JP2011228508A - パワーモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体素子が実装された基板の位置決めを簡単かつ正確に行うことができるとともに、放熱性能を向上させることができるパワーモジュールを提供すること。
【解決手段】半導体素子11,12と、半導体素子11,12が実装される回路基板20と、回路基板20が固定される冷却器30とを備えるパワーモジュール10において、冷却器30は、冷却フィン31が設けられるとともに冷却媒体が流される冷媒流路34の断面積が拡げられた凸部35a,35bと、凸部35a,35bによって形成された矩形状の開口を持つ凹部36とを備え、回路基板20が凹部36に配置されている。
【選択図】 図2
【解決手段】半導体素子11,12と、半導体素子11,12が実装される回路基板20と、回路基板20が固定される冷却器30とを備えるパワーモジュール10において、冷却器30は、冷却フィン31が設けられるとともに冷却媒体が流される冷媒流路34の断面積が拡げられた凸部35a,35bと、凸部35a,35bによって形成された矩形状の開口を持つ凹部36とを備え、回路基板20が凹部36に配置されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、冷却器を備えるパワーモジュールに関するものである。
ハイブリッド自動車や電気自動車等に搭載される高耐圧・大電流用のパワーモジュールは、半導体素子の動作時の自己発熱量が大きい。そのため、このようなパワーモジュールは、高放熱性を有する冷却構造を具備する必要がある。
そこで、例えば、特許文献1に記載されているパワーモジュールでは、冷却器の一方の面上に、発熱体である半導体素子が実装された絶縁基板を固定して、半導体素子と冷却器とを一体に構成することにより、半導体素子からの熱を効率良く冷却器に伝達するようにしている。
また、別の技術として、例えば、特許文献2に記載されているパワーモジュールでは、水冷ジャケットの半導体素子が実装された回路基板に接触する部位を、回路基板の下面に沿って水冷ジャケットの流路側に窪ませることにより、回路基板中央部の流路を狭くし、その部分を流れる冷却水の流速を早めて放熱性を向上させている。
しかしながら、上記した特許文献1に記載のパワーモジュールでは、絶縁基板が固定される冷却器の面が平坦であるため、冷却器に対して絶縁基板の位置決めを行うために、専用の組付け治具が必要であった。一方、特許文献2に記載のパワーモジュールでは、水冷ジャケットに対して回路基板のある程度の位置決めを行うことはできるが、正確に位置決めすることができない。つまり、位置決めの精度が悪い。これは、放熱性の向上を図るために、回路基板の下面中央部を下面外周部よりも下側に突出させる手段として、段差によって突出した形状にするのではなく、回路基板下面外周部から下面中央部にかけてなだらかな凸状の曲面としているからである。このように、上記した従来のパワーモジュールに備わる冷却器では、半導体素子が実装された基板の位置決めを簡単かつ正確に行うことが困難であった。
そして、車載用のパワーモジュールでは、1つの冷却器に多数の基板(半導体素子)が固定されるが多く、生産性向上などの面から、冷却器に対する基板の位置決めを簡単かつ正確に行えるようにすることが望まれている。また近年、パワーモジュールの小型化・高性能化に伴い、半導体素子からの発熱量が大きくなってきており、冷却器の冷却性能の更なる向上が望まれている。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、半導体素子が実装された基板の位置決めを簡単かつ正確に行うことができるとともに、放熱性能を向上させることができるパワーモジュールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、半導体素子と、前記半導体素子が実装される回路基板と、前記回路基板が固定される冷却器とを備えるパワーモジュールにおいて、前記冷却器は、冷却フィンが設けられるとともに冷却媒体が流される冷媒流路の断面積が拡げられた凸部と、前記凸部によって形成された矩形状の開口を持つ凹部とを備え、前記絶縁基板が前記凹部に配置されていることを特徴とする。
このパワーモジュールでは、冷却器の冷媒流路に、回路基板が配置される部分以外の流路断面積が拡げられた凸部が形成され、回路基板が配置される部分に矩形状の開口を持つ凹部が形成されている。この凹部は凸部によって形成されたものである。つまり、凸部によって形成された凹部内に半導体素子が実装された回路基板が配置されて冷却器に固定されている。このため、凹部の側面に対して絶縁回路を当接させることにより、絶縁基板の冷却器に対する位置決めを、治具を用いることなく簡単かつ正確に行うことができる。
