JP2011229226A - 回転電機の偏心推定方法および回転機の偏心推定システム - Google Patents

回転電機の偏心推定方法および回転機の偏心推定システム Download PDF

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Abstract

【課題】回転子と固定子の偏心率および偏心方向が簡単に高精度、高速に推定できる方法およびシステムを提供する。
【解決手段】回転子と周方向に沿って複数の巻線を設けた固定子を備えた回転電機の、前記固定子の少なくとも3つ以上の巻線に電圧を印加した時の各巻線の端子電圧または巻線電流を測定して回転電機の偏心を推定する。回転子の回転軸に平行な固定子の中心軸に対して対称な位置にある2つの巻線を直列接続した巻線群と、固定子の前記中心軸の周りの前記巻線群とは異なる角度において固定子の前記中心軸に対して対称な位置にある2つの巻線を直列接続した別の巻線群に、巻線群の両端にそれぞれ異なる周波数の交流電圧を同時に印加し各巻線の端子電圧を測定し偏心の大きさと方向を推定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば家電製品のファン駆動などに使用される回転電機の低振動・低騒音化技術、特に回転電機の偏心率推定に関するものである。
従来の回転電機では、対象モータを外力で回転させて1つのコイル相における相内循環電流やコイル列間電圧を測定することにより、偏心を推定している(例えば下記特許文献1)。
特開2006−280158号公報
永久磁石をもたない誘導電動機などの回転電機では、循環電流の測定は容易ではない。また、偏心率を微小にして低振動・低騒音な回転電機を実現するためには、偏心の大きさだけではなく、偏心の方向も推定する必要がある。さらに回転電機の製造ライン内で実施するためには、高速に偏心率を推定する必要がある。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、回転子と固定子の偏心率および偏心方向が簡単に高精度に、しかも高速に推定できる回転電機の偏心推定方法および回転電機の偏心推定システムを提供することを目的とする。
この発明は、回転子と周方向に沿って複数の巻線を設けた固定子を備えた回転電機の、前記固定子の少なくとも3つ以上の巻線に電圧を印加した時の各巻線の端子電圧または巻線電流を測定して回転電機の偏心を推定する回転電機の偏心推定方法およびシステムにある。特に、回転子の回転軸に平行な固定子の中心軸に対して対称な位置にある2つの巻線を直列接続した巻線群と、固定子の前記中心軸の周りの前記巻線群とは異なる角度において固定子の前記中心軸に対して対称な位置にある2つの巻線を直列接続した別の巻線群に、巻線群の両端にそれぞれ異なる周波数の交流電圧を同時に印加し各巻線の端子電圧を測定し偏心の大きさと方向を推定する。
この発明によれば、回転子と固定子の偏心率および偏心方向が簡単に高精度に、しかも高速に推定できる。そして偏心率を微小な状態にすることで、振動・騒音が非常に小さな回転電機が実現できる。
この発明の実施の形態1による回転電機の偏心推定方法を説明するための、偏心推定のための構造を有する回転電機の断面図である。 偏心率推定時の図1の回転電機の配線図である。 この発明における実験および解析で予め求めた巻線端子電圧と偏心率の関係の一例を示した図である。 一定の偏心量を与えた状態で、巻線端子電圧と電源電圧の関係を測定した結果を示す図である。 この発明による偏心率を推定しながら組立て可能な回転電機の完成状態の構造の一例を示す図である。 図5の回転電機の完成後の結線図である。 この発明の実施の形態2による回転電機の偏心推定方法を説明するための、回転電機の巻線端子電圧の周波数特性の一例を示す図である。 この発明の実施の形態3による回転電機の偏心推定方法を説明するための、偏心推定のための構造を有する回転電機の断面図である。 この発明の実施の形態3による回転電機の配線図である。 この発明の実施の形態4による回転電機の配線図である。 この発明の実施の形態5による回転電機の偏心推定方法を説明するための、偏心推定のための構造を有する回転電機の断面図である。 この発明の実施の形態5による回転電機の配線図である。 この発明における回転電機を外部動力で回転させて偏心推定を行う場合の構成の概略図である。 この発明の偏心推定のための構造を有する回転電機に対して偏心推定を行う偏心推定ユニットの一例の概略的な機能ブロック図である。
以下、この発明による回転電機を各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による回転電機の偏心推定方法を説明するための、偏心推定のための構造を有する回転電機の断面図を示している。固定子1は4個のティース1a,1b,1c,1dをもつ構造であり、これらのティース1a,1b,1c,1dは90°間隔に位置している。ティース1aのまわりには巻線2aが巻かれ、ティース1bのまわりには巻線2bが巻かれ、ティース1cのまわりには巻線2cが巻かれ、ティース1dのまわりには巻線2dが巻かれている。また、巻線2aの端子電圧を検出するための端子電圧検出部3a,3bがあり(実際には端子電圧や巻線電流を測定するための測定端子、以下同様)、巻線2bの端子電圧を検出するための端子電圧検出部3c,3dがあり、巻線2cの端子電圧を検出するための端子電圧検出部3e,3fがあり、巻線2dの端子電圧を検出するための端子電圧検出部3g,3hがある。また、固定子1の内側には回転子4がある。
