JP5985663B2 - 光センサおよび電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、近接センサやジェスチャーセンサとして好適に用いられる光センサおよびそれを用いた電子機器に関する。
光センサは、検知対象物を検知したり、検知対象物との距離等を検出したりする機能を備えており、応用の分野が広がっている。
携帯電話(スマートフォンを含む)やデジタルカメラ等の電子機器は、画像を表示するための液晶パネルを備えている。また、このような電子機器には、液晶パネル上でタッチ操作が可能となるように、タッチパネルを備えた機種がある。さらに、携帯電話の中には、耳を当てる音声出力部に、携帯電話に対する人の顔が近づいたことを検知する近接センサが搭載されたものもある。この近接センサは、携帯電話の低消費電力化およびタッチパネルの誤動作防止のために、液晶パネルに顔が近づいたときに、タッチパネル動作をオフさせるためなどに利用されている。
また、物体の動きを検知するセンサの技術分野では、上記のような近接センサの他、人の手の動きを検知するジェスチャーセンサとして光センサを利用する要望もある。このようなジェスチャーセンサは、タッチパネル上の手の動きを非接触で検知する。これにより、濡れた手や汚れた手でも、液晶パネルの表面を汚さずに、液晶パネルに表示された画面をスクロールするように操作することができる。またタッチパネルに反応しづらい手袋等を付けた状態でも同様に液晶パネルを操作することが可能になる。
物体の動きを検知する光センサとして、例えば、特許文献1には、反射型の光センサが開示されている。この光センサは、図9に示すように、発光素子301と、2つの受光素子302,303を備えており、受光素子302,303が発光素子301の両側に配置されている。検知対象物304が右側にある場合、受光素子301に検知対象物からの反射光が強く当たる。一方、検知対象物304が左側にある場合、受光素子302,303に検知対象物304からの反射光が強く当たる。そして、2つの受光素子302,303で発生する光電流の差を読み取って、検知対象物304の位置や動きを検出することができる。
また、特許文献2には、複数区分の光センサと、各光センサから出力される電流を処理する制御回路と、を備えるジェスチャーセンサが開示されている。
日本国公開特許公報「特開2000−75046号公報(2000年3月14日公開)」 米国公開特許公報「第2012/280904号公報(2012年11月8日公開)」
しかしながら、上記従来の光センサでは、光センサと検知対象物との相対的な配置関係の変化に依存することなく検知対象物の動きを正確に検知することが困難であるという問題点がある。
例えば、上記のようなジェスチャーセンサを搭載した電子機器は、人の手を検知対象物としているため、ジェスチャーセンサに対する人の手の相対的な角度の変化によって、光センサに入射する受光量が変化するので、そのような手の動作に反応する必要がある。また、手の形には個人差があり、使用時にジェスチャーセンサと手の距離が一定では無いことも多い。
また、反射型の光センサの場合、検知対象物である手の距離が離れた場合、光センサに入力される反射光が著しく減少するが、そのような場合でもジェスチャーセンサは物体の動作を正確に判定できることが要求される。
しかしながら、上記特許文献1および2のいずれの文献においても、光センサついて、光センサと検知対象物との相対的な配置関係の変化に関わらず、物体の動作を正確に検知するための具体的施策は示されていない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光センサと検知対象物との相対的な配置関係の変化に依存することなく検知対象物の動きを正確に検知することができる光センサなどを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る光センサは、発光素子から出射された光が検知対象物に照射されることによって生じた反射光、または、検知対象物によって遮断されなかった外部からの光が入射することによって光電流を発生する複数の受光素子を備え、上記複数の受光素子のうち、特定の方向に沿って並列する少なくとも2つの受光素子の光電流の和に対する、当該少なくとも2つの受光素子の光電流の差の比の絶対値と、所定の閾値とを比較すると共に、上記光電流の和と、所定の電流値とを比較する制御回路と、上記制御回路によって上記比の絶対値が上記所定の閾値以上であると判定された場合に、上記特定の方向を上記検知対象物の移動方向と判定すると共に、上記制御回路によって上記光電流の和が上記所定の電流値よりも小さいと判定された場合に、上記検知対象物の移動方向を判定しない移動方向判定手段とを備えることを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る他の光センサは、発光素子から出射された光が検知対象物に照射されることによって生じた反射光、または、検知対象物によって遮断されなかった外部からの光が入射することによって光電流を発生する複数の受光素子を備え、上記複数の受光素子のうち、特定の方向に沿って並列する少なくとも2つの受光素子の光電流の和に対する、当該少なくとも2つの受光素子の光電流の差の比の絶対値と、所定の閾値とを比較する比較手段と、上記比較手段によって上記比の絶対値が上記所定の閾値以上であると判定された場合に、上記特定の方向を上記検知対象物の移動方向と判定する移動方向判定手段と、上記光電流の和と、所定の電流値とを比較する別の比較手段とを備え、上記移動方向判定手段は、上記別の比較手段によって上記光電流の和が上記所定の電流値よりも小さいと判定された場合に、上記検知対象物の移動方向を判定しないことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、光センサと検知対象物との相対的な配置関係の変化に依存することなく検知対象物の動きを正確に検知することができるという効果を奏する。
本発明の他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分分かるであろう。また、本発明の利点は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
