JP2011223490A - 超音波センサー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センサー基板上に、超音波トランスデューサー30がセンサー基板に対して互いに直交する二方向に沿って配置された超音波センサーであって、センサー基板は、当該センサー基板を厚み方向に沿って見た平面視において、互いに直交するX軸L1及びY軸L2により分割される領域Ar1〜Ar4を備える。そして、各領域Ar1〜Ar4内において、各超音波トランスデューサー30の下部電極から引き出される各下部電極線334は、X軸L1及びY軸L2の互いに交差する基板中心点Oから離れる方向に延びている。
【選択図】図3
Description
具体的に、特許文献1に記載の超音波トランスデューサーは、圧電素子を個別電極及び共通電極で挟んで構成されている。そして、この超音波トランスデューサーは、円周方向及び幅方向に沿って、半円周状にそれぞれ並べられて、配置されている。
例えば、15行以上に数多くの超音波トランスデューサーを配置した場合には、配置した超音波トランスデューサーの数だけ信号配線が各列間に引き出されることとなる。ところで、各列間のスペースには制約があり、数多くの超音波トランスデューサーを配置した場合には、各列間のスペースにおいて、信号配線が複雑化するという問題がある。
これによれば、各領域内において、各第1電極線は、交差点から離れる第一方向に延びているので、分割仮想線を跨いで他の領域に向けて引き出されることがない。すなわち、分割仮想線により、センサー基板を複数の領域に分割して、各領域内において、第1電極線が各領域間を跨がないように、一方の電極から引き出されている。従って、従来のように、センサー基板を分割することなく、第1電極線を同じ方向のみに引き出す場合と比べて、各領域内において、超音波トランスデューサー間に引き出される第1電極線の本数を少なくできる。
本発明によれば、センサー基板を互いに直交するX軸及びY軸によって、4つの領域に分割している。これによれば、4分割することで、上述したような例えば、9分割の構成において、中央部分に形成される領域が生じることなく、各領域内において、超音波トランスデューサー間に引き出される第1電極線の本数を確実に少なくでき、分割する領域数を多くした場合での第1電極線の引き出し方向の煩雑化を防止できる。
本発明によれば、X軸及びY軸がセンサー基板の基板略中心点を通るので、センサー基板を略均等に4つの領域に分割できる。これによれば、領域毎での超音波トランスデューサー間における第1電極線の本数の偏りを抑制でき、本数を略均等にできる。従って、各領域の大きさが大きく異なる場合には、領域毎に超音波トランスデューサー間のスペースの広さをそれぞれ変更する必要があるが、各領域で本数を略均等にできるので、超音波トランスデューサーをセンサー基板に配置する製造工程を簡素化できる。
本発明によれば、共通電極線には、第1電極線に対して平行に配置される第2電極線がそれぞれ接続され、この共通電極線は、複数の分割仮想線の少なくともいずれか一方に沿って配置されているのみである。従って、共通電極線の本数を従来の構成に比べて大幅に減らすことができ、構成を簡素化できる。
また、第1電極線は、分割仮想線の交差点から離れる第一方向に延び、共通電極線は、複数の分割仮想線のうち、少なくともいずれか一方に沿うので、第1電極線と共通電極線との接触を防止できる。
本発明によれば、第1電極線の引出部は、複数の分割仮想線のうちいずれか一方から離間する方向に引き出されるので、共通電極線が分割仮想線に沿って配置された場合でも、引出部と共通電極線とが交差することをより確実に防止できる。
以下、本発明に係る第1実施形態を図面に基づいて説明する。
[超音波センサーの概略構成]
図1は、本実施形態に係る超音波センサー10の概略構成を示す平面図である。
超音波センサー10は、センサー基板20上に実装される複数の超音波トランスデューサー30を備える。この超音波センサー10は、図1に示すように、センサー基板20上に複数の超音波トランスデューサー30を水平方向(X軸L1)及び垂直方向(Y軸L2)に沿って均等間隔に配置されたマトリクス状の二次元アレイ構造に構成されている。
ここで、超音波トランスデューサー30の概略構成について説明する。図2は、本実施形態の超音波トランスデューサー30の概略構成を示す平面図、および断面図である。
超音波トランスデューサー30は、図示しない制御部からの信号に基づいて超音波を送信する素子であり、また、被検出体等で反射された超音波を受信して電気信号に変換し、制御部に出力する素子である。
超音波トランスデューサー30は、図2に示すように、開口部31Aが形成された支持部31と、支持部31上を覆い、開口部31Aを閉塞する支持膜32と、支持膜32上に形成される圧電体33とを備えている。
また、下部電極331には、図1及び図2に示すように支持膜32上のY軸方向に沿って下部電極線334(第1電極線)が引き出されている。また、上部電極333には、支持膜32上のX軸方向に沿って上部電極線335(第2電極線)が引き出されている。
また、超音波トランスデューサー30は、被検出体により反射された超音波をダイアフラム321で受信することでダイアフラム321が膜厚方向に振動する。超音波トランスデューサー30では、このダイアフラム321の振動により、圧電膜332の下部電極331側の面と上部電極333側の面とで電位差が発生し、上部電極333および下部電極331から圧電膜332の変位量に応じた電気信号(電流)が出力される。