(静的な偏心状態、動的な偏心状態)
固定子1の中心軸5を原点にとり、ティース1aと1bの向きをX軸、ティース1cと1dの向きをY軸とする。また図1では、回転子4の回転軸6は、固定子1の中心軸5と一致した状態を示している。なお、図1に示す固定子1の形状は、X軸およびY軸に対して対称な形状であり、歪みなどはないとしている。また、回転子4の表面の形状は真円であり、回転子4の重心は回転軸6と一致するとしている。このような場合、固定子1と回転子4の偏心は0といえる。なお、回転子4の回転軸6が固定子1の中心軸5からずれている場合には静的な偏心状態となり、回転子4の重心が回転軸6と異なる場合には動的な偏心状態となる。
偏心が全くない場合は、ティース1aと回転子4の間の隙間7aの大きさと、ティース1bと回転子4の間の隙間7bの大きさと、ティース1cと回転子4の間の隙間7cの大きさと、ティース1dと回転子4の間の隙間7dの大きさは等しくなる。しかし偏心がある場合は、隙間7a,7b,7c,7dは不均一になる。例えば回転子4がX方向に偏心した状態では、隙間7aは小さくなり、隙間7bは大きくなる。
次に配線について記述する。図2は偏心率推定時の図1の回転電機の配線図を示し、(a)は巻線2aと2b側、(b)は巻線2cと2d側の配線を示す。幾何学的に対称な位置(ここでは巻線を有する固定子1の中心軸(回転子4の回転軸6に平行)に対称な位置、以下同様)にある巻線2aと2bを直列接続して一つの巻線群とし、この巻線群の両端に交流電源8aにより交流電圧を印加して、巻線2aの端子電圧を端子電圧検出部3a,3bで測定し、巻線2bの端子電圧を端子電圧検出部3c,3dで測定する。また、上記の巻線群とは異なる角度に位置する巻線2cと2dを直列接続して一つの巻線群とし、この巻線群の両端に交流電源8bにより交流電圧を印加して、巻線2cの端子電圧を端子電圧検出部3e,3fで測定し、巻線2dの端子電圧を端子電圧検出部3g,3hで測定する。なお、各巻線の端子電圧が検出できるのであれば、例えば端子電圧検出部3bと3cを共通にしたり、3fと3gを共通にしてもよい。
巻線2aと2bの巻線数と巻線抵抗が等しいとすると、偏心がない場合には、巻線2aと2bのインピーダンスが等しくなる。従って、図2の配線図において、巻線2aの端子電圧と巻線2bの端子電圧は等しくなる。同様に、巻線2cと2dの巻線数と巻線抵抗が等しいとすると、偏心がない場合には、巻線2cと2dのインピーダンスが等しくなる。従って、巻線2cの端子電圧と巻線2dの端子電圧は等しくなる。しかし偏心がある場合には、固定子1と回転子4の隙間7a,7b,7c,7dの大きさは不均一になり、巻線2a,2b,2c,2dのインピーダンスが異なるため、各巻線の端子電圧は異なる値となる。従って、各巻線の端子電圧と偏心の関係を別途求めておくことにより、各巻線の端子電圧測定値をもとにした偏心率推定が可能となる。
(偏心量、偏心率)
図3は、実験および解析で予め求めた巻線端子電圧と偏心率の関係を示し、(a)は巻線2a,2b、(b)は巻線2c,2dのものを示す。固定子1の位置は変えずに、回転子4の回転軸6の位置を変え、そのときの中心軸5に対する回転軸6のX方向の軸ずれ量をX方向の偏心量とし、Y方向の軸ずれ量をY方向の偏心量としている。また、偏心がない場合の固定子1と回転子4の隙間量に対する偏心量の割合を偏心率と定義している。巻線2aと2bを直列接続した巻線群の両端に交流電源8aで印加する電圧値は2Vaであり、巻線2cと2dを直列接続した巻線群の両端に交流電源8bで印加する電圧値は2Vbである。
図3に示すように、X方向の偏心率が0の状態では、巻線2aと巻線2bの端子電圧は等しく、どちらもVaである。またY方向の偏心率が0の状態では、巻線2cと巻線2dの端子電圧は等しく、どちらもVbである。また、巻線端子電圧は偏心率に対してほぼ直線的に変化することがわかる。なお、図3の縦軸には各巻線の端子電圧の値を示したが、各巻線の端子電圧の差や、端子電圧の比をとっても、偏心率に対してほぼ直線的に変化する結果がえられ、偏心率を高精度に推定できるデータがえられる。このように、幾何学的に対称な位置にある2つの巻線を直列接続して一つの巻線群とし、この巻線群の両端に交流電圧を印加して、各巻線の端子電圧を測定してこれらの値を比較することにより、高精度な偏心率推定が容易にできる。なお、例えば図1の巻線2aと2cのように幾何学的に対称な位置でない2つの巻線を直列接続して同様の測定をしても、巻線2aと2cを結ぶ方向の偏心率が推定できるが、ティースの先端形状などの影響で図3の特性が非線形になるため、偏心率推定精度は少し低下する。
