JP2006013394A - 電力線搬送通信用誘導結合器 - Google Patents

電力線搬送通信用誘導結合器 Download PDF

Info

Publication number
JP2006013394A
JP2006013394A JP2004192138A JP2004192138A JP2006013394A JP 2006013394 A JP2006013394 A JP 2006013394A JP 2004192138 A JP2004192138 A JP 2004192138A JP 2004192138 A JP2004192138 A JP 2004192138A JP 2006013394 A JP2006013394 A JP 2006013394A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power line
winding
magnetic member
inductive coupler
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004192138A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Kuwabara
雅裕 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2004192138A priority Critical patent/JP2006013394A/ja
Publication of JP2006013394A publication Critical patent/JP2006013394A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

【課題】 電流が流れている電力線に簡単にかつ安全に装着することができる電力線搬送通信用誘導結合器、及び誘導結合器の取り付け方法、誘導結合器の取り外し方法を提供する。
【解決手段】 電力線搬送通信用誘導結合器1は、電力線300に非接触で通信信号の注入/抽出を行うものであり、電力線300の外周に配置され、一対の半円弧状片2a、2bを組み合わせて環状となる磁性部材2と、磁性部材2に巻き付けられて配置されて、通信信号の注入/抽出を行う信号用巻線4とを具える。かつ、電力線300に流れる電流による誘導により、半円弧状片2a、2b間に働く電磁吸引力を緩和する吸引力緩和巻線3を具える。吸引力緩和巻線3は、磁性部材2に対して取り外しできるようにコネクタ部3aを具える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力線に非接触で通信信号の注入/抽出を行うのに適した電力線搬送通信用誘導結合器、この誘導結合器を活線の電力線に簡単に取り付ける方法、及びこの誘導結合器を活線の電力線から簡単に取り外す方法に関するものである。特に、活線の電力線に対して、取り付け及び取り外しが簡単で、安全に行うことができる電力線搬送通信用誘導結合器に関する。
従来、電力線に非接触で通信信号(信号電流)の注入/抽出を行う装置として、誘導結合器を用いることが行われている。このような誘導結合器として、図3に示すようなフェライトコアと巻線とを具えたものがある。図3は、従来の誘導結合器の構成を模式的に示す説明図である。図3に示す誘導結合器100は、電力線(導体)300の外周を囲むように配置されるリング状のフェライトコア101と、コア101の外周に巻き付けられて通信信号の注入/抽出を行う信号用巻線102とを具える。信号用巻線102は、別途通信信号の送信装置や受信装置、或いは送受信装置(いずれも図示せず)といった通信装置が取り付けられ、通信信号を電力線300に注入/電力線300に伝送される通信信号を抽出するものである。通信装置により信号用巻線102に信号電流を流すと、フェライトコア101に磁界が発生して印加され、この磁界とコア101の透磁率とに応じて電力線300に信号電流が流れることで、電力線300に通信信号を注入することができる。また、電力線300に通信信号が伝送されると、この信号電流によりフェライトコア101に磁界が発生して印加され、この磁界とコア101の透磁率とに応じて信号用巻線102に信号電流が流れることで、電力線300から通信信号を抽出することができる。
