JP2013044679A - レゾルバ、回転センサ、及び回転角検出装置 - Google Patents

レゾルバ、回転センサ、及び回転角検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】信号線の短絡異常をより的確に検出することのできるレゾルバ、回転センサ、及び回転角検出装置を提供する。
【解決手段】レゾルバ2は、ロータ20の周方向R1に離間して配置される3つのレゾルバコイル23〜25と、レゾルバコイル23〜25に電圧を誘起させるべく通電に基づき磁界を生成する励磁コイル22とを有している。そして、ロータ20の回転に伴って励磁コイル22から3つのレゾルバコイル23〜25に付与される磁界が変化したときにレゾルバコイル23〜25に誘起される電圧が変化することで、ロータの回転角θに対して振幅が正弦波状に変化する3相の信号Va〜Vcを出力する。ここでは、励磁コイル22とレゾルバコイル23〜25との間のそれぞれの変圧比を全て異なる値に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロータの回転角に応じた3相の信号を出力するレゾルバ、回転センサ、及びこれらを用いた回転角検出装置に関する。
従来、車両のパワーステアリング装置では、ステアリングシャフトや電動モータに回転角検出装置が設けられている。図9に、ステアリングシャフトなどの回転軸の回転角を検出する回転角検出装置の一例を示す。
図9に示すように、この回転角検出装置は、回転軸1の回転角に応じた3相の電圧信号Va〜Vcを出力するレゾルバ2と、レゾルバ2の出力信号Va〜Vcに基づき回転軸1の回転角を検出する制御部3とを備えている。なおここでは、レゾルバ2の軸倍角が「1X」に設定されている場合について例示している。
レゾルバ2は、回転軸1と一体となって回転する磁性体からなるロータ20と、励磁コイル22及び第1〜第3のレゾルバコイル23〜25を有してロータ20と所定の間隙を隔てて配置されるステータ21とによって構成されている。第1〜第3のレゾルバコイル23〜25は、ロータ20の回転中心Oを中心としてその周方向(図中の矢印R1で示す方向)に電気角の位相で120°の間隔を隔ててそれぞれ配置されている。レゾルバコイル23〜25は、それぞれの一端同士が電気的に接続されるとともに、それぞれの他端が信号線23a〜25aを介して出力端子Ta〜Tcに電気的にそれぞれ接続されている。また、励磁コイル22は、回転角検出装置に設けられた発振回路4からの交流電圧の供給に基づき交番磁界を生成する。そして、このレゾルバ2では、励磁コイル22にて生成される交番磁界がロータ20を介して第1〜第3のレゾルバコイル23〜25に付与されることで、電磁誘導作用により第1〜第3のレゾルバコイル23〜25にロータ20の回転角(電気角)θeに応じた以下の(a1)〜(a3)に示す電圧が誘起される。なおここでは、発振回路4から励磁コイル22に交流電圧Vr(=E×sin(ωt))が印加されているとしている(但し、「E」は振幅、「ω」は角周波数、「t」は時刻)。また、「K」は、励磁コイル22とレゾルバコイル23〜25との間の変圧比を示す。
(a1)第1のレゾルバコイル23には、電圧Va(=K×E×sin(θe)×sin(ωt))が誘起される。
(a2)第2のレゾルバコイル24には、電圧Vb(=K×E×sin(θe+120°)×sin(ωt))が誘起される。
(a3)第3のレゾルバコイル25には、電圧Vc(=K×E×sin(θe+240°)×sin(ωt))が誘起される。
そして、これら第1〜第3のレゾルバコイル23〜25に誘起される電圧Va〜Vcがレゾルバ2の出力端子Ta〜Tcからそれぞれ出力されて制御部3に取り込まれる。