図3に示す巻線端子電圧の変化の大きさは、巻線数や巻線抵抗あるいは巻線の分布や巻線方法などに依存し、また固定子1と回転子4の空隙長やティース1a,1b,1c,1dの形状などにも依存する。しかしながら回転電機の形状や設計諸元が決まれば、測定条件が同じであれば、巻線端子電圧と偏心率の関係は同じである。従って、実験あるいは解析により図3の関係を求めておくことにより、回転電機の各巻線端子電圧測定値から偏心率が推定できる。例えば、偏心率を非常に大きくすると、各巻線端子電圧の変化は非線形となるが、図3のように各巻線の端子電圧と偏心率の関係を求めておけば、そのデータをもとに偏心率が推定できる。
(偏心率推定時の測定条件)
偏心率推定時の測定条件について、以下に詳しく記述する。図2の配線図において、交流電源8aと8bによる印加電圧は、異なる周波数の電圧としている。例えば交流電源8aにより巻線2a,2bに交流電圧が印加されると、ティース1a,1bを含む固定子1と回転子4を通る大きな磁束が発生する。この磁束は印加電圧の周波数で変動するため、その磁束変動により回転子4側に電流が流れ、回転子4側の電流により磁束が発生する。この回転子4側の電流による磁束は、交流電源8aの周波数と同じ周波数であり、巻線2a,2bを鎖交するだけではなく、巻線2c,2dも鎖交する。従って、巻線2a,2bに交流電圧を印加すると、巻線2c,2dの電圧も同じ周波数で少し変動する。また、巻線2a,2b,2c,2dで変動する電圧の大きさは、回転子4の偏心状態により変化する。巻線2c,2dには交流電源8bにより異なる周波数の交流電圧が印加されているため、巻線2c,2dの端子電圧は、交流電源8aによる周波数と交流電源8bによる周波数の両方の成分を含む。従って、交流電源8aと8bにより異なる周波数の交流電圧を同時に印加する場合、巻線2a,2bの端子電圧は交流電源8aの周波数成分を主として交流電源8bの周波数成分が少し重畳した波形となり、巻線2c,2dの端子電圧は交流電源8bの周波数成分を主として交流電源8aの周波数成分が少し重畳した波形となる。
(測定時間)
交流電圧の大きさを表す場合、例えば実効値などの値がよく用いられるが、測定時間によって電圧の実効値は変わる。従って、変動する電圧の周期を考慮して測定時間を決める必要がある。各巻線の端子電圧には交流電源8aの周波数成分と交流電源8bの周波数成分が含まれているため、これらの周波数の逆数の最小公倍数で求められる時間が一周期となる。従って、これを基本周期として、基本周期の時間あるいはその整数倍の時間だけ測定した各巻線端子電圧の実効値をとることにより、電圧の大きさを正しく測定することができる。なお、巻線端子電圧の測定には、ある程度の周期性を考慮して測定時間を決めれば、ほぼ問題ない測定ができる。例えば比較的近い周波数の電圧変動がある場合には、それらの周波数の差でうなりが生じるため、周波数の差を基本周期にとれば端子電圧の実効値はほぼ正しい値となる。あるいは波形の特徴を考慮して実効値がほぼ同じになるように測定時間を決めてもよい。また、ここでは電圧値として実効値を例にとり記述したが、その他の値でもよい。また、例えば整流回路で処理した値などを用いてもよい。
(電圧の周波数)
巻線の端子電圧は、ノイズとなる電圧変動の影響も受ける。顕著なノイズの周波数として、東日本では50Hz、西日本では60Hzがある(商用交流電源の周波数)。例えば交流電源8a,8bの周波数を50Hzあるいは60Hzと設定した場合でも、電源の能力や仕様などにより、電源から出力される電圧の周波数が僅かにずれている場合がある。例えば、電源から出力する電圧の周波数を60Hzと設定した場合でも、実際は60.01Hzとなると、60Hzのノイズと0.01Hzのずれが生じる。このとき、100秒を一周期として電圧が変動する。このようにノイズの影響で長時間の電圧変動を生じると、測定時間を長くとる必要が生じる。従って、この発明では交流電源8a,8bによる電圧の周波数は50Hzおよび60Hz以外の周波数としている。なお、回転電機製造時のタクトタイムなどにもよって偏心率検出に許容される時間が異なるため、実際は50Hzや60Hzから数Hz以内の周波数は避ける方が望ましい。また、ここでは50Hz,60Hzのノイズを例として記述したが、その他の周波数にノイズがある環境では、その周波数近傍は避ける方が望ましい。
(電源間で異なる電圧周波数を使用)
交流電源8aと8bの電圧の周波数を変えている理由について説明する。交流電源8aと8bにより交流電圧を印加した場合、巻線2a,2bには交流電源8aによる電圧に加えて交流電源8bの影響で発生する電圧が重畳され、また巻線2c,2dには交流電源8bによる電圧に加えて交流電源8aの影響で発生する電圧が重畳される。交流電源8aと8bの電圧の周波数が異なる場合は、各巻線の端子電圧は2つの周波数成分を含む波形となるが、前述のように周期性を考慮して測定時間を決めることにより、巻線端子電圧を正確に測定することができる。従って、交流電源8aと8bから異なる周波数の電圧を印加し、そのときの各巻線端子電圧を測定することにより、高速で高精度な偏心率推定が実現できる。
