JP2011226542A - 液圧弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】増圧弁及び減圧弁の各々の弁体と弁座との間を流れる作動液が各弁を開弁する方向に流れる液圧弁装置を提供する。
【解決手段】高圧室252と調圧室272とを繋ぎ調圧室側の開口が増圧弁の弁座である第1室間部240と、低圧室228と調圧室とを繋ぐ第2室間部208とを有するハウジングと、ハウジング内を移動可能であり、増圧弁の弁体248が形成された第1部材246と、第2室間部に挿入状態で移動可能であり、減圧弁の弁座が形成された第2部材260と、低圧室内を移動可能であり、減圧弁の弁体が形成された第3部材182と、第3部材を減圧弁の弁体が弁座に接近する方向である第1方向に移動させる移動器184とを備えた液圧弁装置において、第2部材の第1方向への移動に伴って第1部材を第1方向の反対方向へ移動させるように構成する。このように構成すれば、液圧を増減圧する際に作動液を、弁が開弁する方向に流すことが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、高圧源と連通する高圧室と、低圧源と連通する低圧室と、それら高圧室と低圧室とに連通可能な調圧室とを有するハウジングと、高圧室と調圧室との間の作動液の流通を開閉する弁と、低圧室と調圧室との間の作動液の流通を開閉する弁とを備え、調圧室内の作動液の液圧を調圧可能な液圧弁装置に関する。
液圧弁装置には、(a)高圧室と低圧室と調圧室とを有するハウジングと、(b)そのハウジング内に移動可能に設けられ、一端部が第1の弁体として機能するプランジャと、(c)そのプランジャの一端部が着座する第1の弁座が形成されるとともに、ハウジング内に移動可能に設けられた移動部材とによって構成されており、プランジャの一端部が第1の弁座に着座している状態において、低圧室と調圧室との間の作動液の流通が遮断されるとともに、ハウジング内に形成された第2の弁座に着座可能な第2の弁体が上記移動部材に形成され、その移動部材に形成された第2の弁体が第2の弁座に着座している状態において、高圧室と調圧室との間の作動液の流通が遮断される構造のものが存在する。
さらに、移動部材に形成された第2の弁体が第2の弁座に接近する方向にその移動部材を付勢する第1付勢部材と、プランジャの一端部が第1の弁座から離隔する方向にプランジャを付勢する第2付勢部材と、プランジャの一端部が第1の弁座に接近する方向にプランジャを移動させるための力を発生させる移動力発生器とが設けられ、その移動力発生器の発生させる力によって、プランジャの一端部が第2付勢部材の付勢力に抗して第2の弁座に着座させられ、その状態において移動部材がプランジャとともに移動させられることで、移動部材に形成された第2の弁体が第1付勢部材の付勢力に抗して第2の弁座から離隔する構造のものがある。
このような構造の液圧弁装置においては、移動力発生器の作動を制御して、移動部材に形成された第2の弁体を第2の弁座から離隔させることで、高圧室と調圧室との間の作動液の流通を許容し、調圧室内の作動液の液圧(以下、「調圧室圧」という場合がある)を増圧させることが可能となっている。一方、プランジャの一端部を第1の弁座から離隔させることで、低圧室と調圧室との間の作動液の流通を許容し、調圧室圧を減圧させることも可能となっている。つまり、移動力発生器の発生させる力に応じた高さに調圧室圧を調圧することが可能となっている。下記特許文献には、そのような構造の液圧弁装置に関する技術が記載されている。
特開2008−25712号公報 特開2008−25711号公報 特開2008−47104号公報 特開2008−132966号公報
上記構造の液圧弁装置においては、調圧室圧が増圧および減圧される際に、弁体と弁座との間を作動液が流れる。弁体と弁座との間は比較的狭く、その間を流れる作動液は勢いよく弁体に作用する。このため、例えば、調圧室圧が調圧される際に弁体と弁座との間を流れる作動液が、弁体が弁座に接近する方向に流れるような場合には、作動液の流れによって弁体が弁座に接近する方向に弁体が付勢される。つまり、作動液の流れによって弁が閉じる方向(以下、「自閉方向」という場合がある)に弁体が付勢される。一方、調圧室圧が調圧される際には、移動力発生器の発生させる力を制御して、弁体を弁座から離隔させることで弁を開けている。このため、作動液が自閉方向に流れると、精度良く調圧室圧を調圧できない虞がある。また、作動液が自閉方向に流れると弁体が弁座に着座する場合があり、そのような場合には、作動液の流れによる閉弁と、移動力発生器の発生させる力による開弁とが頻繁に繰り返される現象、所謂、ハンチング現象が生じる虞があり、精度良く調圧室圧を調圧できない虞がある。本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、調圧室圧が増圧および減圧される際に、弁体と弁座との間を流れる作動液が自閉方向に流れることなく、精度良く調圧室圧を調圧可能な液圧弁装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の液圧弁装置は、(A)高圧室と、低圧室と、それら高圧室と低圧室との間に設けられた調圧室と、高圧室と調圧室とを繋ぐ第1室間部と、低圧室と調圧室とを繋ぐ第2室間部とを有し、それらを自身の軸線方向に並ぶように区画するハウジングと、(B)軸線方向に移動可能にハウジング内に配設され、第1室間部の調圧室側の開口に着座することで高圧室と調圧室との間の作動液の流通を遮断する第1移動部材と、(C)第1移動部材を、それが着座する方向である第1方向に付勢する第1付勢部材と、(D)軸線方向に移動可能に第2室間部に挿入された状態でハウジング内に配設され、低圧室と調圧室とを連通する内部連通路を自身の内部に有する第2移動部材と、(E)軸線方向に移動可能に低圧室内に配設され、内部連通路の低圧室側の開口に着座することで調圧室と低圧室との間の作動液の流通を遮断する第3移動部材と、(F)第3移動部材を、それが内部連通路の開口から離隔する方向であって上記第1方向とは反対の方向の第2方向に付勢する第2付勢部材と、(G)第3移動部材を第1方向に移動させるための力を、自身に供給される電力に応じた大きさで発生させる移動力発生器と、(H)第1移動部材を第2移動部材の上記第1方向への移動に伴って上記第2方向へ移動させる連動機構とを備えた液圧弁装置であって、移動力発生器の発生させる力によって、第3移動部材が内部連通路の開口に着座させられ、その状態において第2移動部材が上記第1方向に移動させられることで、連動機構を介して第1移動部材が第1室間部の開口から離隔させられるように構成される。
本発明の液圧弁装置においては、上記第1の弁体であるプランジャの一端部として機能する第3移動部材は低圧室内に位置しており、調圧室圧が減圧される際に作動液は調圧室から低圧室へ流れる。このため、弁体と弁座との間を流れる作動液は、弁体が弁座から離隔する方向、つまり、弁が開く方向(以下、「自開方向」という場合がある)へ流れる。また、第1室間部の調圧室側の開口に着座する第1移動部材が上記第2の弁体として機能しており、その第1移動部材の着座する部分は調圧室内に位置している。調圧室圧が増圧される際に作動液は高圧室から調圧室へ流れるため、弁体と弁座との間を流れる作動液は自開方向へ流れる。したがって、本発明の液圧弁装置によれば、調圧室圧が増圧および減圧される際の弁体と弁座との間を流れる作動液の流れを自開方向にすることが可能となり、精度良く調圧室圧を調圧することが可能となる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、請求項1に(2)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項2に、請求項2に(3)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項3に、請求項3に(4)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項4に、請求項4に(6)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項5に、請求項4に(7)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項6に、請求項4ないし請求項6のいずれか1つに(8)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項7に、請求項1ないし請求項7のいずれか1つに(12)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項8に、それぞれ相当する。
(1)作動液を調圧するための液圧弁装置であって、
高圧源と連通する高圧室と、低圧源と連通する低圧室と、前記高圧室と前記低圧室との間に設けられた調圧室と、前記高圧室と前記調圧室とを繋ぐ第1室間部と、前記低圧室と前記調圧室とを繋ぐ第2室間部とを有し、それらを自身の軸線方向に並ぶように区画するハウジングと、
前記軸線方向に移動可能に前記ハウジング内に配設され、前記第1室間部の前記調圧室側の開口に着座することで前記高圧室と前記調圧室との間の作動液の流通を遮断する第1移動部材と、
その第1移動部材を、それが着座する方向である第1方向に付勢する第1付勢部材と、
前記軸線方向に移動可能に前記第2室間部に挿入された状態で前記ハウジング内に配設され、前記低圧室と前記調圧室とを連通する内部連通路を自身の内部に有する第2移動部材と、
前記軸線方向に移動可能に前記低圧室内に配設され、前記内部連通路の前記低圧室側の開口に着座することで前記調圧室と前記低圧室との間の作動液の流通を遮断する第3移動部材と、
その第3移動部材を、それが前記内部連通路の前記開口から離隔する方向であって前記第1方向とは反対の方向の第2方向に付勢する第2付勢部材と、
前記第3移動部材を前記第1方向に移動させるための力を、自身に供給される電力に応じた大きさで発生させる移動力発生器と、