そして、冷媒流路内において、凸部と凹部との段差により冷却媒体に乱流を発生させているため、絶縁基板が配置される凹部の部分で冷却媒体に境界層が形成されにくい。そのため、凹部が形成された冷媒流路の部分、言い換えると回路基板の配置位置において、冷却媒体との熱交換を効率よく行うことができるので、放熱性能を向上させることができる。また、回路基板の側面を冷却器に当接させるため、回路基板と冷却器との接触面積が増すので、放熱性能をより向上させることができる。さらに、凸部により冷却器全体の流路断面積が大きくなっているので、冷却媒体の圧力損失を低減することもできる。このことも、放熱性能の向上に寄与する。
上記したパワーモジュールにおいて、前記回路基板は、その側面が前記凹部の側面のうち隣接する少なく2面に当接させられて前記冷却器に対して位置決めされていることが望ましい。
このような構成にすることにより、回路基板の冷却器に対する位置決めをより正確に行うことができるとともに、回路基板と冷却器との接触面積をより増すことができるので、放熱性能をさらに向上させることができる。
上記したパワーモジュールにおいて、前記回路基板の側面全周が、前記凹部の側面に接していることが望ましい。
このような構成にすることにより、回路基板と冷却器との接触面積をさらに増すことができるので、放熱性能をより一層向上させることができる。
そして、上記したパワーモジュールにおいて、前記凸部の高さが、前記半導体素子と前記回路基板との合計厚さよりも低くされている
ことが望ましい。
ことが望ましい。
このような構成にすることにより、パワーモジュールを大型化(高さ(厚み)方向へ大型化)させることなく、回路基板の冷却器に対する位置決めを簡単かつ正確に行うとともに、放熱性能を向上させることができる。
また、上記したパワーモジュールにおいて、前記回路基板は、絶縁基板と、前記絶縁基板の両面に設けられた金属層とを備え、前記金属層のうち冷却器側に配置されるものの側面が、前記凹部の側面のうち隣接する少なく2面に当接させられて、前記回路基板の前記冷却器に対する位置決めが行われていてもよい。
このように、金属層のうち冷却器側に配置されるものの側面を凹部の側面に当接させても、回路基板の冷却器に対する位置決めを、治具を用いることなく簡単かつ正確に行うことができる。また、金属層と冷却器との接触面積が増すので、放熱性能を一層向上させることができる。なお、この場合には、凸部の高さ(凹部の深さ)は、冷却器側に配置される金属層の厚みよりも低く(浅く)されている。冷却器側に配置される金属層よりも絶縁基板の方が大きいからである。
そして、この場合には、前記金属層のうち冷却器側に配置されるものの側面全周が、前記凹部の側面に接していることが望ましい。
このような構成にすることにより、金属層と冷却器との接触面積をさらに増すことができるので、放熱性能をより一層向上させることができる。また、回路基板のうち絶縁基板の側面全周を凹部の側面に当接させる場合に比べ、パワーモジュールの耐久性を向上させることができる。なぜなら、絶縁基板の側面全周を凹部の側面に当接させた場合、絶縁基板と冷却器との線膨張係数が大きく異なるため、絶縁基板に熱応力が生じて耐久性を低下させるおそれがあるからである。
ここで、凹部に比べ凸部では流路断面積が広くなっているため冷却媒体が流れやすくなっている。言い換えると、凹部つまり半導体素子配置位置直下に冷却媒体が流れにくくなっている。そのため、冷却器の冷却効率が低下して、放熱性能の向上を阻害するおそれがある。
そこで、上記したいずれか1つのパワーモジュールにおいて、前記凹部の周囲に位置する前記凸部のうち、冷却媒体の流れ方向に位置するものの高さが、冷却媒体の流れ方向と直交する方向に位置するものの高さよりも高くされていることが望ましい。
このような構成にすることにより、冷却媒体の凹部周囲への流れを抑制することができるため、凹部つまり半導体素子配置位置直下に冷却媒体が流れにくくなることを防止することができる。これにより、凸部を設けて冷却媒体に乱流を発生させることによる冷却器の冷却効率の向上効果を大きくすることができるので、放熱性能を確実に向上させることができる。
上記したいずれか1つのパワーモジュールにおいて、前記冷却フィンは、板状部材がつづら折りされて形成されており、前記板状部材は、つづら折りされてフィン形状に形成された際に前記凹部に配置される部分が、予め打ち抜かれていることが望ましい。
このような構成にすることにより、凸部と凹部が形成された冷媒通路内に配置する冷却フィンをコストアップを伴うことなく簡単に形成することができる。これにより、コストアップを伴うことなく、回路基板の冷却器に対する位置決めを簡単かつ正確に行うことができるとともに、放熱性能を向上させることができる。
本発明に係るパワーモジュールによれば、上記した通り、半導体素子が実装された基板の位置決めを簡単かつ正確に行うことができるとともに、放熱性能を向上させることができる。