(電源間で電圧周波数が同じ場合)
交流電源8aと8bの電圧の周波数が一致している場合には、各巻線の端子電圧の周波数は変わらず、端子電圧の値が少し変わることになる。従って、図3に示すような各巻線端子電圧と偏心率の関係に多少の非線形性があらわれるなどの特性となるが、これらの関係を求めておけば、そのデータをもとに偏心率が推定できる。また、例えば交流電源8aで巻線2a,2bに電圧を印加する場合は交流電源8bをオフにしてX軸方向の偏心率を推定し、交流電源8bで巻線2c,2dに電圧を印加する場合は交流電源8aをオフにしてY軸方向の偏心率を推定する方法も考えられる。この場合は、図3のように巻線端子電圧は偏心率に対してほぼ直線的に変化するため、推定速度は遅くなるが、高精度な偏心率推定が可能である。
(巻線に印加する交流電圧の大きさ、周波数)
巻線に印加する交流電圧の大きさあるいは周波数について記述する。この発明の偏心率推定方法は、偏心により各巻線のインダクタンスが変化すること、また偏心により各巻線のインダクタンスが異なる値となることを利用している。従って、例えば磁気飽和が生じている状態では、巻線のインダクタンスの変化やインダクタンスの違いは少なくなり、偏心に対する巻線端子電圧の変化は小さくなる。図4は、一定の偏心量を与えた状態で、巻線端子電圧と電源電圧の関係を測定した結果である。図4の横軸は、図2における交流電源8aの電圧値であり、巻線2aと巻線2bからなる巻線群の両端に印加する電圧値である。また図4の縦軸は、巻線2aと巻線2bの端子電圧の差を交流電源8aの電圧値で割ったものである。交流電源の電圧値が大きくなるに従って、磁気飽和が生じている部分が多くなるため、各巻線端子電圧の差の割合が小さくなることがわかる。また、これらの関係は非線形となっている。従って、交流電源の電圧値を大きくして磁気飽和が生じると、偏心率推定精度が低下する可能性がある。磁気飽和が少しある場合でも図3のような特性はえられるため、偏心率推定は可能であるが、偏心に対する巻線端子電圧の変化が非線形になるため、磁気飽和はできるだけない方が望ましい。従って、回転電機の定格電圧値より大きい電圧を印加するのは避けるのが妥当であり、また交流電源8aと8bによる磁束が同相で加わる場合も考慮すると、定格電圧値の1/2以下の電圧値とすることが望ましい。例えば定格電圧が100V仕様の回転電機では、交流電源8a,8bによる電圧値は100Vより大きな値は避けるのが妥当であり、できれば50V以下とするのが望ましい。なお、交流電源の周波数についても同様の傾向であり、周波数が低くなると磁気飽和が生じやすくなる。従って、電圧値の他に、周波数や巻線数なども考慮して、磁気飽和が生じない条件の電圧を印加する必要がある。
(巻線数が大きく異なる場合の交流電圧)
回転電機の仕様によっては、巻線数が大きく異なる場合がある。このとき、偏心方向の巻線の端子電圧は偏心により変化するが、偏心方向とは異なる方向にある巻線の端子電圧も変化する場合がある。従って、巻線数が大きく異なる場合は、印加電圧による磁束が電圧値と巻線数にほぼ比例することを考慮して、巻線による磁束がほぼ同等になるように印加電圧を決め方がいいことがある。
回転子4の表面形状が真円でない場合や、回転子4の重心が回転軸6と一致していない場合は、動的な偏心状態となる。また、例えば誘導電動機の回転子のようにアルミダイキャストでつくられている場合などは、製造精度の影響で回転子4が電気的に不均一となる場合がある。このような場合、各巻線のインピーダンスは回転子4の角度によって変わるため、同様の方法で回転子4の動的な偏心状態が測定できる。また、静的な偏心率を推定する場合に、回転子の位置の影響を考慮するため、この発明では対象となる回転電機を外部動力で回転させながら偏心率を推定する。具体的には図13に示すように、対象となるこの発明による偏心率推定のための構造を有する回転電機Aと外部動力である駆動モータBの回転軸をカップリングEなどで連結し、駆動モータBで回転電機Aの回転子4を1回転以上回転させて、偏心率推定をおこなう。
(回転子を外部動力で回転させる場合の回転速度)
回転子4を外部動力で回転させる場合の回転速度について記述する。例えば図1の巻線2a,2bに電圧を印加した場合、回転子4側にも電流が流れる。回転子4を回転させない場合、ティース1aと対向する部分の電流による磁束は巻線2aの端子電圧に影響を与え、ティース1bと対向する部分の電流による磁束は巻線2bの端子電圧に影響を与える。ここで回転子4の回転速度が非常に速い場合を考えると、偏心側の回転子表面に流れた電流が、反偏心側の巻線の端子電圧に影響を与える可能性もある。このような現象を防ぐためには、交流電源8aから出力する電圧が変化する一周期の間に、回転子4は偏心側から反偏心側までの機械角度180°を回転してはならないことになる。例えば定格周波数が60Hz仕様の回転電機では、外部動力による回転子4の回転速度は、30rps以下とする必要がある。このように、外部動力による回転速度は、電源周波数の1/2以下とする必要がある。すなわち図13の駆動モータBの回転速度は、電源周波数の1/2以下に制御する。