前記第1移動部材を前記第2移動部材の前記第1方向への移動に伴って前記第2方向へ移動させる連動機構と
を備え、
前記移動力発生器の発生させる力によって、前記第3移動部材が前記内部連通路の前記開口に着座させられた状態において前記第2移動部材が前記第1方向に移動させられることで、前記連動機構を介して前記第1移動部材が前記第1室間部の前記開口から離隔させられ、前記調圧室内の作動液が前記移動力発生器の発生させる力に応じた高さに増圧されるように構成された液圧弁装置。
液圧弁装置には、高圧室と、低圧室と、それら高圧室と低圧室とに連通可能な調圧室とを有するハウジングと、高圧室と調圧室との間の作動液の流通を開閉する弁(以下、「増圧弁」という場合がある)と、低圧室と調圧室との間の作動液の流通を開閉する弁(以下、「減圧弁」という場合がある)とを備え、調圧室内の作動液の液圧(以下、「調圧室圧」という場合がある)を調圧可能な構造のものが存在する。増圧弁は、弁体と弁座とを有し、弁体が弁座に着座することで、高圧室と調圧室との間の作動液の流通を遮断する構造とされており、減圧弁も、弁体と弁座とを有し、弁体が弁座に着座することで、低圧室と調圧室との間の作動液の流通を遮断する構造とされている。
調圧室圧が増圧および減圧される際には、弁体と弁座との間を作動液が流れ、それら弁体と弁座との間は比較的狭いため、その間を流れる作動液は勢いよく弁体に作用する。このため、例えば、調圧室圧が調圧される際に弁体と弁座との間を流れる作動液が、弁体が弁座に接近する方向、つまり、弁が閉じる方向(以下、「自閉方向」という場合がある)に流れるような場合には、弁体と弁座との間を離隔させて調圧室圧を調圧する制御を精度良く実行できない虞がある。また、作動液が自閉方向に流れると弁体が弁座に着座する場合があり、そのような場合には、作動液の流れによる閉弁と、移動力発生器の発生させる力による開弁とが頻繁に繰り返される現象、所謂、ハンチング現象が生じる虞があり、精度良く調圧室圧を調圧できない虞がある。
以上のことに鑑みて、本項に記載された液圧弁装置においては、(A)高圧室と、低圧室と、それら高圧室と低圧室との間に設けられた調圧室と、高圧室と調圧室とを繋ぐとともに、調圧室側の開口に増圧弁の弁座が形成された第1室間部と、低圧室と調圧室とを繋ぐ第2室間部とを有するハウジングと、(B)軸線方向に移動可能にハウジング内に配設され、増圧弁の弁体が形成された第1移動部材と、(C)軸線方向に移動可能に第2室間部に挿入された状態でハウジング内に配設され、減圧弁の弁座が形成された第2移動部材と、(D)軸線方向に移動可能に低圧室内に配設され、減圧弁の弁体が形成された第3移動部材と、(E)第3移動部材を、減圧弁の弁体が減圧弁の弁座に接近する方向である第1方向に移動させるための力を発生させる移動力発生器と、(F)第2移動部材の上記第1方向への移動に伴って、第1移動部材を上記第1方向とは反対の方向へ移動させる連動機構とによって構成されている。このような構成によれば、増圧弁の弁体を調圧室内に位置させるとともに、減圧弁の弁体を低圧室内に位置させることが可能となる。調圧室圧の増圧時には、作動液は高圧室から調圧室へ流れ、調圧室圧の減圧時には、作動液は調圧室から低圧室へ流れる。したがって、本項に記載の液圧弁装置によれば、調圧室圧が増圧および減圧される際の弁体と弁座との間を流れる作動液の流れを、弁体が弁座から離隔する方向、つまり、弁が開く方向(以下、「自開方向」という場合がある)にすることが可能となり、精度良く調圧室圧を調圧することが可能となる。
本項に記載された「第1室間部」および「第2室間部」は、2つの液室を連通するものであればよく、例えば、2つの液室の間に位置する内壁を貫通する穴,通路等であってもよく、ハウジング内に嵌合される環状の部材の内壁面によって形成される部分であってもよい。本項に記載の「移動力発生器」は、第3移動部材を移動させるための力を制御可能に発生させるものであればよく、具体的に言えば、例えば、供給電力に応じて電磁力を発生させるコイルであってもよい。また、当該液圧弁装置とは異なる電磁式の液圧弁装置によって作動液を調圧し、その調圧された作動液を第3移動部材に作用させることで、その第3移動部材を移動させる構造のものであってもよい。このような構造のものであれば、当該液圧弁装置とは異なる電磁式の液圧弁装置への供給電力に応じて、第3移動部材を移動させるための力を発生させることが可能である。
本項に記載の「連動機構」は、第1移動部材と第2移動部材とを連動させるものであればよく、例えば、第1移動部材および第2移動部材と係合するとともに、第2移動部材の第1方向への移動に伴ってその第2移動部材と係合する箇所が第1方向へ移動するとともにその移動に伴って第1移動部材と係合する箇所が第2方向へ移動する構造であってもよい。
(2)前記第1移動部材が、筒状をなしており、外周面の一部分において前記第1室間部の前記開口に着座するように構成され、
前記第2移動部材が、前記第1移動部材に挿入された状態で配設された(1)項に記載の液圧弁装置。
本項に記載の液圧弁装置においては、第1移動部材と第2移動部材との構造が具体的に限定されている。本項に記載の液圧弁装置によれば、相対移動可能な第1移動部材と第2移動部材との構造を比較的シンプルなものとすることが可能となる。
(3)前記第1移動部材と前記第2移動部材とのそれぞれの前記第1方向の側の端部が前記高圧室内に位置するとともに、
前記連動機構が、前記第1移動部材と前記第2移動部材とのそれぞれの前記第1方向の側の端部と係合した状態で前記高圧室内に配設された(2)項に記載の液圧弁装置。
本項に記載の液圧弁装置は、第1移動部材と第2移動部材との端部が高圧室内に延び出しており、連動機構がそれぞれの延び出した部分と高圧室内において係合する構造とされている。つまり、本項の液圧弁装置においては、高圧室内のスペースが有効利用されている。
(4)前記連動機構が、
前記第1移動部材と前記第2移動部材とのそれぞれの前記第1方向の側の端部と前記ハウジングの内面とによって挟まれるとともに、前記第2移動部材の前記第1方向への移動に伴ってその第2移動部材と係合する部分が前記第1方向へ変形するとともにその変形に伴って前記第1移動部材と係合する部分が前記第2方向へ変形する変形体を有し、その変形体の変形によって、前記第2移動部材の前記第1方向への移動に伴って前記第1移動部材を前記第2方向へ移動させるように構成された(3)項に記載の液圧弁装置。
本項に記載の液圧弁装置においては、第1移動部材と第2移動部材との端部とハウジングとの間に力が加えられることによって変形する変形体が配設されている。したがって、本項に記載の液圧弁装置によれば、変形体の変形を利用するこで、第2移動部材の第1方向への移動に連動して、第1移動部材を第2方向へ移動させることが可能となり、連動機構の構造を簡便なものとすることが可能となる。本項に記載の「変形体」は、変形した後に復元するものであっても、復元しないものであってもよい。「変形体」が変形した後に復元しないものである場合には、第1移動部材が第1付勢部材によって第1方向へ付勢されることで、「変形体」は復元する。
(5)前記変形体が、粘弾性体である(4)項に記載の液圧弁装置。
本項に記載の「粘弾性体」は、粘性および弾性を有するものであり、例えば、ゴム,ゲル等,種々の素材のものを採用することが可能である。
(6)前記変形体が、ゴムであり、
そのゴムが、
前記第1移動部材と前記第2移動部材とのそれぞれの前記第1方向の側の端部と密着させられており、前記第1移動部材と前記第2移動部材とのそれぞれの前記第1方向の側の端部と自身との間における作動液の流通を禁止することで、シールとして機能する(4)項または(5)項に記載の液圧弁装置。
本項に記載の液圧弁装置においては、連動機構の変形体が、第1移動部材と第2移動部材とを連動させる機能と、シールとしての機能とを有している。一般的な液圧弁装置において、ハウジング内に摺動可能に設けられるものには、通常、Oリング等のシールがその摺動するものの外周面に装着される。Oリング等のシールが装着されることで、液漏れ等は抑制されるが、ハウジング内を摺動するものの摺動抵抗が高くなる。本項に記載の液圧弁装置では、シールとして機能するゴム製の変形体が、第1移動部材と第2移動部材との端部に接触しており、第1移動部材と第2移動部材との端部と変形体との間からの作動液の液漏れを禁止している。このため、本項に記載の液圧弁装置によれば、第1移動部材および第2移動部材の外周面にOリング等のシールが装着される液圧弁装置より、ハウジング内での第1移動部材の摺動抵抗および、ハウジング内での第2移動部材の摺動抵抗を小さくすることが可能となる。
(7)前記変形体が、板ばねであり、
その板ばねが、
前記第2移動部材と係合する第1の係合部と、前記第1移動部材と係合する第2の係合部とを有し、前記第2移動部材の前記第1方向への移動に伴って前記第1の係合部が前記第1方向へ移動するとともに、その移動に伴って前記第2の係合部が前記第2方向へ移動するように弾性変形するように構成された(4)項に記載の液圧弁装置。
本項に記載の液圧弁装置においては、連動機構の変形体として板ばねが採用されている。本項に記載の「板ばね」は、第1の係合部と第2の係合部とが上記軸線方向に相対的に弾性変形するものであればよく、例えば、ハウジングによって支持される被支持部を有し、第1の係合部がその被支持部より上記軸線方において第2移動部材の側に位置するととも、第2の係合部が被支持部より上記軸線方において第1移動部材の側に位置する構造とされてもよい。
(8)前記ハウジングが、
中空形状の本体部材と、
円筒部とその円筒部の一端部を塞ぐ蓋部と有し、前記円筒部の他端部が前記第2方向の側に位置するとともに前記蓋部が前記第1方向の側に位置した状態で前記本体部材の内部に前記第2方向に移動可能に配設された有蓋円筒部材と、
その有蓋円筒部材の前記蓋部の前記第1方向の側の端面と前記本体部材とによって区画されるとともに、前記高圧源とは異なる圧力源から作動液が流入可能な補助室とを有し、