誘導結合器100では、電力線300の外周に装着し易いようにフェライトコア101として、一対の半円弧状片を組み合わせてリング状となる分割構造のものが利用されている。
また、特許文献1では、信号用巻線に加えて、電力線に流れる電力供給用電流(いわゆる商用電流)によりフェライトコアに生じる磁界を打ち消す電流を流すためのキャンセル巻線を具える構成が開示されている(特許文献1参照)。
特開2001-319815号公報
上記分割片を組み合わせてリング状となるフェライトコアを電力線の外周に装着する際、電力線に電流、特に電力供給用電流が流れていると、分割片には、この電流による誘導電流が流れて磁界が印加される。すると、この磁界により、分割片間に互いに引き付け合う力(電磁吸引力)が生じる。このとき、電流の大きさによっては非常に大きな磁界が生じるため、上記電磁吸引力も非常に大きくなって、分割片間が急激に閉じられて損傷したり、作業者がけがをしたりする恐れがある。一方、誘導結合器を電力線から取り外す際にも、分割片間に上記磁気吸引力が働く。従って、磁気吸引力が非常に大きくなると、分割片間を開こうとしても、閉じる方向に力が加わるため、取り外し作業が非常に困難になるだけでなく、作業者がけがをしたりする恐れがある。そこで、誘導結合器の損傷の防止、作業者の安全確保、誘導結合器の着脱の容易性を考慮して、従来、誘導結合器の取り付け/取り外しは、電力線に電力供給用電流や信号電流が流れていない状態で行われていた。しかし、誘導結合器の着脱のために送電を停止することは、電力機器の使用が多い昨今においてできるだけ回避することが望まれる。従って、電力線に電流、特に電力供給用電流が流れている状態でも、誘導結合器の着脱が簡単にかつ安全に行える手法の開発が望まれている。
そこで、本発明の主目的は、活線状態にある電力線に対して、安全にかつ容易に着脱することができる電力線搬送通信用誘導結合器を提供することにある。また、本発明の他の目的は、活線の電力線に対して、電力線搬送通信用の誘導結合器を安全にかつ簡単に取り付けることができる誘導結合器の取り付け方法、及び同誘導結合器を安全にかつ簡単に取り外すことができる誘導結合器の取り外し方法を提供することにある。
本発明電力線搬送通信用誘導結合器は、磁性部材に対して取り外し可能な巻線を具えることで上記目的を達成する。
即ち、本発明電力線搬送通信用誘導結合器は、複数の分割片を組み合わせて環状に構成される磁性部材と、この磁性部材に巻き付けられる巻線とを具える。そして、この巻線は、この巻線を磁性部材から取り外しできるようにコネクタ部を有することを規定する。
また、本発明誘導結合器の取り付け方法は、電力線に流れる電流の誘導により生じた電磁吸引力を緩和するような巻線を磁性部材に取り付けてから磁性部材を電力線に取り付けることで上記目的を達成する。
即ち、本発明は、複数の分割片を組み合わせて環状に構成される磁性部材を具える電力線搬送通信用の誘導結合器を活線の電力線に取り付ける誘導結合器の取り付け方法である。磁性部材に対して取り外し可能な巻線を磁性部材に巻き付けて取り付け、電力線に流れる電流の誘導により各分割片間に生じる電磁吸引力を緩和する誘導電流を巻線に流した状態で、分割片を組み合わせて磁性部材を電力線の外周に装着し、磁性部材を装着した後、磁性部材から巻線を取り外すことを特徴とする。
更に、本発明誘導結合器の取り外し方法は、電力線に流れる電流の誘導により生じた電磁吸引力を緩和するような巻線を磁性部材に取り付けてから磁性部材を電力線から取り外すことで上記目的を達成する。
即ち、本発明は、複数の分割片を組み合わせて環状に構成される磁性部材を具える電力線搬送通信用の誘導結合器を活線の電力線から取り外す誘導結合器の取り外し方法である。前記磁性部材に対して取り外し可能な巻線を磁性部材に巻き付けて取り付け、電力線に流れる電流の誘導により各分割片間に生じる電磁吸引力を緩和する誘導電流を巻線に流した状態で、分割片間を開いて磁性部材を電力線から取り外すことを特徴とする。