(偏心率を推定しながら組立て可能なこの発明の回転電機の構造(図5))
この発明では、偏心率を高精度に推定しながら組み立てをおこない、偏心率が微小な状態とした回転電機を実現することを特徴としている。そのために、組み立ての途中でも偏心率が推定できる回転電機としており、その構造の一例を図5に示す。図において、固定子1はフレーム9に圧入している。また回転子4はシャフト10が圧入固定され、シャフト10は軸受11a,11bで回転可能に支持されている。軸受11aはフレーム9に設置固定され、他方の軸受11bはブラケット12に設置固定されている。ここで、ブラケット12と固定子1の間には偏心調整のための微小な隙間がある。また回転電機の組み立て途中で偏心率を測定するための、配線上に形成されたそれぞれ端子電圧検出用の端子である端子電圧検出部3(図6の3a〜hに相当)があり、これはブラケット12に開けられた小さな穴12aから外側に出ている。各端子電圧検出部3はカバー15を外した状態では外部に露出した状態となる。このような構造にすることで、端子電圧検出部3を用いて交流電圧を印加あるいは測定することにより、偏心率が推定できる。また、偏心率を推定しながらブラケット12の位置を変更して、偏心率が微小な状態に合わせ、フレーム9とブラケット12を固定することにより、偏心率が微小な状態の回転電機が実現できる。図5に示す回転電機はコンデンサモータであり、偏心率が微小な状態に固定した後で、コンデンサ13を設置し、結線のための端子板14を設置して、これらをカバー15で覆っている。
また、この回転電機が完成後の結線図を図6に示す。巻線2aと2bの直列回路と、巻線2cと2dとさらにコンデンサ13からなる直列回路とが並列接続された回路の両端に交流電源8cが接続されている。図2の偏心率推定時の結線図と比較して、巻線2aと2bの直列回路および巻線2cと2dの直列回路の配線はそのまま使用できる。回転電機使用時に不要な端子電圧検出部(例えば3b,3c,3f,3g)は特に取り除く必要はない。
このように、偏心率推定のために各巻線の端子電圧が測定できる端子電圧検出部があり、外部から端子電圧を測定できる構造で、また偏心率を調整して固定できる要素(ブラケット12と固定子1の間の偏心調整用の微小な隙間等および固定子1をブラケット12に位置決めして固定する固定手段(図示省略)等)があれば、この発明のような偏心率が微小な回転電機が実現できる。なお、偏心率調整後に固定手段としては、ねじなどを用いた固定や、レーザや溶接あるいは接着による固定など、さまざまな方法が考えられる。また、図5ではブラケットから針形状の端子電圧検出部3が出ている構造を示しているが、電圧測定のためのケーブルを直接外部に出す方法や、端子台を用いて電圧を測定する方法などもある。また、ブラケットに風穴があいている回転電機などは、そこから金属棒などを挿入して各巻線の端子電圧を測定できれば、この発明の適用が可能である。
回転電機の振動・騒音には、偏心の影響が非常に大きい。回転子4の回転軸6が固定子1の中心軸5からずれている場合には静的な偏心状態となる。このとき、ティースと回転子4の間の隙間の大きさ7a,7b,7c,7d(図1参照)は不均一になる。従って回転電機における磁気抵抗が不均一になるため、隙間部分での磁束密度が不均一になる。電磁力は磁束密度の2乗にほぼ比例するため、隙間の大きさが不均一の場合は電磁力の大きさも不均一になり、回転子4に対して半径方向の力が大きくはたらく。偏心率が大きくなると、この半径方向の力は増大する。また、回転方向のトルクリップルも偏心があると大きくなる。これらの力は、回転電機駆動時には多くの周波数で変動する加振力としてはたらくため、振動・騒音の大きな原因となる。従って、この発明により偏心を微小にすることにより、振動・騒音の非常に小さな回転電機が実現できる。なお、固定子1が歪んでいる場合などについても、偏心と同様に考えることができる。
また、回転子4の重心が回転軸6と異なる場合には動的な偏心状態となり、それが原因で振動・騒音が発生する。動的な偏心は、静的な偏心があるとさらに大きくなるため、この発明により静的な偏心率を微小にすることにより、動的な偏心も低減できる効果がある。また、動的な偏心には回転子の機械的なふれ回りによるものと、電気的な要因によるものがあるが、この発明ではそれらの両方の影響含めて測定することができるため、回転子の精度管理手法としても効果がある。