前記変形体を前記有蓋円筒部材の前記蓋部の前記第2方向の側の端面において支持するとともに前記円筒部の内部に前記第1移動部材と前記第2移動部材とが挿入され、前記有蓋円筒部材の内部の一部分が前記高圧室として機能するとともに前記有蓋円筒部材の前記円筒部の前記他端部が前記第1室間部として機能し、その他端部に前記第1移動部材の外周面の一部分が着座するように構成されるとともに、
当該液圧弁装置が、
前記移動力発生器が前記第3移動部材を移動させるための力を発生させない場合であっても、前記補助室内の作動液の液圧によって前記有蓋円筒部材が前記第2方向に移動させられることで、前記第1移動部材の外周面の一部分が前記円筒部の前記他端部に着座した状態で前記第2移動部材の前記内部連通路の前記開口に前記第3移動部材が着座させられ、その状態において前記有蓋円筒部材がさらに前記第2方向へ移動させられることで、前記変形体を介して前記第1移動部材の外周面の一部が前記円筒部の前記他端部から離隔させられ、前記調圧室の作動液が増圧されるように構成された(4)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の液圧弁装置。
移動力発生器は、電力に依拠して移動力を発生させるものであるため、電力失陥時等には、移動力を発生させることができなくなり、調圧室圧を増圧させることができなくなる虞がある。ただし、フェールセーフの観点から、電力失陥時等であっても、調圧室圧を増圧させる手段を講じておく必要がある。本項に記載の液圧弁装置においては、移動力発生器が発生させる力に依拠することなく、作動液の液圧を利用して、減圧弁を閉弁するとともに増圧弁を開弁することが可能となっている。したがって、本項に記載の液圧弁装置によれば、移動力発生器が第3移動部材を移動させるための力を発生させることができない状況下においても、調圧室圧を増圧させることが可能となり、信頼性の高い液圧弁装置を提供することが可能となる。
(9)当該液圧弁装置が、
前記移動力発生器が前記第3移動部材を移動させるための力を発生させない場合であっても、前記調圧室内の作動液の液圧によって前記有蓋円筒部材を前記第1方向に押す力が、前記補助室内の作動液の液圧によって前記有蓋円筒部材を前記第2方向に押す力より小さくなったときに、前記補助室内の作動液の液圧によって前記有蓋円筒部材が前記第2方向に移動させられて、前記調圧室の作動液を増圧させるように構成された(8)項に記載の液圧弁装置。
本項に記載の液圧弁装置においては、電力失陥時等に調圧室圧がある程度低下した場合に、移動力発生器とは異なる手段によって調圧室圧を増圧させることが可能である。つまり、調圧室圧が大気圧まで低下する前に調圧室圧を増圧させることが可能である。したがって、本項に記載の液圧弁装置によれば、さらに信頼性の高い液圧弁装置を提供することが可能となる。
(10)前記第2移動部材が、前記第2方向の側の端部が前記第2室間部に摺動可能に嵌め込まれる構造とされた(2)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の液圧弁装置。
(11)前記第1移動部材が、前記第2方向の側の端部が前記第2室間部に摺動可能に嵌め込まれる構造とされた(2)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の液圧弁装置。
上記2つの項に記載の液圧弁装置においては、低圧室と調圧室とを区画する構造が限定されている。前者の項に記載の液圧弁装置においては、第2移動部材が第2室間部を塞ぐことで、低圧室と調圧室とが区画されており、後者の項に記載の液圧弁装置においては、第1移動部材が第2室間部を塞ぐことで、低圧室と調圧室とが区画されている。
(12)前記移動力発生器が、前記第3移動部材を前記第1方向に移動させるための電磁力を発生させるコイルを有する(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の液圧弁装置。
本項に記載の液圧弁装置においては、移動力発生器が具体的に限定されている。本項に記載の液圧弁装置によれば、コイルへの供給電力量を変化させることで電磁力を変化させることが可能であり、第3移動部材を移動させるための力を容易に制御することが可能となる。
請求可能発明の第1実施例の液圧弁装置を備えた車両用液圧ブレーキシステムを概略的に示す図である。 図1の車両用液圧ブレーキシステムの備える液圧弁装置を示す概略断面図である。 図2の液圧弁装置の各部材が受ける受圧面積を示す図である。 第2実施例の液圧弁装置を示す概略断面図である。 図4の液圧弁装置の各部材が受ける受圧面積を示す図である。 第2実施例の液圧弁装置を変形した液圧弁装置を示す概略断面図である。 図6の液圧弁装置の備える板ばねを示す図である。
以下、請求可能発明のいくつかの実施例および変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<車両用ブレーキシステムの構成>
図1に、第1実施例の液圧弁装置を備えた車両用液圧ブレーキシステム10を示す。本液圧ブレーキシステム10は、ブレーキ液を加圧するためのシリンダ装置20を有している。車両の運転者は、シリンダ装置20に連結された操作装置22を操作することでシリンダ装置20を作動させことができ、シリンダ装置20は、自身の作動によってブレーキ液を加圧する。その加圧されたブレーキ液は、シリンダ装置20に接続されるアンチロック装置24を介して、各車輪に設けられたブレーキ装置26に供給される。ブレーキ装置26は、加圧されたブレーキ液の圧力に依拠して、車輪の回転を制止するための力、すなわち、液圧制動力を発生させる。
ブレーキ装置26の詳しい構造についての説明は省略するが、各ブレーキ装置26は、ブレーキキャリパと、そのブレーキキャリパに取り付けられたホイールシリンダ(ブレーキシリンダ)およびブレーキパッドと、各車輪とともに回転するブレーキディスクとを含んで構成されている。ブレーキシリンダは、シリンダ装置20によって加圧されたブレーキ液の出力圧に依拠して、ブレーキパッドをブレーキディスクに押し付ける。その押し付けによって発生する摩擦によって、各ブレーキ装置26では、車輪の回転を制止する液圧制動力が発生し、車両は制動されるのである。
なお、以下の説明において、「ブレーキ装置26」等のいくつかの構成要素は、総称として使用するが、4つの車輪のいずれかに対応するものであることを示す場合には、左前輪,右前輪,左後輪,右後輪にそれぞれ対応して、添え字「FL」,「FR」,「RL」,「RR」を付すこととする。また、「前方」は図1における左方、「後方」は図1における右方をそれぞれ表している。また、「前側」、「前端」、「前進」や、「後側」、「後端」、「後進」等も同様に表すものとされている。
i)シリンダ装置の構成
シリンダ装置20は、それの筐体であるハウジング30と、ブレーキ装置26に供給するブレーキ液を加圧する第1加圧ピストン32および第2加圧ピストン34と、運転者の操作力によって前進する中間ピストン36と、運転者の操作が操作装置22を通じて入力される入力ピストン38とを含んで構成されている。なお、図1は、シリンダ装置20が動作していない状態、つまり、ブレーキ操作がされていない状態を示している。
ハウジング30は、主に、2つの部材から、具体的には、第1ハウジング部材40、第2ハウジング部材42から構成されている。第1ハウジング部材40は、前端部が閉塞された概して円筒状を有し、後端部の外周にフランジ44が形成されており、そのフランジ44において車体に固定される。第1ハウジング部材40は、内径が互いに異なる3つの部分、具体的には、前方側に位置して内径の最も小さい前方小径部46、後方側に位置して内径の最も大きい後方大径部48、それら前方小径部46と後方大径部48との中間に位置しそれらの内径の中間の内径を有する中間部50に区分けされている。
第2ハウジング部材42は、前方側に位置して外径の大きい前方大径部52、後方側に位置して外径の小さい後方小径部54とを有する円筒形状をなしている。第2ハウジング部材42は、前方大径部52の前端部が第1ハウジング部材40の中間部50と後方大径部48との段差面に接する状態で、その後方大径部48に嵌め込まれている。それら第1ハウジング部材40,第2ハウジング部材42は、第1ハウジング部材40の後端部の内周面に嵌め込まれたロック環56によって、互いに締結されている。
第1加圧ピストン32および第2加圧ピストン34は、それぞれ、後端部が塞がれた有底円筒形状をなしており、第1ハウジング部材40の前方小径部46に摺動可能に嵌め合わされている。第1加圧ピストン32は、第2加圧ピストン34の後方に配設されている。第1加圧ピストン32と第2加圧ピストン34との間には、右前輪のブレーキ装置26FRに供給されるブレーキ液を加圧するための第1加圧室R1が区画形成されており、また、第2加圧ピストン34の前方には、左前輪に設けられたブレーキ装置26FLに供給されるブレーキ液を加圧するための第2加圧室R2が区画形成されている。なお、第1加圧ピストン32と第2加圧ピストン34とは、第1加圧ピストン32の後端部に立設された有頭ピン60と、第2加圧ピストン34の後端面に固設されたピン保持筒62とによって、離間距離が設定範囲内に制限されている。また、第1加圧室R1内,第2加圧室R2内には、それぞれ、圧縮コイルスプリング64、66が配設されており、それらスプリング64、66によって、第1加圧ピストン32,第2加圧ピストン34はそれらが互いに離間する方向に付勢されるとともに、第1加圧ピストン32、第2加圧ピストン34は後方に向かって付勢されており、第1加圧ピストン32は中間ピストン36の前端面に当接されている。
中間ピストン36は、両端部が開口された円筒形状の本体部70と、本体部70の前端部を塞ぐ蓋部72とから構成されている。中間ピストン36は、前端が第1加圧ピストン32の後端に当接した状態で、第1ハウジング部材40の中間部50の内周面に、摺動可能に嵌め合わされている。中間ピストン36の後方には、第2ハウジング部材42の前端部との間に、入力室R3が区画形成されている。ちなみに、図1では、ほとんど潰れた状態で示されている。また、ハウジング30の内部には、第1ハウジング部材40の内周面と第1加圧ピストン32の外周面との間に形成された空間が存在する。その空間が、中間ピストン36の前端面と、第1ハウジング部材40の前方小径部46と中間部50との段差面とによって区画されることで、常時大気圧とされる環状の液室(以下、「大気圧室」という場合がある)R4が形成されている。
