カラープリンタ20のメモリ56内に記憶されているプログラムに基づいて、コントローラ54によって実現される。ただし、以下に説明する各処理が、コンピュータ90に組み込まれたプリンタドライバとカラープリンタ20内のプログラムとに基づいて、コンピュータ90とカラープリンタ20とからなる印刷システムによって実現されても良い。
【0066】
まず、コントローラ54は、各印刷ヘッドのインクの吐出速度情報を取得する(S101)。どのように各印刷ヘッドのインクの吐出速度を取得するかは、後で詳述する。そして、コントローラ54は、S101において取得した各印刷ヘッドの吐出速度情報をメモリ56に記憶する(S102)。つまり、メモリ56には、複数ある印刷ヘッド毎に、それぞれの吐出速度情報が記憶されている。
【0067】
次に、コントローラ54は、基準ヘッドの吐出速度情報を考慮して、基準ヘッドを用いてテストパターンを紙に形成する(S103)。ここで、8つの印刷ヘッドのうち、どの印刷ヘッドを基準ヘッドとするかは、後で詳述する。また、どのようにテストパターンを形成するかについても、後で詳述する。
【0068】
次に、コントローラ54は、テストパターンの結果情報を取得する(S104)。どのようにコントローラが結果情報を取得するのかは、後で詳述する。
【0069】
次に、コントローラ54は、基準ヘッドの吐出速度情報と結果情報とに基づいて、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔Lを算出する(S105)。そして、間隔Lが算出された後、コントローラ54は、各印刷ヘッドの吐出タイミングに応じた調整値を算出する(S106)。どのように調整値が算出されるかは、後で詳述する。なお、本実施形態では、基準ヘッドの調整値は、基準ヘッドの吐出速度情報と、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔Lとに基づいて、算出される。また、本実施形態では、その他の印刷ヘッドの調整値は、各印刷ヘッドの吐出速度情報と、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔Lとに基づいて、算出される。
【0070】
次に、コントローラ54は、吐出タイミングに応じた調整値を印刷ヘッド毎に記憶する(S107)。つまり、メモリ56には、複数ある印刷ヘッド毎に、それぞれの調整値が記憶されている。コントローラ54は、印刷を行う際に、記憶されている調整値に基づいて、各印刷ヘッドのインクの吐出タイミングを調整する。この吐出タイミングの調整方法については、既に説明したとおりである。
【0071】
<<各印刷ヘッドの吐出速度(S101、S102)>>
本実施形態では、複数の印刷ヘッドを用いているが、各印刷ヘッドのインクの吐出速度は、それぞれ異なる。一方、印刷ヘッド毎にインクの吐出のタイミングを調整するためには、コントローラ54は、各印刷ヘッドのインクの吐出速度を取得する必要がある。コントローラ54が各印刷ヘッドの吐出速度情報を取得する方法として、例えば、以下の2種類の方法がある。
【0072】
(別装置を用いる方法)
図14Aは、インクの吐出速度を測定する方法を説明するための図である。図14Bは、標準印刷ヘッドが形成するパターンの説明図である。図14Cは、測定対象の印刷ヘッドが形成するパターンの説明図である。
【0073】
別装置は、例えば、印刷ヘッドが交換可能に構成され、設定した速度にて走査することが保証された標準キャリッジを有している。この標準キャリッジには、標準となる標準印刷ヘッドが装着されている。そして、この別装置は、標準印刷ヘッドのノズルと印刷用紙との間隔が設定した距離に保たれていることが保証されており、設定された吐出速度にてインクを吐出することが保証された状態にて印刷可能な装置である。さらにこの別装置は、目標位置にドットを形成すべくインクを吐出すると、目標位置にドットが形成されるように、インクの吐出タイミングが予め調整されている。すなわち、標準キャリッジを往復走査させて、目標位置にドットを形成すべく往路にて吐出したインクにより形成されたドットと、復路にて吐出したインクにより形成されたドットとは、主走査方向の位置が一致する(図14B参照)。ここでは、標準キャリッジの走査速度(標準速度)をVCR、標準印刷ヘッドのインクの吐出速度(標準吐出速度)をV、ノズルと印刷用紙との間隔(標準間隔)をL0として説明する。
【0074】
吐出速度の測定方法は、まず、測定対象の印刷ヘッドを装置に装着する。そして、目標位置にドットを形成するように、標準印刷ヘッドと同様のタイミングにて測定対象の印刷ヘッドからインクを吐出する。このとき、往路ではノズル列の下流側半分のノズルからインクを吐出し、復路ではノズル列の上流側半分のノズルからインクを吐出する。
【0075】
仮に、図14Bのように、測定対象の印刷ヘッドにより形成されたドット列が、標準ヘッドにより形成されたドット列と同じであれば、その測定対象の印刷ヘッドのインクの吐出速度は、標準印刷ヘッドの吐出速度と一致するので、この印刷ヘッドのインクの吐出速度はVと測定される。
【0076】
一方、図14Cのように、測定対象の印刷ヘッドにより形成されたドット列が、標準ヘッドにより形成されたドット列と異なる場合、測定対象の印刷ヘッドのインクの吐出速度が、標準印刷ヘッドのインクの吐出速度と異なると考えられる。この場合、検査者は、印刷用紙に形成される2本のドット列の間隔xを測定する。往路にて形成されたドット列が、復路にて形成されたドット列よりも往路の走査方向の下流側に位置している場合には、測定対象の印刷ヘッドのインクの吐出速度は、標準吐出速度より遅い。逆に、往路にて形成されたドット列が、復路にて形成されたドット列よりも復路の走査方向の下流側に位置している場合には、測定対象の印刷ヘッドのインクの吐出速度は、標準吐出速度より速い。また、2本のドット列の間隔には往路によるズレ量と復路によるズレ量とが含まれているため、吐出速度により生じるドットの実際のズレ量は、間隔xの半分になる。
【0077】
ここでは、測定対象の印刷ヘッドの吐出速度が標準印刷ヘッドの吐出速度より遅い場合について説明する。
吐出速度によるズレ量(x/2)を標準キャリッジが移動するために要する時間tは、(x/2)/Vで表される。すなわち、測定対象の印刷ヘッドから吐出されたインクが印刷用紙に到達するまでの時間は、標準印刷ヘッドから吐出されたインクが印刷用紙に到達するまでの時間よりも、(x/2)/Vだけ長く時間がかかる。したがって、測定対象の印刷ヘッドのインクの吐出速度V1は、次式にて求められる。
V1 = L / [(L0/V)+{(x/2)/VCR}]
【0078】