図3は、図1に示す超音波センサー10の一部を拡大して、超音波トランスデューサー30の配線構造を示す平面図である。
第1領域Ar1において、各超音波トランスデューサー30の下部電極331から引き出される下部電極線334は、下部電極331からY軸L2に沿って+Y軸方向側(第一方向に直交する方向)に延びる引出部3341と、引出部3341の先端からX軸L1に沿って−X軸方向側(第一方向)に延びる配線部3342とを備える。
第2領域Ar2において、下部電極線334は、Y軸L2に沿って+Y軸方向側(第一方向に直交する方向)に延びる引出部3341と、引出部3341の先端からX軸L1に沿って+X軸方向側(第一方向)に延びる配線部3342とを備える。
なお、第1領域Ar1及び第2領域Ar2において、下部電極線334の引出部3341は、それぞれX軸L1から離間する方向に引き出されていたが、本実施形態のように、後述する共通電極線336がX軸L1に沿って形成されていない場合には、引出部3341をX軸L1に向けて引き出してもよい。
第4領域Ar4において、下部電極線334は、Y軸L2に沿って−Y軸方向側(第一方向に直交する方向)に延びる引出部3341と、引出部3341の先端からX軸L1に沿って+X軸方向側(第一方向)に延びる配線部3342とを備える。
(1)超音波トランスデューサー30を基板20上に、二次元アレイ状に配置した場合において、基板20に対する平面視において、互いに直交するX軸L1及びY軸L2によって、基板20を4つの領域Ar1〜Ar4に分割している。そして、各領域Ar1〜Ar4内において、超音波トランスデューサー30の下部電極331から引き出される各下部電極線334は、基板中心点Oから離れる方向へ延びている。
すなわち、X軸に沿って、Y軸を挟んだ2つの領域Ar1,Ar2またはAr3,Ar4において、下部電極線334がY軸を跨いで同方向に引き出されることがない。これによれば、X軸L1及びY軸L2により、センサー基板20を領域Ar1〜Ar4に分割して、各領域Ar1〜Ar4内で下部電極線334を引き出しているので、各領域Ar1〜Ar4内において、超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数を少なくできる。
(3)X軸L1及びY軸L2がセンサー基板20の基板中心点Oを通るので、センサー基板20を均等に4つの領域Ar1〜Ar4に分割できる。これによれば、領域Ar1〜Ar4毎での超音波トランスデューサー30間における下部電極線334の本数の偏りを防止でき、本数を均等にできる。従って、各領域が均等でない場合には、領域毎に超音波トランスデューサー30間のスペースの広さをそれぞれ変更する必要があるが、本実施形態によれば、各領域Ar1〜Ar4において本数を均等にできるので、超音波トランスデューサー30をセンサー基板20に配置する製造工程を簡素化できる。
(5)下部電極線334の引出部3341は、各超音波トランスデューサー30間において、上部電極線335と直交する方向に引き出され、配線部3342は、引出部3341の先端から上部電極線335に対して平行に延びている。また、上部電極線335は、一方向に直線状に延びている。これによれば、配線部3342は、引出部3341によって、上部電極線335とは離れた位置で平行に延びているので、上部電極線335と交差することがない。従って、上部電極線335と下部電極線334とが接触することによる一対の電極のショートを確実に防止できる。
図4は、第2実施形態に係る超音波トランスデューサー30の配線構造を拡大して示す平面図である。
第2実施形態では、第2領域Ar2において、下部電極線334を+Y軸方向側へ引き出している点で、前記第1実施形態と相違する。その他の領域Ar1,Ar3,Ar4については、前記第1実施形態と同様の構成である。また、本実施形態では、2本の共通電極線336,337を備え、共通電極線337は、第2領域Ar2及び第4領域Ar4の間にX軸L1に沿って設けられている。
図5は、第2実施形態の第1変形例に係る超音波トランスデューサー30の配線構造を拡大して示す平面図である。
本変形例では、第4領域Ar4での配線レイアウトが前記第2実施形態と相違する。他の領域Ar1〜Ar3の構成は前記第2実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。また、本変形例では、前記第2実施形態と同様の共通電極線336,337が2本設けられている。
図6は、第2実施形態の第2変形例に係る超音波トランスデューサー30の配線構造を拡大して示す平面図である。
本変形例では、第3領域Ar3での配線レイアウトが前記第2実施形態と相違する。他の領域Ar1,Ar2,Ar4の構成は前記第2実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。また、本変形例では、2本の共通電極線336,338を備え、共通電極線338は、第1領域Ar1及び第2領域Ar2と、第3領域Ar3及び第4領域Ar4との間にX軸L1に沿って設けられている。