本発明の実施形態1(または実施形態3)に係る光センサの主要部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1(または実施形態3)に係る光センサに係る受発光ユニットの実装構造を示す縦断面図であり、(a)は、本発明の実施形態1に係る反射型の受発光ユニットの実装構造を示し、(b)は、本発明の実施形態3に係る透過型の受発光ユニットの実装構造を示す。 本発明の実施形態1(または実施形態3)に係る光センサの全体構成および該光センサが備える演算回路を示すブロック図であり、(a)は、該光センサの全体構成を示し、(b)は、該光センサが備える演算回路の構成を示す。 図3の光センサの検出対象および該光センサが検知する検知対象物の移動方向を説明するための平面図であり、(a)および(c)は、図3の光センサにおける発光素子からの出射光が形成する光スポットと検知対象物との位置関係の変化を示し、(b)および(d)は、図3の光センサにおける受光素子に上記光スポットの上記検知対象物からの反射光が入射した状態を示し、(e)は、上記光センサが検知する検知対象物の移動方向の一例(4方向)を示し、(f)は、上記光センサが検知する検知対象物の移動方向の別の例(8方向)を示す。 検知対象物の移動によって受光素子が検出する光電流の時間に対する変化の一例を示し、(a)は、各受光素子から出力される光電流の和の時間に対する変化の一例を示し、(b)は、特定の方向に並列する少なくとも2つの受光素子から出力される光電流の差の時間に対する変化の一例を示し、(c)は、上記光電流の和に対する上記光電流の差の比の時間に対する変化の一例を示し、(d)は、上記比の時間に対する変化の一例を示す。 本発明の実施形態(実施形態1〜3)に係る光センサの動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る光センサの主要部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態4に係るスマートフォンの外観を示す正面図である。 従来のジェスチャーセンサの構成を示す縦断面図である。
本発明の実施の形態について図1〜図8に基づいて説明すれば以下のとおりである。以下の特定の実施形態で説明する構成以外の構成については、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の実施形態で説明されている場合は、その構成と同じである。また、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。また、各図面に記載した構成の形状、ならびに、長さ、大きさおよび幅などの寸法は、実際の形状や寸法を反映させたものではなく、図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更している。
以下に示す各実施形態では、本発明の実施の形態に係る光センサの例として、スマートフォンなどに搭載される近接センサを例にとって説明するが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、人の手の動きを検知するジェスチャーセンサなどにも本発明を適用することが可能である。
〔実施形態1〕
本発明に係る実施形態1について、図1、図2の(a)〜図6を参照して以下に説明する。
<受発光ユニットの実装構造>
図2の(a)は、後述する本実施形態の光センサ101が備える受発光ユニット90における発光素子LEDおよび受光素子DPD(受光素子PD1〜PD4)の実装構造を示す縦断面図である。なお、本実施形態の受発光ユニット90は、反射型の光センサであるが、本発明を適用することが可能な形態は、このような反射型の光センサに限定されない。例えば、後述する本発明の実施形態3の受発光ユニット90Aのように透過型の光センサも本発明の範疇に含まれる。
図2の(a)に示すように、受発光ユニット90は、発光素子LED、受光素子DPD(受光素子PD1〜PD4)、基板91、封止部材92、発光レンズ部92aおよび受光レンズ部92bを備える。発光素子LED、および、受光素子DPDを構成する受光素子PD1〜4、のそれぞれは、基板91上に適当な間隔をおいて実装されている。発光素子LEDは、発光ダイオードによって構成されている。また、受光素子PDPは、複数のフォトダイオードまたはフォトトランジスタと信号処理用回路やLEDドライバ回路とを一体化したOPIC(Optical IC)(登録商標)によって構成されている。
封止部材92は、発光素子LEDまたは受光素子DPDを覆うように、基板91上に形成されている。封止部材92は、透明な樹脂材料、あるいは、発光素子LEDの発光波長を透過させて可視光成分をカットする可視光カット樹脂材料によって形成されており、表面に発光レンズ部92aおよび受光レンズ部92bを有している。発光レンズ部92aは、発光素子LEDの光出射側に半球状をなすように形成された凸レンズであり、発光素子LEDから放射される光を所定位置に集束するか、または、平行光に変換するように出射する。受光レンズ部92bは、受光素子DPDの光入射側に半球状をなすように形成された凸レンズであり、検知対象物100から反射された反射光を受光素子PD1〜PD4に集束する。なお、発光レンズ部92aおよび受光レンズ部92bは必ずしも必要ではない。上記特許文献2に示されているように、受光素子上に金属層等で方向性を持たせることで、検知対象物の位置に依ってそれぞれの受光素子の光電流出力量を変化させることが可能である。但し、そのような受光素子上に影を作る構造では発光素子から発射される信号光成分が著しく減少してしまう。
図4の(b)および図4の(d)に示すように、受光素子DPDは、受光素子PD1〜PD4が格子状(マトリクス状)に配列され、後述するようにそれぞれの受光素子は検知対象物100の位置に応じて光電流が変化する構造を有している。すなわち、本実施形態の受光素子DPDは、4分割型の受光素子であり、受光素子PD1〜PD4の4つの受光素子で構成されている。なお、受光素子PDPの構造は、本実施形態の構造に限定されない。どのような構造においても光センサ101と検知対象物100との配置関係(これらの構成間の距離や人の手の相対的な角度などを含む)に依存することなく正確に検知対象物の動作を判定することができる。また、例えば、検知する移動方向は、一方向に限定されるものの、受光素子DPDは、少なくとも2つのPDがアレイ状に配列した受光素子などであっても良い。
<光センサの構成>
図3は、本実施形態に係る光センサ101の全体構成を示すブロック図である。同図に示すように、光センサ101は、受発光ユニット90〔受光素子DPD(受光素子PD1〜PD4)、発光素子LED(Light Emitting Diode)などを含む〕、積分回路1a〜1d、ADコンバータ2a〜2d、演算回路3、レジスタ4、制御回路5、インターフェース6、制御部7、LED駆動回路8および発振器9を含む。
<回路の構成>
積分回路1a〜1d(積分回路1〜4)は、受光素子DPDを構成する受光素子PD1〜4のそれぞれから入力された光電流を積分する回路である。ADコンバータ2a〜2d(ADコンバータ1〜4)は積分回路からの出力信号をAD変換(アナログ・デジタル変換)する機能を備えている。
<積分回路、ADコンバータ>
積分回路1a〜1dおよびADコンバータ2a〜2dは、それぞれ、受光素子PD1〜4から入力された光電流信号を正確にAD変換し、受光素子DPDから出力される信号を電子機器での処理が容易なデジタル値に変換する回路およびADコンバータであれば良く、特に限定されない。例えば、積分回路1a〜1dの例として、2重積分回路など、ADコンバータ2a〜2dの例として、ΔΣ変換回路などを挙示することができる。
<制御回路、発振器>