検査者は、カラープリンタに用いられる全ての印刷ヘッドについて、それぞれインクの吐出速度を測定する。そして、検査者は、プリンタドライバのユーザインターフェースを介して、印刷ヘッドの取付位置とその印刷ヘッドのインクの吐出速度とを対応づけて、コンピュータに入力する。これにより、コンピュータは、各印刷ヘッドの取付位置情報と各印刷ヘッドのインクの吐出速度情報とを取得することができる。そして、コンピュータは、各印刷ヘッドの取付位置情報と、各印刷ヘッドのインクの吐出速度情報と、をカラープリンタに送信する。これにより、カラープリンタは、各印刷ヘッドの取付位置情報と各印刷ヘッドのインクの吐出速度情報とを取得し、所定の位置に取り付けられた印刷ヘッドのインクの吐出速度情報を認識することができる。
【0079】
(ノズルと印刷用紙との間隔を異ならせて測定する方法)
図15Aは、インクの吐出速度を測定する別の方法を説明するための図である。図15Bは、ノズルと印刷用紙との間隔がL1の場合のパターンの説明図である。図15Cは、ノズルと印刷用紙との間隔がL2の場合のパターンの説明図である。
【0080】
以下に説明するように、本則定方法では前述の測定方法のように基準吐出速度等は必要ないので、ノズルと印刷用紙との間隔を変えることができるのであれば、別装置ではなく、カラープリンタを用いて以下の測定を行うことができる。ただし、以下に説明する2つの異なる距離の差(L1−L2)を正確に調節する構成にしておく必要がある。
【0081】
まず、測定対象の印刷ヘッドのノズルと印刷用紙との間隔を第1の間隔L1となるように設定する。そして、往路と復路にてインクを吐出し、前述の測定方法と同様のパターンを形成する。
【0082】
次に、測定対象の印刷ヘッドのノズルと印刷用紙との間隔を第2の間隔L2となるように設定する。そして、前述の間隔L1にてパターンを形成したときと同じタイミングにて、往路と復路にてインクを吐出し、パターンを形成する。
【0083】
このようにして、2対のドット列が印刷される。各対のドット列の間隔x1及びx2をそれぞれ測定し、その間隔の差の絶対値|x1−x2|を求める。この場合にも、この間隔|x1−x2|には往路によるズレ量と復路によるズレ量とが含まれているため、吐出速度により生じるドットのズレ量は間隔|x1−x2|の半分となる。
【0084】
すなわち、キャリッジが間隔(x1−x2)の半分(x1−x2)/2だけ移動する間に、インクが(L1−L2)の距離を移動したことになる。したがって、測定対象の印刷ヘッドの吐出速度V2は、次式にて求められる。
V2 = [ (L1−L2) / {(|x1−x2|/2)/VCR} ]
検査者は前述の測定方法と同様に各情報を入力し、これにより、カラープリンタは、各印刷ヘッドの取付位置情報と各印刷ヘッドのインクの吐出速度情報とを取得し、所定の位置に取り付けられた印刷ヘッドのインクの吐出速度情報を認識することができる。
【0085】
<<基準ヘッドの特定(S103)>>
基準となる基準ヘッドは、キャリッジの移動中に最も振動の少ない印刷ヘッドであることが望ましい。そこで、8つの印刷ヘッドのうち、どの印刷ヘッドが基準ヘッドにふさわしいか、図6を用いて説明する。
【0086】
キャリッジ28が移動するとき、キャリッジ28は、牽引ベルト32に牽引されて、主走査方向に移動する。そのため、キャリッジ28の移動力である牽引ベルト32の牽引力Fの作用線に基準ヘッドが近ければ、キャリッジの移動時に基準ヘッドが受ける振動の影響は小さくて済む。すなわち、副走査方向に関して、牽引力Fが作用する係合部に近い印刷ヘッドが、基準ヘッドとなることが望ましい。本実施形態では、上側の4つの印刷ヘッドのうち、印刷ヘッド36c及び印刷ヘッド36dが、印刷ヘッド36a及び印刷ヘッド36bよりも、牽引力Fの作用線に近い。そのため、基準ヘッドとしては、印刷ヘッド36c及び印刷ヘッド36dの方が、印刷ヘッド36a及び印刷ヘッド36bよりも良い。
【0087】
また、キャリッジ28は、係合部46aを介して、牽引ベルト32に牽引される。そのため、キャリッジ28が直接的に力を受ける係合部46aに基準ヘッドが近ければ、キャリッジの移動時に基準ヘッドが受ける振動の影響は少なくて済む。本実施形態では、印刷ヘッド36dの方が、印刷ヘッド36cよりも、係合部46aに近い。そのため、基準ヘッドとしては、印刷ヘッド36dの方が、印刷ヘッド36cよりも良い。
【0088】
上記の説明では、上側の4つの印刷ヘッドについて説明したが、下側の4つの印刷ヘッドについても同様である。したがって、基準ヘッドとしては、下側の4つの印刷ヘッドの中で印刷ヘッド36eが最も良い。そして、印刷ヘッド36dと印刷ヘッド36eとを比較して、係合部46aに近い方の印刷ヘッドが基準ヘッドとなる。本実施形態では、基準ヘッドは、印刷ヘッド36dであるものとする。
【0089】
<<テストパターンの形成・結果情報取得(S103、S104)>>
図16Aは、テストパターンの形成方法の説明図である。図16Bは、ノズルと印刷用紙との間隔が標準間隔Lの場合のパターンの説明図である。図16Cは、ノズルと印刷用紙との間隔がLの場合のパターンの説明図である。コントローラ54は、8つの印刷ヘッドのうちの基準ヘッド36dを用いて、テストパターンを形成する。
【0090】
基準ヘッド36dのインクの吐出速度は、前述の通り既に測定されている。ここでは、基準ヘッド36dのインクの吐出速度をvdとする。また、コントローラ54は、キャリッジの走査速度を標準速度と同じVCRにして移動させる。但し、基準ヘッド36dのノズルから印刷用紙までの間隔Lは、未知である。以下のテストパターンは、基準ヘッド36dのノズルから印刷用紙までの間隔Lを算出するためのものである。
【0091】
まず、コントローラ54は、ノズルから印刷用紙までの間隔が標準間隔L0ならば目標位置にドットが形成される吐出タイミングにて、インクを吐出する。なお、インクの吐出タイミングは、基準ヘッド36dのインクの吐出速度をvdと、キャリッジの走査速度VCRと、標準間隔L0とから求められる。このとき、コントローラは、往路ではノズル列の下流側半分のノズルからインクを吐出し、復路ではノズル列の上流側半分のノズルからインクを吐出する。これにより、2つのドット列からなるテストパターンが、印刷用紙に形成される。
【0092】
仮に、図16Bのように、往路及び復路にて形成される2つのドット列が一直線上に並べば、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔Lは、標準間隔L0と測定される。
【0093】
一方、図16Cのように、往路及び復路にて形成される2つのドット列がズレている場合、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔LはL0と異なると考えられる。この場合、検査者は、印刷用紙に形成される2本のドット列の間隔x3を測定する。往路にて形成されたドット列が、復路にて形成されたドット列よりも往路の走査方向の下流側に位置している場合には、基準ヘッド36dのノズルから印刷用紙までの間隔Lは、標準間隔L0より広い。逆に、往路にて形成されたドット列が、復路にて形成されたドット列よりも復路の走査方向の下流側に位置している場合には、基準ヘッド36dのノズルから印刷用紙までの間隔Lは、標準間隔L0より狭い。また、2本のドット列の間隔には往路によるズレ量と復路によるズレ量とが含まれているため、ノズルから印刷用紙までの間隔Lにより生じるドットの実際のズレ量は、間隔x3の半分になる。