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2による回転電機の偏心推定方法を説明するための、各巻線の端子電圧測定値の周波数特性の一例を示している。図1の巻線2aと2bからなる巻線群に周波数f1の交流電圧を印加し、巻線2cと2dからなる巻線群に周波数f2の交流電圧を印加して、各巻線の端子電圧を測定する。図7の(a)から(d)が巻線2a〜2dの端子電圧をそれぞれ示している。巻線2a,2bには周波数f1の交流電圧を印加しているが、回転子4側の電流の影響や、巻線2c,2dによる磁束が干渉するなどの影響により、巻線端子電圧には周波数f1の他に周波数f2の成分もあらわれている。しかし、周波数f1の電圧値の方が周波数f2の電圧値より大きい。また巻線2c,2dには周波数f2の交流電圧を印加しているが、同様の理由により、巻線端子電圧には周波数f2の他に周波数f1の成分もあらわれている。しかし、周波数f2の電圧値の方が周波数f1の電圧値より大きい。なお、図7では省略しているが、実際にはノイズなどの成分もみられる。
(偏心(方向と偏心率)がある場合の周波数特性)
各巻線の端子電圧に関して、偏心がある場合の周波数特性について記述する。図7は、図1において回転子4がX方向に少し偏心した状態での巻線端子電圧測定結果を示している。巻線2aと巻線2bの端子電圧について、印加電圧の周波数f1成分について比較すると、偏心側にある巻線2aの端子電圧の方が反偏心側にある巻線2bの端子電圧と比べて大きい。また、巻線2cと巻線2dの端子電圧について、印加電圧の周波数f2成分について比較すると、Y方向には偏心していないので、巻線2cと巻線2dの端子電圧はほぼ同等となる。
以上のように、巻線2a,2bの端子電圧の周波数f1成分を比較することによりX方向の偏心率が推定でき、また巻線2c,2dの端子電圧の周波数f2成分を比較することによりY方向の偏心率が推定できる。また、端子電圧と偏心率の関係は、図3に示す関係と同じである。すなわち、各巻線の端子電圧を周波数分析して、印加電圧の周波数成分の大きさを比較することにより、その方向の偏心率が推定できる。なお、印加電圧の周波数成分を求めるためには、端子電圧測定後に周波数分析をしてもよいし、フィルタなどで印加電圧の周波数成分近傍を抜き出してもよい。
図7では印加電圧の周波数成分の電圧値が他の周波数成分の電圧値より大きい例を示しているが、巻線数が大きく異なる場合や、ノイズが非常に大きい場合などは、印加電圧の周波数成分以外の電圧値の方が大きい場合もある。このような場合でも、印加電圧の周波数成分の電圧値を比較することにより、その方向の偏心率が推定できる。
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3による回転電機の偏心推定方法を説明するための、偏心推定のための構造を有する回転電機の断面図を示している。固定子1は8個のティース1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k,1lをもつ構造であり、これらのティースは45°間隔に位置している。また、それぞれのティースのまわりには、巻線2e,2f,2g,2h,2i,2j,2k,2lが巻かれている。また、巻線2e,2f,2g,2hの端子電圧を検出するための端子電圧検出部3i,3j,3k,3l,3m,3n,3o,3pがある。
図9は図8の回転電機の配線図の一例を示している。幾何学的に対称な位置にある巻線2eと2fを直列接続して一つの巻線群とし、また巻線2gと2hを直列接続して一つの巻線群とし、これらの巻線群の両端に交流電源8dにより交流電圧を印加して、各巻線の端子電圧を巻線電圧検出部3i,3j,3k,3l,3m,3n,3o,3pで測定する。巻線2eと2fはX軸方向に配置されており、また巻線2gと2hはY軸方向に配置されているため、このような配線として、各巻線の端子電圧を測定することにより、X軸方向とY軸方向の偏心率が推定できる。
図9では、各巻線に印加される電圧の周波数は同じ周波数となり、回転電機は交流電源8dにより回転する。従って、外部動力を用いて回転子4を回す必要がなくなるため、偏心率推定が容易にできる。しかし、図3に示すような各巻線端子電圧と偏心率の関係には多少の非線形性があらわれるため、測定精度は少し低下する。しかしながら、測定条件が同じであれば、巻線端子電圧と偏心率の関係は同じになるので、実験あるいは解析により各巻線の端子電圧と偏心の関係を求めておくことにより、回転電機の各巻線端子電圧測定値から偏心率が推定できる。なお、図8および9ではX軸方向の巻線とY軸方向の巻線の端子電圧を測定する構成にしているが、他の巻線(例えば巻線2i,2j,2k,2l)の端子電圧を測定しても同様に偏心率が推定できる。
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4による回転電機の配線図を示している。回転電機の構成は図8と同様であり、90°間隔に位置するティース1e,1g,1f,1hまわりの巻線2e,2g,2f,2hを直列に接続し、ティース1i,1k,1j,1lまわりの巻線2i,2k,2j,2lを直列に接続している。このような配線としても、偏心がある場合には、固定子1と回転子4の隙間の大きさは不均一になり、巻線2e,2g,2f,2hのインピーダンスが異なるため、各巻線の端子電圧は異なる値となる。従って、各巻線の端子電圧と偏心の関係を別途求めておくことにより、各巻線端子電圧測定値をもとにした偏心率推定が可能となる。
実施の形態5.
