〔実施の形態1〕
図1は、本発明の一実施の形態に係る方向検知デバイス100の構成を示すブロック図である。図1に示す方向検知デバイス100は、被検知対象物106の2軸に関する移動方向を検知するものである。被検知対象物106としては、人の手等が挙げられるが、後述する検知信号を反射させることが可能な物体であれば、具体的なものについて特に限定されない。また、図示の便宜上、被検知対象物106は、方向検知デバイス100のセンサー部100sと、後述するY軸方向に並ぶように図示しているが、実際は、センサー部100sと対向するような位置となる。後述する各実施の形態に係る方向検知デバイスを示す図面(図4および図6)においても同様である。
なお、各実施の形態において、被検知対象物106の移動方向を検知する際の上記2軸は、互いに直交する、X軸およびY軸の2つとしている。X軸は、各実施の形態に係る方向検知デバイスを示す図面(図1、図4、および、図6)における、紙面左右方向に伸びる軸であり、特に相対的に、紙面右側をプラス方向(+)、紙面左側をマイナス方向(−)と称している。Y軸は、同図面(図1、図4、および、図6)における、紙面上下方向に伸びる軸であり、特に相対的に、紙面上側をプラス方向(+)、紙面下側をマイナス方向(−)と称している。
図1に示す方向検知デバイス100は、センサー部100s、センサー部100sを制御する制御装置(制御部)101、制御装置101から出力された判定信号A〜Cを用いた論理演算を行う論理積回路(演算回路)102、および、制御装置101から出力された判定信号A〜C、ならびに、論理積回路102から出力された判定信号Dが入力される判定装置(検知部)103を備えて構成されたものである。ここで、方向検知デバイス100は、判定装置103に対する、外部からのアクセス手段としての外部接続端子100oを有しており、判定装置103は、この外部接続端子100oに接続された、図示しない外部機器から与えられた命令に応じて、自装置の動作内容を適宜変更する動作変更部113を備えている。
図1に示すとおり、センサー部100sは、3つの受光部(信号受信部、第1〜第3入力部)105A〜105C、および、1つの発光部(信号出力部)105Dという、総計4つの入力部および出力部によって構成されている。受光部105A〜105Cの各々としては、フォトダイオード等の周知の受光素子が、発光部105Dとしては、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の周知の発光素子が、それぞれ利用可能である。なお、センサー部100sは、受光部105A〜105Cおよび発光部105Dの他、受光部105A〜105Cによる受光から得られた信号を増幅するための、図示しない増幅器等を備えていてもよい。
受光部105A〜105Cは、その全てが同一直線上に位置しないように配置されている。つまり、受光部105A〜105Cは、それぞれが三角形の各頂点となるように配置されており、これにより、各受光部105A〜105Cを頂点とする三角形を形成するように配置されている。加えて、受光部105A〜105Cの配置関係は、受光部105Aおよび受光部105Bを結んだ線分と、受光部105Bおよび受光部105Cを結んだ線分と、によって挟まれた角が直角である、直角三角形を形成するような配置となっている。
ここで、上記直角三角形における、互いに直交する2辺のうち一方である、受光部105Aおよび受光部105Bを結んだ線分は、X軸と平行となっている。また同様に、同直角三角形における、互いに直交する2辺のうち他方である、受光部105Bおよび受光部105Cを結んだ線分は、Y軸と平行となっている。
このとおり、上記直角三角形における、互いに直交する2辺はそれぞれ、被検知対象物106の移動方向を検知する際の、上記2軸の各々と、1対1に対応するように平行であるのが好ましい。直交の関係にある該2辺の各々を、該2軸の各々と対応させることにより、被検知対象物106の移動方向を、X軸およびY軸からなる直交座標として検知することが可能であるため、方向検知デバイス100としては、検知原理の簡素化を図ることができる。
また、受光部105Aと発光部105Dとの間隔、受光部105Bと発光部105Dとの間隔、および、受光部105Cと発光部105Dとの間隔は、全て同じ寸法とされている。これにより、各受光部105A〜105Cに入力される、後述する反射後検知信号(反射信号)のレベルの均一化を図ることが可能となるため、判定信号A〜Cの有無の判断が容易となり、検知をより正確に行うことができる。
制御装置101は、発光駆動制御回路110を備えている。発光駆動制御回路110は、センサー部100sの発光部105Dを駆動するための制御信号を生成し、センサー部100sに対して供給する。この制御信号は、発光部105Dを発光させるか否かを示す情報に加え、どのようなタイミングにて発光部105Dを発光させるのかを示す情報を含んでいる。
発光部105Dは、発光駆動制御回路110からセンサー部100sに対して供給された上記制御信号に応じて発光することにより、検知信号を光信号として出射(出力)する。発光部105Dが出射する検知信号は、信号としての出力があるのか否かが、明確かつ容易に区別することができる信号であれば十分であり、各実施の形態では、一例として、2値論理におけるハイレベル(高レベル)およびローレベル(低レベル)が、それぞれ、検知信号としての信号出力の有無に対応付けられた、一般的なデジタル信号を用いている。
発光部105Dから出射された検知信号は、被検知対象物106にて反射された後、反射後検知信号(反射信号)として、受光部105A〜105Cの各々に対して入射(入力)され、各受光部105A〜105Cにより受光される。