【0094】
ここでは、基準ヘッド36dのノズルから印刷用紙までの間隔Lが標準間隔L0よりも大きい場合について説明する。
インクが速度Vdにて鉛直方向に(L−L0)の距離を移動する間に、インクが速度VCRにて走査方向に(x3/2)の距離を移動したことになる。したがって、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔Lは、次式にて求められる。
L = L0 + {(Vd/VCR)×(x3/2)}
検査者は、プリンタドライバのユーザインターフェースを介して、テストパターンの結果情報として間隔Lを、コンピュータに入力する。これにより、コンピュータは、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの距離情報を取得することができる。そして、コンピュータは、距離情報をカラープリンタに送信する。これにより、カラープリンタは、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの距離情報を取得し、この距離情報を利用することができる。
【0095】
<<基準ヘッドの調整値の算出(S106)>>
(基準ヘッドのインクの吐出タイミングについて)
基準ヘッドのインクの吐出タイミングは、基準ヘッドの吐出速度情報と、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔Lとに基づいて、算出される。ここで、基準ヘッドのインクの吐出速度は、既にVdと測定されており、既知である。また、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの距離も、既にテストパターンに基づいて測定されており、既知である。また、キャリッジの走査速度は、リニア式エンコーダ17の出力に基づいて、又は、印刷方式に応じて、決定することが可能である。ここでは、キャリッジの走査速度は、VCRとする。
【0096】
図17Aは、基準ヘッドのインクの吐出タイミングの説明図である。ノズルから吐出されたインクは、t=L/Vdの後に印刷用紙に着弾する。したがって、ノズルから吐出されたインクは、吐出した位置からキャリッジの進行方向にVCR・(L/Vd)だけズレて印刷用紙に着弾する。つまり、目標位置にドットを形成するためには、コントローラ54は、目標位置よりもVCR・(L/Vd)だけ早いタイミングでインクを吐出しなければならない。そのため、基準ヘッドに対する調整値は、原駆動信号発生部が原駆動信号ODRVを目標位置よりもVCR・(L/Vd)だけ早いタイミングで出力するように、設定される。以下、目標位置よりもVCR・(L/Vd)だけ早いタイミングを、「基準吐出タイミング」と呼ぶ。
【0097】
(基準ヘッドの調整値について)
キャリッジの走査速度がVCRの場合において、印刷ヘッドのインクの吐出速度が標準速度V0であって、ノズルから印刷用紙までの間隔が標準間隔L0であるとき、標準となる吐出タイミング(以下、「標準吐出タイミング」と呼ぶ)にてインクが吐出される。ここで、標準吐出タイミングは、目標位置よりもD(=VCR・(L0/V))だけ早いタイミングである。そして、この標準吐出タイミングを示す値として、前述の初期値Sが定められている。したがって、基準吐出タイミングに対応する調整値は、この標準吐出タイミングに対するズレ量Dに対応して求められる(図17A参照)。
【0098】
図17Bは、基準吐出タイミングと標準吐出タイミングとの関係の説明図である。この図に示されるとおり、図17Aのズレ量Dは、「吐出速度によるズレ量DVd」と「間隔差によるズレ量DLd」とに分けて考えることができる。したがって、基準ヘッドの調整値も、「吐出速度によるズレ量DVd」と「間隔差によるズレ量DLd」とに基づいて、設定される。
【0099】
吐出速度によるズレ量DVdは、基準ヘッド36dのインクの吐出速度Vdが標準吐出速度Vと異なるために生じるズレ量である。この吐出速度によるズレ量DVdは、次式のように求めることができる。
Vd = {(V/Vd)−1}×D
すなわち、吐出速度によるズレ量DVdは、基準ヘッド36dのインクの吐出速度Vdに基づいて、求めることができる。
【0100】
また、間隔差によるズレ量DLdは、基準ヘッド36dのノズルから印刷用紙までの間隔Lが基準となる間隔L0と異なるために生じるズレ量である。この間隔差(L−L0)によるズレ量DLdは、次式のように求めることができる。
Figure 2005007727
すなわち、間隔差によるズレ量DLdは、基準ヘッド36dのノズルから印刷用紙までの間隔Lと、基準ヘッド36dのインクの吐出速度とに基づいて、求めることができる。
【0101】
なお、吐出タイミングの調整精度は、既に説明した通り1.1μmである。つまり、カウント値1つ分が1.1μm分の吐出タイミングのズレ量に相当する。したがって、基準ヘッド36dに対する調整値をRdとすると、調整値Rdは、上記の2つのズレ量(「吐出速度によるズレ量DVd」と「間隔差によるズレ量DLd」)を加算したズレ量Dに1.1μmを割った値とほぼ等しい整数に設定される。
【0102】
<<他の印刷ヘッドの調整値の算出(S106)>>
(他の印刷ヘッドのインクの吐出タイミングについて)
本実施形態では、基準ヘッドの他に7つの印刷ヘッドが設けられている。しかし、全ての印刷ヘッドについてノズルから印刷用紙までの間隔を測定することは、全てのヘッドについて前述のS103及びS104の処理を行わねばならず、時間がかかってしまい、ユーザにとって不便である。そこで、本実施形態では、以下に説明する理由から、他の印刷ヘッドについてノズルから印刷用紙までの間隔の測定を省略している。
【0103】
図18は、上側の4つの印刷ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔の説明図である。この図は、上側の4つの印刷ヘッドを搬送方向から見た図になっている。同図において、既に説明された構成要素には同じ符号を付しているので、説明を省略する。前述の通り、基準ヘッド36dのノズルから印刷用紙までの間隔は、テストパターンに基づいて測定されており、既知である。ここで、印刷用紙の厚さ(紙厚)が大きい場合、ノズルから印刷用紙までの間隔は狭くなる。一方、印刷用紙の厚さが小さい場合、ノズルから印刷用紙までの間隔は広くなる。
【0104】
他の印刷ヘッドのノズルと対向している印刷用紙は、基準ヘッドのノズルと対向している印刷用紙と同じ印刷用紙である。つまり、基準ヘッドのノズルと他の印刷用紙のノズルは、同じ紙厚の印刷用紙と対向している。そのため、他の印刷ヘッドのノズルと印刷用紙までの間隔は、基準ヘッドのノズルと印刷用紙までの間隔とほぼ同じであると考えられる。例えば、基準ヘッド36dのノズルと印刷用紙との間隔がLと測定された場合、他の印刷ヘッドのノズルと印刷用紙との間隔もLであると考えられる。
