JP2011224793A - 感熱記録体 - Google Patents

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賢志 武藤
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伸一 土井
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Abstract

【課題】印字画質に優れ、印字部の保存性、特に耐可塑剤性に優れた感熱記録体を提供することにある。
【解決手段】支持体上に、下塗り層、ロイコ染料と顕色剤を含む感熱記録層、及び保護層を順次有する感熱記録体において、該保護層中にクリストバライト含有量が1.0%以下である水膨潤性合成雲母を含有させることを特徴とする感熱記録体。前記水膨潤性合成雲母を、前記保護層の全固形分に対して0.1〜5.0質量%含有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は感熱記録体に関するものである。
無色或いは淡色のロイコ染料と有機または無機の顕色剤との呈色反応を利用し、熱により両発色物質を接触せしめて発色像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も比較的容易であるため、ファクシミリやコンピュータのアウトプット、ハンディターミナル、POSシステム(店舗販売時点情報管理システム)、交通機関での乗車券、定期券など幅広い分野において使用されているが、最近このような用途展開の多様化、システムの高機能化により、感熱記録体に対する要求品質も高度なものとなっている。
POSシステム用ラベル、乗車券、定期券などの用途では、水、油、可塑剤を含むラップ用塩化ビニルシート及び極性をもつ揮発性溶媒(エタノール、整髪剤等)の付着、接触によって、地肌カブリや印字画像の消色、退色が生じないということが重要である。印字部の保存性改良については、従来より、感熱記録層上に保護層を設ける方法があり、数多くのオーバーコート剤が提案されている。例えば、保護層としてフィルム形成能を有し、且つ耐酸性及び耐溶剤性に優れる樹脂からなる保護皮膜を設ける方法(特許文献1参照)、特定の官能基を有するポリウレタン樹脂を含む保護層を設ける方法(特許文献2参照)、水溶性高分子化合物を主成分とし、更に疎水性樹脂または水溶性高分子化合物の親水基と架橋する耐水化剤を含有する被覆層を設ける方法(特許文献3参照)、ポリビニルアルコールをポリアクリル酸のグリオキザール変性体と共に含有する保護層を設ける方法(特許文献4参照)等が提案されている。
また、耐可塑剤性、耐光性、及び印字画質を向上させたり、光沢度の高い記録材料を得るために、いずれかの層に雲母を使用する方法が開示されている。例えば、保護層に無機層状化合物を添加する方法(特許文献5参照)、下塗り層に雲母を添加する方法(特許文献6参照)、中間層に雲母を添加する方法(特許文献7、8参照)、感熱記録材料を構成するいずれかの層に雲母を添加する方法(特許文献9参照)等が提案されている。また、支持体と感熱記録層との間に存在する層以外の層の少なくとも1層にアスペクト比が30以上のカオリンを含有させる方法(特許文献10参照)や、更にアスペクト比が20以上のカオリンを含有する保護層をカーテン塗布する方法も開示されている(特許文献11参照)。
しかしながら、特許文献5に記載の方法では、耐可塑剤性については十分な効果が得られず、特許文献6に記載の方法では、下塗り層が増粘して支持体との密着性が悪化したり、また特許文献7、8及び9に記載の方法でも、ある程度の効果はあるものの塗布方法によって、特にブレード法等の剪断が大きくかかるような方法では無機層状化合物の粒子の配向が乱れてその効果が低下したり、表面強度が低下して印刷適性が劣るといった欠点があった。また、特許文献10や特許文献11に記載のカオリンを含有させる方法では印刷強度が低下したりする欠点があった。
また、層状ケイ酸塩粉体について、クリストバライト含有量を特定した技術が開示されている(特許文献12参照)。
特開昭54−128347号公報 特公平4−22153号公報 特公平4−71716号公報 特公平4−77672号公報 特開2006−255902号公報 特開平11−5366号公報 特開平10−193789号公報 特開2004−216718号公報 特開2001−199163号公報 特許3971453号公報 特開2007−253369号公報 特開2003−252620号公報
本発明の課題は、印字画質に優れ、印字部の保存性、特に耐可塑剤性に優れた感熱記録体を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を種々検討した結果、支持体上に、下塗り層、ロイコ染料と顕色剤を含む感熱記録層、及び保護層を順次有する感熱記録体において、保護層中にクリストバライト含有量が1.0%以下である水膨潤性合成雲母を含有させることで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の感熱記録体を提供するものである。
項1:支持体上に、下塗り層、ロイコ染料と顕色剤を含む感熱記録層、及び保護層を順次有する感熱記録体において、該保護層中にクリストバライト含有量が1.0%以下である水膨潤性合成雲母を含有させることを特徴とする感熱記録体。
項2:前記水膨潤性合成雲母を、前記保護層の全固形分に対して0.1〜5.0質量%含有する、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記水膨潤性合成雲母の平均粒子径が2μm以上15μm未満である、項1または2に記載の感熱記録体。
本発明によれば、印字画質に優れ、印字部の保存性、特に耐可塑剤性に優れる感熱記録体を提供することができる。
以下、本発明の感熱記録体について詳細に説明する。
本発明では、支持体上に、下塗り層、ロイコ染料と顕色剤を含む感熱記録層、及び保護層を順次有する感熱記録体において、該保護層中にクリストバライト含有量が1.0%以下である水膨潤性合成雲母を含有させる。