特許文献1に記載される誘導結合器のようにキャンセル巻線を具えた構成の場合、電力線に電力供給用電流などの電流が流れていても、キャンセル巻線がつくる磁界により、フェライトコアに印加される電流による磁界を打ち消すことができる。そのため、電力線に電流が流れている状態、即ち、活線状態であっても、フェライトコアの取り付け/取り外しの際にコアを構成する分割片間に働く磁気吸引力は小さく、誘導結合器の取り付け/取り外しを簡単に行うことができる。しかし、図3に示すようにキャンセル巻線を具えていない誘導結合器の場合、電力線に電流が流れていると、電流の大きさによっては、分割片間に非常に大きな磁気吸引力が働いて取り付け/取り外しが困難となるため、送電を停止せざるを得なかった。そこで、本発明者は、キャンセル巻線を具えていない誘導結合器であっても、電流が流れている状態の電力線に簡単にかつ安全に誘導結合器の取り付け/取り外しが行えるように、磁性部材に対して取り外し可能な巻線を具えることを規定する。以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明誘導結合器は、例えば、通信信号が伝送される電力線の外周に配置される。従って、磁性部材は、特に、高い透磁率を有し、通信信号に利用される周波数の領域(例えば、1.7〜50MHz)においても低損失の特性を有する強磁性体からなるものが好ましい。例えば、フェライトコアが挙げられる。また、磁性部材は、上記電力線の外周に配置し易いように、複数の分割片を組み合わせて環状に構成されるものが適する。より具体的には、例えば、一対の断面半円弧状片を組み合わせて、断面円形状となるものが挙げられる。環状とは、中心部に電力線を挿通可能な孔を有する形状であればよく、円形に限らない。分割片同士は、ヒンジなどの連結部材にて連結しておくと、電力線への配置をより簡単に行うことができて好ましい。
上記磁性部材には、巻き付けて配置され、後述する電磁吸引力を緩和させる巻線(以下、吸引力緩和巻線と呼ぶ)を具える。この吸引力緩和巻線は、電流を流すことが可能な導体部を有するループ状のものであればよく、例えば、一般的に用いられている被覆付電線、エナメル線、裸線、銅板などを利用することができる。本発明においてこの吸引力緩和巻線は、主として、電流(特に、電力供給用電流)が流れている状態にある電力線に磁性部材を取り付ける際や取り外す際、電力線に流れる電流の誘導により、上記磁性部材を構成する各分割片間に生じる電磁吸引力を緩和する誘導電流を流すという機能を有するものである。特に、高圧配電線(例えば、AC6.6kV〜20kV程度)や中圧配電線といった電力線では、数十A〜数百A(概ね600A)程度といった大電流の電力供給用電流の送電が考えられる。このような大電流が電力線に流れる場合、上記電磁吸引力は、非常に大きくなるため、本発明は、吸引力緩和巻線にてこの電磁吸引力を効果的に緩和する。
例えば、電力線に流れる電流が600Aの場合、一対の断面半円弧状片からなる磁性部材(内径:100mm、外径:140mm、厚さ:80mm、比透磁率:μr=1600)において、半円弧状片間のギャップが0.1mmのときに生じる電磁吸引力は、以下のように求められる。磁性部材の磁路長:l、断面積:S、巻数:N(=1)、透磁率:μ、ギャップ:l'とし、電流:I、真空透磁率:μ0(=4π×10-7)とすると(μ=μ0×μr)、この磁気回路の合成磁気抵抗Rmは、
Rm=(l/μS)+(2l'/μ0S)+(l/μS)=(1/μ0S)×{(2l/μr)+2l'}
となり、磁束φは、起磁力Fm=NIを用いて、
φ=(Fm/Rm)=(μ0SNI)/{(2l/μr)+2l'}
となり、磁束密度Bは、
B=(φ/S)=(μ0NI)/{(2l/μr)+2l'}
となる。
ここで、一般に、磁性部材の表面(複数の分割片から構成される場合、分割片同士が向かい合う面)に働く力F0は、F0=(B2S)/(2μ0)と表わされる。いま、磁性部材を構成する一対の半円弧状片において、半円弧状片同士が向かい合う面に働く力Fは、ギャップが2ヶ所あるからF=2F0と表わされる。従って、
F=2F0=(B2S)/μ0=(S/μ0)×[(μ0NI)/{(2l/μr)+2l'}]2
0S×[(NI)/{(2l/μr)+2l'}]2≒3814(N)
となる。