【0105】
そこで、本実施形態では、基準ヘッド36dのノズルから印刷用紙までの間隔が既に算出されているので、この算出されている間隔に基づいて、他の印刷ヘッドのインクの吐出タイミングを算出する。他の印刷ヘッドのインクの吐出タイミングは、その印刷ヘッドの吐出速度情報と、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔Lとに基づいて、算出される。
【0106】
ここでは、印刷ヘッド36aのインクの吐出タイミングについて説明する。印刷ヘッド36aのインクの吐出速度は、既にVaと測定されており、既知である。また、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの距離も、既にテストパターンに基づいて測定されており、既知である。また、キャリッジの走査速度は、リニア式エンコーダ17の出力に基づいて、又は、印刷方式に応じて、決定することが可能である。ここでは、キャリッジの走査速度は、VCRとする。
【0107】
ノズルから吐出されたインクは、t=L/Vaの後に印刷用紙に着弾する。したがって、ノズルから吐出されたインクは、吐出した位置からキャリッジの進行方向にVCR・(L/Va)だけズレて印刷用紙に着弾する。つまり、目標位置にドットを形成するためには、コントローラ54は、目標位置よりもVCR・(L/Va)だけ早いタイミングでインクを吐出しなければならない。そのため、印刷ヘッド36aに対する調整値は、原駆動信号発生部が原駆動信号ODRVを目標位置よりもVCR・(L/Va)だけ早いタイミングで出力するように、設定される。
【0108】
(他の印刷ヘッドの調整値について)
前述の基準ヘッドの場合と同様に、他の印刷ヘッドの吐出タイミングに対応する調整値は、「吐出速度によるズレ量DVa」と「間隔差によるズレ量DLa」とに分けて考えることができる。したがって、基準ヘッドの調整値も、「吐出速度によるズレ量DVa」と「間隔差によるズレ量DLa」とに基づいて、設定される。
【0109】
吐出速度によるズレ量DVaは、基準ヘッド36dのインクの吐出速度Vaが標準吐出速度Vと異なるために生じるズレ量である。この吐出速度によるズレ量DVaは、次式のように求めることができる。
Va = {(V/Va)−1}×D
すなわち、吐出速度によるズレ量DVaは、印刷ヘッド36aのインクの吐出速度Vaに基づいて、求めることができる。
【0110】
また、間隔差によるズレ量DLaは、印刷ヘッド36aのノズルから印刷用紙までの間隔Lが基準となる間隔L0と異なるために生じるズレ量である。この間隔差によるズレ量DLaは、次式のように求めることができる。
Figure 2005007727
すなわち、間隔差によるズレ量DLaは、基準ヘッド36aのノズルから印刷用紙までの間隔Lと、基準ヘッド36dのインクの吐出速度とに基づいて、求めることができる。又は、間隔差によるズレ量DLaは、前述のDLdと、基準ヘッド36dのインクの吐出速度Vdと、印刷ヘッド36aのインクの吐出速度Vaとに基づいて、求めることができる。
【0111】
上式からも分かるとおり、基準吐出タイミングが遅くなると(DLdが大きくなると)、他の印刷ヘッドの吐出タイミングは遅くなる。また、他の印刷ヘッドのインクの吐出速度が遅くなると(例えば、Vaが小さくなると)、「間隔差によるズレ量Dが大きくなるので、調整値が大きい値になり、他の印刷ヘッド吐出タイミングが早くなる。また、基準ヘッドのインクの吐出速度Vdが遅くなると(Vdが小さくなると)、「間隔差によるズレ量Dが大きくなるので、調整値が大きい値になり、他の印刷ヘッド吐出タイミングが早くなる。また、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔Lが大きくなると、「間隔差によるズレ量Dが大きくなるので、調整値が大きい値になり、他の印刷ヘッド吐出タイミングが早くなる。但し、DLa=DLd×(Vd/Va)なので、他の印刷ヘッドのインクの吐出速度(例えばVa)が基準ヘッドのインクの吐出速度Vdよりも遅い場合、間隔差によるズレ量Dの変化量は、Vd/Va>1なので、他の印刷ヘッドの方が基準ヘッドよりも大きくなる。これにより、より精度良く、インクを目的位置に着弾させることができる。
【0112】
なお、吐出タイミングの調整精度は、既に説明した通り1.1μmである。つまり、カウント値1つ分が1.1μm分の吐出タイミングのズレ量に相当する。したがって、印刷ヘッド36aに対する調整値をRaとすると、調整値Raは、上記の2つのズレ量(「吐出速度によるズレ量DVa」と「間隔差によるズレ量DLa」)に1.1μmを割った値とほぼ等しい整数に設定される。
【0113】
<<各印刷ヘッドの調整値Rの設定について>>
各印刷ヘッドに設定される調整値Rは、「吐出速度によるズレ量」に対応する調整値Rと、「間隔差によるズレ量」に対応する調整値Rと、を加算することによって求めることができる。ここで、調整値R及び調整値Rは、以下のように求められる。
【0114】
図19は、速度ズレ調整値Rvとインクの吐出速度とを対応づけた参照表の説明図である。この参照表は、メモリ56に記憶されている。「吐出速度によるズレ量」は、前述の通り、印刷ヘッドのインクの吐出速度に基づいて、求められる。したがって、印刷ヘッドのインクの吐出速度と、「吐出速度によるズレ量」に対応する調整値Rvとを対応づけた参照表を予めメモリに記憶させることが可能である。そして、コントローラは、各印刷ヘッドの吐出速度が決定したとき(S102参照)、メモリに記憶されている参照表を参照し、対応する調整値を読み出し、「吐出速度によるズレ量」に対応する調整値Rvを各印刷ヘッドに対して設定する。例えば、基準ヘッドのインクの吐出速度が9m/sであれば、基準ヘッドの調整値RVdは、αに設定される。また、印刷ヘッド36aのインクの吐出速度が7m/sであれば、印刷ヘッド36aの調整値RVaは、γに設定される。
【0115】
調整値Rの設定方法は、基準ヘッドの場合と、他の印刷ヘッドの場合とにより異なる。
基準ヘッドの調整値RLdは、前述の通り、基準ヘッド36dのノズルから印刷用紙までの間隔Lと、基準ヘッド36dのインクの吐出速度とに基づいて、求められる。したがって、間隔Lとインクの吐出速度Vdとを変数として、基準ヘッドの「間隔差によるズレ量」に対応する調整値RLdを求める関数を、予めメモリに記憶させることが可能である。そして、コントローラは、基準印刷ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔が決定したとき(S105)、メモリに記憶されている関数を用いて、「間隔差によるズレ量」に対応する調整値RLdを基準ヘッドに対して設定する。
【0116】