制御回路5は、発振器9からの基準クロックに基づいて、光センサ101全体の動作を制御する回路である。制御回路5は、例えば、発光素子LEDを駆動するためのLED駆動回路8への制御信号を生成し、この信号に同期するように積分回路1a〜1dおよびADコンバータ2a〜2dのそれぞれを制御する信号も生成する。また、後述する演算回路3を時系列で動作させる場合にも使用し、積分回路1a〜1dでの測定期間が終わったときにレジスタ4にデータ取り込み用の信号を送信する機能も有している。なお、制御回路5の構成および動作の詳細については後述する。
<レジスタ>
レジスタ4は、AD変換された光電流量に応じたデジタル値を保持する機能を有している。レジスタ4は、例えば、順序回路(フリップフロップ)で構成することができるが、特に限定されない。図3の(a)に示すように、本実施形態では、レジスタ4は、演算回路3を介してADコンバータ2a〜2dに接続されている。しかしながら、このような形態に限定される必要はなく、例えば、ADコンバータ2a〜2dで直接変換された光電流量に応じたデジタル値のみをレジスタ4で保持し、演算は後述するインターフェース6を介して、演算処理等が可能な制御部7(CPU)で実施しても良い。
<演算回路>
次に、演算回路3は、ADコンバータ2a〜2dから出力されるデジタル値を演算する機能を備えている。図3の(b)は、演算回路3の構成を示す構成図である。同図に示すように、演算回路3は、加算回路31a〜31e(加算回路1〜5)、減算回路32a,32b(減算回路1,2)、および割算回路33a,33b(割算回路1,2で)を含む。
加算回路31a〜31dは、それぞれ入力AおよびBの和を出力する。加算回路31eは入力A、B、CおよびDの和を出力する回路である。
演算回路3の入力をIN1〜IN4とすると、加算回路31aの出力は、出力A+B=IN1+IN2である。また、加算回路31bの出力は、出力A+B=IN3+IN4、加算回路31cの出力は、出力A+B=IN2+IN3、加算回路31dの出力は、出力A+B=IN1+IN4となる。
また、加算回路31eの出力は、出力A+B+C+D=IN1+IN2+IN3+IN4の全合計(和)を出力する。
次に、減算回路32a,32bは、入力Aと入力Bとの差を出力する。例えば、上記の加算回路からの出力を入力として、減算回路32aの出力は、出力A−B=(IN1+IN2)−(IN3+IN4)となる。一方、減算回路32bの出力は、出力A−B=(IN2+IN3)−(IN1+IN4)となる。
次に、割算回路33a,33bは、入力Aと入力Bの除算を出力する。例えば、上記の加算回路および減算回路からの出力結果を用いて、割算回路33aの出力は、出力A/B=〔(IN1+IN2)−(IN3+IN4)〕/(IN1+IN2+IN3+IN4)となる。
一方、割算回路33bの出力は、出力A/B=〔(IN2+IN3)−(IN1+IN4)〕/(IN1+IN2+IN3+IN4)となる。
<インターフェース>
インターフェース6の構成は特に限定されない。例えば、I2Cで外部からのシリアルクロックSCLと同期してレジスタ4から出力されるデジタル値をシリアルデータSDAとして出力する回路で構成しても良い。
<LED駆動回路、発光素子LED>
制御回路5が発振器9からの基準クロックでLED駆動信号を生成すると、LED駆動回路から光パルス信号〔例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号など〕が出力される。本実施形態の発光素子LEDは、光パルス信号に基づいて所定周期で発光して、赤外線の光パルスを出力する。
<光センサの主要部>
次に、図1に基づき、光センサ101の主要部の構成の詳細について説明する。同図に示すように、光センサ101の主要部は、上記のレジスタ4、制御回路5、インターフェース6、および制御部7(CPU:Central Processing Unit)を含む。同図に示すように、制御回路5は、第1コンパレータ(別の比較手段)51、記憶回路52、および第2コンパレータ(比較手段)53を含む。また、制御部7は、判定拒否決定部71、FLG設定部72、および移動方向判定部(移動方向判定手段)73を含む。
<第1コンパレータ51>
第1コンパレータ51は、レジスタ4から入力される入力Z(光電流の和)と、所定の電流値Z_thとを比較し、その結果(Z比較結果)を、インターフェース6を介して制御部7の判定拒否決定部71に受け渡す。
<記憶回路52>
記憶回路52には、制御部7のFLG設定部72が設定するフラグであるS_FLGおよびME_FLGの値が、インターフェース6を介して記録される。
<第2コンパレータ53>
第2コンパレータ53は、レジスタ4から入力される出力Ratio_X,Y(比)と、所定の閾値Ratio_thとを比較し、その結果(R比較結果)を、インターフェース6を介して、制御部7の移動方向判定部73に受け渡す。なお、比(Ratio_Xなど)の符号の種類は正・負の2種類が考えられるが、後述する第2コンパレータ53における比較は、理論上は、正の符号を有する閾値Ratio_thを設定すれば良いことになる。より具体的には、以下で説明する比較は、Ratio_Xの符号が正であれば、正の符号を有する閾値Ratio_thとそのまま比較し、Ratio_Xの符号が負であれば、Ratio_Xの絶対値をとって、正の符号を有する閾値Ratio_thと比較し、Ratio_Xの符号に関わらず、Ratio_Xの絶対値が正の符号を有する閾値Ratio_thを超えるか否かを判定すれば良い。
<判定拒否決定部71>
判定拒否決定部71は、Z比較結果に基づき、検知対象物100の移動方向を判定する処理を行うか否かを決定する。より具体的には、出力Z≧Z_thならば、上記判定処理を行う。一方、出力Z<Z_thならば、上記判定処理を行わない。
後述するように、出力Zが大きい程、ばらつき成分の圧縮や外乱の影響の相殺効果が高い。よって、上記構成によれば、例えば、受光素子DPD(または受光素子PD1〜PD4)の製造ばらつきや手の角度による受光量の誤差、ならびに、外乱の影響などを縮小して、検知対象物100の移動方向をより正確に判定することができる。
<FLG設定部72>
FLG設定部72は、S_FLGおよびME_FLGの値を設定する。S_FLGの初期値は「0」であるが、S_FLG=0のときに、出力Ratio_X≦−Ratio_th、または、出力Ratio_X≦−Ratio_thと判定されると、「1」に設定され、検知対象物100の移動方向の判定が終了すると初期化される。
ME_FLGは、例えば、S_FLG=1のとき、出力Ratio_X≧Ratio_thならば、「X+」、出力Ratio_X≦−Ratio_thならば、「X−」に設定される。一方、S_FLG=1のとき、出力Ratio_X≧Ratio_thならば、「X−」、出力Ratio_X≦−Ratio_thならば、「X+」に設定される。また、ME_FLGは、検知対象物100の移動方向の判定が終了するとすべて初期化される。
<移動方向判定部73>