上記のように電力線に流れる電流が数十A〜数百A級の大電流である場合、磁性部材を構成する各分割片間には、一定のギャップとなると、非常に大きな互いに引き合う力(電磁吸引力)が働く。そこで、活線状態にある電力線に磁性部材を取り付ける際や取り外す際に生じるこの電磁吸引力を緩和するべく、上記吸引力緩和巻線を利用する。従って、この吸引力緩和巻線は、電流が流れる電力線に磁性部材を取り付ける際及び取り外す際に磁性部材に配置されていればよい。そこで、この吸引力緩和巻線には、この巻線を磁性部材に取り付けることができるように、かつこの巻線を磁性部材から取り外すことができるように、コネクタ部を設けておく。コネクタ部は、吸引力緩和巻線の一部として誘導電流を流すことができるように銅、銅合金などの導電性材料にて形成してもよいし、導電性材料からなる導電部を設けてもよい。なお、吸引力緩和巻線の断面積、巻数、長さなどは、電力線に流れる電流の大きさや、電力線の大きさなどに応じて適宜選択するとよい。従って、1ターンの巻線としてもよいし、複数ターン巻線としてもよい。複数ターンとする場合、コネクタ部を複数設けておくとよい。
上記構成を具える本発明誘導結合器を電流(特に電力供給用電流)が流れる電力線に取り付けるには、まず、磁性部材に吸引力緩和巻線を巻き付けて配置しておき、吸引力緩和巻線を取り付けた状態で、分割片を組み合わせて磁性部材を電力線の外周に配置するとよい。そして、磁性部材を電力線に装着するために分割片間を狭めていく際、吸引力緩和巻線には、電力線に流れる電流、特に、電力供給用電流といった大電流による磁界を打ち消す方向の誘導電流が流れる。そのため、分割片間が一定のギャップとなっても、上記電力線に流れる電流による磁界によって各分割片間に生じる電磁吸引力を低減することができる。従って、分割片間が急激に閉じることを効果的に防止することができ、磁性部材を簡単にかつ安全に電力線に装着することができる。このような本発明誘導結合器は、電力線に高周波の通信信号(信号電流)を重畳して高速通信を行う電力線搬送通信において通信信号の注入/抽出手段として利用することが適する。このとき、電力線に磁性部材を配置した後、吸引力緩和巻線を磁性部材に取り付けた状態にしておくと、吸引力緩和巻線のインダクタンスや表皮効果によっては、電力線に伝送される信号電流により磁性部材に印加された磁界を打ち消す方向の誘導電流が吸引力緩和巻線に流れて、通信性能を低下させる恐れがある。そこで、本発明では、通信性能の低下を防止するべく、電力線に磁性部材を配置した後、磁性部材から吸引力緩和巻線を取り外す。
電力線に流れる電流が大電流であると、この大電流により、吸引力緩和巻線に誘導される誘導電流も大きくなるため、磁性部材から吸引力緩和巻線を取り外すべくコネクタ部を開く際、火花が飛ぶ恐れがある。そこで、吸引力緩和巻線には、可変抵抗を具えておき、吸引力緩和巻線を磁性部材から取り外す際、可変抵抗の抵抗値を変化させて取り外すと、安全である。具体的には、可変抵抗の抵抗値を徐々に大きくしていって誘導電流を小さくしてから取り外すよい。
本発明誘導結合器では、磁性部材を電力線に配置させた後、磁性部材には吸引力緩和巻線が巻き付けられていない状態である。また、キャンセル巻線を具えていない従来の誘導結合器も同様に吸引力緩和巻線を具えていない状態で電力線に配置されている。このような状態から、これら誘導結合器を活線状態にある電力線から取り外すには、まず、磁性部材に吸引力緩和巻線を巻き付けて配置しておく。そして、吸引力緩和巻線を取り付けた後、分割片間を開いて磁性部材を電力線から取り外す。磁性部材に吸引力緩和巻線を配置すると、吸引力緩和巻線には、上記取り付ける場合と同様に、電力線に流れる電流による磁界を打ち消す方向の誘導電流が流れる。そのため、磁性部材を取り外すべく分割片間を開いていく際、上記電力線に流れる電流による磁界によって各分割片間に働く電磁吸引力が低減される。従って、分割片間を簡単に開くことができる。
上記吸引力緩和巻線は、磁性部材を電力線に取り付ける際及び取り外す際に使用するものである。そのため、本発明誘導結合器において磁性部材には、電力線に通信信号を注入する/電力線から通信信号を抽出するための信号用巻線を別途巻き付けておく。信号用巻線は、信号電流を流すことが可能な導体部を有するものであればよく、上記吸引力緩和巻線と同様に被覆付電線、エナメル線、裸線、銅板などを利用することができる。信号用巻線の断面積、巻数、長さなどは、信号電流の大きさや、電力線の大きさなどに応じて適宜選択するとよい。