入力ピストン38は、前方が塞がれて後端部の開口する円筒形状をなす外筒部材80と、概して円柱形状のロッド部材82とを主体として構成されている。入力ピストン38は、ロッド部材82が、外筒部材80に、それの後端側から挿し込まれている。入力ピストン38は、第2ハウジング部材42に保持された状態で、中間ピストン36の本体部70の前端部から挿し込まれるとともに、中間ピストン36に対して進退可能とされている。このように構成された中間ピストン36の内部には、中間ピストン36と入力ピストン38との相対移動によって自身の容積が変化する液室(以下、「内部室」という場合がある)R5が区画形成されている。ちなみに、入力ピストン38の後退は、外筒部材80の前端部に形成される鍔部が、中間ピストン36の本体部70の後端部に当接することで制限されている。
内部室R5には、中間ピストン36の内底面と入力ピストン38の前端面との間に、2つの圧縮コイルスプリングである第1反力スプリング90および第2反力スプリング92が配設されている。第1反力スプリング90は、第2反力スプリング92の前方に直列に配設されており、鍔付ロッド形状の浮動座94が、それらの反力スプリング90,92に挟まれて浮動支持されている。第1反力スプリング90は、それの前端部が中間ピストン36の前端部に支持され、後端部が浮動座94の前方側のシート面に支持されている。一方、第2反力スプリング92は、それの前端部が浮動座94の後方側のシート面に支持され、後端部が入力ピストン38の前端部に支持されている。また、浮動座94の前端部には第1緩衝ゴム96、後端部には第2緩衝ゴム98がそれぞれ嵌め込まれており、その第1緩衝ゴム96が中間ピストン36の前端面に当接し、第2緩衝ゴム98が入力ピストン38の前端面に当接することで、浮動座94と中間ピストン36との接近、および、浮動座94と入力ピストン38との接近は、ある範囲に制限されている。
入力ピストン38のロッド部材82の後端部には、操作装置22のブレーキペダル100に加えられた操作力を入力ピストン38に伝達すべく、また、ブレーキペダル100の操作量に応じて入力ピストン38を進退させるべく、操作装置22のオペレーションロッド102の前端部が連結されている。ちなみに、入力ピストン38は、ロッド部材82の後端部が第2ハウジング部材42の後端部によって係止されることで、後退が制限されている。また、オペレーションロッド102には、円形の支持板104が付設されており、この支持板104とハウジング30との間にはブーツ106が渡されており、シリンダ装置20の後部の防塵が図られている。
第1加圧室R1は、開口が出力ポートとなる連通孔110を介して、右前輪のブレーキ装置26FLに繋がる主液通路112と連通しており、第1加圧ピストン32に設けられた連通孔114および開口がドレインポートとなる連通孔116を介して、低圧源としてのリザーバ118に、非連通となることが許容された状態で連通している。一方、第2加圧室R2は、開口が出力ポートとなる連通孔120を介して、左前輪のブレーキ装置26FLに繋がる主液通路122と連通しており、第2加圧ピストン34に設けられた連通孔124および開口がドレインポートとなる連通孔126を介して、リザーバ118に、非連通となることが許容された状態で連通している。
中間ピストン36は、第1ハウジング部材40の中間部50の内径よりある程度小さい外径とされており、それらの間にはある程度の流路面積を有する液通路130が形成されている。入力室R3は、その液通路130および開口が連結ポートとなる連通孔131を介して、外部に連通可能となっている。その連通孔131は、連通路132を介して制御圧連通路133に繋げられている。
中間ピストン36には、蓋部72において、大気圧室R4と内部室R5とを連通する連通孔134が設けられている。また、第1加圧ピストン32は、第1ハウジング部材40の前方小径部46の内径よりある程度小さい外径とされており、それらの間にはある程度の流路面積を有する液通路136が形成されている。大気圧室R4は、その液通路136および連通孔116を介して、リザーバ118に連通されている。したがって、大気圧室R4および内部室R5は、常時、大気圧とされており、それらのブレーキ液は、リザーバ118に対して流出入可能とされている
ii)アンチロック装置および液通路の構成
主液通路112および主液通路122には、それぞれ、非励磁状態で開弁し、励磁状態で閉弁する電磁式の開閉弁(以下、「シリンダ装置カット弁」という場合がある)140、142が設けられており、それらの開閉によって、シリンダ装置20によって加圧されたブレーキ液のブレーキ装置26FL,FRへの供給を許容する状態と供給を禁止する状態とが選択的に実現される。
アンチロック装置24は、非励磁状態において閉弁し、励磁状態において開弁する4つの電磁式の開閉弁(以下、「減圧弁」という場合がある)150を有しており、それら4つの減圧弁150は、リザーバ118に繋がる減圧連通路152と連通している。さらに、アンチロック装置24は、非励磁状態において閉弁し、励磁状態において開弁する2つの電磁式の開閉弁(以下、「常閉増圧弁」という場合がある)154と、非励磁状態において開弁し、励磁状態において閉弁する2つの電磁式の開閉弁(以下、「常開増圧弁」という場合がある)156とを有しており、それら4つの増圧弁154,156は、電磁式の液圧弁装置(以下、「増減圧弁」という場合がある)158に繋がる制御圧連通路133と連通している。
2つの減圧弁150と2つの常閉増圧弁154とは、前輪のブレーキ装置26FL,FRの各々に1つずつ設けられており、1組の常閉増圧弁154および減圧弁150はそれぞれ、前輪のブレーキ装置26FL,FRの対応するものに繋がる主液通路112,122に、接続通路160FL,FRによって接続されている。また、2つの減圧弁150と2つの常開増圧弁156とは、後輪のブレーキ装置26RL,RRの各々に1つずつ設けられており、1組の常開増圧弁156および減圧弁150はそれぞれ、後輪のブレーキ装置26RL,RRの対応するものに接続通路160RL,RRによって接続されている。
また、増減圧弁158は、高圧源としての高圧源装置162に繋がる高圧連通路164と連通しており、その高圧源装置162は、リザーバ118からブレーキ液を汲み上げる液圧ポンプ166と、その液圧ポンプ166を駆動するモータ168と、液圧ポンプ166から吐出されたブレーキ液を加圧された状態で蓄えるアキュムレータ170とを有している。増減圧弁158は、さらに、主液通路112のシリンダ装置カット弁140の下流側に繋がるバックアップ通路172と連通するとともに、減圧連通路152とも連通している。
iii)液圧弁装置の構成
増減圧弁158は、電磁式のリニア弁とされており、高圧源装置160によって加圧されたブレーキ液を流入させてブレーキ液の液圧を増圧させたり、リザーバ118にブレーキ液を流出させてブレーキ液の液圧を減圧させたりすることで、ブレーキ液の液圧を調圧することが可能な構造とされている。その調圧されたブレーキ液は、シリンダ装置20の入力室R3および、アンチロック装置24を介して各ブレーキ装置26のホイールシリンダに供給される。つまり、増減圧弁158は、ホイールシリンダの液圧であるホイールシリンダ圧を連続的に変化させることができ、ホイールシリンダ圧を任意の高さに制御することが可能となっている。
増減圧弁158は、図2に示すように、中空形状のハウジング180と、そのハウジング180内にそれの軸線方向に移動可能に設けられたプランジャ182と、ハウジング180の外周に設けられた円筒状のコイル184とを備えている。ハウジング180は、下端部に設けられた有底円筒状の下部外殻部材186と、上端部に設けられた有蓋円筒状の上部外殻部材188と、それら下部外殻部材186と上部外殻部材188とを連結する概して円柱状のコア190と、上部外殻部材188の内部に設けられた有蓋円筒状の区画部材192とによって構成されている。
コア190は、最も外径の大きいフランジ部200と、そのフランジ部200の下方に位置しフランジ部200の外径より小さな外径の下方部202と、フランジ部200の上方に位置しフランジ部200の外径より小さな外径の上方第1外径部204と、その上方第1外径部204の上方に位置し上方第1外径部204の外径より小さな外径の上方第2外径部206とを有している。コア190の下方部202は下部外殻部材186に固定的に嵌合されており、コイル184は、下部外郭部材186に外嵌するようにしてフランジ部200の下面側に配設されている。
コア190には、ハウジング180の軸線方向に貫通する貫通穴208が形成されており、プランジャ182は、その貫通穴208に挿入されるロッド部210と、コア190の下端面と下部外殻部材186の内底面との間に配設される本体部212とを有している。ロッド部210は、下端部に位置し外径の大きい大径部214と、上端部に位置し外径の小さい小径部216とを有しており、貫通穴208は、下端部に位置し内径の大きい大内径部217と、上端部に位置し内径の小さい小内径部218とを有している。ロッド部210の大径部214は貫通穴208の大内径部217に摺動可能に嵌合されており、ロッド部210の小径部216は貫通穴208の小内径部218にクリアランスのある状態で挿入されている。大径部214と小径部216との間の段差面と、大内径部217と小内径部218との間の段差面との間には、コイルスプリング219が圧縮された状態で配設されており、そのコイルスプリング219の弾性力によってプランジャ182は下方に付勢されている。