移動方向判定部73は、第2コンパレータ53が、上記出力Ratio_Xが出力Ratio_Xと同一符号の閾値Ratio_thよりも大きいと判定した後に、さらに、出力Ratio_Xと符号の異なる別の出力Ratio_Xの絶対値が、上記同一符号の閾値Ratio_thと符号の異なる−Ratio_th(別の閾値)の絶対値よりも大きいと判定した場合に、検知対象物100の移動方向を判定する。上記の構成によれば、移動方向判定部73は、2度の判定結果を用いて検知対象物100の移動方向を判定するように構成されている。このため、出力Ratio_Xと閾値Ratio_thの比較の一方のみにより、検知対象物100の移動方向を判定する構成よりも、より正確に検知対象物100の移動方向を判定することができる。
〔光センサの動作〕
<基本動作>
制御回路5が、発振器9からの基準クロックを用いてLED駆動信号を生成すると、LED駆動回路から光パルス信号(例えば、PWM信号)が出力される。発光素子LEDは、光パルス信号に基づいて所定周期で発光して、赤外線の光パルスを出力する。
検知対象物100が発光素子LEDから出射される光の光路に位置していないとき、発光素子LEDから出射される光はそのまま進行していく。このため、受光素子DPDは、検知対象物100からの反射光を受けることがなく、周囲光が入射するのみであるので、受光素子PD1〜PD4の入射光量は小さい。この場合、検知対象物100が検知されないことになる。
一方、検知対象物100が、受発光ユニット90に近づいて、発光素子LEDから出射される光の光路の位置に達すると、発光素子LEDから出射される光は検知対象物100によって反射される。検知対象物100が受発光ユニット90に近づくほど、検知対象物100からの反射光の光量が増大していく。
検知対象物100は、上記の光路を完全に遮断し、発光素子LEDからの光を全て反射する位置に達すると、受発光ユニット90に最も近づくので、この状態では反射光量が最大となる。受光素子PD1〜PD4は、検知対象物100からの反射光を受けることにより、入射光量が増大して、入射光量に比例した光電流を発生する。
光センサ101において、受光素子PD1〜PD4が発生した光電流は積分回路1a〜1dによって積分される。積分回路1a〜1dからの積分値は、ADコンバータ2a〜2dによってそれぞれ、デジタル積分値に変換される。そして、演算回路3によって、ADコンバータ2a〜2dからのデジタル積分値に基づいて、検知対象物100の近接を検知する検知信号が出力される。さらに、検知信号は、インターフェース6から制御部7へ出力される。
光センサ101は、近接センサとして用いられる場合、検知対象物100が近づくと、検知信号を出力する。一方、光センサ101は、ジェスチャーセンサとして用いられる場合、検知対象物100の移動を検知する。
<受光素子による光検出>
次に、図4の(a)および図4の(c)は、発光素子LEDからの出射光(照射光)が形成する光スポットSと検知対象物100との位置関係の変化を示す平面図である。図4の(b)および図4の(d)は、受発光ユニットにおける受光素子DPDに上記の光スポットSの検知対象物100からの反射光が入射した状態を示す平面図である。
上記のように、受光素子DPDは、4分割型の受光素子であり、受光素子PD1〜PD4の4つの受光素子で構成されている〔図4の(b)および図4の(d)参照〕。このように、4分割型の受光素子DPDを用いることにより、図4の(a)〜図4の(d)に示すように、検知対象物100の位置によって、検知対象物100からの反射光(光スポットS)が受光素子DPDに投影される像の形が変化する。したがって、受光素子DPDを構成する各受光素子PD1〜PD4への入射光の光量を測定することにより、検知対象物100が受発光ユニット90に対して、どの位置に存在するかを検知することができる。なお、本実施形態では、受光素子DPDとして受光素子PD1〜PD4の合計4つのPDを備えた分割型のDPDを採用しているが、受光素子DPDを構成するPDの数は、4つに限定されない。例えば、本発明の原理上、受光素子DPDは、少なくとも2つ以上のPDを含んでいれば良い。
ここで、図4の(a)に示すように、検知対象物100が発光素子LEDの出射光が形成する光スポットSに対して右方向から左方向に移動する場合について説明する。まず、検知対象物100からの光スポットSの反射光は、受発光ユニット90の受光レンズ部92b(凸レンズ)によって倒立像として受光素子DPDに投影される。
図4の(a)の左端およびその右側に示すように、検知対象物100が右方向から近づいている状態では、反射光が受光素子PD2,PD3に投影される。このとき、受光素子PD2,PD3は、入射光の強度に比例した光電流を発生する。また、図4の(a)の真ん中に示すように、検知対象物100が光スポットSを完全に反射する位置に達した状態では、反射光が受光素子PD1〜PD4のすべてに投影される。このとき、受光素子PD1〜PD4は、入射光の強度に比例した光電流を発生する。図4の(a)の右端およびその左側に示すように、検知対象物100が左方向へ遠ざかる状態では、反射光が受光素子PD1,PD4に投影される。このとき、受光素子PD1,PD4は、入射光の強度に比例した光電流を発生する。
次に、図4の(c)に示すように、検知対象物100が発光素子LEDの出射光が形成する光スポットSに対して右斜め上から左斜め下に移動する場合について説明する。まず、検知対象物100からの光スポットSの反射光は、受発光ユニット90の受光レンズ部92bによって倒立像として受光素子DPDに投影される。
図4の(c)の左端およびその右側に示すように、検知対象物100が右斜め上から近づいている状態では、反射光が主として受光素子PD3に投影される。このとき、受光素子PD3は、入射光の強度に比例した光電流を発生する。また、図4の(c)の真ん中に示すように、検知対象物100が光スポットSを完全に反射する位置に達した状態では、反射光が受光素子PD1〜PD4のすべてに投影される。このとき、受光素子PD1〜PD4は、入射光の強度に比例した光電流を発生する。図4の(c)の右端およびその左側に示すように、検知対象物100が左斜め下へ遠ざかる状態では、反射光が受光素子PD1に投影される。このとき、受光素子PD1は、入射光の強度に比例した光電流を発生する。
以上のように、光スポットSに対する検知対象物100の位置に応じて、受光素子DPDに投影される反射光の像の形状が変化すると、それに応じて、受光素子DPDの各受光素子PD1〜PD4のそれぞれの光電流も変化する。したがって、各受光素子PD1〜PD4の光電流に基づいて、受発光ユニット90と検知対象物100との相対的な位置関係が判る。また、検知対象物100の位置の時間変化を算出することにより、検知対象物100の移動速度および移動方向も検出することができる。但し、正確に検知対象物100の位置を検知するには、照明光や太陽光等の外乱光の影響を受けることなく、動作させる必要がある。なお、図4の(b)において、受光素子DPDに投影される像の黒い部分および斜線で示す部分は、それぞれ光強度の高い部分および光強度の低い部分を示す。
<光センサが検知する検知対象物の移動方向>
次に、光センサ101が検知する検知対象物の移動方向は、図4の(e)に示す方向X,Yのように2方向〔図4の(a)および図4の(b)の検出パターンに対応〕であっても良く、図4の(f)に示すように、方向D1〜D8の8方向〔図4の(a)〜図4の(d)の検出パターンに対応〕であっても良い。