本発明誘導結合器の取り付け方法、及び本発明誘導結合器の取り外し方法は、上記本発明電力線搬送通信用誘導結合器を含めて、キャンセル巻線を具えていない誘導結合器に対して適用することができる。このとき、磁性部材に取り外し可能なループ状の巻線を利用する。この巻線は、上記吸引力緩和巻線と同様の構成を有するものを用いるとよい。また、本発明誘導結合器の取り付け方法、及び本発明誘導結合器の取り外し方法は、特に大電流となる電力供給用電流が流れている電力線に対して適用することができる。このとき、電力線には、信号電流が流れていても流れていなくてもいずれでもよい。
上記構成を具える本発明電力線搬送通信用誘導結合器は、電流が流れている電力線に簡単にかつ安全に取り付けることができるという優れた効果を奏し得る。そのため、本発明誘導結合器を電力線に配置するために停電する必要がない。
また、本発明誘導結合器の取り付け方法、及び本発明誘導結合器の取り外し方法は、キャンセル巻線を具えていない誘導結合器であっても、活線状態にある電力線に簡単にかつ安全に誘導結合器を取り付けたり、取り外したりすることができ、誘導結合器の着脱作業のために停電する必要がない。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1(A)は、本発明電力線搬送通信用誘導結合器の概略構成図、(B)は、同誘導結合器において信号用巻線を具えた状態を示す概略構成図である。この電力線搬送通信用誘導結合器1は、電力線300に非接触で通信信号(信号電流)の注入/抽出を行うものであり、電力線300の外周に配置される環状の磁性部材2と、磁性部材2に巻き付けられて配置されて、通信信号の注入/抽出を行う信号用巻線4とを具える。そして、本発明の特徴とするところは、図1(A)に示すように信号用巻線4とは別の吸引力緩和巻線3を具えるところにある。以下、詳しく説明する。
(磁性部材)
本例において磁性部材2は、強磁性体であるフェライトコアを用い、一対の断面半円弧状片2a、2bを組み合わせて断面円形状となる構成とした。両半円弧状片2a、2bは、一端をヒンジ2dにより連結させており、他端に止金具2cを配置している。この止金具2cを開けることで、図1(A)の破線に示すように半円弧状片2a、2b間を開くことができる。この構成により、電力線300の外周に磁性部材2を簡単に配置することができる。
(信号用巻線)
信号用巻線4は、端子4aに信号装置(図示せず)が接続されて、電力線300に流れる信号電流を抽出(受信)したり、信号装置からの信号電流を電力線300に注入(送信)したりするものである。本例では、一般的に用いられている被覆付電線を用い、二ターン巻きとした。電力線300に信号電流が流れると、この信号電流により磁性部材2に磁界が生じて印加され、この磁界と磁性部材2の透磁率とに応じて、信号用巻線4に上記信号電流と同じ周波数の誘導電流が流れる。このとき、信号用巻線4により信号電流が抽出される。また、信号装置(図示せず)から信号電流を信号用巻線4に流すことで、この信号電流により磁性部材2に磁界が生じて印加され、この磁界と磁性部材2の透磁率とに応じて、電力線300に信号電流と同じ周波数の誘導電流が流れる。このとき、信号用巻線4により電力線300に信号電流が注入される。
(吸引力緩和巻線)
電力線300に電流、特に、電力供給用電流が流れている際に磁性部材2を電力線300に装着するべく、半円弧状片2a、2bを閉じる際、両片2a、2b間のギャップが一定の大きさになると、電力供給用電流などの電流による誘導により、両片2a、2b間に電磁吸引力が生じる。そして、電流が数十A〜数百A程度といった大電流の場合、この電磁吸引力は非常に大きく、半円弧状片2a、2b間を急激に閉じようとする。また、電力供給用電流などの電流が流れている際に磁性部材2を電力線300から取り外すべく、半円弧状片2a、2bを開く際、上記電磁吸引力が大きくて簡単に開けられない恐れがある。電流が流れている電力線に磁性部材2を着脱する際に生じるこのような不具合を解消するべく、本発明では、同電流の誘導により生じた電磁吸引力を緩和する誘導電流を流す。この誘導電流を流す部材として、誘導結合器1には、吸引力緩和巻線3を具える。本例において吸引力緩和巻線3は、一般的に用いられている被覆付電線を用い、一ターン巻きとした。
また、吸引力緩和巻線3は、磁性部材2に対して取り外しが行えるようにコネクタ部3aを具える。このコネクタ部3aを開くことで、吸引力緩和巻線3は開放されて、磁性部材2に挿通配置可能となり、コネクタ部3aを閉じることで、巻線3は閉ループをつくる。本例においてコネクタ部3aは、導電性材料である銅にて形成した。