(保護層)
本発明者らは、保護層に含有させる水膨潤性合成雲母に関して鋭意検討を行った結果、水膨潤性合成雲母の合成過程で生成される不純物であるクリストバライトの含有量が、全固形分中1%以下である水膨潤性合成雲母を使用することで、印字画質に優れ、印字部の保存性、特に耐可塑剤性に優れる感熱記録体を得ることを見出した。
合成雲母は、二酸化ケイ素、酸化アルミ等の厳選した材料を千数百度の高温で溶融した後、高度な結晶制御技術により製造することができる。一般に、水膨潤性雲母は層間域に水分子を配位して膨潤し、フィルム系性能を示す。また非膨潤性雲母に比べ、1次粒子が大きく高アスペクト比粒子であるため、優れたバリア性能を有する。クリストバライトは合成雲母の合成過程で生成される二酸化ケイ素の結晶多形の一つで、石英の高温結晶形であり、天然雲母にも不純物として含有されている。また、クリストバライトは、人体の肺に影響を与え、線維症(珪肺症)を生じることがあり、発がん性も認められている。本発明では、保護層にクリストバライト含有量が1%以下である水膨潤性合成雲母を含有させることで耐可塑剤性が向上するメカニズムについて、必ずしも明らかではないが、水膨潤性合成雲母が規則的に層構造をなしている領域に、不純物であるクリストバライトが含有されることで、緻密性が損なわれ、可塑剤が内部へと進入し易くなっているのではないかと推測している。なお、クリストバライト含有量は、内部標準法で算出した値である。
水膨潤性合成雲母としては、ナトリウムテトラシリシックマイカNaMg2.5(Si10)F、ナトリウムまたはリチウムテニオライト(Na、Li)MgLi(Si10)F、ナトリウムまたはリチウムヘクトライト(Na、Li)1/3Mg2/3Li1/3(Si10)F等が挙げられる。
保護層中における水膨潤性合成雲母の含有量としては、保護層の全固形分に対して0.1〜5質量%程度が好ましく、0.5〜3質量%程度がより好ましい。水膨潤性合成雲母の含有量が0.1質量%未満では、十分な耐可塑剤性が得られず、5質量%を超えると保護層用塗液の粘度が高くなりすぎ、塗料中の泡が抜け難くなることにより、泡による塗工欠陥が発生したり、或いは流れ方向にスジ状の塗布ムラが発生し易くなる。
前記水膨潤性合成雲母の平均粒子径は、2μm以上15μm未満が好ましく、2μm未満では耐可塑剤性にやや劣り、15μm以上であると、印字画質にやや劣る恐れがある。なお、前記平均粒子径については、レーザー回折式粒度分布測定装置を使用して測定した値である。
保護層は、前述した水膨潤性合成雲母以外に、顔料、接着剤及び助剤を主体として構成される。特に保護層には、サーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的で、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸亜鉛のような滑剤を添加することが好ましく、紫外線吸収剤を含むこともできる。また光沢のある保護層を設けることにより、製品の付加価値を高めることもできる。
本発明で、保護層に使用される接着剤としては、例えば、水溶性接着剤として、酸化澱粉、酸変性澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉及び酢酸ビニル変性グラフト化澱粉等の澱粉類、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、及び珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。水溶性接着剤以外では、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックス等の使用が可能である。
なかでも、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールは、本発明の効果をより向上させることが出来るため、好ましく用いられる。
接着剤の含有量は、総計で、保護層の全固形分に対して10〜80質量%程度が好ましく、特に20〜75質量%程度がより好ましい。
10質量%未満ではバリア性が十分ではないばかりでなく、表面強度が低下し、紙粉の悪化等につながる。一方、80質量%を超えるとスティッキングが悪化する恐れがある。
顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン等の無機顔料、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生澱粉粒子等の有機顔料が挙げられる。
なかでも、カオリン、水酸化アルミニウムは可塑剤や油等の薬品に対するバリア性の低下が少なく、しかも記録濃度の低下も小さいため、好ましい。
顔料の使用量は、保護層の全固形分に対して5〜80質量%程度であり、特に10〜70質量%程度の範囲が好ましい。
5質量%未満では、サーマルヘッドとの滑りが悪くなり、スティッキングを起こしたり、ヘッド粕の悪化を招く。一方、80質量%を超えると、バリア性が悪くなり、保護層としての機能が大幅に低下する。
助剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、スルホン変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムアセチレングリコール系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、エーテル型界面活性剤、或いはベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等の両性系界面活性剤等の界面活性剤、グリオキザール、硼酸、ジアルデヒド澱粉、メチロール尿素、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物等の耐水化剤(架橋剤)、疎水性ポリカルボン酸共重合物、紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、離型剤、酸化防止剤等が挙げられる。助剤の使用量は、広い範囲から適宜設定することができる。