制御部3は、レゾルバ2の出力信号Va〜Vcからそれらの振幅成分を抽出する信号処理を実行する。これにより、制御部3は、出力信号Vaからその振幅値Sa(=K×Esin(θe))を取得する。また、出力信号Vbからその振幅値Sb(=K×E×sin(θe+120°))を取得する。さらに、出力信号Vcからその振幅値Sc(=K×E×sin(θe+240°))を取得する。図10は、出力信号振幅値Sa〜Scとロータ20の機械角θとの関係を、それぞれ縦軸及び横軸にとって示したグラフである。なお、図10では、レゾルバ2の軸倍角が「4X」、励磁コイル22に印加される交流電圧Vrのピーク間の電位差Vpp(=2×E)が「4[V]」、変圧比Kが「0.2」に設定されている場合について例示している。そして、制御部3は、図10に例示するように変化する出力信号振幅値Sa〜Scから以下に示す式(1)〜(3)を用いてロータ20の電気角θeを3通りの方法で演算する。ここでは、式(1)〜(3)のそれぞれの式から算出される電気角をθe1〜θe3としている。なお、式(1)〜式(3)は、出力信号振幅値Sa〜Scを正弦値及び余弦値の関係にそれぞれ変換し、それらの逆正接値からロータ20の電気角を演算する式となっている。
θe1=tan−1((√3×Sa)/(−2×Sb−Sa))・・・(1)
θe2=tan−1((√3×Sb)/(−2×Sc−Sb))−120°・・・(2)
θe3=tan−1((√3×Sc)/(−2×Sa−Sc))−240°・・・(3)
なお、図11は、式(1)〜式(3)により演算されるロータ20の電気角θe1〜θe3とロータ20の機械角θとの関係を、それぞれ縦軸及び横軸にとって示したグラフである。正常時、電気角θe1〜θe3は全て同じ値で推移する。制御部3は、このようにしてロータ20の電気角θe1〜θe3、換言すれば回転軸1の電気角を検出する。
ところで、こうした回転角検出装置では、第1〜第3のレゾルバコイル23〜25の配線系に断線や天絡、地絡などの異常が生じると、レゾルバ2の出力信号Va〜Vcが異常値を示すため、ロータ20の電気角θe1〜θe3を適切に検出することができなくなるおそれがある。このため、第1〜第3のレゾルバコイル23〜25の配線系に断線などの異常が生じた場合には、これを的確に検出することが要求される。
そこで、従来の回転角検出装置では、例えば特許文献1に見られるように、上記出力信号振幅値Sa〜Scの二乗和に基づいて異常を検出するようにしている。具体的には、出力信号振幅値Sa〜Scの二乗和Sは以下の式(4)に示すように求められる。
S=Va+Vb+Vc
=(K×Vpp/2)×((sin(θe))+(sin(θe+120°))+(sin(θe+240°)))・・・(4)
ここで、sin(θe)、sin(θe+120°)、及びsin(θe+240°)の間には以下の式(5)の関係が成り立つ。
(sin(θe))+(sin(θe+120°))+(sin(θe+240°))=1.5・・・(5)
したがって、二乗和Sは以下の式(6)に示す固定値となる。
S=1.5×(K×Vpp/2)・・・(6)
このため、例えば励磁コイル22に印加される交流電圧Vrのピーク間の電位差Vppが「4[V]」、変圧比Kが「0.2」にそれぞれ設定されている場合、二乗和Sは「0.24」となる。
なお、式(6)は理想式であり、実際には検出誤差や演算誤差などに起因して二乗和Sの値にばらつきが発生する。このため、制御部3は、二乗和Sに対して、理論値「0.24」よりも大きい上限閾値と、理論値「0.24」よりも小さい下限閾値とを設定している。そして、二乗和Sが上限閾値以上になった場合、あるいは下限閾値以下になった場合には、レゾルバコイルの配線系に断線などの異常が発生したと判定する。これにより、レゾルバ2の出力信号Va〜Vcの二乗和Sと閾値とを比較するだけで断線などの異常を検出することができるため、異常検出が容易となる。
特開2006−138778号公報
ところで、レゾルバコイル23〜25の配線系に発生する異常としては、上述した断線や地絡などの他、例えばレゾルバコイル23〜25に対応する信号線23a〜25aの短絡がある。そして、信号線23a〜25aが短絡した場合、これを出力信号振幅値Sa〜Scの二乗和Sに基づいて検出することは困難である。以下、その詳細を説明する。はじめに、図9、図12、及び図13を参照して、信号線23a〜25aが短絡したときに制御部3を通じて検出されるロータ20の電気角について説明する。