なお、図4の(c)および図4の(d)に示すように、方向d2からd6への移動を検知する場合、比=(光電流の差)/(光電流の和)=(I1−I3)/(I1+I2+I3+I4)を算出しても良いし、比=(I1−I3)/(I1+I3)を算出しても良い。後者の場合、最大値が1、最小値が−1となり移動方向判定のための閾値をX方向、Y方向と共用することが可能となる。これにより、閾値を別々の異なる値に設定する必要がなくなるため、処理に必要なパラメータの数を減らすことができる。また、光センサ101で判定する場合は閾値を設定するハードウェアの規模を縮小することができる。
<検知対象物の近距離、遠距離での受光信号>
反射型の光センサの場合、検知対象物100が近くか遠くかで、受光信号量(受光量)が変化する。図5の(a)〜図5の(c)は検知対象物100が受発光ユニット90を一定速度で横切った時の、受光信号量の変化を表している。
図5の(a)は、受光素子PD1〜4の出力光電流に応じた光電流量I1〜I4の合計Z=I1+I2+I3+I4を、受発光ユニット90を用いて、十分な速度で光電流量を測定した場合のグラフである。図5の(a)の横軸は検知対象物100が動いている場合は時間軸である。つまり、受発光ユニット90と検知対象物100の相対的な位置関係の変化による受光信号量の変化を表している。また、図5の(a)の実線は検知対象物100が受発光ユニット90の近くを横切った状態を示している。一方、破線は検知対象物100が受発光ユニット90の遠くを横切った状態を示している。反射型センサの場合、検知対象物100が近距離にある場合、受光信号量が大きくなり、検知対象物100が遠くなると受光信号量が小さくなる。
次に、図5の(b)は、図4の(a)のように検知対象物100が横切ったとき、受光素子PD1〜4を検知対象物100の位置に依って変化量が変わるように演算した結果である。例えば、図4の(a)および図4の(b)で示したようにPD1およびPD4側から検知対象物が近づき、PD2およびPD3方向に抜けていく場合、検知対象物100の移動方向を判定するためには、差X=(I2+I3)−(I1+I4)の演算を実行すれば良い。
図5の(b)から、検知対象物100が近距離を横切るか遠距離を横切るかによって、差Xの振幅が変化していることが分かる。これは、遠距離と近距離で移動方向の判定に差が出てしまうことにつながる。例えば、差Xに対してある閾値を設定し、その閾値を超えたら検出対象物100の移動方向を判定するとした場合、遠距離の小さい振幅でも判定できるように閾値を下げる必要がある。一般的に光センサは外乱光の影響を受けて反応してしまう。また、受光素子やセンサ回路の雑音によってS/N比が悪化する場合がある。閾値を下げるとそのような外乱光や雑音の影響で検知対象物100の移動方向を誤判定または判定できないといった事象が発生し得る。
このような問題を解決するために、光センサ101では、例えば、Ratio_X=〔(I2+I3)−(I1+I4)〕/(I1+I2+I3+I4)を算出しているが、図5の(c)は、Ratio_Xの値を縦軸に、時間軸を横軸として、Ratio_Xの変化をグラフにしたものである。同図に示すグラフの波形は、検知対象物100の距離に依存せず、ほとんど変化しない。振幅の最大値は1で最小値は−1となる。これにより、Ratio_Xに対して所定の閾値Ratio_thを設定したとき、検知距離に依存することなく検知対象物100の移動方向を正確に判定することが可能となる。例えば、光センサはICチップで作られ、製造ばらつきを持つ。製造ばらつきによって受光感度が増減したとしても、移動方向を判定するための値は比で判定されるため、ばらつき成分が圧縮されことになる。Ratio_Xは上述した演算回路3の出力OUT2に対応し、Ratio_YがOUT1に対応する。なお、Zは、演算回路3の出力OUT3に対応する。
また、光センサの上を手で横切る時、人の手は光センサの上を必ずしも水平に移動しない。例えば、光センサと手の距離が一定に保たれていない状態、つまり、手が光センサと垂直方向に斜めに横切った場合でも、Ratio_XまたはRatio_Y値は検知対象物の距離に依らず出力されるため、手の移動方向を正確に判定することができる。
次に、図5の(d)は、検知対象物100の移動速度が、図5の(c)と比較して速い場合を示している。これらの図に示すように、時間間隔t1’−t2’は、時間間隔t1−t2と比較して短くなっている。時間間隔t1−t2および時間間隔t1’−t2’のそれぞれは、閾値Ratio_Xの符号が反転する時間間隔を示している。このように閾値Ratio_Xの符号が反転する時間間隔を測定することで、その速度(すなわち、検知対象物100の移動速度)を特定することも可能である。より具体的には、並列する2つのPD間の距離を、上記時間間隔で除算すれば、検知対象物100の移動速度を特定できる。
<検知対象物の移動方向の判定方法>
次に、検知対象物100の移動方向の判定方法の概念を説明する。なお、以下の説明では、検知対象物100の移動方向の判定を実施するのはインターフェース6を介して接続された制御部7が実行するものとして説明する。
最初に光センサ101を起動する。光センサ101がデジタル回路を内蔵するとき、制御部7からの初期設定もこのときに実行される。
次に、実際の受光信号の測定が十分に実施される期間待機する。この測定期間が短ければ短いほど、検知対象物100の移動速度が速くても十分なデータサンプリングが可能になる。しかしながら、測定期間が長くなると検知対象物100の移動に対応できない。例えば、図5の(c)のグラフに示すような、検知対象物100の位置に応じたピーク値を検出できない可能性がある。なお、実際に想定される人の手の移動速度は1m/s程度なので、受光素子の検知角度、発光素子の発光角度にも依存するものの、最低でも10msec以内で測定が完了することが望ましい。この測定期間は検出対象物100の移動方向を判定する制御部7側から見た場合、サンプリングレートになり、光センサ101がデータを更新するまで待機する期間と言える。
その後、制御部7は受光信号に応じたデータを取得し、演算処理を実行する。上述したように光センサ101が演算処理を実施し、その結果をインターフェースから制御部7が読み出す。上記の演算処理の結果、それぞれの受光信号の生データを用いて、制御部7は、検知対象物100の移動方向を判定する。基本的には判定が為されるかどうかに関わらず、測定、データ取得そして演算処理は繰り返し実行されるものとする。
次に、図1および図6に基づき、光センサ101による検知対象物100の移動方向の判定手順について説明する。
なお、以下で説明する判定方法は、図1に示す制御部7(コンピュータ)を光センサ101の各手段として動作させるための制御プログラムでの実施を想定しているが、これはデジタル回路を有する光センサでも容易に実現できる。