受光部105A〜105Cはそれぞれ、光電変換により、受光した上記反射後検知信号を、光信号から電気信号へと変換した後、必要に応じて各電気信号を増幅し、制御装置101に対して出力する。ここでは、受光部105Aから出力された該電気信号を出力(1つの出力信号)Aと、受光部105Bから出力された該電気信号を出力(1つの出力信号)Bと、受光部105Cから出力された該電気信号を出力(1つの出力信号)Cと、それぞれ称している。但し、各実施の形態に係る方向検知デバイスを示す図面(図1および図4)では、図示の便宜上、これらの出力(3つの異なる出力信号)A〜Cを、いずれもセンサー部100sから出力される信号として図示している。
制御装置101は、IV(電流−電圧)変換回路111をさらに備えている。各受光部105A〜105Cから制御装置101に対して供給された電気信号、すなわち、上記の出力A〜Cは、いずれも電流信号である。IV変換回路111は、出力A〜Cの各々を、電流信号から電圧信号へと変換する。電圧信号へと変換された後の出力A〜Cは、それぞれ、判定信号A〜Cとして、制御装置101から出力される。
なお、判定信号Aは、本発明に係る第1判定信号に、判定信号Bは、本発明に係る第2判定信号に、判定信号Cは、本発明に係る第3判定信号に、それぞれ対応する。
また、制御装置101は、IV変換回路111の出力値を判断することにより、出力A〜Cの各々の出力強度を判定する強度判定回路(入力強度信号生成部)112を備えている。強度判定回路112の出力は、各受光部105A〜105Cが受光した反射後検知信号のレベルを示す入力強度信号として、判定装置103に対して出力される。
制御装置101から出力された判定信号A〜Cは、論理積回路102および判定装置103に対して供給される。
本発明に係る演算回路は、判定信号A〜Cが負論理の信号である場合に周知の論理積回路が、判定信号A〜Cが正論理の信号である場合に周知の論理和回路が、それぞれ使用される。図1に示す方向検知デバイス100は、判定信号A〜Cが負論理の信号となる。従って、該演算回路は、論理積回路102を使用している。
論理積回路102は、負論理の信号である判定信号A〜Cの論理積を演算し、演算結果を判定信号Dとして出力する。なお、判定信号Dは、本発明に係る第4判定信号に対応する信号であり、判定装置103に対して供給される。
判定装置103に対しては、判定信号A〜Cがそれぞれ入力端子103A〜103Cから入力され、判定信号Dがインタラプト端子103Iから入力される。
判定装置103は、判定信号A〜Dに基づいて、被検知対象物106が、X軸方向とY軸方向とのいずれの方向から移動してきたのかを判定する。
図2(a)〜(d)は、図1に係る判定装置103が、判定信号A〜Dに基づく上記判定を行う要領を説明するタイミングチャートである。具体的に、図2(a)はX軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動する場合を、図2(b)はX軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動する場合を、図2(c)はY軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動する場合を、図2(d)はY軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動する場合を、それぞれ示している。
図2(a)を参照すると、X軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動する場合、方向検知デバイス100では、最初に受光部105Bおよび受光部105Cが、ローレベル(2値論理における低レベル)の反射後検知信号を得ることで、被検知対象物106を検知する。このとき、出力A〜Cは、出力BおよびCがハイレベル(2値論理における高レベル)からローレベルへと変化し、続いて、判定信号BおよびCがハイレベルからローレベルへと変化する。さらに、ローレベルの判定信号BおよびCが論理積回路102に対して入力されると、論理積回路102から出力される判定信号Dは、ハイレベルからローレベルへと変化する。
判定装置103は、インタラプト端子103Iに対して入力される判定信号Dが、ハイレベルからローレベルへと変化したことを検知(インタラプト)すると、この検知から時間(所定期間)t経過した後に、入力端子103A〜103Cの各々に対して入力される判定信号A〜Cの論理を判定する。この論理の判定の結果、判定信号Aがハイレベルであり、かつ、判定信号BおよびCがローレベルであれば、判定装置103は、X軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動したと判定し、この判定の結果を、被検知対象物106の移動方向の検知結果として、検知結果出力端子100pから出力する。
図2(b)を参照すると、X軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動する場合、方向検知デバイス100では、最初に受光部105Aが、ローレベルの反射後検知信号を得ることで、被検知対象物106を検知する。このとき、出力A〜Cは、出力Aがハイレベルからローレベルへと変化し、続いて、判定信号Aがハイレベルからローレベルへと変化する。さらに、ローレベルの判定信号Aが論理積回路102に対して入力されると、論理積回路102から出力される判定信号Dは、ハイレベルからローレベルへと変化する。
判定装置103は、インタラプト端子103Iに対して入力される判定信号Dが、ハイレベルからローレベルへと変化したことを検知(インタラプト)すると、この検知から時間(所定期間)t経過した後に、入力端子103A〜103Cの各々に対して入力される判定信号A〜Cの論理を判定する。この論理の判定の結果、判定信号Aがローレベルであり、かつ、判定信号BおよびCがハイレベルであれば、判定装置103は、X軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動したと判定し、この判定の結果を、被検知対象物106の移動方向の検知結果として、検知結果出力端子100pから出力する。