上部外殻部材188は、下端部に位置し最も内径の大きい第1内径部220と、その第1内径部220の上方に位置し第1内径部220の内径より小さな内径の第2内径部222と、上端部に位置し最も内径の小さい第3内径部224と、その第3内径部224と第2内径部222との間に位置し第2内径部222の内径より小さく、かつ第3内径部224の内径より大きい内径の第4内径部226とを有する。コア190の上方第2外径部206は上部外殻部材188の第2内径部222に固定的に嵌合されており、コア190の上方第1外径部204は上部外殻部材188の第1内径部220に固定的に嵌合されている。上方第1外径部204と上方第2外径部206との間の段差面と、第1内径部220と第2内径部222との間の段差面とは離隔しており、それら2つの段差面と上方第2外径部206と第1内径部220とによって第1液室228が区画されている。なお、上部外殻部材188と下部外殻部材186とコア190とは、ハウジング180を構成する本体部材として機能している。
区画部材192は、下端部に位置し外径の大きい大径部230と、上端部に位置し外径の小さい小径部232とを有しており、小径部232は上部外殻部材188の第3内径部224に、大径部230は上部外殻部材188の第4内径部226に、それぞれ摺動可能に嵌合されている。区画部材192の下端面とコア190の上端面との間には、コイルスプリング234が圧縮された状態で配設されている。そのコイルスプリング234の弾性力によって区画部材192は上方に付勢されており、区画部材192の蓋部の上端面と上部外殻部材188の蓋内面とが当接している。区画部材192の上端面は僅かに凹んでおり、その凹んだ部分と上部外殻部材188の蓋内面とによって第2液室236が区画されている。また、大径部230と小径部232との間の段差面と、第3内径部224と第4内径部226との間の段差面とは離隔しており、それら2つの段差面と小径部232と第4内径部226とによって第3液室238が区画されている。
さらに、有蓋円筒部材としての区画部材192は、下端部に位置し内径の大きい大内径部240と、その大内径部240と蓋内面との間に位置し内径の小さい小内径部242とを有している。大内径部240の上端に環状のリアクションディスク244が配設されており、大内径部240と小内径部242との間の段差面にリアクションディスク244の上面が支持されている。区画部材192の大内径部240の内部には、概して円筒形状の第1移動部材246が摺動可能に嵌合されており、その第1移動部材246の上端面がリアクションディスク244の下面に接触している。また、区画部材192の大内径部240の下方への開口は、テーパ状とされており、その開口に第1移動部材246の外周面が着座可能とされている。詳しく言えば、第1移動部材246の下端部は大内径部240から延び出しており、第1移動部材246は、その延び出した箇所の外周面から径方向に突出する円環状の突出部248を有している。その突出部248が弁体として機能し、第1室間部としての大内径部240の下方への開口に着座可能とされている。
第1移動部材246の下端面とコア190の上端面との間には、第1付勢部材としてのコイルスプリング250が圧縮された状態で配設されている。そのコイルスプリング250の弾性力によって第1移動部材246はその第1移動部材246の突出部248が大内径部240の下方への開口に着座する方向である第1方向(図2では上方向)に付勢されており、突出部248は大内径部240の開口に着座している。また、第1移動部材246の外周面は僅かに凹んでおり、その第1移動部材246の外周面の凹んだ部分と区画部材192の大内径部240とによって第4液室252が区画されている。
その第1移動部材246の内部には、概して円柱状の第2移動部材260が貫通した状体で設けられている。その第2移動部材260は、外径の大きい大径部262と、その大径部262の上方に位置しその大径部262の外径より小さい外径の上部小径部264と、大径部262の下方に位置しその大径部262の外径より小さい外径の下部小径部266とを有している。一方、第1移動部材246は、上端部に位置し内径の大きい大内径部268と、その大内径部268の下方に位置しその大内径部268の内径より小さい内径の小内径部270とを有している。
第2移動部材260の大径部262は、第1移動部材246の大内径部268に摺動可能に嵌合されており、大径部262と下部小径部266との間の段差面は、大内径部268と小内径部270との間の段差面と接触している。このため、第2移動部材206は、第1移動部材246に対して下方に移動不可とされている。第2移動部材260の上部小径部264は、円環状のリアクションディスク244に嵌合しており、大径部262と上部小径部264との間の段差面はリアクションディスク244の下面に接触している。このため、第2移動部材260は、リアクションディスク244を変形させることで、第1移動部材246に対して上方に移動可能とされている。
また、第2移動部材260の下部小径部266の外径は第1移動部材246の小内径部270の内径より小さくされており、下部小径部266は、第1移動部材246から下方に延び出すとともに、下端部において、コア190の貫通穴208に摺動可能に嵌合されている。このような構造によって、上部外殻部材188の第4内径部226と、区画部材192の下端面と、コア190の上端面と、第2移動部材260の下部小径部266と、第1移動部材246の小内径部270とによって第5液室272が区画されている。
第2移動部材260の下部小径部266には、外周面に開口するとともに、下端面に開口する内部連通路274が形成されており、その下部小径部266がコア190に形成された第2室間部としての貫通穴208の小内径部218に嵌合された状態で、その貫通穴208の内部と第5液室272とが内部連通路274によって連通している。その内部連通路274の貫通穴208内部への開口は、テーパ状とされており、上記プランジャ182のロッド部210の先端と向かい合っている。そのプランジャ182の先端は、上記コイルスプリング219の弾性力によってプランジャ182の先端が内部連通路274の開口から離隔する方向である第2方向(図2では下方向)に付勢されており、そのコイルスプリング219の弾性力に抗してプランジャ182が上方に移動することで、プランジャ182の先端が、内部連通路274の開口に着座するようにされている。
区画部材192の大径部230の僅かに凹んだ部分と上部外殻部材188の第4内径部226との間には、クリアランス280が存在しており、そのクリアランス280に開口する高圧ポート282が、その第4内径部226に形成されている。そのクリアランス280と第4液室252とを連通する第1連通路284が、区画部材192の径方向に延びるように形成されており、高圧ポート282は、上記高圧連通路164に接続されている。つまり、高圧ポート282とクリアランス280と第1連通路284とを介して、高圧連通路164が第4液室252に接続されており、第4液室252は、高圧室として機能している。以下、第4液室252を高圧室252という場合がある。
上部外殻部材188の第1内径部220には、第1液室228に開口する低圧ポート290が形成されており、その低圧ポート290を介して、上記減圧連通路152が第1液室228に接続されている。つまり、第1液室228は、低圧室として機能している。その第1液室228と貫通穴208の大内径部217とを連通する第2連通路292が、コア190内に径方向に延びるように形成されており、その第2連通路292および貫通穴208も低圧室として機能している。以下、第1液室228と第2連通路292と貫通穴208とをまとめて低圧室228等という場合がある。また、上部外殻部材188の第4内径部226には、第3液室238に開口するドレインポート296が形成されており、減圧連通路152に繋がる接続路298が、ドレインポート296を介して第3液室238に接続されている。その第3液室238と区画部材192の小内径部242とを連通する第3連通路300が、区画部材192内に形成されており、第2移動部材260の移動に伴う小内径部242内の容積変化が許容されている。
上部外殻部材188の第4内径部226には、第5液室272に開口する調圧ポート302が形成されており、その調圧ポート302を介して、上記制御圧連通路133が第5液室272に接続されている。つまり、第5液室272は、調圧室として機能している。以下、第5液室272を調圧室272という場合がある。また、上部外殻部材188の蓋部には、第2液室236に開口する補助ポート304が形成されており、その補助ポート304を介して、上記バックアップ通路172が第2液室236に接続されている。つまり、第2液室236は、補助室として機能している。
iv)液圧弁装置の作動
上述した構造によって、増減圧弁158は、コイル184に電流が供給されていないときには、高圧室252と調圧室272との間のブレーキ液の流れを遮断するとともに、調圧室272と低圧室228等との間のブレーキ液の流れを許容している。つまり、コイル184に電流が供給されていないときには、調圧室272はリザーバ118と連通しており、調圧室272内のブレーキ液の液圧(以下、「調圧室圧」という場合がある)は大気圧となっている。また、コイル184に電流を供給することによって、調圧室272と低圧室228等との間のブレーキ液の流れを遮断するとともに、高圧室252と調圧室272との間のブレーキ液の流れを許容することで、調圧室圧を増圧させることが可能とされている。さらに、調圧室圧を増圧させた後にコイル184への電力の供給量を減らすことによって、高圧室252と調圧室272との間のブレーキ液の流れを遮断するとともに、調圧室272と低圧室228等との間のブレーキ液の流れを許容することで、増圧された調圧室圧を減圧させることが可能とされている。