まず、記号について説明する。Zは上述した、受光信号すべての合算値であり、Z=I1+I2+I3+I4で表される。また、Z_thはZに対する閾値(電流値)であり、光センサ101のS/N比などを考慮して決定する。Ratio_Xは、上述した光電流の和に対する光電流の差の比である。Ratio_thは、図4の(e)の2方向の判定を想定し、Ratio_Xおよび/またはRatio_Yの閾値を設定する。上記のように図1に示す記憶回路52は、S_FLGおよびME_FLGの状態を記憶するための記憶回路である。S_FLG=1であれば一回目の判定で、Ratio_Xの絶対値が、閾値Ratio_th(の絶対値)を超えた状態を示しており、初期値はS_FLG=0となる。プログラム上では2値状態を表現できる変数である。ME_FLGは最初に正の閾値Ratio_thを超えたとき、ME_FLG=X+とし、最初に負の閾値−Ratio_thを下回ったとき、ME_FLG=X−を設定する。X+、X−はプログラム上1または2と値を設定しても良い。初期状態を表すためME_FLGの初期値は0という状態も存在する。
図1に示す制御部7が光センサ101を起動すると判定処理が開始される(図6のS1)。判定拒否決定部71は、第1コンパレータ51からインターフェース6を介してZ比較結果を受け取り、検知対象物100の移動方向の判定を行うか否かを決定する(S2)。
次に、移動方向判定部73は、記憶回路52からS_FLGを読出し、S_FLG=1であれば既に一回目の判定で閾値Ratio_thを超えた状態からの遷移であるので、S4に進む。一方、S_FLG=0であれば、S9に進む。
次に、S9では、移動方向判定部73は、Ratio_Xが正のとき、Ratio_Xを、Ratio_th(正の値)と比較し、Ratio_X≧Ratio_thならS10に進む。なお、この時点で検知対象物100がどちら側から来たかを判定しても良い。一方、Ratio_X<Ratio_thならS12に進む。
S10では、FLG設定部72が、ME_FLG=X+と設定し、記憶回路52に記録してS11に進む。S11では、FLG設定部72がS_FLG=1と設定し、記憶回路52に記録して、S8に進む。
S12では、移動方向判定部73は、Ratio_Xが負のとき、Ratio_Xを、−Ratio_th(負の値)と比較し、Ratio_X≦−Ratio_thならS13に進む。なお、この時点で検知対象物100がどちら側から来たかを判定しても良い。一方、Ratio_X<Ratio_thならS8に進む。
S13では、FLG設定部72が、S_FLG=1と設定し、記憶回路52に記録してS8に進む。
次に、図5の(c)の横軸を時間軸とみて、本実施形態の検知対象物100の移動方向を判定する方法を説明する。検知対象物100が図4の(a)の受光素子PD1およびPD4の方向から近づいてくる。受光素子DPDの受光素子PD1〜PD4の全受光素子の合算値Zは、閾値Z_thを超えるまで、図6のS2に示すZ≧Z_thを満たさないため、演算結果等は判定しない。ここでは、受光電流はデジタル変換された値を出力しているものとする。この場合、例えばI1に対応する値のみがI1=1カウントを出力し、それ以外のI2=I3=I4=0となった場合、Ratio_Xを計算すると、Ratio_X=−1となってしまう、光センサ回路または受光素子のそれぞれのばらつきに依存して、一つの受光信号のみ感度が高いということも想定される。検出対象物100が、人の手の場合、横方向(X方向)に手を動かしているつもりでも、手の傾きに依って一部の受光素子PD1〜PD4に反射信号が入りやすくなる可能性もある。そのようなばらつきや誤差要因を省くために、閾値Z_thを設けることが効果的となる。
次に、S1(2回目の判定開始)からS3まで進み、移動方向判定部73は、記憶回路52から読み出したS_FLGの値を確認し、上記1回目の判定から遷移した2回目の判
定では、S_FLG=1と確認されるため、S4に進む。
S4では、移動方向判定部73は、Ratio_Xが正のとき、Ratio_Xを、Ratio_th(正の値)と比較し、Ratio_X≧Ratio_thならS5に進む。一方、Ratio_X<Ratio_thならS14に進む。
S5では、移動方向判定部73は、記憶回路52から読み出したME_FLGの値を確認し、ME_FLGにX−が設定されている場合、S6に進み、移動方向判定部73は、検知対象物が左から右方向に移動したことを判定する。その後、S7に進み、FLG設定部72が、すべてのFLGを初期化して、S8に進む。
S14では、移動方向判定部73は、Ratio_Xが負のとき、Ratio_Xを、−Ratio_th(負の値)と比較し、Ratio_X≦−Ratio_thならS15に進む。一方、Ratio_X<Ratio_thならS8に進む。
S15では、移動方向判定部73は、記憶回路52から読み出したME_FLGの値を確認し、ME_FLGにX+が設定されている場合、S16に進み、移動方向判定部73は、検知対象物が右から左方向に移動したことを判定する。その後、S7に進み、FLG設定部72が、すべてのFLGを初期化して、S8に進む。
以上のように、検出対象物100の移動方向をより正確に判定するためには、次に正負が反転したRatio_Xの結果を得られたかどうかで判定する方が望ましい(S4、S5、S14、S15)。例えば、図5の(c)の時間軸ではまずME_FLGにX+が設定されることになる(S10)。そして、S_FLG=1を設定し(S11)、次の受光信号データを取得、演算を繰り返す。一回目の処理でME_FLG=X+が設定された場合(S10)、次に期待される値は、Ratio_X≦−Ratio_thとなる(S14)。その条件を満たさなかった場合は再測定を実施する(S8)。その条件が満たされた場合、初めて検知対象物100が右から左方向に移動したことを判定する(S16)。また、逆方向も同様に、一回目の処理でME_FLG=X−が設定された場合(S13)、次に期待される値は、Ratio_X≧Ratio_thとなる(S4)。条件が満たされた場合、初めて検知対象物が左から右方向に移動したことを判定できる(S6)。Ratio_Yについても同様に判定し、Y方向を同時に判定することが可能である。判定後はFLGをすべてクリアし次の移動方向の判定に備える(S7)。
なお、上記のS4、S14、S9、S12では、出力Ratio_Xの符号に関わらず、|出力Ratio_X|≧Ratio_th(正の符号を有する)の条件を満たすならば、すべて「YES」(それぞれ、S5、S15、S10、S13)に進むと考えても良い。
<光センサの作用効果>
上記の構成によれば、移動方向判定部73は、検知対象物100の移動方向の判定に上記光電流の和に対する差の比Ratio_Xを用い、この比に対して所定の閾値Ratio_thを設定し、これらの値を比較するように構成されている。
ここで、上記光電流の和の時間に対する変化は、受光素子DPDと検知対象物100の相対的な配置関係の変化(距離、人の手の角度の変化による受光量の誤差など)による受光量の変化と相関をもつ〔図5の(a)参照〕。また、上記光電流の差は、検知対象物100が近距離を横切るか遠距離を横切るかによって振幅が変化する〔図5の(b)参照〕。
よって、上記光電流の差を上記光電流の和で除算すれば、検出される光電流の振幅から、受光素子DPDと検知対象物100の相対的な配置関係(距離、手の角度など)の変化による受光量の変化による影響を除去することができる。