図2(c)を参照すると、Y軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動する場合、方向検知デバイス100では、最初に受光部105Aおよび受光部105Bが、ローレベルの反射後検知信号を得ることで、被検知対象物106を検知する。このとき、出力A〜Cは、出力AおよびBがハイレベルからローレベルへと変化し、続いて、判定信号AおよびBがハイレベルからローレベルへと変化する。さらに、ローレベルの判定信号AおよびBが論理積回路102に対して入力されると、論理積回路102から出力される判定信号Dは、ハイレベルからローレベルへと変化する。
判定装置103は、インタラプト端子103Iに対して入力される判定信号Dが、ハイレベルからローレベルへと変化したことを検知(インタラプト)すると、この検知から時間(所定期間)t経過した後に、入力端子103A〜103Cの各々に対して入力される判定信号A〜Cの論理を判定する。この論理の判定の結果、判定信号AおよびBがローレベルであり、かつ、判定信号Cがハイレベルであれば、判定装置103は、Y軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動したと判定し、この判定の結果を、被検知対象物106の移動方向の検知結果として、検知結果出力端子100pから出力する。
図2(d)を参照すると、Y軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動する場合、方向検知デバイス100では、最初に受光部105Cが、ローレベルの反射後検知信号を得ることで、被検知対象物106を検知する。このとき、出力A〜Cは、出力Cがハイレベルからローレベルへと変化し、続いて、判定信号Cがハイレベルからローレベルへと変化する。さらに、ローレベルの判定信号Cが論理積回路102に対して入力されると、論理積回路102から出力される判定信号Dは、ハイレベルからローレベルへと変化する。
判定装置103は、インタラプト端子103Iに対して入力される判定信号Dが、ハイレベルからローレベルへと変化したことを検知(インタラプト)すると、この検知から時間(所定期間)t経過した後に、入力端子103A〜103Cの各々に対して入力される判定信号A〜Cの論理を判定する。この論理の判定の結果、判定信号AおよびBがハイレベルであり、かつ、判定信号Cがローレベルであれば、判定装置103は、Y軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動したと判定し、この判定の結果を、被検知対象物106の移動方向の検知結果として、検知結果出力端子100pから出力する。
以上の、図2(a)〜(d)を参照した検知動作を、被検知対象物106の移動に応じて行うことにより、方向検知デバイス100は、被検知対象物106の2軸に関する移動方向を検知することができる。
また、判定装置103の動作変更部113は、判定信号Dのレベルが変化(図2(a)〜(d)では、判定信号Dがハイレベルからローレベルへと変化)してから、入力端子103A〜103Cの各々に対して入力される判定信号A〜Cの論理を判定するまでの時間tを、外部機器から与えられる命令に従って変更することができる。時間tの変更は、被検知対象物106の移動速度を考慮した上で、被検知対象物106の移動方向を検知する場合において有効である。
図3は、被検知対象物106の移動速度が、速い場合と遅い場合とにおける、判定信号A同士を比較したタイミングチャートである。
図3に示したタイミングチャートは、X軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動する場合の説明であるとするので、以下の説明においては、図2(a)に示したタイミングチャートをさらに参照する。また、説明の便宜上、同タイミングチャートには、被検知対象物106の移動速度が、速い場合と遅い場合とで同じ波形である判定信号B〜Dを併せて示している。
図2(a)に示すタイミングチャートにおいて、判定信号Aは、受光部105Aの上に被検知対象物106がない間、換言すれば、被検知対象物106の移動中においてはハイレベルに維持されているが、被検知対象物106の移動が完了し、受光部105Aの上に被検知対象物106があるようになると、判定信号BおよびCと同様に、ハイレベルからローレベルへと変化することになる。
ここで、被検知対象物106の移動速度が速い場合、判定信号Dがハイレベルからローレベルへと変化してから、判定信号Aがハイレベルからローレベルへと変化するまでの時間は、被検知対象物106の移動速度が遅い場合と比較して短くなる。入力端子103A〜103Cの各々に対して入力される判定信号A〜Cの論理の判定は、判定信号Aがハイレベルからローレベルへと変化する前に行われる必要があるため、上記の時間tは、被検知対象物106の移動速度が速くなるほどに、短く設定する必要がある。
図3に示すタイミングチャートにおいて、被検知対象物106の移動速度が速い場合、上記の時間tを、相対的に長時間であるtbに設定すると、判定信号A〜Cの論理の判定時には、判定信号Aが既にローレベルへと変化してしまっているため、X軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動した、という判断ができない。
従って、図3に示すタイミングチャートにおいて、被検知対象物106の移動速度が速い場合、上記の時間tは、tbよりも短い時間であり、かつ、判定信号Aがハイレベルに維持されている期間に該当するtaに設定する必要がある。つまり、この例の場合、受光部105Bおよび105Cが、ほぼ同時期に被検知対象物106を検知した後、受光部105Aの上を被検知対象物106が通過する前に、判定装置103は、判定信号A〜Cの論理を判定する必要がある。
そして、判定装置103は、このtbからtaへの変更に代表される、上記の時間tの変更を、外部機器から与えられる命令に従って、例えば備えられた動作変更部113が変更可能であるのが好ましい。
