JP2011228394A - コモンモードトランス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力線路(3a〜3c)に発生するコモンモード電圧に対応した電圧を一次巻線(91)に入力し、その二次巻線(92〜94)に生成される電圧をコモンモード電圧に対する相殺電圧として記電力線路(3a〜3c)に重畳するコモンモードトランスである。ヘリカル状の第1のコア部分(95A)と、第1のコア部分(95A)の一端と他端間に介在する第2のコア部分(95B)とを有するコア(95)を備え、第2のコア部分(95B)に一次巻線(91)を巻着するとともに、第1のコア部分(95A)に電力線路(3a〜3c)を貫通させて、その貫通部分を二次巻線(92〜94)として用いるように構成されている。
【選択図】図3
Description
上記電力線路は、電力用半導体素子のスイッチング動作により直流電圧を交流電圧に変換する電力変換器の入力側線路である。
特許文献2に係るノイズアクティブフィルタも上記のノイズアクティブフィルタに準じた構成を有するが、上記電力線路が上記電力変換器の出力側線路である点で相違する。
また、少なくとも前記第1のコア部分のヘリカルターン部間に挿入させる凸部を有する間隔保持具を更に備えることができる。この間隔保持具は、前記第1のコア部分の内部、外部にそれぞれ位置される第1、第2の保持部材を備え、1以上の前記ヘリカルターン部を挟む形態でこの第1、第2の保持部材を対向結合するように構成することができる。
図1は、伝導性ノイズアクティブフィルタを組み込んだ誘導電動機制御システムを示す。
図1において、三相交流電源1の交流出力は、伝導性ノイズを測定するために設けられたLISN (line impedance stabilization network; 擬似電源回路網)2及び電力線路である三相ケーブル3(U相ケーブル3a,V相ケーブル3b,W相ケーブル3c)を介して整流器4に入力され、この整流器4によって直流に変換される。整流器4の直流出力は、平滑用コンデンサ5によって平滑された後、電圧形PWMインバータ6に入力され、このPWMインバータ6に設けられた電力用半導体素子のスイッチング動作によって三相の交流電圧に変換される。そして、このインバータ6の三相交流出力が誘導電動機7に供給される。なお、誘導電動機7のフレームは接地線を介して接地端子に接続されている。
コモンモードトランス9は、一次コイル91が電源12、13の中性点とエミッタフォロワ回路10の出力端子との間に接続され、二次コイル92,93,94がケーブル3a,3b,3cの途中にそれぞれ挿入されている。エミッタフォロワ回路10は、コンプリメンタリトランジスタTr1、Tr2によって構成され、その入力端子にオペレーショナルアンプ11の出力端子が接続されている。エミッタフォロワ回路10およびオペレーショナルアンプ11には、電源12、13の正、負出力電圧が印加される。
なお、接地コンデンサ14a,14b,14cは、通常は接地点に直接接続されるが、図示の伝導性ノイズアクティブフィルタでは、この接地コンデンサ14a,14b,14cをコモンモード電圧の検出手段として用いているので、上記分圧用コンデンサ16〜18を介して接地されている。
この分圧・保護回路15によれば、接地コンデンサ14a,14b,14cで検出されるコモンモード電圧に対応した電圧を得ることができ、かつ、該コモンモード電圧よってオペレーショナルアンプ11、トランジスタTr1,Tr2などの能動素子が破壊されることを防止することができる。
例えば、オペレーショナルアンプ11のゲイン値を1、コモンモードトランスの一次側:二次側の巻数比を1:4としていたものに対し、オペレーショナルアンプ11のゲイン値を2に変更すれば、コモンモードトランス9の一次側:二次側の巻数比を1:2とすることができる。
フェライトからなるこのコモンモードトランス9のコア95は、ヘリカル状の第1のコア部分95Aと、この第1のコア部分95Aの一端と他端間に介在する第2のコア部分95Bとを有する。
図3に示すように、第1のコア部分95Aは、分割可能な構成を有する。すなわち、第1のコア部分95Aは、同一形状の複数の分割要素951を連接することによって構成されている。各分割要素951は、ヘリカル状ラインのワンターンに沿った形状を有し、ホゾとホゾ穴からなる結合手段を用いて互いに連接されている。
前記第1のアーム部材952は、第1のコア部分95Bの一端部側に位置する分割要素951に基端部が分離可能に結合され、その結合部位から第1のコア部分95Aの外方に向かって突出するように形成されている。同様に、第2のアーム部材953は、第1のコア部分95Bの他端部側に位置する分割要素951に基端部が分離可能に結合され、その結合部位から第1のコア部分95Aの外方に向かって第1のアーム部材952と同方向に突出している。
そして、この結合部材954には一次巻線91が巻かれている。
なお、本実施形態では、分割要素951にアーム部材952,953を結合する手段として、また、アーム部材952,953に結合部材954を結合する手段としてそれぞれホゾとホゾ穴を用いている。なお、ホゾとホゾ穴に代わる他の結合手段を適用することも当然可能である。
更に、本実施形態に係るコモンモードトランス9によれば、第1のコア部分95Aが複数の分割要素951に分割可能であり、また、アーム部材952,953が対応する分割要素951から分離可能であるので、既設のケーブル3a,3b,3cに対し容易に実装することができるとともに、その実装後にケーブル3a,3b,3cから容易に取り除くことができる。
なお、分割要素951の配列数を増減すると、アーム部材952,353相互の間隔が変化する。そこで、結合部材954としては、この間隔の変化に対応するために種々の長さのものが予め用意される。
なお、カバー部材22,23の縁部には、アーム部材952との干渉を回避するための切欠部223,233が形成されるとともに、アーム部材953との干渉を回避するための切欠部224,234が形成されている。