以下、本発明のパワーモジュールを具体化した実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。本実施の形態では、ハイブリッド自動車用のインバータ回路を構成するパワーモジュールに本発明を適用した場合を例示する。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態について説明する。そこで、第1の実施の形態に係るパワーモジュールについて、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、第1の実施の形態に係るパワーモジュールの概略構成を示す斜視図である。図2は、第1の実施の形態に係るパワーモジュールの概略構成を示す平面図である。図3は、図2のA−Aにおける断面図である。
まず、第1の実施の形態について説明する。そこで、第1の実施の形態に係るパワーモジュールについて、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、第1の実施の形態に係るパワーモジュールの概略構成を示す斜視図である。図2は、第1の実施の形態に係るパワーモジュールの概略構成を示す平面図である。図3は、図2のA−Aにおける断面図である。
図1及び図2に示すように、第1の実施の形態におけるパワーモジュール10は、半導体素子11,12と、半導体素子11,12を実装する回路基板20と、冷却器30とを備えている。
半導体素子11,12は、インバータ回路を構成するIGBT等のスイッチング素子である。そして、半導体素子11,12は、半田付けによって回路基板20上に固定されている。
半導体素子11,12は、インバータ回路を構成するIGBT等のスイッチング素子である。そして、半導体素子11,12は、半田付けによって回路基板20上に固定されている。
回路基板20は、セラミック基板21と、パターン層(金属層)22と、金属層23とを備えている。セラミック基板21は、必要とされる絶縁特性、熱伝導率および機械的強度を満たしていれば、どのようなセラミックから形成されていてもよい。例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムが適用可能である。本実施の形態では、セラミック基板21として窒化アルミニウム(AlN)を用いている。そして、図3に示すように、セラミック基板21の上面(半導体素子11,12側)には、パターン層22が設けられている。パターン層22としては、電気伝導率が高く、はんだとの濡れ性に優れたものであればよい。例えば、純度が高いアルミニウムが適用可能である。一方、セラミック基板21の下面(冷却器30側)には、金属層23が設けられている。金属層23としては、熱伝導率が高く、後述するロウ材との濡れ性に優れたものであればよい。例えば、純度が高いアルミニウムが適用可能である。
冷却器30は、図1に示すように、圧延薄板をつづら折りして波状に成形した冷却フィン31と、冷却フィン31を挟んで固定する天板32及び底板33とを有している。なお、冷却フィン31の詳細については後述する。冷却器30を構成する各部材は、高熱伝導性を有しかつ軽量であるアルミニウムによって形成されている。冷却器30内には、天板32及び底板33により冷媒流路34が形成され、この冷媒流路34に冷却フィン31が配置されている。これにより、冷媒流路34は、冷却フィン31によって複数の中空空間に区画されている。なお、冷媒としては、液体あるいは気体のいずれを用いてもよい。
ここで、冷却器30には、図2及び図3に示すように、冷媒流路34の断面積が拡げられた凸部35a、35bと、凸部35a,35bにより形成された矩形状の開口を持つ凹部36とが設けられている。参考として図3に、従来の天板位置を一点鎖線で示している。図3から明らかなように、凹部36における冷媒流路34の断面積が、従来のものと同じである。このため、冷却器30では、冷媒流路34の断面積が従来のものに比べて大きくなっている。従って、冷却器30における冷媒の圧力損失を低減することができる。
そして、凸部35aと凹部36との段差により、冷媒流路34における凹部36の部分では、冷媒の流れが乱れるため乱流が発生するようになっている。このため、凹部36が形成された部分では、冷媒の流れに境界層が形成されにくくなっている。
このような凹部36に、回路基板20が配置されている。より詳細には、回路基板20におけるセラミック基板21の側面が、凹部36の側面36bと36cに当接した状態で、回路基板20が凹部36に配置されている。これにより、回路基板20が冷却器30に対して正確に位置決めされている。このように、パワーモジュール10では、回路基板20の冷却器30に対する位置決めを、治具を用いることなく簡単に行うことができる。