本変形例では、共通電極線336,338は、各領域Ar1〜Ar4間に設けられているので、各領域Ar1〜Ar4において、下部電極線334の引出部3341をX軸L1またはY軸L2のうちいずれか一方から離間する方向に引き出すことで、引出部3341と共通電極線336とが交差することを防止している。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
前記各実施形態では、センサー基板20は、4つの領域Ar1〜Ar4を備えたが、例えば、3つの領域に分割してもよく、この場合でも各領域内の超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数を、基板20を分割しない場合よりも少なくできる。また、5つ以上に分割してもよく、この場合には、4分割する場合よりも、超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数をより少なくできる。
本変形例では、センサー基板20は、X軸L1、及び2本のY軸L2,L3で6分割され、6つの領域Ar1〜Ar6を備える。
図7(A)では、各領域Ar1〜Ar6において、3行3列ずつ均等に分割されている。
この構成では、特に、第2領域Ar2及び第5領域Ar5において、下部電極線334は、各領域間を跨がないため、必然的に、Y軸L2,L3に沿って延びることとなる。すなわち、第2領域Ar2の下部電極線334が、X軸L1に沿って延びることがないので、第1領域Ar1または第3領域Ar3内に延びることがなく、第1領域Ar1及び第3領域Ar3内における超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数をさらに減らすことができる。第5領域Ar5についても同様に、第5領域Ar5の下部電極線334が、第4領域Ar4または第6領域Ar6内に延びることがなく、第4領域Ar4及び第6領域Ar6内における超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数をさらに減らすことができる。
しかし、領域Ar1,Ar4では、X軸方向に延出して、超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数は4本となり、図7(A)の場合に比べて、本数が多くなる。
なお、図7(C)では、領域Ar1,Ar3,Ar4,Ar6において、3行2列の構成としたが、領域Ar1,Ar4または領域Ar3,Ar6のいずれか一方を3行2列の構成としてもよい。この場合では、図7(A),(B)の構成に対して、領域Ar1,Ar4または領域Ar3,Ar6のいずれか一方において、超音波トランスデューサー30間に引き出される下部電極線334の本数を少なくできる。
前記各実施形態では、配線レイアウトの一例を示したにすぎず、用途に応じて、配線レイアウトを変更してもよい。この場合には、各領域内での下部電極線334がX軸L1及びY軸L2を跨がないように構成すればよい。
Claims (6)
- センサー基板上に、超音波トランスデューサーが前記センサー基板に対して互いに直交する二方向に沿って配置された超音波センサーであって、
前記センサー基板は、当該センサー基板を厚み方向に沿って見た平面視において、少なくとも互いに交差する2つの分割仮想線により分割される複数の領域を備え、
前記各領域内において、前記各超音波トランスデューサーの一対の電極のうち、一方の電極から引き出される各第1電極線が、前記分割仮想線の交差点から離れる第一方向に延びている
ことを特徴とする超音波センサー。 - 請求項1に記載の超音波センサーにおいて、
前記センサー基板は、前記超音波トランスデューサーの前記二方向の並び方向に対してそれぞれ平行となるX軸及びY軸により分割される4つの領域を備え、
前記各領域内において、前記各第1電極線は、前記X軸または前記Y軸のうち、いずれか一方に沿って延びている
ことを特徴とする超音波センサー。 - 請求項2に記載の超音波センサーにおいて、
前記X軸及び前記Y軸は、前記平面視において、前記センサー基板の基板略中心点を通る
ことを特徴とする超音波センサー。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波センサーにおいて、
前記複数の分割仮想線のうち、少なくともいずれか一方に沿う共通電極線を備え、
前記各領域内において、前記一対の電極のうち、他方の電極に互いに接続される第2電極線は、前記第1電極線に対して平行に配置され、かつ前記共通電極線に接続される
ことを特徴とする超音波センサー。 - 請求項4に記載の超音波センサーにおいて、
前記第2電極線は、前記各超音波トランスデューサーから前記第一方向に直線状に延び、前記第一方向に沿って配設される前記各超音波トランスデューサーを互いに接続し、
前記第1電極線は、
前記各超音波トランスデューサー間において、前記各超音波トランスデューサーから前記第一方向に直交する方向に引き出される引出部と、
前記引出部の先端から前記第2電極線に対して平行に延びる配線部とを備える
ことを特徴とする超音波センサー。 - 請求項5に記載の超音波センサーにおいて、
前記第1電極線の前記引出部の引き出し方向は、前記複数の分割仮想線のうちいずれか一方から離間する方向である
ことを特徴とする超音波センサー。
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