<取り付け方法>
次に、上記構成を具える本発明誘導結合器1を活線状態にある電力線300に装着する手順を説明する。まず、磁性部材2の止金具2cを開き、コネクタ部3aを閉じてループ状となっている吸引力緩和巻線3を磁性部材2に挿通配置する。このとき、磁性部材2に対して、吸引力緩和巻線3は巻き付けられた状態で配置される。この状態のまま、磁性部材2の内周側で電力線300を囲むように磁性部材2を電力線300の外周に配置するべく、半円弧状片2a、2b間を狭めて磁性部材2を閉じていく。このとき、吸引力緩和巻線3には、電力線に流れる電流による磁界によって両片2a、2b間に生じる互いに引き合う力(電磁吸引力)を緩和するような誘導電流が流れる。従って、半円弧状片2a、2b間が急激に閉じることがなく、安全に閉じることができる。磁性部材2を完全に閉じたら、止金具2cで閉状態に固定する。
磁性部材2を電力線300に配置した後、電力線300に伝送される信号電流がつくる磁界を打ち消さないように、吸引力緩和巻線3を取り外す。取り外しは、コネクタ部3aを開き、磁性部材2から引き抜くことで、簡単に行うことができる。なお、活線状態であるとは、電力線300に少なくとも電力供給用電流が流れている状態とし、信号電流も流れていてもよいし、流れていなくてもよい。後述する取り外し方法についても同様である。
<取り外し方法>
次に、本発明電力線搬送通信用誘導結合器1を活線状態にある電力線300から取り外す手順を説明する。誘導結合器1は、電力線300から取り外す前の状態において、図1(B)に示すように磁性部材2及び信号用巻線4のみを具える状態である。この状態から、まず、吸引力緩和巻線3のコネクタ部3aを開き、電力線300の外周に配置されている磁性部材2に挿通配置する。このとき、磁性部材2に対して、吸引力緩和巻線3は巻き付けられた状態で配置される。この状態のまま、磁性部材2の止金具2cを開いて、半円弧状片2a、2b間を広げて磁性部材2を開いていく。このとき、吸引力緩和巻線3には、電力線に流れる電流による磁界によって両片2a、2b間に互いに引き合う力(電磁吸引力)を緩和するような誘導電流が流れる。従って、半円弧状片2a、2b間を簡単に開くことができる。
このように本発明電力線搬送通信用誘導結合器は、送電を止めることなく、電流、特に、電力供給用電流が流れている電力線に対して、簡単にかつ安全に取り付け、取り外しを行うことができる。
次に、吸引力緩和巻線に可変抵抗を具える例について説明する。図2は、可変抵抗を具える本発明結合誘導器の概略構成図である。図2において、図1と同一符号は、同一物を示す。この電力線搬送通信用誘導結合器10は、基本的構成は実施例1に示す誘導結合器1と同様であり、異なる点は、吸引力緩和巻線11に可変抵抗12を具える点にある。この点以外は実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
この可変抵抗12は、磁性部材2を誘導結合器10に取り付ける際、吸引力緩和巻線11を磁性部材2から取り外すときに利用する。磁性部材2を電力線300に配置した後、吸引力緩和巻線11を取り外す際、電力線300に流れる電流、特に大電流の電力供給用電流が流れている場合、吸引力緩和巻線11に流れる誘導電流は、上記電力供給用電流と同等の電流となる。このような大電流が流れている状態で吸引力緩和巻線11のコネクタ部3aを開くと、火花が飛ぶ恐れがある。そこで、コネクタ部3aを開く前に、可変抵抗12にて抵抗値を徐々に大きくしていって誘導電流を小さくしていき、誘導電流が十分小さくなってから、コネクタ部3aを開いて、吸引力緩和巻線11を取り外すとよい。このように可変抵抗12を具えることで、より安全に吸引力緩和巻線の取り外しを行うことができる。
本発明電力線搬送通信用誘導結合器は、電力線に非接触で信号電流を注入/抽出する際に利用することが好適である。特に、本発明誘導結合器は、活線の電力線に簡単に、かつ安全に配置することができる。また、本発明誘導結合器の取り付け方法、及び本発明誘導結合器の取り外し方法は、電力線に非接触で信号電流を注入/抽出する誘導結合器を活線の電力線に配置する際に利用することが好適である。このとき、簡単にかつ安全に行うことができる。