また、受光素子DPDを構成する受光素子PD1〜PD4の製造ばらつきによって受光感度が増減したとしても、検知対象物100の移動方向は上記のRatio_Xで判定されるため、ばらつき成分が圧縮されことになる。さらに、上記光電流の和および差は、雑音などの外乱によってS/N比が悪化する場合があるが、検知対象物100の移動方向は上記のRatio_Xで判定されるため、これらの外乱の影響も相殺されることになる。以上より、受光素子DPDと検知対象物100との相対的な配置関係の変化に依存することなく検知対象物100動きを正確に検知することができる。
〔実施形態2〕
本発明に係る実施形態2について、図7を参照して以下に説明する。本実施形態の光センサは、上記の実施形態1の光センサ101と比較して、制御部7に替えて、制御部7aおよびタイマー75を備えている点のみが異なっている。このため、制御部7a以外の構成は、実施形態1で説明したとおりなので、ここでは、説明を省略する。また、制御部7aは、上記の制御部7と比較して、移動速度判定部(移動速度特定手段)74を備えている点で異なる。このため、制御部7aの移動速度判定部74以外の構成については、実施形態1で説明したとおりなので、ここでは、説明を省略する。
<移動速度の判定>
移動速度判定部74は、例えば、Ratio_Xの符号が反転する期間の長さ(図5の(c)の時間間隔t1−t2、または、図5の(d)の時間間隔t1’−t2’参照)から検知対象物100の移動速度を特定しても良い。
例えば、最初にRatio_X≧Ratio_thまたはRatio_X≦−Ratio_thを判定したとき(S10、S13)、移動速度判定部74は、タイマー75を起動する。その後、右方向または左方向を判定するにいたった時間(S6、S16)を計測することで、移動速度の判定が可能になる。制御部7aからインターフェース6を介して受発光ユニット90のデータを取得している場合、あるサンプリングレートを持っていることになる。最初に閾値を超えてから、何回目のサンプリングにて移動方向が判定できたかで移動速度を判定することと等価である。
〔実施形態3〕
本発明に係る実施形態3について、図2の(b)を参照して以下に説明する。同図は、本発明を、透過型の受発光ユニットに適用した形態(受発光ユニット90A)を示している。本実施形態のように、上記の実施形態1または2の光センサが備える反射型の受発光ユニットを透過型の受発光ユニットとしても良い。
ここで、本実施形態の透過型の受発光ユニット90Aでは、上記光電流の和の時間に対する変化は、受光素子DPDと検知対象物100(人の手など)との相対的な配置関係の変化のうち、例えば、人の手の角度の変化などによる受光量の変化と相関をもつ。
よって、上記光電流の差を上記光電流の和で除算すれば、検出される光電流の振幅から、受光素子DPDと検知対象物100との相対的な配置関係の変化による受光量の変化による影響を除去することができる。
また、受光素子DPDを構成する受光素子PD1〜PD4の製造ばらつきによって受光感度が増減したとしても、検知対象物100の移動方向は上記のRatio_Xで判定されるため、ばらつき成分が圧縮されことになる。さらに、上記光電流の和および差は、雑音などの外乱によってS/N比が悪化する場合があるが、検知対象物100の移動方向は上記のRatio_Xで判定されるため、これらの外乱の影響も相殺されることになる。
以上より、人の手の角度の変化などの受光素子DPDと検知対象物100の相対的な配置関係の変化によらず、検知対象物100の動きを正確に検知することができる。加えて、本実施形態の受発光ユニット90Aによれば、透過型の光センサであるというメリット、すなわち、検出距離が長い、検出精度が高い、検知対象物100が不透明体であれば、形状・色・材質に関係なく検出できる。レンズの汚れ、ゴミに強いなどのメリットが得られる。
〔実施形態4〕
本発明に係る実施形態4について、図8を参照して以下に説明する。なお、本実施形態のスマートフォン(電子機器)201は、上記の実施形態1〜3のいずれの受発光ユニットを搭載しても良い。図8は、本発明の実施形態4に係るスマートフォン201の構成を示す平面図である。
図8に示すように、電子機器としてのスマートフォン201は、筐体202に液晶パネル203およびタッチパネル204が組み込まれることによって構成されている。このスマートフォン201において、液晶パネル203は、筐体202の操作面側に設けられている。また、タッチパネル204は、液晶パネル203の上に設けられている。
筐体202における操作面の上部には、音声出力部205と受発光ユニット90または受発光ユニット90Aとが配置されている。音声出力部205は、スマートフォン201を電話として使用する場合の音声や、アプリケーションプログラムの動作に応じた各種の音を出力するために設けられている。
受発光ユニット90,90Aは、検知対象物100(例えばユーザの顔)の近接を検知したり、ジェスチャー動作を検知したりするために設けられている受発光部である。
本実施形態のスマートフォン201によれば、検知対象物100からの距離に依存することなく検知対象物100の動きを正確に検知することができる受発光ユニット90,90Aを備えた電子機器を実現できる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
光センサ101の制御ブロック(特に制御回路5、制御部7,7aの各制御ブロック)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、光センサ101は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る光センサ(101)は、発光素子(LED)から出射された光が検知対象物(100)に照射されることによって生じた反射光、または、検知対象物によって遮断されなかった外部からの光が入射することによって光電流を発生する複数の受光素子(PD1〜PD4)と、を備え、上記複数の受光素子のうち、特定の方向に沿って並列する少なくとも2つの受光素子の光電流の和に対する、当該少なくとも2つの受光素子の光電流の差の比(Ratio_Xなど)の絶対値と、所定の閾値(Ratio_thなど)とを比較する比較手段(第2コンパレータ53)と、上記比較手段によって上記比の絶対値が上記所定の閾値よりも大きいと判定された場合に、上記特定の方向を上記検知対象物の移動方向と判定する移動方向特定手段(移動方向判定部74)とを備える。
上記構成によれば、移動方向判定手段は、検知対象物の移動方向の判定に上記光電流の和に対する差の比を用い、この比に対して所定の閾値を設定し、これらの値を比較するように構成されている。
ここで、上記光電流の和の時間に対する変化は、光センサと検知対象物との相対的な配置関係の変化(距離、人の手の角度の変化による受光量の誤差など)による受光量の変化と相関をもつ〔図5の(a)参照〕。また、上記光電流の差は、検知対象物が近距離を横切るか遠距離を横切るかによって振幅が変化する〔図5の(b)参照〕。
よって、上記光電流の差を上記光電流の和で除算すれば、検出される光電流の振幅から、光センサと検知対象物との相対的な配置関係の変化による受光量の変化による影響を除去することができる。