詳しく説明すれば、コイル184に電流が供給されていないときには、第1付勢部材としてのコイルスプリング250の弾性力によって、第1移動部材246の突出部248が区画部材192の下方への開口に着座しており、高圧室252と調圧室272との間のブレーキ液の流れが遮断されている。さらに、第2付勢部材としてのコイルスプリング219の弾性力によって第3移動部材としてのプランジャ182の先端は第2移動部材260の内部連通路274の下方への開口から離隔しており、調圧室272と低圧室228等との間のブレーキ液の流れが許容されている。このため、調圧室圧は大気圧となっている。
移動力発生器としてのコイル184に電流が供給されると、プランジャ182の先端が内部連通路274の開口に接近する方向にプランジャ182を移動させようとする電磁力が生じる。この電磁力によって、まず、プランジャ182がコイルスプリング219の弾性力に抗して上方に移動して、プランジャ182の先端が内部連通路274の開口へ着座する。この状態において、調圧室272と低圧室228等との間のブレーキ液の流れは遮断されるとともに、高圧室252と調圧室272との間のブレーキ液の流れも遮断されている。そして、プランジャ182の先端が開口へ着座した状態、つまり、プランジャ182が第2移動部材260に当接した状態でプランジャ182が上方へ移動すると、第2移動部材260も上方に移動する。その第2移動部材260の上方への移動に伴って、ゴム製のリアクションディスク244の第2移動部材260に接触している部分が上方へ変形して、その変形に連動して、リアクションディスク244の第1移動部材246に接触している部分が下方へ変形する。つまり、リアクションディスク244が変形体として機能して、第2移動部材260の上方への移動に連動して、第1移動部材246を下方へ移動させるのである。そして、第1移動部材246の下方への移動に伴って、第1移動部材246の突出部248が区画部材192の下方への開口から離隔することで、高圧室252と調圧室272との間のブレーキ液の流れが許容されるのである。この際、コイル184への通電量を制御することで、調圧室圧を制御可能に増圧させることが可能となっている。
また、図3に示すように、高圧室252内のブレーキ液の液圧(以下、「高圧室圧」という場合がある)と調圧室圧との差圧を受ける箇所の受圧面積A1と、低圧室228等内のブレーキ液の液圧、つまり大気圧と高圧室圧との差圧を受ける箇所の受圧面積A2とは同じとなっている。このため、調圧室圧が大気圧である場合には、シール等による摺動抵抗を無視すれば、コイルスプリング250の弾性力に相当する力を僅かに超えた力を第1移動部材246に付与することで、第1移動部材246の突出部248を区画部材192の開口から離隔することが可能となっている。つまり、第1移動部材246の初期動作において、シール等による摺動抵抗を無視すれば、2つのコイルスプリング219,250の弾性力に相当する力を僅かに超える力をプランジャ182に付与すれば、調圧室圧を増圧させることが可能となっており、コイル184の消費電力を低減することが可能となっている。ただし、調圧室圧が増圧されて高圧室圧と調圧室圧との差圧が小さくなった場合には、プランジャ182に付与する力を大きくする必要がある。つまり、コイル184への通電量を多くする必要がある。
また、プランジャ182の先端が内部連通路274の開口に着座している状態において、調圧室圧が高くなると、低圧室228等内のブレーキ液の液圧と調圧室圧との差圧が大きくなり、その差圧を受ける箇所の受圧面積A3(図3参照)に応じた大きさの差圧力がプランジャ182の先端に作用する。その差圧力は、プランジャ182の先端を内部連通路274の開口から離隔させようとする力として作用する。一方で、その差圧力をキャンセルしようとする力が、調圧室圧によって第2移動部材260に作用する。詳しく言えば、第2移動部材260の下部小径部266の受圧面積A4(図3参照)から第2移動部材260の上部小径部264の受圧面積A5(図3参照)を減じたものに応じた大きさの力が、第2移動部材260をプランジャ182の先端に接近させようとする力として作用する。
このため、差圧力が調圧室圧によって第2移動部材260に作用する力より大きい場合には、調圧室圧の増圧時に調圧室272から低圧室228等へ液漏れが生じる虞がある。一方、調圧室圧によって第2移動部材260に作用する力が差圧力より大きい場合には、後に詳しく説明するように、調圧室圧を減圧させる際にプランジャ182の先端が内部連通路274の開口から離隔し難くなり、圧力特性にヒステリシスが生じる虞がある。そこで、本増減圧弁158においては、各受圧面積の関係が以下の式を満たすように設計されており、調圧室圧の増圧時の液漏れ,圧力特性のヒステリシスの発生が抑制されている。
3=A4−A5
ちなみに、リアクションディスク244の第1移動部材246に接触している部分の面積(A2−A6)と、リアクションディスク244の第2移動部材260に接触している部分の面積(A6−A5)とは、同じとされており、第2移動部材260の上方への移動力と、その第2移動部材260の上方への移動に連動した第1移動部材246の下方への移動力とは同じ大きさとなっている。つまり、リアクションディスク244は、第2移動部材260に入力された力と同じ大きさの力で第1移動部材246を連動させる連動機構として機能している。
また、調圧室圧が増圧された後に、第1移動部材246の突出部248が区画部材192の下方への開口に着座するとともにプランジャ182の先端が内部連通路274の開口に着座している状態では、調圧室圧は増圧された液圧に維持される。そして、その状態からコイル184への通電量を減少させることで、プランジャ182の先端が内部連通路274の開口から離隔して、低圧室228等と調圧室272との間のブレーキ液の流れが許容されるのである。この際、コイル184への通電量を制御することで、調圧室圧を制御可能に減圧させることが可能となっている。
上述したように、本増減圧弁158は、コイル184への通電量を制御することで、調圧室圧を制御可能に増減圧させることが可能となっている。増圧時には、第2移動部材260の突出部248が区画部材192の下方への開口から離隔し、ブレーキ液が高圧室252から調圧室272へ流れる。この際、ブレーキ液は、突出部248が区画部材192の開口から離隔する方向に流れる。一方、減圧時には、プランジャ182の先端が内部連通路274の開口から離隔し、ブレーキ液が調整室272から低圧室288等へ流れる。この際、ブレーキ液は、プランジャ182の先端が内部連通路274の開口から離隔する方向に流れる。つまり、本増減圧弁158は、調圧室圧が制御される際にブレーキ液は、弁体が弁座から離間する方向、つまり、ブレーキ液によって弁が開弁させられる方向(以下、「自開方向」という場合がある)に流れる構造とされている。
一方、従来の増減圧弁は、調圧室圧の制御時に、ブレーキ液が、弁体が弁座に接近する方向、つまり、ブレーキ液によって弁が閉弁させられる方向(以下、「自閉方向」という場合がある)に流れる構造とされている。調圧時にブレーキ液が自閉方向に流れると、ブレーキ液の流れによって、弁体が弁座に接近させられて閉弁する場合がある。このため、調圧時において、ブレーキ液の流れによる閉弁と、調圧室圧の制御のための開弁とが頻繁に繰り返される現象、所謂、ハンチング現象が生じる虞があり、精度よく調圧室圧の制御を実行できない虞がある。本増減圧弁158では、上述したように、増圧時および減圧時においても、ブレーキ液は自開方向に流れるようにされており、ハンチング現象の発生が抑制されている。したがって、本増減圧弁158では、調圧室圧の制御精度が良好となっている。
また、本増減圧弁158は、上述したような作動によって、調圧室圧をコイル184への通電量に応じた高さの圧力にすることが可能となっている。ただし、コイル184への通電が何らかの理由によって停止したような場合には、プランジャ182を移動させることができなくなり、調圧室圧を増圧させることができなくなる虞がある。本増減圧弁158では、そのような場合に、コイル184の発生させる電磁力に依拠することなく、シリンダ装置20の作動によって加圧されたブレーキ液に依拠して調圧室圧を増圧させるようになっている。
詳しく言えば、液圧ブレーキシステム10への電力供給が断たれた場合には、後に詳しく説明するように、バックアップ通路172にシリンダ装置20の作動によって加圧されたブレーキ液が流れ、その加圧されたブレーキ液が第2液室236に流入するようになっている。このため、第2液室236内のブレーキ液の液圧の増加に伴って、その第2液室236内のブレーキ液の液圧によって区画部材192が下方に押される力が、調圧室圧によって区画部材192が上方に押される力より大きくなったときに、区画部材192が下方に移動する。区画部材192の下方への移動に伴って、第1移動部材246と第2移動部材260とリアクションディスク244とが下方に移動し、まず、第2移動部材260の内部連通路274の下方の開口に、プランジャ182の先端が着座する。この状態において、低圧室288等と調圧室272との間のブレーキ液の流れが遮断される。そして、区画部材192がさらに下方に移動すると、第1移動部材246とリアクションディスク244とは下方に移動するが、第2移動部材260はプランジャ182と当接しているため、第2移動部材260は下方に移動せずに、リアクションディスク244の第2移動部材260が接触している部分が変形する。そのリアクションディスク244の変形に伴って、第1移動部材246がさらに下方に移動し、第1移動部材246の突出部248が区画部材192の下方への開口から離隔することで、高圧室252と調圧室272との間のブレーキ液の流れが許容される。このように、本減増圧弁158では、電力失陥時等であっても、電力に依拠することなく、調整室圧を増圧させることが可能とされている。
なお、本増減圧弁158においては、第2移動部材260の上方向への移動と第1移動部材246の下方向への移動とを連動させる連動機構に、粘弾性体のゴム製のリアクションディスク244を採用しており、そのリアクションディスク244がシールとしても機能することで、区画部材192内における第1移動部材246の上端と第2移動部材260の上端との液密性が確保されている。このため、本増減圧弁158においては、区画部材192の内周面と第1移動部材246の外周面との間、および、第1移動部材246の内周面と第2移動部材260の外周面との間にOリング等のシールを配設しなくてもよいため、第1移動部材246と第2移動部材260との摺動抵抗が少なくされている。