保護層用塗液の塗布量は特に制限はなく、乾燥重量で0.3〜10g/m程度、特に0.5〜8g/m程度であれば所望の品質を達成できる。なお、保護層は必要に応じて2層以上に分けることができ、各層の組成、塗工量を変えることもできる。
(下塗り層)
本発明では、支持体と感熱記録層との間に、顔料とバインダーを主成分とする下塗り層が設けられる。下塗り層の顔料としては、一般の無機及び有機顔料の全てを添加できるが、無機顔料では、特に吸油度が40ml/100g以上の吸油性顔料が好ましい。かかる吸油性顔料の具体例としては、酸化アルミニウム、焼成珪藻土、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、カオリン、焼成カオリン、非晶質シリカ、タルク等が挙げられる。有機顔料では、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、プラスチック中空粒子、密実のプラスチック粒子等が挙げられる。
本発明においては、プラスチック中空粒子は焼成カオリンと併用して使用されることが好ましい。下塗り層中に含有されるプラスチック中空粒子としては、従来公知のもの、例えば熱可塑性高分子を殻とする微小中空粒子で、アクリル系樹脂、スチレン樹脂、アクリル−スチレン樹脂、塩化ビニリデン系樹とアクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、イソボニルメタクリレートとアクリロニトリルを主体とする共重合樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が例示できるが、ここで中空率とは内径と外径の比であり、下記式で表示されるものである。
中空率(%)=(中空粒子の内径/中空粒子の外径)×100
プラスチック中空粒子の含有量としては、焼成カオリン100質量部に対して、10〜100質量%であることが好ましい。下塗り層中のプラスチック中空粒子が100質量%を超えると、熱溶融物を吸収する能力が不足し、サーマルヘッドへの貼り付き、所謂スティッキングが発生し易くなる。またプラスチック中空粒子が10質量%未満であると、感度の大幅な低下が生じる。また下塗り層表面の平滑性の点から、プラスチック中空粒子の平均粒子径は0.4〜2.0μm程度であることが好ましい。平均粒子径が2μmより大きい場合は、ブレード塗工をした場合にストリークやスクラッチ等のトラブルの原因となったり、品質面では表面平滑性が低下したり、塗布均一性が悪化し、下塗り層上に感熱記録層を塗布した際に、画質の低下、均一なバリア性能が悪化する原因となる。
焼成カオリンとしてはJIS K 5101で規定する吸油度が70ml/100g以上であることが好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、下塗り層中のその他の顔料として、一般の無機及び有機顔料の全てを添加できるが、特に吸油度が40ml/100g以上の吸油性顔料が好ましい。かかる吸油性顔料の具体例としては、酸化アルミニウム、焼成珪藻土、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、カオリン、非晶質シリカ、タルク等が挙げられる。また本発明の効果を損なわない範囲で密実のプラスチック粒子を含有することもできる。前述のプラスチック中空粒子と焼成カオリンを含む顔料の合計量は、下塗り層の全固形分に対して40〜85質量%であることが好ましい。
下塗り層のバインダーとしては、水溶性高分子や水性バインダーが挙げられる。これらは1種単独でも、2種以上を併用してもよい。前記水溶性高分子としては、例えば、澱粉、変性澱粉、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、アクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、カゼイン等が挙げられ、前記水性バインダーとしては、合成ゴムラテックス、合成樹脂エマルジョンが一般的であり、例えば、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
下塗り層のバインダーの使用量としては、塗膜強度や感熱記録層の発色感度との兼ね合いで決定されるが、下塗り層に含まれる顔料に対して、3〜100質量%程度が好ましく、5〜50質量%程度がより好ましく、7〜40質量%程度が特に好ましい。また、下塗り層用塗液中には、必要に応じて、増粘剤、ワックス、消泡剤、界面活性剤等の助剤を添加してもよい。
下塗り層の塗布量としては、特に制限はないが、感熱記録体の特性に応じて、2g/m以上が好ましく、3g/m以上がより好ましく、4〜10g/mが特に好ましい。
(感熱記録層)
本発明において、下塗り層上に設けられる感熱記録層は従来から公知の感熱記録体で使用されている感熱記録層を利用できる。感熱記録層は、無色或いは淡色のロイコ染料と有機または無機の顕色剤、接着剤及び顔料を主体として構成される。
本発明では、発明の効果を損なわない範囲で、公知の顔料を使用することができる。具体例としては、例えば、カオリン、更に、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料やスチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、生澱粉粒子等の有機顔料が挙げられる。