図9に二点差線で示すように、例えば第1のレゾルバコイル23に対応する信号線23aと第2のレゾルバコイル24に対応する信号線24aとが短絡したとする。この場合、レゾルバ2の出力端子Ta,Tbからそれぞれ出力される信号Va,Vbは、第1及び第2のレゾルバコイル23,24にそれぞれ誘起される電圧の平均値となる。これにより、制御部3により検出される出力信号振幅値Sa,Sbの波形は、先の図10に例示した形から図12に示す形に変化する。このとき、制御部3により上記式(1)〜式(3)を用いて演算されるロータ20の電気角θe1〜θe3は図13に示すようになる。すなわち、演算電気角θe1〜θe3は、「30°」及び「210°」のいずれかの値となって、実際のロータ20の電気角と大きく異なる値となる。図14(a)は、先の図11に例示した正常時の演算電気角θe1から図13に例示した信号線短絡異常時の演算電気角θe1を減算した電気角誤差Δθdと、ロータの機械角θとの関係を、それぞれ縦軸及び横軸にとって示したグラフである。図14(a)に示すように、信号線の短絡異常時に演算されるロータ20の電気角と実際のロータ20の電気角との間には、「−90°」から「90°」の範囲といった大きな誤差が生じることとなる。
一方、出力信号振幅値Sa〜Scが先の図12に示すように推移する場合、それらの二乗和Sは、図14(b)に示すように、ロータ20の機械角θに対して正弦波状に推移する。ここで、二乗和Sの理論値「0.24」に対して、その下限閾値Sminが「0.1176(=0.24×0.7)」に、また上限閾値が「0.4056(=0.24×1.3)」に設定されているとする。なお、図14(b)では、便宜上、上限閾値の図示を割愛する。この場合、制御部3は、図14(c)に示すように、二乗和Sが下限閾値Smin以下の値であるときに異常を検出することができるのに対し、二乗和Sが下限閾値Sminよりも大きい値であるときには異常を検出することができない。そして、制御部3は、二乗和Sが下限閾値Smin以下となるロータ20の回転角範囲A1〜A9においてロータ20の電気角θe1〜θe3を演算すると、これを正常な電気角として検出してしまう。したがって、制御部3により誤検出されるロータ20の電気角と実際のロータ20の電気角との誤差は、図14(d)に示すようになる。そして、例えばパワーステアリング装置において、こうした誤差の大きい電気角に基づいて電動モータの駆動が制御されると、電動モータの挙動が大きく変化するなどの不都合が生じるおそれがある。
なお、このような課題は、レゾルバに限らず、ロータの周方向に離間して配置される3つの磁気検出部からロータの回転角に応じた3相の信号が出力される回転センサにおいても共通する課題である。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、信号線の短絡異常をより的確に検出することのできるレゾルバ、回転センサ、及び回転角検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ロータの周方向に離間して配置される3つのレゾルバコイルと、同3つのレゾルバコイルに電圧を誘起させるべく通電に基づき磁界を生成する励磁コイルとを有して、前記ロータの回転に伴い前記励磁コイルから前記3つのレゾルバコイルに付与される磁界が変化したときに前記3つのレゾルバコイルに誘起される電圧が変化することにより、前記ロータの回転角に対して振幅が正弦波状に変化する3相の信号を出力するレゾルバにおいて、前記励磁コイルと前記3つのコイルとの間のそれぞれの変圧比を全て異なる値に設定したことを要旨とする。
この発明にあたって、発明者は種々の実験等を通じて次のことを新たに見いだした。すなわち、上記構成によれば、3つのレゾルバコイルに対応する3つの信号線のうちのいずれか2つの信号線が短絡したときに、レゾルバの3相の出力信号から演算可能な3つのロータ電気角が互いに異なる値を示しやすくなる。このため、例えば第1〜第3の演算電気角のうちのいずれか2つの差分値を求めるなどすれば、求められた差分値に基づいて信号線の短絡異常をより的確に検出することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、ロータの周方向に離間して配置される3つの磁気検出部と、これら3つの磁気検出部に付与する磁界を生成する磁界生成部とを有して、前記ロータの回転に伴い前記磁界生成部から前記3つの磁気検出部に付与される磁界が変化することで前記ロータの回転角に対して正弦波状に変化する3相の信号を出力する回転センサにおいて、前記3相の信号のそれぞれの最大出力レベルを全て異なるレベルに設定したことを要旨とする。