なお、上記の時間tを短くするということは、判定装置103に対して高速な処理を要求することとなる。一方、被検知対象物106の移動速度が遅い場合には、上記の時間tは短くする必要なく、判定装置103に対して高速な処理を要求する必要がない。被検知対象物106の移動速度に合わせて、時間tを変更できる方向検知デバイス100は、様々な移動速度を持った被検知対象物106に対して、2軸に関する移動方向を検知することが可能となる。
さらに、制御装置101の強度判定回路112から出力された入力強度信号は、判定装置103の入力端子103Jに対して入力されるが、判定装置103は、入力強度信号に含まれた、各受光部105A〜105Cが受光した反射後検知信号のレベルを示す情報に応じて、方向検知デバイス100から被検知対象物106までの距離を検知する距離検知部114を備えているのが好ましい。
すなわち、方向検知デバイス100から被検知対象物106までの距離以外の条件が同じである場合、方向検知デバイス100から被検知対象物106が近い場合は、各受光部105A〜105Cが受光した反射後検知信号のレベルが大きく、方向検知デバイス100から被検知対象物106までの距離が遠いと、同レベルが小さくなることは、明らかである。そこで、距離検知部114は、入力強度信号から、各受光部105A〜105Cが受光した反射後検知信号のレベルの大小を検出することにより、方向検知デバイス100から被検知対象物106までの距離を容易に検知することができる。
2軸に関する移動方向の検知と、方向検知デバイス100から被検知対象物106までの距離を判断することで、方向検知デバイス100は、違う命令を電子機器に対して与えることができる。例えば、近くで下から上に手を動かしたら、音量を2段階上げる。遠くで下から上に手を動かしたら音量を1段階だけ上げる使い方が可能となる。
〔実施の形態2〕
図4は、本発明の別の実施の形態に係る方向検知デバイス150の構成を示すブロック図である。図4に示す方向検知デバイス150は、以下に説明する点が、図1に示す方向検知デバイス100と異なっている。
図1に示す方向検知デバイス100は、判定信号A〜Cが負論理であった。一方、図4に示す方向検知デバイス150は、判定信号A〜Cが正論理である。
図1に示す方向検知デバイス100は、判定信号A〜Cが負論理であったため、本発明に係る演算回路として、論理積回路102を使用した。一方、図4に示す方向検知デバイス150は、判定信号A〜Cが正論理であるため、同演算回路として、論理和回路(演算回路)104を使用している。論理和回路104は、正論理の信号である判定信号A〜Cの論理和を演算し、演算結果を判定信号D(第4判定信号)として出力する。
その他、方向検知デバイス150の構成は、方向検知デバイス100と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図5(a)〜(d)は、図4に係る判定装置103が、判定信号A〜Dに基づく上記判定を行う要領を説明するタイミングチャートである。具体的に、図5(a)はX軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動する場合を、図5(b)はX軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動する場合を、図5(c)はY軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動する場合を、図5(d)はY軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動する場合を、それぞれ示している。
図5(a)を参照すると、X軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動する場合、方向検知デバイス150では、最初に受光部105Bおよび受光部105Cが、ハイレベルの反射後検知信号を得ることで、被検知対象物106を検知する。このとき、出力A〜Cは、出力BおよびCがローレベルからハイレベルへと変化し、続いて、判定信号BおよびCがローレベルからハイレベルへと変化する。さらに、ハイレベルの判定信号BおよびCが論理和回路104に対して入力されると、論理和回路104から出力される判定信号Dは、ローレベルからハイレベルへと変化する。
判定装置103は、インタラプト端子103Iに対して入力される判定信号Dが、ローレベルからハイレベルへと変化したことを検知(インタラプト)すると、この検知から時間(所定期間)t経過した後に、入力端子103A〜103Cの各々に対して入力される判定信号A〜Cの論理を判定する。この論理の判定の結果、判定信号Aがローレベルであり、かつ、判定信号BおよびCがハイレベルであれば、判定装置103は、X軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動したと判定し、この判定の結果を、被検知対象物106の移動方向の検知結果として、検知結果出力端子100pから出力する。
図5(b)を参照すると、X軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動する場合、方向検知デバイス150では、最初に受光部105Aが、ハイレベルの反射後検知信号を得ることで、被検知対象物106を検知する。このとき、出力A〜Cは、出力Aがローレベルからハイレベルへと変化し、続いて、判定信号Aがローレベルからハイレベルへと変化する。さらに、ハイレベルの判定信号Aが論理和回路104に対して入力されると、論理和回路104から出力される判定信号Dは、ローレベルからハイレベルへと変化する。
判定装置103は、インタラプト端子103Iに対して入力される判定信号Dが、ローレベルからハイレベルへと変化したことを検知(インタラプト)すると、この検知から時間(所定期間)t経過した後に、入力端子103A〜103Cの各々に対して入力される判定信号A〜Cの論理を判定する。この論理の判定の結果、判定信号Aがハイレベルであり、かつ、判定信号BおよびCがローレベルであれば、判定装置103は、X軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動したと判定し、この判定の結果を、被検知対象物106の移動方向の検知結果として、検知結果出力端子100pから出力する。