感熱記録層中には、品質を損なわない範囲で、公知の接着剤を使用する事ができる。具体例としては、例えば、水溶性接着剤として、酸化澱粉、酸変性澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉及び酢酸ビニル変性グラフト化澱粉等の澱粉類、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性以外のポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。水溶性接着剤以外では、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックス等の併用が可能である。なかでも、エチレン・アクリル酸共重合体塩を使用することで、本発明の効果をより向上させることが出来るため好ましい。
本発明の感熱記録層は、各種公知のロイコ染料、顕色剤を含有する。その他、必要に応じて、増感剤、顔料、各種助剤等を含有してもよい。
例えば、黒色発色を与えるロイコ染料としては、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アリニノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン等の少なくとも1種を用いることができる。また、必要に応じて、ロイコ染料としては、黒とは異なる色調に発色する、例えば赤、赤紫、オレンジ、青、緑等の発色色調を与えるロイコ染料を使用してもよい。
本発明で使用されるロイコ染料はこれらに限定されるものではなく、2種以上を併用することもできる。かかるロイコ染料の使用量としては、感熱記録層の全固形分に対して3〜30質量%程度である。
本発明において、前記ロイコ染料を固体微粒子状態として使用する場合、該ロイコ染料を、水を分散媒体として、サンドグラインダー、アトライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によって粉砕し、これをポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれらの誘導体等の水溶性合成高分子化合物のほか、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等と共に分散媒体中に分散させて分散液とし、この分散液を感熱記録層用塗液の調製に用いることができる。
またロイコ染料を溶剤に溶解した後、この溶液を水中で上記水溶性高分子を安定化剤として乳化分散後、この乳化液から溶剤を蒸発させ染料前駆体を固体微粒子化して使用することもできる。いずれの場合も固体微粒子状態で使用するロイコ染料の分散粒子の平均粒子径は、適切な発色感度を得るために0.2〜3.0μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μm程度である。
本発明においては、ロイコ染料の使用方法として、上記固体微粒子状態で使用する以外に、有機高分子とロイコ染料とからなる複合粒子としても使用することができる。複合粒子の作製については、公知の方法により可能である。例えば、前記有機高分子がポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種である複合粒子の作製方法について記載する。上記複合粒子は、ロイコ染料、並びに重合によりポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種を形成する高分子形成性原料を、100℃以下の沸点を有する水不溶性有機溶剤に溶解混合し、この有機溶剤溶液をポリビニルアルコール等の親水性保護コロイド溶液中に平均粒子径が0.5〜3μm程度となるように乳化分散し、更に必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加熱して前記有機溶剤を揮発除去し、その後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製されたもの、或いは前記ロイコ染料を高分子形成性原料に溶解し、この溶解液を前述の方法で平均粒子径が0.5〜3μm程度に乳化分散後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製される。
本発明において、感熱記録層に使用される顕色剤としては、公知の化合物を使用することができる。かかる顕色剤の具体例としては、例えば、4−tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、及びビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル等のフェノール性化合物、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール性化合物、または安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム等の多価金属との塩等の有機酸性物質、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−ブトキシカルボニル)ウレア、N−p−トルエンスルホニル−N’−フェニルウレア等のウレア化合物が挙げられる。
本発明において、感熱記録層中のロイコ染料と顕色剤の使用比率は用いるロイコ染料と顕色剤の種類に応じて適宜選択すべきもので、特に限定するものではないが、一般にロイコ染料1質量部に対して1〜7質量部程度、好ましくは1〜6質量部程度の顕色剤が使用される。これらの物質を含む感熱記録層用塗液の調製は、一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌、粉砕機によりロイコ染料と顕色剤とを一緒に、または別々に分散するなどして塗液として調製される。
更に、目的に応じて増感剤を併用することもできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジルエステル、p−ベンジルビフェニル、トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示される。これらの増感剤の使用量は特に限定されないが、一般に顕色剤1質量部に対して4質量部以下の範囲で調節するのが望ましい。