同構成によれば、3つの磁気検出部に対応する3つの信号線のうちのいずれか2つの信号線が短絡したときに、回転センサの3相の出力信号から演算可能な3つのロータ電気角が互いに異なる値を示しやすくなる。このため、例えば第1〜第3の演算電気角のうちのいずれか2つの差分値を求めるなどすれば、求められた差分値に基づいて信号線の短絡異常をより的確に検出することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、回転センサから出力される3相の信号に基づいてロータの電気角を検出する回転角検出装置において、前記回転センサとして請求項1に記載のレゾルバ、あるいは請求項2に記載の回転センサを用いるとともに、前記回転センサから出力される3相の信号から演算可能な3つのロータ電気角を第1〜第3の演算電気角とするとき、これら第1〜第3の演算電気角のうちのいずれか2つの差分値に基づき前記回転センサの異常を検出する制御手段とを備えることを要旨とする。
同構成によれば、差分値を演算するだけで、レゾルバあるいは回転センサの信号線の短絡異常を検出することができるため、制御手段の演算負担を軽減することができるようになる。
本発明にかかるレゾルバ、回転センサ、及び回転角検出装置によれば、信号線の短絡異常をより的確に検出することができるようになる。
本発明にかかる回転角検出装置の一実施形態についてその構成を模式的に示すブロック図。 同実施形態の回転角検出装置により演算されるレゾルバ出力信号振幅値とロータの機械角との関係を示すグラフ。 同実施形態の回転角検出装置により演算される3つのロータ電気角とロータの機械角との関係を示すグラフ。 レゾルバの信号線の短絡時に同実施形態の回転角検出装置により演算されるレゾルバ出力信号振幅値とロータの機械角との関係を示すグラフ。 レゾルバの信号線の短絡時に同実施形態の回転角検出装置により演算される3つのロータ電気角とロータの機械角との関係を示すグラフ。 (a)〜(d)は、同実施形態の回転角検出装置の動作例を示すタイミングチャート。 本発明にかかる回転センサを利用した回転角検出装置についてその構成を模式的に示すブロック図。 同回転センサから出力される3相の信号とロータの機械角との関係を示すグラフ。 従来の回転角検出装置についてその構成を模式的に示すブロック図。 同従来の回転角検出装置により演算されるレゾルバ出力信号振幅値とロータの機械角との関係を示すグラフ。 同従来の回転角検出装置により演算される3つのロータ電気角とロータの機械角との関係を示すグラフ。 レゾルバの信号線の短絡時に同従来の回転角検出装置により演算されるレゾルバ出力信号振幅値とロータの機械角との関係を示すグラフ。 レゾルバの信号線の短絡時に同従来の回転角検出装置により演算される3つのロータ電気角とロータの機械角との関係を示すグラフ。 (a)〜(d)は、同従来の回転角検出装置の動作例を示すタイミングチャート。
以下、本発明にかかる回転角検出装置の一実施形態について図1〜図6を参照して説明する。なお、本実施形態にかかる回転角検出装置は、例えば車両のステアリングシャフトなどの回転軸の回転角を検出するものである。はじめに、図1を参照して、本実施形態の回転角検出装置の概略構成について説明する。なお、図1に示す回転角検出装置も、回転軸1の回転角を検出するための構成は、先の図9に例示した回転角検出装置と基本的に同様である。すなわち、この回転角検出装置も、回転軸1の回転角に応じてレゾルバ2から出力される3相の出力信号Va〜Vcに基づいてロータ20の回転角を検出する装置であり、その動作も基本的には先の図9を参照して説明した通りである。なおここでも、レゾルバ2の軸倍角が「1X」に設定されている場合について例示している。また、図1において先の図9に示した要素と同一の機能を有する要素には各々同一の符号を付しており、それらの要素についての重複する説明は割愛する。
図1に示すように、本実施形態では、励磁コイル22とレゾルバコイル23〜25との間のそれぞれの変圧比Ka〜Kcが全て異なる値に設定されている。具体的には、励磁コイル22と第1のレゾルバコイル23との間の変圧比Kaが「0.4」、励磁コイル22と第2のレゾルバコイル24との間の変圧比Kbが「0.06」、励磁コイル22と第3のレゾルバコイル25との間の変圧比Kcが「0.24」に設定されている。