位置決めされた回路基板20は、金属層23が冷却器30の天板32にロウ付けされて固定されている。ロウ材としては、Al−Si系合金、Al−Si−Mg系合金等のアルミニウムロウ材が適用可能である。本実施の形態では、Al−Si系合金を用い、600℃弱の温度でロウ付けを行う。なお、冷却器30の、冷却フィン31、天板32、底板33の接合も同様に、Al−Si系合金のロウ付けによって行われている。
そして、上記したように、冷媒流路34における凹部36の部分では、冷媒の流れに境界層が形成されにくくなっているため、冷媒との熱交換が効率よく行われる。このため、パワーモジュール10における放熱性を向上させることができる。また、セラミック基板21の側面が冷却器30に当接しているため、セラミック基板21と冷却器30との接触面積が増えている。さらに、回路基板20が凹部36内に入り込んだように配置されている。これらのことにより、パワーモジュール10における放熱性をさらに向上させることができる。
ここで、凸部35a,35bの高さh1は、回路基板20と半導体素子11又は12のいずれか厚みが厚い方との合計厚さよりも低くなっている。このため、冷却器30に凸35a,35bを設けることによって、パワーモジュール10の高さ(厚み)方向へ大型化することはない。このため、パワーモジュール10の車両搭載性が悪くなることはない。
なお、本実施の形態では、凸部35a,35bの高さは同じであるが、凸部35aと35bとの高さを変えることもできる。この場合には、図3、図4に示すように、冷媒の流れ方向に位置する凸部35aの高さh1を、冷媒の流れ方向と直交する方向に位置する凸部35bの高さh2よりも高くする(h1>h2)ことが好ましい。これにより、凸部35bにおける冷媒の流れ、すなわち凹部36周囲への冷媒の流れを抑制することができるため、凹部36つまり回路基板20の配置位置直下に冷媒が流れにくくなることを防止することができる。そのため、凸部35aを設けたことによる冷却器30の冷却効率の向上効果を大きくすることができ、パワーモジュール10における放熱性を確実に向上させることができる。なお、図4は、凸部のうち冷媒の流れ方向と直交する方向に位置するものの高さを低くしたパワーモジュールの断面図である。
続いて、冷却フィン31の構成及び成形方法について、図5〜図7を参照しながら説明する。図5は、冷却フィンの成形方法を説明するための図であり、(a)が成形前の圧延薄板を模式的に示す平面図であり、(b)が成形後の冷却フィンを模式的に示す平面図である。図6は、図5のA−Aにおける断面図である。図7は、図5のB−Bにおける断面図である。
冷却フィン31は、図5(b)に示すように、冷却器30における天板32の形状に合うように、凹部36に対応した形状をなすフィン凹部41を有している。冷却フィン31は、フィン凹部41に位置する低フィン部31lと、フィン凹部41以外に位置する高フィン部31hとを備えている。そして、冷却フィン31は、図6、図7に示すように、高フィン部31h及び低フィン部31lのそれぞれにおいては、フィン高さが同じにされている。これにより、天板32及び底板33に対して冷却フィンが密着して固定されるようになっている。
そして、図7に示すように、低フィン部31lは、高フィン部31hに比べてフィン高さが低くなっている。なお、図7では便宜上、フィン凹部41の紙面奥側に位置する高フィン部31hを二点鎖線で示している。このような形状の冷却フィン31は、図5(a)に示す圧延薄板31aを、プレスでつづら折りに成形することにより得られる。圧延薄板31aには、フィン凹部41に対応する部分に打ち抜き穴41a〜41dが設けられている。このような圧延薄板31aを、図5(a)に示す一点鎖線で谷折りされ、破線で山折りされるようにプレス成形すると、図5(b)に示す冷却フィン31が得られる。なお、フィン凹部41の寸法は、打ち抜き穴の大きさ及び数を変更することにより変えることができる。
このようにして冷却フィン31を成形することにより、凸部35a,35b及び凹部36を備える冷却器30に対応する形状をなす冷却フィン31であっても、コストアップを伴うことなく簡単に製作することができる。従って、パワーモジュール10において、コストアップを伴うことなく、回路基板20の冷却器30に対する位置決めを簡単かつ正確に行うことができるとともに、放熱性を向上させることができる。
ここで、第1の実施の形態における変形例について、図8を参照しながら説明する。図8は、第1の実施の形態におけるパワーモジュールの変形例を示す図である。この変形例に係るパワーモジュール10aでは、回路基板20の位置決めを行う箇所が異なっている。具体的には、図8に示すように、パワーモジュール10aにおいては、回路基板20におけるセラミック基板21の側面が、凹部36の側面36aと36dに当接させられることにより、回路基板20の冷却器30に対する位置決めが行われている。