図5(c)を参照すると、Y軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動する場合、方向検知デバイス150では、最初に受光部105Aおよび受光部105Bが、ハイレベルの反射後検知信号を得ることで、被検知対象物106を検知する。このとき、出力A〜Cは、出力AおよびBがローレベルからハイレベルへと変化し、続いて、判定信号AおよびBがローレベルからハイレベルへと変化する。さらに、ハイレベルの判定信号AおよびBが論理和回路104に対して入力されると、論理和回路104から出力される判定信号Dは、ローレベルからハイレベルへと変化する。
判定装置103は、インタラプト端子103Iに対して入力される判定信号Dが、ローレベルからハイレベルへと変化したことを検知(インタラプト)すると、この検知から時間(所定期間)t経過した後に、入力端子103A〜103Cの各々に対して入力される判定信号A〜Cの論理を判定する。この論理の判定の結果、判定信号AおよびBがハイレベルであり、かつ、判定信号Cがローレベルであれば、判定装置103は、Y軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動したと判定し、この判定の結果を、被検知対象物106の移動方向の検知結果として、検知結果出力端子100pから出力する。
図5(d)を参照すると、Y軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動する場合、方向検知デバイス150では、最初に受光部105Cが、ハイレベルの反射後検知信号を得ることで、被検知対象物106を検知する。このとき、出力A〜Cは、出力Cがローレベルからハイレベルへと変化し、続いて、判定信号Cがローレベルからハイレベルへと変化する。さらに、ハイレベルの判定信号Cが論理和回路104に対して入力されると、論理和回路104から出力される判定信号Dは、ローレベルからハイレベルへと変化する。
判定装置103は、インタラプト端子103Iに対して入力される判定信号Dが、ローレベルからハイレベルへと変化したことを検知(インタラプト)すると、この検知から時間(所定期間)t経過した後に、入力端子103A〜103Cの各々に対して入力される判定信号A〜Cの論理を判定する。この論理の判定の結果、判定信号AおよびBがローレベルであり、かつ、判定信号Cがハイレベルであれば、判定装置103は、Y軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動したと判定し、この判定の結果を、被検知対象物106の移動方向の検知結果として、検知結果出力端子100pから出力する。
以上の、図5(a)〜(d)を参照した検知動作を、被検知対象物106の移動に応じて行うことにより、方向検知デバイス150は、被検知対象物106の2軸に関する移動方向を検知することができる。
また、方向検知デバイス150では、方向検知デバイス100の場合と同様に、判定装置103の動作変更部113は、判定信号Dのレベルが変化(図5(a)〜(d)では、判定信号Dがローレベルからハイレベルへと変化)してから、入力端子103A〜103Cの各々に対して入力される判定信号A〜Cの論理を判定するまでの時間tを、外部機器から与えられる命令に従って変更することができる。
さらに、方向検知デバイス150では、方向検知デバイス100の場合と同様に、判定装置103は、入力強度信号に含まれた、各受光部105A〜105Cが受光した反射後検知信号のレベルを示す情報に応じて、方向検知デバイス150から被検知対象物106までの距離を検知する距離検知部114を備えているのが好ましい。
〔実施の形態3〕
図6は、本発明のさらに別の実施の形態に係る方向検知デバイス200の構成を示すブロック図である。図6に示す方向検知デバイス200は、先の各実施の形態に係る方向検知デバイス100および150(図1および図4参照)と同様に、被検知対象物106の2軸に関する移動方向を検知するものである。
図6に示す方向検知デバイス200は、センサー部200s、制御装置(制御部)201、および、判定装置(検知部)203を備えて構成されたものである。方向検知デバイス200は、制御装置201に対する、外部からのアクセス手段としての外部接続端子200oを有しており、制御装置201は、この外部接続端子200oに接続された、図示しない外部機器から与えられた命令に応じて、自装置の動作内容を適宜変更することが可能である。
図6に示すとおり、センサー部200sは、3つの発光部(第1〜第3出力部)205A〜205C、および、1つの受光部(入力部)205Dという、総計4つの入力部および出力部によって構成されている。なお、センサー部200sは、発光部205A〜205Cおよび受光部205Dの他、受光部205Dによる受光から得られた信号を増幅するための、図示しない増幅器等を備えていてもよい。
発光部205A〜205Cは、各々発光部105D(図1参照)と同様の構成であるものが利用可能であり、かつ、受光部105A〜105C(図1参照)と同様の配置である。すなわち、発光部205A〜205Cは、各発光部205A〜205Cを頂点とし、かつ、発光部205Aおよび発光部205Bを結んだ線分と、発光部205Bおよび発光部205Cを結んだ線分と、によって挟まれた角が直角である、直角三角形を形成するような配置となっている。同直角三角形における、互いに直交する2辺のうち一方である、発光部205Aおよび発光部205Bを結んだ線分は、X軸と平行となっている。同直角三角形における、互いに直交する2辺のうち他方である、発光部205Bおよび発光部205Cを結んだ線分は、Y軸と平行となっている。直交の関係にある該2辺の各々を、該2軸の各々と対応させることにより、被検知対象物106の移動方向を、X軸およびY軸からなる直交座標として検知することが可能であるため、方向検知デバイス200としては、検知原理の簡素化を図ることができる。