そして、レゾルバ2では、励磁コイル22において生成される交番磁束がロータ20を介して第1〜第3のレゾルバコイル23〜25に付与されることで、電磁誘導作用により第1〜第3のレゾルバコイル23〜25にロータ20の電気角θe及び変圧比Ka〜Kcに応じた以下の(b1)〜(b3)に示す電圧がそれぞれ誘起される。なおここでは、発振回路4から励磁コイル22に交流電圧Vr(=E×sin(ωt))が印加されているとしている(但し、「E」は振幅、「ω」は角周波数、「t」は時刻)。
(b1)第1のレゾルバコイル23には、電圧Va(=Ka×E×sin(θe)×sin(ωt))が誘起される。
(b2)第2のレゾルバコイル24には、電圧Vb(=Kb×E×sin(θe+120°)×sin(ωt))が誘起される。
(b3)第3のレゾルバコイル25には、電圧Vc(=Kc×E×sin(θe+240°)×sin(ωt))が誘起される。
一方、制御部(制御手段)3は、レゾルバ2の出力信号Va〜Vcからそれらの振幅成分を抽出する信号処理を行う。これにより、制御部3は、出力信号Vaからその振幅値Sa(=Ka×E×sin(θe))を取得する。また、出力信号Vbからその振幅値Sb(=Kb×E×sin(θe+120°))を取得する。さらに、出力信号Vcからその振幅値Sc(=Kc×E×sin(θe+240°))を取得する。図2は、出力信号振幅値Sa〜Scとロータ20の機械角θとの関係を、それぞれ縦軸及び横軸にとって示したグラフである。なお、図2では、レゾルバ2の軸倍角が「4X」、励磁コイル22に印加される交流電圧Vrのピーク間の電位差Vpp(=2×E)が「4[V]」に設定されている場合について例示している。そして、制御部3は、図2に例示するように変化する出力信号振幅値Sa〜Scから以下の式(7)〜(9)を用いてロータ20の電気角θeを3通りの方法で演算する。ここでは、式(7)〜(9)のそれぞれの式から算出される電気角をθe1〜θe3としている。なお、式(7)〜式(9)は、出力信号振幅値Sa〜Scを正弦値及び余弦値の関係にそれぞれ変換し、それらの逆正接値からロータ20の電気角を求める式となっている。
θe1=tan−1((√3×Sa×(Ka/Ka))/(−2×Sb×(Ka/Kb)−Sa×(Ka/Ka)))・・・(7)
θe2=tan−1((√3×Sb×(Ka/Kb))/(−2×Sc×(Ka/Kc)−Sb×(Ka/Kb)))−120°・・・(8)
θe3=tan−1((√3×Sc×(Ka/Kc))/(−2×Sa×(Ka/Ka)−Sc×(Ka/Kc)))−240°・・・(9)
図3は、式(7)〜式(9)により演算されるロータ20の電気角θe1〜θe3とロータ20の機械角θとの関係を、それぞれ縦軸及び横軸にとって示したグラフである。このように、本実施形態の回転角検出装置でも、先の図9に例示した回転角検出装置と同様に、正常時の演算電気角θe1〜θe3は全て同じ値で推移する。
一方、レゾルバコイル23〜25の変圧比Ka〜Kcを先の図1に示すように設定することにより、第1〜第3のレゾルバコイル23〜25に対応する信号線23a〜25aのうちのいずれか2つの信号線が短絡したときに、演算電気角θe1〜θe3が互いに異なる値を示しやすくなることが発明者によって確認されている。以下、発明者によって確認された内容を図4及び図5を参照して説明する。
図1に二点鎖線で示すように、例えば第1のレゾルバコイル23に対応する信号線23aと第2のレゾルバコイル24に対応する信号線24aとが短絡したとする。この場合、出力信号振幅値Sa,Sbの波形は先の図2に例示した形から図4に示す形へとそれぞれ変化する。このとき、制御部3により上記式(7)〜式(9)に基づき演算される電気角θe1〜θe3は図5に示すようになる。なお、図中の実線は演算電気角θe1、一点鎖線は演算電気角θe2、二点鎖線は演算電気角θe3、破線は演算電気角θe1〜θe3の平均値θeaを示す。同図5と先の図3を比較して明らかなように、信号線23aと信号線24aとが短絡すると、演算電気角θe1〜θe3が互いに異なる値となる。
そこで、本実施形態では、演算電気角θe1〜θe3のうちのいずれか2つの差分値に基づいてレゾルバ2の信号線の短絡異常を検出することとしている。具体的には、制御部3は、以下の(c1)〜(c3)に示す電気角差分値Δθe1〜Δθe3の絶対値|Δθe1|〜|Δθe3|をそれぞれ演算する。