図11はこの発明の実施の形態5による回転電機の偏心推定方法を説明するための、偏心推定のための構造を有する回転電機の断面図を示している。固定子1は9個のティース1m,1n,1o,1p,1q,1r,1s,1t,1uをもつ構造であり、これらのティースは40°間隔に位置している。また、それぞれのティースのまわりには、巻線2m,2n,2o,2p,2q,2r,2s,2t,2uが巻かれている。また、巻線2m,2n,2oについて、各巻線に外部から電圧を印加したり、端子電圧を測定するための端子電圧検出部3q,3r,3s,3t,3u,3vがある。
図12は図11の回転電機の配線図の一例を示している。この回転電機はU,V,Wの3相からなり、それぞれ3個の巻線が直列接続されている。また、例えばU相の3個の巻線2m,2n,2oは互いに120°間隔に位置している。これらの3個の巻線の端子電圧を測定することにより、各巻線のあるティースと回転子4の間の空隙長のばらつきがわかる。従って、2次元平面上での偏心状態がわかり、偏心率が推定できる。なお、これは3相の回転電機に限定されるものではない。
巻線の印加電圧と電流の関係は、巻線のインピーダンスによって変わる。従って、3個の巻線それぞれに電圧を印加して電流を測定することで、各巻線のあるティースと回転子4の間の空隙長が把握できる。従って、2次元平面内での偏心状態が推定できる。この方法であれば、位置関係がわかっている任意の3個以上の巻線について、電圧を印加して電流を測定することにより、偏心率が推定できる。この場合には、図3に示す巻線の端子電圧と偏心率の関係に対応する、巻線の電流と偏心率の関係を実験および解析で予め求めて記憶部102に設定情報として予め記憶させておく。なお、ブラシレスDCモータのように回転子に永久磁石をもつ回転電機では、回転時に誘導起電力がはたらくため、巻線に電圧を印加する必要はなく、偏心状態が容易に推定できる。
図14には、この発明の偏心推定のための構造を有する回転電機に対して偏心推定を行う偏心推定ユニットの一例の概略的な機能ブロック図を示す。偏心推定ユニット100は、複数の接続用クリップCを有し、これらを回転電機の所望の端子電圧検出部(3,3a〜3v)に接続して、所望の端子電圧検出部間に電圧を印加し(異なる端子電圧検出部間に異なる周波数の交流電圧を印加する場合もある)、その際の所望の端子電圧検出部間の電圧、すなわち巻線の端子電圧、または巻線に流れる巻線電流を測定して回転電機の特に偏心の方向と偏心率を測定、推定する。電源制御部103は、接続用クリップCに所望の電圧、所望の周波数の電圧を印加する。偏心率推定制御部101は、端子電圧検出部に接続された接続用クリップCから得られる電圧から巻線の端子電圧あるいは巻線に流れる電流を検出し、記憶部102に予め記憶された設定情報、に基づいて上述した手順に従って、偏心の方向や偏心率等を演算する。
記憶部102には、上述した図3に示した実験および解析で求めた巻線端子電圧と偏心率の関係等を設定情報として予め記憶させておく。入出力表示部104は、回転電機に与える電圧の電圧値や周波数値、測定時間、等の偏心率推定のための各種設定条件のファクタを入力設定したり、演算された偏心率の推定結果を出力、表示する部分である。予め設定可能な設定条件は入出力表示部104から予め入力して記憶部102に記憶させておき、電源制御部103や偏心率推定制御部101が記憶部102から読み出して制御を行うようにしてもよい。偏心推定ユニット100の各部の制御部分はコンピュータにより構成されている。偏心推定ユニット100が回転子4を外部動力である駆動モータで回転させながら偏心率推定を行う場合には、偏心率推定制御部101が駆動モータの回転速度制御も行うようにしてもよく、その場合、制御線Dから駆動モータへ回転速度制御信号を送る。
さらに上記各実施の形態では、円柱形状の回転子の外側の周囲に間を空けて、巻線が巻かれ内側を向いた複数のディースが内側の周方向に沿って複数設けられた固定子を備えた構造の回転電機の場合について説明したが、回転子と固定子の位置が逆になり、巻線が巻かれ外側を向いた複数のディースが外側の周方向に沿って複数設けられた固定子の周りに隙間を空けて、円筒形状の回転子が設けられた構造の回転電機についても同様に実施可能であり、同様な効果を奏する。
またこの発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、上記各実施の形態の可能な組み合わせを全て含むことは云うまでもない。
1 固定子、1a〜1u ティース、2a〜2u 巻線、3a〜3v 端子電圧検出部、4 回転子、5 中心軸、6 回転軸、7a〜7d 隙間、8a〜8d 交流電源、9 フレーム、10 シャフト、11a,11b 軸受、12 ブラケット、12a 穴、13 コンデンサ、14 端子板、15 カバー、100 偏心推定ユニット、101 偏心率推定制御部、102 記憶部、103 電源制御部、104 入出力表示部、A 回転電機、B 駆動モータ、C 接続用クリップ、D 制御線、E カップリング。

Claims (15)