また、受光素子の製造ばらつきによって受光感度が増減したとしても、検知対象物の移動方向は上記の比で判定されるため、ばらつき成分が圧縮されことになる。さらに、上記光電流の和および差は、雑音などの外乱によってS/N比が悪化する場合があるが、検知対象物の移動方向は上記の比で判定されるため、これらの外乱の影響も相殺されることになる。
以上より、光センサと検知対象物との相対的な配置関係の変化に依存することなく検知対象物の動きを正確に検知することができる。
また、本発明の態様2に係る光センサは、上記態様1において、上記光電流の和と、所定の電流値とを比較する別の比較手段を備え、上記移動方向判定手段は、上記別の比較手段によって上記光電流の和が上記所定の電流値よりも小さいと判定された場合に、上記検知対象物の移動方向を判定しないように構成しても良い。
上記のように、検知対象物の移動方向は上記の比で判定されるため、ばらつき成分が圧縮され、外乱の影響も相殺されるが、光電流の和が大きい程、ばらつき成分の圧縮や外乱の影響の相殺効果が高い。よって、上記構成によれば、例えば、受光素子の製造ばらつきや手の角度による受光量の誤差、ならびに、外乱の影響などを縮小して、検知対象物の移動方向をより正確に判定することができる。
また、本発明の態様3に係る光センサは、上記態様1または2において、上記比の符号の種類に正および負の2種類が存在し、上記移動方向判定手段は、上記比較手段が、上記比の絶対値が正の符号を有する閾値よりも大きいと判定した後に、さらに、上記比と符号の異なる別の比の絶対値が、上記正の符号を有する閾値よりも大きいと判定した場合に、上記検知対象物の移動方向を判定しても良い。
上記の構成によれば、移動方向判定手段は、比の符号が反転するまでの少なくとも2度の比の絶対値と正の符号を有する閾値との比較結果を用いて検知対象物の移動方向を判定するように構成されている。このため、上記の比較の一方のみにより、検知対象物の移動方向を判定する構成よりも、より正確に検知対象物の移動方向を判定することができる。
また、本発明の態様4に係る光センサは、上記態様3において、上記比の符号が反転する期間の長さから上記検知対象物の移動速度を特定する移動速度特定手段を備えていても良い。
上記の構成によれば、簡単な構成で検知対象物の移動速度を正確に特定することができる。
また、本発明の態様5に係る光センサは、上記態様1〜4のいずれかの光センサを備えていても良い。
上記構成によれば、光センサと検知対象物との相対的な配置関係の変化に依存することなく検知対象物の動きを正確に検知することができる電子機器を実現できる。
本発明の上記の各態様に係る光センサは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記光センサが備える各手段として動作させることにより上記光センサをコンピュータにて実現させる光センサの制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、反射型または透過型の光センサを用いた近接センサや、物体の動きを検知する目的で使用されるジェスチャーセンサに好適に利用することができる。
51 第1コンパレータ(別の比較手段)
53 第2コンパレータ(比較手段)
73 移動方向判定部(移動方向判定手段)
74 移動速度判定部(移動速度特定手段)
100 検知対象物
101 光センサ
201 スマートフォン(電子機器)
PD1〜PD4 受光素子
DPD 受光素子
LED 発光素子

Claims (6)

  1. 発光素子から出射された光が検知対象物に照射されることによって生じた反射光、または、検知対象物によって遮断されなかった外部からの光が入射することによって光電流を発生する複数の受光素子を備え、
    上記複数の受光素子のうち、特定の方向に沿って並列する少なくとも2つの受光素子の光電流の和に対する、当該少なくとも2つの受光素子の光電流の差の比の絶対値と、所定の閾値とを比較すると共に、上記光電流の和と、所定の電流値とを比較する制御回路と、
    上記制御回路によって上記比の絶対値が上記所定の閾値以上であると判定された場合に、上記特定の方向を上記検知対象物の移動方向と判定すると共に、上記制御回路によって上記光電流の和が上記所定の電流値よりも小さいと判定された場合に、上記検知対象物の移動方向を判定しない移動方向判定手段とを備えることを特徴とする光センサ。
  2. 上記制御回路は、
    上記複数の受光素子のうち、特定の方向に沿って並列する少なくとも2つの受光素子の光電流の和に対する、当該少なくとも2つの受光素子の光電流の差の比の絶対値と、所定の閾値とを比較する比較手段と、
    上記光電流の和と、所定の電流値とを比較する別の比較手段とを備え、
    上記移動方向判定手段は、
    上記比較手段によって上記比の絶対値が上記所定の閾値以上であると判定された場合に、上記特定の方向を上記検知対象物の移動方向と判定すると共に、
    上記別の比較手段によって上記光電流の和が上記所定の電流値よりも小さいと判定された場合に、上記検知対象物の移動方向を判定しないことを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
  3. 発光素子から出射された光が検知対象物に照射されることによって生じた反射光、または、検知対象物によって遮断されなかった外部からの光が入射することによって光電流を発生する複数の受光素子を備え、
    上記複数の受光素子のうち、特定の方向に沿って並列する少なくとも2つの受光素子の光電流の和に対する、当該少なくとも2つの受光素子の光電流の差の比の絶対値と、所定の閾値とを比較する比較手段と、
    上記比較手段によって上記比の絶対値が上記所定の閾値以上であると判定された場合に、上記特定の方向を上記検知対象物の移動方向と判定する移動方向判定手段と、
    上記光電流の和と、所定の電流値とを比較する別の比較手段とを備え、
    上記移動方向判定手段は、
    上記別の比較手段によって上記光電流の和が上記所定の電流値よりも小さいと判定された場合に、上記検知対象物の移動方向を判定しないことを特徴とする光センサ。
  4. 上記比の符号の種類に正および負の2種類が存在し、
    上記移動方向判定手段は、
    上記比較手段が、上記比の符号が正である場合に、上記比の値が正の符号を有する閾値以上であると判定するか、または、上記比の符号が負である場合に、上記比の値が負の符号を有する閾値以下であると判定した場合に、上記検知対象物の移動方向を判定することを特徴とする請求項2又は3に記載の光センサ。
  5. 上記比の符号が反転する期間の長さから上記検知対象物の移動速度を特定する移動速度特定手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載の光センサ。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の光センサを備えていることを特徴とする電子機器。
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