このようなパワーモジュール10aでも、上記したパワーモジュール10と同様の効果を得ることができる。また、図8に示した場合に限らず、セラミック基板21の側面を凹部36の側面36aと36bに当接させる、あるいはセラミック基板21の側面を凹部36の側面36cと36dに当接させることにより、回路基板20の冷却器30に対する位置決めを行うこともできる。このような場合であっても、上記したパワーモジュール10と同様の効果を得ることができる。
以上、詳細に説明したように第1の実施の形態に係るパワーモジュール10によれば、冷却器30に冷媒流路34の断面積が拡げられた凸部35a,35bと、凸部35a,35bによって形成された凹部36が形成されている。そして、凹部36の側面36b,36cにセラミック基板21の側面を当接させて回路基板20の冷却器30に対する位置決めを行っている。このため、回路基板20の冷却器30に対する位置決めを、治具を用いることなく簡単かつ正確に行うことができる。
そして、冷媒流路34内において、凸部35aと凹部36との段差により冷媒の流れに乱流を発生させているため、回路基板20が配置される凹部36が形成された部分で冷媒の流れに境界層が形成されにくい。そのため、凹部36が形成された冷媒流路34の部分、言い換えると回路基板20の配置位置において、冷媒との熱交換を効率よく行うことができるので、パワーモジュール10における放熱性を向上させることができる。また、セラミック基板21の側面を冷却器30に当接させているため、回路基板20と冷却器30との接触面積が増えるので、放熱性をより向上させることができる。さらに、凸部35a,36bにより冷却器30全体の流路断面積が大きくなっているので、冷媒の圧力損失を低減することもできる。このことも、パワーモジュール10における放熱性の向上に寄与している。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態と基本的な構成はほぼ同じであるが、回路基板の位置決め構造が少し異なっている。そのため、以下では、第1の実施の形態と同じ構成については図面に同じ符号を付してその説明を適宜省略し、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。そこで、第2の実施の形態に係るパワーモジュールについて、図9〜図11を参照しながら説明する。図9は、第2の実施の形態に係るパワーモジュールの概略構成を示す斜視図である。図10は、第2の実施の形態に係るパワーモジュールの概略構成を示す平面図である。図11は、図10のA−Aにおける断面図である。
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態と基本的な構成はほぼ同じであるが、回路基板の位置決め構造が少し異なっている。そのため、以下では、第1の実施の形態と同じ構成については図面に同じ符号を付してその説明を適宜省略し、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。そこで、第2の実施の形態に係るパワーモジュールについて、図9〜図11を参照しながら説明する。図9は、第2の実施の形態に係るパワーモジュールの概略構成を示す斜視図である。図10は、第2の実施の形態に係るパワーモジュールの概略構成を示す平面図である。図11は、図10のA−Aにおける断面図である。
図9、図10に示すように、パワーモジュール10bでは、冷却器30の凸部35a,35bの高さ(凹部36の深さ)が、第1の実施の形態に比べ低く(浅く)なっている。そして、回路基板20のセラミック基板21ではなく、金属層23の側面を凹部36の側面に当接させることにより、回路基板20の冷却器30に対する位置決めが行われている。
より詳細には、回路基板20における金属層23の側面が、凹部36の側面36bと36cに当接した状態で、回路基板20が凹部36に配置され、回路基板20が冷却器30に対して正確に位置決めされている。そして、図11に示すように、金属層23が冷却器30の天板32にロウ付けされて固定されている。このようにして、パワーモジュール10bでも、回路基板20の冷却器30に対する位置決めを、治具を用いることなく簡単に行うことができる。
このように、第2の実施の形態に係るパワーモジュール10bによれば、冷却器30に冷媒流路34の断面積が拡げられた凸部35a,35bと、凸部35a,35bによって形成された凹部36が形成されている。そして、凹部36の側面36b,36cに金属層23の側面を当接させて回路基板20の冷却器30に対する位置決めを行っている。このため、回路基板20の冷却器30に対する位置決めを、治具を用いることなく簡単かつ正確に行うことができる。
そして、パワーモジュール10bでも冷媒流路34内において、凸部35aと凹部36との段差により冷媒の流れに乱流が発生するので、第1の実施の形態と同様に、回路基板20の配置位置において、冷媒との熱交換を効率よく行うことができるため、パワーモジュール10bにおける放熱性を向上させることができる。そして、金属層23の側面を冷却器30に当接させているため、放熱効果が大きい金属層23と冷却器30との接触面積が増えるので、第1の実施の形態よりも放熱性を向上させることができる。