(A)は、本発明電力線搬送通信用誘導結合器の概略構成図、(B)は、本発明電力線搬送通信用誘導結合器において信号用巻線を具えた状態を示す概略構成図である。 可変抵抗を具える本発明結合誘導器の概略構成図である。 従来の誘導結合器の構成を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1,10 電力線搬送通信用誘導結合器 2 磁性部材 2a,2b 半円弧状片
2c 止金具 2d ヒンジ 3,11 吸引力緩和巻線 3a コネクタ部
4 信号用巻線 4a 端子 12 可変抵抗
100 誘導結合器 101 フェライトコア 102 信号用巻線 300 電力線

Claims (5)

  1. 複数の分割片を組み合わせて環状に構成される磁性部材と、
    前記磁性部材に巻き付けられる巻線とを具え、
    前記巻線は、この巻線を磁性部材から取り外し可能なコネクタ部を有することを特徴とする電力線搬送通信用誘導結合器。
  2. 更に、巻線は、可変抵抗を具えることを特徴とする請求項1に記載の電力線搬送通信用誘導結合器。
  3. 複数の分割片を組み合わせて環状に構成される磁性部材を具える電力線搬送通信用の誘導結合器を活線の電力線に取り付ける誘導結合器の取り付け方法であって、
    前記磁性部材に対して取り外し可能な巻線を磁性部材に巻き付けて取り付け、電力線に流れる電流の誘導により各分割片間に生じる電磁吸引力を緩和する誘導電流を巻線に流した状態で、分割片を組み合わせて磁性部材を電力線の外周に装着し、
    磁性部材を装着した後、磁性部材から前記巻線を取り外すことを特徴とする誘導結合器の取り付け方法。
  4. 更に、巻線は、可変抵抗を具えており、
    巻線を磁性部材から取り外す際、可変抵抗の抵抗値を変化させて取り外すことを特徴とする請求項3に記載の誘導結合器の取り付け方法。
  5. 複数の分割片を組み合わせて環状に構成される磁性部材を具える電力線搬送通信用の誘導結合器を活線の電力線から取り外す誘導結合器の取り外し方法であって、
    前記磁性部材は、電力線の外周に装着されており、
    前記磁性部材に対して取り外し可能な巻線を磁性部材に巻き付けて取り付け、電力線に流れる電流の誘導により各分割片間に生じる電磁吸引力を緩和する誘導電流を巻線に流した状態で、分割片間を開いて磁性部材を電力線から取り外すことを特徴とする誘導結合器の取り外し方法。
JP2004192138A 2004-06-29 2004-06-29 電力線搬送通信用誘導結合器 Pending JP2006013394A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004192138A JP2006013394A (ja) 2004-06-29 2004-06-29 電力線搬送通信用誘導結合器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004192138A JP2006013394A (ja) 2004-06-29 2004-06-29 電力線搬送通信用誘導結合器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006013394A true JP2006013394A (ja) 2006-01-12

Family

ID=35780232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004192138A Pending JP2006013394A (ja) 2004-06-29 2004-06-29 電力線搬送通信用誘導結合器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006013394A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102005292A (zh) * 2010-10-18 2011-04-06 北京瑞奇恩电器设备有限公司 一种可防锈的开启式电流互感器
JP2011228394A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Fuji Electric Co Ltd コモンモードトランス