v)液圧ブレーキシステムの制御
ブレーキペダル100が運転者によって操作された場合には、そのブレーキペダル100に加えられた操作力により、入力ピストン38が前進し、2つの反力スプリング90,92が圧縮される。これらの反力スプリング90,92の弾性反力により中間ピストン36は前進し、第1加圧ピストン32は前進する。この第1加圧ピストン32の前進に伴って第2加圧ピストン34は前進し、第1加圧室R1,第2加圧室R2のブレーキ液が加圧される。一方、増減圧弁158によって調圧されたブレーキ液が入力室R3に入力された場合、その調圧されたブレーキ液によって中間ピストン36は前進させられ、同様にして、第1加圧室R1,第2加圧室R2のブレーキ液が加圧される。つまり、シリンダ装置20では、運転者による操作力と増減圧弁158によって調圧されたブレーキ液の液圧とのいずれによってもブレーキ液の加圧がなされ、それらの両方が入力された場合には、それらの両方に依拠して加圧されたブレーキ液が出力可能とされている。
ただし、本ブレーキシステム10において、通常時には、シリンダ装置20によって加圧されたブレーキ液に依拠することなく、増減圧弁158によって調圧されたブレーキ液に依拠してブレーキ装置26のブレーキシリンダを作動させる制御である電気制動制御が実行される。電気制動制御は、本発明とは直接関係ないことから、簡単に説明すると、本制御では、シリンダ装置カット弁140,142が、励磁されて閉弁状態とされ、アンチロック装置24の2つの常閉増圧弁154が、励磁されて開弁状態とされる。また、アンチロック装置24の2つの常開増圧弁156は、励磁されず、開弁状態とされ、4つの減圧弁150も、励磁されず、閉弁状態とされている。ブレーキペダル100の踏込み量に応じて目標となる目標液圧を決定し、制御室圧がその目標液圧となるように、上述したように増減圧弁158のコイル184に通電される。そして、目標液圧に調圧されたブレーキ液が、制御圧連通路133を介して各車輪のブレーキ装置26へ供給される。このように、増減圧弁158の作動を制御することで、ブレーキペダル100の踏込み量に応じた制動力が発生させられるのである。
一方、電力失陥時には、各制御弁に電力供給がされないため、シリンダ装置カット弁140,142は開弁状態とされており、アンチロック装置24の2つの常開増圧弁156は開弁状態とされ、2つの常閉増圧弁154は閉弁状態とされている。また、4つの減圧弁150は、閉弁状態とされている。この状態において、シリンダ装置20によって加圧されたブレーキ液は、主液通路112を介して、バックアップ通路172に流れ、さらに、増減圧弁158の第2液室236に流入する。第2液室236内のブレーキ液の液圧の増加に伴って、上述したように、区画部材192が移動させられて、制御室圧が増圧される。そして、増圧されたブレーキ液が、制御圧連通路133を介して後輪側のブレーキ装置26RL,RRへ供給される。また、増圧されたブレーキ液は、連通路132を介して入力室R3に供給され、その供給されたブレーキ液の液圧と運転者による操作力とによって、シリンダ装置20はブレーキ液を加圧する。そのシリンダ装置20によって加圧されたブレーキ液が、主液通路112,122を介して、前輪側のブレーキ装置26FL,FRへ供給される。つまり、電力失陥時においては、後輪側のブレーキ装置26RL,RRは、増減圧弁158を介して増圧されたブレーキ液に依拠して制動力を発生させるとともに、前輪側のブレーキ装置26FL,FRは、増減圧弁158を介して増圧されたブレーキ液と運転者による操作力とに依拠して制動力を発生させている。
本実施例の液圧ブレーキシステムにおいては、増減圧弁を除いて、先のブレーキシステム10と同様の構成とされているため、増減圧弁400のみを図4に示し、全体の図面を省略することとする。また、本増減圧弁400は、連動機構およびその連動機構によって連動させれる2つの移動部材を除いて、先のシステム10の増減圧弁158と略同様の構成であるため、それらを中心に説明し、同様の機能の構成要素については、同じ符号を用いて説明を省略あるいは簡略に行うものとする。
本増減圧弁400の備えるハウジング402の上部外殻部材404には、有蓋円筒状の区画部材406が摺動可能に嵌合されており、その区画部材406の蓋内面には、円板状の連動機構としてのリアクションディスク408が設けられている。そのリアクションディスク408は、それの上面において、区画部材406の蓋部によって支持されており、下面において、区画部材406内に挿入されている第1移動部材410の上端と第2移動部材412の上端とに接触している。第1移動部材410は、概して円筒状とされており、外周面において、径方向に突出する突出部414と、その突出部414の上方に位置する上方円筒部416と、突出部414の下方に位置する下方円筒部418とを有している。第1移動部材410の上方円筒部416は区画部材406に挿入されており、その上方円筒部416の上端がリアクションディスク408に接触している。
上部外殻部材404の下端部には、コア420が固定的に嵌合されており、そのコア420には内部を軸線方向に貫通するように貫通穴422が形成されている。その貫通穴422には、下方からプランジャ182のロッド部210が挿入されており、その貫通穴422の内周面は、上端部に位置し内径の大きい大内径部424と、下端部に位置し内径の小さい小内径部426とに区分けされている。その貫通穴422の大内径部424の上端部には、第1移動部材410の下方円筒部418の下端部が摺動可能に嵌合されている。第1移動部材410の突出部414とコア420の上端面との間には、コイルスプリング428が圧縮された状態で配設されており、そのコイルスプリング428の弾性力によって第1移動部材410は上方に付勢されており、突出部414が区画部材406の下方への開口に着座している。着座した状態において、区画部材406の内周面と第1移動部材410の外周面とによって高圧室として機能する第6液室430が区画されるとともに、上部外殻部材404の内周面と、区画部材406の下端面と、コア420の上端面と、第1移動部材410の外周面とによって調圧室として機能する第7液室432が区画されている。
第2移動部材412は、概して円柱状とされており、上端をリアクションディスク408に接触させた状態で第1移動部材410内に軸線方向に摺動可能に設けられている。その第2移動部材412の外周面は僅かに凹んでおり、その凹んだ部分と第1移動部材410の内周面との間にクリアランス440が存在している。そのクリアランス440と第7液室432とを連通する連通穴442が第1移動部材410の壁面に形成されており、第7液室432内のブレーキ液がその連通穴442を介してクリアランス440にも流入するようになっている。つまり、連通穴442とクリアランス440とも調圧室として機能している。また、第2移動部材412の内部には、下端面と外周面とに開口し、クリアランス440と貫通穴422内とを連通する内部連通路446が形成されている。
内部連通路446の下端面への開口は、テーパ状とされており、プランジャ182のロッド部210の先端と向かい合っている。そのロッド部210の大径部214と小径部216との間の段差面と、第2移動部材412の下端面との間には、コイルスプリング450が圧縮された状態で配設されており、コイルスプリング450の弾性力によってプランジャ182が下方に付勢されることで、プランジャ182の先端が、内部連通路446の開口から離隔するようにされている。
このような構造によって、本増減圧弁400においても、先のシステム10の増減圧弁158と同様に、コイル184への通電量を制御することで、調圧室圧を制御可能に増減圧させることが可能となっている。また、調圧室圧が制御される際に、ブレーキ液は弁体が弁座から離間する方向に流れるようになっており、調圧時のハンチング現象が抑制されることで、精度よく調圧室圧を制御することが可能となっている。さらに、電力失陥時においても、第2液室236への加圧されたブレーキ液の流入に伴って、区画部材406を下方に移動させることが可能となっており、コイル184の電磁力に依拠することなく制御室圧を増圧させることが可能となっている。
ちなみに、リアクションディスク408の第2移動部材412に接触している部分の面積A7(図5参照)と、リアクションディスク408の第1移動部材410に接触している部分の面積(A8−A7)(図5参照)とは異なっており、第2移動部材412の上方への移動力と、その第2移動部材412の上方への移動に連動した第1移動部材410の下方への移動力とは異なる大きさとなる。詳しく言えば、第2移動部材412の上方への移動力FUと、第2移動部材412に連動した第1移動部材410の下方への移動力FDとの関係は、次式に示すようになる。
D=FU・B
B=A7/(A8−A7
ここで、Bは倍力比であり、その比率に応じて第1移動部材410の下方への移動力FDが倍力されるのである。
また、図5に示すように、高圧室圧と調圧室圧との差圧を受ける箇所の受圧面積A9と、高圧室圧と大気圧との差圧を受ける箇所の受圧面積A8とは同じとなっている。このため、本増減圧弁400においても、先のシステム10の増減圧弁158と同様に、第1移動部材410の初期動作に必要な力が低減されており、コイル184の消費電力の抑制が図られている。さらに、調圧室圧の増圧時の液漏れ,圧力特性のヒステリシスの発生を抑制するべく、各受圧面積の関係が以下の式を満たすように設計されている。
10=B・(A9−A11
ここで、A10は、低圧室228等内のブレーキ液の液圧と調圧室圧との差圧を受ける箇所の受圧面積であり、A11は、第1移動部材410の下方円筒部418の受圧面積である。
変形例
図6に、上記増減圧弁400を変形した増減圧弁500を示す。変形例の増減圧弁500は、連動機構を除いて、上記増減圧弁300と略同様の構成であるため、それを中心に説明し、同様の機能の構成要素については、同じ符号を用いて説明を省略あるいは簡略に行うものとする。