本発明では、所望の効果を損なわない限り、目的に応じて記録像の保存性を更に高めるために、保存性改良剤を使用することもできる。保存性改良剤の具体例としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−(2,2−プロピリデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(5−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ、下記一般式(1)で示されるジフェニルスルホン架橋型化合物等が挙げられる。なかでも、ジフェニルスルホン架橋型化合物が保存性向上効果に優れているため、好ましい。
Figure 2011224793
(但し、nは1〜7の整数を表わす)
また、感熱記録層中には必要に応じて各種の助剤を添加することができる。例えば、界面活性剤、ワックス類、金属石鹸、消泡剤、蛍光染料、着色染料、架橋剤、粘度調整剤等が適宜添加される。
感熱記録層の塗布量としては、特に制限はないが、感熱記録体の特性に応じて、1g/m以上が好ましく、2g/m以上がより好ましく、3〜10g/mが特に好ましい。
本発明においては、より製品の付加価値を高めるため、多色感熱記録体とすることもできる。一般に多色感熱記録体は、加熱温度の差、または熱エネルギーの差を利用する試みであり、一般に、支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を順次積層して構成されたものであってこれらを大別すると消色型と加色型の2種類、マイクロカプセルを用いた方法及び有機高分子と染料前駆体からなる複合粒子を使用して多色感熱記録体を製造する方法がある。
本発明において、下塗り層、感熱記録層、保護層の形成方法については特に限定されず、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング等の公知の適当な塗布方法により形成される。
塗液の塗布後は乾燥され、その後は、好ましくはカレンダー処理により平滑化処理され使用に供される。
本発明においては、感熱記録材料の付加価値を高めるために、これに更に加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録材料とすることができる。例えば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等の塗布加工を施すことにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙として使用することができる。或いは磁気加工を施すことにより裏面に磁気記録可能な層を有する感熱記録体とすることもできる。特に、粘着加工、及び磁気加工を施したものは感熱ラベルや、感熱磁気乗車券等の用途に有用である。また、裏面を利用して、これに熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、静電記録紙、ゼログラフィ用紙としての機能を付与し、両面記録が可能な記録材料とすることもできる。勿論、両面感熱記録体とすることもできる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、特に断らない限り、例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
(下塗り層用塗液の調製)
吸油量110ml/100gの焼成カオリン60部、プラスチック中空粒子エマルジョン(商品名:AE852、固形分濃度26%、中空率80%、平均粒子径1.0μm、JSR社製)80部、軽質炭酸マグネシウム1部、接着剤として固形分濃度50%のスチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体ラテックス20部、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲン7A、第一工業製薬社製)の5%水溶液20部、酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)の20%水溶液25部、及び水90部を均一に混合攪拌して下塗り層用塗液を得た。
(染料前駆体/増感剤分散液(A液)調製)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン25部、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部、スルホン変性ポリビニルアルコールの20%水溶液25部、及び水30部からなる組成物を、サンドミルでレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.9μmになるまで粉砕して染料前駆体/増感剤分散液(A液)を得た。
(顕色剤分散液(B液)調製)
4,4’−イソプロピリデンジフェノール45部、スルホン変性ポリビニルアルコールの20%水溶液25部、及び水30部からなる組成物を、サンドミルでレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.5μmになるまで粉砕して顕色剤分散液(B液)を得た。
(保存性向上剤分散液(C液)調製)
前記一般式(1)で示された化合物(商品名:D−90、nが1〜7の合計含有比率が87質量%、日本曹達社製)45部、スルホン変性ポリビニルアルコールの20%水溶液25部、及び水30部からなる組成物を、サンドミルでレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.5μmになるまで粉砕して保存性向上剤分散液(C液)を得た。
(感熱記録層用塗液の調製)