(c1)演算電気角θe1,θe2の差分値Δθe1(=θe1−θe2)の絶対値|Δθe1|。
(c2)演算電気角θe2,θe3の差分値Δθe2(=θe2−θe3)の絶対値|Δθe2|。
(c3)演算電気角θe3,θe1の差分値Δθe3(=θe3−θe1)の絶対値|Δθe3|。
また、制御部3は、演算された絶対値|Δθe1|〜|Δθe3|のいずれかが予め定められた異常判定閾値θth(>0)よりも大きい場合には、レゾルバ2の信号線の短絡異常が発生していると判定する。
次に、図6を参照して、制御部3によりレゾルバ2の信号線の短絡異常が検出される様子について説明する。なおここでは、異常判定閾値θthが「5°」に設定されている場合について例示している。
例えば、レゾルバ2の信号線の短絡異常により演算電気角θe1〜θe3が先の図5に示すように推移するようになったとする。このとき、制御部3により演算される電気角差分値Δθe1〜Δθe3は、ロータ20の機械角θに対して図6(a)に示すように推移する。なお、図中の実線は電気角差分値Δθe1、一点鎖線は電気角差分値Δθe2、二点鎖線は電気角差分値Δθe3を示す。制御部3は、電気角差分値Δθe1〜Δθe3のいずれかが「5°」よりも大きいとき、あるいは電気角差分値Δθe1〜Δθe3のいずれかが「−5°」よりも小さいときにレゾルバ2の信号線の短絡異常を検出する。これにより、図6(b)に示すように、ロータ20の回転角θが角度範囲B1〜B9であるときにレゾルバ2の信号線の短絡異常が検出されるため、制御部3による異常検出がより的確に行われるようになる。
また、図6(c)は、先の図3に示した正常時の演算電気角θe1から先の図5に例示した異常時の演算電気角θe1〜θe3の平均値θeaを減算することにより求められる電気角誤差Δθdの推移を示したものである。ここで、制御部3は、ロータ20の回転角が角度範囲B1〜B8であるときにはレゾルバ2の信号線の短絡異常を検出することができるため、実際に誤差を含む電気角が誤検出されるのは、ロータ20の回転角θが、角度範囲B1〜B8以外であるとき、すなわち図中の角度範囲C1〜C8であるときである。したがって、制御部3によって誤検出されるロータ20の電気角と実際のロータ20の電気角との誤差は、図6(d)に示すようになる。この図6(d)と先の図14(d)とを比較して明らかなように、本実施形態にかかる回転角検出装置によれば、制御部3により誤検出されるロータ20の電気角と実際の電気角との誤差を小さくすることができる。これは、回転角検出装置を通じて検出されるロータ20の電気角に基づいて電動モータの駆動を制御する装置、例えば車両のパワーステアリング装置などにおいて有効となる。すなわち、仮にレゾルバ2に信号線の短絡異常が発生したとしても、回転角検出装置を通じて誤検出されるロータ20の電気角の誤差が小さいため、電動モータの挙動が大きく変化するような事態を未然に回避することができる。
なお、例えば第2のレゾルバコイル24に対応する信号線24aと第3のレゾルバコイル25に対応する信号線25aとが短絡した場合や、第3のレゾルバコイル25に対応する信号線25aと第1のレゾルバコイル23に対応する信号線23aとが短絡した場合にも、同様に制御部3により異常を検出可能であることは言うまでもない。
以上説明したように、本実施形態にかかるレゾルバ及び回転角検出装置によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)第1〜第3のレゾルバコイル23〜25の変圧比Ka〜Kcを全て異なる値に設定することとした。これにより、信号線23a〜25aのうちのいずれか2つの信号線が短絡したときに、その異常をより的確に検出することができるようになる。
(2)上記式(7)〜(9)により演算されるロータ20の電気角θe1〜θe3のうちのいずれか2つの差分をとることにより求められる電気角差分値Δθe1〜Δθe3に基づいてレゾルバ2の信号線の短絡異常を検出することとした。これにより、差分値を演算するだけでレゾルバ2の信号線の短絡異常を検出することができるため、制御部3の演算負担を軽減することができるようになる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、演算電気角θe1〜θe3のうちのいずれか2つの差分をとることにより求められる電気角差分値Δθe1〜Δθe3に基づいてレゾルバ2の信号線の短絡異常を検出することとした。これに代えて、例えば演算電気角θe1〜θe3の平均値θeaと、演算電気角θe1〜θe3との差分値に基づいてレゾルバ2の信号線の短絡異常を検出することも可能である。要は、演算電気角θe1〜θe3が先の図5に示すように変化していることを検知したときに異常を検出するものであればよい。