また、受光部205Dは、発光部205Aとの間隔、発光部205Bとの間隔、および、発光部205Cとの間隔のそれぞれが、全て同じ寸法とされた配置であるのが好ましい。
制御装置201は、発光駆動制御回路210を備えている。発光駆動制御回路210は、センサー部200sの各発光部205A〜205Cを駆動するための制御信号(制御信号1)を生成し、センサー部200sに対して供給する。この制御信号(制御信号1)は、各発光部205A〜205Cを発光させるか否かを示す情報に加え、どのようなタイミングにて各発光部205A〜205Cを発光させるのかを示す情報を含んでいる。
発光部205A〜205Cは、発光駆動制御回路210からセンサー部200sに対して供給された上記制御信号(制御信号1)に応じて発光することにより、各々が、検知信号を光信号として出射(出力)する。各発光部205A〜205Cから出射される検知信号の具体的態様については後述する。
各発光部205A〜205Cから出射された検知信号は、被検知対象物106にて反射された後、反射後検知信号(反射信号)として、共通の受光部205Dに対して入射(入力)され、受光部205Dにより受光される。
受光部205Dは、光電変換により、受光した上記反射後検知信号を、光信号から電気信号へと変換した後、必要に応じて該電気信号を増幅し、制御装置201に対して出力する。但し、図6では、図示の便宜上、受光部205Dからの出力を、センサー部200sから出力される信号として図示している。
制御装置201は、IV変換回路211、3つのレジスタ212〜214、および、判定制御回路215を備えている。
受光部205Dから制御装置201に対して供給された電気信号は、電流信号である。IV変換回路211は、受光部205Dからの出力を、電流信号から電圧信号へと変換する。但し、受光部205Dからの出力を電圧信号へと変換しても、受光部205Dからの出力の論理は変更されないので、以下では便宜上、電圧信号への変換後の同出力についても、受光部205Dからの出力と称している。
レジスタ212〜214は、各発光部205A〜205Cの発光タイミングに応じて、それぞれが異なるタイミングにおける、受光部205Dからの出力の論理(レベル)を示す情報を記憶するものである。具体的に、レジスタ212は、発光部205Aの発光タイミングに対応付けられており、発光部205Aによる発光から得られる該情報が記憶される。レジスタ213は、発光部205Bの発光タイミングに対応付けられており、発光部205Bによる発光から得られる該情報が記憶される。レジスタ214は、発光部205Cの発光タイミングに対応付けられており、発光部205Cによる発光から得られる該情報が記憶される。
各発光部205A〜205Cは、発光駆動制御回路210からの制御信号(制御信号1)に応じて、時分割で発光される。ここで、例えば、レジスタ212は、発光部205Aが発光しているタイミングで、受光部205Dの出力がローレベルに変化したら、この変化を示す値をレジスタ212に取り込むような仕組みになっている。レジスタ213および214についても同様の仕組みである。
判定制御回路215は、レジスタ212〜214の全てに対して、上記の各情報が記憶されると、一連のこの記憶動作が完了したことを示す制御信号(制御信号2)を、判定装置203に対して送出する。
判定装置203は、判定制御回路215から送出された制御信号(制御信号2)が入力されると、各レジスタ212〜214に対して記憶された上記の各情報を、それぞれ入力端子203A〜203Cを通じて個別に読み取る。
判定装置203は、読み取った、各レジスタ212〜214に対して記憶された上記の各情報に基づいて、被検知対象物106が、X軸方向とY軸方向とのいずれの方向から移動してきたのかを判定する。
図7は、図6に係る判定装置203が、判定を行う要領を説明するタイミングチャートである。なお、方向検知デバイス200では、受光部205Dからの出力は、負論理であるとする。
図7の、7aには発光部205Aが発光する検知信号のタイミングチャートを、7bには発光部205Bが発光する検知信号のタイミングチャートを、7cには発光部205Cが発光する検知信号のタイミングチャートを、それぞれ示している。7a〜7cのタイミングチャートでは、対応する各発光部205A〜205Cが1回の発光で発光する時間をt200としている。
発光部205Aがt200の時間で1回発光すると、その後、例えばt200の時間を空けて、発光部205Bがt200の時間で1回発光する。発光部205Bがt200の時間で1回発光すると、その後、例えばt200の時間を空けて、発光部205Cがt200の時間で1回発光する。発光部205Cがt200の時間で1回発光すると、その後、例えばt200の時間を空けて、再び、発光部205Aがt200の時間で1回発光する。ここで、各発光部205A〜205Cの1回の発光後毎に空けるべき時間は、t200に限定されることはないが、毎回略同じ時間とする。
以上のように、発光部205A〜205Cは、例えば時間t200という一定の時間間隔毎に、互いに略同じ出力期間(ここでは、時間t200)である検知信号を、発光部205A、発光部205B、発光部205C、発光部205A・・・、という順序で、連続して順次出力する。
ちなみに、受光部205Dからの出力は、センサー部200sの上を被検知対象物106が移動したときに、各発光部205A〜205Cから出射された検知信号のうち少なくとも1つが被検知対象物106にて反射して得られた、反射後検知信号を受光部205Dが受光した場合に発生する。