A液40部、B液50部、C液10部、カオリン(1級カオリン、商品名:UW−90、エンゲルハード社製)の50%水分散液50部、エチレン・アクリル酸共重合体(商品名:ザイクセンAC−HW−10、固形分濃度25%、住友精化社製)60部、アジピン酸ジヒドラジドの30%水分散液10部、ステアリン酸亜鉛の30%水分散液10部、更にジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ社製)の10%水溶液5部を順次添加、混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
(保護層用塗液の調製)
カオリン(1級カオリン、商品名:UW−90)の50%水分散液50部に、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ―410、重合度2400、日本合成化学社製)の10%水溶液600部、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)25部、更にジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ社製)の5%水溶液20部、水膨潤性合成雲母NTO1(平均粒子径:11μm、トピー工業社製、クリストバライト含有量0.04%)の6%水分散液35部を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
(感熱記録体の作製)
坪量60g/mの上質紙の片面に、下層側から下塗り層、感熱記録層、保護層の順で、乾燥後の塗布量が下塗り層は7.0g/m、感熱記録層が4.0g/m、保護層が2.0g/mとなるように、下塗り層はブレードコーター、感熱記録層と保護層はロッドブレードコーターにて、逐次塗布乾燥し、その後スーパーカレンダー処理を行い、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の感熱記録体の作製において、感熱記録層、保護層の塗布を、ロッドブレードコーターの代わりに、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、下層側から感熱記録層、保護層の順で2層同時塗布を行った以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の感熱記録体の作製において、下塗り層、感熱記録層、保護層の塗布をブレードコーターとロッドブレードコーターの代わりに、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、下層側から下塗り層、感熱記録層、保護層の順で3層同時カーテン塗布を行った以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の保護層用塗液の調製において、水膨潤性合成雲母NTO1(トピー工業社製、前出)の6%水分散液35部の代わりに、水膨潤性合成雲母NHTゾルB(平均粒子径:3.4μm、トピー工業社製、クリストバライト含有量0.09%)の5%分散液35部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の保護層用塗液の調製において、水膨潤性合成雲母NTO1(トピー工業社製、前出)の6%水分散液を35部使用する代わりに、100部使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の保護層用塗液の調製において、水膨潤性合成雲母NTO1(トピー工業社製、前出)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の保護層用塗液の調製において、水膨潤性合成雲母NTO1(トピー工業社製、前出)の6%水分散液35部の代わりに、水膨潤性合成雲母NTO5(平均粒子径:11μm、トピー工業社製、クリストバライト含有量1.4%)の6%分散液35部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
得られた感熱記録体について、以下の評価試験を行い、その結果を表1に記載した。
(耐可塑剤性)
感熱記録用シミュレーター(TH−PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギー0.27mJ/dotにて記録し、ベタ記録部分を直径5cmのアクリル製円筒に塩ビラップフイルム(商品名:ハイエスソフトTM350、日本カーバイド工業社製)で上下各々3重巻きで挟み込むように巻きつけ、50℃の環境で36時間放置した後、印字部分の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、印字部の保存率を求めた。塩ビラップフイルム処理後の記録濃度が1.00以上で、保存率70%以上であれば問題ない。
保存率(%)=測定値(記録濃度)÷処理前の記録濃度×100
(印字画質)
上記のベタ記録部分の印字画質を目視評価した。
◎:抜けがなく画質が極めて優れている。
○:抜けが若干見られるが、画質は良好。
△:抜けが見られるが実用レベル。
×:抜けが著しく多く見られ、画質は悪く実用上問題である。
Figure 2011224793
本発明によれば、保護層中に、クリストバライト含有量が1.0%以下である水膨潤性合成雲母を含有させることで、印字画質に優れ、耐可塑剤性に優れた感熱記録体を提供することができる。

Claims (3)

  1. 支持体上に、下塗り層、ロイコ染料と顕色剤を含む感熱記録層、及び保護層を順次有する感熱記録体において、該保護層中にクリストバライト含有量が1.0%以下である水膨潤性合成雲母を含有させることを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記水膨潤性合成雲母を、前記保護層の全固形分に対して0.1〜5.0質量%含有する、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記水膨潤性合成雲母の平均粒子径が2μm以上15μm未満である、請求項1または2に記載の感熱記録体。
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