・第1〜第3のレゾルバコイル23〜25の変圧比Ka〜Kcは、全て異なる値であれば、適宜変更可能である。
・本発明は、ホール素子や磁気抵抗素子などの磁気検出部を利用してロータの回転を検出する回転センサにも適用可能である。図7に、こうした回転センサの一例を示す。図7に示すように、この回転センサ5は、永久磁石からなるロータ50と、ロータ50の周方向R1に離間して配置される3つの磁気検出部51〜53とを備えている。なおここでは、ロータ50が磁界生成部となっている。そして、ロータ50の回転に伴ってロータ50から磁気検出部51〜53に付与される磁界が変化すると、磁気検出部51〜53からロータの回転角(電気角)θに対して正弦波状に変化する信号がそれぞれ出力される。また、磁気検出部51〜53の出力は、信号線51a〜53a及び端子Ta〜Tcを介して制御部3に取り込まれる。こうした回転センサ5では、例えば磁気検出部51〜53の最大出力レベルを調整するなどして、回転センサ5から出力される3相の出力信号Vd〜Vfの最大出力レベルを全て異なるレベルに設定すれば、回転センサ5の出力信号Vd〜Vfを図8に示すように推移させることができる。すなわち、回転センサ5の出力信号Vd〜Veを、ロータ50の機械角θに対して先の図2に例示した出力信号振幅値Sa〜Scと同様の態様で推移させることができる。これにより、制御部3では、上記実施形態に準じた異常検出方法を用いることにより、出力信号Vd〜Veから回転センサ5の信号線の短絡異常を検出することができる。
・上記実施形態では、レゾルバ2の軸倍角を「1X」や「4X」に設定する場合について例示したが、レゾルバ2の軸倍角に限定があるわけではない。
・本発明にかかる回転角検出装置は、車両のステアリングシャフトの回転角を検出する装置に限らず、適宜の回転軸の回転角を検出する装置に適用することが可能である。
Ta〜Tc…出力端子、1…回転軸、2…レゾルバ、3…制御部、4…発振回路、5…回転センサ、20,50…ロータ、21…ステータ、22…励磁コイル、23〜25…レゾルバコイル、23a〜25a,51a〜53a…信号線、51〜53…磁気検出部。

Claims (3)

  1. ロータの周方向に離間して配置される3つのレゾルバコイルと、同3つのレゾルバコイルに電圧を誘起させるべく通電に基づき磁界を生成する励磁コイルとを有して、前記ロータの回転に伴い前記励磁コイルから前記3つのレゾルバコイルに付与される磁界が変化したときに前記3つのレゾルバコイルに誘起される電圧が変化することにより、前記ロータの回転角に対して振幅が正弦波状に変化する3相の信号を出力するレゾルバにおいて、
    前記励磁コイルと前記3つのコイルとの間のそれぞれの変圧比を全て異なる値に設定した
    ことを特徴とするレゾルバ。
  2. ロータの周方向に離間して配置される3つの磁気検出部と、これら3つの磁気検出部に付与する磁界を生成する磁界生成部とを有して、前記ロータの回転に伴い前記磁界生成部から前記3つの磁気検出部に付与される磁界が変化することで前記ロータの回転角に対して正弦波状に変化する3相の信号を出力する回転センサにおいて、
    前記3相の信号のそれぞれの最大出力レベルを全て異なるレベルに設定した
    ことを特徴とする回転センサ。
  3. 回転センサから出力される3相の信号に基づいてロータの電気角を検出する回転角検出装置において、
    前記回転センサとして請求項1に記載のレゾルバ、あるいは請求項2に記載の回転センサを用いるとともに、
    前記回転センサから出力される3相の信号から演算可能な3つのロータ電気角を第1〜第3の演算電気角とするとき、これら第1〜第3の演算電気角のうちのいずれか2つの差分値に基づき前記回転センサの異常を検出する制御手段と
    を備えることを特徴とする回転角検出装置。
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