なお、第2の実施の形態においても、図12に示すように、金属層23の側面を、凹部36の側面36aと36dに当接させて回路基板20の冷却器30に対する位置決めを行うこともできるし、金属層23の側面を凹部36の側面36aと36bに当接させる、あるいは金属層23の側面を凹部36の側面36cと36dに当接させて、回路基板20の冷却器30に対する位置決めを行うこともできる。なお、図12は、第2の実施の形態におけるパワーモジュールの変形例を示す図である。
また、上記したように、凸部35aの高さを、冷媒の流れ方向と直交する方向に位置する凸部35bの高さよりも高くすることもできる。
また、上記したように、凸部35aの高さを、冷媒の流れ方向と直交する方向に位置する凸部35bの高さよりも高くすることもできる。
[第3の実施の形態]
最後に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、第1、第2の実施の形態と基本的な構成はほぼ同じであるが、回路基板の位置決め構造が少し異なっている。そのため、以下では、第1、第2の実施の形態と同じ構成については図面に同じ符号を付してその説明を適宜省略し、第1、第2の実施の形態との相違点を主に説明する。そこで、第3の実施の形態に係るパワーモジュールについて、図13及び図14を参照しながら説明する。図13は、第3の実施の形態に係るパワーモジュール(セラミック基板により位置決め)の概略構成を示す平面図である。図14は、第3の実施の形態に係るパワーモジュール(金属層により位置決め)の概略構成を示す平面図である。
最後に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、第1、第2の実施の形態と基本的な構成はほぼ同じであるが、回路基板の位置決め構造が少し異なっている。そのため、以下では、第1、第2の実施の形態と同じ構成については図面に同じ符号を付してその説明を適宜省略し、第1、第2の実施の形態との相違点を主に説明する。そこで、第3の実施の形態に係るパワーモジュールについて、図13及び図14を参照しながら説明する。図13は、第3の実施の形態に係るパワーモジュール(セラミック基板により位置決め)の概略構成を示す平面図である。図14は、第3の実施の形態に係るパワーモジュール(金属層により位置決め)の概略構成を示す平面図である。
図13に示すパワーモジュール10cは、第1の実施の形態に対する変形形態である。このパワーモジュール10cでは、セラミック基板21の側面全周を、凹部36の側面36a〜36dに対して当接させて回路基板20の冷却器30に対する位置決めを行っている。このようにしても、回路基板20の冷却器30に対する位置決めを、治具を用いることなく簡単かつ正確に行うことができる。そして、セラミック基板21と冷却器30との接触面積がさらに増えるので、放熱性をより一層向上させることができる。
図14に示すパワーモジュール10dは、第2の実施の形態に対する変形形態である。このパワーモジュール10dでは、金属層23の側面全周を、凹部36の側面36a〜36dに対して当接させて回路基板20の冷却器30に対する位置決めを行っている。このようにしても、回路基板20の冷却器30に対する位置決めを、治具を用いることなく簡単かつ正確に行うことができる。そして、金属層23と冷却器30との接触面積がさらに増えるので、放熱性をより一層向上させることができる。
ここで、凹部36の側面36a〜36dに対して回路基板20の側面全周を当接させる場合には、パワーモジュール10dのように、金属層23の側面全周を凹部36の側面36a〜36dに当接させる方が好ましい。セラミック基板21の側面全周を凹部の側面36a〜36dに当接させた場合、セラミック基板21と冷却器30との線膨張係数が大きく異なるため、セラミック基板21に熱応力が生じて耐久性を低下させるおそれがあるからである。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、回路基板として、セラミック基板21に1つのパターン層22と1つの金属層23が設けられた回路基板20を備えるパワーモジュールに本発明を適用した場合を例示した。しかしながら、図15に示すように、セラミック基板21に複数のパターン層(ここでは2つのパターン層22a,22b)と複数の金属層(ここでは2つの金属層23a,23b)が設けられた回路基板20aであっても本発明を適用することができる。このような場合には、凹部36を1つだけ設けてもよいが、複数の金属層23a,23bに対応するように複数の凹部36を設けてもよい。