図7の7dおよび7eは、被検知対象物106が、Y軸のプラス方向からマイナス方向へと移動した場合のタイミングチャートである。図7の7fは、被検知対象物106が、Y軸のマイナス方向からプラス方向へと移動した場合のタイミングチャートである。図7の7gおよび7hは、被検知対象物106が、X軸のプラス方向からマイナス方向へと移動した場合のタイミングチャートである。図7の7iは、被検知対象物106が、X軸のマイナス方向からプラス方向へと移動した場合のタイミングチャートである。
制御装置201および判定装置203の動作を、図7の7d〜7iを用いて説明する。
Y軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動する際に、発光部205Aが発光していたら、受光部205Dからの出力の波形は、7dに示すタイミングチャートのようになる。発光部205Aが発光しているタイミングで、7dに示す波形がローレベルを示しており、被検知対象物106を検知していることが分かる。このとき、制御装置201の状態を記憶しているレジスタ212に対しては、ローレベルを示す情報が記憶される(7dに示すMA)。
その後、発光部205Bが発光するが、このタイミングでは、7dに示す波形がローレベルであるため、制御装置201内のレジスタ213に対しては、ローレベルを示す情報が記憶される(7dに示すMB)。
その後、発光部205Cが発光するが、このタイミングでは、7dに示す波形がハイレベルであるため、制御装置201内のレジスタ214に対しては、ハイレベルを示す情報が記憶される(7dに示すMC)。
レジスタ212および213に対して、受光部205Dからの出力におけるローレベルを示す情報が、レジスタ214に対して、受光部205Dからの出力におけるハイレベルを示す情報が、それぞれ記憶されると、判定制御回路215は、一連のこの記憶動作が完了したことを示す制御信号(制御信号2)を判定装置203に対して送出する。判定装置203は、該制御信号(制御信号2)に応じて、各レジスタ212〜214に対して記憶された上記の情報を、それぞれ入力端子203A〜203Cを通じて個別に読み取る。
判定装置203は、各レジスタ212〜214から読み取った情報と、図8に示す判断表と、を参照して、被検知対象物106が、Y軸のプラス方向からマイナス方向へと移動したと判断し、判断結果を検知結果出力端子200pから出力する。図8に示す判断表において、「L」はローレベルを、「H」はハイレベルを、それぞれ示している。
レジスタ212〜214に対する値の記憶方法であるが、受光部205Dからの出力が初めてローレベルになったタイミングを含めて、各発光部205A〜205Cが発光するタイミング毎に3回分を記憶する。図7の7d〜7iにそれぞれ示した、MA〜MCが、記憶を行うタイミング(検知タイミング)を示す。
Y軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動する際には、発光部205Bが発光しているときに被検知対象物106が現れることも考えられる。この場合のタイミングチャートを図7の7eに示している。
被検知対象物106は、発光部205Bが発光しているときに検知されるので、受光部205Dからの出力は、発光部205Bが発光しているタイミングでローレベルとなる。このとき、制御装置201の状態を記憶しているレジスタ213に対しては、ローレベルを示す情報が記憶される(7eに示すMB)。
その後、発光部205Cが発光するタイミングが訪れるが、このタイミング時には、被検知対象物106が完全にマイナス方向へと移動していないため、受光部205Dからの出力がローレベルとはならず、7eに示す波形がハイレベルであるため、制御装置201内のレジスタ214に対しては、ハイレベルを示す情報が記憶される(7eに示すMC)。
その後、発光部205Aが発光するが、このタイミング時には、被検知対象物106にて反射した検知信号を、受光部205Dが受光することになるため、受光部205Dからの出力はローレベルとなり、制御装置201内のレジスタ212に対しては、ローレベルを示す情報が記憶される(7eに示すMA)。
レジスタ212〜214に対して、受光部205Dからの出力における情報が、それぞれ記憶された後については、7dに係る説明と同様である。すなわち、判定装置203は、3つのレジスタ212〜214がセットされてから、図8の判断表をもとに、被検知対象物106が、Y軸のプラス方向からマイナス方向へと移動したと判断し、判断結果を検知結果出力端子200pから出力する。
Y軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動する際に、受光部205Dからの出力の波形は、7fに示すタイミングチャートのようになる。発光部205Cが発光しているタイミングで、7fに示す波形がローレベルを示しており、被検知対象物106を検知していることが分かる。このとき、制御装置201の状態を記憶しているレジスタ214に対しては、ローレベルを示す情報が記憶される(7fに示すMC)。
その後、発光部205Aが発光するが、このタイミングでは、7fに示す波形がハイレベルであるため、制御装置201内のレジスタ212に対しては、ハイレベルを示す情報が記憶される(7fに示すMA)。
その後、発光部205Bが発光するが、このタイミングでは、7fに示す波形がハイレベルであるため、制御装置201内のレジスタ213に対しては、ハイレベルを示す情報が記憶される(7fに示すMB)。
レジスタ212および213に対して、受光部205Dからの出力におけるハイレベルを示す情報が、レジスタ214に対して、受光部205Dからの出力におけるローレベルを示す情報が、それぞれ記憶されると、判定制御回路215は、一連のこの記憶動作が完了したことを示す制御信号(制御信号2)を判定装置203に対して送出する。判定装置203は、該制御信号(制御信号2)に応じて、各レジスタ212〜214に対して記憶された上記の情報を、それぞれ入力端子203A〜203Cを通じて個別に読み取る。
判定装置203は、各レジスタ212〜214から読み取った情報と、図8に示す判断表と、を参照して、被検知対象物106が、Y軸のマイナス方向からプラス方向へと移動したと判断し、判断結果を検知結果出力端子200pから出力する。
X軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動する際に、発光部205Bが発光していたら、受光部205Dからの出力の波形は、7gに示すタイミングチャートのようになる。発光部205Bが発光しているタイミングで、7gに示す波形がローレベルを示しており、被検知対象物106を検知していることが分かる。このとき、制御装置201の状態を記憶しているレジスタ213に対しては、ローレベルを示す情報が記憶される(7gに示すMB)。
その後、発光部205Cが発光するが、このタイミングでは、7gに示す波形がローレベルであるため、制御装置201内のレジスタ214に対しては、ローレベルを示す情報が記憶される(7gに示すMC)。
その後、発光部205Aが発光するが、このタイミングでは、7gに示す波形がハイレベルであるため、制御装置201内のレジスタ212に対しては、ハイレベルを示す情報が記憶される(7gに示すMA)。
レジスタ212に対して、受光部205Dからの出力におけるハイレベルを示す情報が、レジスタ213および214に対して、受光部205Dからの出力におけるローレベルを示す情報が、それぞれ記憶されると、判定制御回路215は、一連のこの記憶動作が完了したことを示す制御信号(制御信号2)を判定装置203に対して送出する。判定装置203は、該制御信号(制御信号2)に応じて、各レジスタ212〜214に対して記憶された上記の情報を、それぞれ入力端子203A〜203Cを通じて個別に読み取る。
判定装置203は、各レジスタ212〜214から読み取った情報と、図8に示す判断表と、を参照して、被検知対象物106が、X軸のプラス方向からマイナス方向へと移動したと判断し、判断結果を検知結果出力端子200pから出力する。
X軸のプラス方向からマイナス方向へと被検知対象物106が移動する際には、発光部205Cが発光しているときに被検知対象物106が現れることも考えられる。この場合のタイミングチャートを図7の7hに示している。
被検知対象物106は、発光部205Cが発光しているときに検知されるので、受光部205Dからの出力は、発光部205Cが発光しているタイミングでローレベルとなる。このとき、制御装置201の状態を記憶しているレジスタ214に対しては、ローレベルを示す情報が記憶される(7hに示すMC)。
その後、発光部205Aが発光するタイミングが訪れるが、このタイミング時には、被検知対象物106が完全にマイナス方向へと移動していないため、受光部205Dからの出力がローレベルとはならず、7hに示す波形がハイレベルであるため、制御装置201内のレジスタ212に対しては、ハイレベルを示す情報が記憶される(7hに示すMA)。
その後、発光部205Bが発光するが、このタイミング時には、被検知対象物106にて反射した検知信号を、受光部205Dが受光することになるため、受光部205Dからの出力はローレベルとなり、制御装置201内のレジスタ213に対しては、ローレベルを示す情報が記憶される(7hに示すMB)。
レジスタ212〜214に対して、受光部205Dからの出力における情報が、それぞれ記憶された後については、7gに係る説明と同様である。すなわち、判定装置203は、3つのレジスタ212〜214がセットされてから、図8の判断表をもとに、被検知対象物106が、X軸のプラス方向からマイナス方向へと移動したと判断し、判断結果を検知結果出力端子200pから出力する。
X軸のマイナス方向からプラス方向へと被検知対象物106が移動する際に、受光部205Dからの出力の波形は、7iに示すタイミングチャートのようになる。発光部205Aが発光しているタイミングで、7iに示す波形がローレベルを示しており、被検知対象物106を検知していることが分かる。このとき、制御装置201の状態を記憶しているレジスタ212に対しては、ローレベルを示す情報が記憶される(7iに示すMA)。
その後、発光部205Bが発光するが、このタイミングでは、7iに示す波形がハイレベルであるため、制御装置201内のレジスタ213に対しては、ハイレベルを示す情報が記憶される(7iに示すMB)。
その後、発光部205Cが発光するが、このタイミングでは、7iに示す波形がハイレベルであるため、制御装置201内のレジスタ214に対しては、ハイレベルを示す情報が記憶される(7iに示すMC)。
レジスタ212に対して、受光部205Dからの出力におけるローレベルを示す情報が、レジスタ213および214に対して、受光部205Dからの出力におけるハイレベルを示す情報が、それぞれ記憶されると、判定制御回路215は、一連のこの記憶動作が完了したことを示す制御信号(制御信号2)を判定装置203に対して送出する。判定装置203は、該制御信号(制御信号2)に応じて、各レジスタ212〜214に対して記憶された上記の情報を、それぞれ入力端子203A〜203Cを通じて個別に読み取る。
判定装置203は、各レジスタ212〜214から読み取った情報と、図8に示す判断表と、を参照して、被検知対象物106が、X軸のマイナス方向からプラス方向へと移動したと判断し、判断結果を検知結果出力端子200pから出力する。
また、制御装置201は、各発光部205A〜205Cにおける1回の発光の時間(図7では、時間t200)を、外部機器から与えられる命令に従って変更することができる。時間t200の変更は、被検知対象物106の移動速度を考慮した上で、被検知対象物106の移動方向を検知する場合において有効である。
また、本発明の電子機器は、方向検知デバイス100、方向検知デバイス150、方向検知デバイス200のいずれかを備えるものであり、備えられた方向検知デバイスと同様の効果を奏するものである。これらの方向検知デバイスは、センサー部が小型化できるために、搭載する電子機器の設計自由度を高めることができ、手軽に、携帯電話等に対して非接触のインターフェースを追加することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。