保持部材26,27は、隣接する2つの分割要素951を挟む形態で結合される。そして、その結合状態においては、保持部材26の内面に設けられた2つの凹溝261と保持部材27の内面に設けられた2つの凹溝271とによって形成される空間に分割要素951が収容される。その際、各凹溝261の境界に位置する凸部262と、各凹溝271の境界に位置する凸部272とが各分割要素951間に挿入され、これによって、該各分割要素951相互の間隔が保持される。そして、保持部材26,27の一方の端部263,273相互が一方の分割要素951とそれに隣接する別のコア要素との間に挿入されるとともに、保持部材26,27の他方の端部264,274相互が他方の分割要素951とそれに隣接する別のコア要素との間に挿入される。
なお、図4に示した例では、保持部材26,27によってコア95の非分割箇所(ホゾ、ホゾ穴が存在していない箇所)を保持しているが、保持する箇所はこの例に限らない。例えば、保持部材26,27をコア95の分割箇所(ホゾ、ホゾ穴が存在している箇所)を覆うように配置しても良い。
また、図4に示した例では、コア95の分割要素951の2ターン分を一括して保持しているが、図2に示した4ターン分の分割要素951を一括して保持するようにしても良い。
また、コア95の第1のコア部分95Aを構成する分割要素951の配列数は、前記オペレーショナルアンプ11のゲイン等に応じて任意数に設定することができ、場合によってはこの配列数を1に設定してもよい。
更に、図4に示す間隔保持具25は、2つの分割要素951を保持部材26,27によって挟持するように構成されているが、必要に応じて3つ以上の分割要素951を挟持するように構成することも可能である。
更にまた、上記実施形態では、PWMインバータ6の入力側電力線路(ケーブル3a、3b、3c)に発生するコモンモード電圧に対応した電圧を一次巻線91に入力しているが、PWMインバータ6の出力側電力線路に発生するコモンモード電圧に対応した電圧を一次巻線91に入力するようにしてもよい。もちろん、この場合には、接地コンデンサ14によって上記出力側電力線路に発生するコモンモード電圧が検出され、かつ、コモンモードトランス9の二次巻線92,93,94に誘起される電圧が上記出力側電力線路にコモンモード電圧相殺よう電圧として重畳されることになる。
2 LISN(擬似電源回路網)
3a、3b、3c ケーブル
4 整流器
5 平滑用コンデンサ
6 PWMインバータ
7 誘導電動機
8 電圧重畳回路
9 コモンモードトランス
91 一次巻線
92,93,94 二次巻線
95 コア
95A 第1のコア部分
95B 第2のコア部分
951 分割要素
952,953 アーム部材
954 結合部材
10 エミッタフォロワ回路
12,13 電源
14 接地コンデンサ
15 分圧・保護回路
16〜18 分圧用コンデンサ
19,20 ツェナダイオード
21 カバー
22,23 カバー部材
25、28 間隔保持具
26,27,29,30 保持部材
261,271,291,301 凹溝
262 272 凸部
263,264,273,274,292,293 端部
302,303 端部
221,231 係止部
222,232 リブ
223,224,233,234 切欠部
Tr1,Tr2 トランジスタ
Claims (9)
- 電力線路に発生するコモンモード電圧に対応した電圧を一次巻線に入力し、その二次巻線に生成される電圧を前記コモンモード電圧に対する相殺電圧として前記電力線路に重畳するコモンモードトランスであって、
ヘリカル状の第1のコア部分と、この第1のコア部分の一端と他端間に介在する第2のコア部分とを有するコアを備え、
前記第2のコア部分に前記一次巻線を巻着するとともに、前記第1のコア部分に前記電力線路を貫通させて、その貫通部分を前記二次巻線として用いるように構成されていることを特徴とするコモンモードトランス。 - 前記電力線路は、電力用半導体素子のスイッチング動作により直流電圧を交流電圧に変換する電力変換器の入力側線路あるいは出力側線路であることを特徴とする請求項1に記載のコモンモードトランス。
- 前記コアは、前記電力線路に対する取付け取り外しのために、少なくとも前記ヘリカル状の第1のコア部分が分割可能な構成を有することを特徴とする請求項1に記載のコモンモードトランス。
- 前記第1のコア部分は、同一形状の複数の分割要素を連接することによって構成されることを特徴とする請求項3に記載のコモンモードトランス。
- 前記第2のコア部分は、
前記第1のコア部分の一端部側に位置する前記分割要素に基端部が分離可能に結合されかつ第1のコア部分の外方に向かって突出する第1のアーム部材と、
前記第1のコア部分の他端部側に位置する前記分割要素に基端部が分離可能に結合されかつ第1のコア部分の外方に向かって突出する第2のアーム部材と、
前記第1、第2のアーム部材の先端部間に介在させた結合部材と、を備え、
前記結合部材に前記一次巻線を巻着したことを特徴とする請求項4に記載のコモンモードトランス。 - 前記結合部材は、その一端部及び他端部がそれぞれ前記第1、第2のアーム部材の先端部に分離可能に結合されていることを特徴とする請求項5に記載のコモンモードトランス。
- 少なくとも前記第1のコア部分を覆う非磁性材料からなるカバーを更に備え、このカバーの内周面に少なくとも前記第1のコア部分の各ヘリカルターン部間に挿入させるリブを突設したことを特徴とする請求項1に記載のコモンモードトランス。
- 前記第1のコア部分のヘリカルターン部間に挿入させる凸部を有する間隔保持具を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のコモンモードトランス。
- 前記間隔保持具は、前記第1のコア部分の内部、外部にそれぞれ位置される第1、第2の保持部材を備え、1以上の前記ヘリカルターン部を挟む形態でこの第1、第2の保持部材を対向結合するように構成されることを特徴とする請求項8に記載のコモンモードトランス。
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