一方、他の印刷ヘッドの間隔差によるズレ量は、基準ヘッドの間隔差によるズレ量DLdと、基準ヘッド36dのインクの吐出速度Vdと、印刷ヘッド36aのインクの吐出速度Vaとに基づいて、求めることができる。そのため、例えば印刷ヘッド36aの間隔差による調整値RLaは、基準ヘッドの間隔差による調整値RLdと、基準ヘッド36dのインクの吐出速度Vdと、印刷ヘッド36aのインクの吐出速度Vaとに基づいて、求められる。したがって、基準ヘッドの調整値RLdと、基準ヘッド36dのインクの吐出速度Vdと、他の印刷ヘッド36aのインクの吐出速度Vとを変数として、他の印刷ヘッドの間隔差によるズレ量」に対応する調整値を求める関数を、予めメモリに記憶させることが可能である。そして、コントローラは、基準ヘッドの調整値RLdを設定した後、既に取得されている他の印刷ヘッドのインクの吐出速度情報を用いて、「間隔差によるズレ量」に対応する調整値をその印刷ヘッドに対して設定する。
【0117】
そして、コントローラは、上記のように設定された「吐出速度によるズレ量」に対応する各印刷ヘッドの調整値Rと、「間隔差によるズレ量」に対応する各印刷ヘッドの調整値Rと、を加算することによって、各印刷ヘッド毎に調整値R求める。
【0118】
<<本実施形態のまとめ>>
本実施形態のプリンタは、移動しながら印刷用紙(媒体)にインク(液体)を吐出する印刷ヘッド(液体吐出部)を複数有し、それぞれの印刷ヘッドが、適宜の吐出タイミングにて印刷用紙にインクを吐出し、目標位置にインクを着弾させるプリンタである。このプリンタは、移動しながら媒体に液体を吐出する液体吐出部を複数有し、それぞれの前記液体吐出部が、適宜の吐出タイミングにて前記媒体に液体を吐出し、前記媒体上の目標位置に前記液体を着弾させる液体吐出装置の一例でもある。
【0119】
このように、各印刷ヘッドのインクの吐出タイミングをそれぞれ調整するには、各印刷ヘッドの吐出条件(例えば、各ヘッドから印刷用紙までの間隔など)を把握する必要がある。しかし、例えば、ヘッドから印刷用紙までの間隔を全てのヘッドについて検査することは、手間のかかる作業である。
【0120】
そこで、本実施形態では、基準ヘッド以外の印刷ヘッドは、そのヘッドのインクの吐出速度と、基準ヘッドのインクの吐出速度と、基準ヘッドの調整値RLdとに基づいて、調整値が設定され、その設定された調整値に応じた吐出タイミングにてインクを吐出している。すなわち、本実施形態では、他の液体吐出部は、その液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準吐出タイミングと、に応じた吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出している。
【0121】
これにより、本実施形態では、基準ヘッド以外の印刷ヘッドについて、「間隔差によるズレ量」に対応する調整値Rを求める際に、各印刷ヘッドから印刷用紙までの間隔を直接求めなくてもよい。つまり、各印刷ヘッドから印刷用紙までの間隔を求める作業を省略することができ、各印刷ヘッドの吐出タイミングを容易に調整することができる。
【0122】
また、本実施形態のプリンタは、基準ヘッドから印刷用紙までの間隔に関する情報を、テストパターンの結果情報として取得し、取得した間隔情報に基づいて、基準ヘッドの吐出タイミングが設定されていた。そして、基準ヘッドから印刷用紙までの間隔に基づいて、他のヘッドの吐出タイミングが設定されていた。また、基準ヘッドから印刷用紙までの間隔と、基準ヘッドのインクの吐出速度と、基準ヘッド以外の印刷ヘッドのインクの吐出速度とに基づいて、他の印刷ヘッドの吐出タイミングが設定されていた。他の印刷ヘッドから印刷用紙までの間隔は、基準ヘッドから印刷用紙までの間隔と等しいと考えられるので、本実施形態によれば、各印刷ヘッドから印刷用紙までの間隔を求める作業を省略することができ、各印刷ヘッドの吐出タイミングを容易に調整することができる。
【0123】
また、本実施形態では、基準ヘッドは、印刷ヘッドを移動させるためにキャリッジに作用する力の作用線に最も近い印刷ヘッドである。さらに、本実施形態では、基準ヘッドは、力が直接作用する位置である係合部に最も近い印刷ヘッドである。このような印刷ヘッドを基準にすれば、印刷ヘッドの移動時に基準ヘッドが受ける振動の影響が小さくて済むので、吐出タイミングの調整が正確なものになる。
【0124】
また、本実施形態では、吐出タイミングは、調整値Rに基づいて、設定される。調整値Rの値が変わると、ディクリメントされるカウント値と調整値とが一致するタイミングが変わるので、印刷ヘッドがインクを吐出するタイミングが変化する。また、基準ヘッドの「間隔差によるズレ量」に対する調整値RLdは、基準ヘッドから印刷用紙までの間隔Lに基づいて、設定される。また、基準ヘッドの「吐出速度によるズレ量」に対する調整値RVdは、基準ヘッドのインクの吐出速度Vdに基づいて、設定される。そして、基準タイミングは、「間隔差によるズレ量」に対する調整値RLdと、基準ヘッドの「吐出速度によるズレ量」に対する調整値RVdとを加算することによって算出される。基準ヘッド以外のヘッドの調整値は、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔に基づいて、設定される。他の印刷ヘッドから印刷用紙までの間隔は、基準ヘッドから印刷用紙までの間隔と等しいと考えられるので、本実施形態によれば、各印刷ヘッドから印刷用紙までの間隔を求める作業を省略することができ、各印刷ヘッドの吐出タイミングを容易に調整することができる。また、基準ヘッド以外のヘッドの調整値は、基準ヘッドの「間隔差によるズレ量」に対する調整値RLdに基づいて、設定される。そして、基準ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔が大きくなると、他の印刷ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔が大きくなるので、基準ヘッドの「間隔差によるズレ量」に対する調整値が大きくなると、他の印刷ヘッドの調整値が大きくなる。すなわち、「間隔差によるズレ量」が各印刷ヘッドについて一律ではなく、各印刷ヘッドの吐出速度を考慮して求められる。これにより、より精度良く、インクを目的位置に着弾させることができる。
【0125】
===その他の実施の形態===
以上、一実施の形態に基づき本発明に係る液体吐出装置等を説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0126】
<2本のドット列について>
前述の実施形態では、印刷用紙に2本のドット列を形成し、そのドット列の間隔を測定することによって、往路によるズレ量や復路によるズレ量を測定していた(図14CのX、図15BのX1、図15CのX2、図16CのX3を参照)。しかし、往路及び復路によって形成されるドット列のズレ量の測定は、これにかぎられるものではない。