  1. 回転子と周方向に沿って複数の巻線を設けた固定子を備えた回転電機の、前記固定子の少なくとも3つ以上の巻線に電圧を印加した時の各巻線の端子電圧または巻線電流を測定して回転電機の偏心を推定することを特徴とする回転電機の偏心推定方法。
  2. 回転子の回転軸に平行な固定子の中心軸に対して対称な位置にある2つの巻線を直列接続した巻線群と、固定子の前記中心軸の周りの前記巻線群とは異なる角度において固定子の前記中心軸に対して対称な位置にある2つの巻線を直列接続した別の巻線群に、巻線群の両端にそれぞれ異なる周波数の交流電圧を同時に印加し各巻線の端子電圧を測定し偏心の大きさと方向を推定することを特徴とする請求項1に記載の回転電機の偏心推定方法。
  3. 回転子の回転軸に平行な固定子の中心軸の周りに位置する多相の回転電機の1つの相の3つ以上の巻線を直列接続した巻線群の両端に、電圧を印加して各巻線の端子電圧を測定することで回転電機の偏心を推定することを特徴とする請求項1に記載の回転電機の偏心推定方法。
  4. 回転子の回転軸に平行な固定子の中心軸の周りの位置が既知の3つ以上の巻線の各巻線両端に電圧を印加して各巻線の巻線電流を測定することで回転電機の偏心を推定することを特徴とする請求項1に記載の回転電機の偏心推定方法。
  5. 回転子の回転軸に平行な固定子の中心軸に対して対称な位置にある2つの巻線を直列接続した巻線群と、固定子の前記中心軸の周りの異なる角度において固定子の前記中心軸に対して対称な位置にある2つの巻線を直列接続した別の巻線群とを互いに並列接続した両端に交流電圧を印加して各巻線の端子電圧を測定し、
    測定した端子電圧から、予め求めておいた、巻線端子電圧と、回転子と固定子間の偏心が無い時の隙間量に対する隙間量の割合を示す偏心率と、の関係を示す情報に基づき偏心率を推定することを特徴とする請求項1に記載の回転電機の偏心推定方法。
  6. 巻線群に印加する交流電圧の周波数は商用交流電源の周波数以外の周波数とすることを特徴とする請求項2に記載の回転電機の偏心推定方法。
  7. 巻線群に印加する交流電圧の大きさおよび周波数を、回転電機に磁気飽和が生じない条件で与えることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の回転電機の偏心推定方法。
  8. 推定された偏心に基づき回転子と固定子の位置関係を偏心を減少させるように修正することを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の回転電機の偏心推定方法。
  9. 異なる周波数の交流電圧の逆数の最小公倍数で求められる基本周期の時間またはその整数倍の時間だけ測定した電圧の実効値を端子電圧とすることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の回転電機の偏心推定方法。
  10. 偏心推定対象となる回転電機の回転子を外部動力で回転させながら測定することを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の回転電機の偏心推定方法。
  11. 外部動力による回転子の回転速度を電源周波数の1/2以下とすることを特徴とする請求項10に記載の回転電機の偏心推定方法。
  12. 回転子および周方向に沿って複数の巻線を設けた固定子を設け、所定の巻線の両端に測定端子を有する回転電機と、
    前記回転電機の測定端子に電圧を印加した時の端子電圧または巻線電流を測定して回転電機の偏心を推定する偏心推定ユニットと、
    を備えたことを特徴とする回転電機の偏心推定システム。
  13. 回転電機が、回転子の回転軸に平行な固定子の中心軸に対して対称な位置にある直列接続された2つの巻線からなる巻線群と、固定子の前記中心軸の周りの前記巻線群とは異なる角度において固定子の前記中心軸に対して対称な位置にある直列接続された2つの巻線からなる別の巻線群を含み、
    偏心推定ユニットが、巻線群の両端にそれぞれ異なる周波数の交流電圧を同時に印加し各巻線の端子電圧を測定し偏心の大きさと方向を推定することを特徴とする請求項12に記載の回転電機の偏心推定システム。
  14. 回転電機が、多相の回転電機で、回転子の回転軸に平行な固定子の中心軸の周りに所定の同一角度間隔に位置する多相のうちの1つの相の3つ以上の巻線が直列接続された巻線群を含み、
    偏心推定ユニットが、前記巻線群の両端に電圧を印加して各巻線の端子電圧を測定することで回転電機の偏心を推定することを特徴とする請求項12に記載の回転電機の偏心推定システム。
  15. 偏心推定ユニットが、回転子の回転軸に平行な固定子の中心軸の周りの位置が既知の3つ以上の巻線の各巻線両端に電圧を印加して各巻線の巻線電流を測定することで回転電機の偏心を推定することを特徴とする請求項12に記載の回転電機の偏心推定システム。
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