また、上記した実施の形態では、冷却器30に1つの回路基板20が固定されているパワーモジュールに本発明を適用した場合を例示したが、図16に示すように、複数の回路基板20(ここでは6個)が固定されているパワーモジュールであっても、本発明を適用することができる。
また、上記した実施の形態では、絶縁基板としてセラミック基板を使用しているが、セラミック基板の代わりに樹脂基板を使用することもできる。さらに、上記した実施の形態では、ハイブリッド自動車に搭載されるインバータ回路を構成するパワーモジュールに本発明を適用した場合を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限られず、電力制御を行うパワーモジュール(例えば、家電製品に使用されるものなど)に対して広く適用することができる。
10 パワーモジュール
11 半導体素子
12 半導体素子
20 回路基板
21 セラミック基板
22 パターン層
23 金属層
30 冷却器
31 冷却フィン
31h 高フィン部
31l 低フィン部
34 冷媒流路
35a,35b 凸部
36 凹部
41 フィン凹部
41a〜41d 打ち抜き穴
11 半導体素子
12 半導体素子
20 回路基板
21 セラミック基板
22 パターン層
23 金属層
30 冷却器
31 冷却フィン
31h 高フィン部
31l 低フィン部
34 冷媒流路
35a,35b 凸部
36 凹部
41 フィン凹部
41a〜41d 打ち抜き穴
Claims (8)
- 半導体素子と、前記半導体素子が実装される回路基板と、前記回路基板が固定される冷却器とを備えるパワーモジュールにおいて、
前記冷却器は、冷却フィンが設けられるとともに冷却媒体が流される冷媒流路の断面積が拡げられた凸部と、前記凸部によって形成された矩形状の開口を持つ凹部とを備え、
前記回路基板が前記凹部に配置されている
ことを特徴とするパワーモジュール。 - 請求項1に記載するパワーモジュールにおいて、
前記回路基板は、その側面が前記凹部の側面のうち隣接する少なく2面に当接させられて前記冷却器に対して位置決めされている
ことを特徴とするパワーモジュール。 - 請求項2に記載するパワーモジュールにおいて、
前記回路基板の側面全周が、前記凹部の側面に接している
ことを特徴とするパワーモジュール。 - 請求項1から請求項3に記載するいずれか1つのパワーモジュールにおいて、
前記凸部の高さが、前記半導体素子と前記回路基板との合計厚さよりも低くされている
ことを特徴とするパワーモジュール。 - 請求項1に記載するいずれか1つのパワーモジュールにおいて、
前記回路基板は、絶縁基板と、前記絶縁基板の両面に設けられた金属層とを備え、
前記金属層のうち冷却器側に配置されるものの側面が、前記凹部の側面のうち隣接する少なく2面に当接させられて、前記回路基板の前記冷却器に対する位置決めが行われている
ことを特徴とするパワーモジュール。 - 請求項5に記載するパワーモジュールにおいて、
前記金属層のうち冷却器側に配置されるものの側面全周が、前記凹部の側面に接している
ことを特徴とするパワーモジュール。 - 請求項1からに請求項6に記載するいずれか1つのパワーモジュールにおいて、
前記凹部の周囲に位置する前記凸部のうち、冷却媒体の流れ方向に位置するものの高さが、冷却媒体の流れ方向と直交する方向に位置するものの高さよりも高くされている
ことを特徴とするパワーモジュール。 - 請求項1から請求項7に記載するいずれか1つのパワーモジュールにおいて、
前記冷却フィンは、板状部材がつづら折りされて形成されており、
前記板状部材は、つづら折りされてフィン形状に形成された際に前記凹部に配置される部分が、予め打ち抜かれている
ことを特徴とするパワーモジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010097511A JP2011228508A (ja) | 2010-04-21 | 2010-04-21 | パワーモジュール |
Applications Claiming Priority (1)
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010097511A Withdrawn JP2011228508A (ja) | 2010-04-21 | 2010-04-21 | パワーモジュール |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2011228508A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2010
- 2010-04-21 JP JP2010097511A patent/JP2011228508A/ja not_active Withdrawn
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