図20は、他の測定方法の説明図である。同図において、印刷用紙には、2本のドット列の組が複数形成されている。そして、本実施形態では、各組の2本のドット列を形成する際に、往路の吐出タイミングに対する復路の吐出タイミングを段階的にずらしている。そして、複数の組の中から2本のドット列が1列になっているものを選択すれば、その組の2本のドット列を形成する際の吐出タイミングのずらし量が、前述の実施形態の2本のドット列のズレ量に相当する量として、測定される。同図では、番号=2の2本のドット列が選択され、この2本のドット列を形成する際の吐出タイミングのずらし量が、前述の実施形態の2本のドット列のズレ量に相当する量になる。
【0127】
<調整値について>
前述の実施形態では、調整値を用いて、吐出タイミングの調整を行っていた。しかし、吐出タイミングの調整は、調整値を用いるものに限られるものではない。要するに、結果として目標位置にインクが着弾するような吐出タイミングになればよいのである。但し、目標位置にインクが着弾するような吐出タイミングは、基準ヘッド以外の印刷ヘッドでは、前述の通り、その印刷ヘッドのインクの吐出速度(例えばVa)と、基準ヘッドのインクの吐出速度Vdと、基準吐出タイミングとに応じた吐出タイミングとなる。
【0128】
<基準ヘッドについて>
前述の実施形態によれば、印刷ヘッド36dが基準ヘッドとなり、他の印刷ヘッドの吐出タイミングは、基準ヘッド36dのインクの吐出速度等に応じた吐出タイミングになっていた。しかし、基準ヘッドは、印刷ヘッド36dに限られるものではない。
例えば、印刷ヘッド36bが基準ヘッドとなっても良い。この場合、他の印刷ヘッドの吐出タイミングは、その印刷ヘッドのインクの吐出速度と、印刷ヘッド36bのインクの吐出速度Vbと、印刷ヘッド36bから印刷用紙までの間隔Lとに応じた吐出タイミングになる。ただし、印刷ヘッド36cや印刷ヘッド36dと比較して、印刷ヘッド36bは、副走査方向について、牽引ベルト32の牽引力Fが作用する係合部から遠いため、キャリッジの移動時に受ける振動の影響が大きくなってしまう。
また、例えば、印刷ヘッド36cが基準ヘッドとなっても良い。この場合、他の印刷ヘッドの吐出タイミングは、その印刷ヘッドのインクの吐出速度と、印刷ヘッド36cのインクの吐出速度Vcと、印刷ヘッド36bから印刷用紙までの間隔Lとに応じた吐出タイミングになる。ただし、印刷ヘッド36cは、印刷ヘッド36dと比較して、牽引ベルト32の係合部46aよりも遠いため、キャリッジの移動時に受ける振動の影響が大きくなってしまう。
【0129】
<吐出タイミングの調整について>
前述の実施形態によれば、原駆動発生部206からの原駆動信号ODRVの発生のタイミングを調整することによって、その印刷ヘッドのインクの吐出タイミングが調整された。ただし、吐出タイミングの調整は、原駆動信号ODRVの発生のタイミングを調整するものに限られるものではない。
図21は、他の実施形態のヘッド制御ユニット内の構成を示すブロック図である。図22Aは、調整値が「0」のときのヘッド駆動波形のタイミングを示すタイミングチャートである。図22Bは、調整値が「−1」のときのヘッドの駆動波形のタイミングを示すタイミングチャートである。同図において、既に説明した構成要素については同じ符号を付しているので、説明を省略する。なお、図22A及び図22Bの出力信号は、図21の波形加工器208から出力される信号を示すものである。
【0130】
本実施形態では、原駆動信号発生部206は、1つの周期に複数の原駆動信号ODRVを発生する。そして、原駆動信号発生部206は、原駆動信号ODRVを波形加工器208に出力する。また、タイミング発生器から出力されるタイミング信号も波形加工器208に出力される。波形加工器208は、タイミング信号が入力されたときに、そのタイミングで入力された原駆動信号ODRVを1つ出力する回路である。これにより、前述の調整値によってタイミング発生器から出力される信号のタイミングが調整されることによって、1周期に複数ある原駆動信号ODRVのうちのどの信号を用いるかが決定される。その結果、駆動波形のタイミングが調整され、印刷ヘッドのインクの吐出タイミングが調整される。
【0131】
<媒体について>
また、媒体としてロール紙や単票用紙等の印刷用紙を例にとって説明したが、媒体として、フィルム、布、金属薄板等を用いてもよい。
【0132】
<液体吐出装置>
また、上記実施形態においては、液体吐出装置の一例としてインクジェットプリンタ(印刷装置)について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などに、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。このような分野に本技術を適用しても、液体を媒体に向かって吐出することができるという特徴があるので、前述した効果を維持することができる。
【0133】
<吐出する液体について>
また、上記実施の形態においては、液体の一例としてインクについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出してもよい。
【0134】
【発明の効果】
本発明によれば、各液体吐出部の吐出タイミングを容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるカラープリンタの実施形態の概要を示す斜視図である。
【図2】図1のカラープリンタにてキャリッジを移動した状態を示す斜視図である。
【図3】リニア式エンコーダの構成を模式的に示した説明図である。
【図4】図4Aは、CRモータ正転時におけるエンコーダ17の出力信号の波形を示したタイミングチャートである。図4Bは、CRモータ逆転時におけるエンコーダ17の出力信号の波形を示したタイミングチャートである。
【図5】印刷ヘッドにおけるノズル列を説明するための説明図である。
【図6】印刷ヘッドの配置の説明図である。
【図7】カラープリンタを備えた液体吐出システムの構成を示すブロック図である。
【図8】プリンタドライバの制御を説明するためのブロック図
【図9】ヘッド制御ユニット内の構成を示すブロック図である。
【図10】原駆動信号の出力タイミングを調整する処理を説明するためのフロー図である。
【図11】図11Aは、調整値が「0」のときのヘッド駆動波形のタイミングを示すタイミングチャートである。図11Bは、調整値が「−1」のときのヘッド駆動波形のタイミングを示すタイミングチャートである。図11Cは、調整値が「+2」のときのヘッド駆動波形のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図12】駆動信号発生部の動作を示す原信号ODRV、印刷信号PRT(i)、駆動信号DRV(i)のタイミングチャートである。
【図13】本実施形態の印刷装置におけるインクの吐出タイミングの調整方法の概要を説明するためのフロー図である。
【図14】図14Aは、インクの吐出速度を測定する方法を説明するための図である。図14Bは、標準印刷ヘッドが形成するパターンの説明図である。図14Cは、測定対象の印刷ヘッドが形成するパターンの説明図である。