CN111712990A (zh) * 2018-02-12 2020-09-25 达信(香港)有限公司 电力传输设备和方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011228394A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Fuji Electric Co Ltd コモンモードトランス
CN102005292A (zh) * 2010-10-18 2011-04-06 北京瑞奇恩电器设备有限公司 一种可防锈的开启式电流互感器
CN111712990A (zh) * 2018-02-12 2020-09-25 达信(香港)有限公司 电力传输设备和方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7158003B2 (en) Construction of medium voltage power line data couplers
EP1258892A3 (en) Electromagnetic connecting device for high voltage and large current
JP2005525021A5 (ja)
HK1045608B (zh) 用於電動機裝置的電樞
EP1037219A3 (en) Linear actuator
CN102893362B (zh) 极快瞬变抑制装置
JP2012015515A (ja) 電流調節法、特に障害電流制限器での電流調節法
EP2068330A3 (en) Inductive device including permanent magnet and associated methods
JP2006013394A (ja) 電力線搬送通信用誘導結合器
US20020039062A1 (en) Airgapped magnetic component
EP1895550A1 (en) A device for suppressing high frequency current or/and voltage components
JP2003318031A (ja) ノイズフィルタ
TWM361697U (en) Inductor and core thereof
CN104684232A (zh) 一种等离子体约束装置
WO2007027250A8 (en) Inductive coupler for power line communications, having a member for maintaining an electrical connection
CN209232576U (zh) 应用于电磁漏电断路器的外覆绝缘漆的互感器
WO2016086873A1 (zh) 同轴结构高效能超高频电子变压器
JP2006279214A (ja) 信号注入・抽出装置
JP3801166B2 (ja) 電力線搬送通信システム
JPH0291904A (ja) ノイズ防止用複合チョークコイル
US4329668A (en) Leakage current circuit breaker responsive to direct-current leakage currents of both polarities
WO2024145178A3 (en) Current transformer assemblies
WO2002073640A3 (en) Electromagnetic actuator for intrinsically safe devices
RU222994U1 (ru) Помехоподавляющий кабель питания
KR200302681Y1 (ko) 전자기연속주조시스템코일의자기장차폐장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20070207

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090924

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091006

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100216