変形例の増減圧弁500においては、連動機構として円板状の板ばね502が採用されている。図7(a)に、増減圧弁500に装着されていない状態の板ばね502を示し、図7(b)に、図7(a)のA−A断面図を示す。板ばね502は、中心部に位置するとともに円板状の円板部504と、外縁部に位置するとともに円環状の円環部506と、円板部504と円環部506とを周方向の4等配の位置において連結する4つの連結部508とを有している。連結部508は、一端部において円板部504の下方の面の外縁に固着されており、他端部において円環部506の内縁に固着されている。円環部506は、内縁から外縁に向かって斜め上方に延びるような形状とされており、円環部506の外縁は、板ばね502の鉛直方向において、円板部504の上面より上方に位置している。このような構造により、板ばね502は、円板部504が上方から下方に向かって押されると、その円板部504の弾性変形に伴って、連結部508を介して円環部506がそれの外縁が上方に移動するように弾性変形する構造となっている。
板ばね502は、図6に示すように、連結部508の下面が区画部材406の蓋内面と接触するようにその区画部材406内に配設されている。区画部材406の内部には、上記増減圧弁400の第1移動部材410および第2移動部材412と略同形状の第1移動部材510および第2移動部材512が挿入されており、概して円柱状の第2移動部材512の上端が第1の係合部としての円板部504に接触するとともに、概して円筒状の第1移動部材510の上端が第2の係合部としての円環部506に接触している。このような構造により、第2移動部材512が上方へ移動すると、板ばね502の円板部504の弾性変形に伴って、円環部506がそれの外縁が下方に移動するように弾性変形する。つまり、第2移動部材512が上方へ移動することで、板ばね502を介して、第1移動部材510が下方に移動させられるようになっており、板ばね502は、上記増減圧弁400のリアクションディスク408と同様の機能を有するものとなっている。このため、変形例の増減圧弁500においても、上記増減圧弁400と同様の効果を得ることが可能となっている。ただし、板ばね502は、上記増減圧弁400のリアクションディスク408とは異なり、シールとしての機能を有してはいないため、変形例の増減圧弁500においては、第1移動部材510の外周面および、第2移動部材512の外周面には、Oリング516,518が設けられている。
118:リザーバ(低圧源) 158:増減圧弁(液圧弁装置) 180:ハウジング 162:高圧源装置(高圧源) 182:プランジャ(第3移動部材) 184:コイル(移動力発生器) 186:下部外殻部材(本体部材) 188:上部外殻部材(本体部材) 190:コア(本体部材) 192:区画部材(有蓋円筒部材) 208:貫通穴(第2室間部) 219:コイルスプリング(第2付勢部材) 228:第1液室(低圧室) 236:第2液室(補助室) 240:大内径部(第1室間部) 244:リアクションディスク(連動機構)(変形体) 246:第1移動部材 250:コイルスプリング(第1付勢部材) 252:第4液室(高圧室) 260:第2移動部材 272:第5液室(調圧室) 274:内部連通路 282:高圧ポート 290:低圧ポート 400:増減圧弁(液圧弁装置) 402:ハウジング 404:上部外殻部材(本体部材) 406:区画部材(有蓋円筒部材) 408:リアクションディスク(連動機構)(変形体) 410:第1移動部材 412:第2移動部材 420:コア(本体部材) 422:貫通穴(第2室間部) 428:コイルスプリング(第1付勢部材) 430:第6液室(高圧室) 432:第7液室(調圧室) 446:内部連通路 450:コイルスプリング(第2付勢部材) 500:増減圧弁(液圧弁装置) 502:板ばね(連動機構)(変形体) 504:円板部(第1の係合部) 506:円環部(第2の係合部) 510:第1移動部材 512:第2移動部材

Claims (8)

  1. 作動液を調圧するための液圧弁装置であって、
    高圧源と連通する高圧室と、低圧源と連通する低圧室と、前記高圧室と前記低圧室との間に設けられた調圧室と、前記高圧室と前記調圧室とを繋ぐ第1室間部と、前記低圧室と前記調圧室とを繋ぐ第2室間部とを有し、それらを自身の軸線方向に並ぶように区画するハウジングと、
    前記軸線方向に移動可能に前記ハウジング内に配設され、前記第1室間部の前記調圧室側の開口に着座することで前記高圧室と前記調圧室との間の作動液の流通を遮断する第1移動部材と、
    その第1移動部材を、それが着座する方向である第1方向に付勢する第1付勢部材と、
    前記軸線方向に移動可能に前記第2室間部に挿入された状態で前記ハウジング内に配設され、前記低圧室と前記調圧室とを連通する内部連通路を自身の内部に有する第2移動部材と、
    前記軸線方向に移動可能に前記低圧室内に配設され、前記内部連通路の前記低圧室側の開口に着座することで前記調圧室と前記低圧室との間の作動液の流通を遮断する第3移動部材と、
    その第3移動部材を、それが前記内部連通路の前記開口から離隔する方向であって前記第1方向とは反対の方向の第2方向に付勢する第2付勢部材と、
    前記第3移動部材を前記第1方向に移動させるための力を、自身に供給される電力に応じた大きさで発生させる移動力発生器と、
    前記第1移動部材を前記第2移動部材の前記第1方向への移動に伴って前記第2方向へ移動させる連動機構と
    を備え、
    前記移動力発生器の発生させる力によって、前記第3移動部材が前記内部連通路の前記開口に着座させられた状態において前記第2移動部材が前記第1方向に移動させられることで、前記連動機構を介して前記第1移動部材が前記第1室間部の前記開口から離隔させられ、前記調圧室内の作動液が前記移動力発生器の発生させる力に応じた高さに増圧されるように構成された液圧弁装置。
  2. 前記第1移動部材が、筒状をなしており、外周面の一部分において前記第1室間部の前記開口に着座するように構成され、
    前記第2移動部材が、前記第1移動部材に挿入された状態で配設された請求項1に記載の液圧弁装置。
  3. 前記第1移動部材と前記第2移動部材とのそれぞれの前記第1方向の側の端部が前記高圧室内に位置するとともに、
    前記連動機構が、前記第1移動部材と前記第2移動部材とのそれぞれの前記第1方向の側の端部と係合した状態で前記高圧室内に配設された請求項2に記載の液圧弁装置。
  4. 前記連動機構が、
    前記第1移動部材と前記第2移動部材とのそれぞれの前記第1方向の側の端部と前記ハウジングの内面とによって挟まれるとともに、前記第2移動部材の前記第1方向への移動に伴ってその第2移動部材と係合する部分が前記第1方向へ変形するとともにその変形に伴って前記第1移動部材と係合する部分が前記第2方向へ変形する変形体を有し、その変形体の変形によって、前記第2移動部材の前記第1方向への移動に伴って前記第1移動部材を前記第2方向へ移動させるように構成された請求項3に記載の液圧弁装置。
  5. 前記変形体が、ゴムであり、
    そのゴムが、
    前記第1移動部材と前記第2移動部材とのそれぞれの前記第1方向の側の端部と密着させられており、前記第1移動部材と前記第2移動部材とのそれぞれの前記第1方向の側の端部と自身との間における作動液の流通を禁止することで、シールとして機能する請求項4に記載の液圧弁装置。
  6. 前記変形体が、板ばねであり、
    その板ばねが、
    前記第2移動部材と係合する第1の係合部と、前記第1移動部材と係合する第2の係合部とを有し、前記第2移動部材の前記第1方向への移動に伴って前記第1の係合部が前記第1方向へ移動するとともに、その移動に伴って前記第2の係合部が前記第2方向へ移動するように弾性変形するように構成された請求項4に記載の液圧弁装置。
  7. 前記ハウジングが、
    中空形状の本体部材と、
    円筒部とその円筒部の一端部を塞ぐ蓋部と有し、前記円筒部の他端部が前記第2方向の側に位置するとともに前記蓋部が前記第1方向の側に位置した状態で前記本体部材の内部に前記第2方向に移動可能に配設された有蓋円筒部材と、
    その有蓋円筒部材の前記蓋部の前記第1方向の側の端面と前記本体部材とによって区画されるとともに、前記高圧源とは異なる圧力源から作動液が流入可能な補助室とを有し、
    前記変形体を前記有蓋円筒部材の前記蓋部の前記第2方向の側の端面において支持するとともに前記円筒部の内部に前記第1移動部材と前記第2移動部材とが挿入され、前記有蓋円筒部材の内部の一部分が前記高圧室として機能するとともに前記有蓋円筒部材の前記円筒部の前記他端部が前記第1室間部として機能し、その他端部に前記第1移動部材の外周面の一部分が着座するように構成されるとともに、
    当該液圧弁装置が、
    前記移動力発生器が前記第3移動部材を移動させるための力を発生させない場合であっても、前記補助室内の作動液の液圧によって前記有蓋円筒部材が前記第2方向に移動させられることで、前記第1移動部材の外周面の一部分が前記円筒部の前記他端部に着座した状態で前記第2移動部材の前記内部連通路の前記開口に前記第3移動部材が着座させられ、その状態において前記有蓋円筒部材がさらに前記第2方向へ移動させられることで、前記変形体を介して前記第1移動部材の外周面の一部が前記円筒部の前記他端部から離隔させられ、前記調圧室の作動液が増圧されるように構成された請求項4ないし請求項6のいずれか1つに記載の液圧弁装置。
  8. 前記移動力発生器が、前記第3移動部材を前記第1方向に移動させるための電磁力を発生させるコイルを有する請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の液圧弁装置。
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