【図15】図15Aは、インクの吐出速度を測定する別の方法を説明するための図である。図15Bは、ノズルと印刷用紙との間隔がL1の場合のパターンの説明図である。図15Cは、ノズルと印刷用紙との間隔がL2の場合のパターンの説明図である。
【図16】図16Aは、テストパターンの形成方法の説明図である。図16Bは、ノズルと印刷用紙との間隔が標準間隔Lの場合のパターンの説明図である。図16Cは、ノズルと印刷用紙との間隔がLの場合のパターンの説明図である。
【図17】図17Aは、基準ヘッドのインクの吐出タイミングの説明図である。図17Bは、基準吐出タイミングと標準吐出タイミングとの関係の説明図である。
【図18】上側の4つの印刷ヘッドのノズルから印刷用紙までの間隔の説明図である。
【図19】速度ズレ調整値Rvとインクの吐出速度とを対応づけた参照表の説明図である。
【図20】他の実施形態における2本のドット列のズレ量の測定方法の説明図である。
【図21】他の実施形態のヘッド制御ユニット内の構成を示すブロック図である。
【図22】図22Aは、調整値が「0」のときのヘッド駆動波形のタイミングを示すタイミングチャートである。図22Bは、調整値が「−1」のときのヘッドの駆動波形のタイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
3 印刷部 5 印刷用紙搬送部
15 基準クロック発生器 16 カウンタ
17 リニア式エンコーダ 19 リニア式エンコーダ用符号板
20 カラープリンタ 21 CRT
24 スマップローラ 26 プラテン
27 ホルダ 27a 軸体
27b ガイド円盤 28 キャリッジ
29 挟持ローラ 30 キャリッジモータ
31 搬送モータ 32 牽引ベルト
34 ガイドレール 341 下側ガイドレール
342 上側ガイドレール 35 ロール紙保持部
36 印刷ヘッド 36a 印刷ヘッド(上側左上)
36b 印刷ヘッド(上側右上) 36c 印刷ヘッド(上側左下)
36d 印刷ヘッド(上側右下) 36e 印刷ヘッド(下側左上)
36f 印刷ヘッド(下側右上) 36g 印刷ヘッド(下側左下)
36h 印刷ヘッド(下側右下) 37 ロール紙搬送部
40 駆動ギア
41 中継ギア 44,45 プーリ
46 係合部 50 バッファメモリ
51 CPU
52 イメージバッファ 54 システムコントローラ
56 メモリ 58 サーミスタ
58a 上側のサーミスタ 58b 下側のサーミスタ
61 主走査駆動回路 62 副走査駆動回路
63 ヘッド制御ユニット 67 インクタンク
90 コンピュータ 91 ビデオドライバ
95 アプリケーションプログラム 97 解像度変換モジュール
98 色変換モジュール 99 ハーフトーンモジュール
100 ラスタライザ
101 ユーザインターフェース表示モジュール
102 UIプリンタインターフェースモジュール
200 駆動信号発生部 201 比較器
202 タイミング発生器 204 マスク回路
206 原駆動信号発生部
COM コマンド CLK クロック信号
L,L1,L2 ノズルと印刷用紙との間隔
LUT 色変換ルックアップテーブル
n,n1〜n180 ノズル
N,Nk,Nc,Nlc,Nm,Nlm,Ny ノズル列
ODRV 原駆動信号(基準吐出信号)
P ロール紙 PD 印刷データ
S 初期値 R 調整値
X、X1、X2、X3 ドットのズレ量
CR キャリッジの速度 V インクの吐出速度

Claims (21)

  1. 移動しながら媒体に液体を吐出する液体吐出部を複数有し、
    それぞれの前記液体吐出部が、適宜の吐出タイミングにて前記媒体に液体を吐出し、前記媒体上の目標位置に前記液体を着弾させる液体吐出装置であって、
    複数の前記液体吐出部のうちの基準となる基準液体吐出部は、基準となる基準吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出し、
    他の液体吐出部は、その液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準吐出タイミングと、に応じた吐出タイミングにて、前記媒体に前記液体を吐出することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記基準吐出タイミングは、前記基準液体吐出部から前記媒体までの間隔に応じた吐出タイミングであることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングは、前記間隔に応じた前記吐出タイミングであることを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項3に記載の液体吐出装置であって、
    前記間隔と、前記他の液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、に基づいて、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが設定されることを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記液体吐出部の移動する方向と交差する方向にて、前記液体吐出部を移動させる力が作用する部位に近い前記液体吐出部が、前記基準液体吐出部であることを特徴とする液体吐出装置。
  6. 請求項5に記載の液体吐出装置であって、
    前記基準液体吐出部は、前記力が作用する前記部位に最も近い前記液体吐出部であることを特徴とする液体吐出装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記吐出タイミングは、調整値に基づいて、設定されることを特徴とする液体吐出装置。
  8. 請求項7に記載の液体吐出装置であって、
    前記基準液体吐出部の調整値は、前記基準液体吐出部から前記媒体までの間隔に応じて、設定されることを特徴とする液体吐出装置。
  9. 請求項8に記載の液体吐出装置であって、
    前記基準液体吐出部の調整値は、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度に応じて、設定されることを特徴とする液体吐出装置。
  10. 請求項8又は9に記載の液体吐出装置であって、
    前記他の液体吐出部の調整値は、前記間隔に応じて、設定されることを特徴とする液体吐出装置。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記他の液体吐出部の調整値は、前記基準液体吐出部の調整値に応じて、設定されることを特徴とする液体吐出装置。
  12. 請求項8〜11のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記基準液体吐出部の調整値が大きくなると、前記他の液体吐出部の調整値が大きくなることを特徴とする液体吐出装置。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記基準吐出タイミングが遅くなると、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが遅くなることを特徴とする液体吐出装置。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記他の液体吐出部の前記媒体の吐出速度が遅くなると、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが早くなることを特徴とする液体吐出装置。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度が遅くなると、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが早くなることを特徴とする液体吐出装置。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記基準液体吐出部から前記媒体までの間隔が大きくなると、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが早くなることを特徴とする液体吐出装置。
  17. 請求項16に記載の液体吐出装置であって、
    前記他の液体吐出部の前記液体の吐出速度が、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度よりも遅い場合、
    前記間隔が変化したときの前記吐出タイミングの変化量は、前記他の液体吐出部の方が前記基準液体吐出部よりも大きいことを特徴とする液体吐出装置。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記液体吐出装置は、インクジェットプリンタである。
  19. 移動しながら媒体に液体を吐出する液体吐出部を複数有し、
    それぞれの前記液体吐出部が、適宜の吐出タイミングにて前記媒体に液体を吐出し、前記媒体上の目標位置に前記液体を着弾させる液体吐出装置であって、
    複数の前記液体吐出部のうちの基準となる基準液体吐出部は、基準となる基準吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出し、
    他の液体吐出部は、その液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準吐出タイミングと、に応じた吐出タイミングにて、前記媒体に前記液体を吐出し、
    前記基準吐出タイミングは、前記基準液体吐出部から前記媒体までの間隔に応じた吐出タイミングであり、
    前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングは、前記間隔に応じた前記吐出タイミングであり、
    前記間隔と、前記他の液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、に基づいて、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが設定され、
    前記基準液体吐出部は、前記力が作用する前記部位に最も近い前記液体吐出部であり、
    前記吐出タイミングは、調整値に基づいて、設定され、
    前記基準液体吐出部の調整値は、前記基準液体吐出部から前記媒体までの間隔に応じて、設定され、
    前記基準液体吐出部の調整値は、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度に応じて、設定され、
    前記他の液体吐出部の調整値は、前記間隔に応じて、設定され、
    前記他の液体吐出部の調整値は、前記基準液体吐出部の調整値に応じて、設定され、
    前記基準液体吐出部の調整値が大きくなると、前記他の液体吐出部の調整値が大きくなり、
    前記基準吐出タイミングが遅くなると、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが遅くなり、
    前記他の液体吐出部の前記媒体の吐出速度が遅くなると、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが早くなり、
    前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度が遅くなると、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが早くなり、
    前記基準液体吐出部から前記媒体までの間隔が大きくなると、前記他の液体吐出部の前記吐出タイミングが早くなり、
    前記他の液体吐出部の前記液体の吐出速度が、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度よりも遅い場合、前記間隔が変化したときの前記吐出タイミングの変化量は、前記他の液体吐出部の方が前記基準液体吐出部よりも大きく、
    前記液体吐出装置は、インクジェットプリンタであることを特徴とする液体吐出装置。
  20. 移動する複数の液体吐出部から液体を吐出して媒体上の目標位置に液体を着弾させる液体吐出方法であって、
    複数の前記液体吐出部のうちの基準となる基準液体吐出部から、基準となる基準吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出し、
    他の液体吐出部から、その液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準吐出タイミングと、に応じた吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出することを特徴とする液体吐出方法。
  21. コンピュータと印刷装置とを備えた印刷システムであって、
    前記印刷装置は、
    移動しながら媒体に液体を吐出する液体吐出部を複数有し、
    それぞれの前記液体吐出部が、適宜の吐出タイミングにて前記媒体に液体を吐出し、前記媒体上の目標位置に前記液体を着弾させる印刷装置であって、
    複数の前記液体吐出部のうちの基準となる基準液体吐出部は、基準となる基準吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出し、
    他の液体吐出部は、その液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準液体吐出部の前記液体の吐出速度と、前記基準吐出タイミングと、に応じた吐出タイミングにて、前記媒体に液体を吐出することを特徴とする印刷システム。
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